シート搬送装置
【課題】複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積めるようにする。
【解決手段】積み重ねシートAをシート幅方向に搬送して送り出す第1コンベヤ2と、第1コンベヤ2から積み重ねシートAを受け取る第2コンベヤ3と、第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載するプッシャ6と、第1コンベヤ2と第2コンベヤ3の駆動を制御するコンベヤ制御装置とを有するシート搬送装置を採用する。コンベヤ制御装置は、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1がベニヤ板Bの幅寸法W2よりも小さいときは、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3への積み重ねシートAの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるよう第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を動作させる。
【解決手段】積み重ねシートAをシート幅方向に搬送して送り出す第1コンベヤ2と、第1コンベヤ2から積み重ねシートAを受け取る第2コンベヤ3と、第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載するプッシャ6と、第1コンベヤ2と第2コンベヤ3の駆動を制御するコンベヤ制御装置とを有するシート搬送装置を採用する。コンベヤ制御装置は、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1がベニヤ板Bの幅寸法W2よりも小さいときは、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3への積み重ねシートAの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるよう第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を動作させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことを可能としたシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートを生産するコルゲータにおいては、シングルフェーサとダブルフェーサを経て製造された広幅の段ボール連続シートが、流れ方向に沿ってスリッタで複数条に切断された後、シート幅方向にカッタで切断して枚葉とされ、その枚葉の段ボールシートがコルゲータの最下流に設けられたシートスタッカで積み重ねて排出される。
【0003】
シートスタッカから排出された段ボールシートは、積み重ねた状態でストレージラインに溜められ、その後、印刷や打抜きを行なう製函ラインに搬送される。ここで、積み重ねた状態の段ボールシート(以下「積み重ねシート」という)がシートスタッカから排出されてから製函ラインに受け入れられるまでの間に、一番下の段ボールシートに傷が付くのを防止するため、積み重ねシートの下にベニヤ板を敷くことが多い。ベニヤ板としては、通常、プラスチック製や木製のものが使用される。
【0004】
従来、ベニヤ板の上に段ボールシートを積む作業は、シートスタッカの昇降コンベヤにあらかじめベニヤ板を敷いておき、そのベニヤ板の上に段ボールシートを積み上げていくという方法が採られていた(特許文献1参照)。
【0005】
ここで、段ボールシートは、広幅の段ボールシートをスリッタで幅方向に分割するいわゆる複数丁取りのものが一般的であり、生産オーダーに応じて丁取り数や1丁あたりの幅寸法が変化する。そのため、ベニヤ板も、幅寸法が異なる複数種類のもの(例えば400mm幅、500mm幅、600mm幅など)を用意し、実際に使用するベニヤ板を選択するにあたっては、1枚のベニヤ板の幅寸法(以下「ベニヤ幅」という)が、生産オーダーの1丁あたりの幅寸法(以下「シート幅」という)に近いものを選択する。そして、段ボールシートの丁取り数と同じ枚数のベニヤ板を、シートスタッカの昇降コンベヤ上に幅方向に並べた状態で敷き、その各ベニヤ板の上に1丁分ずつ段ボールシートが積み上がるようにする。
【0006】
ところで、幅方向に並べて配置した複数のベニヤ板の上に複数丁取りの段ボールシートを積むとき、ベニヤ幅がシート幅よりも大きいと、隣り合うベニヤ板に1丁分の段ボールシートがまたがってしまう。そのため、ベニヤ幅がシート幅よりも小さくなるようにベニヤ板を選択する必要がある。
【0007】
しかしながら、生産オーダーによってはシート幅が非常に小さい場合(例えばシート幅が250mm程度の場合)があり、この場合、最も狭幅のベニヤ板を選択したとしても、ベニヤ幅がシート幅よりも大きくなってしまう。
【0008】
この場合、隣り合うベニヤ板にまたがった状態で段ボールシートを積むか、1枚分のベニヤ板の上に複数丁分の段ボールシートを積み、その積み重ねシートをシートスタッカから排出した後、手作業で別のベニヤ板の上に積み替えて、1枚のベニヤ板の上に1丁分の段ボールシートを積むようにしていた。しかし、手作業でシートを積み替えるのは作業負担が大きく、効率も悪い。
【0009】
そこで、複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積めるようにするために、本願発明の発明者らは、シートスタッカの昇降コンベヤにベニヤ板を敷かずに直接段ボールシートを積み上げ、シートスタッカの直後のシート搬送装置で、シートスタッカから排出された積み重ねシートをベニヤ板の上に移載する構成のシート搬送装置を採用した。
【0010】
すなわち、図13、図14に示すように、シートスタッカから排出された複数丁取りの積み重ねシートAを受け取る第1コンベヤ21と、ベニヤ供給コンベヤ22からベニヤ板Bを受け取る第2コンベヤ23と、第1コンベヤ21上の積み重ねシートAの側面を押圧して第2コンベヤ23上のベニヤ板Bの上に移載するプッシャ24とを有するシート搬送装置を採用した。
【0011】
しかし、このシート搬送装置を採用しても、シートスタッカから排出された積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法が小さい場合、図13の矢印に示すように、第1コンベヤ21の上から第2コンベヤ23のベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、図14に示すように、隣り合うベニヤ板Bに1丁分の積み重ねシートAがまたがってしまう。そのため、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分の段ボールシートを積み上げるようにするためには、手作業で積み重ねシートAを別のベニヤ板Bの上に積み替える必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−239331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この発明が解決しようとする課題は、複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積めるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、この発明では、複数丁取りの積み重ねシートをシート幅方向に搬送して送り出す第1コンベヤと、その第1コンベヤから積み重ねシートを受け取る第2コンベヤと、その第2コンベヤの上から敷板の上に複数丁の積み重ねシートを移載するプッシャと、前記第1コンベヤと第2コンベヤの駆動を制御するコンベヤ制御部とを有し、そのコンベヤ制御部は、前記第1コンベヤから第2コンベヤに受け渡される積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法と前記敷板の幅寸法とを取得する幅寸法取得手段と、その幅寸法取得手段で取得した積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法と敷板の幅寸法の大小関係を判定する幅寸法比較手段と、その幅寸法比較手段で積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が前記敷板の幅寸法よりも小さいと判定されたときに、前記第1コンベヤから第2コンベヤへの積み重ねシートの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるよう前記第1コンベヤと第2コンベヤを動作させるシート受け渡し制御手段とを有するように構成したシート搬送装置を採用したのである。敷板としてはベニヤ板やパレット等を使用することができる。
【0015】
このシート搬送装置を採用すると、積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が敷板の幅寸法よりも小さい場合に、第1コンベヤから第2コンベヤへの積み重ねシートの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるので、プッシャによって、第2コンベヤの上から敷板の上に積み重ねシートを移載したときに、1丁分の積み重ねシートが隣り合う敷板にまたがるのが防止される。そのため、シートスタッカから排出された積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことが可能となる。
【0016】
また、上記シート搬送装置は、前記敷板を搬送して送り出す敷板供給コンベヤと、その敷板供給コンベヤから敷板を受け取る第3コンベヤとを更に設け、前記コンベヤ制御部に、前記幅寸法比較手段で積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が前記敷板の幅寸法よりも大きいと判定されたときに、前記敷板供給コンベヤから第3コンベヤへの敷板の受け渡し時に隣り合う敷板の間に隙間が形成されるよう前記敷板供給コンベヤと第3コンベヤを動作させる敷板受け渡し制御手段を更に設け、前記プッシャによって、第2コンベヤの上から第3コンベヤの敷板の上に積み重ねシートを移載するように構成することができる。
【0017】
このようにすると、積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が敷板の幅寸法よりも大きい場合に、第3コンベヤの敷板に隙間が形成されるので、プッシャによって第3コンベヤの敷板の上に積み重ねシートを移載したときに、1丁分の積み重ねシートが隣り合う敷板にまたがって移載されるのを防止することできる。
【発明の効果】
【0018】
この発明のシート搬送装置は、シートスタッカから排出される複数丁取りの積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が敷板の幅寸法よりも小さい場合、第1コンベヤから第2コンベヤへの積み重ねシートの受け渡し時に1丁分ごとに隙間を形成する。そのため、プッシャによって、第2コンベヤの上から敷板の上に積み重ねシートを移載したときに、1丁分の積み重ねシートが隣り合う敷板にまたがるのが防止され、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態のシート搬送装置を示す平面図
【図2】図1に示すシート搬送装置のブロック図
【図3】図2に示すコンベヤ制御装置の制御フローを示す図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】(a)は、図4に示す第1コンベヤから第2コンベヤに積み重ねシートを1丁分受け渡した状態を示す図、(b)は(a)に示す状態からさらに1丁分の積み重ねシートを受け渡した状態を示す図
【図6】図1のVI−VI線に沿った断面図
【図7】図1のVII−VII線に沿った断面図
【図8】図1に示すプッシャで積み重ねシートを第2コンベヤから第3コンベヤに移載した状態を示す図
【図9】図1に示すシート搬送装置においてシート幅がベニヤ幅よりも大きい状態を示す図
【図10】図9のX−X線に沿った断面図
【図11】図1に示すシート搬送装置におけるシートの位置決めの他の例を示す図
【図12】図11のXII−XII線に沿った断面図
【図13】比較例のシート搬送装置を示す平面図
【図14】図13のXIV−XIV線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に、この発明の実施形態のシート搬送装置を示す。このシート搬送装置は、図示しないコルゲータのシートスタッカの出口に配置されたシート受入コンベヤ1と、シート受入コンベヤ1から積み重ねシートAを受け取る第1コンベヤ2と、第1コンベヤ2から積み重ねシートAを受け取る第2コンベヤ3と、第2コンベヤ3の側方に配置された第3コンベヤ4と、第3コンベヤ4にベニヤ板Bを供給するベニヤ供給コンベヤ5と、第2コンベヤ3の上から第3コンベヤ4のベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載するプッシャ6と、第3コンベヤ4から積み重ねシートAを受け取る出口コンベヤ7とを有する。
【0021】
シート受入コンベヤ1は、その搬送方向がコルゲータのシート流れ方向に直交する方向となるようにシートスタッカに接続されている。シート受入コンベヤ1と第1コンベヤ2と第2コンベヤ3は、搬送方向に沿って直列配置され、これらのコンベヤ1〜3は、ベニヤ板Bを敷かない状態で積み重ねシートAを搬送したときに、一番下の段ボールシートに傷が付かないようベルトコンベヤが採用されている。
【0022】
ベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4と出口コンベヤ7も、搬送方向に沿って直列配置されている。ベニヤ供給コンベヤ5は、複数のベニヤ板Bが幅方向に隙間なく並べた状態で搬送面に載置され、これらのベニヤ板Bを幅方向に搬送して1枚ずつ第3コンベヤ4に送り出すようになっている。
【0023】
図6に示すように、第3コンベヤ4は、その搬送面にベニヤ板Bを載せた状態で、ベニヤ板Bの上面が第2コンベヤ3の搬送面と同じ高さとなるように設置されている。第2コンベヤ3と第3コンベヤ4の間には、第2コンベヤ3の搬送面と同じ高さの平台8が設けられている。平台8の上面は、低摩擦加工(例えばフッ素樹脂加工)が施されている。
【0024】
第1コンベヤ2、第2コンベヤ3、第3コンベヤ4、ベニヤ供給コンベヤ5の駆動は、図2に示すコンベヤ制御装置10から出力される制御信号によって制御される。コンベヤ制御装置10には、第1コンベヤ2、第2コンベヤ3、第3コンベヤ4、ベニヤ供給コンベヤ5から、その各コンベヤの走行距離を検出するロータリエンコーダ(図示せず)の出力信号が入力され、また、コルゲータの生産管理装置11からは、生産オーダーの丁取り数と1丁あたりの幅寸法を示す信号が入力されるようになっている。
【0025】
このコンベヤ制御装置10による制御を図3に基づいて説明する。
【0026】
コルゲータのシートスタッカから積み重ねシートAが排出され、その積み重ねシートAがシート受入コンベヤ1に到達すると、コンベヤ制御装置10は生産管理装置11から、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に受け渡される積み重ねシートAの丁取り数と1丁あたりの幅寸法を含むシート情報を取得する(ステップS1)。
【0027】
次に、コンベヤ制御装置10はシート情報に基づいて、実際に使用するベニヤ板Bを自動選択する(ステップS2)。ここで、ベニヤ板Bは、幅寸法が異なる複数種類のもの(例えば300mm幅、400mm幅、500mm幅、600mm幅の4種類)があり、その各種ベニヤ板Bの幅寸法があらかじめデータベースに記憶されている。そして、ベニヤ板Bを選択するにあたっては、1枚のベニヤ板Bのベニヤ幅が、生産オーダーの1丁あたりのシート幅に近いものを選択する。このような選択方法として、例えば、(シート幅+50mm)>ベニヤ幅≧(シート幅−50mm)の条件を満たすベニヤ板Bを選択する方法を採用することができ、このようにすると、1丁あたりのシート幅が490mmのときは500mm幅のベニヤ板Bが選択され、1丁あたりのシート幅が410mmのときは400mm幅のベニヤ板Bが選択される。
【0028】
次に、その1丁あたりのシート幅W1と、1枚のベニヤ板Bのベニヤ幅W2の大小関係を判定する(ステップS3)。そして、図1に示すように、シート幅W1がベニヤ幅W2よりも小さいときは、図5(a)、(b)に示すように隣り合う積み重ねシートA間に隙間が形成されるように第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を駆動し、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを搬送する(ステップS4)。このとき、隣り合う積み重ねシートA間に形成される隙間の大きさが、シート幅W1とベニヤ幅W2の差に相当する大きさとなるように第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を駆動する。そして、図4に示すように、第2コンベヤ3のセンターに積み重ねシートAを位置決めする(ステップS5)。また、隣り合うベニヤ板Bの間に隙間が生じないようにベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4を同じ速度で駆動し、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを供給し、第3コンベヤ4のセンターにベニヤ板Bを位置決めする(ステップS6)。
【0029】
ここで、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを受け渡すとき、図1に示すように、各積み重ねシートAの幅方向の中心と各ベニヤ板Bの幅方向の中心とが合致するように積み重ねシートAを位置決めする。
【0030】
第1コンベヤ2から第2コンベヤ3への積み重ねシートAの受け渡し時に隣り合う積み重ねシートAの間に隙間が形成されるような第1コンベヤ2と第2コンベヤ3の駆動方法としては、例えば、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを1丁分受け渡すごとに第1コンベヤ2を一時停止し、その間に第2コンベヤ3を積み重ねシートAの隙間に相当する距離だけ走行させるという方法が挙げられる。
【0031】
その後、図6の鎖線に示すようにプッシャ6を駆動して、第2コンベヤ3上の積み重ねシートAの側面をプッシャ6で押圧し、第2コンベヤ3上に載置された複数丁の積み重ねシートAを第3コンベヤ4上のベニヤ板Bの上に一括して移載する(ステップS7)。このとき、第2コンベヤ3上の積み重ねシートAは、シート流れ方向(段ボールシートの段に直角な方向)に押圧されて、隣り合う積み重ねシートAの配置間隔を保ちながら、第2コンベヤ3から平台8の上を滑って第3コンベヤ4のベニヤ板Bの上まで水平に移動する。これにより、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分ずつ段ボールシートが積まれた状態となり、その後、図7、図8の矢印に示すように、第3コンベヤ4上の積み重ねシートAは出口コンベヤ7に送り出される。
【0032】
一方、図9に示すように、シート幅W1がベニヤ幅W2よりも大きいとき(ステップS3)は、隣り合う積み重ねシートA間に隙間が生じないように第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を同じ速度で駆動し、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを搬送する(ステップS8)。そして、第2コンベヤ3上で積み重ねシートAを位置決めする(ステップS9)。また、隣り合うベニヤ板Bの間に隙間が形成されるようにベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4を駆動し、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを供給する。このとき、隣り合うベニヤ板B間に形成される隙間の大きさが、シート幅W1とベニヤ幅W2の差に相当する大きさとなるようにベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4を駆動する。その後、第3コンベヤ4上でベニヤ板Bを位置決めする(ステップS10)。
【0033】
ここで、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを受け渡すとき、図9に示すように、各積み重ねシートAの幅方向の中心と各ベニヤ板Bの幅方向の中心とが合致するようにベニヤ板Bを位置決めする。
【0034】
ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4へのベニヤ板Bの受け渡し時に隣り合うベニヤ板Bの間に隙間が形成されるようなベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4の駆動方法としては、例えば、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを1枚受け渡すごとにベニヤ供給コンベヤ5を一時停止し、その間に第3コンベヤ4をベニヤ板Bの隙間に相当する距離だけ走行させるという方法が挙げられる。
【0035】
その後、プッシャ6を駆動して、第2コンベヤ3上に載置された複数丁の積み重ねシートAを第3コンベヤ4上のベニヤ板Bの上に一括して移載する(ステップS7)。これにより、図10に示すように、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分ずつ段ボールシートが積まれた状態となり、第3コンベヤ4上の積み重ねシートAは出口コンベヤ7に送り出される。
【0036】
このシート搬送装置を採用すると、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1がベニヤ板Bの幅寸法W2よりも小さい場合に、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3への積み重ねシートAの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるので、プッシャ6によって、第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、1丁分の積み重ねシートAが隣り合うベニヤ板Bにまたがるのが防止される。そのため、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1が小さいときにも、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことが可能である。
【0037】
また、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1がベニヤ板Bの幅寸法W2よりも大きい場合に、第3コンベヤ4のベニヤ板Bに隙間が形成されるので、プッシャ6によって第3コンベヤ4のベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、1丁分の積み重ねシートAが隣り合うベニヤ板Bにまたがって移載されるのを防止することができる。
【0038】
また、隣り合う積み重ねシートAの間に隙間が形成されて通気性が確保されるので、製造直後の段ボールシートAから発生する水蒸気を効率よく外気に逃がすことができ、蒸れによる段ボールシートAの剥がれを防止することができる。
【0039】
第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを搬送した後、第2コンベヤ3上で積み重ねシートAを位置決めするときの位置決めは、その後、プッシャ6によって第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、図9、図10に示すように、各積み重ねシートAの幅方向の中心と各ベニヤ板Bの幅方向とが合致するよう位置決めすると、積み重ねシートAの姿勢が最も安定するので、積み重ねシートAの崩れを効果的に防止することができる。
【0040】
また、第2コンベヤ3上で積み重ねシートAを位置決めするときの位置決めは、図11、図12に示すように、プッシャ6によって第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、各積み重ねシートAの幅方向の端部と各ベニヤ板Bの幅方向の端部とが合致するよう位置決めするようにしてもよい。このようにすると、その後の製函ラインにおいて、積み重ねシートAを崩して印刷機に給紙するため、1丁分の積み重ねシートAをベニヤ板Bごと傾動台に載せ、その傾動台を傾動させて積み重ねシートAを横倒しするときに、積み重ねシートAの幅方向端面を上下全長にわたって支持した状態で横倒しにすることが可能となる。
【0041】
上記実施形態では、ベニヤ板Bの幅寸法を取得する手段として、各種ベニヤ板Bの幅寸法をあらかじめデータベースに記憶しておき、シート幅に基づいて自動選択したベニヤ板Bの幅寸法を読み出すようにしているが、生産管理装置11でベニヤ板Bの情報も管理し、生産管理装置11からベニヤ板Bの幅寸法を取得するようにしてもよい。また、積み重ねシートAがシート受入コンベヤ1に到着するごとに、作業者がタッチパネル等のインタフェースを通じて、ベニヤ板Bの幅寸法を手入力するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、代表例としてベニヤ板Bを例に挙げて説明したが、ベニヤ板Bにかえてパレット等の敷板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
2 第1コンベヤ
3 第2コンベヤ
4 第3コンベヤ
5 ベニヤ供給コンベヤ
6 プッシャ
10 コンベヤ制御装置
A 積み重ねシート
B ベニヤ板
W1 積み重ねシートの幅寸法
W2 ベニヤ板の幅寸法
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことを可能としたシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートを生産するコルゲータにおいては、シングルフェーサとダブルフェーサを経て製造された広幅の段ボール連続シートが、流れ方向に沿ってスリッタで複数条に切断された後、シート幅方向にカッタで切断して枚葉とされ、その枚葉の段ボールシートがコルゲータの最下流に設けられたシートスタッカで積み重ねて排出される。
【0003】
シートスタッカから排出された段ボールシートは、積み重ねた状態でストレージラインに溜められ、その後、印刷や打抜きを行なう製函ラインに搬送される。ここで、積み重ねた状態の段ボールシート(以下「積み重ねシート」という)がシートスタッカから排出されてから製函ラインに受け入れられるまでの間に、一番下の段ボールシートに傷が付くのを防止するため、積み重ねシートの下にベニヤ板を敷くことが多い。ベニヤ板としては、通常、プラスチック製や木製のものが使用される。
【0004】
従来、ベニヤ板の上に段ボールシートを積む作業は、シートスタッカの昇降コンベヤにあらかじめベニヤ板を敷いておき、そのベニヤ板の上に段ボールシートを積み上げていくという方法が採られていた(特許文献1参照)。
【0005】
ここで、段ボールシートは、広幅の段ボールシートをスリッタで幅方向に分割するいわゆる複数丁取りのものが一般的であり、生産オーダーに応じて丁取り数や1丁あたりの幅寸法が変化する。そのため、ベニヤ板も、幅寸法が異なる複数種類のもの(例えば400mm幅、500mm幅、600mm幅など)を用意し、実際に使用するベニヤ板を選択するにあたっては、1枚のベニヤ板の幅寸法(以下「ベニヤ幅」という)が、生産オーダーの1丁あたりの幅寸法(以下「シート幅」という)に近いものを選択する。そして、段ボールシートの丁取り数と同じ枚数のベニヤ板を、シートスタッカの昇降コンベヤ上に幅方向に並べた状態で敷き、その各ベニヤ板の上に1丁分ずつ段ボールシートが積み上がるようにする。
【0006】
ところで、幅方向に並べて配置した複数のベニヤ板の上に複数丁取りの段ボールシートを積むとき、ベニヤ幅がシート幅よりも大きいと、隣り合うベニヤ板に1丁分の段ボールシートがまたがってしまう。そのため、ベニヤ幅がシート幅よりも小さくなるようにベニヤ板を選択する必要がある。
【0007】
しかしながら、生産オーダーによってはシート幅が非常に小さい場合(例えばシート幅が250mm程度の場合)があり、この場合、最も狭幅のベニヤ板を選択したとしても、ベニヤ幅がシート幅よりも大きくなってしまう。
【0008】
この場合、隣り合うベニヤ板にまたがった状態で段ボールシートを積むか、1枚分のベニヤ板の上に複数丁分の段ボールシートを積み、その積み重ねシートをシートスタッカから排出した後、手作業で別のベニヤ板の上に積み替えて、1枚のベニヤ板の上に1丁分の段ボールシートを積むようにしていた。しかし、手作業でシートを積み替えるのは作業負担が大きく、効率も悪い。
【0009】
そこで、複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積めるようにするために、本願発明の発明者らは、シートスタッカの昇降コンベヤにベニヤ板を敷かずに直接段ボールシートを積み上げ、シートスタッカの直後のシート搬送装置で、シートスタッカから排出された積み重ねシートをベニヤ板の上に移載する構成のシート搬送装置を採用した。
【0010】
すなわち、図13、図14に示すように、シートスタッカから排出された複数丁取りの積み重ねシートAを受け取る第1コンベヤ21と、ベニヤ供給コンベヤ22からベニヤ板Bを受け取る第2コンベヤ23と、第1コンベヤ21上の積み重ねシートAの側面を押圧して第2コンベヤ23上のベニヤ板Bの上に移載するプッシャ24とを有するシート搬送装置を採用した。
【0011】
しかし、このシート搬送装置を採用しても、シートスタッカから排出された積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法が小さい場合、図13の矢印に示すように、第1コンベヤ21の上から第2コンベヤ23のベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、図14に示すように、隣り合うベニヤ板Bに1丁分の積み重ねシートAがまたがってしまう。そのため、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分の段ボールシートを積み上げるようにするためには、手作業で積み重ねシートAを別のベニヤ板Bの上に積み替える必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−239331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この発明が解決しようとする課題は、複数丁取りの段ボールシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積めるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、この発明では、複数丁取りの積み重ねシートをシート幅方向に搬送して送り出す第1コンベヤと、その第1コンベヤから積み重ねシートを受け取る第2コンベヤと、その第2コンベヤの上から敷板の上に複数丁の積み重ねシートを移載するプッシャと、前記第1コンベヤと第2コンベヤの駆動を制御するコンベヤ制御部とを有し、そのコンベヤ制御部は、前記第1コンベヤから第2コンベヤに受け渡される積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法と前記敷板の幅寸法とを取得する幅寸法取得手段と、その幅寸法取得手段で取得した積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法と敷板の幅寸法の大小関係を判定する幅寸法比較手段と、その幅寸法比較手段で積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が前記敷板の幅寸法よりも小さいと判定されたときに、前記第1コンベヤから第2コンベヤへの積み重ねシートの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるよう前記第1コンベヤと第2コンベヤを動作させるシート受け渡し制御手段とを有するように構成したシート搬送装置を採用したのである。敷板としてはベニヤ板やパレット等を使用することができる。
【0015】
このシート搬送装置を採用すると、積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が敷板の幅寸法よりも小さい場合に、第1コンベヤから第2コンベヤへの積み重ねシートの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるので、プッシャによって、第2コンベヤの上から敷板の上に積み重ねシートを移載したときに、1丁分の積み重ねシートが隣り合う敷板にまたがるのが防止される。そのため、シートスタッカから排出された積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が小さいときにも、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことが可能となる。
【0016】
また、上記シート搬送装置は、前記敷板を搬送して送り出す敷板供給コンベヤと、その敷板供給コンベヤから敷板を受け取る第3コンベヤとを更に設け、前記コンベヤ制御部に、前記幅寸法比較手段で積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が前記敷板の幅寸法よりも大きいと判定されたときに、前記敷板供給コンベヤから第3コンベヤへの敷板の受け渡し時に隣り合う敷板の間に隙間が形成されるよう前記敷板供給コンベヤと第3コンベヤを動作させる敷板受け渡し制御手段を更に設け、前記プッシャによって、第2コンベヤの上から第3コンベヤの敷板の上に積み重ねシートを移載するように構成することができる。
【0017】
このようにすると、積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が敷板の幅寸法よりも大きい場合に、第3コンベヤの敷板に隙間が形成されるので、プッシャによって第3コンベヤの敷板の上に積み重ねシートを移載したときに、1丁分の積み重ねシートが隣り合う敷板にまたがって移載されるのを防止することできる。
【発明の効果】
【0018】
この発明のシート搬送装置は、シートスタッカから排出される複数丁取りの積み重ねシートの1丁あたりの幅寸法が敷板の幅寸法よりも小さい場合、第1コンベヤから第2コンベヤへの積み重ねシートの受け渡し時に1丁分ごとに隙間を形成する。そのため、プッシャによって、第2コンベヤの上から敷板の上に積み重ねシートを移載したときに、1丁分の積み重ねシートが隣り合う敷板にまたがるのが防止され、1枚の敷板の上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態のシート搬送装置を示す平面図
【図2】図1に示すシート搬送装置のブロック図
【図3】図2に示すコンベヤ制御装置の制御フローを示す図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】(a)は、図4に示す第1コンベヤから第2コンベヤに積み重ねシートを1丁分受け渡した状態を示す図、(b)は(a)に示す状態からさらに1丁分の積み重ねシートを受け渡した状態を示す図
【図6】図1のVI−VI線に沿った断面図
【図7】図1のVII−VII線に沿った断面図
【図8】図1に示すプッシャで積み重ねシートを第2コンベヤから第3コンベヤに移載した状態を示す図
【図9】図1に示すシート搬送装置においてシート幅がベニヤ幅よりも大きい状態を示す図
【図10】図9のX−X線に沿った断面図
【図11】図1に示すシート搬送装置におけるシートの位置決めの他の例を示す図
【図12】図11のXII−XII線に沿った断面図
【図13】比較例のシート搬送装置を示す平面図
【図14】図13のXIV−XIV線に沿った断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に、この発明の実施形態のシート搬送装置を示す。このシート搬送装置は、図示しないコルゲータのシートスタッカの出口に配置されたシート受入コンベヤ1と、シート受入コンベヤ1から積み重ねシートAを受け取る第1コンベヤ2と、第1コンベヤ2から積み重ねシートAを受け取る第2コンベヤ3と、第2コンベヤ3の側方に配置された第3コンベヤ4と、第3コンベヤ4にベニヤ板Bを供給するベニヤ供給コンベヤ5と、第2コンベヤ3の上から第3コンベヤ4のベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載するプッシャ6と、第3コンベヤ4から積み重ねシートAを受け取る出口コンベヤ7とを有する。
【0021】
シート受入コンベヤ1は、その搬送方向がコルゲータのシート流れ方向に直交する方向となるようにシートスタッカに接続されている。シート受入コンベヤ1と第1コンベヤ2と第2コンベヤ3は、搬送方向に沿って直列配置され、これらのコンベヤ1〜3は、ベニヤ板Bを敷かない状態で積み重ねシートAを搬送したときに、一番下の段ボールシートに傷が付かないようベルトコンベヤが採用されている。
【0022】
ベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4と出口コンベヤ7も、搬送方向に沿って直列配置されている。ベニヤ供給コンベヤ5は、複数のベニヤ板Bが幅方向に隙間なく並べた状態で搬送面に載置され、これらのベニヤ板Bを幅方向に搬送して1枚ずつ第3コンベヤ4に送り出すようになっている。
【0023】
図6に示すように、第3コンベヤ4は、その搬送面にベニヤ板Bを載せた状態で、ベニヤ板Bの上面が第2コンベヤ3の搬送面と同じ高さとなるように設置されている。第2コンベヤ3と第3コンベヤ4の間には、第2コンベヤ3の搬送面と同じ高さの平台8が設けられている。平台8の上面は、低摩擦加工(例えばフッ素樹脂加工)が施されている。
【0024】
第1コンベヤ2、第2コンベヤ3、第3コンベヤ4、ベニヤ供給コンベヤ5の駆動は、図2に示すコンベヤ制御装置10から出力される制御信号によって制御される。コンベヤ制御装置10には、第1コンベヤ2、第2コンベヤ3、第3コンベヤ4、ベニヤ供給コンベヤ5から、その各コンベヤの走行距離を検出するロータリエンコーダ(図示せず)の出力信号が入力され、また、コルゲータの生産管理装置11からは、生産オーダーの丁取り数と1丁あたりの幅寸法を示す信号が入力されるようになっている。
【0025】
このコンベヤ制御装置10による制御を図3に基づいて説明する。
【0026】
コルゲータのシートスタッカから積み重ねシートAが排出され、その積み重ねシートAがシート受入コンベヤ1に到達すると、コンベヤ制御装置10は生産管理装置11から、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に受け渡される積み重ねシートAの丁取り数と1丁あたりの幅寸法を含むシート情報を取得する(ステップS1)。
【0027】
次に、コンベヤ制御装置10はシート情報に基づいて、実際に使用するベニヤ板Bを自動選択する(ステップS2)。ここで、ベニヤ板Bは、幅寸法が異なる複数種類のもの(例えば300mm幅、400mm幅、500mm幅、600mm幅の4種類)があり、その各種ベニヤ板Bの幅寸法があらかじめデータベースに記憶されている。そして、ベニヤ板Bを選択するにあたっては、1枚のベニヤ板Bのベニヤ幅が、生産オーダーの1丁あたりのシート幅に近いものを選択する。このような選択方法として、例えば、(シート幅+50mm)>ベニヤ幅≧(シート幅−50mm)の条件を満たすベニヤ板Bを選択する方法を採用することができ、このようにすると、1丁あたりのシート幅が490mmのときは500mm幅のベニヤ板Bが選択され、1丁あたりのシート幅が410mmのときは400mm幅のベニヤ板Bが選択される。
【0028】
次に、その1丁あたりのシート幅W1と、1枚のベニヤ板Bのベニヤ幅W2の大小関係を判定する(ステップS3)。そして、図1に示すように、シート幅W1がベニヤ幅W2よりも小さいときは、図5(a)、(b)に示すように隣り合う積み重ねシートA間に隙間が形成されるように第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を駆動し、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを搬送する(ステップS4)。このとき、隣り合う積み重ねシートA間に形成される隙間の大きさが、シート幅W1とベニヤ幅W2の差に相当する大きさとなるように第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を駆動する。そして、図4に示すように、第2コンベヤ3のセンターに積み重ねシートAを位置決めする(ステップS5)。また、隣り合うベニヤ板Bの間に隙間が生じないようにベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4を同じ速度で駆動し、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを供給し、第3コンベヤ4のセンターにベニヤ板Bを位置決めする(ステップS6)。
【0029】
ここで、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを受け渡すとき、図1に示すように、各積み重ねシートAの幅方向の中心と各ベニヤ板Bの幅方向の中心とが合致するように積み重ねシートAを位置決めする。
【0030】
第1コンベヤ2から第2コンベヤ3への積み重ねシートAの受け渡し時に隣り合う積み重ねシートAの間に隙間が形成されるような第1コンベヤ2と第2コンベヤ3の駆動方法としては、例えば、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを1丁分受け渡すごとに第1コンベヤ2を一時停止し、その間に第2コンベヤ3を積み重ねシートAの隙間に相当する距離だけ走行させるという方法が挙げられる。
【0031】
その後、図6の鎖線に示すようにプッシャ6を駆動して、第2コンベヤ3上の積み重ねシートAの側面をプッシャ6で押圧し、第2コンベヤ3上に載置された複数丁の積み重ねシートAを第3コンベヤ4上のベニヤ板Bの上に一括して移載する(ステップS7)。このとき、第2コンベヤ3上の積み重ねシートAは、シート流れ方向(段ボールシートの段に直角な方向)に押圧されて、隣り合う積み重ねシートAの配置間隔を保ちながら、第2コンベヤ3から平台8の上を滑って第3コンベヤ4のベニヤ板Bの上まで水平に移動する。これにより、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分ずつ段ボールシートが積まれた状態となり、その後、図7、図8の矢印に示すように、第3コンベヤ4上の積み重ねシートAは出口コンベヤ7に送り出される。
【0032】
一方、図9に示すように、シート幅W1がベニヤ幅W2よりも大きいとき(ステップS3)は、隣り合う積み重ねシートA間に隙間が生じないように第1コンベヤ2と第2コンベヤ3を同じ速度で駆動し、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを搬送する(ステップS8)。そして、第2コンベヤ3上で積み重ねシートAを位置決めする(ステップS9)。また、隣り合うベニヤ板Bの間に隙間が形成されるようにベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4を駆動し、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを供給する。このとき、隣り合うベニヤ板B間に形成される隙間の大きさが、シート幅W1とベニヤ幅W2の差に相当する大きさとなるようにベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4を駆動する。その後、第3コンベヤ4上でベニヤ板Bを位置決めする(ステップS10)。
【0033】
ここで、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを受け渡すとき、図9に示すように、各積み重ねシートAの幅方向の中心と各ベニヤ板Bの幅方向の中心とが合致するようにベニヤ板Bを位置決めする。
【0034】
ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4へのベニヤ板Bの受け渡し時に隣り合うベニヤ板Bの間に隙間が形成されるようなベニヤ供給コンベヤ5と第3コンベヤ4の駆動方法としては、例えば、ベニヤ供給コンベヤ5から第3コンベヤ4にベニヤ板Bを1枚受け渡すごとにベニヤ供給コンベヤ5を一時停止し、その間に第3コンベヤ4をベニヤ板Bの隙間に相当する距離だけ走行させるという方法が挙げられる。
【0035】
その後、プッシャ6を駆動して、第2コンベヤ3上に載置された複数丁の積み重ねシートAを第3コンベヤ4上のベニヤ板Bの上に一括して移載する(ステップS7)。これにより、図10に示すように、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分ずつ段ボールシートが積まれた状態となり、第3コンベヤ4上の積み重ねシートAは出口コンベヤ7に送り出される。
【0036】
このシート搬送装置を採用すると、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1がベニヤ板Bの幅寸法W2よりも小さい場合に、第1コンベヤ2から第2コンベヤ3への積み重ねシートAの受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるので、プッシャ6によって、第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、1丁分の積み重ねシートAが隣り合うベニヤ板Bにまたがるのが防止される。そのため、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1が小さいときにも、1枚のベニヤ板Bの上に1丁分ずつ段ボールシートを積むことが可能である。
【0037】
また、積み重ねシートAの1丁あたりの幅寸法W1がベニヤ板Bの幅寸法W2よりも大きい場合に、第3コンベヤ4のベニヤ板Bに隙間が形成されるので、プッシャ6によって第3コンベヤ4のベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、1丁分の積み重ねシートAが隣り合うベニヤ板Bにまたがって移載されるのを防止することができる。
【0038】
また、隣り合う積み重ねシートAの間に隙間が形成されて通気性が確保されるので、製造直後の段ボールシートAから発生する水蒸気を効率よく外気に逃がすことができ、蒸れによる段ボールシートAの剥がれを防止することができる。
【0039】
第1コンベヤ2から第2コンベヤ3に積み重ねシートAを搬送した後、第2コンベヤ3上で積み重ねシートAを位置決めするときの位置決めは、その後、プッシャ6によって第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、図9、図10に示すように、各積み重ねシートAの幅方向の中心と各ベニヤ板Bの幅方向とが合致するよう位置決めすると、積み重ねシートAの姿勢が最も安定するので、積み重ねシートAの崩れを効果的に防止することができる。
【0040】
また、第2コンベヤ3上で積み重ねシートAを位置決めするときの位置決めは、図11、図12に示すように、プッシャ6によって第2コンベヤ3の上からベニヤ板Bの上に積み重ねシートAを移載したときに、各積み重ねシートAの幅方向の端部と各ベニヤ板Bの幅方向の端部とが合致するよう位置決めするようにしてもよい。このようにすると、その後の製函ラインにおいて、積み重ねシートAを崩して印刷機に給紙するため、1丁分の積み重ねシートAをベニヤ板Bごと傾動台に載せ、その傾動台を傾動させて積み重ねシートAを横倒しするときに、積み重ねシートAの幅方向端面を上下全長にわたって支持した状態で横倒しにすることが可能となる。
【0041】
上記実施形態では、ベニヤ板Bの幅寸法を取得する手段として、各種ベニヤ板Bの幅寸法をあらかじめデータベースに記憶しておき、シート幅に基づいて自動選択したベニヤ板Bの幅寸法を読み出すようにしているが、生産管理装置11でベニヤ板Bの情報も管理し、生産管理装置11からベニヤ板Bの幅寸法を取得するようにしてもよい。また、積み重ねシートAがシート受入コンベヤ1に到着するごとに、作業者がタッチパネル等のインタフェースを通じて、ベニヤ板Bの幅寸法を手入力するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、代表例としてベニヤ板Bを例に挙げて説明したが、ベニヤ板Bにかえてパレット等の敷板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
2 第1コンベヤ
3 第2コンベヤ
4 第3コンベヤ
5 ベニヤ供給コンベヤ
6 プッシャ
10 コンベヤ制御装置
A 積み重ねシート
B ベニヤ板
W1 積み重ねシートの幅寸法
W2 ベニヤ板の幅寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートスタッカから排出された複数丁取りの積み重ねシート(A)をシート幅方向に搬送して送り出す第1コンベヤ(2)と、
その第1コンベヤ(2)から前記積み重ねシート(A)を受け取る第2コンベヤ(3)と、
その第2コンベヤ(3)の上から敷板(B)の上に複数丁の積み重ねシート(A)を移載するプッシャ(6)と、
前記第1コンベヤ(2)と第2コンベヤ(3)の駆動を制御するコンベヤ制御部(10)とを有し、
そのコンベヤ制御部(10)は、
前記第1コンベヤ(2)から第2コンベヤ(3)に受け渡される積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)と前記敷板(B)の幅寸法(W2)とを取得する幅寸法取得手段(S1,S2)と、
その幅寸法取得手段(S1,S2)で取得した積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)と敷板(B)の幅寸法(W2)の大小関係を判定する幅寸法比較手段(S3)と、
その幅寸法比較手段(S3)で積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)が前記敷板(B)の幅寸法(W2)よりも小さいと判定されたときに、前記第1コンベヤ(2)から第2コンベヤ(3)への積み重ねシート(A)の受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるよう前記第1コンベヤ(2)と第2コンベヤ(3)を動作させるシート受け渡し制御手段(S4)とを有する
シート搬送装置。
【請求項2】
前記敷板(B)を搬送して送り出す敷板供給コンベヤ(5)と、
その敷板供給コンベヤ(5)から敷板(B)を受け取る第3コンベヤ(4)とを更に有し、
前記コンベヤ制御部(10)は、
前記幅寸法比較手段(S3)で積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)が前記敷板(B)の幅寸法(W2)よりも大きいと判定されたときに、前記敷板供給コンベヤ(5)から第3コンベヤ(4)への敷板(B)の受け渡し時に隣り合う敷板(B)の間に隙間が形成されるよう前記敷板供給コンベヤ(5)と第3コンベヤ(4)を動作させる敷板受け渡し制御手段(S10)を更に有し、
前記プッシャ(6)は、前記第2コンベヤ(3)の上から前記第3コンベヤ(4)の敷板(B)の上に積み重ねシート(A)を移載する
請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項1】
シートスタッカから排出された複数丁取りの積み重ねシート(A)をシート幅方向に搬送して送り出す第1コンベヤ(2)と、
その第1コンベヤ(2)から前記積み重ねシート(A)を受け取る第2コンベヤ(3)と、
その第2コンベヤ(3)の上から敷板(B)の上に複数丁の積み重ねシート(A)を移載するプッシャ(6)と、
前記第1コンベヤ(2)と第2コンベヤ(3)の駆動を制御するコンベヤ制御部(10)とを有し、
そのコンベヤ制御部(10)は、
前記第1コンベヤ(2)から第2コンベヤ(3)に受け渡される積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)と前記敷板(B)の幅寸法(W2)とを取得する幅寸法取得手段(S1,S2)と、
その幅寸法取得手段(S1,S2)で取得した積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)と敷板(B)の幅寸法(W2)の大小関係を判定する幅寸法比較手段(S3)と、
その幅寸法比較手段(S3)で積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)が前記敷板(B)の幅寸法(W2)よりも小さいと判定されたときに、前記第1コンベヤ(2)から第2コンベヤ(3)への積み重ねシート(A)の受け渡し時に1丁分ごとに隙間が形成されるよう前記第1コンベヤ(2)と第2コンベヤ(3)を動作させるシート受け渡し制御手段(S4)とを有する
シート搬送装置。
【請求項2】
前記敷板(B)を搬送して送り出す敷板供給コンベヤ(5)と、
その敷板供給コンベヤ(5)から敷板(B)を受け取る第3コンベヤ(4)とを更に有し、
前記コンベヤ制御部(10)は、
前記幅寸法比較手段(S3)で積み重ねシート(A)の1丁あたりの幅寸法(W1)が前記敷板(B)の幅寸法(W2)よりも大きいと判定されたときに、前記敷板供給コンベヤ(5)から第3コンベヤ(4)への敷板(B)の受け渡し時に隣り合う敷板(B)の間に隙間が形成されるよう前記敷板供給コンベヤ(5)と第3コンベヤ(4)を動作させる敷板受け渡し制御手段(S10)を更に有し、
前記プッシャ(6)は、前記第2コンベヤ(3)の上から前記第3コンベヤ(4)の敷板(B)の上に積み重ねシート(A)を移載する
請求項1に記載のシート搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−162386(P2012−162386A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26175(P2011−26175)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
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