説明

シート延伸装置

【課題】部分的な設計変更や改造に容易に対処でき、補修作業も簡単にする。
【解決手段】帯状シート100の搬送における上流側から下流側に掛けて予熱部Aと延伸部Bと熱固定部Cがあり、予熱部から熱固定部までの間を一巡する複数のシートクリップ6で帯状シートにおける幅方向の両縁を把持し搬送しつつその搬送方向及び幅方向の少なくとも一方に延伸して延伸状態を維持させるシート延伸装置であり、予熱部から熱固定部に掛けて無端状ガイドレール200を設け、複数の循環ユニット300は両無端状ガイドレールに沿って移動し得るように懸架してあり、各循環ユニットは1対のシートクリップユニット5を備えており、両無端状ガイドレールに沿って無端チェーン400,600,800を設けてあり、各循環ユニット300は無端チェーンを把持するチャックを備え、各無端チェーンの駆動力で移動するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート延伸装置に係り、特に、熱可塑性樹脂フィルムなどの帯状シートの搬送における上流側から下流側に掛けて順次予熱部と延伸部と熱固定部があり、該予熱部から熱固定部までの間を一巡する複数のシートクリップで該帯状シートにおける幅方向の両縁を把持し搬送しつつその搬送方向(あるいは縦方向)及び幅方向(あるいは横方向)の少なくとも一方に延伸して薄膜化させ、延伸後のシートに熱を印加して延伸状態を維持させるシート延伸装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種装置は、下記特許文献1で提案されているように、帯状シートの搬送方向に予熱部,延伸部,熱固定部,冷却部を順次配置し、帯状シートの両側にその搬送方向に沿って各部を一巡する無端ガイドレールを配置し、この両無端ガイドレールに帯状シートにおける幅方向の縁を対向する位置で把持する複数対のシートクリップを同期して移動するようにし、シートクリップは予熱部で帯状シートにおける幅方向の縁を把持し、冷却部で把持を開放して予熱部に戻るように構成されている。
【0003】
各シートクリップはそれぞれの無端ガイドレール側において前後に無端状チェーンで連結し、無端状チェーンと噛み合うスプロケットをサーボモータで駆動することで、各シートクリップが予熱部,延伸部,熱固定部,冷却部の間を一巡するようにしている。なお、シート延伸装置としては、熱固定部の下流側に冷却部を持たないものもある。
【0004】
【特許文献1】特開平5−96619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来装置では、各シートクリップが無端状チェーンで永久連結してあるため、熱可塑性樹脂フィルムの寸法や種類が変わり、予熱部,延伸部,熱固定部,冷却部の一部や全部の寸法、特に搬送方向での寸法を延長した装置が必要な場合には、長い無端状チェーンを用意し、連結するシートクリップも増加させるため、永久連結する駆動系が重いものとなり、サーボモータも交換する必要があり装置全体を設計しなおす必要があった。
【0006】
また、既設装置の改造は永久連結を解いて再連結することになるので、大変な作業となるだけでなく、一部部品の故障であっても全体を解体する必要があり、補修作業も大変であった。
【0007】
それゆえ本発明の目的は、部分的な設計変更や改造に容易に対処でき、補修作業も簡単で済むシート延伸装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、部分的な設計変更や改造に容易に対処できる簡単な構成であっても、各シートクリップが確実に上流から下流の間を一巡・周回するシート延伸装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明シート延伸装置の特徴とするところは、帯状シートの搬送における上流側から下流側に掛けて順次予熱部と延伸部と熱固定部があり、該予熱部から熱固定部までの間を一巡する複数のシートクリップで該帯状シートにおける幅方向の両縁を把持し搬送しつつその搬送方向及び幅方向の少なくとも一方に延伸して延伸状態を維持させるシート延伸装置において、該予熱部から該熱固定部に掛けて該帯状シートにおける幅方向の両側に無端状ガイドレールを設け、複数の循環ユニットは両無端状ガイドレールに沿って移動し得るように該両無端状ガイドレールに懸架してあり、該各循環ユニットは該帯状シートにおける幅方向の各縁を把持する1対のシートクリップユニットを該帯状シートにおける幅方向に移動自在に備えており、該両無端状ガイドレールに沿って予熱部と延伸部と熱固定部に対応するようにそれぞれ無端チェーンを設けてあり、各循環ユニットは予熱部における無端チェーンのローラピッチ間に係合する挿入ピンと延伸部の無端チェーンに設けられた駆動ブロックおよびバック防止ブロックに係合する連結ブロックと該熱固定部における無端チェーンを把持するチャックを備え、各無端チェーンの駆動力で移動するようになっており、該予熱部から熱固定部に掛けて該帯状シートにおける幅方向の両側に各循環ユニットにおける各シートクリップユニットを該帯状シートにおける幅方向への移動を案内する延伸ガイドを設けたことにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明装置では、各シートクリップユニットを備えた各循環ユニットは予熱部と延伸部と熱固定部に対応したそれぞれの無端チェーンと適宜に係合して移動するようになっており、無端状チェーンで永久連結していないので、予熱部と延伸部と熱固定部の一部や全部の寸法、特に搬送方向での寸法を延長したり短縮したりしたい場合には、両無端状ガイドレールや予熱部と延伸部と熱固定部に対応したそれぞれの無端チェーンの寸法を変更し、必要とする各循環ユニットの数を調整するだけでよく、部分的な設計変更や改造に容易に対処でき、補修作業も簡単で済む。
【0011】
また、予熱部では挿入ピンが無端チェーンのローラピッチ間に挿入され、延伸部において挿入が解除されるまでは、無端チェーンと確実に係合しているので、予熱部において各シートクリップユニットを備えた各循環ユニットは確実に投入される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図に示した一実施形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1において、100は熱可塑性樹脂フィルムなどの帯状シートで、一点鎖線で示す位置が矢印で示す搬送方向における装置の中心であり、矢印で示す搬送方向に直交する水平な帯状シート100の方向は、帯状シート100の幅方向である。
【0014】
この一点鎖線で示す位置を中心として帯状シート100の両側に無端状ガイドレール200を設けてある(図1では片側のガイドレールのみを表示している)。帯状シート100は水平に搬送しているが、無端状ガイドレール200が一巡して構成する面は垂直になっている。
【0015】
帯状シート100の搬送方向に無端状ガイドレール200の上流側から下流側に掛けて、順次、予熱部Aと延伸部Bと熱固定部Cがある。これら各部A〜Cは領域であり、予熱部Aにおいては帯状シート100の上方および下方に図示していない予熱用のヒータがあり、熱固定部Cにも熱固定用のヒータがある。熱固定用のヒータの下流には帯状シート100を冷却するためのファンを設けることもある。
【0016】
300は、両無端状ガイドレールに沿って移動し得るように懸架した複数の循環ユニットである。
【0017】
循環ユニット300は、図2に示すように、両側の一点鎖線で示す無端状ガイドレール200の間隔に匹敵する長さのベース1を中心として、その両端部にV字状となるように互に相い反する方向に傾斜した懸架用のアーム2が2個づつあり、各アーム2にはベース1側と末端側に各両無端状ガイドレール200上を転動するローラ3を設けてある。各アーム2とローラ3は無端状ガイドレール200を帯状シート100の幅方向と上下方向において挟むような配置としてあるので、循環ユニット300が帯状シート100の幅方向にずれたり無端状ガイドレール200上を移動して無端状ガイドレール200の下側に反転しても、無端状ガイドレール200から外れたり脱落するようなことはない。
【0018】
図2において、循環ユニット300のベース1には一点鎖線で示す帯状シート100側にリニアガイド4があり、リニアガイド4上を1対のシートクリップユニット5が帯状シート100の幅方向に移動できるように取り付けてある。
【0019】
各シートクリップユニット5には、帯状シート100における幅方向の各縁を把持するシートクリップ6と後述する延伸ガイドに倣って各シートクリップユニット5が帯状シート100における幅方向に移動するようにするカムフォロア7を設けてある。
【0020】
循環ユニット300のベース1には、一点鎖線で示す帯状シート100の反対側に後述する予熱部Aと熱固定部Cに対応して設けてあるそれぞれの無端チェーンと係合する内側の挿入ピン機構8と外側の高速チャック機構9を設けてある。また、中央部には延伸部Bに対応して設けてある無端チェーンの駆動ブロックと係合する連結ブロック機構10を設けてある。更に、循環ユニット300のベース1には、予熱部Aでの各循環ユニット300の前後の間隔を設定するレバー機構11を設けてある。
【0021】
図2で位置関係が分かる程度に概略的に示すに留めたシートクリップユニット5,挿入ピン機構8,高速チャック機構9,連結ブロック機構10及びレバー機構11などの詳細な構成と動作は、追って説明する。
【0022】
図1に戻り、400は予熱部Aにおいて循環ユニット300を移動させる無端チェーンであり、500は無端チェーン400の駆動用モータである。600は延伸部Bにおいて循環ユニット300を移動させる無端チェーンであり、700は無端チェーン600の駆動用モータである。また、800は熱固定部Cにおいて循環ユニット300を移動させる無端チェーンであり、900は無端チェーン800の駆動用モータ、1100は延伸ガイドである。
【0023】
無端チェーン400、800は両無端状ガイドレール200に沿って搬送方向に1本づつ設けてあり、それぞれ等速で移動するが、無端チェーン600は幅方向に複数本並べられて搬送方向に移動するが、各無端チェーン600は複数設置してある各モータ700で個別に駆動され、しかもその移動速度は帯状シート100の縦(搬送方向)と横(幅方向)の延伸比にあわせて速度が変わるようになっている。
【0024】
熱固定部Cに達した各循環ユニット300は図示を省略した循環ユニット集積機構により予熱部A側に戻される。その戻しの構成と動作については、後述する。
【0025】
図3は熱固定部Cで循環ユニット300が無端状ガイドレール200に懸架された状態の幅方向の約半分を示しており、上側の循環ユニット300は下流方向に進むもので、下側の循環ユニット300は上流方向に戻る状態のものである。場所は熱固定部Cで、延伸ガイド1100の図示は省略した。
【0026】
図2,図3において、12は循環ユニット300のベース1に設けたレバー機構11における受け板である。この受け板12は循環ユニット300におけるベース1の進行方向前側に衝立のように設けてあり、先行する循環ユニット300の間隔設定レバー機構11が後続の循環ユニット300の受け板12に接触して先後(前後)する循環ユニット300の間隔を設定するものであり、間隔設定の状況は後述する。
【0027】
図4により、シートクリップユニット5の構成とそのシートクリップ6が帯状シート100を把持する動作について説明する。
【0028】
図4において、循環ユニット300のベース1に固定してある各シートクリップユニット5用のフレーム15にレバー16を軸支してあり、レバー16の下端部にシートクリップ6を軸支し垂下している。シートクリップ6は姿勢制御用のバネ17により、常にシートクリップ6の下面が水平になるようにしてある。フレーム15にはシートクリップ6に対向するように受け板18を設けてある。19はフレーム14とレバー15の間に設けたトグルバネで、レバー15を左右どちらの方向に倒しても、その状態を維持するようにするものである。
【0029】
図4(a)において、レバー16を左方向に倒すと、シートクリップ6は右方向(帯状シート100の幅方向内側)に移動する。そのとき、図4(b)に示すように受け板18上に帯状シート100があれば、シートクリップ6の下面は受け板18の上面との間に帯状シート100を把持することになる。
【0030】
図4(b)において、レバー16を右方向に倒すと、シートクリップ6は左方向(帯状シート100の幅方向外側)に移動し、帯状シート100の把持を開放することになる。レバー16の左右方向へ倒す手段(ドグ)については、後述する。
【0031】
次に、図5により挿入ピン機構8の構成および挿入ピン機構8による予熱部Aにおける無端チェーン400と循環ユニット300の連結について説明する。
【0032】
図5において、循環ユニット300のベース1に固定してある挿入ピン機構8用のフレーム20にレバー21を軸支してあり、レバー21の下端は圧縮バネ22によりレバー21側に偏倚している挿入ピン23における上端の頭部に接触している。挿入ピン23の先には予熱部Aでの無端チェーン400が存在する。
【0033】
無端チェーン400は2本のチェーンを並列に一体化して配置してあり、一本は図1に示したモータ500に連結したスプロケットに係合し、残りの1本は挿入ピン23と係合して循環ユニット300を駆動するために使用している。
【0034】
24は、フレーム20とレバー21の間に設けたトグルバネで、レバー21を左右どちらの方向に倒しても、その状態を維持するようにするものである。
【0035】
図5(a)ではレバー21が左側に倒れており、挿入ピン23は圧縮バネ22で上方に偏倚しており、挿入ピン23は無端チェーン400のローラピッチ間から抜かれた状態となっている。
【0036】
図5(b)のように、レバー21を右側に倒し、挿入ピン23をレバー21の下端で押し下げると、挿入ピン23の下端部は無端チェーン400のローラピッチ間に進入し、トグルバネ24で状態が維持されるために、循環ユニット300は無端チェーン400と一体となって、無端状ガイドレール200で案内されて循環を始める。
【0037】
図5(a)のように、レバー21が左側に倒すと挿入ピン23の下端部は無端チェーン400のローラピッチ間から抜けて、循環ユニット300と無端チェーン400と一体化は解除され、循環ユニット300は無端チェーン400による移動が止まる。
【0038】
次に、図6により高速チャック機構9の構成および高速チャック機構9による熱固定部Cの無端チェーン800と循環ユニット300の連結について説明する。
【0039】
図6において、循環ユニット300のベース1に固定してある高速チャック機構9用のフレーム25にレバー26を軸支してあり、レバー26の下端は圧縮バネ27によりレバー26側に偏倚しているスライダ28における上端の頭部に接触している。スライダ28の下部には、傾斜部を設けてある。
【0040】
循環ユニット300のベース1に固定してあるフレーム229は水平に押しピン30を移動可能に保持しており、押しピン30の左側頭部はスライダ28の傾斜部に対するカムフォロアとなっており、右側先端部はチャック31に接触し、高速チャック(チャック)31を開閉させるようになっている。なお、チャック31はフレーム29に軸支してあり、その開閉と把持は、所謂洗濯バサミで洗濯物を挟む動作とは逆モーッションとしてあり、洗濯バサミの閉じた状態は、チャック31は無端チェーン800に対し開いた状態となっている。
【0041】
無端チェーン800は無端チェーン400と同様に2本のチェーンを並列に一体化して配置してあり、一本は図1に示したモータ900に連結したスプロケットに係合し、残りの1本はチャック31の開閉による把持で係合一体化して、循環ユニット300を駆動するために使用している。
【0042】
図6(a)はレバー26が左側に倒れており、スライダ28は圧縮バネ27で上方に偏倚しており、押しピン30は左方に移動してチャック31は閉じている。
【0043】
図6(b)のように、レバー26を右側に倒し、スライダ18をレバー26の下端で押し下げると、押しピン30はスライダ28の傾斜部で右方に移動し、チャック31を開ける。すると、チャック31は無端チェーン800を挟み、チャック31は無端チェーン800に係合する。なお、レバー26を倒す手段(ドグ)については、後述する。
【0044】
スライダ28の下端部には押しピン30を戻すための傾斜部材32を設けてあり、レバー26を図6(a)のように左方向に倒したときに、傾斜部材32はスライダ28とともに上昇し、その傾斜面が押しピン30を左方向に移動させ、その移動で、チャック31は閉じることとなって、無端チェーン800との係合を解くようになっている。
【0045】
なお、33はフレーム25とレバー26の間に設けたトグルバネで、レバー26を左右どちらの方向に倒しても、その状態を維持するようにするものである。また、34は無端チェーン800のガイドレールである。
【0046】
続いて、図7により循環ユニット集積機構について説明する。循環ユニット集積機構は熱固定部Cに達した各循環ユニット300を所望本数づつ予熱部A側に戻すものである。
【0047】
図7は、循環ユニット集積機構1000の要部を装置の下側から上方を見上げる形で示しており、図1に示した無端状ガイドレール200と同様に帯状シート100の両側に予熱部Aから熱固定部Cに掛けて間欠的に循環する2本づつの集積チェーン41,42を前方スプロケット43,45と後方スプロケット44,46の間に巻き掛けてある。即ち、前方スプロケット43,45側が予熱部A側であり、後方スプロケット44,46側が熱固定部Cである。
【0048】
2本づつの集積チェーン41,42は装置中心に対し幅方向において左右対称配置であるので、図7では片側の2本づつの集積チェーン41,42のみを示している。
【0049】
前方スプロケット43,45はそれぞれ集積チェーン41,42の駆動用であり、サーボモータ47,50、減速機48,51、パウダクラッチ49,52で省略した制御器により個別にあるいは同時に駆動するようになっている。
【0050】
図7は循環ユニット集積機構1000を装置の下側から上方を見上げる形で示しているので、各集積チェーン41,42はサーボモータ47,50の作動で図7の左方から右方に移動し、その移動で熱固定部Cに達した各循環ユニット300を予熱部A側に戻す。
【0051】
各集積チェーン41,42は搬送ブロック41a,42aをそれぞれ備えており、この搬送ブロック41,42が各循環ユニット300と係合して、各循環ユニット300を予熱部A側に戻す。
【0052】
図7において、55は、図示していない装置架台に設けてあり、図5に示した挿入ピン機構8のレバー21を図5(b)のように右側に倒して挿入ピン23を無端チェーン400に係合させるドグである。
【0053】
ドグ55がレバー21を右側に倒すと、循環ユニット300は無端チェーン400と一体化し、無端チェーン400の移動で無端状ガイドレール200により案内され図1の予熱部Aにおける最上流側に持ち上がる。56は図示していない装置架台に設けてある間隔調整用板カムで、後述するように循環ユニット300の前後の間隔を設定する。具体的には間隔調整用板カム56が循環ユニット300の前後の間隔を設定した後で、ドグ55が挿入ピン23を無端チェーン400に係合させ、循環ユニット300を1本づつ図1の予熱部Aにおける最上流側に持ち上がるようにする。
【0054】
図7では予熱部A側に3本の循環ユニット300があるが、3本とも予熱部Aにおける最上流側に持ち上がってしまうと、サーボモータ50に係る負荷が軽くなるので、搬送ブロック42aが高速で熱固定部C側に移動するように集積チェーン42を循環させる。57は熱固定部C側への搬送ブロック42aが移動したことを検出するセンサで、センサ57が搬送ブロック42aを検出すると、サーボモータ50の作動を止めて、集積チェーン42を待機状態とする。
【0055】
58は熱固定部C側に設置してあるセンサで、各集積チェーン41,42により通過していく循環ユニット300を計数する。図7では集積チェーン41側に3本の循環ユニット300が溜まった状態を示している。
【0056】
センサ58が所望の本数(ここでは3本)を計測すると、サーボモータ47が作動し、集積チェーン41を予熱部A側に循環させる。この場合、集積チェーン41の経路構成により搬送ブロック41aが最後尾のおいて循環ユニット300に係合し3本の循環ユニット300を一括して押して、予熱部A側に移動させる。
【0057】
集積チェーン41,42は以上の動作を交互に行なうようになっており、熱固定部C側から予熱部A側に移動させ、各循環ユニット300を無端チェーン400に渡すまではサーボモータ47、50に負荷が係るので、パウダクラッチ49,52は負荷軽減のために設けている。
【0058】
なお、60は図6に示した高速チャック機構9におけるレバー26を図6(a)のように左側に倒し、各循環ユニット300と無端チェーン800の係合を解除するためのドグで、図示していない装置架台に設けてある。
【0059】
両無端状ガイドレール200間に懸架してある各循環ユニット300が無端チェーン800で熱固定部Cの下側に回動すると、ドグ60がレバー26を倒し、無端チェーン800との係合が解かれた各循環ユニット300は自由となるが、次々やってくる各循環ユニット300で順次図7の右方に押しあい、センサ58が通過本数を計測して、上記したようにサーボモータ47,50を交互に作動させる。
【0060】
次に、図8により間隔設定レバー機構11の構成と間隔設定レバー機構11が間隔調整用板カム56により各循環ユニット300の前後の間隔を設定する状況を説明する。図8は、図7と同様に各循環ユニット300を装置の下側から上方を見た状態で示している。また、各循環ユニット300は幅方向において図9で説明する連結ブロック機構10の箇所以外は左右対称に構成されているので、各循環ユニット300に設置した片側の間隔設定レバー機構11を示した。
【0061】
図8において、61は各循環ユニット300におけるベース1に設立した支持軸62に回転自在に設けたレバーで、両端にカムフォロア63を備えている。
【0062】
各循環ユニット300は集積チェーン41または42により図8において右方向に移動しており、先行する循環ユニット300における上側のカムフォロア63が間隔調整用板カム56に接触すると、間隔調整用板カム56は動かないのでレバー61が支持軸62を中心に回転し、後続の循環ユニット300における受け板12にも接触する。受け板12との接触で、後続の循環ユニット300の動きは鈍くなり、先行する循環ユニット300との間隔がレバー61の回転で設定される。所望の間隔になると、ドグ55がレバー16を倒し、先行する循環ユニット300は無端チェーン400で予熱部Aに移動していく。
【0063】
なお、循環ユニット300における前後の間隔設定は、間隔調整用板カム56の位置を帯状シート100の幅方向において変更し支持軸62を中心としたレバー61の回転角を調整することで変更することができる。
【0064】
最後に図9により連結ブロック機構10の構成と動作について説明する。連結ブロック機構10は延伸部Bにおいて機能する。
【0065】
図1に示すように、延伸部Bには複数本の無端チェーン600を幅方向に並べて配設してあり、各無端チェーン600はモータ700で個別に駆動されるようになっている。
【0066】
図9ではその内の1本の無端チェーン600を示している。1本の無端チェーン600は1本の循環ユニット300を駆動するようになっており、各循環ユニット300はそのベース1に連結ブロック71を備えている。各循環ユニット300の連結ブロック71は、駆動してくれる無端チェーン600の位置に合うように、幅方向にずれた位置に設置されている。
【0067】
各無端チェーン600は、各循環ユニット300の連結ブロック71を挟むように先行する位置にバック防止ブロック72,後行する位置に駆動ブロック73を持っていて、図9(a)で示すように上流側で各循環ユニット300の連結ブロック71を挟み、循環ユニット300と無端チェーン600は係合して一体となり、無端チェーン600により循環ユニット300を左方に搬送していく。
【0068】
なお、図9(a)で示す65は、図示していない装置架台に設けてあり、挿入ピン機構8におけるレバー21を図5(a)のように左側に倒し、無端チェーン400と各循環ユニット300の係合を解除するドグである。
【0069】
予熱部Aと延伸部Bは若干の長さd1だけ重ねてあり、この領域で無端チェーン400と各無端チェーン600が同速度となるようにしてあり、各循環ユニット300が各無端チェーン600と係合一体化し同速度となったところで、ドグ65によりレバー21が無端チェーン400と各循環ユニット300の係合を解除するようにしてある。無端チェーン400と各循環ユニット300の係合の解除で、各循環ユニット300は各無端チェーン600で駆動される。
【0070】
図9(b)は、延伸部Bの下流側を示しており、各無端チェーン600が下方に回り込んで行くことで、各循環ユニット300の連結ブロック71を挟んでいたバック防止ブロック72は連結ブロック71から離れ、後行する駆動ブロック73も離れて、各循環ユニット300と各無端チェーン600の係合を解除する。
【0071】
図9(b)で示すように、延伸部Bと熱固定部Cは若干の距離d2だけ重ねてあり、距離d2において各無端チェーン600と無端チェーン800が同速度になるようにしてある。
【0072】
66は、図示していない装置架台に設けてあり、図6に示した高速チャック機構9におけるレバー26を図6(b)のように右側に倒し、各循環ユニット300を無端チェーン800に係合一体化させるドグである。
【0073】
ドグ66で各循環ユニット300のレバー26を倒し、各循環ユニット300が無端チェーン800と一体化したら、バック防止ブロック72は連結ブロック71から離れ、後行する駆動ブロック73も離れて、各循環ユニット300と各無端チェーン600の係合を解除し、各循環ユニット300は無端チェーン800で駆動されるようにしてある。
【0074】
次に、図1に戻って、帯状シート100の延伸を循環ユニット300の移動に合せて、説明する。
【0075】
図1において、1100は延伸ガイドで、延伸ガイド1100は無端状ガイドレール200と同様に予熱部Aから熱固定部Cにかけて一巡する無端状のもので、循環ユニット300の搬送方向においては予熱部Aと熱固定部Cにおいて帯状シート100の搬送方向と平行で、延伸部Bにおいては帯状シート100の縦横延伸比率に合せて傾斜させている。
【0076】
循環ユニット300は図2に示したカムフォロア7で幅方向の位置規制を受けており、搬送方向での移動に合せて延伸ガイド1100により幅方向に所望の移動をする。
【0077】
熱固定部Cに到った循環ユニット300は、無端状ガイドレール200上を図7に示す各集積チェーン41,42で予熱部A側に戻るときも図示していない延伸ガイド1100の戻り部分で幅方向の位置規制を受けている。
【0078】
予熱部Aの無端チェーン400はモータ500により低速で駆動され、熱固定部Cの無端チェーン800はモータ900により高速で駆動される。延伸部Bの領域には4本の延伸チェーン600を無端チェーン400,800と図9で説明したように一部を重複させて平行に配設してあり、それぞれサーボモータ700で駆動される。各サーボモータ700の回転速度は帯状シート100の延伸に沿ったものとしている。
【0079】
無端状ガイドレール200において搬送方向に前後して並んだ各循環ユニット300は、4個を1単位としてそれらの連結ブロック71(図9参照)が帯状シート100の両縁から中央側に並んだ4本の延伸チェーン600に順次係合するような位置に固定してある。
【0080】
予熱部Aで無端チェーン400がモータ500により前述の挿入ピン機構8を介して循環ユニット300を予熱に適した速度で駆動し、延伸部Bでは各サーボモータ700により前述の連結ブロック機構10を介して4本の延伸チェーン600で循環ユニット300を延伸に適した速度で駆動し、熱固定部Cでは無端チェーン800がモータ900により前述の高速チャック機構9を介して循環ユニット300を熱固定に適した速度で駆動する。
【0081】
熱固定部Cを通過した循環ユニット300は集積チェーン41,42により無端状ガイドレール200に沿って予熱部A側に戻る。
【0082】
図1において、一点鎖線で示す帯状シート100の中心から見て、延伸ガイド1100の外側に各シートクリップユニット5のカムフォロア7が位置するようにしてあり、図示していないが、各シートクリップユニット5はばね等により、一点鎖線で示す帯状シート1の中心側に偏倚力を与えられていて、その偏倚を延伸ガイド1100で規制した形になっている。
【0083】
延伸ガイド1100は延伸部Bで下流に向けて各シートクリップユニット5を一点鎖線で示す帯状シート100の中心から縁側に移動するように拡がっており、その拡がり具合で帯状シート100を所望の形状に延伸する。
【0084】
図7で説明したように、循環ユニット300は集積チェーン41,42で複数本が一括して無端状ガイドレール200上を予熱部Aに戻る。
【0085】
その後、図8で説明したように、前後する循環ユニット300は、間隔設定レバー機構11により所望の間隔に設定されてから、挿入ピン機構8で無端チェーン400と一体化し、各循環ユニット300は無端状ガイドレール2上を帯状シート100側の予熱部Aに戻り、図2に示すように各循環ユニット300が各アーム2の先端側に設けられているローラ3で無端状ガイドレール200上に懸架される。
【0086】
この場合、挿入ピン23はトグルバネ24で無端チェーン400のローラピッチ間に挿入されたままであるから、スプロケットがある箇所で無端チェーン400が下方から上方に回動するときに、循環ユニット300の自重で循環ユニット300と無端チェーン400の係合が解けることは無く、間隔設定レバー機構11により設定した循環ユニット300前後の所望の間隔は維持されたままである。
【0087】
循環ユニット300がスプロケットがある箇所で無端チェーン400により下方から上方に回動すると、図示を省略したドグが図4に示したレバー16を左方向に倒し、シートクリップ6の下面で受け板18の上面との間に帯状シート100を把持する。
【0088】
各循環ユニット300は、予熱部Aでは無端チェーン400により等間隔で一定速度で駆動される。各循環ユニット300が予熱部Aから延伸部Bに近づくと、図9に示すように延伸チェーン600は予熱部Aから延伸部Bへの移行部で下方から上方に移動してきて左方に移動していくが、各延伸チェーン600には駆動ブロック73とバック防止ブロック72を交互に設けてあり、両ブロック72,73は回動部では開いているが、水平移動部では間隔が狭まることにより、両ブロック72,73間で各循環ユニット300の連結ブロック71を挟む。
【0089】
両ブロック72,73が各循環ユニット300の連結ブロック71を挟んだ時点では、各循環ユニット300は無端チェーン400と一体化しているので、各延伸チェーン600の回動部(距離d1の範囲)では無端チェーン400と各延伸チェーン600は等速とする。
【0090】
前述したように、ドグ65が図5(a)に示すようにレバー21を左側に倒すと、各循環ユニット300は各延伸チェーン600で駆動されるようになる。
【0091】
図1に示すように、延伸部Bでは延伸ガイド1100は帯状シート100の中心に対し下流に向けて拡がるように傾斜しており、各シートクリップユニット5はカムフォロア7により延伸ガイド1100に追従する。図4(b)のように、シートクリップ6が受け板18との間に帯状シート100を把持したままであるので、帯状シート100は延伸される。
【0092】
この時、各延伸チェーン600のサーボモータ700が各循環ユニット300を独立して駆動し、帯状シート100の延伸具合は各サーボモータ700で自由に設定できるが、その下流方向への移動速度は延伸ガイド1100の傾斜角と調和させておく。つまり搬送方向と幅方向の縦横延伸比率は各サーボモータ700の駆動速度と延伸ガイド1100の傾斜角で調整できる。
【0093】
各循環ユニット300が延伸部Bから熱固定部Cに移行する領域(図9(b)における距離d2の箇所)では、サーボモータ700により各延伸チェーン600の駆動速度は無端チェーン800の駆動速度に一致するようにしてある。
【0094】
その駆動速度が一致している位置にドグ66があり、ドグ66は図6(b)に示したようにレバー26を右側に倒し、チャック31が無端チェーン800を把持する。
【0095】
それで、循環ユニット300は無端チェーン800と一体化すると、延伸チェーン1100は下方に回動していき、駆動ブロック73とバック防止ブロック72で把持していた各循環ユニット300の連結ブロック71を開放する。その後、各循環ユニット300は熱固定部Cを高速の無端チェーン800で駆動搬送されていく。
【0096】
このように、予熱部Aから延伸部Bへの移行および延伸部Bから熱固定部Cに移行において、それらの移行箇所での速度は連続的で急激な速度変更を生じないので、帯状シート100に急激な引張力や圧縮力が懸かることはなく、帯状シート100の膜厚や光学特性などの帯状シート100固有の性状に悪影響を与えることはない。
【0097】
無端チェーン800がスプロケットのところで回動し下降する前に図示を省略したドグがレバー16を図4(a)に示すように右方向に倒し、シートクリップ6が受け板18との間に把持していた帯状シート100を開放する。
【0098】
その後、各循環ユニット300は無端チェーン800で無端状ガイドレール200に沿って図7に示すように下方に駆動搬送されて、ベース1側に設けられている各アーム2のローラ3で無端状ガイドレール200に垂下した状態となる。
【0099】
その後、ドグ60が図6(a)に示すようにレバー26を左側に倒し、チャック31は無端チェーン800との係合を解く。
【0100】
それによって、各循環ユニット300は集積チェーン41,42により図7に示す予熱部Aの下側の位置まで戻されて、無端状ガイドレール200に沿って一巡したことになる。
【0101】
以上説明した実施形態において、各レバー16,21,26を倒すドグはエアシリンダなど適宜な操作手段に代える事ができる。
【0102】
また、高速チャック機構9に代えて、熱固定部Cにおいても挿入ピン機構8により循環ユニット300が無端チェーン800で移動するようにしても良い。
【0103】
さらに、図7では集積チェーン41,42をそれぞれ駆動するためにサーボモータ47,50を設置したが、1台のモータのみを設置してクラッチでこのモータと減速機48,51との連結を切り替え、集積チェーン41,42を交互に駆動するようにしても良い。
【0104】
図10は、間隔設定レバー機構11に代わる間隔設定機構80を示している。
【0105】
図10に示すように、各循環ユニット300に図8に示したレバー61の代わりに送りピン81を設置し、図示していない装置架台に送りネジ82を設けて、この送りネジ82を定速回転させる。各循環ユニット300の間隔は、送りネジ82のネジピッチで設定される。
【0106】
送りネジ82のネジピッチ間に各循環ユニット300の送りピン81が嵌り、各循環ユニット300は送りネジ82のピッチで図10の右側に送られる。送りネジ82を出たところにドグ55があり、図5(b)のようにレバー21を右に倒し、無端チェーン400と挿入ピン23を係合させる。この間隔設定機構80の場合、各循環ユニット300に受け板12やレバー61は不要で、その分各循環ユニット300は軽量なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一実施形態であるシート延伸装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1のシート延伸装置における1個の循環ユニットを示す概略斜視図である。
【図3】図1のシート延伸装置における帯状シートの幅方向に沿った部分的横断面図である。
【図4】図2の循環ユニットにおけるシートクリップユニットが帯状シートの縁を把持する状況を説明するための図である。
【図5】図2の循環ユニットにおける挿入ピン機構が無端チェーンと係合する状況を説明するための図である。
【図6】図2の循環ユニットにおける高速チャック機構が無端チェーンを把持する状況を説明するための図である。
【図7】図1に示したシート延伸装置の循環ユニット集積機構を示す部分的概略図である。
【図8】図1に示したシート延伸装置の間隔設定レバー機構を示す部分的概略図である。
【図9】図1に示したシート延伸装置の連結ブロック機構10を示す部分的概略図である。
【図10】図8に示した間隔設定レバー機構に代わる間隔設定機構を示す部分的概略図である。
【符号の説明】
【0108】
100‥帯状シート
200‥無端状ガイドレール
300‥循環ユニット
400,800‥無端チェーン
500,900‥モータ
600‥延伸チェーン
700‥サーボモータ
1100‥延伸ガイド
A‥予熱部
B‥延伸部
C‥熱固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状シートの搬送における上流側から下流側に掛けて順次予熱部と延伸部と熱固定部があり、該予熱部から熱固定部までの間を一巡する複数のシートクリップで該帯状シートにおける幅方向の両縁を把持し搬送しつつその搬送方向及び幅方向の少なくとも一方に延伸して延伸状態を維持させるシート延伸装置において、
該予熱部から該熱固定部に掛けて該帯状シートにおける幅方向の両側に無端状ガイドレールを設け、複数の循環ユニットは両無端状ガイドレールに沿って移動し得るように該両無端状ガイドレールに懸架してあり、該各循環ユニットは該帯状シートにおける幅方向の各縁を把持する1対のシートクリップユニットを該帯状シートにおける幅方向に移動自在に備えており、該両無端状ガイドレールに沿って予熱部と延伸部と熱固定部に対応するようにそれぞれ無端チェーンを設けてあり、各循環ユニットは予熱部における無端チェーンのローラピッチ間に係合する挿入ピンと延伸部の無端チェーンに設けられた駆動ブロックおよびバック防止ブロックに係合する連結ブロックと該熱固定部における無端チェーンを把持するチャックを備え、各無端チェーンの駆動力で移動するようになっており、該予熱部から熱固定部に掛けて該帯状シートにおける幅方向の両側に各循環ユニットにおける各シートクリップユニットを該帯状シートにおける幅方向への移動を案内する延伸ガイドを設けてあることを特徴とするシート延伸装置。
【請求項2】
上記請求項1のシート延伸装置において、さらに、予熱部には前後する各循環ユニットの間隔を予熱部における無端チェーンのローラピッチの間隔に合せて設定する設定手段を設けてあり、該挿入ピンは該設定手段が各循環ユニットの間隔を予熱部における無端チェーンのローラピッチの間隔に合せると該無端チェーンのローラピッチ間に係合するようになされていることを特徴とするシート延伸装置。
【請求項3】
上記請求項2のシート延伸装置において、該設定手段は各循環ユニットに回転自在に設けたレバーと先行する各循環ユニットのレバーが接触する位置に設けた受け板と装置架台に設けた該レバーを回転させるカム板で構成され、該カム板の設定位置で該レバーの回転量を調整し、前後する各循環ユニットの間隔が設定されるものであることを特徴とするシート延伸装置。
【請求項4】
上記請求項1のシート延伸装置において、さらに、該熱固定部から該予熱部に掛けて、該熱固定部に移動してきた所望数の循環ユニットを一括して該予熱部に戻す循環ユニット集積機構を備え、該循環ユニット集積機構は循環ユニットを該予熱部に戻す集積チェーンがパウダクラッチを介して連結してあるサーボモータで駆動されるようになっており、該サーボモータは該熱固定部に設けてある循環ユニットのセンサが所望数を計測すると作動するようになされていることを特徴とするシート延伸装置。
【請求項5】
上記請求項1のシート延伸装置において、該延伸部では各循環ユニットを個別に移動させる無端チェーンとその駆動手段を備え、該各駆動手段は該予熱部と該延伸部,該延伸部と該熱固定部の隣接箇所では該延伸部それぞれの無端チェーンの速度が同一の速度となるようになされていることを特徴とするシート延伸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−198817(P2006−198817A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11053(P2005−11053)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000233077)株式会社 日立インダストリイズ (97)
【Fターム(参考)】