説明

シート振分装置、シート搬送装置、シート振分方法

【課題】 高速で搬送されるシートを塑性変形を生じさせることなく安定に振り分けられる振分可能なシート振分装置およびシート振分方法、並びに前記シート振分装置を備えるシート搬送装置の提供。
【解決手段】一定方向に搬送されるシートを予め定められた複数の搬送経路のうち1つに振り分けるシート振分装置であって、前記複数の搬送経路の何れに振り分ける場合においても、シートが弾性変形する限界の曲率半径である限界曲率半径よりも大きな曲率半径で前記シートを通過させることを特徴とするシート振分装置およびシート振分方法、並びに前記シート振分装置を備えるシート搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート振分装置、シート搬送方法、およびシート振分方法に関し、特に、シートを、塑性変形を生じさせることなく複数の搬送経路の何れかに振分可能なシート振分装置およびシート振分方法、並びに前記シート振分装置を備えるシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアで搬送される物品を複数の搬送経路のうち1つに振り分ける振分機構は、各種物品の振分に広く使用されている。
【0003】
たとえば、紙おむつや生理用品などのように柔らかく、しかも比較的厚みのある物品の振分には、物品を挟んで搬送する振分コンベアと、振分コンベアで振り分けられた物品を受け取って搬送する複数の受取コンベアと、振分コンベアを揺動させて前記複数の受取コンベアのうちの1つに相対させる揺動機構とからなるものがある(特許文献1)。
【0004】
また、ベニヤ単板のような矩形に定型化されたシートの振分用として、所定経路へ搬送されるシートの上方に位置して別経路を形成すべく回動する有孔搬送部材と、該有孔搬送部材を介して前記シートに臨む位置に外部開口部が開口する吸引口を有するドラム状の吸引フードと、該吸引フードの吸引口を開閉するダンパとを備え、前記ダンパを開閉して所定経路から別経路へと振分ける振分装置が提案された(特許文献2)。
【0005】
更に、コンベア上を搬送されるシート材を検出する検出手段と、前記シート材を振り分けるフラップと、前記コンベアの送り量を測定する測定手段と、前記検出手段の信号からシート材をカウントして振り分けるシート材を判別し、前記測定手段の測定結果に基づき、振り分けるべきシート材が振分け手段の所定量手前にあるときにフラップを上方に回動させて前記シート材を振り分ける制御手段とを有するシート材の振分け機構が提案された(特許文献3)。
【特許文献1】特開平5−178452号公報
【特許文献2】特開平7−041226号公報
【特許文献3】特開2001−089003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の振分け機構には、搬送速度を高速化すると、シート材を振り分けている間にシート材が振分けコンベアの先端まで進み、円滑な振分けができなくなるという問題があった。
【0007】
また、吸引フードを有する形態の振分装置においては、シートを吸引フードに吸着させて振分けを行なっているから、搬送できるシートのサイズがフードの外径によって規定される。そして、大きなサイズのシートを搬送しようとすると吸引フードの外径も大きくなるから振分装置が大型になるという問題もある。また、平版印刷版のように保護紙の付いたシートを振り分ける場合には、保護紙の位置ズレや剥れが生じる可能性もある。
【0008】
更に、フラップを上方に回動させて振分けを行なうシート材の振分け機構においては、振り分けられるシート材とフラップとの間に速度差がある故に、シート材を高速で搬送するとシート材に損傷が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、高速で搬送されるシートを塑性変形を生じさせることなく安定に振り分けられる振分可能なシート振分装置およびシート振分方法、並びに前記シート振分装置を備えるシート搬送装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、一定方向に搬送されるシートを予め定められた複数の搬送経路のうち1つに振り分けるシート振分装置であって、前記複数の搬送経路の何れに振り分ける場合においても、シートが弾性変形する限界の曲率半径である限界曲率半径よりも大きな曲率半径で前記シートを通過させることを特徴とするシート振分装置に関する。
【0011】
前記シート振分装置においては、限界曲率半径よりも大きな曲率半径で前記シートを通過させるから、シートが振分け時に塑性変形することがない。
【0012】
したがって、シートの搬送速度、搬送方向長さ、シート間隔が変化しても安定な振り分けが可能になる。
【0013】
シートとしては、平版印刷版などが挙げられるが、各種金属シート材など、ある程度の剛性を有するシートであれば、平版印刷版には限定されない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート振分装置において、前記振分機構が、前記シートを両面からベルトで挟持して前記搬送方向に沿って搬送するとともに、搬送方向上流側に位置する振分中心軸の周りに回動して前記シートを振り分ける1対の振分コンベアであり、前記振分コンベアが、前記限界曲率半径よりも大きな曲率半径を有する搬送経路に沿ってシートを搬送するシート振分装置に関する。
【0015】
前記シート振分装置においては、前記振分コンベアが振分中心軸の周りに回動することにより、シートを振り分けるべき搬送経路が決定される。
【0016】
シートは、前記振分コンベアで両面から挟持された状態で搬送されるから、シートが製版面側に合紙を重ねた平版印刷版である場合においても振分け中に合紙がずれることがない。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシート振分装置において、前記振分コンベアのベルトが、前記シートの入口側に位置し、前記限界曲率半径よりも大きな半径を有する入口側ローラと、前記シートの出口側に位置する出口側ローラとによって支持されてなるとともに、前記振分コンベアが、前記入口側ローラの軸線を振分け中心軸として回動して振分けを行なうシート振分装置に関する。
【0018】
前記シート振分装置においては、振分コンベアが前記入口側ローラの軸線の周りに回動することにより、シートを振り分けるべき搬送経路が決定される。したがって、振分コンベアがどのような位置にあっても、シートは、入口側ローラの半径よりも小さな曲率半径で屈曲されることがない。そして、入口側ローラは、限界曲率半径よりも大きな半径を有する。
【0019】
故に、シートが前記シート振分装置を通過するときに、限界曲率半径よりも小さな曲率半径で屈曲されることがないから、シートの塑性変形が防止される。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のシート振分装置において、前記振分コンベアのベルトが、前記シートの入口側においては、前記限界曲率半径よりも大きな曲率半径を有するベルト支持部材および支持ローラによって支持され、前記シートの出口側においては、出口側ローラによって支持されてなるシート振分装置に関する。
【0021】
前記シート振分装置によれば、搬送方向上流側に配設される上流コンベアと振分けコンベアとの間隔をより縮小することができるから、上流コンベアから振分けコンベアへのシートの受け渡しが円滑に行なわれる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、予め定められた複数の搬送経路のうちの1つを選択してシートを搬送する搬送装置であって、請求項1〜4の何れか1項に記載のシート振分装置と、シートを前記シート振分装置に向かって搬送する上流コンベアと、前記シート振分装置の搬送方向下流側において複数の搬送経路を形成する複数の受渡コンベアと、前記シート振分装置で振り分けようとするシートに先行する直線シートの位置を検出するシート位置検出手段と、前記シート位置検出手段が、前記直前シートが前記シート振分装置を通過したことを検出したら、前記シート振分装置において振分動作を行わせる制御手段とを有することを特徴とするシート搬送装置に関する。
【0023】
前記シート搬送装置においては、直前シートが前記シート振分装置を通過したことを検出したら、前記シート振分装置において振分動作を行なう。
【0024】
したがって、前記シート搬送装置においては、直前シートが前記シート振分装置を通過し終わらないうちに振分動作が行なわれて直前シートが損傷することを効果的に防止できる。また、シート振分装置がどのようなポジションにある場合にも、シートは、限界曲率半径よりも大きな曲率半径でシート振分装置を通過するから、搬送中にシートを塑性変形させることもない。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のシート搬送装置において、少なくとも振分け時において、シート振分装置と夫々の受渡コンベアとの間隔dが、以下の式:
【0026】
d>TsVs−D
【0027】
(但し、Tsは、シート振分装置における振分時間(s)であり、Vsは、シート振分装置における搬送速度(mm/s)、Dは、搬送される1のシートと前記1のシートの次に搬送される他のシートとの間隔(mm)である。)に従って設定されるシート搬送装置に関する。
【0028】
前記シート搬送装置においては、前述の式に基いてシート振分装置と夫々の受渡コンベアとの間隔dを設定しているから、シートを高速で搬送したときにも、振分動作完了前にシートの先端が受渡コンベアの入口に達してしまい、シートが損傷することがない。
【0029】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のシート搬送装置において、前記上流コンベアおよび受渡コンベアは、何れも前記シートを両面からベルトで挟持して搬送するベルトコンベア装置からなるシート搬送装置に関する。
【0030】
前記シート搬送装置においては、シートは、振分前後および振分中の何れにおいても両面からベルトで挟持された状態で搬送されるから、常に姿勢を規制される。
【0031】
したがって、シートが製版面側に合紙を重ねた平版印刷版である場合においても搬送中および振分け中の何れにおいても合紙がずれることがない。
【0032】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のシート搬送装置において、前記受渡コンベアが、第1の搬送経路を形成する第1ベルトコンベア装置と第2の搬送経路を形成する第2ベルトコンベア装置とからなり、前記第1ベルトコンベア装置の入口側ローラと前記第2ベルトコンベア装置の入口側ローラとのうち、第1の搬送経路と第2の搬送経路とに挟まれた位置にある入口側ローラは、同軸に配設されてなるシート搬送装置に関する。
【0033】
前記シート搬送装置においては、第1ベルトコンベア装置と第2ベルトコンベア装置との入口を近接させることができるから、シート振分装置における振分角を小さくすることができる。したがって、シート振分装置における動作範囲を小さくすることができるから、振分時間を短縮できる。
【0034】
請求項9に記載の発明は、一定方向に搬送されるシートを複数の搬送経路のうち1つに振り分けるシート振分方法であって、前記シートの搬送速度と、前記シートの間隔と、前記シートの搬送方向の長さと、振分け直前のシートの位置とを検出し、これらの検出結果に基づき、シートが弾性変形する限界の曲率半径である限界曲率半径よりも大きな曲率半径で前記シートを通過させて前記シートの振分けを行なうことを特徴とするシート振分方法に関する。
【0035】
前記シート振分け方法においては、振り分けようとするシートの搬送速度、間隔、搬送方向の長さ、振分け直前の位置を検出し、これらの検出結果に基づいて振分けを行なうから、直前のシートの振分けが完全に終了したことを確認してから次のシートの振分けを行なう。
【0036】
したがって、振分け前後でのシートの損傷を効果的に防止できる。
【0037】
また、振分け時において、前記シートを限界曲率半径よりも小さな曲率半径で屈曲させることがないから、シートの塑性変形も防止される。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、高速で搬送されるシートを塑性変形を生じさせることなく安定に振り分けられる振分可能なシート振分装置およびシート振分方法、並びに前記シート振分装置を備えるシート搬送装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
1.実施形態1
【0040】
以下、本発明に係るシート集積システムの一例である平版印刷版の搬送装置および集積装置について図面を参照して説明する。
【0041】
1−1 加工ライン
【0042】
先ず、実施形態1に係る搬送装置および集積装置が用いられている平版印刷版の加工ライン10について図1を用いて説明する。
【0043】
加工ライン10の上流側(図1の右上側)には、ウエブ送出機14が配設され、このウエブ送出機14には、平版印刷版の素材であるウエブ12がロール状に巻き取られたウエブロール13が着脱可能に装填されている。ウエブ送出機14は、加工ライン10のライン速度に対応する速度で、ウエブロール13からウエブ12を連続的に下流側へ送り出す。
【0044】
送り出されたウエブ12は、レベラ16によりカールが矯正された後、圧着ローラ18に至る。圧着ローラ18において、ウエブ12の上面(感光層表面)に合紙送出機20から送られてきた帯状の合紙22を圧着する。合紙22は帯電装置(図示せず。)により帯電されてウエブ12に静電接着される。
【0045】
圧着ローラ18の下流側にはノッチャー24が配置されている。このノッチャー24は、ウエブ12のスリット幅を変更する際に、ウエブ12における幅方向に沿った中央部及び両側端部をそれぞれ打抜き、ウエブ12の中央部及び両側端部にそれぞれ所定形状の切欠部(ノッチ)を形成する。これにより、ウエブ12の中央部及び両側端部にそれぞれ対応するように設けられたスリッタ26の剪断刃28(図2参照)が前記切欠部内で軸方向へ移動可能となるので、ウエブ12と合紙22とを同時に連続裁断しつつ、ウエブ12の幅変更が可能となる。
【0046】
ウエブ12は、スリッタ26により幅方向に沿って2分割される。スリッタ26によって2分割されたウェブ12は、測長装置30により送り長がカウントされ、予め設定されたカウント値に達すると、それに同期して走間カッタ32によりウエブ幅方向に沿って切断される。これにより、予め設定された製品サイズの平版印刷版46が製造される。
【0047】
ウエブ12から切断された平版印刷版46は、図2に示されるように搬送ライン37上に積載され、搬送ライン37により下流側へ搬送されて集積装置50Aまたは集積装置50Bに投入される。なお、搬送ライン37は、本発明に係るシート搬送装置に相当し、平版印刷版46は、本発明におけるシートに相当する。
【0048】
1−2 搬送装置
【0049】
搬送ライン37は、図2および図3に示すように上流から下流に向かって入口側コンベア34、振分コンベア35、第1受渡コンベア36A、および第2受渡コンベア36Bを有する。第1受渡コンベア36Aは、平版印刷版46を集積装置50Aに投入するコンベアであり、第2受渡コンベア36Bは、平版印刷版46を集積装置50Aに投入するコンベアである。入口側コンベア34および振分コンベア35は、夫々本発明のシート搬送装置の備える上流コンベアおよびシート振分装置に相当し、第1受渡コンベア36Aおよび第2受渡コンベア36Bは、本発明のシート搬送装置の備える受渡コンベアに相当する。
【0050】
振分コンベア35は、平版印刷版46の搬送先を、第1受渡コンベア36Aおよび第2受渡コンベア36Bの何れかに切替える機能を有する。
【0051】
入口側コンベア34と振分コンベア35との間には、平版印刷版の先端を検出するシート先端検出センサ38が設けられ、振分コンベア35と第1受渡コンベア36Aとの間には、平版印刷版の後端を検出するシート後端検出センサ39が設けられている。シート先端検出センサ38およびシート後端検出センサ39は、本発明のシート搬送装置の備えるシート位置検出手段に相当する。シート先端検出センサ38およびシート後端検出センサ39は、光学センサであってもよく、また超音波センサであってもよい。
【0052】
入口側コンベア34、第1受渡コンベア36A、および第2受渡コンベア36Bは、何れも上下に配設された1対のベルトコンベアからなり、平版印刷版46を上下から挟んで搬送する。
【0053】
図2および図3に示すように、振分けコンベア35は、平版印刷版46の搬送経路の上方に位置する上側ベルトコンベア35Aと、平版印刷版46の搬送経路を挟んで上側ベルトコンベア35Aの反対側に位置する下側ベルトコンベア35Bからなる。
【0054】
上側ベルトコンベア35Aおよび下側ベルトコンベア35Bは、何れも入口側に位置する入口側ローラ35Dと出口側に位置する出口側ローラ35Eと、入口側ローラ35Dおよび出口側ローラ35Eに巻き掛けられて支持されるベルト35Cとを有する。
【0055】
出口側ローラ35Eは、モータ等の駆動装置によって駆動され、ベルト35Cを矢印aの方向に回転させる。入口側ローラ35Dは、ベルト35Cによって従動する従動ローラである。
【0056】
入口側ローラ35Dは、限界曲率半径ρe以上の半径ρを有する。ここで、限界曲率半径ρe(mm)は、平版印刷版46が弾性変形する限界の曲率半径であって、以下の式:
【0057】
ρe=tE/2σe
【0058】
で与えられる。ここで、tは、平版印刷版46の板厚(mm)であり、Eは、平版印刷版46の縦弾性係数(kg/mm2)であり、σeは、平版印刷版46の降伏応力(kg/mm2)である。限界曲率半径ρeとの平版印刷版46の板厚tとの関係を図10に示す。図10に示すように、平版印刷版46の板厚tが0.2mmのときは、限界曲率半径ρeは48.6mmである。ここで、平版印刷版46は、輪転印刷機に装着して使用する点から、板厚tは通常0.2mm以下であるから、入口側ローラ35Dの半径は50mm以上あればよいことになる。
【0059】
上側ベルトコンベア35Aおよび下側ベルトコンベア35Bは、図2および図3に示すように、ベルト35Cの相対向する側の部分が互いに平行な配置を保持しつつ、入口側ローラ35Dの軸線を中心に揺動し、これにより、振分けコンベア35は、実線で示す第1の位置と、二点鎖線で示す第2の位置との何れかをとる。振分けコンベア35の出口は、第1の位置においては、第1受渡コンベア36Aの入口に相対し、第2の位置においては、第2受渡コンベア36Bの入口に相対する。したがって、振分コンベア35が第1の位置をとったときは、入口側コンベア34Aによって搬送された平版印刷版46は、第1受渡コンベア36Aに受け渡されて集積装置50Aに投入される。そして、振分コンベア35が第2の位置をとったときは、入口側コンベア34Aによって搬送された平版印刷版46は、第2受渡コンベア36Bに受け渡されて集積装置50Bに投入される。
【0060】
図4に示すように、上側ベルトコンベア35Aおよび下側ベルトコンベア35Bは、アクチュエータ35Fによって前記第1の位置と前記第2の位置との間を揺動する。アクチュエータ35Fとしてはエアシリンダが使用されるが、エアシリンダには限定されず、油圧シリンダやボール螺子なども使用できき、またカムも使用できる。
【0061】
アクチュエータ35Fは、図4において(A)に示すように入口側ローラ35Dの近傍に設けてもよく、(B)に示すように出口側ローラ35Eの近傍に設けてもよいが、入口側ローラ35Dの近傍に設ければ、上側ベルトコンベア35Aおよび下側ベルトコンベア35Bを揺動させるのに必要なアクチュエータ35FのストロークSが小さくなるから、前記第1の位置と前記第2の位置との切替をより短時間に行なえる故に好ましい。
【0062】
また、アクチュエータ35Fがエアシリンダや油圧シリンダ、ボール螺子の場合において、何らかの事情により、アクチュエータ35Fを出口側ローラ35Eの近傍に設ける必要があるときは、アクチュエータ35Fを根元側アクチュエータ35F2と先端側アクチュエータ35F1との2段に構成し、先端側アクチュエータ35F1を根元側アクチュエータ35F2のピストンの先端に設ければよい。前記アクチュエータ35Fにおいては、ストロークSは、根元側アクチュエータ35F2のストロークS2と先端側アクチュエータ35F1のストロークS1との和になる。したがって、ストロークS1もストロークS2も、ストロークSよりは小さいから、根元側アクチュエータ35F2と先端側アクチュエータ35F1とを同時に作動させれば、上側ベルトコンベア35Aおよび下側ベルトコンベア35Bを、1本のアクチュエータで揺動させる場合に比較して短時間で揺動させることができる。
【0063】
図3に示すように、振分けコンベア35が第1の位置をとったときの振分けコンベア35と第1受渡コンベア36Aとの間隔をd1とし、振分けコンベア35が第2の位置をとったときの振分けコンベア35と第2受渡コンベア36Bとの間隔をd2とすると、d1、d2が、
【0064】
d1>TsVs−D
【0065】
d2>TsVs−D
【0066】
の条件を満たすように第1受渡コンベア36Aと第2受渡コンベア36Bとの位置が制御される。ここで、Tsは、シート振分装置における振分時間(s)であり、Vsは、振分けベルト35における平版印刷版46の搬送速度(mm/s)、Dは、ある平版印刷版46とその次の平版印刷版46との間隔(mm)である。
【0067】
1−3 集積装置
【0068】
図2に示すように、集積装置50Aおよび集積装置50Bには、矢印Fで示す搬送ライン37の搬送方向に沿って下流側に、平板状の集積台52が設けられ、この集積台52の上面は平版印刷版46が集積される平面状の集積面54とされている。集積台52は、図2に示すように下方からリフタ56により支持されている。リフタ56は、集積面54上に集積された最上部の平版印刷版46の高さを検出するためのレベルセンサ(図示せず。)からの検出信号に従って最上部の平版印刷版46の高さが常に一定となるように集積台52を平版印刷版46の厚さ方向に沿って昇降する。
【0069】
搬送方向Fに沿って集積台52の下流側には、一対のバックストッパ58が設けらている。
【0070】
バックストッパ58は、集積面54上に積載された平版印刷版46の先端面と対向するように設けられたストッパ板60と、ストッパ板60を支持するシリンダ70とから構成されている。
【0071】
シリンダ70は、前述のように、ストッパ板60の下流側においてストッパ板60を支持する機能を有し、受渡コンベア36に対する位置関係が変位しないようにブラケット(図示せず。)を介して加工ライン10のフレーム、フロア等へ固定されている。シリンダ70には、緩衝バネ74が設けられている。
【0072】
集積装置50には、更に、搬送方向Fに沿って集積台52の上流側に、フロントストッパ92が配設されている。
【0073】
フロントストッパ92には、ガイド面94と位置決め面96との境界部に、スリット状のノズル穴98が複数水平方向に沿って開口している。更に、フロントストッパ92内には、夫々のノズル穴98に空気を供給する空気配管(図示せず。)が設けられている。集積装置50による平版印刷版46の集積時には、複数のノズル穴98からはそれぞれ搬送方向Fを指向するように高圧空気が噴射される。これにより、搬送ライン37からの投入直後には、平版印刷版46と集積面54との間又は平版印刷版46間にに空気層が形成され、集積面54上を慣性力等により移動(スライド)する平版印刷版46の移動抵抗が抑制される。
【0074】
1−4 動作、作用
【0075】
次に、加工ライン10の動作及び作用について説明する。
【0076】
前述のように、スリッタ26および走間カッタ32で所定のサイズに切断された平版印刷版46は、図2に示されるように、搬送ライン37上に積載されると、入口側コンベア34に導入され、振分けコンベア35によって第1受渡コンベア36Aおよび第2受渡コンベア36Bの何れかに振り分けられる。第1受渡コンベア36Aに振り分けられた平版印刷版46は、集積装置50Aに投入され、第2受渡コンベア36Bに振り分けられた平版印刷版46は、集積装置50Bに投入される。
【0077】
集積装置50Aまたは集積装置50Bに投入された平版印刷版46は、慣性力により搬送方向への移動を継続しつつ、集積面54上に載置される。このとき、フロントストッパ92のノズル穴98からエアが噴射されていることから、搬送ライン37により投入された平版印刷版46の下面に沿って空気層が形成される。この空気層により、集積面54上に投入された平版印刷版46と集積面54又は集積済みの平版印刷版46との摩擦抵抗が抑制され、集積面54上の平版印刷版46は円滑に搬送方向へ移動する。また集積面54又は集積済みの平版印刷版は、リフタ56により常に一定の高さに位置調整されている。これにより、搬送ライン37により順次投入される平版印刷版46は、集積面54上の平版印刷版46の枚数に影響されることなく集積面54上における略同一位置へ着地する。
【0078】
また、平版印刷版46が集積面54へ投入される際に、搬送ライン37における搬送速度や平版印刷版46の長さ等によっては、平版印刷版46の下面側がフロントストッパ92の上端部付近へ接することがある。このような場合にも、平版印刷版46は、フロントストッパ92の上端部に形成されたガイド面94によって、フロントストッパ92に引っ掛かったり、平版印刷版46の下面がフロントストッパ92との接触したりすることなく、集積面54に向かって案内される。
【0079】
集積面54上へ投入された平版印刷版46は、慣性力により搬送方向への移動を継続し、その先端面が一対のバックストッパ58へ当接する。これにより、バックストッパ58におけるストッパ板60には、平版印刷版46の重量及び速度に対応する衝撃力が作用し、ピストン72がシリンダ70に押し込められる方向に移動すると、ストッパ板60のクッションおよびバネ74によって平版印刷版46の運動エネルギが吸収され、バックストッパ58から平版印刷版46へ反力として作用する衝撃荷重が低減される。
【0080】
以下、振分コンベア35の振分け動作について、平版印刷版46の搬送経路を、入口側コンベア34から第1受渡コンベア36Aを通って集積装置50Aに投入する第1の経路から、入口側コンベア34から第2受渡コンベア36Bを通って集積装置50Bに投入する第2の経路に切り替える場合を例にとって説明する。
【0081】
図6において(A)に示すように、シート先端検出センサ38が、振分シート,即ちこれから振り分けようとする平版印刷版46の先端を検出すると、加工ライン10を制御する制御コンピュータ(図示せず。)は、(B)に示すように、振分コンベア35に振分動作開始指令を出力する。しかしながら、振分動作開始指令が入力されてから振分コンベア35が実際に振分動作を開始するまでの間には、(C)に示すようにタイムラグがある。前記タイムラグは、(C)〜(D)に示すように、シート後端検出センサ39が、振分シートに先行する平版印刷版46である直前シートの後端を検出してから、振分コンベア35が振分動作を開始するように設定されている。そして、前記タイムラグ経過後(C)に示すように、振分コンベア35は、第1の位置から第2の位置に向かって揺動し、第2の位置に達したところで振分動作が停止する。
【0082】
これにより、それまで入口側コンベア34から第1受渡コンベア36Aを通って集積装置50Aに投入されていた平版印刷版46は、入口側コンベア34から第2受渡コンベア36Bを通って集積装置50Bに投入される。
【0083】
平版印刷版46の経路を、入口側コンベア34から第2受渡コンベア36Bを通って集積装置50Bに投入する第2の搬送経路から、入口側コンベア34から第1受渡コンベア36Aを通って集積装置50Aに投入する第1の搬送経路に切り替える場合も同様である。
【0084】
振分コンベア35においては、出口側ローラ35Eは、振分コンベア35が第1の位置にあるときは第1受渡コンベア36Aの入口側ローラに、振分コンベア35が第2の位置にあるときは第2受渡コンベア36Bの入口側ローラに相対する位置にあるから、振分コンベア35が第1の位置および第2の位置の何れにあるときも、振分コンベア35を通過した平版印刷版46は殆ど屈曲力を受けることなく、真直ぐな状態で第1受渡コンベア36Aまたは第2受渡コンベア36Bに導入される。
【0085】
したがって、振分コンベア35に導入された平版印刷版46は、前記第1の搬送経路および前記第2の搬送経路の何れかに沿って搬送されるように、入口部で屈曲されるが、前記屈曲半径は、入口側ローラ35Dの半径と同一である。
【0086】
ここで、入口側ローラ35Dは限界曲率半径よりも大きいから、平版印刷版46は、入口部を、弾性域内で変形しつつ通過する。
【0087】
1−5 特長、効果
【0088】
実施形態1に係る加工ライン10の備える搬送ライン37においては、入口側コンベア34、振分コンベア35、第1受渡コンベア36A,および第2受渡コンベア36Bの何れにおいてもベルトによって平版印刷版46を両面から挟持して搬送している。したがって、平版印刷版46は、平版印刷版46の感光層表面に圧着された合紙22との間にずれが生じることなく搬送されるから、感光層が合紙22に擦られて損傷することがない。
【0089】
また、平版印刷版46は、振分コンベア35の入口部においても限界曲率半径より大きな半径で屈曲されるのみであり、塑性変形することはない。
【0090】
更に、前述のように、振分けコンベア35と第1受渡コンベア36Aとの間隔d1と、振分けコンベア35と第2受渡コンベア36Bとの間隔d2とが、振分時間Ts、平版印刷版46の搬送速度Vs、および平版印刷版46の間隔Dとの間に前述の関係式で与えられる条件を満たすように第1受渡コンベア36Aと第2受渡コンベア36Bとの位置が制御されるから、平版印刷版46の搬送方向の寸法や間隔、搬送速度が変動しても、振分コンベア35を搬送された平版印刷版46が、振分コンベア35における搬送経路の切替が修了する前に第1受渡コンベア36Aまたは第2受渡コンベア36に接触して損傷することが防止される。
【0091】
2.実施形態2
【0092】
加工ライン10において、平版印刷版46を集積装置50Aまたは集積装置50Bに投入するのに使用される搬送ラインの別の例について以下に説明する。
【0093】
実施形態2に係る搬送ライン137は、実施形態1のところで述べた搬送ライン37と同様に、走間カッタ32と集積装置50Aおよび集積装置50Bとの間に配設される。そして、図7に示すように、上流から下流に向かって入口側コンベア34、振分コンベア135、第1受渡コンベア136A、および第2受渡コンベア136Bを有する。図7において、図3と同一の符号は、前記符号が図3において示す要素と同一の要素を示す。
【0094】
第1受渡コンベア136Aは、平版印刷版46を集積装置50Aに投入するコンベアであり、第2受渡コンベア136Bは、平版印刷版46を集積装置50Aに投入するコンベアである。振分コンベア135は、本発明のシート搬送装置の備えるシート振分装置に相当し、第1受渡コンベア136Aおよび第2受渡コンベア136Bは、本発明のシート搬送装置の備える受渡コンベアに相当する。
【0095】
振分コンベア135は、平版印刷版46の搬送経路の上方に位置する上側ベルトコンベア135Aと、平版印刷版46の搬送経路を挟んで上側ベルトコンベア135Aの反対側に位置する下側ベルトコンベア135Bとからなる。
【0096】
上側ベルトコンベア135Aおよび下側ベルトコンベア135Bは、実施形態1における振分コンベア35の備える出口側ローラ35Eおよびベルト35Cと同様の出口側ローラ135Eおよびベルト135Cを備えている。ただし、入口部には、入口側ローラ35に代えてベルト支持板135Dおよび支持ローラ135Fが配設されている。ベルト支持板135Dは、本発明のシート振分装置が備えるベルト支持部材に相当する。
【0097】
ベルト支持板135Dは、外側の面、即ちベルト135Cが巻き掛けられる側の面が凸に形成され、しかも前記面の曲率半径は限界曲率半径よりも大きい。また、前記面は、弗素系樹脂や超高分子量ポリエチレンなどの低摩擦材料で被覆することができる。ベルト支持板135Dは、図7に示す例においてはブロック材を蒲鉾状に加工した部材であるが、板材を円筒状に屈曲させて加工した部材であってもよい。
【0098】
出口側ローラ135Eは、実施形態1と同様に、モータ等の駆動装置によって駆動され、ベルト135Cを矢印aの方向に回転させる。一方、支持ローラ135Fは、ベルト135Cによって従動する従動ローラである。
【0099】
上側ベルトコンベア135Aおよび下側ベルトコンベア135Bは、図7に示すように、ベルト135Cの相対向する側の部分が互いに平行な配置を保持しつつ、ベルト支持板135Dの曲率中心の回りを揺動し、これにより、振分けコンベア135は、二点鎖線で示す第1の位置と、実線で示す第2の位置との何れかをとる。振分けコンベア135の出口は、第1の位置においては、第1受渡コンベア136Aの入口に相対し、第2の位置においては、第2受渡コンベア136Bの入口に相対する。したがって、振分コンベア135が第1の位置をとったときは、入口側コンベア34Aによって搬送された平版印刷版46は、第1受渡コンベア136Aに受け渡されて集積装置50Aに投入される。そして、振分コンベア135が第2の位置をとったときは、入口側コンベア34Aによって搬送された平版印刷版46は、第2受渡コンベア136Bに受け渡されて集積装置50Bに投入される。
【0100】
振分けコンベア135を揺動させるアクチュエータについては、実施形態1のところで述べたとおりである。
【0101】
また、振分けコンベア135と第1受渡コンベア136Aとの間隔d1、および振分けコンベア135と第1受渡コンベア136Bとの間隔d2についても実施形態1で述べたとおりである。
【0102】
第1受渡コンベア136Aおよび第2受渡コンベア136Bは、図7に示すように、何れも平版印刷版46の搬送経路を挟むように設けられたベルトコンベア136Cと136Dとを備えている。ベルトコンベア136Cおよびベルトコンベア136Dにおいては、入口側には、ベルト136Iおよびベルト136Jに従動する従動ローラ136Eおよび従動ローラ136Fが設けられ、出口側には、ベルト136Iおよびベルト136Jを駆動する駆動ローラ136Gおよび駆動ローラ136Hが設けられている。そして図8に示すように第1受渡コンベア136Aと第2受渡コンベア136Bとは巾方向に交互に設けられ、しかも第1受渡コンベア136Aにおける従動ローラ136Fと、第2受渡コンベア136Bにおける従動ローラ136Eとは同軸に設けられている。
【0103】
搬送ライン137においては、振分コンベア135において入口側ローラに代えてベルト支持板135Dを設けたことにより、実施形態1の搬送ライン37に比較して入口側コンベア34と振分コンベア135とをより近接させることができる。また、第1受渡コンベア136Aおよび第2受渡コンベア136Bにおいて従動ローラ136Eと従動ローラ136Fとを同軸に配設したことにより、振分コンベア135の揺動角をより小さくすることができる。
【0104】
したがって、搬送ライン137は、実施形態1に係る搬送ライン37の有する特長に加えてよりコンパクトに構成できるという特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は、実施形態1〜3に係る搬送ラインが組み込まれる加工ラインの全体的な構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る搬送ラインの全体的な構成を示す概略図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る搬送ラインにおける振分コンベアの構成および動作を示す拡大図である。
【図4】図4は、図3に示す振分コンベアにおけるアクチュエータの配設例とストロークとの関係を示す説明図である。
【図5】図5は、図3に示す振分コンベアに使用できる2段型アクチュエータの構成および動作を示す説明図である。
【図6】図6は、図3に示す振分コンベアの動作手順を示すタイミングチャートである。
【図7】図7は、実施形態2に係る搬送ラインの構成および動作を示す拡大図である。
【図8】図8は、実施形態2に係る搬送ラインの受渡コンベアにおける従動ローラ側の構成を示す拡大斜視図である。
【図9】図9は、実施形態1または2の搬送ラインで搬送される平版印刷版の板厚と限界曲率半径との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0106】
10 加工ライン
12 ウェブ
14 ウエブ送出機
16 レベラ
18 圧着ローラ
20 合紙送出機
22 合紙
24 ノッチャー
26 スリッタ
28 剪断刃
30 測長装置
32 走間カッタ
34 入口側コンベア
35 振分コンベア
35A 上側ベルトコンベア
35B 下側ベルトコンベア
35C ベルト
35D 入口側ローラ
35E 出口側ローラ
35F アクチュエータ
36A 受渡コンベア
36B 受渡コンベア
37 搬送ライン
38 シート先端検出センサ
39 シート後端検出センサ
46 平版印刷版
50A 集積装置
50B 集積装置
135 振分コンベア
135A 上側ベルトコンベア
135B 下側ベルトコンベア
135C ベルト
135D ベルト支持板
135E 支持ローラ
136A 受渡コンベア
136B 受渡コンベア
136C ベルトコンベア
136D ベルトコンベア
136E 従動ローラ
136F 従動ローラ
136G 駆動ローラ
136H 駆動ローラ
137 搬送ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に搬送されるシートを予め定められた複数の搬送経路のうち1つに振り分けるシート振分装置であって、前記複数の搬送経路の何れに振り分ける場合においても、シートが弾性変形する限界の曲率半径である限界曲率半径よりも大きな曲率半径で前記シートを通過させることを特徴とするシート振分装置。
【請求項2】
前記シートを両面からベルトで挟持して前記搬送方向に沿って搬送するとともに、搬送方向上流側に位置する振分中心軸の周りに回動して前記シートを振り分ける1対の振分コンベアを有し、
前記振分コンベアは、前記限界曲率半径よりも大きな曲率半径を有する搬送経路に沿ってシートを搬送する
請求項1に記載のシート振分装置。
【請求項3】
前記振分コンベアのベルトは、前記シートの入口側に位置し、前記限界曲率半径よりも大きな半径を有する入口側ローラと、前記シートの出口側に位置する出口側ローラとによって支持されてなるとともに、
前記振分コンベアは、前記入口側ローラの軸線を振分け中心軸として回動して振分けを行なう請求項2に記載のシート振分装置。
【請求項4】
前記振分コンベアのベルトは、前記シートの入口側においては、前記限界曲率半径よりも大きな曲率半径を有するベルト支持部材および支持ローラによって支持され、前記シートの出口側においては、出口側ローラによって支持されてなる請求項2に記載のシート振分装置。
【請求項5】
予め定められた複数の搬送経路のうちの1つを選択してシートを搬送する搬送装置であって、
請求項1〜4の何れか1項に記載のシート振分装置と、
シートを前記シート振分装置に向かって搬送する上流コンベアと、
前記シート振分装置の搬送方向下流側において複数の搬送経路を形成する複数の受渡コンベアと、
前記シート振分装置で振り分けようとするシートに先行する直前シートの位置を検出するシート位置検出手段と、
前記シート位置検出手段が、前記直前シートが前記シート振分装置を通過したことを検出したら、前記シート振分装置において振分動作を行わせる制御手段とを
有することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
少なくとも振分け時においては、シート振分装置と夫々の受渡コンベアとの間隔dが、以下の式:
d>TsVs−D
(但し、Tsは、シート振分装置における振分時間(s)であり、Vsは、シート振分装置における搬送速度(mm/s)、Dは、搬送される1のシートと前記1のシートの次に搬送される他のシートとの間隔(mm)である。)
に従って設定される請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記上流コンベアおよび受渡コンベアは、何れも前記シートを両面からベルトで挟持して搬送するベルトコンベア装置からなる請求項5または6に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記受渡コンベアは、第1の搬送経路を形成する第1ベルトコンベア装置と第2の搬送経路を形成する第2ベルトコンベア装置とからなり、前記第1ベルトコンベア装置の入口側ローラと前記第2ベルトコンベア装置の入口側ローラとのうち、第1の搬送経路と第2の搬送経路とに挟まれた位置にある入口側ローラは、同軸に配設されてなる請求項7に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
一定方向に搬送されるシートを複数の搬送経路のうち1つに振り分けるシート振分方法であって、
前記シートの搬送速度と、前記シートの間隔と、前記シートの搬送方向の長さと、振分け直前のシートの位置とを検出し、これらの検出結果に基づき、シートが弾性変形する限界の曲率半径である限界曲率半径よりも大きな曲率半径で前記シートを通過させて前記シートの振分けを行なうことを特徴とするシート振分方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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