シート材搬送装置、画像読取装置および画像形成装置
【課題】シート材搬送方向長さが所定の長さよりも僅かに短い特定のシート材を連続搬送するときの紙間を短くすることができ、かつ、シート材搬送方向長さが、上記特定のシート材よりも十分に短いシート材の紙間が長くなるのを抑制することができるシート材搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート材搬送装置であるADF51は、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2、ピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が後端を検知するかしたら、次の原稿の搬送制御を開始する。
【解決手段】シート材搬送装置であるADF51は、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2、ピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が後端を検知するかしたら、次の原稿の搬送制御を開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のシート材を積載するシート材積載部からシート材を一枚ずつ分離して搬送するシート材搬送装置、並びにこのシート材搬送装置を備えた画像読取装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚のシート材たる原稿を重ねて載置するシート材積載部としての原稿台から画像読取手段によって原稿画像を読み取る読取位置まで原稿を一枚ずつ搬送するシート材搬送装置としての原稿自動搬送装置を備えた原稿読取装置が知られている。この原稿読取装置は、搬送手段としてのピックアップローラにより、原稿台上に載置された複数枚の原稿束のうち最上位に位置する原稿に搬送力を付与し、分離手段に向けて送り出す。分離手段は、給紙ローラと給紙ローラに当接して分離ニップを形成する分離部材とで構成されており、分離手段に搬送された原稿は、分離ニップで一枚に分離されて、読取位置へ搬送される。
【0003】
従来の原稿自動搬送装置において、原稿台上の複数の原稿を次のようにして連続搬送している。すなわち、分離ニップに対して搬送方向下流側に原稿の後端を検知する後端検知手段たる後端検知センサを備え、後端検知センサが分離ニップを通過した原稿(以下、前原稿という)の後端を検知したことをトリガとして次の原稿(以下、次原稿という)の搬送制御を開始する。上記後端検知センサとしては、反射型または透過型のフォトセンサによって原稿の紙面に光を当てて原稿の有無を検出することで原稿の後端が所定箇所を通過したことを検知している。
【0004】
作業の効率化が求められている今日、原稿自動搬送装置における原稿の連続搬送時における生産性の向上の要望はますます強くなっている。原稿自動搬送装置において、生産性を高めるためには、連続して搬送される前原稿と次原稿との間隔(以下、紙間とよぶ)をできるだけ狭めることが求められる。
【0005】
特許文献1には、分離ニップの下流側を前原稿の後端が通過したことを次原稿の搬送を開始するトリガとする構成で、分離ニップにおける原稿の搬送速度を読取位置における原稿の搬送速度よりも速い速度に設定した構成が記載されている。このような構成であれば、前原稿が読取位置を通過しているときに分離ニップを搬送される次原稿が前原稿の搬送速度よりも速い速度で搬送されるため、次原稿の搬送を開始したときよりも連続搬送時の紙間を狭めることができ、結果的に生産性を高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、読取位置における搬送の高速化に伴い、連続搬送時の紙間を十分に詰めるほどに分離手段における搬送速度と読取位置における搬送速度とに速度差を設けることは困難となる。よって、次原稿を搬送し始めた時点での紙間を従来よりも狭めることが望まれる。そこで、後端検知センサを分離ニップに近づけることが考えられる。しかしながら、前原稿とともに搬送された次原稿の先端が分離ニップよりも搬送方向に下流に突出することがある。よって、後端検知センサを分離ニップの近傍に配置した場合、分離ニップよりも搬送方向に下流に突出した次原稿の先端が後端検知センサと対向してしまうおそれがある。その結果、後端検知センサで前原稿の後端を検知することができなくおそれがあり、後端検知センサを分離部に十分に近づけることはできない。
【0007】
そこで、本出願人は、特願2009−213357号(以下、先願という)において、次のような画像読取装置を提案した。すなわち、先願の画像読取装置は、分離ニップよりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくる原稿の先端を検知する先端検知手段たる先端検知センサを備えている。また、分離ニップよりもシート材搬送方向下流で、先端検知センサよりもシート材搬送方向上流の所定の位置で搬送されてくる原稿の後端を検知する後端検知センサと、原稿台に載置された原稿の搬送方向長さが所定値以下か否かを検知する長さ検知手段とを備えている。そして、原稿台に載置された原稿の搬送方向長さが所定値未満のときは、先端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始し、原稿台に載置された原稿の搬送方向長さが所定値以上のときは、後端検知センサをトリガとして次原稿の搬送制御を開始する画像読取装置である。長さ検知手段は、原稿台に載置された原稿の原稿搬送長さが、特定サイズの原稿(例えば、A4横サイズ)よりも大きいか否かを検知している。また、先端検知センサは、分離ニップからの原稿搬送経路長が、上記特定サイズの原稿の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さとなる位置に配置されている。また、後端検知センサは、従来と同様、分離ニップよりも搬送方向に下流に突出した次原稿と対向しないところで、分離ニップになるべく近づけて配置する。
【0008】
特定サイズの原稿においては、長さ検知手段は、原稿の搬送方向長さが所定値未満と検知するので、先端検知センサが原稿の先端を検知したら、次原稿の搬送が開始される。上述したように、先端検知センサは、分離ニップからの原稿搬送経路長が、上記特定サイズの原稿の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さとなる位置に配置されているので、特定サイズの原稿においては、前原稿の後端が分離ニップを抜けてからすぐに、先端が先端検知センサにより検知される。これにより、前原稿の後端が分離ニップを抜けてからすぐに、次原稿の搬送制御が開始されることになり、特定サイズの原稿を連続搬送するときの紙間を短くすることができる。その結果、生産性を高めることができる。一方、長さ検知手段が、原稿の搬送方向長さが所定値以上と検知する特定サイズよりも搬送方向に長い原稿は、後端検知センサが原稿の後端を検知したことをトリガとして、次原稿の搬送制御を開始する。特定サイズよりも搬送方向に長い原稿の場合、先端検知センサの検知結果をトリガとして、搬送制御を開始すると、前の原稿の後端が分離ニップを抜けていない段階で、次原稿がピックアップローラにより分離ニップへ繰り出されるおそれがある。その結果、重送が発生するおそれがある。よって、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿のときは、後端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始することで、連続搬送時における重送を抑制することができる。
【0009】
先願の原稿読取装置においては、特定サイズの原稿よりも搬送方向に十分に短い原稿も、先端検知センサが原稿の先端を検知したことをトリガとして、次原稿の搬送制御を開始する。しかしながら、特定サイズの原稿よりも搬送方向に十分に短い原稿を、先端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始した場合、従来の後端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始する場合に比べて、生産性が低下してしまうという課題があった。この課題について、本出願人は、鋭意検討した結果、次のことがわかった。すなわち、特定サイズの原稿よりも搬送方向に十分に短い原稿においては、後端検知センサから先端検知センサまでの原稿搬送経路長よりも短い。このため、原稿の先端が先端検知センサを通過するよりも前に、原稿の後端が後端検知センサを通過することがわかったのである。
【0010】
また、上述の課題は、原稿自動搬送装置に限るものではなく、複数枚のシート材を収容するシート材積載部から一枚ずつシート材を搬送するシート材搬送装置であれば生じ得る。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、シート材搬送方向長さが所定の長さよりも僅かに短い特定のシート材を連続搬送するときの紙間を短くすることができ、かつ、シート材搬送方向長さが、上記特定のシート材よりも十分に短いシート材の紙間が長くなるのを抑制することができるシート材搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記搬送手段よって搬送されたシート材を一枚に分離する分離手段とを備えたシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、上記分離手段よりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記後端検知手段からのシート材搬送経路長が、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも短く、かつ、上記搬送手段からのシート材搬送経路長が、特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも長い位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する先端検知手段と、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート材搬送装置において、上記分離手段がシート材を分離する分離位置から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、上記制御手段は、後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記搬送手段による次のシート材の搬送を開始することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のシート材搬送装置において、上記搬送手段をシート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段を備え、上記分離手段は、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、シート材を一枚に分離するための分離部材とを有し、上記搬送手段から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、上記制御手段は、上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行うものであり、後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する搬送異常判定手段を備え、上記制御手段は、上記搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までのシート材搬送経路長が、上記分離位置から後端検知手段までのシート材搬送経路長よりも短く構成されており、上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、上記搬送手段によって搬送されたシート材を一枚に分離する分離部材とを備えた分離手段と、上記搬送手段を上記シート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段とを備え、上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行う制御手段を備えたシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記分離ニップから、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第1先端検知手段と、上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記搬送手段から上記特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第2先端検知手段とを備え、上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、上記第2先端検知手段が、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先にシート材の先端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、搬送手段でシート材の搬送を開始し、上記後端検知手段が、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するよりも先にシート材の後端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接したタイミングで、搬送手段でシート材の搬送を開始するよう制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のシート材搬送装置において、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第1の搬送異常判定手段を備え、上記制御手段は、上記第1の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6または7のシート材搬送装置において、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第2の搬送異常判定手段を備え、上記制御手段は、上記第2の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項4、7または8のシート材搬送装置において、搬送異常によりシート材の搬送が停止したときは、上記長さ検知手段に異常がある旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までの距離が、上記分離位置から後端検知手段までの距離よりも短く構成されており、上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第2先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第1待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第1先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、上記シート搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第2待機時間を経過するか、上記第2待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記搬送手段で次のシート材の搬送を開始することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至4、6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、シート材積載部に積載されたシート束の最上位のシート材を搬送する前に長さ検知手段によりシート材積載部上のシート材が所定の長さ以上か否かを検知し、次のシート材搬送以降は、最上位のシート材を搬送する前に検知した長さ検知手段の検知結果に基づいて、シート材の搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段よりもシート搬送方向上流側にシート材検知するシート材検知手段を設け、上記長さ検知手段が、シート材の長さが所定値未満と検知していても、上記シート材検知手段がシート材を検知しているときは、上記シート材の長さを、所定値以上と判定することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段は、シート材搬送方向長さが所定範囲内のシート材に関して、シート材の長さを検知することができるものであり、上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記長さ検知手段が検知したシート材長さ情報に基づいて、次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記先端検知手段が、シート材の先端を検知したことをトリガとして、カウントを開始し、そのカウント数が、シート材の長さに対応したカウント数となったら次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13または14のシート材搬送装置において、上記長さ検知手段のシート材検知範囲を、シート搬送方向に対して傾斜させたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1乃至15いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段を、シート材搬送方向に複数配置したことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、シート材としての原稿用紙を搬送する原稿搬送手段と、該原稿搬送手段によって搬送される原稿用紙の原稿画像を読み取る読取手段とを備えた画像読取装置において、上記原稿搬送手段として、請求項1乃至16のいずれかのシート材搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、画像読取手段と、該画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、該画像読取手段として、請求項17の画像読取装置を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、長さ検知手段が、シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、先端検知手段がシート材の先端を検知するか、後端検知手段が後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始するので、次のような効果を得ることができる。すなわち、シート搬送方向長さが、長さ検知手段が検知する所定の長さよりも僅かに短い特定のシート材は、先端検知手段の検知結果に基づいて、次のシート材の搬送制御が開始され、上記特定のシート材よりも搬送方向長さが十分に短いシート材については、後端検知手段の検知結果に基づいて、次のシート材の搬送制御が開始される。
特定のシート材に関しては、後端検知手段から先端検知手段までのシート材搬送経路長よりも、シート搬送方向長さが長いので、後端検知手段がシート後端を検知するよりも早く先端検知手段がシート材の先端が検知され、次のシート材の搬送制御が開始される。これにより、全てのサイズについて後端検知手段の検知結果に基づいて次のシートの搬送制御を開始するものに比べて、特定のシート材を連続搬送するときの紙間を短くすることができ、特定のシート材を連続搬送時の生産性を高めることができる。
一方、上記特定のシート材よりも搬送方向長さが十分短いシート材は、シート材のシート材搬送方向長さが後端検知手段から先端検知手段までのシート材搬送経路長よりも短いので、先端検知手段がシート材の先端を検知するよりも前に、シート材の後端が後端検知手段により検知され、次のシート材搬送制御が開始される。これにより、先願のように、シート材搬送方向長さが、特定のシート材のシート材搬送方向長さ以下のシート材全て、先端検知手段がシート材の先端を検知して次のシート材の搬送制御を開始する場合に比べて、シート材のシート材搬送方向長さが、上記特定のシート材よりも十分に短いシート材を連続搬送するときの紙間を、短くすることができる。その結果、特定のシート材よりも十分に短いシート材を連続搬送するときの生産性の低下を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、シート材搬送方向長さが、特定のシート材よりもよりも長いシート材は、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始するので、先願と同様、重送などが生じることなく、次のシート材を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】同複写機における画像形成部の一部を拡大して示す部分構成図。
【図3】同画像形成部における4つのプロセスユニットからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図。
【図4】同複写機のスキャナ及びADFを示す斜視図。
【図5】同ADFをスキャナの上部とともに示す概略構成図。
【図6】ADF全体の制御ブロック図。
【図7】固定画像読取部の制御部ブロック図。
【図8】ADFの原稿セット部、分離搬送部、レジスト部、ターン部の途中まで概略説明図。
【図9】特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図10】特定サイズよりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図11】図10に示した原稿よりも搬送方向長さがさらに短いサイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図12】特定サイズよりも搬送方向長さが十分に長いサイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図13】次原稿の搬送制御の制御フロー図。
【図14】連続搬送時における原稿載置台上の原稿の挙動について説明する図。
【図15】異常検知処理の制御フロー図
【図16】原稿サイズ混載モードが設定されているときにおける原稿搬送の様子を説明する図。
【図17】原稿サイズ混載モードが設定されているときにおける次原稿の搬送制御の制御フロー図。
【図18】特定サイズ長さ検知センサとして、ラインセンサを用いた構成のADFの原稿セット部、分離搬送部、レジスト部、ターン部の途中まで概略説明図。
【図19】特定サイズ長さ検知センサとして、ラインセンサを用いた構成のADFにおいて、特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図20】ラインセンサからなる特定サイズ長さ検知センサS4を、原稿搬送方向に対して傾けた構成を示す図。
【図21】特定サイズ長さ検知センサを複数設け構成のADFにおいて、特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図22】特定サイズ長さ検知センサを複数設け構成のADFにおける搬送制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機500という)に適用した実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機500の基本的な構成について説明する。
図1は、複写機500を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成装置としての画像形成部1と、転写紙供給装置40と、画像読取ユニット50とを備えている。画像読取装置としての画像読取ユニット50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持されるシート材搬送装置としての原稿自動搬送装置(以下、ADFという)51とを有している。
【0016】
転写紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの転写紙給紙カセット42、転写紙給紙カセット42から転写紙を送り出す転写紙送出ローラ43、送り出された転写紙を分離して転写紙給紙路44に供給する転写紙分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の搬送路としての本体側転写紙給紙路37に、シート状部材としての転写紙を搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、転写紙給紙カセット42内の転写紙を画像形成部1内の本体側転写紙給紙路37内に給紙する。
【0017】
画像形成手段としての画像形成部1は、光書込装置2や、黒,イエロー,マゼンタ,シアン(K,Y,M,C)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、本体側転写紙給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
【0018】
図2は、画像形成部1の内部構成の一部を拡大して示す部分構成図である。また、図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。
【0019】
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。一つのプロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。複写機500では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
【0020】
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0021】
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
【0022】
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュ8、これらスクリュ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
【0023】
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ13は、ドクタブレード14との対向位置から現像スリーブ12の回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ12上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ12表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ12表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
【0024】
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、磁気ブラシを形成し、現像スリーブ12に担持され現像領域を通過した二成分現像剤は、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。現像装置6としては、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
【0025】
ドラムクリーニング装置15としては、弾性体からなるクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュ20上に落下する。回収スクリュ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡された回収トナーを現像装置6に送ってリサイクルする。
【0026】
除電ランプ22は、光照射によって感光体4の表面を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。複写機500では、帯電装置5として帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いているが、感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
【0027】
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
【0028】
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと、中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら一次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0029】
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの二次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
【0030】
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、図示しないレジストローラセンサが配設されている。転写紙供給装置40からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる転写紙Pは、その先端が不図示のレジストローラセンサに検知された所定時間後に転写紙Pの搬送が一時停止し、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、転写紙Pの姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。
【0031】
転写紙Pの先願がレジストニップに突き当たると、レジストローラ対33は、転写紙Pを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングでローラ回転駆動を再開して、転写紙Pを二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
【0032】
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25のおもて面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
【0033】
定着装置34に搬送された転写紙Pは、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外の排紙トレイ501へと排出される。
【0034】
先に示した図1において、紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。これにより、両面プリントを行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pの搬送経路が、切換爪によってスイッチバック装置36側に切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ501上に排紙される。
【0035】
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150やこれの上に固定されたADF51からなる画像読取ユニット50は、固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第二コンタクトガラス155の直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス155上に載置された図示しない原稿MSの下面で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ150に固定された画像読取センサ153で受光する。
【0036】
一方、画像読取ユニット50は固定読取部として、スキャナ150の内部に配設された第一固定読取部151と、ADF51内に配設された後述する第二固定読取部95とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する第一固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第一コンタクトガラス154の直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス154上を通過する際に、光源から発した光を原稿MSの第一面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第一面を走査する。また、第二固定読取部95は、第一固定読取部151を通過した後の原稿MSの第二面を走査する。
【0037】
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、シート材としての原稿MSを搬送するための原稿搬送部54、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第一コンタクトガラス154や第二コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第二コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
【0038】
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第一固定読取部151やADF51内の第二固定読取部95に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、操作部108のコピースタートボタン158を押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に原稿搬送部54内に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第一固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第一面の画像がスキャナ150の第一固定読取部151によって読み取られる。
【0039】
次に、ADF51について説明する。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。ADF51は、原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部D、第一読取搬送部E、第二読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。本実施形態のADF51の原稿搬送部54は、分離搬送部Bの下流側の後端検知手段たる後端検知センサS3による検知位置から、読取入口ローラ対90までの原稿MSが搬送される経路を構成する部分である。
【0040】
原稿セット部Aは、原稿MSの束の第一面が上方となるようにセットされるシート材積載部としての原稿載置台53等を有している。分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させて、原稿MSの第一面を下方に向けるものである。第一読取搬送部Eは、第一コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第一コンタクトガラス154の下方からスキャナ150の内部に配設されている第一固定読取部151に原稿MSの第一面を読み取らせるものである。第二読取搬送部Fは、第二固定読取部95の下方に配置された第二読取ローラ96によって原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第二面を第二固定読取部95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
【0041】
図6は、ADF51全体の制御ブロック図である。ADF51の制御手段たる制御部は、原稿の搬送動作の駆動を行う駆動部である各モータ101〜105、113〜115、各種センサ部、固定画像読取部300(第一固定読取部151または第二固定読取部95)、一連の動作を制御するコントローラ100等から構成されている。
【0042】
図7は、固定画像読取部300の制御部ブロック図である。同図に示すように、固定画像読取部300は、LEDアレイ、蛍光灯、あるいは冷陰極管などからなる光源部200を有している。また、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップ201、それぞれのセンサチップ201に個別に接続された複数のOPアンプ回路202、それぞれのOPアンプ回路202に個別に接続された複数のA/Dコンバータ203も有している。更には、画像処理部204、フレームメモリ205、出力制御回路206、I/F回路207なども有している。
【0043】
センサチップ201は、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。固定画像読取部300による読取位置に図示しない原稿が進入するのに先立って、コントローラ100から光源部200に点灯ON信号が送られる。これにより、光源部200が点灯し、その光を図示しない原稿の第2面に向けて照射する。原稿の第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ201において、集光レンズによって光電変換素子に集光されて画像情報として読み取られる。それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像情報は、OPアンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタル画像情報に変換される。これらデジタル画像情報は、画像処理部204に入力されてシェーディング補正などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶される。その後、出力制御回路206によって本体制御部111に受入可能なデータ形式に変換された後、I/F回路107を経由して本体制御部111に出力される。なお、コントローラ100からは原稿の先端が固定画像読取部300による読取位置に到達するタイミング(そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる)を知らせるためのタイミング信号や光源の点灯信号、電源等が出力されるようになっている。
【0044】
読取を行う原稿MSは、原稿先端部を支持し原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能な可動原稿テーブル53bと、原稿後端側を支持する固定原稿テーブル53aとから構成される原稿載置台53上に、第一面が上向きとなるように載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(原稿MSの搬送方向に直交する方向で、図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置決めがなされる。
このようにして原稿載置台53にセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル53bの上方で揺動可能に配設されたレバー部材であるセットフィラー62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ100に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ100からインターフェイス回路(以下、I/F107と呼ぶ)を介して画像読取ユニット50の本体制御部111に送信される。
【0045】
また、固定原稿テーブル53aには、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサ又は原稿一枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサからなる複数の原稿長さセンサ(S4、57、58a、58b)が配置されている。これらの原稿長さセンサにより、原稿MSの搬送方向の長さの概略が判定される(少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なセンサ配置が必要)。
【0046】
可動原稿テーブル53bの上方には搬送手段たるピックアップローラ80が配置されている。
可動原稿テーブル53bは、底板上昇モータ105の駆動により、駆動する接離手段たるカム機構によって図中矢印a、b方向に揺動する。原稿MSが原稿載置台53にセットされたことをセットフィラー62や原稿セットセンサ63で検知すると、コントローラ100は底板上昇モータ105を正転させて束状の原稿MSの最上面がピックアップローラ80と接触するように可動原稿テーブル53bを上昇させる。
搬送手段たるピックアップローラ80は、ピックアップ昇降モータ101によって駆動する接離手段たるカム機構により、図中矢印c、d方向に移動可能となっている。また、ピックアップローラ80は、可動原稿テーブル53bが上昇して可動原稿テーブル53b上の原稿MSの上面により押されて図中矢印c方向に上がる。これをテーブル上昇センサ59で検知することにより、可動原稿テーブル53bの上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップ昇降モータ101が停止するとともに底板上昇モータ105が停止する。また、給紙を繰り返すことで原稿上面位置が下がりテーブル上昇センサ59が検知しなくなったら、テーブル上昇センサ59が再び検知するまで可動原稿テーブル53bを上昇させる。このような制御を繰り返すことにより、常に原稿束上面位置が給紙に適した高さに維持される。
【0047】
操作部108よりコピースタートボタン158が押下され、本体制御部111からI/F107を介してADF51の制御部であるコントローラ100に原稿給紙信号が送信される。これにより、給紙モータ102が駆動してピックアップローラ80が回転駆動し、原稿載置台53上の数枚(理想的には1枚)の原稿MSをピックアップする。ピックアップローラ80の回転方向は、最上位の原稿MSを給紙口48に搬送する方向である。
【0048】
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、搬送部材たる給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ102の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ102の正転によって図中時計回りに回転駆動される分離部材たるリバースローラ85が当接して、分離位置としての分離ニップを形成している。この分離ニップにおいては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとするが、リバースローラ85の駆動伝達部には不図示のトルクリミッターがあり、給紙方向に向かう力がトルクリミッターのトルクよりも大きいとリバースローラ85は給紙方向に表面移動するように回転する。リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは分離ニップに原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、給紙ベルト84又は原稿MSに連れ回る。但し、分離ニップに複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているため、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙方向とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。これにより、重送が防止される。
【0049】
給紙ベルト84やリバースローラ85の作用によって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、給紙ベルト84によって更に送られ、突き当てセンサ72によって先端が検知されつつ、更に進んで停止しているプルアウトローラ対86に突き当たる。その後、突き当てセンサ72による先端の検知から所定時間だけ給紙モータ102を駆動させて、停止する。これにより、原稿MSが突き当てセンサ72による検知位置から所定量定められた距離だけ送られ、結果的には、原稿MSがプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙ベルト84による原稿MSの搬送が停止する。
突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたときに、ピックアップ昇降モータ101を回転させることでピックアップローラ80を原稿MSの上面から退避させ原稿MSを給紙ベルト84の搬送力のみで送る。これにより、原稿MSの先端は、プルアウトローラ対86の上下のローラによって形成されるニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
【0050】
プルアウトローラ対86は、上述したように、スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿MSを中間ローラ対66まで搬送するためのローラ対で、プルアウトモータ113により2つのローラのうちの一方が駆動される。また、プルアウトモータ113を無くして、給紙モータ102の逆転によりプルアウトローラ対86の一方を駆動してもよい。また、このとき(給紙モータ102逆転時)は、ピックアップローラ80および駆動ローラ82は駆動されないよう構成する。
プルアウトローラ対86によって送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知センサを原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に複数個並べたセンサであり、どの紙検知センサが原稿MSを検知するかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズを検知する。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSが突き当てセンサ72によって検知されなくなる(原稿MSの後端が通過する)までのタイミングに基づいてモータパルスから検知する。
【0051】
プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の駆動によって搬送される原稿MSは、中間ローラ対66及び読取入口ローラ対90によって搬送されるターン部Dに進入する。
中間ローラ対66はプルアウトローラ対86の駆動源であるプルアウトモータ113と、読取入口ローラ対90の駆動源である読取入口モータ114との両方のモータから駆動が伝達される構成となっている。そして、2つのモータのうち、回転速度が速くなる側のモータの駆動によって回転速度が決まる機構を備えている。
画像読取ユニット50では、プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿MSが搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定しており、原稿MSを第一読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られている。このとき、中間ローラ対66はプルアウトモータ113を駆動源として回転する。
【0052】
原稿MSの先端が読取入口センサ67により検出されると、読取入口ローラ対90の上下のローラによって形成されるニップに原稿MSの先端が進入前に、原稿MSの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度と同速にするために、プルアウトモータ113の減速を開始する。これと同時に、読取入口モータ114及び読取モータ103を正転駆動する。読取入口モータ114を正転駆動することで読取入口ローラ対90が搬送方向に回転駆動し、読取モータ103を正転駆動することで読取出口ローラ対92及び第二読取出口ローラ対93が搬送方向にそれぞれ駆動する。
【0053】
ターン部Dから第一読取搬送部Eに向かう原稿MSの先端をレジストセンサ65で検知すると、コントローラ100は、所定の時間をかけて各モータの駆動を減速することで、原稿MSの搬送速度を所定の搬送距離をかけて減速する。そして、コントローラ100は、第一固定読取部151による第一読取位置400の手前で原稿MSを一時停止するように制御すると共に、本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。
続いて、コントローラ100が本体制御部111より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿MSの原稿先端が第一読取位置400に到達するまでに、原稿MSの搬送速度が所定の搬送速度に立ち上がるように、読取入口モータ114及び読取モータ103の駆動を制御する。これにより、原稿MSは搬送速度が増速されつつ、第一読取位置400に向かって搬送される。そして、読取入口モータ114のパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第一読取位置400に到達するタイミングで、コントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第一面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第一読取位置400を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第一面が第一固定読取部151によって読み取られる。
【0054】
第一読取搬送部Eを通過した原稿MSは、読取出口ローラ対92のニップを通過した後、その先端が排紙センサ61によって検知され、さらに、その後、第二読取搬送部Fを通過して排紙部Gへと搬送される。
原稿MSの片面(第一面)のみを読み取る片面モードの場合には、第二固定読取部95による原稿MSの第二面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿の先端が検知されると、排紙モータ104の正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中上側の排紙ローラが図中反時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータ104のパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ104の駆動速度が減速せしめられて、原稿MSが原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙されるように制御される。
【0055】
一方、原稿MSの両面(第一面及び第二面)を読み取る両面モードの場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第二固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータ103のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第二面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第二固定読取部95による第二読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第二面が第二固定読取部95によって読み取られる。
【0056】
ここで両面モードか片面モードかを設定する際、原稿載置台53上にセットされた全ての原稿に対して同じように設定しても良いし、(1枚目、2枚目、・・・n枚目の)それぞれの原稿に対して異なる設定をしても良い(例えば、全10枚の原稿中、1枚目と10枚目は両面モード、その他は片面モード等)。
【0057】
読取手段としての第二固定読取部95は、密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。また、原稿MSが通過する搬送路を挟んで第二固定読取部95に対向する位置には、原稿MSを非読取面側(第一面側)から支持する原稿支持手段としての第二読取ローラ96が配設されている。この第二読取ローラ96は、第二固定読取部95による第二読取位置での原稿MSの浮きを抑えるとともに、第二固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。
【0058】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
生産性の向上や紙間制御の容易性の観点から、前原稿が分離位置である分離ニップを抜けて直ぐに次原稿を搬送するのが理想である。これは、プルアウトローラ対86に停止させておける時間を長くとることができ、このプルアウトローラの停止時間の制御で、紙間を制御することができることにより、生産性の向上や紙間制御を容易に行うことができるからである。
【0059】
従来、後端検知センサS3が原稿の後端を検知して次原稿の給紙を開始していた。前原稿が分離位置である分離ニップを抜けて直ぐに次原稿を搬送するためには、なるべく後端検知センサS3を分離ニップに近づけることが好ましいが、後端検知センサS3を分離ニップ近傍に配置することは、次の理由により困難であった。すなわち、後端検知センサS3を分離ニップ近傍に配置した場合、前原稿の後端が分離ニップを通過する前に次原稿の先端が分離ニップから突出した状態になったとき、次原稿の先端が後端検知センサS3に対向して、後端検知センサS3が前原稿の後端を検知することができないおそれがある。また、本実施形態においては、プルアウトローラに原稿の先端が突き当った後、スキュー補正を行うために、所定時間だけ給紙モータ102を駆動させて原稿MSをプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態にしている。このため、図5に示すように、原稿MSが撓めるように分離ニップ近傍に空間を有している。その結果、分離ニップ近傍における原稿の搬送経路が安定しない。よって、後端検知センサS3を分離ニップ近傍に配置した場合、原稿の後端を精度よく検知できない場合がある。このように、原稿の後端を精度よく検知するためには、ある程度、後端検知センサS3を分離ニップから離す必要があった。
また、原稿にパンチ穴が形成されている場合など、一時的にセンサが非検知となるような原稿の場合でも、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したと誤検知しないように次のように制御している。すなわち、後端検知センサS3が原稿を検知しなくなっても直ぐに原稿後端を検知したと判定せず、後端検知センサS3が原稿を検知しなくなってから所定時間経過してもセンサ出力が検知の状態に戻らないことを確認した段階で、後端検知センサS3が後端を検知した判定している。よって、後端検知センサS3をトリガして次原稿の搬送開始の制御を行う装置においては、生産性の向上に限界があった。
【0060】
そこで、先願においては、特定のサイズの原稿(A4横サイズやレター横サイズ)において、生産性を高めるために、先端検知センサを設けて、特定サイズの原稿以下のときは、この先端検知センサの検知結果をトリガにして、次原稿の搬送制御を開始する装置を提案した。しかし、先願においては、特定サイズよりも搬送方向長さが十分小さいサイズの原稿においては、先端検知センサをトリガにして次原稿の搬送を行うと、後端検知センサS3をトリガにして次原稿の搬送制御を開始する場合に比べて生産性が低下することがわかった。
【0061】
そこで、本実施形態においては、このような特定サイズよりも搬送方向長さが十分に小さい原稿においては、後端検知センサS3の検知結果をトリガして次原稿の搬送制御を開始できるように構成した。以下に、本実施形態の特徴点について具体的に説明する。
【0062】
図8は、ADF51の原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部Dの途中まで概略説明図である。
図8に示すように、本実施形態のADF51は、原稿MSの先端を検知する第1先端検知手段としてのピックアップ搬送開始センサS1を備えている。また、ピックアップ搬送開始センサS1よりも原稿搬送方向上流側には、原稿MSの先端を検知する第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2を備えている。また、原稿載置台53にセットした原稿MSのサイズが生産性を高めるべき対象のサイズ(以下、特定サイズという)か否かを判別するための長さ検知手段としての特定サイズ長さ検知センサS4を備えている。
【0063】
上記特定サイズは、ユーザーの使用頻度が高く、ゆえにユーザーからの生産性の要求が高い原稿サイズ(たとえばレター横)である。上記特定サイズ長さ検知センサS4は、特定サイズの搬送方向の長さ(レター横では216mm)がちょうど検出されない位置を基本とし、検知ばらつきなどを考慮してマージン(+α)も見込まれた位置に配置される。本実施形態においては、特定サイズを「レター横」にしているが、これは、ユーザーの要求に合った原稿サイズであれば良い。
【0064】
第1先端検知手段としてのピックアップ搬送開始センサS1は、このセンサS1が特定サイズ(レター横)原稿の先端を検知した際に、特定サイズ原稿の後端が分離ニップ(給紙ベルト84、リバースローラ85との当接部)を確実に抜けているとみなせる位置に配置されている。すなわち、分離ニップから特定サイズの搬送方向長さ(例えば:216mm)に必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置に配置される。上記マージンには、例えば、次原稿の先端が分離ニップよりも下流に突出することがあり、その突出量がマージンとして加えられる。また、ピックアップ搬送開始センサS1の検知ばらつきなども考慮して決められる。
【0065】
第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2は、このセンサS2が特定サイズ原稿(上記の例ではレター横)の先端を検知した際に、特定サイズ原稿の後端がピックアップローラ80の原稿との当接部を確実に抜けているとみなせる位置に配置している。すなわち、ピックアップローラ80から特定サイズ原稿(たとえば216mm)の搬送方向長さに必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置に配置される。上記マージンには、例えば、ピックアップ下降開始センサS2の検知ばらつきなどを考慮して決められたものである。
【0066】
ピックアップ搬送開始センサS1、ピックアップ下降開始センサS2、後端検知センサS3は、反射型フォトセンサであり、原稿を検知しているときは、ON信号がコントローラ100に送信され、原稿を検知していないときは、OFF信号がコントローラに送信される。コントローラ100は、ピックアップ搬送開始センサS1やピックアップ下降開始センサS2の信号が、ON信号であるとき、原稿の先端を検知したと判定する。これは、OFF信号からON信号に切り替わるタイミングを監視する場合、処理遅延でONに切り替わったタイミングを見逃してしまうと、その後の処理が行えないおそれがある。一方、ON信号かOFF信号かを監視し、ON信号のとき、原稿の先端を検知したと判定する場合は、処理遅延でONに切り替わったタイミングを見逃しても、それなりの遅延で制御を行うことができる。また、コントローラ100は、パンチ穴原稿等、穴が開いた原稿が搬送される場合を考慮し、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されているとき、原稿の後端を検知したと判定する。しかし、後端検知の場合は、原稿が来る前のOFF信号なのか、原稿が抜けた後のOFF信号なのかを区別する必要がある。この場合、後端検知センサS3の信号がON信号からOFF信号に切り替わったことをトリガとして、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視すれば、原稿が抜けた後のOFF信号を監視することができる。しかし、上述同様、処理遅延でOFF信号に切り替わったタイミングを見逃してしまうと、その後の処理が行えないおそれがある。よって、コントローラ100は、後端検知センサS3の信号がON信号になったら、後端検知センサS3の信号が、OFF信号か否かを監視し、OFF信号であることを検知したら、給紙モータの駆動信号(例えばパルス数)に基づいて原稿の搬送量を検知して、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視する。これにより、処理遅延でOFF信号に切り替わったタイミングを見逃しても、それなりの遅延で後端検知の制御を行うことができる。原稿を所定量搬送している間に後端検知センサS3の信号が、ON信号となった場合には、コントローラ100は、再び、後端検知センサS3の信号が原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視する。
【0067】
図9は、特定サイズ(レター横)原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
特定サイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたとき、特定サイズ長さ検知センサS4はちょうど非検知となっている。この特定サイズの原稿が搬送されると、図9(a)に示すように、原稿の後端が後端検知センサS3を抜ける前に、原稿の先端がピックアップ下降開始センサS2に到達する。このとき、図9(a)に示すように、原稿の後端は、ピックアップローラ80との対向位置を抜けた位置に位置している。よって、特定サイズの原稿の場合は、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングで、ピックアップローラ80の下降を開始しても、ピックアップローラ80が、前原稿に当接することがない。このように、特定サイズの原稿が搬送されるときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングで、ピックアップローラ80の下降を開始することにより、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始する場合に比べて、紙間を詰めて搬送することが可能となる。
【0068】
また、図9(b)に示すように、原稿の後端が後端検知センサS3を抜けるまえに、原稿の先端がピックアップ搬送開始センサS1に到達する。このとき、図9(b)に示すように、原稿の後端は、分離ニップから僅かに下流側に位置している。このときの分離ニップから原稿後端の位置は、次の原稿の先端が分離ニップから突出していても、前原稿の後端は、次原稿の先端と重ならないところに位置している。よって、特定サイズの原稿の場合は、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、次原稿の搬送を開始しても重送が生じることなく、後端検知センサS3が原稿の後端を検知して原稿の搬送を開始する場合に比べて、紙間を詰めて搬送を行うことができる。
【0069】
図10は、特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿がセットされたときも特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となっている。図10に示すように、特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿が搬送された場合は、原稿の先端がピックアップ搬送開始センサS1に到達する前に原稿の後端が後端検知センサS3を抜ける。よって、特定サイズよりも十分短い原稿の場合は、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したタイミングで、次原稿の搬送を開始する方が、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、次原稿の搬送を開始するよりも、紙間を詰めて搬送を行うことができる。
【0070】
図11は、図10に示した原稿よりも搬送方向長さがさらに短いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
図11に示す原稿がセットされたときも特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となっている。このような原稿が搬送された場合は、原稿の先端がピックアップ下降開始センサS2に到達する前に原稿の後端が後端検知センサS3を抜ける。このような原稿の場合は、特定サイズの原稿のときと同様、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで原稿の搬送を開始すると、紙間が非常に広がってしまう。よって、この場合は、後端検知センサS3が、原稿の後端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿載置台53の次原稿に当接したら、次原稿の搬送を開始することにより、センサS1,S2の先端検知に基づいて、ピックアップローラ80の下降の開始や次原稿の搬送を開始する場合に比べて、紙間を詰めることができる。
【0071】
図12は、特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に長いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが長いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときは、特定サイズ長さ検知センサS4は原稿を検知している。
この場合は、図12に示すように、原稿の先端がピックアップ搬送開始センサS1を抜けるとき、原稿の後端は、ピックアップローラ80との対向位置よりも搬送方向下流側にある。よって、この場合は、特定サイズの原稿のときと同様、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始すると、前原稿とピックアップローラ80とが当接してしまう。その結果、ピックアップローラ80が搬送の抵抗となり、前原稿にスキューが生じるおそれがある。さらに、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで原稿の搬送を開始すると、重送が生じてしまう。よって、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿の場合は、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿束の原稿に当接したら、次原稿を搬送することにより、前原稿にスキューが生じたり、重送が生じることなく搬送することができる。
【0072】
次に、本実施形態における次原稿の搬送制御について、説明する。
図13は、次原稿の搬送制御の制御フロー図である。
図13に示すように、まず、本体制御部111よりI/F107を通じて要求される給紙開始命令が到着したか否かを検知(S1)して、命令が到着したら(S1でYes)、特定サイズ長さ検知センサS4の出力を確認する(S2)。特定サイズ長さ検知センサS4が原稿を検知しているとき(S2のNo)は、制御手段たるコントローラ100は、原稿載置台53にセットされた原稿が、特定サイズ以上であると判定し、原稿の先端検知による搬送制御を無効に設定する(S5)。
【0073】
一方、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿を検知していないとき(S2のYes)は、上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置されたシート材検知手段たる長さセンサ57、58a,58bが、原稿を検知しているか否かを検知する(S3)。上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置された長さセンサ57、58a,58bで原稿を検知する理由は、以下のとおりである。上記原稿載置台53には、折り曲げられて、折り癖(折り目)のついた原稿束がセットされる場合がある。このとき、原稿束の折り癖のついた部分が、原稿載置台53から浮き上がっていることがある。その折り癖のついた部分が、ちょうど、上記特定サイズ長さ検知センサS4と対向する位置にくると、上記特定サイズ長さ検知センサS4は、原稿を検知しない場合がある。その結果、実際には、特定サイズよりも搬送方向に長いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされているにもかかわらず、搬送方向長さが特定サイズ原稿よりも短い原稿束がセットされたと誤検知するおそれがある。このような誤検知を抑制するために、上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置された長さセンサ57、58a,58bで原稿を検知するのである。
【0074】
上記長さセンサ57、58a,58bが、原稿を検知しているとき(S3でNO)は、コントローラ100は、原稿載置台53にセットされた原稿が、特定サイズ以上であると判定し、原稿の先端検知による搬送制御を無効に設定する(S5)。一方、上記長さセンサ57、58a,58bが、原稿を検知していないとき(S3でYES)は、特定サイズの搬送方向長さよりも短い原稿束がセットされたと判定して、原稿の先端検知による搬送制御を有効に設定する(S4)。
【0075】
このように本実施形態においては、上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置された長さセンサ57、58a,58bの検知結果を含めて、原稿載置台53にセットされた原稿束が、特定サイズよりも搬送方向長さが短いか否かを検知することによって、セットされる原稿束に折り癖などがあっても、確実にセットされた原稿束が、特定サイズよりも搬送方向長さが短いか否かを検知することができる。
【0076】
次に、上述のように、原稿の先端検知による搬送制御の有効/無効を設定したら、原稿載置台53にセットされた原稿束の最上位の原稿の搬送を開始する(S6)。
【0077】
先端検知が無効のときは、搬送される原稿は、特定サイズ原稿よりも搬送方向長さが長い原稿であり、先の図12に示したように、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したとき、後端がピックアップローラ80よりも搬送方向上流側に位置している場合がある。よって、この場合は、先端検知を無効にして、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら(S7でNO,S8でYES)、ピックアップローラ80の下降を開始する(S9)。具体的には、コントローラ100は、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視し、原稿の後端が抜けて、原稿が所定量搬送される間OFF信号が入力され続けていたら、後端検知センサS3により、原稿の後端が検知されたと判定する。これにより、ピックアップローラ80が、前原稿と当接することがなくなり、前原稿にスキューなどが生じるのを抑制することができる。そして、ピックアップローラ80が原稿束の次の原稿に当接(ピックアップローラ80の下降完了)したら(S13でYES)、コントローラ100は、給紙モータ102を正回転させて、ピックアップローラ80と給紙ベルト84とを回転駆動させて、次源原稿の給紙動作を開始する(S14)。これにより、重送が生じることなく、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿を搬送することができる。ピックアップローラ80の下降が完了したか否かの判定は、ピックアップ昇降モータ101が駆動開始したときから一定時間経過したか否かで判定する方法や、センサ検知による方法、これらの組み合わせなどの既知の方法が使用できる。
【0078】
一方、先端検知センサが有効に設定されているときは、後端検知センサS3とピックアップ下降開始センサS2の両方を監視する(S7、S8)。具体的には、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視し、ピックアップ下降開始センサS2がON信号か否かを監視する。そして、後端検知センサS3からのOFF信号が、原稿が所定量搬送される間、入力され続けていることにより、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する(S7でNO,S8でYES)か、ピックアップ下降開始センサS2からのON信号を検知して、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するか(S7でYES)したら、ピックアップローラ80の下降を開始する(S9)。先の図11に示す原稿のときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知する前に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する。よって、図11に示すような原稿が搬送されたときは、後端検知センサS3の検知結果がトリガとなり、ピックアップローラ80の下降が開始される。そして、ピックアップローラ80が原稿束の次の原稿に当接(ピックアップローラ80の下降完了)したら(S13でYES)、コントローラ100は、給紙モータ102を正回転させて、ピックアップローラ80と給紙ベルト84とを回転駆動させて、次原稿(原稿束の2番目の原稿)の給紙動作を開始する(S14)。これにより、図11に示すような原稿を搬送するときの紙間が長くなるのを抑制することができる。
【0079】
一方、先の図10に示すような原稿の場合や、特定サイズの原稿の場合は、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知する(S7でYES)。よって、先の図10に示すような原稿の場合や、特定サイズの原稿の場合は、ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガとして、ピックアップローラ80の下降が開始される(S9)。また、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知した場合は、後述する異常検知処理を開始する(S17)。
【0080】
後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知した場合、コントローラ100は、後端検知センサS3とピックアップ搬送開始センサS1の両方を監視する(S10、S12)。具体的には、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視し、ピックアップ搬送開始センサS1がON信号か否かを監視する。そして、コントローラ100は、後端検知センサS3からのOFF信号が、搬送を所定量継続する間入力され続けていることにより、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する(S12でYES)か、ピックアップ搬送開始センサS1からのON信号を検知して、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する(S10でYES)かしたら、次原稿給紙動作を開始する(S14)。先の図10に示すように、特定サイズよりも搬送方向長さが短い原稿の場合は、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する前に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する(S10がNOで、S12がYES)。よって、図10に示すような原稿が搬送されたときは、後端検知センサS3の検知結果がトリガとなり、ピックアップローラの下降が完了していたら(S13でYES)、次原稿の給紙動作が開始される。これにより、ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果をトリガとして次原稿の給紙動作が開始される場合に比べて、紙間を詰めることができる。
【0081】
一方、特定サイズ(レター横)の原稿の場合は、先の図9(b)に示したように、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する(S10でYES)。よって、特定サイズ原稿が搬送されたときは、ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果がトリガとなる。通常、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知するよりも前に、ピックアップローラ80の下降は完了している(S13でYES)ので、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、次原稿の給紙動作が開始される(S14)。これにより、後端検知センサS3の検知結果をトリガとして次原稿の給紙動作が開始される場合に比べて、紙間を詰めることができる。また、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知した場合は、後述する異常検知処理を開始する(S18)。
【0082】
また、次原稿がある場合(S15でYES)は、後端検知センサS3の信号が、ON信号となり、後端検知センサS3が原稿の先端を検知したら(S16でYES)、S7以降のステップを繰り返し行う。このように、後端検知センサS3の信号が、ON信号となったことを確認してから、S7以降のステップを行うことで、コントローラ100は、後端検知センサS3からの信号が、所定期間OFF信号であることを監視するだけで、後端検知センサS3が、原稿の後端を検知したか否かを判定することができる。これにより、後端検知センサS3のON信号からOFF信号の切り替わりをトリガにして、所定期間OFF信号であることを監視する場合に比べて、処理遅延で万が一見逃しても、それなりの遅延で搬送制御を行うことができる。
【0083】
本実施形態においては、次原稿がある場合、次原稿の搬送制御処理が開始される前に、長さ検知センサS4,57,58a,58bによる検知を行わずに、原稿載置台にセットされた原稿束の最上位の原稿が搬送される前に検知した情報に基づいて、次原稿(原稿束の2番目の原稿)以降の搬送制御を行っている。これは、原稿束の連続給紙中に原稿載置台53上に積載されている残りの原稿束の原稿が引きずられて分離ニップ側に移動してしまう可能性がある。その結果、原稿載置台53にセットされたとき原稿の後端が、図9に示す原稿セット位置から分離ニップまでの長さL2よりも短い距離分、特定サイズ長さ検知センサS4から搬送方向上流側に位置するような原稿サイズの場合、原稿束の残りの原稿が分離ニップ側移動してしまうと、図14に示すように、本来、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿であるのもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となり、コントローラ100は、特定サイズ未満と判定してしまう。その結果、本来は、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿にも係らず、先端検知が有効に設定され、重送やスキューが発生するおそれがある。よって、本実施形態においては、長さ検知センサS4,57,58a,58bによる原稿の搬送方向長さが特定サイズ以上か否かの判定は、最上位の原稿が搬送される前にのみ行い、それ以降、先端検知の有効/無効の設定は、変更しない。これにより、重送やスキューが発生を抑制することができる。
【0084】
次に、図13の制御フローに示した異常検知処理について説明する。
特定サイズ長さ検知センサS4が、非検知で先端検知が有効に設定されているときにおいて、センサS1,S2で先端を検知してから所定の時間経過するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するはずである。そのため、もしこの後端検知センサS3が所定の時間経過後も原稿の後端を検知しない場合、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿がセットされたにもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4の故障や誤検知により、特定サイズ長さ検知センサS4が原稿を検知できていない可能性が疑われる。特定サイズよりも搬送方向に長い原稿の搬送時に、先端検知が無効になっていないと、上述したように、スキューや重送が発生してしまう。そこで、本実施形態においては、異常検知処理を行って、先端検知が有効のときに特定サイズよりも搬送方向に長い原稿が搬送されていないか検知して、搬送異常を検知するのである。
【0085】
図15は、異常検知処理の制御フロー図である。
このフローは、先端検知が有効に設定され、ピックアップ下降開始センサS2やピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したときに呼び出され、図13に示した制御フローと平行して処理されるものである。
まず、ピックアップ下降開始センサS2やピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したことをトリガにして、異常検知処理の制御が開始されると、そのときの駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルスカウントを基準値として取得しコントローラ100のメモリに記憶する(S21)。次に、コントローラ100は、後端検知センサS3を監視する(S22)。そして、現在の駆動パルス数が、保存した基準パルスカウントから所定量(Th)増加する前に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知した場合は、コントローラ100は、原稿の搬送が正常と行われていると判定(S24)する。
【0086】
一方、現在の駆動パルス数が、保存した基準パルスカウントから所定量(Th)以上増加しても、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しない(S22でNO、S23でYES)場合は、先端検知が有効であるにも係らず、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿が搬送されていると判断し、搬送異常と判定する(S25)。この場合、重送やスキューが発生するおそれがあるので、原稿搬送に使用されている各駆動モータを停止させて、原稿の搬送を停止する(S26)。また、1/F107を通じて本体制御部111に、搬送異常と判定した旨を通知する。本体制御部111は、この通知にもとづいて、操作部108に特定サイズ長さ検知センサS4の故障が疑われる旨を表示し、ユーザーに報知する(S27)。
【0087】
上記ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガとして、異常判定処理が開始された場合、上記所定量(Th)は、ピックアップローラ80の位置から後端検知センサS3の搬送路上の位置まで原稿が搬送されるのに必要な駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルス数を基本とし、それにセンサの検知誤差などのマージンを加えたものが用いられる。また、上記ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果をトリガとして、異常判定処理が開始された場合、上記所定量(Th)は、分離ニップから後端検知センサS3の搬送路上の位置まで原稿が搬送されるのに必要な駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルス数を基本とし、それにマージンを加えたものが用いられる。
【0088】
また、図13においては、上記ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガとして、異常判定処理を行うともに、上記ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果をトリガとしても異常判定処理を行っているが、いずれか一方だけでもよい。
【0089】
このように、異常判定処理を行うことにより、特定サイズ長さ検知センサS4の故障や誤検知により、先端検知が有効に設定された状態で、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿が搬送されることを防止することができ、重送やスキューが生じるのを抑制することができる。
【0090】
また、原稿載置台53には、特定サイズの原稿と、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿とが混合した原稿束がセットされる場合がある。このとき、原稿束の最上位の原稿を搬送する前に長さセンサS4、57、58a、58bを用いた判定結果は、特定サイズよりも搬送方向に長いという判定結果となり、先端検知が無効に設定される。そして、上述のように、原稿束の最上位の原稿が搬送される前に行った判定結果を用いて、残りの原稿の搬送制御を行う場合、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿が搬送されて、原稿載置台上の原稿が、特定サイズ以下の原稿となった状態でも、後端検知で搬送制御され、生産性が損なわれるおそれがある。そこで、このような特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿と特定サイズ以下の原稿とが混合した原稿束をセットする場合、ユーザーで原稿サイズ混載モードを設定できるようにし、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿と特定サイズの原稿とが混合した原稿束の場合でもなるべく生産性を損なわないようにしてもよい。原稿サイズの混載モードの設定は、たとえば、ユーザーが操作部108を操作することで設定/解除が可能となっている。
【0091】
原稿サイズ混載モードに設定されている場合は、コントローラ100は、長さセンサS4、57、58a、58bによる原稿サイズの判定(原稿サイズが特定サイズの搬送方向長さよりも長いか否かの判定)を各原稿の給送開始前に毎回実施する。ただし、この場合は、次原稿の先端が分離ニップまで先行紙に引きずられる形で移動するようなケースが生じ、図14に示すように、本来、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿であるのもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となる場合がある。
【0092】
そこで、原稿サイズ混載モードに設定されているときは、図14に示した状況を考慮して、ピックアップ下降開始センサS2をトリガとしてピックアップローラ80の下降を開始するときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから所定時間経過してからピックアップ下降を開始するようにする。また、ピックアップ搬送開始センサS1をトリガとしてピックアップローラ80・給紙ベルト84の搬送を開始するときは、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知してから所定時間経過してからピックアップローラ80・給紙ベルト84の搬送を開始するようにする。
【0093】
図17は、原稿サイズ混載モードが設定されているときにおける次原稿の搬送制御の制御フロー図である。
図13に示した次原稿搬送制御と同様にして、原稿載置台53にセットされた原稿束の搬送方向長さが特定サイズの原稿よりも長いか否かを検知し、先端検知を有効/無効を設定して最上位シートの搬送を行う(S31〜S34)。
【0094】
先端検知が無効に設定されている場合や、先端検知が有効に設定されて、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知した場合(S37でNO、S38でYES)は、先の図13に示した制御フローと同様にして、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したことをトリガにして、ピックアップローラ80の下降を開始する(S39)。ピックアップローラ80の下降が完了(S42でYES)したら、再度、長さセンサS4、57、58a、58bの検知結果に基づいて、原稿載置台53にセットされている原稿束の搬送方向長さが、特定サイズ原稿よりも長いか否かの判定が行われ、先端検知の有効/無効の設定が行なれる(S43〜S46)。そして、次原稿給紙動作が開始される(S47)。
【0095】
一方、先端検知が有効に設定されており、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかった場合(S37のYES)は、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動したら、ピックアップローラ80の下降を開始する。具体的には、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したら、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルスをカウントし、カウント値が所定値となるまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかったときは、ピックアップローラ80の下降を開始する。また、上記所定パルスは、図16に示すように、原稿載置台53にセットされた原稿の原稿セット位置から分離ニップまで距離L2に必要十分なマージン(+α)を加えた距離を移動するのに必要な駆動パルスである。また、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから、原稿がL2+α移動するのにかかる時間を経過したか否かを判定し、この時間経過しても、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかったときは、ピックアップローラ80の下降を開始するようにしてもよい。
【0096】
また、先端検知が有効に設定されており、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知してから駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかった場合(S40でYES)は、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動したら、次原稿給紙動作が開始される(S47)。この場合、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したときは、ピックアップローラ80の下降は完了しているので、所定パルス駆動する間に、先端検知の有効/無効の設定処理(シート束サイズ再判定処理)は、終了している。
【0097】
上記のような原稿サイズ混載モードの設定は図16に示すように、原稿セット位置から分離位置までの距離L2が、分離位置から後端検知センサS3までの距離L1よりも短いときにのみ有効である。なぜなら、L2>L1の場合は、センサS1が原稿の先端を検知してから距離L2分、原稿が移動するにかかる時間待っている間に、原稿の後端が後端検知センサS3を抜けしまうからである。すなわち、L2>L1の場合は、原稿サイズが混合された原稿束の場合、先端検知を無効にして、後端検知センサS3の検知結果をトリガして原稿搬送制御を開始した方が、結果的に生産性が早くなるのである。一方、L2<L1の場合は、図17に示した制御を行うことによって、後端検知センサS3の検知結果をトリガとする場合に比べて、(L1−L2)分、紙間を詰めることができる。なお、実際には、図16に示すように、センサS1が原稿の先端を検知して(L2+α)原稿が移動するにかかる時間待っているわけであるが、原稿の後端の検知は、後端検知センサが原稿を検知しなくなって所定時間経過しても、再度原稿を検知しなかったときに後端を検知したと判定されるので、原稿の後端が後端検知センサS3を抜けてから、搬送制御が開始されるまで上記αとほぼ同じマージンがある。よって、距離L2と距離L1との比較で、原稿サイズ混載モードを搭載するか否かを決めて問題はない。
【0098】
また、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いてもよい。
図18は、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いた構成のADFの原稿セット部、分離搬送部、レジスト部、ターン部の途中まで概略説明図である。図19は、特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
図に示すように、特定サイズ長さ検知センサS4は、原稿搬送方向に有効検知範囲Xmmの長さをもつラインセンサであり、その中央が基本位置(原稿セット位置から216mmの位置)となるよう設けられている。
このように、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いることにより、原稿搬送方向長さが216±(X/2)mmの範囲のシート材の長さを正確に検知することができる。
【0099】
また、第1先端検知手段としてのピックアップ搬送開始センサS1は、特定サイズ長さ検知センサS4が検知可能な長さの最小値(216−(X/2)mm)の原稿の先端をピックアップ搬送開始センサS1が検知した際に、この原稿の後端が分離ニップを確実に抜けているとみなせる位置に配置されている。すなわち、図19に示すように、分離ニップから特定サイズの搬送方向長さ(例えば:216mm)に必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置(図19の点γ1)から、(X/2)mm上流側にピックアップ搬送開始センサS1を配置した。
【0100】
また、第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2も、ピックアップローラ80から特定サイズ原稿(たとえば216mm)の搬送方向長さに必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置(図19の点γ2)から、(X/2)mm上流側に配置した。
【0101】
図19に示すように、特定サイズ(シート搬送方向長さ:216mm)の原稿束が原稿載置台にセットされた場合、ラインセンサの特定サイズ長さ検知センサS4は、原稿載置台にシート搬送方向長さが216mmの原稿束がセットされたことを正確に検知することができる。
【0102】
特定サイズの原稿を搬送すると、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が、原稿の先端を検知する。ピックアップ下降開始センサS2は、上述に比べて、(X/2)mm上流側に配置されているため、後端が、ピックアップローラ80の当接位置を抜けていない。このため、ピックアップ下降開始センサS2が、原稿の先端を検知したら、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)のパルスのカウントを開始し、特定サイズに対応するパルス数となったら、ピックアップ昇降モータ101の駆動を開始して、ピックアップローラ80の下降を開始する。特定サイズ長さ検知センサS4をラインセンサとして、原稿の搬送方向長さ(216mm)を正確に検知することができているので、原稿の後端がピックアップローラ80の当接位置を抜けてからピックアップローラ80の下降を開始することができる。本体制御部110の不図示の不揮発性メモリには、216−(X/2)mm〜216+(X/2)の範囲の原稿に対応するパルス数が記憶されており、特定サイズ長さ検知センサS4の検知結果に基づいて、原稿の搬送方向長さに対応するパルス数が特定される。例えば、原稿の搬送方向長さが特定サイズ(216mm)の場合は、上記不揮発性メモリから特定サイズに対応するパルス数が読み出され、本体制御部110は、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)のパルス数が、読み出したパルス数となったか否かを監視するのである。
【0103】
また、特定サイズ(レター横)の原稿の場合は、上述同様、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する。しかし、ピックアップ搬送開始センサS1は、上述に比べて、(X/2)mm上流側に配置されているため、後端が、分離ニップを抜けていない場合がある。そのため、上述と同様に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したら、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)のパルスのカウントを開始し、パルスカウント数が、216mmに対応するパルスカウント数となったら、次原稿の搬送を開始する。これにより、重送が生じることなく、原稿を搬送することができる。
【0104】
上述では、特定サイズ(シート搬送方向長さ:216mm)の原稿の搬送の場合について、説明したが、シート搬送方向長さが、216−(X/2)mmよりも大きく、216+(X/2)mm未満の原稿については、上述と同様な制御を行う。また、上述では、ピックアップ搬送開始センサS1、ピックアップ下降開始センサS2をトリガにして、駆動モータのパルス数のカウントを開始しているが、これに限られず、例えば、プルアウトモータ113の駆動開始をトリガにして、駆動モータのパルス数のカウントを開始してもよい。
【0105】
また、ラインセンサの特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿を検知していないときは、原稿設置台53にセットされた原稿は、216−(X/2)mm以下の原稿である。この場合は、上述と同様、後端検知センサS3と、ピックアップ下降開始センサS2とを監視し、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するよりも先に後端検知センサS3が原稿の後端検知した場合は、後端検知センサS3の検知結果をトリガにして、ピックアップローラ80を下降して、ピックアップローラ80が、次原稿に当接した段階で、次原稿の搬送を開始する。
【0106】
一方、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも先にピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知した場合は、ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガにして、ピックアップローラの下降を開始する。また、これと同時に、ピックアップ搬送開始センサS1と、後端検知センサS3を監視し、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、次原稿の原稿を開始する。
【0107】
また、ラインセンサの特定サイズ長さ検知センサS4が、216+(X/2)mmを検知している場合は、原稿設置台53にセットされた原稿束が、216+(X/2)mm以上の原稿であるので、後端検知センサS3が、原稿の後端を検知したことをトリガにして、搬送制御(ピックアップローラを下降から次原稿の搬送までの一連動作)を開始する。
【0108】
このように、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いることにより、216−(X/2)mm以上、216+(X/2)mm未満の原稿については、原稿の搬送方向長さを正確に検知することができ、原稿の搬送方向長さに基づいた搬送制御を行うことができる。これにより、216−(X/2)mm以上、216+(X/2)mm未満の原稿については、紙間が最も短いタイミングで原稿を搬送することができ、生産性を高めることができる。
【0109】
また、図20に示すように、ラインセンサからなる特定サイズ長さ検知センサS4を、原稿搬送方向に対して傾けてもよい。このように、特定サイズ検知センサS4を傾けることで、特定サイズ検知センサS4で、幅方向長さが所定範囲の原稿であるか否かを検知することができ、反射型フォトセンサを原稿幅方向に並べた原稿幅センサ73における反射型フォトセンサの個数を削減することができる。
【0110】
図20の構成においては、特定サイズ長さ検知センサS4で、A4横サイズ、レター横サイズの幅を検知することができ、原稿幅センサにおけるSn13−Nの反射型フォトセンサを無くすことが可能となる。
【0111】
また、この場合、図の点線で示すような不定形の原稿の場合、特定サイズよりも長いにもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4で特定サイズよりも長い原稿であることが検知できない場合がある。このため、特定サイズ長さ検知センサS4が未検知で、原稿幅センサ73のSn13−mが、未検知の場合は、先端検知によるトリガを中止し、後端検知センサS3のトリガで次原稿の搬送を行うように切り替えるようにする。
【0112】
また、図21に示すように、特定サイズ長さ検知センサS4を複数設けてもよい。また、図21に示すように、各特定サイズ長さ検知センサS4に対応した先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2a,S2b、ピックアップ搬送開始センサS1a,S1b)をそれぞれ設けている。
【0113】
図22は、図21の構成における原稿搬送の制御フロー図である。
図に示すように、第1の特定サイズ長さ検知センサS4aが原稿を検知していないとき(S51のNO)は、後端検知センサS3、第1のピックアップ下降開始センサS2a、第1のピックアップ搬送開始センサS1aを用いた搬送制御を行う(S54)。すなわち、後端検知センサS3と第1のピックアップ下降開始センサS2aとを監視し、後端検知センサS3が、第1のピックアップ下降開始センサS2aよりも先に原稿の後端を検知した場合は、後端検知センサS3の検知結果をトリガにして、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿束の上面に当接した段階で次の原稿を分離ニップへ搬送する。一方、後端検知センサS3よりも先に第1のピックアップ下降開始センサS2aが、原稿の先端を検知した場合は、第1のピックアップ下降開始センサS2aをトリガにしてピックアップローラ80の下降を開始する。それと同時に、第1のピックアップ搬送開始センサS1aと後端検知センサS3とを監視し、第1のピックアップ搬送開始センサS1aが原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、次の原稿を分離ニップへ向けて搬送する。
【0114】
一方、第1の特定サイズ長さ検知センサS4aが原稿を検知した場合(S51のYES)は、第2の特定サイズ長さ検知センサS4bが原稿を検知しているか否かをチェックする(S52)。第2の特定サイズ長さ検知センサS4bが原稿を検知していない場合(S52のNO)は、後端検知センサS3、第2のピックアップ下降開始センサS2b、第2のピックアップ搬送開始センサS1bを用いた搬送制御を行う(S55)。すなわち、後端検知センサS3と第2のピックアップ下降開始センサS2bとを監視し、後端検知センサS3が、第2のピックアップ下降開始センサS2bよりも先に原稿の後端を検知した場合は、後端検知センサS3の検知結果をトリガにして、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿束にの上面に当接した段階で次の原稿を分離ニップへ搬送する。一方、後端検知センサS3よりも先に第2のピックアップ下降開始センサS2abが、原稿の先端を検知した場合は、第2のピックアップ下降開始センサS2bをトリガにしてピックアップローラ80の下降を開始する。それと同時に、第2のピックアップ搬送開始センサS1bと後端検知センサS3とを監視し、第2のピックアップ搬送開始センサS1bが原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、次の原稿を分離ニップへ向けて搬送する。
【0115】
また、第2の特定サイズ長さ検知センサS4bが原稿を検知している場合(S52のYES)は、後端検知センサS3のみを用いた搬送制御を行う。すなわち、後端検知センサS3のみを監視し、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が次の原稿の表面に当接したら、次原稿を分離ニップへ搬送するのである。
【0116】
図21のように構成することにより、複数サイズの原稿について、紙間を最も短くして、原稿を搬送することができる。また、各特定サイズ長さ検知センサS4a,S4bをラインセンサとしてもよい。原稿の後端が、第1特定サイズ長さ検知センサS4aの検知範囲内、または、第2特定サイズ長さ検知センサS4bの検知範囲内である場合は、特定サイズ長さ検知センサS4a,S4bの検知結果に基づいて、原稿の搬送制御を行うことができる。すなわち、特定サイズ長さ検知センサS4a,S4bの検知結果に対応するパルス数を求め、駆動モータ(給紙モータ104,プルアウトモータ113)のパルス数をカウントし、そのパルス数となったら、搬送制御(ピックアップローラ80を下降させて、次の原稿を、分離ニップへ搬送する制御)を開始するのである。
【0117】
本実施形態においては、ピックアップ下降開始センサS2と、ピックアップ搬送開始センサS1とを有しているが、ピックアップ搬送開始センサS1は、無くてもよい。この場合は、ピックアップ下降開始センサS2が先端を検知して、ピックアップローラ80を下降しピックアップローラ80の下降が完了したら、給紙モータ102を駆動して次原稿の給紙動作を開始する。この場合、特定サイズの原稿を搬送するときは、ピックアップローラ80の下降が完了したとき、原稿の後端が、先の図9に示す位置に位置するよう、ピックアップ下降開始センサS2を配置する。また、これとは逆に、ピックアップ搬送開始センサS1のみして、ピックアップ下降開始センサS2によるピックアップローラ下降制御を行わないようにしてもよい。この場合は、原稿の搬送方向長さが、特定サイズよりも短いと判定したときは、例えば、プルアウトモータ113の駆動が開始されてから、所定時間経過したらピックアップローラ80の下降を開始するように制御する。また、本実施形態においては、原稿搬送毎に、ピックアップローラ接離させているが、ピックアップローラ80は、接離する構成でなくてもよい。このような構成のADFにおいては、ピックアップ搬送開始センサS1のみを備えた構成のADFとなる。また、ピックアップローラ80を無くして、給紙ベルト84で、分離部の搬送と、原稿載置台53の原稿をピックアップしてもよい。この場合は、上記給紙ベルト84が、搬送手段となり、ピックアップ搬送開始センサS1のみを備えた構成のADF51となる。
【0118】
また、上述においては、ADF51に本発明を適用したが、転写紙供給装置40に本発明を用いることができる。転写紙供給装置40に本発明を適用することにより、紙間を短くすることができ、画像形成装置の生産性を高めることができる。
【0119】
以上、本実施形態のシート材搬送装置たるADF51によれば、複数枚のシート材たる原稿を重ねて積載するシート材積載部たる原稿載置台53と、原稿を所定の搬送目的位置としての読取位置まで搬送する原稿搬送部(レジスト部Cおよびターン部D)と、原稿載置台に積載された原稿を原稿搬送部へ向けて搬送する搬送手段たるピックアップローラ80と、ピックアップローラ80によって搬送されたシート材を一枚に分離する分離手段(給紙ベルト84、リバースローラ85などで構成)とを備えている。また、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段としての特定サイズ長さ検知センサS4と、原稿搬送部内の所定の位置で搬送されてくる原稿の搬送方向の先端を検知する先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2、ピックアップ搬送開始センサS1)と、原稿搬送部内の所定の位置で搬送されてくる原稿の搬送方向の後端を検知する後端検知手段たる後端検知センサS3とを備えている。そして、制御手段としての制御部は、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら、次の原稿の搬送制御を開始する。かかる制御を行うことで、上述したように、重送やスキューが生じるのを抑制することができる。
また、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2、ピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が後端を検知するかしたら、次の原稿の搬送制御を開始する。かかる制御を行うことで、上述したように、搬送される原稿の搬送方向長さが所定の長さに対して十分短い原稿の生産性の低下を抑制することができる。また、搬送される原稿の搬送方向長さが所定の長さよりも僅かに短い原稿の生産性を高めることができる。
【0120】
また、先端検知手段は、上記分離手段がシート材を分離する分離位置たる分離ニップから、特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置されているピックアップ搬送開始センサS1であって、制御部は、後端検知センサが原稿の後端を検知したタイミング、または、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、ピックアップローラ80による次のシート材の搬送を開始する。このように、ピックアップ搬送開始センサS1は、分離ニップから、特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置されているので、ピックアップ搬送開始センサS1が先端を検知したタイミングで、搬送を開始しても、重送が生じることなく、特定サイズの原稿の搬送を行うことができる。また、特定サイズよりも短い原稿や長い原稿は、後端検知センサが原稿の後端を検知したタイミングで次原稿の搬送が行われることで、重送が生じることなく、また、必要以上に紙間が広がることなく次原稿の搬送を行うことができる。
【0121】
また、ピックアップローラ80を原稿載置台53に積載された原稿に対して接離させる接離手段としての不図示のカム機構を備えている。また、分離手段は、原稿を搬送する搬送部材としての給紙ベルト84と、給紙ベルト84に当接して分離ニップを形成し、原稿を一枚に分離するための分離部材としてリバースローラ85とを有している。また、先端検知手段は、ピックアップローラ80から、特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置されているピックアップ下降開始センサS2である。制御部は、原稿が給紙ベルト84により搬送されたら、不図示のカム機構によりピックアップローラを原稿から離間させる制御を行う。そして、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したタイミング、または、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングで、上記カム機構によりピックアップローラ80を原稿に当接させる制御を開始する。これにより、ピックアップローラ80が、搬送中の原稿と当接することがなくなり、スキューの発生や原稿汚れを抑制することができる。また、特定サイズの原稿においては、原稿の後端が分離部を抜けて直ぐに、ピックアップローラ80による原稿の搬送が可能となり、ピックアップローラ80の下降により生産性への影響を減じることができる。
【0122】
また、本実施形態のADF51によれば、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも早く上記先端検知手段((ピックアップ下降開始センサS2またはピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知したとき、先端検知手段が原稿の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知センサS3が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する搬送異常判定手段としての制御部を備えている。そして、制御部が、搬送異常と判定したときは、原稿の搬送を停止する。これにより、特定サイズ長さ検知センサS4の誤検知や故障により、正しい搬送開始制御が行われていない状態で、原稿搬送が継続されてしまうのを防止することができる。これにより、スキューや重送が発生した状態で搬送が継続されるのを抑制することができる。
【0123】
また、原稿載置台53に積載されている原稿の先端から分離ニップまでの距離L2が、上記分離ニップから後端検知センサS3までの距離L1よりも短く構成されているADF51においては、原稿載置台53上の原稿の原稿搬送方向長さが異なる原稿が積載したときに、シートサイズ混載モードたる原稿サイズ混載モードに設定するモード設定手段(操作部108などで構成)を有している。そして、原稿サイズ混載モードが設定されているとき、特定サイズ長さ検知センサS4は、次原稿の搬送制御開始毎に上記原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知する。また、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも先に先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2またはピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知したときは、先端検知手段が原稿の先端を検知してから原稿載置台53に積載されている原稿の先端が上記分離ニップまで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた時間を経過してから、次の原稿の搬送制御を開始する。これにより、生産性を向上することができ、かつ、重送の発生やスキューが生じるのを抑制することができる。
【0124】
また、分離ニップから特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくる原稿の搬送方向の先端を検知する第1先端検知手段たるピックアップ搬送開始センサS1と、上記ピックアップローラから上記特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2とを備え、上記特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するか、上記後端検知センサS3が後端を検知するかしたら、上記カム機構によりピックアップローラ80を原稿に当接させる制御を開始する。そして、ピックアップ下降開始センサS2が、上記後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも先に原稿の先端を検知したときは、上記ピックアップローラ80が上記原稿に当接し、かつ、上記ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知するか、上記後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、ピックアップローラ80で原稿の搬送を開始し、上記後端検知センサS3が、上記ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するよりも先に原稿の後端を検知したときは、ピックアップローラ80が原稿に当接したタイミングで、ピックアップローラ80で原稿の搬送を開始するよう制御する。これにより、ピックアップローラの下降による次原稿搬送開始までのロスを抑制することができ、かつ、原稿の搬送方向に長さに応じた最適なタイミングで次原稿の搬送を行うことができる。
【0125】
また、搬送異常により原稿の搬送が停止したときは、特定サイズ長さ検知センサS4に異常がある旨を報知する報知手段たる操作部108を備えた。これにより、問題発生時の原因の特定を容易にすることができる。
【0126】
また、原稿載置台53に積載されたシート束の最上位の原稿を搬送する前に特定サイズ長さ検知センサS4により原稿載置台53の原稿が所定の長さ以上か否かを検知し、次の原稿搬送以降は、最上位の原稿を搬送する前に検知した特定サイズ長さ検知センサS4の検知結果に基づいて、原稿の搬送制御を行う。これにより、連続搬送時に原稿載置台53に載置された原稿が、前原稿に引きずれて移動してしまい、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53の原稿が所定の長さ未満と誤検知して、重送などの搬送不良が生じることを防止することができる。
【0127】
また、特定サイズ長さ検知センサS4よりもシート搬送方向上流側にシート材検知するシート材検知手段たる長さ検知センサ57、58a、58bを設け、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿の長さが所定値未満と検知していても、長さ検知センサ57、58a、58bが原稿を検知しているときは、上記原稿の長さを、所定値以上と判定する。これにより、原稿の折り癖などがあっても、上記原稿の長さが所定値以上か否かを正確に判定することができる。
【0128】
また、特定サイズ長さ検知センサS4で、原稿搬送方向長さが所定範囲内の原稿に関して、原稿の長さを検知することができるよう、ラインセンサを用いた。そして、制御部は、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の長さを検知した場合は、特定サイズ長さ検知センサS4が検知した長さ情報に基づいて、次の原稿の搬送制御を行う。このように、特定サイズ長さ検知センサS4で原稿の正確な長さが把握できる原稿に関しては、後端検知手段を用いずとも、先端検知手段の検知結果をトリガにして搬送時間などを計測することにより、原稿の後端が分離ニップを抜けた時点で、次の原稿の搬送を行うことができる。よって、原稿搬送方向長さが、特定サイズ長さ検知センサS4が長さを検知できる範囲内の長さの原稿に関して、紙間を最小にして原稿を搬送することができ、生産性を高めることができる。
【0129】
一例としては、制御部は、特定サイズ長さ検知センサS4が原稿載置台53に積載された原稿の長さを検知した場合は、先端検知手段が、シート材の先端を検知したことをトリガとして、カウントを開始し、そのカウント数が、原稿の長さに対応したカウント数となったら次の原稿の搬送制御を行う。これにより、原稿の後端が分離ニップを抜けた時点で、次の原稿の搬送を行うことができる。
【0130】
また、ラインセンサからなる特定サイズ長さ検知センサS4の原稿検知範囲を、原稿搬送方向に対して傾斜させることにより、特定サイズ長さ検知センサS4で、原稿の幅が、所定範囲か否かを検知することができる。
【0131】
また、特定サイズ長さ検知センサS4を、原稿搬送方向に複数配置することにより、複数の原稿について、紙間を最小にして、原稿を搬送することができる。
【0132】
また、シート材としての原稿を搬送する原稿搬送手段と、原稿搬送手段によって搬送される原稿の原稿画像を読み取る読取手段である第一固定読取部151及び第二固定読取部95とを備えた画像読取装置である画像読取ユニット50において、原稿搬送手段として、上述したADF51を用いることにより、搬送される原稿の紙間を詰めることができるので、連続して原稿を読み取るときの生産性の向上を図ることできる。
【0133】
また、画像読取手段と、画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段である画像形成部1とを備える画像形成装置である複写機500において、画像読取手段として、実施例1〜6に記載のADF51を備える画像読取ユニット50を有することにより、連続して原稿を読み取るときの生産性の向上を図ることがきるため、連続してコピーを行うときの生産性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0134】
1:画像形成部
50:画像読取ユニット
53:原稿載置台
54:原稿搬送部
66:中間ローラ対
80:ピックアップローラ
84:給紙ベルト
85:リバースローラ
86:プルアウトローラ対
100:コントローラ
101:ピックアップ昇降モータ
102:給紙モータ
108:操作部
111:本体制御部
113:プルアウトモータ
150:スキャナ
500:複写機
S1:ピックアップ搬送開始センサ
S2:ピックアップ下降開始センサ
S3:後端検知センサ
S4:特定サイズ長さ検知センサ
57,58a,58b:長さ検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】
【特許文献1】特開2005−324872号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のシート材を積載するシート材積載部からシート材を一枚ずつ分離して搬送するシート材搬送装置、並びにこのシート材搬送装置を備えた画像読取装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚のシート材たる原稿を重ねて載置するシート材積載部としての原稿台から画像読取手段によって原稿画像を読み取る読取位置まで原稿を一枚ずつ搬送するシート材搬送装置としての原稿自動搬送装置を備えた原稿読取装置が知られている。この原稿読取装置は、搬送手段としてのピックアップローラにより、原稿台上に載置された複数枚の原稿束のうち最上位に位置する原稿に搬送力を付与し、分離手段に向けて送り出す。分離手段は、給紙ローラと給紙ローラに当接して分離ニップを形成する分離部材とで構成されており、分離手段に搬送された原稿は、分離ニップで一枚に分離されて、読取位置へ搬送される。
【0003】
従来の原稿自動搬送装置において、原稿台上の複数の原稿を次のようにして連続搬送している。すなわち、分離ニップに対して搬送方向下流側に原稿の後端を検知する後端検知手段たる後端検知センサを備え、後端検知センサが分離ニップを通過した原稿(以下、前原稿という)の後端を検知したことをトリガとして次の原稿(以下、次原稿という)の搬送制御を開始する。上記後端検知センサとしては、反射型または透過型のフォトセンサによって原稿の紙面に光を当てて原稿の有無を検出することで原稿の後端が所定箇所を通過したことを検知している。
【0004】
作業の効率化が求められている今日、原稿自動搬送装置における原稿の連続搬送時における生産性の向上の要望はますます強くなっている。原稿自動搬送装置において、生産性を高めるためには、連続して搬送される前原稿と次原稿との間隔(以下、紙間とよぶ)をできるだけ狭めることが求められる。
【0005】
特許文献1には、分離ニップの下流側を前原稿の後端が通過したことを次原稿の搬送を開始するトリガとする構成で、分離ニップにおける原稿の搬送速度を読取位置における原稿の搬送速度よりも速い速度に設定した構成が記載されている。このような構成であれば、前原稿が読取位置を通過しているときに分離ニップを搬送される次原稿が前原稿の搬送速度よりも速い速度で搬送されるため、次原稿の搬送を開始したときよりも連続搬送時の紙間を狭めることができ、結果的に生産性を高めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、読取位置における搬送の高速化に伴い、連続搬送時の紙間を十分に詰めるほどに分離手段における搬送速度と読取位置における搬送速度とに速度差を設けることは困難となる。よって、次原稿を搬送し始めた時点での紙間を従来よりも狭めることが望まれる。そこで、後端検知センサを分離ニップに近づけることが考えられる。しかしながら、前原稿とともに搬送された次原稿の先端が分離ニップよりも搬送方向に下流に突出することがある。よって、後端検知センサを分離ニップの近傍に配置した場合、分離ニップよりも搬送方向に下流に突出した次原稿の先端が後端検知センサと対向してしまうおそれがある。その結果、後端検知センサで前原稿の後端を検知することができなくおそれがあり、後端検知センサを分離部に十分に近づけることはできない。
【0007】
そこで、本出願人は、特願2009−213357号(以下、先願という)において、次のような画像読取装置を提案した。すなわち、先願の画像読取装置は、分離ニップよりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくる原稿の先端を検知する先端検知手段たる先端検知センサを備えている。また、分離ニップよりもシート材搬送方向下流で、先端検知センサよりもシート材搬送方向上流の所定の位置で搬送されてくる原稿の後端を検知する後端検知センサと、原稿台に載置された原稿の搬送方向長さが所定値以下か否かを検知する長さ検知手段とを備えている。そして、原稿台に載置された原稿の搬送方向長さが所定値未満のときは、先端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始し、原稿台に載置された原稿の搬送方向長さが所定値以上のときは、後端検知センサをトリガとして次原稿の搬送制御を開始する画像読取装置である。長さ検知手段は、原稿台に載置された原稿の原稿搬送長さが、特定サイズの原稿(例えば、A4横サイズ)よりも大きいか否かを検知している。また、先端検知センサは、分離ニップからの原稿搬送経路長が、上記特定サイズの原稿の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さとなる位置に配置されている。また、後端検知センサは、従来と同様、分離ニップよりも搬送方向に下流に突出した次原稿と対向しないところで、分離ニップになるべく近づけて配置する。
【0008】
特定サイズの原稿においては、長さ検知手段は、原稿の搬送方向長さが所定値未満と検知するので、先端検知センサが原稿の先端を検知したら、次原稿の搬送が開始される。上述したように、先端検知センサは、分離ニップからの原稿搬送経路長が、上記特定サイズの原稿の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さとなる位置に配置されているので、特定サイズの原稿においては、前原稿の後端が分離ニップを抜けてからすぐに、先端が先端検知センサにより検知される。これにより、前原稿の後端が分離ニップを抜けてからすぐに、次原稿の搬送制御が開始されることになり、特定サイズの原稿を連続搬送するときの紙間を短くすることができる。その結果、生産性を高めることができる。一方、長さ検知手段が、原稿の搬送方向長さが所定値以上と検知する特定サイズよりも搬送方向に長い原稿は、後端検知センサが原稿の後端を検知したことをトリガとして、次原稿の搬送制御を開始する。特定サイズよりも搬送方向に長い原稿の場合、先端検知センサの検知結果をトリガとして、搬送制御を開始すると、前の原稿の後端が分離ニップを抜けていない段階で、次原稿がピックアップローラにより分離ニップへ繰り出されるおそれがある。その結果、重送が発生するおそれがある。よって、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿のときは、後端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始することで、連続搬送時における重送を抑制することができる。
【0009】
先願の原稿読取装置においては、特定サイズの原稿よりも搬送方向に十分に短い原稿も、先端検知センサが原稿の先端を検知したことをトリガとして、次原稿の搬送制御を開始する。しかしながら、特定サイズの原稿よりも搬送方向に十分に短い原稿を、先端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始した場合、従来の後端検知センサの検知結果をトリガとして次原稿の搬送制御を開始する場合に比べて、生産性が低下してしまうという課題があった。この課題について、本出願人は、鋭意検討した結果、次のことがわかった。すなわち、特定サイズの原稿よりも搬送方向に十分に短い原稿においては、後端検知センサから先端検知センサまでの原稿搬送経路長よりも短い。このため、原稿の先端が先端検知センサを通過するよりも前に、原稿の後端が後端検知センサを通過することがわかったのである。
【0010】
また、上述の課題は、原稿自動搬送装置に限るものではなく、複数枚のシート材を収容するシート材積載部から一枚ずつシート材を搬送するシート材搬送装置であれば生じ得る。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、シート材搬送方向長さが所定の長さよりも僅かに短い特定のシート材を連続搬送するときの紙間を短くすることができ、かつ、シート材搬送方向長さが、上記特定のシート材よりも十分に短いシート材の紙間が長くなるのを抑制することができるシート材搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記搬送手段よって搬送されたシート材を一枚に分離する分離手段とを備えたシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、上記分離手段よりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記後端検知手段からのシート材搬送経路長が、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも短く、かつ、上記搬送手段からのシート材搬送経路長が、特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも長い位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する先端検知手段と、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート材搬送装置において、上記分離手段がシート材を分離する分離位置から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、上記制御手段は、後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記搬送手段による次のシート材の搬送を開始することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のシート材搬送装置において、上記搬送手段をシート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段を備え、上記分離手段は、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、シート材を一枚に分離するための分離部材とを有し、上記搬送手段から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、上記制御手段は、上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行うものであり、後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する搬送異常判定手段を備え、上記制御手段は、上記搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までのシート材搬送経路長が、上記分離位置から後端検知手段までのシート材搬送経路長よりも短く構成されており、上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、上記搬送手段によって搬送されたシート材を一枚に分離する分離部材とを備えた分離手段と、上記搬送手段を上記シート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段とを備え、上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行う制御手段を備えたシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記分離ニップから、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第1先端検知手段と、上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記搬送手段から上記特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第2先端検知手段とを備え、上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、上記第2先端検知手段が、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先にシート材の先端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、搬送手段でシート材の搬送を開始し、上記後端検知手段が、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するよりも先にシート材の後端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接したタイミングで、搬送手段でシート材の搬送を開始するよう制御することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のシート材搬送装置において、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第1の搬送異常判定手段を備え、上記制御手段は、上記第1の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6または7のシート材搬送装置において、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第2の搬送異常判定手段を備え、上記制御手段は、上記第2の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項4、7または8のシート材搬送装置において、搬送異常によりシート材の搬送が停止したときは、上記長さ検知手段に異常がある旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までの距離が、上記分離位置から後端検知手段までの距離よりも短く構成されており、上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第2先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第1待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第1先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、上記シート搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第2待機時間を経過するか、上記第2待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記搬送手段で次のシート材の搬送を開始することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至4、6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、シート材積載部に積載されたシート束の最上位のシート材を搬送する前に長さ検知手段によりシート材積載部上のシート材が所定の長さ以上か否かを検知し、次のシート材搬送以降は、最上位のシート材を搬送する前に検知した長さ検知手段の検知結果に基づいて、シート材の搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段よりもシート搬送方向上流側にシート材検知するシート材検知手段を設け、上記長さ検知手段が、シート材の長さが所定値未満と検知していても、上記シート材検知手段がシート材を検知しているときは、上記シート材の長さを、所定値以上と判定することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段は、シート材搬送方向長さが所定範囲内のシート材に関して、シート材の長さを検知することができるものであり、上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記長さ検知手段が検知したシート材長さ情報に基づいて、次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記先端検知手段が、シート材の先端を検知したことをトリガとして、カウントを開始し、そのカウント数が、シート材の長さに対応したカウント数となったら次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13または14のシート材搬送装置において、上記長さ検知手段のシート材検知範囲を、シート搬送方向に対して傾斜させたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1乃至15いずれかのシート材搬送装置において、上記長さ検知手段を、シート材搬送方向に複数配置したことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、シート材としての原稿用紙を搬送する原稿搬送手段と、該原稿搬送手段によって搬送される原稿用紙の原稿画像を読み取る読取手段とを備えた画像読取装置において、上記原稿搬送手段として、請求項1乃至16のいずれかのシート材搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、画像読取手段と、該画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、該画像読取手段として、請求項17の画像読取装置を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、長さ検知手段が、シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、先端検知手段がシート材の先端を検知するか、後端検知手段が後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始するので、次のような効果を得ることができる。すなわち、シート搬送方向長さが、長さ検知手段が検知する所定の長さよりも僅かに短い特定のシート材は、先端検知手段の検知結果に基づいて、次のシート材の搬送制御が開始され、上記特定のシート材よりも搬送方向長さが十分に短いシート材については、後端検知手段の検知結果に基づいて、次のシート材の搬送制御が開始される。
特定のシート材に関しては、後端検知手段から先端検知手段までのシート材搬送経路長よりも、シート搬送方向長さが長いので、後端検知手段がシート後端を検知するよりも早く先端検知手段がシート材の先端が検知され、次のシート材の搬送制御が開始される。これにより、全てのサイズについて後端検知手段の検知結果に基づいて次のシートの搬送制御を開始するものに比べて、特定のシート材を連続搬送するときの紙間を短くすることができ、特定のシート材を連続搬送時の生産性を高めることができる。
一方、上記特定のシート材よりも搬送方向長さが十分短いシート材は、シート材のシート材搬送方向長さが後端検知手段から先端検知手段までのシート材搬送経路長よりも短いので、先端検知手段がシート材の先端を検知するよりも前に、シート材の後端が後端検知手段により検知され、次のシート材搬送制御が開始される。これにより、先願のように、シート材搬送方向長さが、特定のシート材のシート材搬送方向長さ以下のシート材全て、先端検知手段がシート材の先端を検知して次のシート材の搬送制御を開始する場合に比べて、シート材のシート材搬送方向長さが、上記特定のシート材よりも十分に短いシート材を連続搬送するときの紙間を、短くすることができる。その結果、特定のシート材よりも十分に短いシート材を連続搬送するときの生産性の低下を抑制することができる。
さらに、本発明によれば、シート材搬送方向長さが、特定のシート材よりもよりも長いシート材は、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始するので、先願と同様、重送などが生じることなく、次のシート材を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】同複写機における画像形成部の一部を拡大して示す部分構成図。
【図3】同画像形成部における4つのプロセスユニットからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図。
【図4】同複写機のスキャナ及びADFを示す斜視図。
【図5】同ADFをスキャナの上部とともに示す概略構成図。
【図6】ADF全体の制御ブロック図。
【図7】固定画像読取部の制御部ブロック図。
【図8】ADFの原稿セット部、分離搬送部、レジスト部、ターン部の途中まで概略説明図。
【図9】特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図10】特定サイズよりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図11】図10に示した原稿よりも搬送方向長さがさらに短いサイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図12】特定サイズよりも搬送方向長さが十分に長いサイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図13】次原稿の搬送制御の制御フロー図。
【図14】連続搬送時における原稿載置台上の原稿の挙動について説明する図。
【図15】異常検知処理の制御フロー図
【図16】原稿サイズ混載モードが設定されているときにおける原稿搬送の様子を説明する図。
【図17】原稿サイズ混載モードが設定されているときにおける次原稿の搬送制御の制御フロー図。
【図18】特定サイズ長さ検知センサとして、ラインセンサを用いた構成のADFの原稿セット部、分離搬送部、レジスト部、ターン部の途中まで概略説明図。
【図19】特定サイズ長さ検知センサとして、ラインセンサを用いた構成のADFにおいて、特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図20】ラインセンサからなる特定サイズ長さ検知センサS4を、原稿搬送方向に対して傾けた構成を示す図。
【図21】特定サイズ長さ検知センサを複数設け構成のADFにおいて、特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図。
【図22】特定サイズ長さ検知センサを複数設け構成のADFにおける搬送制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機500という)に適用した実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機500の基本的な構成について説明する。
図1は、複写機500を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成装置としての画像形成部1と、転写紙供給装置40と、画像読取ユニット50とを備えている。画像読取装置としての画像読取ユニット50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持されるシート材搬送装置としての原稿自動搬送装置(以下、ADFという)51とを有している。
【0016】
転写紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの転写紙給紙カセット42、転写紙給紙カセット42から転写紙を送り出す転写紙送出ローラ43、送り出された転写紙を分離して転写紙給紙路44に供給する転写紙分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の搬送路としての本体側転写紙給紙路37に、シート状部材としての転写紙を搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、転写紙給紙カセット42内の転写紙を画像形成部1内の本体側転写紙給紙路37内に給紙する。
【0017】
画像形成手段としての画像形成部1は、光書込装置2や、黒,イエロー,マゼンタ,シアン(K,Y,M,C)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、本体側転写紙給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
【0018】
図2は、画像形成部1の内部構成の一部を拡大して示す部分構成図である。また、図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。
【0019】
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。一つのプロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。複写機500では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
【0020】
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0021】
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
【0022】
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュ8、これらスクリュ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
【0023】
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ13は、ドクタブレード14との対向位置から現像スリーブ12の回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ12上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ12表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ12表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
【0024】
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、磁気ブラシを形成し、現像スリーブ12に担持され現像領域を通過した二成分現像剤は、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。現像装置6としては、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
【0025】
ドラムクリーニング装置15としては、弾性体からなるクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュ20上に落下する。回収スクリュ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡された回収トナーを現像装置6に送ってリサイクルする。
【0026】
除電ランプ22は、光照射によって感光体4の表面を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。複写機500では、帯電装置5として帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いているが、感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
【0027】
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
【0028】
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと、中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら一次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0029】
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの二次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
【0030】
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、図示しないレジストローラセンサが配設されている。転写紙供給装置40からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる転写紙Pは、その先端が不図示のレジストローラセンサに検知された所定時間後に転写紙Pの搬送が一時停止し、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、転写紙Pの姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。
【0031】
転写紙Pの先願がレジストニップに突き当たると、レジストローラ対33は、転写紙Pを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングでローラ回転駆動を再開して、転写紙Pを二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
【0032】
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25のおもて面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
【0033】
定着装置34に搬送された転写紙Pは、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外の排紙トレイ501へと排出される。
【0034】
先に示した図1において、紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。これにより、両面プリントを行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pの搬送経路が、切換爪によってスイッチバック装置36側に切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ501上に排紙される。
【0035】
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150やこれの上に固定されたADF51からなる画像読取ユニット50は、固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第二コンタクトガラス155の直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス155上に載置された図示しない原稿MSの下面で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ150に固定された画像読取センサ153で受光する。
【0036】
一方、画像読取ユニット50は固定読取部として、スキャナ150の内部に配設された第一固定読取部151と、ADF51内に配設された後述する第二固定読取部95とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する第一固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第一コンタクトガラス154の直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス154上を通過する際に、光源から発した光を原稿MSの第一面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第一面を走査する。また、第二固定読取部95は、第一固定読取部151を通過した後の原稿MSの第二面を走査する。
【0037】
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、シート材としての原稿MSを搬送するための原稿搬送部54、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第一コンタクトガラス154や第二コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第二コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
【0038】
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第一固定読取部151やADF51内の第二固定読取部95に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、操作部108のコピースタートボタン158を押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に原稿搬送部54内に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第一固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第一面の画像がスキャナ150の第一固定読取部151によって読み取られる。
【0039】
次に、ADF51について説明する。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。ADF51は、原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部D、第一読取搬送部E、第二読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。本実施形態のADF51の原稿搬送部54は、分離搬送部Bの下流側の後端検知手段たる後端検知センサS3による検知位置から、読取入口ローラ対90までの原稿MSが搬送される経路を構成する部分である。
【0040】
原稿セット部Aは、原稿MSの束の第一面が上方となるようにセットされるシート材積載部としての原稿載置台53等を有している。分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させて、原稿MSの第一面を下方に向けるものである。第一読取搬送部Eは、第一コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第一コンタクトガラス154の下方からスキャナ150の内部に配設されている第一固定読取部151に原稿MSの第一面を読み取らせるものである。第二読取搬送部Fは、第二固定読取部95の下方に配置された第二読取ローラ96によって原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第二面を第二固定読取部95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
【0041】
図6は、ADF51全体の制御ブロック図である。ADF51の制御手段たる制御部は、原稿の搬送動作の駆動を行う駆動部である各モータ101〜105、113〜115、各種センサ部、固定画像読取部300(第一固定読取部151または第二固定読取部95)、一連の動作を制御するコントローラ100等から構成されている。
【0042】
図7は、固定画像読取部300の制御部ブロック図である。同図に示すように、固定画像読取部300は、LEDアレイ、蛍光灯、あるいは冷陰極管などからなる光源部200を有している。また、主走査方向(原稿幅方向に対応する方向)に並ぶ複数のセンサチップ201、それぞれのセンサチップ201に個別に接続された複数のOPアンプ回路202、それぞれのOPアンプ回路202に個別に接続された複数のA/Dコンバータ203も有している。更には、画像処理部204、フレームメモリ205、出力制御回路206、I/F回路207なども有している。
【0043】
センサチップ201は、等倍密着イメージセンサと称される光電変換素子と集光レンズとを具備するものである。固定画像読取部300による読取位置に図示しない原稿が進入するのに先立って、コントローラ100から光源部200に点灯ON信号が送られる。これにより、光源部200が点灯し、その光を図示しない原稿の第2面に向けて照射する。原稿の第2面で反射した反射光は、複数のセンサチップ201において、集光レンズによって光電変換素子に集光されて画像情報として読み取られる。それぞれのセンサチップ201で読み取られた画像情報は、OPアンプ回路202によって増幅された後、A/Dコンバータ203によってデジタル画像情報に変換される。これらデジタル画像情報は、画像処理部204に入力されてシェーディング補正などが施された後、フレームメモリ205に一時記憶される。その後、出力制御回路206によって本体制御部111に受入可能なデータ形式に変換された後、I/F回路107を経由して本体制御部111に出力される。なお、コントローラ100からは原稿の先端が固定画像読取部300による読取位置に到達するタイミング(そのタイミング以降の画像データが有効データとして扱われる)を知らせるためのタイミング信号や光源の点灯信号、電源等が出力されるようになっている。
【0044】
読取を行う原稿MSは、原稿先端部を支持し原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能な可動原稿テーブル53bと、原稿後端側を支持する固定原稿テーブル53aとから構成される原稿載置台53上に、第一面が上向きとなるように載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(原稿MSの搬送方向に直交する方向で、図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置決めがなされる。
このようにして原稿載置台53にセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル53bの上方で揺動可能に配設されたレバー部材であるセットフィラー62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ100に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ100からインターフェイス回路(以下、I/F107と呼ぶ)を介して画像読取ユニット50の本体制御部111に送信される。
【0045】
また、固定原稿テーブル53aには、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサ又は原稿一枚でも検知可能なアクチュエーター・タイプのセンサからなる複数の原稿長さセンサ(S4、57、58a、58b)が配置されている。これらの原稿長さセンサにより、原稿MSの搬送方向の長さの概略が判定される(少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なセンサ配置が必要)。
【0046】
可動原稿テーブル53bの上方には搬送手段たるピックアップローラ80が配置されている。
可動原稿テーブル53bは、底板上昇モータ105の駆動により、駆動する接離手段たるカム機構によって図中矢印a、b方向に揺動する。原稿MSが原稿載置台53にセットされたことをセットフィラー62や原稿セットセンサ63で検知すると、コントローラ100は底板上昇モータ105を正転させて束状の原稿MSの最上面がピックアップローラ80と接触するように可動原稿テーブル53bを上昇させる。
搬送手段たるピックアップローラ80は、ピックアップ昇降モータ101によって駆動する接離手段たるカム機構により、図中矢印c、d方向に移動可能となっている。また、ピックアップローラ80は、可動原稿テーブル53bが上昇して可動原稿テーブル53b上の原稿MSの上面により押されて図中矢印c方向に上がる。これをテーブル上昇センサ59で検知することにより、可動原稿テーブル53bの上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップ昇降モータ101が停止するとともに底板上昇モータ105が停止する。また、給紙を繰り返すことで原稿上面位置が下がりテーブル上昇センサ59が検知しなくなったら、テーブル上昇センサ59が再び検知するまで可動原稿テーブル53bを上昇させる。このような制御を繰り返すことにより、常に原稿束上面位置が給紙に適した高さに維持される。
【0047】
操作部108よりコピースタートボタン158が押下され、本体制御部111からI/F107を介してADF51の制御部であるコントローラ100に原稿給紙信号が送信される。これにより、給紙モータ102が駆動してピックアップローラ80が回転駆動し、原稿載置台53上の数枚(理想的には1枚)の原稿MSをピックアップする。ピックアップローラ80の回転方向は、最上位の原稿MSを給紙口48に搬送する方向である。
【0048】
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、搬送部材たる給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ102の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ102の正転によって図中時計回りに回転駆動される分離部材たるリバースローラ85が当接して、分離位置としての分離ニップを形成している。この分離ニップにおいては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとするが、リバースローラ85の駆動伝達部には不図示のトルクリミッターがあり、給紙方向に向かう力がトルクリミッターのトルクよりも大きいとリバースローラ85は給紙方向に表面移動するように回転する。リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは分離ニップに原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、給紙ベルト84又は原稿MSに連れ回る。但し、分離ニップに複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているため、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙方向とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。これにより、重送が防止される。
【0049】
給紙ベルト84やリバースローラ85の作用によって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、給紙ベルト84によって更に送られ、突き当てセンサ72によって先端が検知されつつ、更に進んで停止しているプルアウトローラ対86に突き当たる。その後、突き当てセンサ72による先端の検知から所定時間だけ給紙モータ102を駆動させて、停止する。これにより、原稿MSが突き当てセンサ72による検知位置から所定量定められた距離だけ送られ、結果的には、原稿MSがプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態で給紙ベルト84による原稿MSの搬送が停止する。
突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたときに、ピックアップ昇降モータ101を回転させることでピックアップローラ80を原稿MSの上面から退避させ原稿MSを給紙ベルト84の搬送力のみで送る。これにより、原稿MSの先端は、プルアウトローラ対86の上下のローラによって形成されるニップに進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。
【0050】
プルアウトローラ対86は、上述したように、スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿MSを中間ローラ対66まで搬送するためのローラ対で、プルアウトモータ113により2つのローラのうちの一方が駆動される。また、プルアウトモータ113を無くして、給紙モータ102の逆転によりプルアウトローラ対86の一方を駆動してもよい。また、このとき(給紙モータ102逆転時)は、ピックアップローラ80および駆動ローラ82は駆動されないよう構成する。
プルアウトローラ対86によって送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知センサを原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に複数個並べたセンサであり、どの紙検知センサが原稿MSを検知するかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズを検知する。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSが突き当てセンサ72によって検知されなくなる(原稿MSの後端が通過する)までのタイミングに基づいてモータパルスから検知する。
【0051】
プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の駆動によって搬送される原稿MSは、中間ローラ対66及び読取入口ローラ対90によって搬送されるターン部Dに進入する。
中間ローラ対66はプルアウトローラ対86の駆動源であるプルアウトモータ113と、読取入口ローラ対90の駆動源である読取入口モータ114との両方のモータから駆動が伝達される構成となっている。そして、2つのモータのうち、回転速度が速くなる側のモータの駆動によって回転速度が決まる機構を備えている。
画像読取ユニット50では、プルアウトローラ対86及び中間ローラ対66の回転駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿MSが搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定しており、原稿MSを第一読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮が図られている。このとき、中間ローラ対66はプルアウトモータ113を駆動源として回転する。
【0052】
原稿MSの先端が読取入口センサ67により検出されると、読取入口ローラ対90の上下のローラによって形成されるニップに原稿MSの先端が進入前に、原稿MSの搬送速度を第一読取搬送部Eでの搬送速度と同速にするために、プルアウトモータ113の減速を開始する。これと同時に、読取入口モータ114及び読取モータ103を正転駆動する。読取入口モータ114を正転駆動することで読取入口ローラ対90が搬送方向に回転駆動し、読取モータ103を正転駆動することで読取出口ローラ対92及び第二読取出口ローラ対93が搬送方向にそれぞれ駆動する。
【0053】
ターン部Dから第一読取搬送部Eに向かう原稿MSの先端をレジストセンサ65で検知すると、コントローラ100は、所定の時間をかけて各モータの駆動を減速することで、原稿MSの搬送速度を所定の搬送距離をかけて減速する。そして、コントローラ100は、第一固定読取部151による第一読取位置400の手前で原稿MSを一時停止するように制御すると共に、本体制御部111にI/F107を介してレジスト停止信号を送信する。
続いて、コントローラ100が本体制御部111より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿MSの原稿先端が第一読取位置400に到達するまでに、原稿MSの搬送速度が所定の搬送速度に立ち上がるように、読取入口モータ114及び読取モータ103の駆動を制御する。これにより、原稿MSは搬送速度が増速されつつ、第一読取位置400に向かって搬送される。そして、読取入口モータ114のパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第一読取位置400に到達するタイミングで、コントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第一面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第一読取位置400を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第一面が第一固定読取部151によって読み取られる。
【0054】
第一読取搬送部Eを通過した原稿MSは、読取出口ローラ対92のニップを通過した後、その先端が排紙センサ61によって検知され、さらに、その後、第二読取搬送部Fを通過して排紙部Gへと搬送される。
原稿MSの片面(第一面)のみを読み取る片面モードの場合には、第二固定読取部95による原稿MSの第二面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿の先端が検知されると、排紙モータ104の正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中上側の排紙ローラが図中反時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータ104のパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ104の駆動速度が減速せしめられて、原稿MSが原稿スタック台55から飛び出さないような速度で排紙されるように制御される。
【0055】
一方、原稿MSの両面(第一面及び第二面)を読み取る両面モードの場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第二固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータ103のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ100から本体制御部111に対して原稿MSの第二面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第二固定読取部95による第二読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第二面が第二固定読取部95によって読み取られる。
【0056】
ここで両面モードか片面モードかを設定する際、原稿載置台53上にセットされた全ての原稿に対して同じように設定しても良いし、(1枚目、2枚目、・・・n枚目の)それぞれの原稿に対して異なる設定をしても良い(例えば、全10枚の原稿中、1枚目と10枚目は両面モード、その他は片面モード等)。
【0057】
読取手段としての第二固定読取部95は、密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。また、原稿MSが通過する搬送路を挟んで第二固定読取部95に対向する位置には、原稿MSを非読取面側(第一面側)から支持する原稿支持手段としての第二読取ローラ96が配設されている。この第二読取ローラ96は、第二固定読取部95による第二読取位置での原稿MSの浮きを抑えるとともに、第二固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。
【0058】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
生産性の向上や紙間制御の容易性の観点から、前原稿が分離位置である分離ニップを抜けて直ぐに次原稿を搬送するのが理想である。これは、プルアウトローラ対86に停止させておける時間を長くとることができ、このプルアウトローラの停止時間の制御で、紙間を制御することができることにより、生産性の向上や紙間制御を容易に行うことができるからである。
【0059】
従来、後端検知センサS3が原稿の後端を検知して次原稿の給紙を開始していた。前原稿が分離位置である分離ニップを抜けて直ぐに次原稿を搬送するためには、なるべく後端検知センサS3を分離ニップに近づけることが好ましいが、後端検知センサS3を分離ニップ近傍に配置することは、次の理由により困難であった。すなわち、後端検知センサS3を分離ニップ近傍に配置した場合、前原稿の後端が分離ニップを通過する前に次原稿の先端が分離ニップから突出した状態になったとき、次原稿の先端が後端検知センサS3に対向して、後端検知センサS3が前原稿の後端を検知することができないおそれがある。また、本実施形態においては、プルアウトローラに原稿の先端が突き当った後、スキュー補正を行うために、所定時間だけ給紙モータ102を駆動させて原稿MSをプルアウトローラ対86に所定量の撓みをもって押し当てられた状態にしている。このため、図5に示すように、原稿MSが撓めるように分離ニップ近傍に空間を有している。その結果、分離ニップ近傍における原稿の搬送経路が安定しない。よって、後端検知センサS3を分離ニップ近傍に配置した場合、原稿の後端を精度よく検知できない場合がある。このように、原稿の後端を精度よく検知するためには、ある程度、後端検知センサS3を分離ニップから離す必要があった。
また、原稿にパンチ穴が形成されている場合など、一時的にセンサが非検知となるような原稿の場合でも、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したと誤検知しないように次のように制御している。すなわち、後端検知センサS3が原稿を検知しなくなっても直ぐに原稿後端を検知したと判定せず、後端検知センサS3が原稿を検知しなくなってから所定時間経過してもセンサ出力が検知の状態に戻らないことを確認した段階で、後端検知センサS3が後端を検知した判定している。よって、後端検知センサS3をトリガして次原稿の搬送開始の制御を行う装置においては、生産性の向上に限界があった。
【0060】
そこで、先願においては、特定のサイズの原稿(A4横サイズやレター横サイズ)において、生産性を高めるために、先端検知センサを設けて、特定サイズの原稿以下のときは、この先端検知センサの検知結果をトリガにして、次原稿の搬送制御を開始する装置を提案した。しかし、先願においては、特定サイズよりも搬送方向長さが十分小さいサイズの原稿においては、先端検知センサをトリガにして次原稿の搬送を行うと、後端検知センサS3をトリガにして次原稿の搬送制御を開始する場合に比べて生産性が低下することがわかった。
【0061】
そこで、本実施形態においては、このような特定サイズよりも搬送方向長さが十分に小さい原稿においては、後端検知センサS3の検知結果をトリガして次原稿の搬送制御を開始できるように構成した。以下に、本実施形態の特徴点について具体的に説明する。
【0062】
図8は、ADF51の原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部Dの途中まで概略説明図である。
図8に示すように、本実施形態のADF51は、原稿MSの先端を検知する第1先端検知手段としてのピックアップ搬送開始センサS1を備えている。また、ピックアップ搬送開始センサS1よりも原稿搬送方向上流側には、原稿MSの先端を検知する第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2を備えている。また、原稿載置台53にセットした原稿MSのサイズが生産性を高めるべき対象のサイズ(以下、特定サイズという)か否かを判別するための長さ検知手段としての特定サイズ長さ検知センサS4を備えている。
【0063】
上記特定サイズは、ユーザーの使用頻度が高く、ゆえにユーザーからの生産性の要求が高い原稿サイズ(たとえばレター横)である。上記特定サイズ長さ検知センサS4は、特定サイズの搬送方向の長さ(レター横では216mm)がちょうど検出されない位置を基本とし、検知ばらつきなどを考慮してマージン(+α)も見込まれた位置に配置される。本実施形態においては、特定サイズを「レター横」にしているが、これは、ユーザーの要求に合った原稿サイズであれば良い。
【0064】
第1先端検知手段としてのピックアップ搬送開始センサS1は、このセンサS1が特定サイズ(レター横)原稿の先端を検知した際に、特定サイズ原稿の後端が分離ニップ(給紙ベルト84、リバースローラ85との当接部)を確実に抜けているとみなせる位置に配置されている。すなわち、分離ニップから特定サイズの搬送方向長さ(例えば:216mm)に必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置に配置される。上記マージンには、例えば、次原稿の先端が分離ニップよりも下流に突出することがあり、その突出量がマージンとして加えられる。また、ピックアップ搬送開始センサS1の検知ばらつきなども考慮して決められる。
【0065】
第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2は、このセンサS2が特定サイズ原稿(上記の例ではレター横)の先端を検知した際に、特定サイズ原稿の後端がピックアップローラ80の原稿との当接部を確実に抜けているとみなせる位置に配置している。すなわち、ピックアップローラ80から特定サイズ原稿(たとえば216mm)の搬送方向長さに必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置に配置される。上記マージンには、例えば、ピックアップ下降開始センサS2の検知ばらつきなどを考慮して決められたものである。
【0066】
ピックアップ搬送開始センサS1、ピックアップ下降開始センサS2、後端検知センサS3は、反射型フォトセンサであり、原稿を検知しているときは、ON信号がコントローラ100に送信され、原稿を検知していないときは、OFF信号がコントローラに送信される。コントローラ100は、ピックアップ搬送開始センサS1やピックアップ下降開始センサS2の信号が、ON信号であるとき、原稿の先端を検知したと判定する。これは、OFF信号からON信号に切り替わるタイミングを監視する場合、処理遅延でONに切り替わったタイミングを見逃してしまうと、その後の処理が行えないおそれがある。一方、ON信号かOFF信号かを監視し、ON信号のとき、原稿の先端を検知したと判定する場合は、処理遅延でONに切り替わったタイミングを見逃しても、それなりの遅延で制御を行うことができる。また、コントローラ100は、パンチ穴原稿等、穴が開いた原稿が搬送される場合を考慮し、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されているとき、原稿の後端を検知したと判定する。しかし、後端検知の場合は、原稿が来る前のOFF信号なのか、原稿が抜けた後のOFF信号なのかを区別する必要がある。この場合、後端検知センサS3の信号がON信号からOFF信号に切り替わったことをトリガとして、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視すれば、原稿が抜けた後のOFF信号を監視することができる。しかし、上述同様、処理遅延でOFF信号に切り替わったタイミングを見逃してしまうと、その後の処理が行えないおそれがある。よって、コントローラ100は、後端検知センサS3の信号がON信号になったら、後端検知センサS3の信号が、OFF信号か否かを監視し、OFF信号であることを検知したら、給紙モータの駆動信号(例えばパルス数)に基づいて原稿の搬送量を検知して、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視する。これにより、処理遅延でOFF信号に切り替わったタイミングを見逃しても、それなりの遅延で後端検知の制御を行うことができる。原稿を所定量搬送している間に後端検知センサS3の信号が、ON信号となった場合には、コントローラ100は、再び、後端検知センサS3の信号が原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視する。
【0067】
図9は、特定サイズ(レター横)原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
特定サイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたとき、特定サイズ長さ検知センサS4はちょうど非検知となっている。この特定サイズの原稿が搬送されると、図9(a)に示すように、原稿の後端が後端検知センサS3を抜ける前に、原稿の先端がピックアップ下降開始センサS2に到達する。このとき、図9(a)に示すように、原稿の後端は、ピックアップローラ80との対向位置を抜けた位置に位置している。よって、特定サイズの原稿の場合は、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングで、ピックアップローラ80の下降を開始しても、ピックアップローラ80が、前原稿に当接することがない。このように、特定サイズの原稿が搬送されるときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングで、ピックアップローラ80の下降を開始することにより、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始する場合に比べて、紙間を詰めて搬送することが可能となる。
【0068】
また、図9(b)に示すように、原稿の後端が後端検知センサS3を抜けるまえに、原稿の先端がピックアップ搬送開始センサS1に到達する。このとき、図9(b)に示すように、原稿の後端は、分離ニップから僅かに下流側に位置している。このときの分離ニップから原稿後端の位置は、次の原稿の先端が分離ニップから突出していても、前原稿の後端は、次原稿の先端と重ならないところに位置している。よって、特定サイズの原稿の場合は、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、次原稿の搬送を開始しても重送が生じることなく、後端検知センサS3が原稿の後端を検知して原稿の搬送を開始する場合に比べて、紙間を詰めて搬送を行うことができる。
【0069】
図10は、特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿がセットされたときも特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となっている。図10に示すように、特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に短いサイズの原稿が搬送された場合は、原稿の先端がピックアップ搬送開始センサS1に到達する前に原稿の後端が後端検知センサS3を抜ける。よって、特定サイズよりも十分短い原稿の場合は、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したタイミングで、次原稿の搬送を開始する方が、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、次原稿の搬送を開始するよりも、紙間を詰めて搬送を行うことができる。
【0070】
図11は、図10に示した原稿よりも搬送方向長さがさらに短いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
図11に示す原稿がセットされたときも特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となっている。このような原稿が搬送された場合は、原稿の先端がピックアップ下降開始センサS2に到達する前に原稿の後端が後端検知センサS3を抜ける。このような原稿の場合は、特定サイズの原稿のときと同様、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで原稿の搬送を開始すると、紙間が非常に広がってしまう。よって、この場合は、後端検知センサS3が、原稿の後端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿載置台53の次原稿に当接したら、次原稿の搬送を開始することにより、センサS1,S2の先端検知に基づいて、ピックアップローラ80の下降の開始や次原稿の搬送を開始する場合に比べて、紙間を詰めることができる。
【0071】
図12は、特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが十分に長いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
特定サイズ(レター横)よりも搬送方向長さが長いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされたときは、特定サイズ長さ検知センサS4は原稿を検知している。
この場合は、図12に示すように、原稿の先端がピックアップ搬送開始センサS1を抜けるとき、原稿の後端は、ピックアップローラ80との対向位置よりも搬送方向下流側にある。よって、この場合は、特定サイズの原稿のときと同様、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングでピックアップローラ80の下降を開始すると、前原稿とピックアップローラ80とが当接してしまう。その結果、ピックアップローラ80が搬送の抵抗となり、前原稿にスキューが生じるおそれがある。さらに、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで原稿の搬送を開始すると、重送が生じてしまう。よって、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿の場合は、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿束の原稿に当接したら、次原稿を搬送することにより、前原稿にスキューが生じたり、重送が生じることなく搬送することができる。
【0072】
次に、本実施形態における次原稿の搬送制御について、説明する。
図13は、次原稿の搬送制御の制御フロー図である。
図13に示すように、まず、本体制御部111よりI/F107を通じて要求される給紙開始命令が到着したか否かを検知(S1)して、命令が到着したら(S1でYes)、特定サイズ長さ検知センサS4の出力を確認する(S2)。特定サイズ長さ検知センサS4が原稿を検知しているとき(S2のNo)は、制御手段たるコントローラ100は、原稿載置台53にセットされた原稿が、特定サイズ以上であると判定し、原稿の先端検知による搬送制御を無効に設定する(S5)。
【0073】
一方、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿を検知していないとき(S2のYes)は、上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置されたシート材検知手段たる長さセンサ57、58a,58bが、原稿を検知しているか否かを検知する(S3)。上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置された長さセンサ57、58a,58bで原稿を検知する理由は、以下のとおりである。上記原稿載置台53には、折り曲げられて、折り癖(折り目)のついた原稿束がセットされる場合がある。このとき、原稿束の折り癖のついた部分が、原稿載置台53から浮き上がっていることがある。その折り癖のついた部分が、ちょうど、上記特定サイズ長さ検知センサS4と対向する位置にくると、上記特定サイズ長さ検知センサS4は、原稿を検知しない場合がある。その結果、実際には、特定サイズよりも搬送方向に長いサイズの原稿束が原稿載置台53にセットされているにもかかわらず、搬送方向長さが特定サイズ原稿よりも短い原稿束がセットされたと誤検知するおそれがある。このような誤検知を抑制するために、上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置された長さセンサ57、58a,58bで原稿を検知するのである。
【0074】
上記長さセンサ57、58a,58bが、原稿を検知しているとき(S3でNO)は、コントローラ100は、原稿載置台53にセットされた原稿が、特定サイズ以上であると判定し、原稿の先端検知による搬送制御を無効に設定する(S5)。一方、上記長さセンサ57、58a,58bが、原稿を検知していないとき(S3でYES)は、特定サイズの搬送方向長さよりも短い原稿束がセットされたと判定して、原稿の先端検知による搬送制御を有効に設定する(S4)。
【0075】
このように本実施形態においては、上記特定サイズ長さ検知センサS4よりも搬送方向上流に配置された長さセンサ57、58a,58bの検知結果を含めて、原稿載置台53にセットされた原稿束が、特定サイズよりも搬送方向長さが短いか否かを検知することによって、セットされる原稿束に折り癖などがあっても、確実にセットされた原稿束が、特定サイズよりも搬送方向長さが短いか否かを検知することができる。
【0076】
次に、上述のように、原稿の先端検知による搬送制御の有効/無効を設定したら、原稿載置台53にセットされた原稿束の最上位の原稿の搬送を開始する(S6)。
【0077】
先端検知が無効のときは、搬送される原稿は、特定サイズ原稿よりも搬送方向長さが長い原稿であり、先の図12に示したように、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したとき、後端がピックアップローラ80よりも搬送方向上流側に位置している場合がある。よって、この場合は、先端検知を無効にして、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら(S7でNO,S8でYES)、ピックアップローラ80の下降を開始する(S9)。具体的には、コントローラ100は、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視し、原稿の後端が抜けて、原稿が所定量搬送される間OFF信号が入力され続けていたら、後端検知センサS3により、原稿の後端が検知されたと判定する。これにより、ピックアップローラ80が、前原稿と当接することがなくなり、前原稿にスキューなどが生じるのを抑制することができる。そして、ピックアップローラ80が原稿束の次の原稿に当接(ピックアップローラ80の下降完了)したら(S13でYES)、コントローラ100は、給紙モータ102を正回転させて、ピックアップローラ80と給紙ベルト84とを回転駆動させて、次源原稿の給紙動作を開始する(S14)。これにより、重送が生じることなく、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿を搬送することができる。ピックアップローラ80の下降が完了したか否かの判定は、ピックアップ昇降モータ101が駆動開始したときから一定時間経過したか否かで判定する方法や、センサ検知による方法、これらの組み合わせなどの既知の方法が使用できる。
【0078】
一方、先端検知センサが有効に設定されているときは、後端検知センサS3とピックアップ下降開始センサS2の両方を監視する(S7、S8)。具体的には、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視し、ピックアップ下降開始センサS2がON信号か否かを監視する。そして、後端検知センサS3からのOFF信号が、原稿が所定量搬送される間、入力され続けていることにより、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する(S7でNO,S8でYES)か、ピックアップ下降開始センサS2からのON信号を検知して、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するか(S7でYES)したら、ピックアップローラ80の下降を開始する(S9)。先の図11に示す原稿のときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知する前に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する。よって、図11に示すような原稿が搬送されたときは、後端検知センサS3の検知結果がトリガとなり、ピックアップローラ80の下降が開始される。そして、ピックアップローラ80が原稿束の次の原稿に当接(ピックアップローラ80の下降完了)したら(S13でYES)、コントローラ100は、給紙モータ102を正回転させて、ピックアップローラ80と給紙ベルト84とを回転駆動させて、次原稿(原稿束の2番目の原稿)の給紙動作を開始する(S14)。これにより、図11に示すような原稿を搬送するときの紙間が長くなるのを抑制することができる。
【0079】
一方、先の図10に示すような原稿の場合や、特定サイズの原稿の場合は、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知する(S7でYES)。よって、先の図10に示すような原稿の場合や、特定サイズの原稿の場合は、ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガとして、ピックアップローラ80の下降が開始される(S9)。また、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知した場合は、後述する異常検知処理を開始する(S17)。
【0080】
後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知した場合、コントローラ100は、後端検知センサS3とピックアップ搬送開始センサS1の両方を監視する(S10、S12)。具体的には、後端検知センサS3の信号が、原稿を所定量搬送している間OFF信号が継続されたか否かを監視し、ピックアップ搬送開始センサS1がON信号か否かを監視する。そして、コントローラ100は、後端検知センサS3からのOFF信号が、搬送を所定量継続する間入力され続けていることにより、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する(S12でYES)か、ピックアップ搬送開始センサS1からのON信号を検知して、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する(S10でYES)かしたら、次原稿給紙動作を開始する(S14)。先の図10に示すように、特定サイズよりも搬送方向長さが短い原稿の場合は、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する前に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する(S10がNOで、S12がYES)。よって、図10に示すような原稿が搬送されたときは、後端検知センサS3の検知結果がトリガとなり、ピックアップローラの下降が完了していたら(S13でYES)、次原稿の給紙動作が開始される。これにより、ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果をトリガとして次原稿の給紙動作が開始される場合に比べて、紙間を詰めることができる。
【0081】
一方、特定サイズ(レター横)の原稿の場合は、先の図9(b)に示したように、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する(S10でYES)。よって、特定サイズ原稿が搬送されたときは、ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果がトリガとなる。通常、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知するよりも前に、ピックアップローラ80の下降は完了している(S13でYES)ので、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、次原稿の給紙動作が開始される(S14)。これにより、後端検知センサS3の検知結果をトリガとして次原稿の給紙動作が開始される場合に比べて、紙間を詰めることができる。また、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知した場合は、後述する異常検知処理を開始する(S18)。
【0082】
また、次原稿がある場合(S15でYES)は、後端検知センサS3の信号が、ON信号となり、後端検知センサS3が原稿の先端を検知したら(S16でYES)、S7以降のステップを繰り返し行う。このように、後端検知センサS3の信号が、ON信号となったことを確認してから、S7以降のステップを行うことで、コントローラ100は、後端検知センサS3からの信号が、所定期間OFF信号であることを監視するだけで、後端検知センサS3が、原稿の後端を検知したか否かを判定することができる。これにより、後端検知センサS3のON信号からOFF信号の切り替わりをトリガにして、所定期間OFF信号であることを監視する場合に比べて、処理遅延で万が一見逃しても、それなりの遅延で搬送制御を行うことができる。
【0083】
本実施形態においては、次原稿がある場合、次原稿の搬送制御処理が開始される前に、長さ検知センサS4,57,58a,58bによる検知を行わずに、原稿載置台にセットされた原稿束の最上位の原稿が搬送される前に検知した情報に基づいて、次原稿(原稿束の2番目の原稿)以降の搬送制御を行っている。これは、原稿束の連続給紙中に原稿載置台53上に積載されている残りの原稿束の原稿が引きずられて分離ニップ側に移動してしまう可能性がある。その結果、原稿載置台53にセットされたとき原稿の後端が、図9に示す原稿セット位置から分離ニップまでの長さL2よりも短い距離分、特定サイズ長さ検知センサS4から搬送方向上流側に位置するような原稿サイズの場合、原稿束の残りの原稿が分離ニップ側移動してしまうと、図14に示すように、本来、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿であるのもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となり、コントローラ100は、特定サイズ未満と判定してしまう。その結果、本来は、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿にも係らず、先端検知が有効に設定され、重送やスキューが発生するおそれがある。よって、本実施形態においては、長さ検知センサS4,57,58a,58bによる原稿の搬送方向長さが特定サイズ以上か否かの判定は、最上位の原稿が搬送される前にのみ行い、それ以降、先端検知の有効/無効の設定は、変更しない。これにより、重送やスキューが発生を抑制することができる。
【0084】
次に、図13の制御フローに示した異常検知処理について説明する。
特定サイズ長さ検知センサS4が、非検知で先端検知が有効に設定されているときにおいて、センサS1,S2で先端を検知してから所定の時間経過するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するはずである。そのため、もしこの後端検知センサS3が所定の時間経過後も原稿の後端を検知しない場合、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿がセットされたにもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4の故障や誤検知により、特定サイズ長さ検知センサS4が原稿を検知できていない可能性が疑われる。特定サイズよりも搬送方向に長い原稿の搬送時に、先端検知が無効になっていないと、上述したように、スキューや重送が発生してしまう。そこで、本実施形態においては、異常検知処理を行って、先端検知が有効のときに特定サイズよりも搬送方向に長い原稿が搬送されていないか検知して、搬送異常を検知するのである。
【0085】
図15は、異常検知処理の制御フロー図である。
このフローは、先端検知が有効に設定され、ピックアップ下降開始センサS2やピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したときに呼び出され、図13に示した制御フローと平行して処理されるものである。
まず、ピックアップ下降開始センサS2やピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したことをトリガにして、異常検知処理の制御が開始されると、そのときの駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルスカウントを基準値として取得しコントローラ100のメモリに記憶する(S21)。次に、コントローラ100は、後端検知センサS3を監視する(S22)。そして、現在の駆動パルス数が、保存した基準パルスカウントから所定量(Th)増加する前に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知した場合は、コントローラ100は、原稿の搬送が正常と行われていると判定(S24)する。
【0086】
一方、現在の駆動パルス数が、保存した基準パルスカウントから所定量(Th)以上増加しても、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しない(S22でNO、S23でYES)場合は、先端検知が有効であるにも係らず、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿が搬送されていると判断し、搬送異常と判定する(S25)。この場合、重送やスキューが発生するおそれがあるので、原稿搬送に使用されている各駆動モータを停止させて、原稿の搬送を停止する(S26)。また、1/F107を通じて本体制御部111に、搬送異常と判定した旨を通知する。本体制御部111は、この通知にもとづいて、操作部108に特定サイズ長さ検知センサS4の故障が疑われる旨を表示し、ユーザーに報知する(S27)。
【0087】
上記ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガとして、異常判定処理が開始された場合、上記所定量(Th)は、ピックアップローラ80の位置から後端検知センサS3の搬送路上の位置まで原稿が搬送されるのに必要な駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルス数を基本とし、それにセンサの検知誤差などのマージンを加えたものが用いられる。また、上記ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果をトリガとして、異常判定処理が開始された場合、上記所定量(Th)は、分離ニップから後端検知センサS3の搬送路上の位置まで原稿が搬送されるのに必要な駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルス数を基本とし、それにマージンを加えたものが用いられる。
【0088】
また、図13においては、上記ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガとして、異常判定処理を行うともに、上記ピックアップ搬送開始センサS1の検知結果をトリガとしても異常判定処理を行っているが、いずれか一方だけでもよい。
【0089】
このように、異常判定処理を行うことにより、特定サイズ長さ検知センサS4の故障や誤検知により、先端検知が有効に設定された状態で、特定サイズよりも搬送方向に長い原稿が搬送されることを防止することができ、重送やスキューが生じるのを抑制することができる。
【0090】
また、原稿載置台53には、特定サイズの原稿と、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿とが混合した原稿束がセットされる場合がある。このとき、原稿束の最上位の原稿を搬送する前に長さセンサS4、57、58a、58bを用いた判定結果は、特定サイズよりも搬送方向に長いという判定結果となり、先端検知が無効に設定される。そして、上述のように、原稿束の最上位の原稿が搬送される前に行った判定結果を用いて、残りの原稿の搬送制御を行う場合、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿が搬送されて、原稿載置台上の原稿が、特定サイズ以下の原稿となった状態でも、後端検知で搬送制御され、生産性が損なわれるおそれがある。そこで、このような特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿と特定サイズ以下の原稿とが混合した原稿束をセットする場合、ユーザーで原稿サイズ混載モードを設定できるようにし、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿と特定サイズの原稿とが混合した原稿束の場合でもなるべく生産性を損なわないようにしてもよい。原稿サイズの混載モードの設定は、たとえば、ユーザーが操作部108を操作することで設定/解除が可能となっている。
【0091】
原稿サイズ混載モードに設定されている場合は、コントローラ100は、長さセンサS4、57、58a、58bによる原稿サイズの判定(原稿サイズが特定サイズの搬送方向長さよりも長いか否かの判定)を各原稿の給送開始前に毎回実施する。ただし、この場合は、次原稿の先端が分離ニップまで先行紙に引きずられる形で移動するようなケースが生じ、図14に示すように、本来、特定サイズよりも搬送方向長さが長い原稿であるのもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4は非検知となる場合がある。
【0092】
そこで、原稿サイズ混載モードに設定されているときは、図14に示した状況を考慮して、ピックアップ下降開始センサS2をトリガとしてピックアップローラ80の下降を開始するときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから所定時間経過してからピックアップ下降を開始するようにする。また、ピックアップ搬送開始センサS1をトリガとしてピックアップローラ80・給紙ベルト84の搬送を開始するときは、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知してから所定時間経過してからピックアップローラ80・給紙ベルト84の搬送を開始するようにする。
【0093】
図17は、原稿サイズ混載モードが設定されているときにおける次原稿の搬送制御の制御フロー図である。
図13に示した次原稿搬送制御と同様にして、原稿載置台53にセットされた原稿束の搬送方向長さが特定サイズの原稿よりも長いか否かを検知し、先端検知を有効/無効を設定して最上位シートの搬送を行う(S31〜S34)。
【0094】
先端検知が無効に設定されている場合や、先端検知が有効に設定されて、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知した場合(S37でNO、S38でYES)は、先の図13に示した制御フローと同様にして、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したことをトリガにして、ピックアップローラ80の下降を開始する(S39)。ピックアップローラ80の下降が完了(S42でYES)したら、再度、長さセンサS4、57、58a、58bの検知結果に基づいて、原稿載置台53にセットされている原稿束の搬送方向長さが、特定サイズ原稿よりも長いか否かの判定が行われ、先端検知の有効/無効の設定が行なれる(S43〜S46)。そして、次原稿給紙動作が開始される(S47)。
【0095】
一方、先端検知が有効に設定されており、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかった場合(S37のYES)は、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動したら、ピックアップローラ80の下降を開始する。具体的には、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したら、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)の駆動パルスをカウントし、カウント値が所定値となるまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかったときは、ピックアップローラ80の下降を開始する。また、上記所定パルスは、図16に示すように、原稿載置台53にセットされた原稿の原稿セット位置から分離ニップまで距離L2に必要十分なマージン(+α)を加えた距離を移動するのに必要な駆動パルスである。また、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知してから、原稿がL2+α移動するのにかかる時間を経過したか否かを判定し、この時間経過しても、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかったときは、ピックアップローラ80の下降を開始するようにしてもよい。
【0096】
また、先端検知が有効に設定されており、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知してから駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動するまでの間に、後端検知センサS3が原稿の後端を検知しなかった場合(S40でYES)は、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)が所定パルス以上駆動したら、次原稿給紙動作が開始される(S47)。この場合、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したときは、ピックアップローラ80の下降は完了しているので、所定パルス駆動する間に、先端検知の有効/無効の設定処理(シート束サイズ再判定処理)は、終了している。
【0097】
上記のような原稿サイズ混載モードの設定は図16に示すように、原稿セット位置から分離位置までの距離L2が、分離位置から後端検知センサS3までの距離L1よりも短いときにのみ有効である。なぜなら、L2>L1の場合は、センサS1が原稿の先端を検知してから距離L2分、原稿が移動するにかかる時間待っている間に、原稿の後端が後端検知センサS3を抜けしまうからである。すなわち、L2>L1の場合は、原稿サイズが混合された原稿束の場合、先端検知を無効にして、後端検知センサS3の検知結果をトリガして原稿搬送制御を開始した方が、結果的に生産性が早くなるのである。一方、L2<L1の場合は、図17に示した制御を行うことによって、後端検知センサS3の検知結果をトリガとする場合に比べて、(L1−L2)分、紙間を詰めることができる。なお、実際には、図16に示すように、センサS1が原稿の先端を検知して(L2+α)原稿が移動するにかかる時間待っているわけであるが、原稿の後端の検知は、後端検知センサが原稿を検知しなくなって所定時間経過しても、再度原稿を検知しなかったときに後端を検知したと判定されるので、原稿の後端が後端検知センサS3を抜けてから、搬送制御が開始されるまで上記αとほぼ同じマージンがある。よって、距離L2と距離L1との比較で、原稿サイズ混載モードを搭載するか否かを決めて問題はない。
【0098】
また、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いてもよい。
図18は、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いた構成のADFの原稿セット部、分離搬送部、レジスト部、ターン部の途中まで概略説明図である。図19は、特定サイズの原稿束が原稿載置台にセットされたときの搬送の様子を説明する図である。
図に示すように、特定サイズ長さ検知センサS4は、原稿搬送方向に有効検知範囲Xmmの長さをもつラインセンサであり、その中央が基本位置(原稿セット位置から216mmの位置)となるよう設けられている。
このように、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いることにより、原稿搬送方向長さが216±(X/2)mmの範囲のシート材の長さを正確に検知することができる。
【0099】
また、第1先端検知手段としてのピックアップ搬送開始センサS1は、特定サイズ長さ検知センサS4が検知可能な長さの最小値(216−(X/2)mm)の原稿の先端をピックアップ搬送開始センサS1が検知した際に、この原稿の後端が分離ニップを確実に抜けているとみなせる位置に配置されている。すなわち、図19に示すように、分離ニップから特定サイズの搬送方向長さ(例えば:216mm)に必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置(図19の点γ1)から、(X/2)mm上流側にピックアップ搬送開始センサS1を配置した。
【0100】
また、第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2も、ピックアップローラ80から特定サイズ原稿(たとえば216mm)の搬送方向長さに必要十分なマージンを加えた値だけ搬送経路に沿った下流の位置(図19の点γ2)から、(X/2)mm上流側に配置した。
【0101】
図19に示すように、特定サイズ(シート搬送方向長さ:216mm)の原稿束が原稿載置台にセットされた場合、ラインセンサの特定サイズ長さ検知センサS4は、原稿載置台にシート搬送方向長さが216mmの原稿束がセットされたことを正確に検知することができる。
【0102】
特定サイズの原稿を搬送すると、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ下降開始センサS2が、原稿の先端を検知する。ピックアップ下降開始センサS2は、上述に比べて、(X/2)mm上流側に配置されているため、後端が、ピックアップローラ80の当接位置を抜けていない。このため、ピックアップ下降開始センサS2が、原稿の先端を検知したら、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)のパルスのカウントを開始し、特定サイズに対応するパルス数となったら、ピックアップ昇降モータ101の駆動を開始して、ピックアップローラ80の下降を開始する。特定サイズ長さ検知センサS4をラインセンサとして、原稿の搬送方向長さ(216mm)を正確に検知することができているので、原稿の後端がピックアップローラ80の当接位置を抜けてからピックアップローラ80の下降を開始することができる。本体制御部110の不図示の不揮発性メモリには、216−(X/2)mm〜216+(X/2)の範囲の原稿に対応するパルス数が記憶されており、特定サイズ長さ検知センサS4の検知結果に基づいて、原稿の搬送方向長さに対応するパルス数が特定される。例えば、原稿の搬送方向長さが特定サイズ(216mm)の場合は、上記不揮発性メモリから特定サイズに対応するパルス数が読み出され、本体制御部110は、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)のパルス数が、読み出したパルス数となったか否かを監視するのである。
【0103】
また、特定サイズ(レター横)の原稿の場合は、上述同様、後端検知センサS3が原稿の後端を検知する前に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知する。しかし、ピックアップ搬送開始センサS1は、上述に比べて、(X/2)mm上流側に配置されているため、後端が、分離ニップを抜けていない場合がある。そのため、上述と同様に、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したら、駆動モータ(給紙モータ102やプルアウトモータ113)のパルスのカウントを開始し、パルスカウント数が、216mmに対応するパルスカウント数となったら、次原稿の搬送を開始する。これにより、重送が生じることなく、原稿を搬送することができる。
【0104】
上述では、特定サイズ(シート搬送方向長さ:216mm)の原稿の搬送の場合について、説明したが、シート搬送方向長さが、216−(X/2)mmよりも大きく、216+(X/2)mm未満の原稿については、上述と同様な制御を行う。また、上述では、ピックアップ搬送開始センサS1、ピックアップ下降開始センサS2をトリガにして、駆動モータのパルス数のカウントを開始しているが、これに限られず、例えば、プルアウトモータ113の駆動開始をトリガにして、駆動モータのパルス数のカウントを開始してもよい。
【0105】
また、ラインセンサの特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿を検知していないときは、原稿設置台53にセットされた原稿は、216−(X/2)mm以下の原稿である。この場合は、上述と同様、後端検知センサS3と、ピックアップ下降開始センサS2とを監視し、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するよりも先に後端検知センサS3が原稿の後端検知した場合は、後端検知センサS3の検知結果をトリガにして、ピックアップローラ80を下降して、ピックアップローラ80が、次原稿に当接した段階で、次原稿の搬送を開始する。
【0106】
一方、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも先にピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知した場合は、ピックアップ下降開始センサS2の検知結果をトリガにして、ピックアップローラの下降を開始する。また、これと同時に、ピックアップ搬送開始センサS1と、後端検知センサS3を監視し、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、次原稿の原稿を開始する。
【0107】
また、ラインセンサの特定サイズ長さ検知センサS4が、216+(X/2)mmを検知している場合は、原稿設置台53にセットされた原稿束が、216+(X/2)mm以上の原稿であるので、後端検知センサS3が、原稿の後端を検知したことをトリガにして、搬送制御(ピックアップローラを下降から次原稿の搬送までの一連動作)を開始する。
【0108】
このように、特定サイズ長さ検知センサS4として、ラインセンサを用いることにより、216−(X/2)mm以上、216+(X/2)mm未満の原稿については、原稿の搬送方向長さを正確に検知することができ、原稿の搬送方向長さに基づいた搬送制御を行うことができる。これにより、216−(X/2)mm以上、216+(X/2)mm未満の原稿については、紙間が最も短いタイミングで原稿を搬送することができ、生産性を高めることができる。
【0109】
また、図20に示すように、ラインセンサからなる特定サイズ長さ検知センサS4を、原稿搬送方向に対して傾けてもよい。このように、特定サイズ検知センサS4を傾けることで、特定サイズ検知センサS4で、幅方向長さが所定範囲の原稿であるか否かを検知することができ、反射型フォトセンサを原稿幅方向に並べた原稿幅センサ73における反射型フォトセンサの個数を削減することができる。
【0110】
図20の構成においては、特定サイズ長さ検知センサS4で、A4横サイズ、レター横サイズの幅を検知することができ、原稿幅センサにおけるSn13−Nの反射型フォトセンサを無くすことが可能となる。
【0111】
また、この場合、図の点線で示すような不定形の原稿の場合、特定サイズよりも長いにもかかわらず、特定サイズ長さ検知センサS4で特定サイズよりも長い原稿であることが検知できない場合がある。このため、特定サイズ長さ検知センサS4が未検知で、原稿幅センサ73のSn13−mが、未検知の場合は、先端検知によるトリガを中止し、後端検知センサS3のトリガで次原稿の搬送を行うように切り替えるようにする。
【0112】
また、図21に示すように、特定サイズ長さ検知センサS4を複数設けてもよい。また、図21に示すように、各特定サイズ長さ検知センサS4に対応した先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2a,S2b、ピックアップ搬送開始センサS1a,S1b)をそれぞれ設けている。
【0113】
図22は、図21の構成における原稿搬送の制御フロー図である。
図に示すように、第1の特定サイズ長さ検知センサS4aが原稿を検知していないとき(S51のNO)は、後端検知センサS3、第1のピックアップ下降開始センサS2a、第1のピックアップ搬送開始センサS1aを用いた搬送制御を行う(S54)。すなわち、後端検知センサS3と第1のピックアップ下降開始センサS2aとを監視し、後端検知センサS3が、第1のピックアップ下降開始センサS2aよりも先に原稿の後端を検知した場合は、後端検知センサS3の検知結果をトリガにして、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿束の上面に当接した段階で次の原稿を分離ニップへ搬送する。一方、後端検知センサS3よりも先に第1のピックアップ下降開始センサS2aが、原稿の先端を検知した場合は、第1のピックアップ下降開始センサS2aをトリガにしてピックアップローラ80の下降を開始する。それと同時に、第1のピックアップ搬送開始センサS1aと後端検知センサS3とを監視し、第1のピックアップ搬送開始センサS1aが原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、次の原稿を分離ニップへ向けて搬送する。
【0114】
一方、第1の特定サイズ長さ検知センサS4aが原稿を検知した場合(S51のYES)は、第2の特定サイズ長さ検知センサS4bが原稿を検知しているか否かをチェックする(S52)。第2の特定サイズ長さ検知センサS4bが原稿を検知していない場合(S52のNO)は、後端検知センサS3、第2のピックアップ下降開始センサS2b、第2のピックアップ搬送開始センサS1bを用いた搬送制御を行う(S55)。すなわち、後端検知センサS3と第2のピックアップ下降開始センサS2bとを監視し、後端検知センサS3が、第2のピックアップ下降開始センサS2bよりも先に原稿の後端を検知した場合は、後端検知センサS3の検知結果をトリガにして、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が原稿束にの上面に当接した段階で次の原稿を分離ニップへ搬送する。一方、後端検知センサS3よりも先に第2のピックアップ下降開始センサS2abが、原稿の先端を検知した場合は、第2のピックアップ下降開始センサS2bをトリガにしてピックアップローラ80の下降を開始する。それと同時に、第2のピックアップ搬送開始センサS1bと後端検知センサS3とを監視し、第2のピックアップ搬送開始センサS1bが原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、次の原稿を分離ニップへ向けて搬送する。
【0115】
また、第2の特定サイズ長さ検知センサS4bが原稿を検知している場合(S52のYES)は、後端検知センサS3のみを用いた搬送制御を行う。すなわち、後端検知センサS3のみを監視し、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら、ピックアップローラ80の下降を開始し、ピックアップローラ80が次の原稿の表面に当接したら、次原稿を分離ニップへ搬送するのである。
【0116】
図21のように構成することにより、複数サイズの原稿について、紙間を最も短くして、原稿を搬送することができる。また、各特定サイズ長さ検知センサS4a,S4bをラインセンサとしてもよい。原稿の後端が、第1特定サイズ長さ検知センサS4aの検知範囲内、または、第2特定サイズ長さ検知センサS4bの検知範囲内である場合は、特定サイズ長さ検知センサS4a,S4bの検知結果に基づいて、原稿の搬送制御を行うことができる。すなわち、特定サイズ長さ検知センサS4a,S4bの検知結果に対応するパルス数を求め、駆動モータ(給紙モータ104,プルアウトモータ113)のパルス数をカウントし、そのパルス数となったら、搬送制御(ピックアップローラ80を下降させて、次の原稿を、分離ニップへ搬送する制御)を開始するのである。
【0117】
本実施形態においては、ピックアップ下降開始センサS2と、ピックアップ搬送開始センサS1とを有しているが、ピックアップ搬送開始センサS1は、無くてもよい。この場合は、ピックアップ下降開始センサS2が先端を検知して、ピックアップローラ80を下降しピックアップローラ80の下降が完了したら、給紙モータ102を駆動して次原稿の給紙動作を開始する。この場合、特定サイズの原稿を搬送するときは、ピックアップローラ80の下降が完了したとき、原稿の後端が、先の図9に示す位置に位置するよう、ピックアップ下降開始センサS2を配置する。また、これとは逆に、ピックアップ搬送開始センサS1のみして、ピックアップ下降開始センサS2によるピックアップローラ下降制御を行わないようにしてもよい。この場合は、原稿の搬送方向長さが、特定サイズよりも短いと判定したときは、例えば、プルアウトモータ113の駆動が開始されてから、所定時間経過したらピックアップローラ80の下降を開始するように制御する。また、本実施形態においては、原稿搬送毎に、ピックアップローラ接離させているが、ピックアップローラ80は、接離する構成でなくてもよい。このような構成のADFにおいては、ピックアップ搬送開始センサS1のみを備えた構成のADFとなる。また、ピックアップローラ80を無くして、給紙ベルト84で、分離部の搬送と、原稿載置台53の原稿をピックアップしてもよい。この場合は、上記給紙ベルト84が、搬送手段となり、ピックアップ搬送開始センサS1のみを備えた構成のADF51となる。
【0118】
また、上述においては、ADF51に本発明を適用したが、転写紙供給装置40に本発明を用いることができる。転写紙供給装置40に本発明を適用することにより、紙間を短くすることができ、画像形成装置の生産性を高めることができる。
【0119】
以上、本実施形態のシート材搬送装置たるADF51によれば、複数枚のシート材たる原稿を重ねて積載するシート材積載部たる原稿載置台53と、原稿を所定の搬送目的位置としての読取位置まで搬送する原稿搬送部(レジスト部Cおよびターン部D)と、原稿載置台に積載された原稿を原稿搬送部へ向けて搬送する搬送手段たるピックアップローラ80と、ピックアップローラ80によって搬送されたシート材を一枚に分離する分離手段(給紙ベルト84、リバースローラ85などで構成)とを備えている。また、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段としての特定サイズ長さ検知センサS4と、原稿搬送部内の所定の位置で搬送されてくる原稿の搬送方向の先端を検知する先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2、ピックアップ搬送開始センサS1)と、原稿搬送部内の所定の位置で搬送されてくる原稿の搬送方向の後端を検知する後端検知手段たる後端検知センサS3とを備えている。そして、制御手段としての制御部は、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したら、次の原稿の搬送制御を開始する。かかる制御を行うことで、上述したように、重送やスキューが生じるのを抑制することができる。
また、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2、ピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知するか、後端検知センサS3が後端を検知するかしたら、次の原稿の搬送制御を開始する。かかる制御を行うことで、上述したように、搬送される原稿の搬送方向長さが所定の長さに対して十分短い原稿の生産性の低下を抑制することができる。また、搬送される原稿の搬送方向長さが所定の長さよりも僅かに短い原稿の生産性を高めることができる。
【0120】
また、先端検知手段は、上記分離手段がシート材を分離する分離位置たる分離ニップから、特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置されているピックアップ搬送開始センサS1であって、制御部は、後端検知センサが原稿の後端を検知したタイミング、または、ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知したタイミングで、ピックアップローラ80による次のシート材の搬送を開始する。このように、ピックアップ搬送開始センサS1は、分離ニップから、特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置されているので、ピックアップ搬送開始センサS1が先端を検知したタイミングで、搬送を開始しても、重送が生じることなく、特定サイズの原稿の搬送を行うことができる。また、特定サイズよりも短い原稿や長い原稿は、後端検知センサが原稿の後端を検知したタイミングで次原稿の搬送が行われることで、重送が生じることなく、また、必要以上に紙間が広がることなく次原稿の搬送を行うことができる。
【0121】
また、ピックアップローラ80を原稿載置台53に積載された原稿に対して接離させる接離手段としての不図示のカム機構を備えている。また、分離手段は、原稿を搬送する搬送部材としての給紙ベルト84と、給紙ベルト84に当接して分離ニップを形成し、原稿を一枚に分離するための分離部材としてリバースローラ85とを有している。また、先端検知手段は、ピックアップローラ80から、特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置されているピックアップ下降開始センサS2である。制御部は、原稿が給紙ベルト84により搬送されたら、不図示のカム機構によりピックアップローラを原稿から離間させる制御を行う。そして、後端検知センサS3が原稿の後端を検知したタイミング、または、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知したタイミングで、上記カム機構によりピックアップローラ80を原稿に当接させる制御を開始する。これにより、ピックアップローラ80が、搬送中の原稿と当接することがなくなり、スキューの発生や原稿汚れを抑制することができる。また、特定サイズの原稿においては、原稿の後端が分離部を抜けて直ぐに、ピックアップローラ80による原稿の搬送が可能となり、ピックアップローラ80の下降により生産性への影響を減じることができる。
【0122】
また、本実施形態のADF51によれば、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも早く上記先端検知手段((ピックアップ下降開始センサS2またはピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知したとき、先端検知手段が原稿の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知センサS3が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する搬送異常判定手段としての制御部を備えている。そして、制御部が、搬送異常と判定したときは、原稿の搬送を停止する。これにより、特定サイズ長さ検知センサS4の誤検知や故障により、正しい搬送開始制御が行われていない状態で、原稿搬送が継続されてしまうのを防止することができる。これにより、スキューや重送が発生した状態で搬送が継続されるのを抑制することができる。
【0123】
また、原稿載置台53に積載されている原稿の先端から分離ニップまでの距離L2が、上記分離ニップから後端検知センサS3までの距離L1よりも短く構成されているADF51においては、原稿載置台53上の原稿の原稿搬送方向長さが異なる原稿が積載したときに、シートサイズ混載モードたる原稿サイズ混載モードに設定するモード設定手段(操作部108などで構成)を有している。そして、原稿サイズ混載モードが設定されているとき、特定サイズ長さ検知センサS4は、次原稿の搬送制御開始毎に上記原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知する。また、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも先に先端検知手段(ピックアップ下降開始センサS2またはピックアップ搬送開始センサS1)が原稿の先端を検知したときは、先端検知手段が原稿の先端を検知してから原稿載置台53に積載されている原稿の先端が上記分離ニップまで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた時間を経過してから、次の原稿の搬送制御を開始する。これにより、生産性を向上することができ、かつ、重送の発生やスキューが生じるのを抑制することができる。
【0124】
また、分離ニップから特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくる原稿の搬送方向の先端を検知する第1先端検知手段たるピックアップ搬送開始センサS1と、上記ピックアップローラから上記特定サイズ長さ検知センサS4が検知する所定の長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第2先端検知手段としてのピックアップ下降開始センサS2とを備え、上記特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するか、上記後端検知センサS3が後端を検知するかしたら、上記カム機構によりピックアップローラ80を原稿に当接させる制御を開始する。そして、ピックアップ下降開始センサS2が、上記後端検知センサS3が原稿の後端を検知するよりも先に原稿の先端を検知したときは、上記ピックアップローラ80が上記原稿に当接し、かつ、上記ピックアップ搬送開始センサS1が原稿の先端を検知するか、上記後端検知センサS3が原稿の後端を検知するかしたら、ピックアップローラ80で原稿の搬送を開始し、上記後端検知センサS3が、上記ピックアップ下降開始センサS2が原稿の先端を検知するよりも先に原稿の後端を検知したときは、ピックアップローラ80が原稿に当接したタイミングで、ピックアップローラ80で原稿の搬送を開始するよう制御する。これにより、ピックアップローラの下降による次原稿搬送開始までのロスを抑制することができ、かつ、原稿の搬送方向に長さに応じた最適なタイミングで次原稿の搬送を行うことができる。
【0125】
また、搬送異常により原稿の搬送が停止したときは、特定サイズ長さ検知センサS4に異常がある旨を報知する報知手段たる操作部108を備えた。これにより、問題発生時の原因の特定を容易にすることができる。
【0126】
また、原稿載置台53に積載されたシート束の最上位の原稿を搬送する前に特定サイズ長さ検知センサS4により原稿載置台53の原稿が所定の長さ以上か否かを検知し、次の原稿搬送以降は、最上位の原稿を搬送する前に検知した特定サイズ長さ検知センサS4の検知結果に基づいて、原稿の搬送制御を行う。これにより、連続搬送時に原稿載置台53に載置された原稿が、前原稿に引きずれて移動してしまい、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53の原稿が所定の長さ未満と誤検知して、重送などの搬送不良が生じることを防止することができる。
【0127】
また、特定サイズ長さ検知センサS4よりもシート搬送方向上流側にシート材検知するシート材検知手段たる長さ検知センサ57、58a、58bを設け、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿の長さが所定値未満と検知していても、長さ検知センサ57、58a、58bが原稿を検知しているときは、上記原稿の長さを、所定値以上と判定する。これにより、原稿の折り癖などがあっても、上記原稿の長さが所定値以上か否かを正確に判定することができる。
【0128】
また、特定サイズ長さ検知センサS4で、原稿搬送方向長さが所定範囲内の原稿に関して、原稿の長さを検知することができるよう、ラインセンサを用いた。そして、制御部は、特定サイズ長さ検知センサS4が、原稿載置台53に積載された原稿の長さを検知した場合は、特定サイズ長さ検知センサS4が検知した長さ情報に基づいて、次の原稿の搬送制御を行う。このように、特定サイズ長さ検知センサS4で原稿の正確な長さが把握できる原稿に関しては、後端検知手段を用いずとも、先端検知手段の検知結果をトリガにして搬送時間などを計測することにより、原稿の後端が分離ニップを抜けた時点で、次の原稿の搬送を行うことができる。よって、原稿搬送方向長さが、特定サイズ長さ検知センサS4が長さを検知できる範囲内の長さの原稿に関して、紙間を最小にして原稿を搬送することができ、生産性を高めることができる。
【0129】
一例としては、制御部は、特定サイズ長さ検知センサS4が原稿載置台53に積載された原稿の長さを検知した場合は、先端検知手段が、シート材の先端を検知したことをトリガとして、カウントを開始し、そのカウント数が、原稿の長さに対応したカウント数となったら次の原稿の搬送制御を行う。これにより、原稿の後端が分離ニップを抜けた時点で、次の原稿の搬送を行うことができる。
【0130】
また、ラインセンサからなる特定サイズ長さ検知センサS4の原稿検知範囲を、原稿搬送方向に対して傾斜させることにより、特定サイズ長さ検知センサS4で、原稿の幅が、所定範囲か否かを検知することができる。
【0131】
また、特定サイズ長さ検知センサS4を、原稿搬送方向に複数配置することにより、複数の原稿について、紙間を最小にして、原稿を搬送することができる。
【0132】
また、シート材としての原稿を搬送する原稿搬送手段と、原稿搬送手段によって搬送される原稿の原稿画像を読み取る読取手段である第一固定読取部151及び第二固定読取部95とを備えた画像読取装置である画像読取ユニット50において、原稿搬送手段として、上述したADF51を用いることにより、搬送される原稿の紙間を詰めることができるので、連続して原稿を読み取るときの生産性の向上を図ることできる。
【0133】
また、画像読取手段と、画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段である画像形成部1とを備える画像形成装置である複写機500において、画像読取手段として、実施例1〜6に記載のADF51を備える画像読取ユニット50を有することにより、連続して原稿を読み取るときの生産性の向上を図ることがきるため、連続してコピーを行うときの生産性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0134】
1:画像形成部
50:画像読取ユニット
53:原稿載置台
54:原稿搬送部
66:中間ローラ対
80:ピックアップローラ
84:給紙ベルト
85:リバースローラ
86:プルアウトローラ対
100:コントローラ
101:ピックアップ昇降モータ
102:給紙モータ
108:操作部
111:本体制御部
113:プルアウトモータ
150:スキャナ
500:複写機
S1:ピックアップ搬送開始センサ
S2:ピックアップ下降開始センサ
S3:後端検知センサ
S4:特定サイズ長さ検知センサ
57,58a,58b:長さ検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】
【特許文献1】特開2005−324872号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、
上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、
上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記搬送手段よって搬送されたシート材を一枚に分離する分離手段とを備えたシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、
上記分離手段よりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、
上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記後端検知手段からのシート材搬送経路長が、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも短く、かつ、上記搬送手段からのシート材搬送経路長が、特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも長い位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する先端検知手段と、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始する制御手段とを備えたことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
請求項1のシート材搬送装置において、
上記分離手段がシート材を分離する分離位置から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、
上記制御手段は、後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記搬送手段による次のシート材の搬送を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項3】
請求項1のシート材搬送装置において、
上記搬送手段をシート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段を備え、
上記分離手段は、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、シート材を一枚に分離するための分離部材とを有し、
上記搬送手段から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、
上記制御手段は、上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行うものであり、
後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する搬送異常判定手段を備え、
上記制御手段は、上記搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかのシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までのシート材搬送経路長が、上記分離位置から後端検知手段までのシート材搬送経路長よりも短く構成されており、
上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、
シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項6】
複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、
上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、
上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、上記搬送手段によって搬送されたシート材を一枚に分離する分離部材とを備えた分離手段と、
上記搬送手段を上記シート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段とを備え、
上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行う制御手段を備えたシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、
上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、
上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記分離ニップから、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第1先端検知手段と、
上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記搬送手段から上記特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第2先端検知手段とを備え、
上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、
上記第2先端検知手段が、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先にシート材の先端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、搬送手段でシート材の搬送を開始し、
上記後端検知手段が、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するよりも先にシート材の後端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接したタイミングで、搬送手段でシート材の搬送を開始するよう制御することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項7】
請求項6のシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第1の搬送異常判定手段を備え、
上記制御手段は、上記第1の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項8】
請求項6または7のシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第2の搬送異常判定手段を備え、
上記制御手段は、上記第2の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項9】
請求項4、7または8のシート材搬送装置において、
搬送異常によりシート材の搬送が停止したときは、上記長さ検知手段に異常がある旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項10】
請求項6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までの距離が、上記分離位置から後端検知手段までの距離よりも短く構成されており、
上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、
シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、
上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第2先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第1待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、
後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第1先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、上記シート搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第2待機時間を経過するか、上記第2待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記搬送手段で次のシート材の搬送を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項11】
請求項1乃至4、6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、
シート材積載部に積載されたシート束の最上位のシート材を搬送する前に長さ検知手段によりシート材積載部上のシート材が所定の長さ以上か否かを検知し、次のシート材搬送以降は、最上位のシート材を搬送する前に検知した長さ検知手段の検知結果に基づいて、シート材の搬送制御を行うことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段よりもシート搬送方向上流側にシート材検知するシート材検知手段を設け、
上記長さ検知手段が、シート材の長さが所定値未満と検知していても、上記シート材検知手段がシート材を検知しているときは、上記シート材の長さを、所定値以上と判定することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項13】
請求項1乃至12いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段は、シート材搬送方向長さが所定範囲内のシート材に関して、シート材の長さを検知することができるものであり、
上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記長さ検知手段が検知したシート材長さ情報に基づいて、次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項14】
請求項13のシート搬送装置において、
上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記先端検知手段が、シート材の先端を検知したことをトリガとして、カウントを開始し、そのカウント数が、シート材の長さに対応したカウント数となったら次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項15】
請求項13または14のシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段のシート材検知範囲を、シート搬送方向に対して傾斜させたことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項16】
請求項1乃至15いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段を、シート材搬送方向に複数配置したことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項17】
シート材としての原稿用紙を搬送する原稿搬送手段と、
該原稿搬送手段によって搬送される原稿用紙の原稿画像を読み取る読取手段とを備えた画像読取装置において、
上記原稿搬送手段として、請求項1乃至16のいずれかのシート材搬送装置を用いたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項18】
画像読取手段と、
該画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
該画像読取手段として、請求項17の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、
上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、
上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記搬送手段よって搬送されたシート材を一枚に分離する分離手段とを備えたシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、
上記分離手段よりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、
上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記後端検知手段からのシート材搬送経路長が、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも短く、かつ、上記搬送手段からのシート材搬送経路長が、特定のシート材のシート材搬送方向長さよりも長い位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する先端検知手段と、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始する制御手段とを備えたことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
請求項1のシート材搬送装置において、
上記分離手段がシート材を分離する分離位置から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、
上記制御手段は、後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記搬送手段による次のシート材の搬送を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項3】
請求項1のシート材搬送装置において、
上記搬送手段をシート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段を備え、
上記分離手段は、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、シート材を一枚に分離するための分離部材とを有し、
上記搬送手段から上記先端検知手段までのシート材搬送経路長が、上記特定のシート材の搬送方向長さに必要なマージンを加えた長さであって、
上記制御手段は、上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行うものであり、
後端検知手段がシート材の後端を検知したタイミング、または、先端検知手段がシート材の先端を検知したタイミングで、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する搬送異常判定手段を備え、
上記制御手段は、上記搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかのシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までのシート材搬送経路長が、上記分離位置から後端検知手段までのシート材搬送経路長よりも短く構成されており、
上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、
シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、次のシート材の搬送制御を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項6】
複数枚のシート材を重ねて積載するシート材積載部と、
上記シート材積載部に積載されたシート材の最上位シートに対向配置され、該シート材積載部に積載されたシート材のうち、少なくとも最上位のシートに搬送力を付与して搬送する搬送手段と、
上記搬送手段よりもシート材搬送方向下流側に配置され、上記シート材を搬送する搬送部材と、上記搬送部材に当接して分離ニップを形成し、上記搬送手段によって搬送されたシート材を一枚に分離する分離部材とを備えた分離手段と、
上記搬送手段を上記シート材積載部に積載されたシート材に対して接離させる接離手段とを備え、
上記シート材が上記分離手段の搬送部材により搬送されたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材から離間させる制御を行う制御手段を備えたシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であるか否かを検知する長さ検知手段と、
上記分離ニップよりもシート材搬送方向下流の所定の位置で搬送されてくるシート材の後端を検知する後端検知手段と、
上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記分離ニップから、上記長さ検知手段が検知する所定の長さよりもシート材搬送方向長さが僅かに短い特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第1先端検知手段と、
上記後端検知手段よりもシート材搬送方向下流側で、上記搬送手段から上記特定のシート材のシート材搬送方向長さに必要なマージンを加えた距離離れた位置に配置され、搬送されてくるシート材の搬送方向の先端を検知する第2先端検知手段とを備え、
上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上であることを検知したときは、後端検知手段がシート材の後端を検知したら、次のシート材の搬送制御を開始し、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときは、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、
上記第2先端検知手段が、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先にシート材の先端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知するか、上記後端検知手段が後端を検知するかしたら、搬送手段でシート材の搬送を開始し、
上記後端検知手段が、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知するよりも先にシート材の後端を検知したときは、上記搬送手段が上記シート材に当接したタイミングで、搬送手段でシート材の搬送を開始するよう制御することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項7】
請求項6のシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第1の搬送異常判定手段を備え、
上記制御手段は、上記第1の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項8】
請求項6または7のシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知したときで、上記後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも早く上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知したとき、上記第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから所定時間経過するまでの間に上記後端検知手段が後端を検知しなかったときは、搬送異常と判定する第2の搬送異常判定手段を備え、
上記制御手段は、上記第2の搬送異常判定手段が、搬送異常と判定したときは、シート材の搬送を停止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項9】
請求項4、7または8のシート材搬送装置において、
搬送異常によりシート材の搬送が停止したときは、上記長さ検知手段に異常がある旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項10】
請求項6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、
上記シート材積載部に積載されているシート材の先端から上記分離手段がシート材を分離する分離位置までの距離が、上記分離位置から後端検知手段までの距離よりも短く構成されており、
上記シート材積載部にシート材搬送方向長さが異なるシート材が積載したときに、シートサイズ混載モードに設定するモード設定手段を有し、
シートサイズ混載モードが設定されたとき、長さ検知手段は、次のシート材の搬送制御開始毎に上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ以上か否かを検知するとともに、
上記制御手段は、上記シート長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材のシート材搬送方向長さが所定の長さ未満であることを検知し、かつ、後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第2先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、第2先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第1待機時間を経過するか、上記待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記接離手段により上記搬送手段を上記シート材に当接させる制御を開始し、
後端検知手段がシート材の後端を検知するよりも先に第1先端検知手段がシート材の先端を検知したときは、上記シート搬送手段が上記シート材に当接し、かつ、第1先端検知手段がシート材の先端を検知してから上記シート材積載部に積載されているシート材の先端が上記分離位置まで搬送されるまでにかかる時間に必要なマージンを加えた第2待機時間を経過するか、上記第2待機時間が経過する前に上記後端検知手段がシート材の後端を検知するかしたら、上記搬送手段で次のシート材の搬送を開始することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項11】
請求項1乃至4、6乃至9いずれかのシート材搬送装置において、
シート材積載部に積載されたシート束の最上位のシート材を搬送する前に長さ検知手段によりシート材積載部上のシート材が所定の長さ以上か否かを検知し、次のシート材搬送以降は、最上位のシート材を搬送する前に検知した長さ検知手段の検知結果に基づいて、シート材の搬送制御を行うことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段よりもシート搬送方向上流側にシート材検知するシート材検知手段を設け、
上記長さ検知手段が、シート材の長さが所定値未満と検知していても、上記シート材検知手段がシート材を検知しているときは、上記シート材の長さを、所定値以上と判定することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項13】
請求項1乃至12いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段は、シート材搬送方向長さが所定範囲内のシート材に関して、シート材の長さを検知することができるものであり、
上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記長さ検知手段が検知したシート材長さ情報に基づいて、次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項14】
請求項13のシート搬送装置において、
上記制御手段は、上記長さ検知手段が、上記シート材積載部に積載されたシート材の長さを検知した場合は、上記先端検知手段が、シート材の先端を検知したことをトリガとして、カウントを開始し、そのカウント数が、シート材の長さに対応したカウント数となったら次のシート材の搬送制御を行うことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項15】
請求項13または14のシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段のシート材検知範囲を、シート搬送方向に対して傾斜させたことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項16】
請求項1乃至15いずれかのシート材搬送装置において、
上記長さ検知手段を、シート材搬送方向に複数配置したことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項17】
シート材としての原稿用紙を搬送する原稿搬送手段と、
該原稿搬送手段によって搬送される原稿用紙の原稿画像を読み取る読取手段とを備えた画像読取装置において、
上記原稿搬送手段として、請求項1乃至16のいずれかのシート材搬送装置を用いたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項18】
画像読取手段と、
該画像読取手段で読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段とを備える画像形成装置において、
該画像読取手段として、請求項17の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−116659(P2012−116659A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86986(P2011−86986)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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