シート搬送装置
【課題】水の侵入による基板の故障を抑制できるシート搬送装置を提供する。
【解決手段】シート搬送装置1において、装置本体8は、搬送されるシート9の幅方向に延び、かつ搬送経路P1における搬送方向D1の上流端から下流端まで延びて、搬送されるシート9を下方から支持する下側搬送面110Aが形成されたロアシュート100を有する。下側搬送面110Aには、搬送経路P1とロアシュート100の下方とを連通させる開口191、192、193が設けられている。処理部70は、外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口を介して搬送経路P1に露出させてシート9を搬送する搬送ローラ71、74、76を有する。基板5は、下側搬送面110Aの下方に位置する。装置本体8内において下側搬送面110Aと基板5との間には、少なくとも基板5の上方を覆う基板カバー200が設けられている。
【解決手段】シート搬送装置1において、装置本体8は、搬送されるシート9の幅方向に延び、かつ搬送経路P1における搬送方向D1の上流端から下流端まで延びて、搬送されるシート9を下方から支持する下側搬送面110Aが形成されたロアシュート100を有する。下側搬送面110Aには、搬送経路P1とロアシュート100の下方とを連通させる開口191、192、193が設けられている。処理部70は、外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口を介して搬送経路P1に露出させてシート9を搬送する搬送ローラ71、74、76を有する。基板5は、下側搬送面110Aの下方に位置する。装置本体8内において下側搬送面110Aと基板5との間には、少なくとも基板5の上方を覆う基板カバー200が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にシート搬送装置が開示されている。このシート搬送装置は、メインフレーム1の上面がシートを搬送する搬送経路の下側搬送面とされている。特許文献の図1等において、搬送経路は符号19として図示され、下側搬送面は符号17として図示されている。
【0003】
また、メインフレーム1には、搬送経路と下側搬送面の下方とを連通させる開口と、外周面の一部を下側搬送面の下方から開口を介して搬送経路に露出させる搬送ローラとが設けられている。搬送ローラは符号21、30として図示されている。下側搬送面及び搬送ローラの下方には、基板が設けられている。基板は、取付フレーム62に固定された光源58及びイメージセンサー61等からなる。
【0004】
このシート搬送装置では、搬送ローラによりシートを搬送経路に沿って搬送し、イメージセンサー61等により、搬送されるシートの画像を読み取るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−311276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記シート搬送装置に対して水がかかって下側搬送面が水で濡れた場合、その水が開口と搬送ローラとの隙間から下側搬送面の下方に侵入して、基板に到達するおそれがある。その結果、上記シート搬送装置では、水の侵入による基板の故障が発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、水の侵入による基板の故障を抑制できるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシート搬送装置は、シートを搬送する搬送経路を有する装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、前記搬送経路の途中で前記シートに処理を行う処理部と、
前記装置本体内に設けられ、前記処理部による前記処理を制御する基板とを備えるシート搬送装置であって、
前記装置本体は、搬送される前記シートの幅方向に延び、かつ前記搬送経路における搬送方向の上流端から下流端まで延びて、搬送される前記シートを下方から支持する下側搬送面が形成されたロアシュートを有し、
前記下側搬送面には、前記搬送経路と前記ロアシュートの下方とを連通させる開口が設けられ、
前記処理部は、外周面の一部を前記下側搬送面の下方から前記開口を介して前記搬送経路に露出させて前記シートを搬送する搬送ローラを有し、
前記基板は、前記下側搬送面の下方に位置し、
前記装置本体内において前記下側搬送面と前記基板との間には、少なくとも前記基板の上方を覆う基板カバーが設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のシート搬送装置では、装置自体に対して水がかかって下側搬送面が水で濡れた場合において、その水が開口と搬送ローラとの隙間から下側搬送面の下方に侵入したとしても、下側搬送面と基板との間に設けられた基板カバーに遮られる。その結果、このシート搬送装置は、侵入した水が基板に到達することを抑制できる。
【0010】
したがって、本発明のシート搬送装置は、水の侵入による基板の故障を抑制できる。
【0011】
本発明のシート搬送装置において、下側搬送面は、搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜していることが望ましい。この構成によれば、下側搬送面が水平である場合と比較して、装置の小型化を実現し易い。
【0012】
本発明のシート搬送装置において、基板カバーは、少なくとも基板の上方を覆う基板カバー本体と、幅方向から基板カバー本体を挟むように一体に設けられた一対の基板カバー対向部とを有することが望ましい。この構成によれば、基板カバー本体及び両基板カバー対向部により装置本体を補強できるので、装置本体の強度を向上させ易い。
【0013】
上記の場合においても、下側搬送面は、搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜していることが望ましい。この構成によれば、下側搬送面が水平である場合と比較して、装置の小型化を実現し易い。
【0014】
上記の場合において、基板カバー本体は、下側搬送面が傾斜する方向と同じ方向に傾斜していることが望ましい。この構成によれば、下側搬送面と基板カバー本体とが同じ方向に傾斜しつつ上下に配置されるので、装置本体の強度を一層向上させ易い。
【0015】
本発明のシート搬送装置は、装置本体内において下側搬送面の下方に設けられ、処理部に給電する電源を備えることが望ましい。そして、装置本体内において下側搬送面と電源との間には、少なくとも電源の上方を覆い、かつ基板カバーと一体である電源カバーが設けられていることが望ましい。この構成によれば、基板カバーと一体である電源カバーにより、電源への水の到達を抑制できるとともに部品点数を削減できる。
【0016】
本発明のシート搬送装置は、ロアシュートと基板カバーとを連結する第1ネジを備えることが望ましい。そして、第1ネジは、ロアシュートに下向きに凹むように設けられた有底ネジ穴に対して、下方から基板カバーを介してねじ込まれていることが望ましい。この構成によれば、ロアシュートの上側にネジやネジ穴が露出しないので、シートの搬送の邪魔にならない。また、第1ネジの締結箇所から水が侵入するおそれもない。
【0017】
本発明のシート搬送装置において、基板カバーが樹脂製であることが望ましい。この構成によれば、基板を覆う形状を容易に形成できるので、基板カバーの形状自由度が向上し、水が基板に到達することを確実に防止できる。
【0018】
本発明のシート搬送装置は、幅方向に延びる平板形状であり、ロアシュート及び基板カバーに連結されて、装置本体の背面を構成するリヤカバーを備えることが望ましい。この構成によれば、ロアシュート、基板カバー及びリヤカバーが組み合わさることより、シートの幅方向から見て、チャンネル形状又は三角形状となる。その結果、装置本体の強度を一層向上させ易い。
【0019】
上記の場合においても、基板カバーが樹脂製であることが望ましい。この構成によれば、基板を覆う形状を容易に形成できるので、基板カバーの形状自由度が向上し、水が基板に到達することを確実に防止できる。
【0020】
上記の場合において、ロアシュート及びリヤカバーが樹脂製であることが望ましい。この構成によれば、ロアシュート及びリヤカバーの形状を容易に形成できるので、ロアシュート及びリヤカバーの形状自由度が向上する。その結果、下側搬送面の形状をシートの搬送に好適な形状にし易くなり、また、リヤカバーの意匠性を向上させ易くなる。
【0021】
本発明のシート搬送装置は、リヤカバーとロアシュートとを連結する第2ネジと、リヤカバーと基板カバーとを連結する第3ネジとを備えることが望ましい。そして、第2ネジ及び第3ネジは、幅方向からねじ込まれていることが望ましい。この構成によれば、第2ネジ及び第3ネジの締結箇所を装置本体内に隠し易くなり、外観品位を向上させ易い。
【0022】
本発明のシート搬送装置において、上方から見下ろした場合、基板カバーにおける基板から外れた位置に貫通穴が形成されていることが望ましい。この構成によれば、水が基板に到達することを防止しつつ、一端側が基板に接続される電気配線の取り回しを容易に行える。
【0023】
上記の場合において、基板カバーには、貫通穴の周囲を囲むように衝立状に立ち上がる衝立部が形成されていることが望ましい。この構成によれば、水が基板に到達することを確実に防止できる。
【0024】
本発明のシート搬送装置において、ロアシュートは、下側搬送面を幅方向から挟むように設けられた一対のロアシュート対向部を有することが望ましい。この構成によれば、下側搬送面及び両ロアシュート対向部により装置本体を補強できるので、装置本体の強度を向上させ易い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のシート搬送装置を具体化した一実施例の画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図2】上記実施例の供給トレイ50が収容位置にある状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の供給トレイ50が使用位置にある状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図4】上記実施例の上部カバー500が開かれた状態において、画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図5】上記画像読取装置1の側面図である。
【図6】上記画像読取装置1の断面図である。
【図7】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300等を見下ろした状態を示す斜視図である。
【図8】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300等を見上げた状態を示す斜視図である。
【図9】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300の側面図である。
【図10】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100の裏面図である。
【図11】上記画像読取装置1に係り、基板カバー200の斜視図である。
【図12】上記画像読取装置1に係り、基板カバー200の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の画像読取装置1は、本発明のシート搬送装置の具体的態様の一例である。図1では、排出トレイ6側を装置の前側と規定し、排出トレイ6に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
【0028】
<構成>
画像読取装置1は、図1〜図5に示すように、筐体8と、供給トレイ50と、排出トレイ6とを備える。筐体8は、本発明の「装置本体」の一例である。また、画像読取装置1は、図5及び図6に示すように、電源ユニット3と、読取部70と、基板5とを備える。電源ユニット3は、本発明の「電源」の一例である。読取部70は、本発明の「処理部」の一例である。
【0029】
筐体8は、図1〜図5に示すように、筐体8の上面を構成する上部カバー500と、筐体8の背面を構成するリヤカバー300と、筐体8の左右の側面を構成するサイドカバー400L、400Rとを有する。また、筐体8は、図4〜図6に示すように、上部カバー500、リヤカバー300及びサイドカバー400L、400Rに覆われたロアシュート100及び基板カバー200を有する。
【0030】
図1及び図6等に示すように、上部カバー500は、筐体8の前方から後方に向かって上り傾斜する平板形状とされて、ロアシュート100等を覆っている。図4に示すように、シート詰まりやメンテナンスの際には、上部カバー500は、後端縁側が上方に持ち上がるように揺動する。これにより、ロアシュート100の後述する下側搬送面110A等が露出する。
【0031】
図4等に示すように、供給トレイ50は、一方の面が載置面51とされた平板形状とされている。供給トレイ50の左右の角部には、一対のヒンジ部51L、51Rが一体に形成されている。供給トレイ50は、ヒンジ部51L、51Rを介して、筐体8の後方かつ上方に位置して左右方向に延びる第1揺動軸心X1周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0032】
図1及び図6等に示すように、供給トレイ50は、閉じられた状態では、載置面51を下方に向けて、上部カバー500に対して上方から覆いかぶさっている。図1及び図6等に示す供給トレイ50の位置を「収容位置」とする。
【0033】
そして、供給トレイ50は、開かれれば、図3〜図5に示すように、筐体8の後ろ側で載置面51を上方に向ける位置に変位する。図5等に示す供給トレイ50の位置を「使用位置」とする。この状態において、載置面51には、シート9が載置される。そして、シート9は、載置面51上から図5等に示す搬送方向D1に沿って前方に向けて下り傾斜で搬送される。本実施例では、図4等に示すように、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向とは、左右方向である。第1揺動軸心X1は、シート9の幅方向である左右方向と平行である。ただし、「平行」とは「おおよそ平行」を意味する。「水平」や「直交」等の用語も同様である。
【0034】
図7及び図8は、筐体8から、供給トレイ50、排出トレイ6、上部カバー500及びサイドカバー400L、400Rを取り外した状態、すなわち、互いに組み合わされた状態のロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300を図示している。ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300は、それぞれ樹脂製の一体成形品である。ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300は、図9に示す単体の状態から互いに組み合わされることにより、図7及び図8に示す状態となる。
【0035】
図7〜図9に示すように、ロアシュート100は、ロアシュート本体110と、一対のロアシュート対向部120L、120Rとを有する。
【0036】
図6及び図7等に示すように、ロアシュート本体110は、第1揺動軸心X1と平行な左右方向に延び、かつ筐体8の背面側の第1揺動軸心X1近傍から前面側の排出トレイ6に向けて下り傾斜する平板形状とされている。本実施例では、「平板形状」とは、「おおよそ平板形状」を意味し、平らな平滑面に限定されず、例えば、屈曲又は湾曲している場合や、凹凸がある場合等を含む。
【0037】
図10に示すように、ロアシュート対向部120L、120Rは、左右方向からロアシュート本体110を挟むように、ロアシュート本体110と一体に設けられている。図9等に示すように、ロアシュート対向部120L、120Rは、ロアシュート本体110の左右両端縁に沿って前後方向に延び、かつロアシュート本体110に対して上方及び下方に延びている。このようなロアシュート対向部120L、120Rは、ロアシュート本体110とともに筐体8のフレームの一部を構成している。
【0038】
図6及び図7等に示すように、ロアシュート本体110の上面は、左右方向に延び、かつ、第1揺動軸心X1近傍から前面側の排出トレイ6に向けて下り傾斜する下側搬送面110Aとされている。
【0039】
図4に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、下側搬送面110Aは、載置面51とともに平坦な面を構成する。この際、ロアシュート本体110における第1揺動軸心X1側の端縁110Eと、供給トレイ50における第1揺動軸心X1側の端縁50Eとが互いに接近して当て止まる。この状態において、図5に示すように、載置面51にシート9が載置されると、シート9が載置面51上を搬送方向D1に沿って進んで、シート9の先端縁が下側搬送面110Aまで差し込まれる。図9に、左右方向から見た下側搬送面110Aの傾斜状態を示す補助線H1を示す。
【0040】
図11及び図12に示すように、基板カバー200は、基板カバー本体210と、一対の基板カバー対向部220L、220Rとを有する。
【0041】
基板カバー本体210は、水平部210Aと、前側傾斜部210Bと、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rと、を有する。水平部210Aは、基板カバー本体210の中央に位置して水平に延びている。前側傾斜部210Bは、水平部210Aの前端縁から前方に下り傾斜している。左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rは、水平部210Aの左右両側に位置して、前側傾斜部210Bと同じ方向に下り傾斜している。
【0042】
図9に、左右方向から見た前側傾斜部210B、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rの傾斜状態を示す補助線H2を示す。補助線H1、H2を比較してわかるように、基板カバー本体210の前側傾斜部210B、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rは、下側搬送面110Aが傾斜する方向と同じ方向に傾斜している。ここで、「同じ方向に傾斜する」とは「おおよそ同じ方向に傾斜する」ことを意味し、平行な場合に限定されない。
【0043】
図11に示すように、基板カバー210において、水平部210Aの後方には、電源カバー280が一体に形成されている。電源カバー280は、水平部210Aから上方に向けて立ち上がる前壁280F及び左右の側壁280L、280Rと、前壁280F及び側壁280L、280Rの上端縁に連続する上壁280Uとを有する。図6に示すように、上壁280Uは、前方に向けて僅かに下り傾斜している。
【0044】
基板カバー対向部220L、220Rは、左右方向から基板カバー本体210を挟むように、基板カバー本体210と一体に設けられている。図9等に示すように、基板カバー対向部220L、220Rは、基板カバー本体210の左右両端縁に沿って前後方向に延び、かつ基板カバー本体210に対して下方に短く延びている。このような基板カバー対向部220L、220Rは、基板カバー本体210とともに筐体8のフレームの一部を構成している。
【0045】
図2及び図9等に示すように、リヤカバー300は、左右方向かつ上下方向に延びる平板形状とされている。リヤカバー300は、後方に向けて下り傾斜している。図9に、左右方向から見たリヤカバー300の傾斜状態を示す補助線H3を示す。
【0046】
図10に示すように、ロアシュート100の裏面において、前端縁側には、2個の有底ネジ穴141Aが下方に向けて突出するように設けられ、後端縁側には、2個の有底ネジ穴141Bが下方に向くように設けられている。図9に示すように、ロアシュート対向部120L、120Rの後端縁側には、丸穴142が左右方向に貫通するように設けられている。図9では、ロアシュート対向部120Rに設けられた丸穴142のみを図示しているが、ロアシュート対向部120Lにも同様の丸穴142が設けられている。
【0047】
図12に示すように、基板カバー200において、前側傾斜部210Bには、2個の丸穴241Aが貫通するように形成され、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rには、2個の丸穴241Bが貫通するように形成されている。図9及び図11等に示すように、基板カバー対向部220L、220Rの後端縁側には、左右方向に凹むネジ穴243がそれぞれ設けられている。
【0048】
図9に示すように、リヤカバー300において、筐体8の内側を向く面の右端縁側と左端縁側とには、前方に突出しつつ上下方向に延びる左右一対の補強リブ301が形成されている。図9では、右側の補強リブ301のみ図示するが、左側にも同様の補強リブ301が設けられている。左右の補強リブ301の上端側には、ネジ穴342が左右方向に凹むように設けられている。左右の補強リブ301の下端側には、丸穴343が左右方向に貫通するように設けられている。
【0049】
図8及び図9に示すように、ロアシュート100と、基板カバー200とは、第1ネジ41を基板カバー200の下方から丸穴241A及び丸穴241Bを介して有底ネジ穴141A、141Bにねじ込むことにより、4か所で強固に連結される。
【0050】
また、図7及び図9に示すように、ロアシュート100及び基板カバー200と、リヤカバー300とは、以下に示すように4か所で強固に連結される。即ち、第2ネジ42がロアシュート対向部120L、120Rの丸穴142を介してリヤカバー300の有底ネジ穴342に左右方向からねじ込まれる。第3ネジ43がリヤカバー300の丸穴343を介して基板カバー対向部220L、220Rのネジ穴243にねじ込まれる。以上のようにして、ロアシュート100及び基板カバー200と、リヤカバー300とは、4か所で強固に連結される。
【0051】
図6等に示すように、電源ユニット3は、筐体8内における第1揺動軸心X1の下方、かつ下側搬送面110Aの下方に設けられている。電源ユニット3は、家庭用コンセントの交流電圧を直流電圧に変換して、読取部70に給電するACアダプタである。図2に示すように、筐体8の背面には、接続穴8Eが設けられている。接続穴8Eには、家庭用コンセントと電源ユニット3とを電気的に接続する電源ケーブル99の一端側が嵌め込まれる。
【0052】
図6等に示すように、基板5は、筐体8内において、電源ユニット3の下方に設けられている。基板5は、左右方向及び前後方向に扁平に延びる板状とされている。基板5は、図示しない電気配線により、電源ユニット3と読取部70とに電気的に接続されて、読取部70を制御するものである。
【0053】
図6及び図12等に示すように、基板5とロアシュート本体110との間には、基板カバー本体210の水平部210A及び前側傾斜部210Bが前後方向及び左右方向に延びるように位置している。また、基板カバー対向部220L、220Rは、基板カバー本体210に連続して、基板5を左右から挟んでいる。こうして、基板5は、基板カバー200により、上方、前方、左方及び右方から覆われている。
【0054】
なお、図12に示すように、基板カバー200を上方から見下ろした場合、基板カバー200における基板5から外れた位置である前側傾斜部210Bには、矩形状の貫通穴291L、291Rが形成されている。そして、図6及び図12に示すように、前側傾斜部210Bには、貫通穴291L、291Rの周囲を囲むように衝立状に立ち上がる衝立部292L、292Rが形成されている。貫通穴291L、291Rには、例えば、基板5と読取部70とを電気的に接続する配線ケーブル等が挿通される。
【0055】
また、図6及び図12等に示すように、電源ユニット5とロアシュート本体110との間には、電源カバー280の上壁280Uが位置している。また、電源ユニット5の前方及び側方には、電源カバー280の前壁280F及び左右の側壁280L、280Rが位置している。こうして、電源ユニット3は、電源カバー280により、上方、前方、左方及び右方から覆われている。さらに、図6等に示すように、基板5及び電源ユニット3は、リヤカバー300により後方から覆われている。
【0056】
図5及び図6に示すように、読取部70は、筐体8内において、ロアシュート100等に組み付けられている。読取部70は、供給ローラ71、分離パッド72、画像読取センサ73A、73B、第1搬送ローラ74、従動ローラ75、第2搬送ローラ76、従動ローラ77及び図示しない重送センサ等を備える。供給ローラ71、第1搬送ローラ74及び第2搬送ローラ76は、本発明の「搬送ローラ」の一例である。
【0057】
図10に示すように、ロアシュート本体110には、上下方向に貫通する開口191、192、193が形成されている。
【0058】
図6及び図7等に示すように、供給ローラ71は、その外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口191を介して搬送経路P1に露出させている。図6及び図10に示すように、ロアシュート本体110において、開口191の下方には、小さな開口191Aが形成されている。開口191Aは、例えば、ロアシュート100に装着される部品との係合等に利用されるものである。開口191と供給ローラ71との隙間、及び開口191Aを介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0059】
図6及び図7等に示すように、第1搬送ローラ74は、その外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口192を介して搬送経路P1に露出させている。開口192と第1搬送ローラ74との隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0060】
第2搬送ローラ76は、その外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口193を介して搬送経路P1に露出させている。開口193と第2搬送ローラ76との隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0061】
図6等に示すように、従動ローラ75は、第1搬送ローラ74に対して、搬送経路P1を挟んで上方に位置して、第1搬送ローラ74に押圧されている。従動ローラ77は、第2搬送ローラ76に対して、搬送経路P1を挟んで上方に位置して、第2搬送ローラ76に押圧されている。
【0062】
図示しない重送センサは、その上方を向く検出面を下側搬送面110Aの下方から図示しない開口を介して搬送経路P1に露出させている。開口と重送センサとの隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0063】
図5に示すように、読取部70は、供給ローラ71、分離パッド72、第1搬送ローラ74、従動ローラ75、第2搬送ローラ76及び従動ローラ77により、載置面51に載置されたシート9を一枚ずつ分離し、搬送経路P1に沿って搬送する。この際、下側搬送面110Aは、搬送されるシート9の幅方向に延び、かつ搬送経路P1における搬送方向D1の上流端から下流端まで延びて、搬送されるシート9を下方から支持する。また、図示しない重送センサは、搬送されるシート9が一枚か否かを検知する。
【0064】
そして、読取部70は、その搬送経路P1の途中において、画像読取センサ73A、73Bにより、シート9の両面の画像を読み取る。画像読取センサ73A、73Bとしては、例えば、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等が採用される。このような読取部70の動作は、基板5の制御により行われる。
【0065】
排出トレイ6は、図1及び図5に示すように、筐体8に対して引き出し及び収容可能に設けられている。図1に示すように、排出トレイ6が筐体8に収容されている状態において、排出トレイ6の前端面のみが外部に露出した状態となっている。排出トレイ6が引き出されると、図5に示すように、排出トレイ6は、筐体8の前方で排出面6Aを、上方に向けた状態となる。
【0066】
基板5の制御により、読取部70により画像を読み取られたシート9がさらに搬送経路P1に沿って搬送されると、そのシート9は、排出面6Aに排出される。載置面51に複数枚のシート9が載置された場合には、1枚ずつシート9が搬送経路P1に沿って搬送されて、画像を読み取られた後、排出面6Aに順番に積み重なるように排出される。
【0067】
なお、図2、図6及び図7に示すように、供給トレイ50が使用位置から収容位置に変位すると、ロアシュート本体110における第1揺動軸心X1側の端縁110Eと、供給トレイ50における第1揺動軸心X1側の端縁50Eとが上下方向に離間してなる隙間30が形成される。
【0068】
また、画像読取装置1は、図2及び図3等に示すように、隙間カバー39を備える。隙間カバー39は、第1揺動軸心X1に対して平行、かつ第1揺動軸心X1に対して下方に位置する第2揺動軸心X2周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0069】
図2及び図6に示すように、隙間カバー39は、供給トレイ50が収容位置にある場合に隙間30を覆う。隙間カバー39は、供給トレイ50が使用位置まで揺動するのに連動して第2揺動軸心X2周りに揺動し、図3及び図6等に示すように、供給トレイ50の下方に退避するようになっている。
【0070】
また、画像読取装置1は、図4に示すように、左右一対の幅規制ガイド55L、55Rを備える。幅規制ガイド55L、55Rは、載置面51上から下側搬送面110A上まで、搬送方向D1と平行にリブ状に延びている。幅規制ガイド55L、55Rの搬送方向D1の中間部には、連結部56L、56Rが設けられている。図6及び図7に示すように、連結部56L、56Rは、供給トレイ50が収容位置又は使用位置に変位する場合、幅規制ガイド55L、55Rが第1揺動軸心X1周りに折れ曲がり、又は展開することを許容する。
【0071】
図10に示すように、ロアシュート本体110には、第1揺動軸心X1側の端縁110Eの近くに形成され、左右方向に細長いガイドレール形状とされて、上下方向に貫通する開口195が形成されている。左右の幅規制ガイド55L、55Rは、開口195に案内されて、左右方向にスライド可能となっている。開口195と幅規制ガイド55L、55Rとの隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0072】
左右の幅規制ガイド55L、55Rがセンター基準で幅方向に互いに接近又は離反して、載置面51に載置されるシート9の幅方向の位置決めすることにより、この画像読取装置1は、例えば、名刺サイズからA4サイズまでの複数サイズのシートに形成された画像を読み取ることができる。
【0073】
<作用効果>
実施例の画像読取装置1では、装置自体に対して上方から水がかかる場合がある。例えば、供給トレイ50が使用位置にある場合において、水が図4に示す経路R1を沿って載置面51上を伝い、下側搬送面110Aが水で濡れる場合がある。また、例えば、供給トレイ50が収容位置にある場合において、図6に示す経路R2等に沿って供給トレイ50と隙間カバー39との間から隙間30を介して筐体8内に水が侵入し、下側搬送面110Aが水で濡れる場合がある。そうすると、図6及び図7等に示すように、その水は、開口191と供給ローラ71との隙間、開口192と第1搬送ローラ74との隙間、開口193と第2搬送ローラ76との隙間、図示しない開口と図示しない重送センサとの隙間、又は開口195と幅規制ガイド55L、55Rとの隙間から下側搬送面110Aの下方に侵入するおそれがある。このような場合であっても、下側搬送面110Aと基板5との間に設けられた基板カバー200の水平部210A、前側傾斜部210B、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rにより、その侵入した水が遮られる。その結果、この画像読取装置1は、筐体8内に侵入した水が基板5に到達することを抑制できる。
【0074】
したがって、実施例の画像読取装置1は、水の侵入による基板5の故障を抑制できる。
【0075】
また、この画像読取装置1において、下側搬送面110Aは、搬送方向D1の上流端から搬送方向D1の下流端に向けて下り傾斜している。この構成により、下側搬送面110Aが水平である場合と比較して、装置の小型化を実現し易い。
【0076】
さらに、この画像読取装置1において、基板カバー200は、少なくとも基板5の上方を覆う基板カバー本体210と、左右方向から基板カバー本体210を挟むように一体に設けられた一対の基板カバー対向部220L、220Rとを有する。この構成により、筐体8を補強できるので、筐体8の強度を向上させ易い。
【0077】
また、この画像読取装置1では、図9に示す補助線H1、H2を比較して判るように、下側搬送面110Aが傾斜する方向と同じ方向に基板カバー本体210が傾斜している。この構成により、下側搬送面110Aと基板カバー本体210とが同じ方向に傾斜しつつ上下に配置されるので、筐体8の強度を一層向上させ易い。
【0078】
さらに、この画像読取装置1では、筐体8内において下側搬送面110Aと電源ユニット3との間に電源カバー280が設けられている。そして、電源カバー280は、上壁280U、前壁280F及び左右の側壁280L、280Rにより、電源ユニット3の上方、前方、左方及び右方が覆っている。この構成により、例えば、供給トレイ50が収容位置にある場合において、図6に示す経路R3等に沿って隙間カバー39とリヤカバー300の間から筐体8内に水が侵入する場合でも、その侵入した水が電源カバー280に遮られるので、電源ユニット3への水の到達を抑制できる。また、電源カバー280が基板カバー200と一体であることにより、部品点数を削減できる。
【0079】
また、この画像読取装置1において、第1ネジ41は、ロアシュート100に下向きに凹むように設けられた有底ネジ穴141A、141Bに対して、下方から基板カバー200の丸穴241A及び丸穴241Bを介してねじ込まれることにより、ロアシュート100と基板カバー200とを連結する。この構成により、ロアシュート100の上側にネジやネジ穴が露出しないので、シート9の搬送の邪魔にならなない。また、第1ネジ41の締結箇所から水が侵入するおそれもない。
【0080】
さらに、この画像読取装置1において、リヤカバー300はロアシュート100及び基板カバー200に連結されて、筐体8の背面を構成している。この構成により、図9に示す補助線H1、H2、H3を比較して判るように、組み合わさるロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300が左右方向から見て、チャンネル形状又は三角形状となる。その結果、この画像読取装置1は、筐体8の強度を一層向上させ易い。
【0081】
また、この画像読取装置1において、基板カバー200、ロアシュート100及びリヤカバー300は樹脂製である。この構成により、基板カバー200に関し、基板5を覆う形状を容易に形成できるので、基板カバー200の形状自由度が向上する。例えば、基板カバーが金属製の場合、基板カバーに衝立部292L、292Rのような液体侵入防止部材を設けるのは困難である。また、例えば、基板カバーが金属製の場合、基板カバーを前側傾斜部210B等のような液体が一定の方向に流れるように液体を誘い込む構成とすることは困難である。しかし、本実施例における基板カバー200は、樹脂製であることから、形状自由度が向上するため、上記のような構成をとることが可能となる。従って、水が基板5に到達することを確実に防止できる。また、ロアシュート100に関し、形状自由度が向上するので、下側搬送面110Aの形状をシート9の搬送に好適な形状にし易い。さらに、リヤカバー300に関し、形状自由度が向上するので、装置外観の意匠性を向上させ易くなる。また、この構成により、図9に示す補助線H1、H2、H3を比較して判るように、組み合わさる樹脂製のロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300が左右方向から見て、チャンネル形状又は三角形状となる。従って、板金等により筐体8を補強しない場合においても筐体8の強度を向上できる。よって、画像読取装置1の重量を軽減でき、かつコストダウンを図ることができる。
【0082】
さらに、この画像読取装置1において、第2ネジ42は、左右方向からねじ込まれることにより、リヤカバー300とロアシュート100とを連結し、第3ネジ43も、左右方向からねじ込まれることにより、リヤカバー300と基板カバー200とを連結する。この構成により、第2ネジ42及び第3ネジ43の締結箇所をサイドカバー400L、400Rによって筐体8内に隠し易くなり、外観品位を向上させ易い。
【0083】
また、この画像読取装置1において、図12に示すように、基板カバー200を上方から見下ろした場合、基板カバー200における基板5から外れた位置に貫通穴291L、291Rが形成されている。そして、基板カバー200には、貫通穴291L、291Rの周囲を囲む衝立部292L、292Rが形成されている。衝立部292L、292Rは、図6に示すように、衝立状に立ち上がっている。この構成により、水が基板5に到達することを確実に防止しつつ、一端側が基板5に接続される電気配線の取り回しを容易に行える。
【0084】
さらに、この画像読取装置1において、ロアシュート100は、上面に下側搬送面110Aが形成されたロアシュート本体110と、下側搬送面110Aを左右方向から挟むように設けられた一対のロアシュート対向部120L、120Rを有する。この構成により、筐体8を補強できるので、筐体8の強度を向上させ易い。
【0085】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0086】
例えば、ロアシュート100に関し、下側搬送面110Aは水平方向に延びていてもよい。また、ロアシュート本体110とロアシュート対向部120L、120Rとが別体であってもよい。
【0087】
また、例えば、基板カバー200に関し、基板カバー本体210と基板カバー本体対向部220L、220Rとが別体であってもよく、基板カバー200と電源カバー280とが別体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、例えば、画像読取装置、画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…シート搬送装置(画像読取装置)、9…シート、P1…搬送経路
8…装置本体(筐体)、70…処理部(読取部)、5…基板
3…電源(電源ユニット)、D1…搬送方向、100…ロアシュート
110A…下側搬送面、120L、120R…ロアシュート対向部
191、192、193、195…開口
71、74、76…搬送ローラ(71…供給ローラ、74…第1搬送ローラ、76…第2搬送ローラ)
200…基板カバー、280…電源カバー、300…リヤカバー
210…基板カバー本体、220L、220R…基板カバー対向部
41…第1ネジ、42…第2ネジ、43…第3ネジ
141A、141B…有底ネジ穴
291L、291R…貫通穴、292L、292R…衝立部
【技術分野】
【0001】
本発明はシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にシート搬送装置が開示されている。このシート搬送装置は、メインフレーム1の上面がシートを搬送する搬送経路の下側搬送面とされている。特許文献の図1等において、搬送経路は符号19として図示され、下側搬送面は符号17として図示されている。
【0003】
また、メインフレーム1には、搬送経路と下側搬送面の下方とを連通させる開口と、外周面の一部を下側搬送面の下方から開口を介して搬送経路に露出させる搬送ローラとが設けられている。搬送ローラは符号21、30として図示されている。下側搬送面及び搬送ローラの下方には、基板が設けられている。基板は、取付フレーム62に固定された光源58及びイメージセンサー61等からなる。
【0004】
このシート搬送装置では、搬送ローラによりシートを搬送経路に沿って搬送し、イメージセンサー61等により、搬送されるシートの画像を読み取るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−311276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記シート搬送装置に対して水がかかって下側搬送面が水で濡れた場合、その水が開口と搬送ローラとの隙間から下側搬送面の下方に侵入して、基板に到達するおそれがある。その結果、上記シート搬送装置では、水の侵入による基板の故障が発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、水の侵入による基板の故障を抑制できるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシート搬送装置は、シートを搬送する搬送経路を有する装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、前記搬送経路の途中で前記シートに処理を行う処理部と、
前記装置本体内に設けられ、前記処理部による前記処理を制御する基板とを備えるシート搬送装置であって、
前記装置本体は、搬送される前記シートの幅方向に延び、かつ前記搬送経路における搬送方向の上流端から下流端まで延びて、搬送される前記シートを下方から支持する下側搬送面が形成されたロアシュートを有し、
前記下側搬送面には、前記搬送経路と前記ロアシュートの下方とを連通させる開口が設けられ、
前記処理部は、外周面の一部を前記下側搬送面の下方から前記開口を介して前記搬送経路に露出させて前記シートを搬送する搬送ローラを有し、
前記基板は、前記下側搬送面の下方に位置し、
前記装置本体内において前記下側搬送面と前記基板との間には、少なくとも前記基板の上方を覆う基板カバーが設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明のシート搬送装置では、装置自体に対して水がかかって下側搬送面が水で濡れた場合において、その水が開口と搬送ローラとの隙間から下側搬送面の下方に侵入したとしても、下側搬送面と基板との間に設けられた基板カバーに遮られる。その結果、このシート搬送装置は、侵入した水が基板に到達することを抑制できる。
【0010】
したがって、本発明のシート搬送装置は、水の侵入による基板の故障を抑制できる。
【0011】
本発明のシート搬送装置において、下側搬送面は、搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜していることが望ましい。この構成によれば、下側搬送面が水平である場合と比較して、装置の小型化を実現し易い。
【0012】
本発明のシート搬送装置において、基板カバーは、少なくとも基板の上方を覆う基板カバー本体と、幅方向から基板カバー本体を挟むように一体に設けられた一対の基板カバー対向部とを有することが望ましい。この構成によれば、基板カバー本体及び両基板カバー対向部により装置本体を補強できるので、装置本体の強度を向上させ易い。
【0013】
上記の場合においても、下側搬送面は、搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜していることが望ましい。この構成によれば、下側搬送面が水平である場合と比較して、装置の小型化を実現し易い。
【0014】
上記の場合において、基板カバー本体は、下側搬送面が傾斜する方向と同じ方向に傾斜していることが望ましい。この構成によれば、下側搬送面と基板カバー本体とが同じ方向に傾斜しつつ上下に配置されるので、装置本体の強度を一層向上させ易い。
【0015】
本発明のシート搬送装置は、装置本体内において下側搬送面の下方に設けられ、処理部に給電する電源を備えることが望ましい。そして、装置本体内において下側搬送面と電源との間には、少なくとも電源の上方を覆い、かつ基板カバーと一体である電源カバーが設けられていることが望ましい。この構成によれば、基板カバーと一体である電源カバーにより、電源への水の到達を抑制できるとともに部品点数を削減できる。
【0016】
本発明のシート搬送装置は、ロアシュートと基板カバーとを連結する第1ネジを備えることが望ましい。そして、第1ネジは、ロアシュートに下向きに凹むように設けられた有底ネジ穴に対して、下方から基板カバーを介してねじ込まれていることが望ましい。この構成によれば、ロアシュートの上側にネジやネジ穴が露出しないので、シートの搬送の邪魔にならない。また、第1ネジの締結箇所から水が侵入するおそれもない。
【0017】
本発明のシート搬送装置において、基板カバーが樹脂製であることが望ましい。この構成によれば、基板を覆う形状を容易に形成できるので、基板カバーの形状自由度が向上し、水が基板に到達することを確実に防止できる。
【0018】
本発明のシート搬送装置は、幅方向に延びる平板形状であり、ロアシュート及び基板カバーに連結されて、装置本体の背面を構成するリヤカバーを備えることが望ましい。この構成によれば、ロアシュート、基板カバー及びリヤカバーが組み合わさることより、シートの幅方向から見て、チャンネル形状又は三角形状となる。その結果、装置本体の強度を一層向上させ易い。
【0019】
上記の場合においても、基板カバーが樹脂製であることが望ましい。この構成によれば、基板を覆う形状を容易に形成できるので、基板カバーの形状自由度が向上し、水が基板に到達することを確実に防止できる。
【0020】
上記の場合において、ロアシュート及びリヤカバーが樹脂製であることが望ましい。この構成によれば、ロアシュート及びリヤカバーの形状を容易に形成できるので、ロアシュート及びリヤカバーの形状自由度が向上する。その結果、下側搬送面の形状をシートの搬送に好適な形状にし易くなり、また、リヤカバーの意匠性を向上させ易くなる。
【0021】
本発明のシート搬送装置は、リヤカバーとロアシュートとを連結する第2ネジと、リヤカバーと基板カバーとを連結する第3ネジとを備えることが望ましい。そして、第2ネジ及び第3ネジは、幅方向からねじ込まれていることが望ましい。この構成によれば、第2ネジ及び第3ネジの締結箇所を装置本体内に隠し易くなり、外観品位を向上させ易い。
【0022】
本発明のシート搬送装置において、上方から見下ろした場合、基板カバーにおける基板から外れた位置に貫通穴が形成されていることが望ましい。この構成によれば、水が基板に到達することを防止しつつ、一端側が基板に接続される電気配線の取り回しを容易に行える。
【0023】
上記の場合において、基板カバーには、貫通穴の周囲を囲むように衝立状に立ち上がる衝立部が形成されていることが望ましい。この構成によれば、水が基板に到達することを確実に防止できる。
【0024】
本発明のシート搬送装置において、ロアシュートは、下側搬送面を幅方向から挟むように設けられた一対のロアシュート対向部を有することが望ましい。この構成によれば、下側搬送面及び両ロアシュート対向部により装置本体を補強できるので、装置本体の強度を向上させ易い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のシート搬送装置を具体化した一実施例の画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図2】上記実施例の供給トレイ50が収容位置にある状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の供給トレイ50が使用位置にある状態において、画像読取装置1の主に後方を示す斜視図である。
【図4】上記実施例の上部カバー500が開かれた状態において、画像読取装置1の主に前方を示す斜視図である。
【図5】上記画像読取装置1の側面図である。
【図6】上記画像読取装置1の断面図である。
【図7】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300等を見下ろした状態を示す斜視図である。
【図8】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300等を見上げた状態を示す斜視図である。
【図9】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300の側面図である。
【図10】上記画像読取装置1に係り、ロアシュート100の裏面図である。
【図11】上記画像読取装置1に係り、基板カバー200の斜視図である。
【図12】上記画像読取装置1に係り、基板カバー200の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の画像読取装置1は、本発明のシート搬送装置の具体的態様の一例である。図1では、排出トレイ6側を装置の前側と規定し、排出トレイ6に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
【0028】
<構成>
画像読取装置1は、図1〜図5に示すように、筐体8と、供給トレイ50と、排出トレイ6とを備える。筐体8は、本発明の「装置本体」の一例である。また、画像読取装置1は、図5及び図6に示すように、電源ユニット3と、読取部70と、基板5とを備える。電源ユニット3は、本発明の「電源」の一例である。読取部70は、本発明の「処理部」の一例である。
【0029】
筐体8は、図1〜図5に示すように、筐体8の上面を構成する上部カバー500と、筐体8の背面を構成するリヤカバー300と、筐体8の左右の側面を構成するサイドカバー400L、400Rとを有する。また、筐体8は、図4〜図6に示すように、上部カバー500、リヤカバー300及びサイドカバー400L、400Rに覆われたロアシュート100及び基板カバー200を有する。
【0030】
図1及び図6等に示すように、上部カバー500は、筐体8の前方から後方に向かって上り傾斜する平板形状とされて、ロアシュート100等を覆っている。図4に示すように、シート詰まりやメンテナンスの際には、上部カバー500は、後端縁側が上方に持ち上がるように揺動する。これにより、ロアシュート100の後述する下側搬送面110A等が露出する。
【0031】
図4等に示すように、供給トレイ50は、一方の面が載置面51とされた平板形状とされている。供給トレイ50の左右の角部には、一対のヒンジ部51L、51Rが一体に形成されている。供給トレイ50は、ヒンジ部51L、51Rを介して、筐体8の後方かつ上方に位置して左右方向に延びる第1揺動軸心X1周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0032】
図1及び図6等に示すように、供給トレイ50は、閉じられた状態では、載置面51を下方に向けて、上部カバー500に対して上方から覆いかぶさっている。図1及び図6等に示す供給トレイ50の位置を「収容位置」とする。
【0033】
そして、供給トレイ50は、開かれれば、図3〜図5に示すように、筐体8の後ろ側で載置面51を上方に向ける位置に変位する。図5等に示す供給トレイ50の位置を「使用位置」とする。この状態において、載置面51には、シート9が載置される。そして、シート9は、載置面51上から図5等に示す搬送方向D1に沿って前方に向けて下り傾斜で搬送される。本実施例では、図4等に示すように、搬送方向D1に沿って搬送されるシート9の幅方向とは、左右方向である。第1揺動軸心X1は、シート9の幅方向である左右方向と平行である。ただし、「平行」とは「おおよそ平行」を意味する。「水平」や「直交」等の用語も同様である。
【0034】
図7及び図8は、筐体8から、供給トレイ50、排出トレイ6、上部カバー500及びサイドカバー400L、400Rを取り外した状態、すなわち、互いに組み合わされた状態のロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300を図示している。ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300は、それぞれ樹脂製の一体成形品である。ロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300は、図9に示す単体の状態から互いに組み合わされることにより、図7及び図8に示す状態となる。
【0035】
図7〜図9に示すように、ロアシュート100は、ロアシュート本体110と、一対のロアシュート対向部120L、120Rとを有する。
【0036】
図6及び図7等に示すように、ロアシュート本体110は、第1揺動軸心X1と平行な左右方向に延び、かつ筐体8の背面側の第1揺動軸心X1近傍から前面側の排出トレイ6に向けて下り傾斜する平板形状とされている。本実施例では、「平板形状」とは、「おおよそ平板形状」を意味し、平らな平滑面に限定されず、例えば、屈曲又は湾曲している場合や、凹凸がある場合等を含む。
【0037】
図10に示すように、ロアシュート対向部120L、120Rは、左右方向からロアシュート本体110を挟むように、ロアシュート本体110と一体に設けられている。図9等に示すように、ロアシュート対向部120L、120Rは、ロアシュート本体110の左右両端縁に沿って前後方向に延び、かつロアシュート本体110に対して上方及び下方に延びている。このようなロアシュート対向部120L、120Rは、ロアシュート本体110とともに筐体8のフレームの一部を構成している。
【0038】
図6及び図7等に示すように、ロアシュート本体110の上面は、左右方向に延び、かつ、第1揺動軸心X1近傍から前面側の排出トレイ6に向けて下り傾斜する下側搬送面110Aとされている。
【0039】
図4に示すように、供給トレイ50が使用位置にある場合、下側搬送面110Aは、載置面51とともに平坦な面を構成する。この際、ロアシュート本体110における第1揺動軸心X1側の端縁110Eと、供給トレイ50における第1揺動軸心X1側の端縁50Eとが互いに接近して当て止まる。この状態において、図5に示すように、載置面51にシート9が載置されると、シート9が載置面51上を搬送方向D1に沿って進んで、シート9の先端縁が下側搬送面110Aまで差し込まれる。図9に、左右方向から見た下側搬送面110Aの傾斜状態を示す補助線H1を示す。
【0040】
図11及び図12に示すように、基板カバー200は、基板カバー本体210と、一対の基板カバー対向部220L、220Rとを有する。
【0041】
基板カバー本体210は、水平部210Aと、前側傾斜部210Bと、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rと、を有する。水平部210Aは、基板カバー本体210の中央に位置して水平に延びている。前側傾斜部210Bは、水平部210Aの前端縁から前方に下り傾斜している。左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rは、水平部210Aの左右両側に位置して、前側傾斜部210Bと同じ方向に下り傾斜している。
【0042】
図9に、左右方向から見た前側傾斜部210B、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rの傾斜状態を示す補助線H2を示す。補助線H1、H2を比較してわかるように、基板カバー本体210の前側傾斜部210B、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rは、下側搬送面110Aが傾斜する方向と同じ方向に傾斜している。ここで、「同じ方向に傾斜する」とは「おおよそ同じ方向に傾斜する」ことを意味し、平行な場合に限定されない。
【0043】
図11に示すように、基板カバー210において、水平部210Aの後方には、電源カバー280が一体に形成されている。電源カバー280は、水平部210Aから上方に向けて立ち上がる前壁280F及び左右の側壁280L、280Rと、前壁280F及び側壁280L、280Rの上端縁に連続する上壁280Uとを有する。図6に示すように、上壁280Uは、前方に向けて僅かに下り傾斜している。
【0044】
基板カバー対向部220L、220Rは、左右方向から基板カバー本体210を挟むように、基板カバー本体210と一体に設けられている。図9等に示すように、基板カバー対向部220L、220Rは、基板カバー本体210の左右両端縁に沿って前後方向に延び、かつ基板カバー本体210に対して下方に短く延びている。このような基板カバー対向部220L、220Rは、基板カバー本体210とともに筐体8のフレームの一部を構成している。
【0045】
図2及び図9等に示すように、リヤカバー300は、左右方向かつ上下方向に延びる平板形状とされている。リヤカバー300は、後方に向けて下り傾斜している。図9に、左右方向から見たリヤカバー300の傾斜状態を示す補助線H3を示す。
【0046】
図10に示すように、ロアシュート100の裏面において、前端縁側には、2個の有底ネジ穴141Aが下方に向けて突出するように設けられ、後端縁側には、2個の有底ネジ穴141Bが下方に向くように設けられている。図9に示すように、ロアシュート対向部120L、120Rの後端縁側には、丸穴142が左右方向に貫通するように設けられている。図9では、ロアシュート対向部120Rに設けられた丸穴142のみを図示しているが、ロアシュート対向部120Lにも同様の丸穴142が設けられている。
【0047】
図12に示すように、基板カバー200において、前側傾斜部210Bには、2個の丸穴241Aが貫通するように形成され、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rには、2個の丸穴241Bが貫通するように形成されている。図9及び図11等に示すように、基板カバー対向部220L、220Rの後端縁側には、左右方向に凹むネジ穴243がそれぞれ設けられている。
【0048】
図9に示すように、リヤカバー300において、筐体8の内側を向く面の右端縁側と左端縁側とには、前方に突出しつつ上下方向に延びる左右一対の補強リブ301が形成されている。図9では、右側の補強リブ301のみ図示するが、左側にも同様の補強リブ301が設けられている。左右の補強リブ301の上端側には、ネジ穴342が左右方向に凹むように設けられている。左右の補強リブ301の下端側には、丸穴343が左右方向に貫通するように設けられている。
【0049】
図8及び図9に示すように、ロアシュート100と、基板カバー200とは、第1ネジ41を基板カバー200の下方から丸穴241A及び丸穴241Bを介して有底ネジ穴141A、141Bにねじ込むことにより、4か所で強固に連結される。
【0050】
また、図7及び図9に示すように、ロアシュート100及び基板カバー200と、リヤカバー300とは、以下に示すように4か所で強固に連結される。即ち、第2ネジ42がロアシュート対向部120L、120Rの丸穴142を介してリヤカバー300の有底ネジ穴342に左右方向からねじ込まれる。第3ネジ43がリヤカバー300の丸穴343を介して基板カバー対向部220L、220Rのネジ穴243にねじ込まれる。以上のようにして、ロアシュート100及び基板カバー200と、リヤカバー300とは、4か所で強固に連結される。
【0051】
図6等に示すように、電源ユニット3は、筐体8内における第1揺動軸心X1の下方、かつ下側搬送面110Aの下方に設けられている。電源ユニット3は、家庭用コンセントの交流電圧を直流電圧に変換して、読取部70に給電するACアダプタである。図2に示すように、筐体8の背面には、接続穴8Eが設けられている。接続穴8Eには、家庭用コンセントと電源ユニット3とを電気的に接続する電源ケーブル99の一端側が嵌め込まれる。
【0052】
図6等に示すように、基板5は、筐体8内において、電源ユニット3の下方に設けられている。基板5は、左右方向及び前後方向に扁平に延びる板状とされている。基板5は、図示しない電気配線により、電源ユニット3と読取部70とに電気的に接続されて、読取部70を制御するものである。
【0053】
図6及び図12等に示すように、基板5とロアシュート本体110との間には、基板カバー本体210の水平部210A及び前側傾斜部210Bが前後方向及び左右方向に延びるように位置している。また、基板カバー対向部220L、220Rは、基板カバー本体210に連続して、基板5を左右から挟んでいる。こうして、基板5は、基板カバー200により、上方、前方、左方及び右方から覆われている。
【0054】
なお、図12に示すように、基板カバー200を上方から見下ろした場合、基板カバー200における基板5から外れた位置である前側傾斜部210Bには、矩形状の貫通穴291L、291Rが形成されている。そして、図6及び図12に示すように、前側傾斜部210Bには、貫通穴291L、291Rの周囲を囲むように衝立状に立ち上がる衝立部292L、292Rが形成されている。貫通穴291L、291Rには、例えば、基板5と読取部70とを電気的に接続する配線ケーブル等が挿通される。
【0055】
また、図6及び図12等に示すように、電源ユニット5とロアシュート本体110との間には、電源カバー280の上壁280Uが位置している。また、電源ユニット5の前方及び側方には、電源カバー280の前壁280F及び左右の側壁280L、280Rが位置している。こうして、電源ユニット3は、電源カバー280により、上方、前方、左方及び右方から覆われている。さらに、図6等に示すように、基板5及び電源ユニット3は、リヤカバー300により後方から覆われている。
【0056】
図5及び図6に示すように、読取部70は、筐体8内において、ロアシュート100等に組み付けられている。読取部70は、供給ローラ71、分離パッド72、画像読取センサ73A、73B、第1搬送ローラ74、従動ローラ75、第2搬送ローラ76、従動ローラ77及び図示しない重送センサ等を備える。供給ローラ71、第1搬送ローラ74及び第2搬送ローラ76は、本発明の「搬送ローラ」の一例である。
【0057】
図10に示すように、ロアシュート本体110には、上下方向に貫通する開口191、192、193が形成されている。
【0058】
図6及び図7等に示すように、供給ローラ71は、その外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口191を介して搬送経路P1に露出させている。図6及び図10に示すように、ロアシュート本体110において、開口191の下方には、小さな開口191Aが形成されている。開口191Aは、例えば、ロアシュート100に装着される部品との係合等に利用されるものである。開口191と供給ローラ71との隙間、及び開口191Aを介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0059】
図6及び図7等に示すように、第1搬送ローラ74は、その外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口192を介して搬送経路P1に露出させている。開口192と第1搬送ローラ74との隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0060】
第2搬送ローラ76は、その外周面の一部を下側搬送面110Aの下方から開口193を介して搬送経路P1に露出させている。開口193と第2搬送ローラ76との隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0061】
図6等に示すように、従動ローラ75は、第1搬送ローラ74に対して、搬送経路P1を挟んで上方に位置して、第1搬送ローラ74に押圧されている。従動ローラ77は、第2搬送ローラ76に対して、搬送経路P1を挟んで上方に位置して、第2搬送ローラ76に押圧されている。
【0062】
図示しない重送センサは、その上方を向く検出面を下側搬送面110Aの下方から図示しない開口を介して搬送経路P1に露出させている。開口と重送センサとの隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0063】
図5に示すように、読取部70は、供給ローラ71、分離パッド72、第1搬送ローラ74、従動ローラ75、第2搬送ローラ76及び従動ローラ77により、載置面51に載置されたシート9を一枚ずつ分離し、搬送経路P1に沿って搬送する。この際、下側搬送面110Aは、搬送されるシート9の幅方向に延び、かつ搬送経路P1における搬送方向D1の上流端から下流端まで延びて、搬送されるシート9を下方から支持する。また、図示しない重送センサは、搬送されるシート9が一枚か否かを検知する。
【0064】
そして、読取部70は、その搬送経路P1の途中において、画像読取センサ73A、73Bにより、シート9の両面の画像を読み取る。画像読取センサ73A、73Bとしては、例えば、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等が採用される。このような読取部70の動作は、基板5の制御により行われる。
【0065】
排出トレイ6は、図1及び図5に示すように、筐体8に対して引き出し及び収容可能に設けられている。図1に示すように、排出トレイ6が筐体8に収容されている状態において、排出トレイ6の前端面のみが外部に露出した状態となっている。排出トレイ6が引き出されると、図5に示すように、排出トレイ6は、筐体8の前方で排出面6Aを、上方に向けた状態となる。
【0066】
基板5の制御により、読取部70により画像を読み取られたシート9がさらに搬送経路P1に沿って搬送されると、そのシート9は、排出面6Aに排出される。載置面51に複数枚のシート9が載置された場合には、1枚ずつシート9が搬送経路P1に沿って搬送されて、画像を読み取られた後、排出面6Aに順番に積み重なるように排出される。
【0067】
なお、図2、図6及び図7に示すように、供給トレイ50が使用位置から収容位置に変位すると、ロアシュート本体110における第1揺動軸心X1側の端縁110Eと、供給トレイ50における第1揺動軸心X1側の端縁50Eとが上下方向に離間してなる隙間30が形成される。
【0068】
また、画像読取装置1は、図2及び図3等に示すように、隙間カバー39を備える。隙間カバー39は、第1揺動軸心X1に対して平行、かつ第1揺動軸心X1に対して下方に位置する第2揺動軸心X2周りに揺動可能に筐体8に支持されている。
【0069】
図2及び図6に示すように、隙間カバー39は、供給トレイ50が収容位置にある場合に隙間30を覆う。隙間カバー39は、供給トレイ50が使用位置まで揺動するのに連動して第2揺動軸心X2周りに揺動し、図3及び図6等に示すように、供給トレイ50の下方に退避するようになっている。
【0070】
また、画像読取装置1は、図4に示すように、左右一対の幅規制ガイド55L、55Rを備える。幅規制ガイド55L、55Rは、載置面51上から下側搬送面110A上まで、搬送方向D1と平行にリブ状に延びている。幅規制ガイド55L、55Rの搬送方向D1の中間部には、連結部56L、56Rが設けられている。図6及び図7に示すように、連結部56L、56Rは、供給トレイ50が収容位置又は使用位置に変位する場合、幅規制ガイド55L、55Rが第1揺動軸心X1周りに折れ曲がり、又は展開することを許容する。
【0071】
図10に示すように、ロアシュート本体110には、第1揺動軸心X1側の端縁110Eの近くに形成され、左右方向に細長いガイドレール形状とされて、上下方向に貫通する開口195が形成されている。左右の幅規制ガイド55L、55Rは、開口195に案内されて、左右方向にスライド可能となっている。開口195と幅規制ガイド55L、55Rとの隙間を介して、下側搬送面110Aの上方と下方とが連通している。
【0072】
左右の幅規制ガイド55L、55Rがセンター基準で幅方向に互いに接近又は離反して、載置面51に載置されるシート9の幅方向の位置決めすることにより、この画像読取装置1は、例えば、名刺サイズからA4サイズまでの複数サイズのシートに形成された画像を読み取ることができる。
【0073】
<作用効果>
実施例の画像読取装置1では、装置自体に対して上方から水がかかる場合がある。例えば、供給トレイ50が使用位置にある場合において、水が図4に示す経路R1を沿って載置面51上を伝い、下側搬送面110Aが水で濡れる場合がある。また、例えば、供給トレイ50が収容位置にある場合において、図6に示す経路R2等に沿って供給トレイ50と隙間カバー39との間から隙間30を介して筐体8内に水が侵入し、下側搬送面110Aが水で濡れる場合がある。そうすると、図6及び図7等に示すように、その水は、開口191と供給ローラ71との隙間、開口192と第1搬送ローラ74との隙間、開口193と第2搬送ローラ76との隙間、図示しない開口と図示しない重送センサとの隙間、又は開口195と幅規制ガイド55L、55Rとの隙間から下側搬送面110Aの下方に侵入するおそれがある。このような場合であっても、下側搬送面110Aと基板5との間に設けられた基板カバー200の水平部210A、前側傾斜部210B、左側傾斜部210L及び右側傾斜部210Rにより、その侵入した水が遮られる。その結果、この画像読取装置1は、筐体8内に侵入した水が基板5に到達することを抑制できる。
【0074】
したがって、実施例の画像読取装置1は、水の侵入による基板5の故障を抑制できる。
【0075】
また、この画像読取装置1において、下側搬送面110Aは、搬送方向D1の上流端から搬送方向D1の下流端に向けて下り傾斜している。この構成により、下側搬送面110Aが水平である場合と比較して、装置の小型化を実現し易い。
【0076】
さらに、この画像読取装置1において、基板カバー200は、少なくとも基板5の上方を覆う基板カバー本体210と、左右方向から基板カバー本体210を挟むように一体に設けられた一対の基板カバー対向部220L、220Rとを有する。この構成により、筐体8を補強できるので、筐体8の強度を向上させ易い。
【0077】
また、この画像読取装置1では、図9に示す補助線H1、H2を比較して判るように、下側搬送面110Aが傾斜する方向と同じ方向に基板カバー本体210が傾斜している。この構成により、下側搬送面110Aと基板カバー本体210とが同じ方向に傾斜しつつ上下に配置されるので、筐体8の強度を一層向上させ易い。
【0078】
さらに、この画像読取装置1では、筐体8内において下側搬送面110Aと電源ユニット3との間に電源カバー280が設けられている。そして、電源カバー280は、上壁280U、前壁280F及び左右の側壁280L、280Rにより、電源ユニット3の上方、前方、左方及び右方が覆っている。この構成により、例えば、供給トレイ50が収容位置にある場合において、図6に示す経路R3等に沿って隙間カバー39とリヤカバー300の間から筐体8内に水が侵入する場合でも、その侵入した水が電源カバー280に遮られるので、電源ユニット3への水の到達を抑制できる。また、電源カバー280が基板カバー200と一体であることにより、部品点数を削減できる。
【0079】
また、この画像読取装置1において、第1ネジ41は、ロアシュート100に下向きに凹むように設けられた有底ネジ穴141A、141Bに対して、下方から基板カバー200の丸穴241A及び丸穴241Bを介してねじ込まれることにより、ロアシュート100と基板カバー200とを連結する。この構成により、ロアシュート100の上側にネジやネジ穴が露出しないので、シート9の搬送の邪魔にならなない。また、第1ネジ41の締結箇所から水が侵入するおそれもない。
【0080】
さらに、この画像読取装置1において、リヤカバー300はロアシュート100及び基板カバー200に連結されて、筐体8の背面を構成している。この構成により、図9に示す補助線H1、H2、H3を比較して判るように、組み合わさるロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300が左右方向から見て、チャンネル形状又は三角形状となる。その結果、この画像読取装置1は、筐体8の強度を一層向上させ易い。
【0081】
また、この画像読取装置1において、基板カバー200、ロアシュート100及びリヤカバー300は樹脂製である。この構成により、基板カバー200に関し、基板5を覆う形状を容易に形成できるので、基板カバー200の形状自由度が向上する。例えば、基板カバーが金属製の場合、基板カバーに衝立部292L、292Rのような液体侵入防止部材を設けるのは困難である。また、例えば、基板カバーが金属製の場合、基板カバーを前側傾斜部210B等のような液体が一定の方向に流れるように液体を誘い込む構成とすることは困難である。しかし、本実施例における基板カバー200は、樹脂製であることから、形状自由度が向上するため、上記のような構成をとることが可能となる。従って、水が基板5に到達することを確実に防止できる。また、ロアシュート100に関し、形状自由度が向上するので、下側搬送面110Aの形状をシート9の搬送に好適な形状にし易い。さらに、リヤカバー300に関し、形状自由度が向上するので、装置外観の意匠性を向上させ易くなる。また、この構成により、図9に示す補助線H1、H2、H3を比較して判るように、組み合わさる樹脂製のロアシュート100、基板カバー200及びリヤカバー300が左右方向から見て、チャンネル形状又は三角形状となる。従って、板金等により筐体8を補強しない場合においても筐体8の強度を向上できる。よって、画像読取装置1の重量を軽減でき、かつコストダウンを図ることができる。
【0082】
さらに、この画像読取装置1において、第2ネジ42は、左右方向からねじ込まれることにより、リヤカバー300とロアシュート100とを連結し、第3ネジ43も、左右方向からねじ込まれることにより、リヤカバー300と基板カバー200とを連結する。この構成により、第2ネジ42及び第3ネジ43の締結箇所をサイドカバー400L、400Rによって筐体8内に隠し易くなり、外観品位を向上させ易い。
【0083】
また、この画像読取装置1において、図12に示すように、基板カバー200を上方から見下ろした場合、基板カバー200における基板5から外れた位置に貫通穴291L、291Rが形成されている。そして、基板カバー200には、貫通穴291L、291Rの周囲を囲む衝立部292L、292Rが形成されている。衝立部292L、292Rは、図6に示すように、衝立状に立ち上がっている。この構成により、水が基板5に到達することを確実に防止しつつ、一端側が基板5に接続される電気配線の取り回しを容易に行える。
【0084】
さらに、この画像読取装置1において、ロアシュート100は、上面に下側搬送面110Aが形成されたロアシュート本体110と、下側搬送面110Aを左右方向から挟むように設けられた一対のロアシュート対向部120L、120Rを有する。この構成により、筐体8を補強できるので、筐体8の強度を向上させ易い。
【0085】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0086】
例えば、ロアシュート100に関し、下側搬送面110Aは水平方向に延びていてもよい。また、ロアシュート本体110とロアシュート対向部120L、120Rとが別体であってもよい。
【0087】
また、例えば、基板カバー200に関し、基板カバー本体210と基板カバー本体対向部220L、220Rとが別体であってもよく、基板カバー200と電源カバー280とが別体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、例えば、画像読取装置、画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…シート搬送装置(画像読取装置)、9…シート、P1…搬送経路
8…装置本体(筐体)、70…処理部(読取部)、5…基板
3…電源(電源ユニット)、D1…搬送方向、100…ロアシュート
110A…下側搬送面、120L、120R…ロアシュート対向部
191、192、193、195…開口
71、74、76…搬送ローラ(71…供給ローラ、74…第1搬送ローラ、76…第2搬送ローラ)
200…基板カバー、280…電源カバー、300…リヤカバー
210…基板カバー本体、220L、220R…基板カバー対向部
41…第1ネジ、42…第2ネジ、43…第3ネジ
141A、141B…有底ネジ穴
291L、291R…貫通穴、292L、292R…衝立部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送経路を有する装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、前記搬送経路の途中で前記シートに処理を行う処理部と、
前記装置本体内に設けられ、前記処理部による前記処理を制御する基板とを備えるシート搬送装置であって、
前記装置本体は、搬送される前記シートの幅方向に延び、かつ前記搬送経路における搬送方向の上流端から下流端まで延びて、搬送される前記シートを下方から支持する下側搬送面が形成されたロアシュートを有し、
前記下側搬送面には、前記搬送経路と前記ロアシュートの下方とを連通させる開口が設けられ、
前記処理部は、外周面の一部を前記下側搬送面の下方から前記開口を介して前記搬送経路に露出させて前記シートを搬送する搬送ローラを有し、
前記基板は、前記下側搬送面の下方に位置し、
前記装置本体内において前記下側搬送面と前記基板との間には、少なくとも前記基板の上方を覆う基板カバーが設けられていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記下側搬送面は、前記搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜している請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記基板カバーは、少なくとも前記基板の上方を覆う基板カバー本体と、前記幅方向から前記基板カバー本体を挟むように一体に設けられた一対の基板カバー対向部とを有する請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記下側搬送面は、前記搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜している請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記基板カバー本体は、前記下側搬送面が傾斜する方向と同じ方向に傾斜している請求項4記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記装置本体内において前記下側搬送面の下方に設けられ、前記処理部に給電する電源を備え、
前記装置本体内において前記下側搬送面と前記電源との間には、少なくとも前記電源の上方を覆い、かつ前記基板カバーと一体である前記電源カバーが設けられている請求項1乃至5のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記ロアシュートと前記基板カバーとを連結する第1ネジを備え、
前記第1ネジは、前記ロアシュートに下向きに凹むように設けられた有底ネジ穴に対して、下方から前記基板カバーを介してねじ込まれている請求項1乃至6のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記基板カバーが樹脂製である請求項1乃至7のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記幅方向に延びる平板形状であり、前記ロアシュート及び前記基板カバーに連結されて、前記装置本体の背面を構成するリヤカバーを備える請求項1乃至7のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項10】
前記基板カバーが樹脂製である請求項9記載のシート搬送装置。
【請求項11】
前記ロアシュート及び前記リヤカバーが樹脂製である請求項10記載のシート搬送装置。
【請求項12】
前記リヤカバーと前記ロアシュートとを連結する第2ネジと、前記リヤカバーと前記基板カバーとを連結する第3ネジとを備え、
前記第2ネジ及び前記第3ネジは、前記幅方向からねじ込まれている請求項9乃至11のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項13】
上方から見下ろした場合、前記基板カバーにおける前記基板から外れた位置に貫通穴が形成されている請求項1乃至12のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項14】
前記基板カバーには、前記貫通穴の周囲を囲むように衝立状に立ち上がる衝立部が形成されている請求項13記載のシート搬送装置。
【請求項15】
前記ロアシュートは、前記下側搬送面を前記幅方向から挟むように設けられた一対のロアシュート対向部を有する請求項1乃至14のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項1】
シートを搬送する搬送経路を有する装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、前記搬送経路の途中で前記シートに処理を行う処理部と、
前記装置本体内に設けられ、前記処理部による前記処理を制御する基板とを備えるシート搬送装置であって、
前記装置本体は、搬送される前記シートの幅方向に延び、かつ前記搬送経路における搬送方向の上流端から下流端まで延びて、搬送される前記シートを下方から支持する下側搬送面が形成されたロアシュートを有し、
前記下側搬送面には、前記搬送経路と前記ロアシュートの下方とを連通させる開口が設けられ、
前記処理部は、外周面の一部を前記下側搬送面の下方から前記開口を介して前記搬送経路に露出させて前記シートを搬送する搬送ローラを有し、
前記基板は、前記下側搬送面の下方に位置し、
前記装置本体内において前記下側搬送面と前記基板との間には、少なくとも前記基板の上方を覆う基板カバーが設けられていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記下側搬送面は、前記搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜している請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記基板カバーは、少なくとも前記基板の上方を覆う基板カバー本体と、前記幅方向から前記基板カバー本体を挟むように一体に設けられた一対の基板カバー対向部とを有する請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記下側搬送面は、前記搬送方向の上流端から下流端に向けて下り傾斜している請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記基板カバー本体は、前記下側搬送面が傾斜する方向と同じ方向に傾斜している請求項4記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記装置本体内において前記下側搬送面の下方に設けられ、前記処理部に給電する電源を備え、
前記装置本体内において前記下側搬送面と前記電源との間には、少なくとも前記電源の上方を覆い、かつ前記基板カバーと一体である前記電源カバーが設けられている請求項1乃至5のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記ロアシュートと前記基板カバーとを連結する第1ネジを備え、
前記第1ネジは、前記ロアシュートに下向きに凹むように設けられた有底ネジ穴に対して、下方から前記基板カバーを介してねじ込まれている請求項1乃至6のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記基板カバーが樹脂製である請求項1乃至7のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記幅方向に延びる平板形状であり、前記ロアシュート及び前記基板カバーに連結されて、前記装置本体の背面を構成するリヤカバーを備える請求項1乃至7のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項10】
前記基板カバーが樹脂製である請求項9記載のシート搬送装置。
【請求項11】
前記ロアシュート及び前記リヤカバーが樹脂製である請求項10記載のシート搬送装置。
【請求項12】
前記リヤカバーと前記ロアシュートとを連結する第2ネジと、前記リヤカバーと前記基板カバーとを連結する第3ネジとを備え、
前記第2ネジ及び前記第3ネジは、前記幅方向からねじ込まれている請求項9乃至11のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項13】
上方から見下ろした場合、前記基板カバーにおける前記基板から外れた位置に貫通穴が形成されている請求項1乃至12のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項14】
前記基板カバーには、前記貫通穴の周囲を囲むように衝立状に立ち上がる衝立部が形成されている請求項13記載のシート搬送装置。
【請求項15】
前記ロアシュートは、前記下側搬送面を前記幅方向から挟むように設けられた一対のロアシュート対向部を有する請求項1乃至14のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−98675(P2013−98675A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238295(P2011−238295)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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