説明

シート搬送装置、シート繰り出し装置及び画像形成装置

【課題】静電吸着ベルトに撓みなどが発生してもその電極に確実に給電して安定した静電吸着力を発生させ、かつ電極の耐久性も向上させる。
【解決手段】複数の電極パターン17,18をベルト基材16で被覆した静電吸着ベルト13をローラ11,12に掛け渡し、その内周面に各電極パターン17,18がそれぞれ露出したベルト給電箇所16aを形成する。対の回転給電部14の導電性の回転軸14bに支持された各回転体14aを、静電吸着ベルト13のベルト給電箇所16a,16bに接触させてその移動に連れ回りさせ、その各回転軸14bに印加される電圧を回転体14aを通して電極パターン17,18に印加する。また、対の回転補助部15の各回転体15aに押圧力を与えて、静電吸着ベルト13の外周面の回転体14aと対向する位置に接触させ、その静電吸着ベルト13の移動に連れ回りさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート搬送装置とシート繰り出し装置、及び少なくともその一方を備えたプリンタ、印刷装置、複写機、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を組合せたデジタル複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したような各種の画像形成装置は、一般にシート(用紙、記録用紙、転写紙、普通紙、記録又は印刷用シートなどを総称する)を給紙部から繰り出して給送し、画像形成部に沿って搬送しながら画像を形成した後排出する。
そのため、給紙部にはシート繰り出し装置が、画像形成部等には繰り出されたシートを搬送するシート搬送装置が設けられている。
【0003】
そのようなシート搬送装置として、複数のシート状の電極(電極パターン)を、ゴムや樹脂等による可撓性を有する帯状の絶縁材からなるベルト基材中に埋め込んだ無端状の静電吸着ベルトを、複数のローラに掛け渡して周回移動(以後「回動」という)させることによって、シートを搬送する静電吸着搬送方式のものが広く知られている。
【0004】
このようなシート搬送装置は、静電吸着ベルトの電極に高電圧を印加することによって、その表面に接触する記録用紙等のシートに誘電分極が発生し、そのシートの対向面に電極と逆極性の電荷が現れる。そのため、静電吸着ベルトとシートとの間に静電吸着力が発生し、静電吸着ベルトの表面にシートを吸着し、浮きやスリップを発生させずに精度よく搬送することができる。
【0005】
このような静電吸着搬送方式のシート搬送装置は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1には、静電吸着搬送方式によるシート搬送装置の一種であるシート繰り出し装置(給紙装置)が開示されている。それは、静電吸着ベルトを掛け渡す金属ローラに電極パターンと接触する箇所を設け、そのローラに高電圧を印加することによって回動する静電吸着ベルトに給電して、静電吸着力を発生させるように構成している。
【0006】
また、特許文献2及び3には、回動する静電吸着ベルトの各電極が露出する被給電部に対して、導電性ブラシを接触させ、そのブラシに高電圧を印加することによって、静電吸着力を発生させる静電吸着搬送方式のシート搬送装置を備えた、インクジェット方式の記録装置(画像形成装置)が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されているような構成のシート搬送装置では、静電吸着ベルトが撓んでいると金属ローラと電極との接触が不完全になり、静電吸着力が不安定になることがある。
静電吸着ベルトに付与するテンションを高めることによって、静電吸着ベルトの電極と金属ローラとが常に十分に接触するようにすることは可能である。しかし、テンションを高めることによって電極パターンが引っ張られるため、電極パターンが破断する懸念がある。電極パターンが破断すると静電吸着力が低下するため、シートの搬送が不安定になってしまう。
【0008】
また、特許文献2に記載されているような構成のシート搬送装置では、回動する静電吸着ベルトの各電極が露出する被給電部に導電性ブラシを接触させている。そのため、電極のダメージ及び導電性ブラシの磨耗や、ブラシを構成する導電毛材(金属線や導電繊維等)の抜けなどが発生する場合がある。それによって、静電吸着力が不安定になり、記録用紙等のシートの搬送が不安定になってしまう恐れや、電極がシート状である場合には耐久性が低くなってしまう恐れもあった。
【0009】
特許文献3に記載のシート搬送装置は、特許文献2に記載のものとほぼ共通しているが、導電性ブラシを所定の圧力で静電吸着ベルトの電極に接触させるようにして、導電性ブラシが磨耗しても静電吸着ベルトの電極に安定して接触するようにしている。
しかしながら、やはり電極にブラシを摺動させているために、電極のダメージやブラシを構成する導電毛材の抜けが発生するため、静電吸着力が不安定になってしまう恐れや、電極の耐久性が低くなってしまう恐れがあるという問題を、充分に解消することはできない。
【0010】
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、静電吸着搬送方式のシート搬送装置やシート繰り出し装置において、静電吸着ベルトに撓みなどが発生しても、その電極に確実に給電して安定した静電吸着力を発生させ、かつ電極の耐久性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は上記の目的を達成するため、複数の電極を可撓性を有する帯状の絶縁材からなるベルト基材で被覆した無端状の静電吸着ベルトを、少なくとも2本のローラに掛け渡し、上記複数の電極に電圧を印加しながら上記静電吸着ベルトを周回移動させることにより、その静電吸着ベルトの表面にシートを静電吸着させて搬送するシート搬送装置であって、次のように構成したことを特徴とする。
上記静電吸着ベルトの内周面に、その静電吸着ベルトの移動方向に沿って上記複数の電極の一部がそれぞれ露出した複数の給電箇所を形成する。
【0012】
そして、その複数の給電箇所のそれぞれに対して、導電性の回転軸に回転自在に支持された導電性の回転体を、上記静電吸着ベルトの内周面の上記給電箇所に接触して上記静電吸着ベルトの移動に連れ回りするように配置し、上記回転軸に印加される電圧を上記回転体を通して上記電極に印加する回転給電部と、上記静電吸着ベルトの外周面の上記回転体と対向する位置に接触して、その静電吸着ベルトの移動に連れ回りするように配置された回転体を有する回転補助部とを設けた。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、静電吸着搬送方式のシート搬送装置やそれを用いたシート繰り出し装置において、静電吸着ベルトの撓みなどに係わらず確実に各電極に給電することができ、かつ電極と給電部の摺動を回避することにより耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明によるシート搬送装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】そのシート搬送装置を図1の矢示Y方向から見た側面図である。
【図3】そのシート搬送装置における静電吸着ベルトの一部を電極パターンが見えるようにベルト基材の内周面側を一部除去して示す図である。
【図4】図3に示した静電吸着ベルトによってシートを静電吸着する原理を説明するための説明図である。
【図5】図2における回転給電部の他の実施例を説明するための要部拡大図である。
【図6】回転給電部の回転体の異なる例を示す図5と同様な図である。
【図7】図5又は図6に示した実施例の回転給電部付近を図2の矢示W方向から見た拡大図である。
【0015】
【図8】この発明によるシート搬送装置をシート繰り出し装置として用いた場合の一実施形態を示す側面図である。
【図9】この発明によるシート搬送装置を中継用搬送装置として用いた場合の一実施形態を示す側面図である。
【図10】この発明によるシート搬送装置を備えたインクジェット方式の画像形成装置の一実施形態の全体構成を示す概略図である。
【図11】この発明によるシート搬送装置を備えた電子写真方式のカラー画像形成装置の一実施形態の要部構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔シート搬送装置の実施形態〕
図1はこの発明によるシート搬送装置の一実施形態を示す斜視図であり、図2はそのシート搬送装置を図1の矢示Y方向から見て少し拡大した側面図である。図3はその静電吸着ベルトの一部を電極パターンが見えるようにベルト基材の内周面側を一部除去して示す図である。
【0017】
図1及び図2に示すシート搬送装置1は、図2において矢示方向に回転する駆動ローラ11と同方向に回転自在な従動ローラ12と、その間に掛け渡された静電吸着ベルト13とを備えている。さらに、この静電吸着ベルト13の周回移動(以下「回動」という)による走行方向(矢示A方向)に直交する幅方向の両端部付近にそれぞれ、静電吸着ベルト13を狭むように対向して回転給電部14と回転補助部15を設けている。
【0018】
回転給電部14は静電吸着ベルト13の内周面側に設けられ、回転体14aと回転軸14bから構成されている。回転補助部15は静電吸着ベルト13の外周面側に設けられ、回転体15aと回転軸15b、及び押圧部材15cと圧縮スプリング15dとによって構成されている。
この回転補助部15の圧縮スプリング15dは、装置の固定部材2と押圧部材15cとの間に介装されている。押圧部材15cは、回転体15aを挟むように逆U字状に折れ曲がっており、その平行な両片の下部に逆U字状の切欠15eが形成され、そこに回転軸15bの両端部を嵌入させている。
【0019】
したがって、回転補助部15は圧縮スプリング15dの復元力(弾性力)によって押圧部材15cを押圧し、それが回転軸15bを介して回転体15aを静電吸着ベルト13を狭持するように回転給電部14の回転体14aに向けて押圧している。
静電吸着ベルト13に当接する回転給電部14の回転体14aと回転補助部15の回転体15aは、それぞれ静電吸着ベルト13の回動に伴って図1に矢印で示す方向に連れ回りする。
この回転給電部14と回転補助部15は、図1に示すように静電吸着ベルト13の幅方向の両端部付近に、対向するように一対ずつ配置されている。
【0020】
静電吸着ベルト13には、図1に破線で示し、図3に一層明瞭に示すように、導電性材料からなる複数の電極として、一対の櫛歯状の電極パターン(電極シート)17と18が形成されている。
その各電極パターン17,18は、それぞれ静電吸着ベルト13の両側縁の一方と他方に沿って延びる連続部17a,18aと、その連続部17a,18aから静電吸着ベルト13の幅方向に延び、互いに僅かな間隔を置いて交互に相手側に入り込むように形成された多数の櫛歯部17b,18bからなっている。
【0021】
その電極パターン17,18が、ゴムや樹脂等による可撓性を有する帯状の絶縁材(絶縁シート)からなるベルト基材16で被覆され、全体として無端状の静電吸着ベルト13を形成している。
図3は、その静電吸着ベルト13の一部を、電極パターン17,18を被覆しているベルト基材16の内周面側を部分的に除去して示している。
【0022】
この静電吸着ベルト13のベルト基材16の内周面には、両側縁部に沿ってそれぞれ全周に亘って電極パターン17,18の各連続部17a,18aを露出させる細長い開口を形成したベルト給電箇所16a,16bが設けられている。
このベルト給電箇所16a,16bには、図1に示した一対の回転給電部14の各回転体14aがそれぞれ接触しており、静電吸着ベルト13の内周面から電極パターン17,18に給電することができるようにしている。
【0023】
その一対の回転給電部14の回転軸14bは、電源部3の正の給電線3aと負の給電線3bにそれぞれ接続されており、電源部3によって直流高電圧が印加される。各回転給電部14を構成する回転体14a及びその回転軸14bは、いずれも金属等の導電性の材料で形成されている。
【0024】
この一対の回転給電部14の各回転体14aは、静電吸着ベルト13の内周面のベルト給電箇所16a,16bにおいて、それぞれ電極パターン17,18の連続部17a,18aに接触し、一対の回転補助部15の各回転体15aとの間に静電吸着ベルト13を挟んで押圧されている。
【0025】
一方、駆動回路及び駆動モータ等からなるローラ駆動部4によって、駆動ローラ11が図1に示す矢示方向に回転駆動され、それによって静電吸着ベルト13が矢示A方向に回動される。
その静電吸着ベルト13の回動に伴って各回転体14a,15aはそれぞれ連れ回り(従動回転)し、各回転給電部14の回転体14aは、常に電極パターン17,18の連続部17a,18aに対して確実な接触状態を維持する。そのため、常に安定して給電することができる。
【0026】
電源部3によって一対の回転給電部14に直流高電圧が印加されると、その各回転体14aから静電吸着ベルト13のベルト給電箇所16a,16bを通して各電極パターン17,18の全体に高電圧が印加されることとなり、電極パターン17,18が正負いずれかに帯電する。
【0027】
次に、静電吸着ベルト13がシートを静電吸着する原理について図4によって説明する。
上述した静電吸着ベルト13の電極パターン17,18に対して、例えば+1kVと−1kVのような正負の異なる高電圧を印加することにより、図4に示すように誘電分極が発生する。その静電吸着ベルト13のベルト基材16の表面に記録用紙等の絶縁性のシート5が接触すると、そのシート5の表面にも分極が発生して、電極パターン17,18の各櫛歯部17b,18bと対向する位置に、その対向する各櫛歯部17b,18bの電荷と逆極性の電荷が現れる。
この逆極性の電荷によって電極パターン17,18の各櫛歯部17b,18bとシート5との間に、それぞれ破線矢印で示すように静電引力が発生する。その静電引力によって、静電吸着ベルト13の表面にシート5を吸着する。
【0028】
なお、正電荷と負電荷に帯電した電極パターン17,18の各櫛歯部17b,18bがベルト走行方向に交互に並んでいるため、シート5の表面にもベルト走行方向(図4の矢示A方向)に正電荷と負電荷が交互に現れる。これにより、静電吸着ベルト13とシート5との間に同極性の電荷によって発生する反発力のベルト走行方向の分力は、交互に逆向きになる。そのため、静電吸着ベルト13にシート5が一度静電吸着されると、吸着された位置からずれることがなくなる。
【0029】
このようにして、静電吸着ベルト13の表面にシート5を吸着させながら、図2に示したローラ駆動部4による駆動ローラ11の回転によって、静電吸着ベルト13を図4の矢示A方向へ走行させれば、そのシート5を浮き上がりや位置ずれを発生することなく、精度よく搬送することができる。
【0030】
この実施形態のシート搬送装置1によれば、静電吸着ベルト13の回動時に各回転給電部14の回転体14aが、静電吸着ベルト13の回動に伴って従動回転するため、静電吸着ベルト13の走行中に電極パターン17,18を擦ることがない。そのため、電極パターン17,18を傷付けたりするダメージが発生せず、電極の耐久性が向上する。
【0031】
また、回転給電部14の回転体14aが静電吸着ベルト13の内周面のベルト給電箇所16a,16bに当接し、回転補助部15の回転体15aが外周面から当接して静電吸着ベルト13を狭持しているので、静電吸着ベルト13の回動中における各回転給電部14と電極パターン17,18との接触性が向上する。そのため、静電吸着ベルト13に多少の撓みが発生しても安定して給電することができる。
【0032】
また、回転補助部15の回転体15aも静電吸着ベルト13の外周面を擦らないため、静電吸着ベルト13の吸着面を傷付けたりするダメージが発生することもない。
さらに、その回転補助部15の回転体15aは、圧縮スプリング15dの復元力によって押圧部材15cを介して静電吸着ベルト13に押圧されている。これにより、静電吸着ベルト13が高速で回動して振動(ばたつき)が発生しても、安定して給電することができる。
【0033】
また、回転給電部14の回転体14aとして、内輪と外輪がボール(玉)を介して相対回転自在に保持されて導通した導電性玉軸受(ボールベアリング)を使用し、回転軸14bをその導電性玉軸受の内輪に圧入するとよい。これによって、回転体14aと回転軸14bとの摺動もなくなり、電極パターン17,18への給電性能が更に向上する。
【0034】
このようなシート搬送装置は、各種の画像形成装置や印刷装置の用紙搬送装置や用紙繰り出し装置として使用でき、さらに、その他のシートを扱う各種の装置(各種の用紙や紙幣等の仕分け、計数、搬送、処理などを行う装置)にも適用できる。
なお、静電吸着ベルトを3個以上のローラによって張り渡すようにしてもよい。それらの各ローラは、静電吸着ベルト13のベルト給電箇所に接触することがあっても電極と導通しないように、絶縁材で形成されるか、少なくとも外周部は絶縁材で被覆されていることが望ましい。
【0035】
静電吸着ベルトに設ける電極の数は2つに限らず、複数であればよい。その電極の数に応じて、回転給電部と回転補助部の数も増加することができる。
また、それらの電極に印加する電圧も極性が異なる電圧に限らず、接地電位(0V)と正又は負の電圧、あるいは同極性で異なる電位の電圧などでもよく、紙のような絶縁性のシートに誘電分極を発生させて、静電吸着ベルトに吸着させることができるような電界を生じる電圧であればよい。
【0036】
〔回転給電部の他の実施例〕
次に、上述したこの発明によるシート搬送装置にける回転給電部の他の実施例を説明する。
図5はその回転給電部の他の実施例を説明するための図であり、図1の矢示Y方向から見た回転給電部付近の要部拡大図に相当する。この図5及び後述する図6及び図7においても、図1〜図4の各部と対応する部分には同一の符号を付している。
【0037】
この図5に示す回転給電部14の回転体14aは、回転補助部15の押圧部材15cによって回転体15aを介して押圧されることにより弾性変形する部材で形成されている。回転体13aを例えばゴムローラにすることによって、押圧されることにより図5に示すように、静電吸着ベルト13の内周面のベルト給電箇所16a又は16bへの接触箇所が弾性変形した状態になる。
【0038】
これによって、回転体14aのベルト給電箇所16a又は16bに対する接触面積が拡大するため、その表面性状によらず、両側部の回転体14aによって電極パターン(電極シート)17及び18に安定して給電することができる。すなわち、静電吸着ベルト13の給電の安定性を向上させることができる。
【0039】
図6は、回転給電部の回転体の異なる例を示す図5と同様な図である。
この図6に示す回転給電部14の回転体14aは、静電吸着ベルト13の内周面のベルト給電箇所16a又は16bに接触する外周部14eと、回転軸14bに固着させた内側部14fとによって構成されている。そして、例えば外周部14eをゴムで、内側部14fを金属で形成する。あるいは、回転軸14cと内側部14fを一体に形成することもできる。
【0040】
このように構成することにより、外周部14eの厚さtを薄くすることができる。それにより、外周部14eと回転軸14c及び内側部14fとの材質の違いによる導電性の差異に関わらず、外周部14eにおける導電性の影響を低減することができる。
それによって、両側部の回転体14aによって電極パターン17及び18により安定して給電することができ、静電吸着ベルト13の給電の安定性を向上させることができる。
【0041】
またこの場合、回転補助部15の押圧部材15cによって回転体15aを介して押圧されることにより、回転給電部14の回転体14aが弾性変形する領域を、静電吸着ベルト13の内周面のベルト給電箇所16a又は16bに接触する外周部のみにすることができる。
【0042】
図7は、図5又は図6に示した実施例の回転給電部付近を図1の矢示W方向から見た拡大図である。
この図7に示すように、回転給電部14の回転体14aにおける回転軸線方向の幅xを、ベルト給電箇所16a又は16bのベルト基材(絶縁シート)16から電極パターン(電極シート)17又は18が露出している幅yよりも大きくする。
【0043】
ベルト給電箇所16a又は16bの表面には、電極パターン17又は18の表面とベルト基材16の内表面との段差zがある。しかし、回転給電部14の回転体14aが、回転補助部15の押圧部材15cによって回転体15aを介して押圧されることで弾性変形することにより、ベルト給電箇所16a又は16bの電極パターン17又は18に確実に接触することができる。
【0044】
回転体14aの回転軸線方向の幅xがベルト給電箇所16a又は16bの幅yより小さいと、回転体14aの角部(エッジ部)14m,14nがベルト給電箇所16a又は16bの電極パターン(電極シート)17又は18に接触する。そのため、静電吸着ベルト13が回動することにより、スジ状の接触痕が発生することになる。この接触痕が電極パターン17又は18にダメージを与える場合がある。
しかし、この実施例のように、回転体14aの回転軸線方向の幅xがベルト給電箇所16a又は16bの幅yより大きいと、回転体14aの角部14m,14nは電極パターン17又は18に接触しないため、電極パターン(電極シート)のダメージを回避することができる。
【0045】
〔シート繰り出し装置の実施形態〕
次に、この発明によるシート搬送装置をシート繰り出し装置として用いた一実施形態を、図8によって説明する。
図8に示すシート繰り出し装置6は、図1〜図7によって説明したシート搬送装置1と同様に、駆動ローラ11及び従動ローラ12に掛け渡された静電吸着ベルト13と、その静電吸着ベルト13の内周面側と外周面側にベルト給電箇所を挟むように対向して設けられた一対ずつの回転給電部14と回転補助部15(いずれも回転体だけを図示している)等によって構成されている。それらの各部の構成及び機能も前述したシート搬送装置1と同様であるから、それらの説明は省略する。
【0046】
このシート繰り出し装置6の下側にはシート収納部7が設けられている。そのシート収納部7内には昇降可能なシート積載板7aを備えており、そのシート積載板7a上に積載した記録用紙等のシート5の最上位のシート5aが、シート繰り出し装置6の静電吸着ベルト13の下面に接するように、シート積載板7aを上昇させる。
【0047】
それによって、シート繰り出し装置6の静電吸着ベルト13が最上位のシート5aを外周面に静電吸着する。そして、駆動ローラ11を矢示方向に回転させて、静電吸着ベルト13を矢示A方向に回動させることによって、そのシート5aを矢示B方向へ繰り出すことができる。
なお、静電吸着ベルト13の表面からシート5aを分離させる位置に、分離爪を設けるとよい。
【0048】
シート収納部7に代えて、給紙カセットや給紙トレイ、あるいは手差し給紙トレイなどを設けてもよい。
このようなシート繰り出し装置6とシート収納部7や給紙カセット等を、画像形成装置や印刷装置の給紙部に設ければ、画像形成(印刷)するための用紙を一枚ずつ確実に繰り出すことができる。その他のシートを扱う各種の装置においても、必要なシートを一枚ずつ確実に繰り出すことができる。
【0049】
〔中継用搬送装置の実施形態〕
次に、この発明によるシート搬送装置を中継用搬送装置として用いた場合の一実施形態を、図9によって説明する。
この図9に示す実施形態では、左側がシート搬送方向の上流側であり、その上流側に上流搬送ローラ21a,21bが、右側の下流側に下流搬送ローラ22a,22bが配置されており、その間に中継搬送装置8が配置されている。
【0050】
その中継搬送装置8は、図1〜図7によって説明したシート搬送装置1と同様に構成されており、図1と対応する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。但し、回転給電部14と回転補助部15は、静電吸着ベルト13の下側部の内周面側と外周面側に、ベルト給電箇所を挟むよう一対ずつ設けられている。また、駆動ローラ11は図6に矢印で示すように右回転し、静電吸着ベルト13を矢示C方向に回動させる。
【0051】
したがって、上流搬送ローラ21a,21bによって、図9において左方から右方へ搬送されたシート5が、中継搬送装置8の静電吸着ベルト13の外周面に静電吸着されて、矢示C方向へ搬送される。その後、そのシート5はさらに、下流搬送ローラ22a,22bによって右方向へ搬送される。
この中継搬送装置8は、各種の画像形成装置内の記録用紙の搬送部などに使用できる。
【0052】
〔インクジェット方式の画像形成装置の実施形態〕
次に、この発明によるシート搬送装置を備えたインクジェット方式の画像形成装置の一実施形態を、図10によって説明する。
図10は、インクジェット方式の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【0053】
画像形成装置100は、装置本体101内に、給紙部30、画像形成部を含む主搬送部40、反転部50、両面用搬送部60、および手差し給紙部70が設けられている。また、装置本体101の上面には排紙トレイ102が形成されている。
給紙部30には、図示を省略しているが給紙カセットが設けられており、それに収容されたシート(この場合は記録用紙)5のうち最上位のシートの先端部付近が接触する位置に、そのシート5を繰り出す繰り出しローラ31が設けられている。
【0054】
給紙部30の上部に設けられた主搬送部40には、位置決めローラ対41と、そのシート搬送方向下流側にはシート搬送装置42と、複数の搬送ローラ対43及び排紙ローラ対44が順次設けられている。
シート搬送装置42は、図1〜図7によって説明したシート搬送装置1と同様に、駆動ローラ11及び従動ローラ12に掛け渡された静電吸着ベルト13と、回転給電部14と回転補助部15(いずれも回転体だけを図示している)等によって構成されている。それらの各部の構成及び機能も前述したシート搬送装置1と同様であるから、その説明を省略する。
【0055】
但し、このシート搬送装置42では、図9で説明した中継搬送装置8と同様に、回転給電部14と回転補助部15は、静電吸着ベルト13の下側部の内周面側と外周面側に、ベルト給電箇所を挟むよう一対ずつ設けられている。
駆動ローラ11は前述したシート搬送装置1と同様に、図10に矢印で示す方向に回転し、静電吸着ベルト13を矢示A方向に回動させ、シート5を同方向へ搬送する。
【0056】
このシート搬送装置42の静電吸着ベルト13の上部にはイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインク滴を吐出する4個の記録ヘッドを有するキャリッジ45が設けられている。記録ヘッドは各色1個のノズルを持ち、主走査方向に往復走査するものでも、各色ごとに1ライン分ずつノズルを持つラインヘッドでもよい。
このシート搬送装置42と記録ヘッドを有するキャリッジ45等によって、画像形成部を構成している。
【0057】
主搬送部40の下流側の途中に、シートの搬送を排紙側と反転側の一方に切り換える切換爪46が設けられている。
そして、主搬送部40の下方には、搬送ローラ対51と複数の正逆回転する反転ローラ対52を有する反転部50と、複数の両面用搬送ローラ対61を有する両面用搬送部60が設けられている。
また、装置本体101の外側部には、手差しトレイ71と繰り出しローラ72を有する手差し給紙部70が設けられている。
【0058】
このように構成された画像形成装置100によって、画像を形成する場合の動作を説明する。
給紙部30から繰り出しローラ31によって記録用紙であるシート5を繰り出して、主搬送部40の位置決めローラ対41へ送り出し、位置決めローラ対41でタイミング調整した後、シート搬送装置42へ送り出す。
【0059】
シート搬送装置42の静電吸着ベルト13の電極パターンは回転給電部14から高電圧が印加されて帯電しており、位置決めローラ対41によって送り出されたシート5を静電吸着ベルト13の表面に静電的に吸着させる。
そして、そのシート5を静電吸着ベルト13の回動によって矢示A方向へ搬送しながら、キャリッジ45の各色の記録ヘッドから、形成する画像に応じた所要のインク液を吐出させて、シート5上に画像を形成する。
画像が形成されたシートは、複数の搬送ローラ対43と排紙ローラ対44によって搬送され、排紙トレイ102上に排出される。
【0060】
シートの両面に画像を形成する場合には、切換爪46を切り換えて、一方の面に画像が形成されたシートを、複数の搬送ローラ対43による搬送途中から反転部50へ導く。そこで、搬送ローラ対51と反転ローラ対52とによって搬送方向を反転させて、両面用搬送部60へ送り出す。
【0061】
そして、両面用搬送部60の複数の両面用搬送ローラ対61によって、シートの表裏を反転した状態で、再び位置決めローラ対41へ送り出す。その後前述と同様に、その表裏を反転したシートをシート搬送装置42の静電吸着ベルト13に吸着させて矢示A方向へ搬送しながら、キャリッジ45の各色の記録ヘッドによって、他方の面に画像を形成する。
【0062】
この画像形成装置によれば、シート搬送装置42によってシート5を搬送しながらキャリッジ45の各色の記録ヘッドによって画像を形成する際に、シート5が静電吸着ベルト13の表面から浮き上がったりスリップしたりすることなく、精度よく搬送される。そのため色ズレが発生することなく、高品質な画像が得られる。
なお、給紙部30の繰り出しローラ31に代えて、図8によって説明したシート繰り出し装置6を用いてもよい。
【0063】
〔電子写真方式のカラー画像形成装置の実施形態〕
次に、この発明によるシート搬送装置を備えた電子写真方式のカラー画像形成装置の実施形態を、図11によって説明する。図11は、その電子写真方式のカラー画像形成装置の要部構成を示す概略図である。
【0064】
この画像形成装置は、転写搬送ベルトに沿って各色用の画像形成部が並んだタンデム型で、直接転写方式のカラー画像形成装置であり、プリンタ,複写機,ファクシミリ装置,あるいはそれらの複数の機能を備えたデジタル複合機等のいずれでもよいが、それらに共通する部分を図8に示している。
この画像形成装置では、この発明によるシート搬送装置を転写搬送装置80として使用している。
【0065】
その転写搬送装置80は、図1〜図7によって説明したシート搬送装置1と同様に、駆動ローラ11及び従動ローラ12に掛け渡された静電吸着ベルト13と、回転給電部14と回転補助部15(いずれも回転体だけを図示している)等によって構成されている。それらの各部の構成及び機能も前述したシート搬送装置1と同様であるから、その説明を省略する。なお、図10に示した画像形成装置100のシート搬送装置42と同様に、回転給電部14と回転補助部15は、静電吸着ベルト13の下側部の内周面側と外周面側に対向して設けられている。そして、静電吸着ベルト13が転写搬送ベルトとして機能する。
【0066】
図11に示すように、転写搬送装置80の上部には、各々異なる色(イエロー:Y,マゼンタ:M,シアン:C,ブラック:K)の画像を形成する各画像形成部が、シート(この場合は一般に「転写紙」と称する記録用紙)5を矢示A方向に搬送する静電吸着ベルト13に沿って一列に配置されている。
【0067】
静電吸着ベルト13の下部には、多数枚のシート5が収納された給紙トレイ81を備えている。その給紙トレイ81に収納されたシート5のうち最上位置にあるシート5が、画像形成時に図示していない繰り出しローラ等によって矢示D方向に給紙され、転写搬送装置80の静電吸着ベルト13の表面に静電吸着される。
静電吸着ベルト13に吸着されたシート5は、Yで示す画像形成部に搬送され、ここでイエローの画像形成が行われる。
【0068】
各画像形成部は、感光体ドラム82と、その感光体ドラム82の周囲に配置された帯電器83、現像器84、感光体クリーナ85等と、静電吸着ベルト13を挟んで下側に配置された転写器86と、4個の画像形成部に共通の露光器90によって構成されている。
但し、各現像器84は図8で右側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーで現像する現像器である。露光器90は、各色用の画像形成部の各感光体ドラム82に対して、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像に対応したレーザ光LY、LM、LC、LKを照射して露光する。
【0069】
Yで示す画像形成部では、感光体ドラム82の表面が、帯電器83で一様に帯電された後、露光器90によってイエローの画像に対応したレーザ光LYで露光され、イエロー部分の画像の静電潜像が形成される。
感光体ドラム82上に形成された静電潜像は現像器84でイエローのトナーで現像され、感光体ドラム82上にイエローのトナー画像が形成される。
【0070】
このイエローのトナー画像は、感光体ドラム82と静電吸着ベルト13上のシート5とが接する位置(転写位置)で転写器86によって転写され、シート5上にイエローの画像を形成する。
トナー画像の転写が終わった感光体ドラム82は、ドラム表面に残った不要なトナーを感光体クリーナ85によってクリーニングされ、次の画像形成に備える。
このように、Yで示す画像形成部でイエローの画像が転写されたシート5は、静電吸着ベルト13によってMで示す画像形成部に搬送される。
【0071】
ここでも、上述と同様にして、感光体ドラム82がマゼンタの画像に対応したレーザ光LMで露光されて形成された静電潜像が、現像器84によってマゼンタのトナーで現像されて形成されるマゼンタのトナー画像が、シート5上に重ねて転写される。
そのシート5はさらに、Cで示す画像形成部とKで示す画像形成部に順次搬送され、それぞれ上述と同様にして、形成されたシアンとブラックの各トナー画像が順次重ねて転写されて、フルカラー画像を形成していく。
【0072】
そして、Kで示す画像形成部を通過してフルカラー画像が形成されたシート5は、静電吸着ベルト13から剥離され、定着器91によってシート5上のカラー画像が定着された後、矢示E方向へ搬送され、図示を省略した排紙トレイへ排紙される。
また、シート5が剥離された後の静電吸着ベルト13に対しては、クリーニングユニット92が設けられており、それによって残存トナーが除去される。
【0073】
この画像形成装置によれば、転写搬送装置80によって転写紙であるシート5を搬送しながら、Y,M,C,K用の各画像形成部によって作成された各色のトナー画像を順次重ねて転写していく際に、シート5が静電吸着ベルト13の表面から浮き上がったりスリップしたりすることなく、精度よく搬送される。そのため色ズレが発生することなく、高品質な画像が得られる。
なお、この画像形成装置の給紙部にも、図8で説明したシート繰り出し装置6を設けて、給紙トレイ81からシート5を順次繰り出して給紙するようにしてもよい。
【0074】
〔補足説明〕
この発明によるシート搬送装置及びシート繰り出し装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、オフセット印刷機など、種々の画像形成装置に搭載することができる。さらに、印刷物や紙幣などを含む各種シートを扱う装置、例えば仕分け、計数、搬送、コーティングその他の処理などを行う各種の装置にも利用できる。
【0075】
また、上述した実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更や、追加及び省略などが可能である。例えば、電極を2枚の櫛歯状パターンにしたが、誘電分極による静電吸着力が発生すればよいので、種々のパターンに変更することが可能であり、回転給電部及び回転補助部も電極の数に応じて増減することが可能である。
さらに、各実施形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0076】
1:シート搬送装置 2:固定部材 3:電源部 4::ローラ駆動部
5:シート 5a:最上位のシート 6:シート繰り出し装置
7:シート収納部 7a:シート積載板 8:中継搬送装置
11:駆動ローラ 12:従動ローラ 13:静電吸着ベルト
14:回転給電部 14a:回転体 14b:回転軸
14e:外周部 14f:内側部 14m,14n:角部(エッジ部)
15:回転補助部 15a:回転体 15b:回転軸 15c:押圧部材
15d:圧縮スプリング 15e:逆U字状の切欠
16:ベルト基材(絶縁シート) 16a,16b:ベルト給電箇所
17,18:電極パターン(電極シート) 17a,18a:連続部
17b,18b:櫛歯部
【0077】
21a,21b:上流搬送ローラ 22a,22b:下流搬送ローラ
30:給紙部 31:繰り出しローラ 40:主搬送部
41:位置決めローラ対 42:シート搬送装置 43,51:搬送ローラ対
44:排紙ローラ対 45:キャリッジ 46:切換爪 50反転部
52:反転ローラ対 60:両面用搬送部 61:両面用搬送ローラ対
70:手差し給紙部 71:手差しトレイ 72:繰り出しローラ
80:転写搬送装置 81:給紙トレイ 82:感光体ドラム
83:帯電器 84:現像器 85:感光体クリーナ 86:転写器
90:露光器 91:定着器 92:クリーニングユニット
100:画像形成装置 101:装置本体 102:排紙トレイ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【特許文献1】特開平3−211130号公報
【特許文献2】特開2009−234736号公報
【特許文献3】特開2001−278488号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を可撓性を有する帯状の絶縁材からなるベルト基材で被覆した無端状の静電吸着ベルトを、少なくとも2本のローラに掛け渡し、前記複数の電極に電圧を印加しながら前記静電吸着ベルトを周回移動させることにより、該静電吸着ベルトの表面にシートを静電吸着させて搬送するシート搬送装置であって、
前記静電吸着ベルトの内周面に、該静電吸着ベルトの移動方向に沿って前記複数の電極の一部がそれぞれ露出した複数の給電箇所を形成し、
前記複数の給電箇所のそれぞれに対して、
導電性の回転軸に回転自在に支持された導電性の回転体を、前記静電吸着ベルトの内周面の前記給電箇所に接触して前記静電吸着ベルトの移動に連れ回りするように配置し、前記回転軸に印加される電圧を前記回転体を通して前記電極に印加する回転給電部と、
前記静電吸着ベルトの外周面の前記回転体と対向する位置に接触して、該静電吸着ベルトの移動に連れ回りするように配置された回転体を有する回転補助部
とを設けたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記回転補助部の回転体が、押圧部材によって、前記静電吸着ベルトを挟んで対向する前記回転給電部の回転体に向けて押圧されていることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記回転給電部の回転体が導電性玉軸受であり、該導電性玉軸受の内輪が前記回転軸に圧入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記押圧部材によって押圧されることにより、前記回転給電部の回転体が弾性変形して、前記静電吸着ベルトの内周面の前記給電箇所に接触することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記回転給電部の回転体の少なくとも前記給電箇所に接触する外周部が弾性変形することを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記回転給電部の回転体は、回転軸線方向の幅が前記給電箇所の前記ベルト基材から露出した前記電極の幅よりも大きいことを特徴とする請求項4又は5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記複数の電極が一対の櫛歯状の電極パターンであり、それぞれ前記静電吸着ベルトの両側縁の一方と他方に沿って該静電吸着ベルトの全周に亘って延びる各連続部と、その各連続部からそれぞれ前記静電吸着ベルトの幅方向に延び、互いに僅かな間隔を置いて交互に相手側に入り込むように形成された多数の櫛歯部からなり、
前記複数の給電箇所が、前記静電吸着ベルトの内周面に、前記一対の電極パターンの前記各連続部をそれぞれ前記全周に亘って露出させるように形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のシート搬送装置を、前記静電吸着ベルトによって、積載されたシートを一枚ずつ吸着して繰り出すように設けたことを特徴とするシート繰り出し装置。
【請求項9】
請求項8に記載のシート繰り出し装置を給紙部に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか一項に記載のシート搬送装置を備え、該シート搬送装置によって、画像形成部で画像を形成するためのシートを搬送するようにしたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−100184(P2013−100184A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173689(P2012−173689)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】