説明

シート状炭素繊維導電体及びその製造方法

【課題】加圧した後、繊維材料に粗密が発生することなく、均一となり、かつ繊維材料が破壊されにくく、さらには好ましい導電性透過率を有し、更に厚さの薄いシート状炭素繊維導電体、及びその製造方法を提供する。
【解決方法】繊維材料20に梳毛処理を行い、複数のスパンレースノズル31でスパンレースを行って均一に加圧して薄いシート状にし、かつ該繊維21、21を水平の並びから垂直の並びに変化させて交絡させ、高分子樹脂に浸漬し、熱圧処理を行い、プレッシング処理を行い、950℃から1050℃の温度条件で所定の時間加熱して不純物を排除し、更に700℃から1900℃の温度条件で、所定の時間加熱して炭化処理を行い、シート状炭素繊維導電体20Aを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭素繊維を応用した導電体に関し、特に厚さ15μm以下のシート状炭素繊維導電体の製造が可能で、且つ透過導電性に優れるシート状炭素繊維導電体と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート状炭素繊維導電体の製造方法を図1、図2に開示する。図面によれば、ニードルパンチ法によってフェルトを形成する91のステップにおいて、図3に開示するように複数のニードル81で繊維材料70の複数の繊維71に加圧してフェルトを形成する。
【0003】
次いで、樹脂に浸漬する92のステップにおいて、上述するフェルトを形成した繊維材料70を高分子樹脂に浸漬する。
【0004】
次に、熱圧硬化を行う93のステップにおいて、上述する高分子樹脂に浸漬した繊維材料70に対して熱圧硬化処理を行う。
【0005】
次に、炭化処理を行う94のステップにおいて、上述のステップで熱圧硬化処理を行った繊維材料70に対して炭化処理を行う。
【0006】
最後に、製品とする95のステップでは、上述するステップで炭化処理を行った繊維材料70を具えるフェルトをシート状炭素繊維導電体製品とする(図4、図5に開示するように、ニードルパンチ処理を行った繊維材料70が、即ちシート状炭素繊維導電体である)。
【0007】
上述するステップで製造された従来のシート状炭素繊維導電体及びその製造方法は、次に掲げる欠点を有する。
【0008】
先ず、ニードルパンチ処理を行い加圧した後に発生する繊維の分布に粗密があり、不均一である。
【0009】
図3に開示するように、従来の方法は複数のニードル81で厚さが300μmの繊維材料70に対してニードルパンチ処理を行う。この場合、隣り合う2本のニードル81の間の第2ピッチW2は約500μmであって、それぞれのニードル81の直径D2は約200μmであるまた、繊維材料70の単一の繊維は直径が約10μmである。
【0010】
前記隣り合う2本のニードル81の間の第2ピッチW2の500μmは繊維材料70の単一の繊維を50本並べた幅に相当し、ニードル81の直径D2の200μmは繊維材料70の単一の繊維を20本並べた幅に相当する。
【0011】
よって、ミクロの角度から見れば、このように広いピッチに、相対的に太いニードル81でニードルパンチを行ってフェルトを形成するということは、ニードル81間のピッチが広すぎるため、圧力を受けた部分は繊維71が密集し、圧力を受けていない部分は繊維71の密度が高くない。このため、ニードルパンチを行い加圧した後、繊維の分布に粗密が発生し、均一でなくなる。
【0012】
次に、ニードルパンチを行い加圧する過程において、繊維材料が容易に破壊される。
【0013】
図4に開示するように、仮に第1の厚さをT1として繊維材料70にニードルパンチで加圧すると、繊維が互いに絡む程度が高まる(一方では、繊維材料70の相対的な表面間の導電性が高まり、また繊維材料70の引っ張り強度は高くなる)。但し、硬質のニードル81で無理やり繊維材料を下方向に押し圧すると、繊維材料70に孔部72が容易に発生する。よって、これを燃料電池のガス拡散電極に応用した場合(図6に開示するシート状炭素繊維導電体20A参照)、図4に開示するような孔部72が発生した部位の気体透過性が高くなり、孔部72の発生しない部分の気体透過性は低くなる。このため、気体透過性が不均一になるという現象が現れ、ここから電気化学の反応の不均一を招く。
【0014】
また、ニードルパンチを行い加圧すると、比較的薄い繊維材料を極めて容易に破壊する。
【0015】
図5に開示するように、仮に繊維材料70の第1の厚さをT1とし、これをさらに薄くして第2の厚さT2とすると、ニードル81による加圧過程において、繊維材料70が容易破れて孔部73が発生する。特に、第2の厚さT2が20μm以下の場合、係る状況は避けることがほぼ難しくなる。
【0016】
また、製品の導電性透過率が低減する。
【0017】
即ち、従来のニードルパンチ法で繊維材料に加圧すると、繊維材料に孔部が発生し、繊維の分布が不均一になり、垂直方向の繊維分布が比較的少なくなり、かつ不均一になるため、ガス透過性が不均一となり、また導電性透過率が低減するという問題を招く。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述するように、従来の技術によるシート状炭素繊維導電体、及び製造方法は、その欠点を改善する必要がある。そこで、この発明は、加圧した後、繊維材料に粗密が発生することなく、均一となり、かつ繊維材料が破壊されにくく、さらには好ましい導電性透過率を有するシート状炭素繊維導電体、及び製造方法を提供することを課題とする。
【0019】
また、この発明は厚さが15μm以下のシート状炭素繊維導電体、及びかかるシート状炭素繊維導電体を製造できる製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
そこで、本発明者は従来の技術に見られる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、予め繊維材料を用意し、該繊維材料に梳毛処理を行って異物などを除去し、かつて該繊維材料の複数の繊維を水平方向に分布させる梳毛のステップと、スパンレース処理を行う12のステップにおいて、複数のスパンレースノズルを設置し、極めて微細で、かつ極めて密集した複数の該スパンレースノズルから噴水して複数の微小な水柱を形成し、該複数の水柱によって該梳毛処理を行った繊維材料を均一に加圧して薄いシート状にし、かつ該繊維を水平の並びから垂直の並びに変化させて交絡させて高い引っ張り強度と、均一なガス透過性とを具えさせ、抵抗値を低減させるスパンレース処理のステップと、スパンレース処理を行った該繊維材料を高分子樹脂に浸漬する浸漬のステップと、浸漬処理を行った後の該繊維材料に熱圧処理を行う熱圧のステップと、熱圧処理を行った後の該繊維材料にプレッシング処理を行うプレッシングのステップと、プレッシング処理を行った該繊維材料に艶出し処理を行う艶出しのステップと、該繊維材料を950℃から1050℃の温度条件で所定の時間加熱して不純物を排除する第1の炭化処理のステップと、700℃から1900℃の温度条件で、所定の時間加熱して、二次炭化を行う第2の炭化処理ステップと、シート状炭素導電体を完成させる完成のステップを含む製造方法と、及び係る製造方法によって製造されるシート状炭素導電体とによって課題を解決する点に着眼し、係る知見に基づいて本発明を完成させた。
【0021】
以下、この発明について具体的に説明する。
【0022】
請求項1に記載するシート状炭素繊維導電体の製造方法は、予め繊維材料を用意し、該繊維材料に梳毛処理を行って異物などを除去し、かつて該繊維材料の複数の繊維を水平方向に分布させる梳毛のステップと、スパンレース処理を行う12のステップにおいて、複数のスパンレースノズルを設置し、極めて微細で、かつ極めて密集した複数の該スパンレースノズルから噴水して複数の微小な水柱を形成し、該複数の水柱によって該梳毛処理を行った繊維材料を均一に加圧して薄いシート状にし、かつ該繊維を水平の並びから垂直の並びに変化させて交絡させて高い引っ張り強度と、均一なガス透過性とを具えさせ、抵抗値を低減させるスパンレース処理のステップと、スパンレース処理を行った該繊維材料を高分子樹脂に浸漬する浸漬のステップと、浸漬処理を行った後の該繊維材料に熱圧処理を行う熱圧のステップと、熱圧処理を行った後の該繊維材料にプレッシング処理を行うプレッシングのステップと、プレッシング処理を行った該繊維材料に艶出し処理を行う艶出しのステップと、該繊維材料を950℃から1050℃の温度条件で所定の時間加熱して不純物を排除する第1の炭化処理のステップと、700℃から1900℃の温度条件で、所定の時間加熱して、二次炭化を行う第2の炭化処理ステップと、シート状炭素導電体を完成させる完成のステップを含む。
【0023】
請求項2に記載するシート状炭素繊維導電体の製造方法は、請求項1におけるスパンレースのステップにおいて、2本の該水柱の間のギャップが100μmから200μmの間であって、かつ該微細な水柱の直径が50μmである。
【0024】
請求項3に記載するシート状炭素繊維導電体の製造方法は、請求項1におけるスパンレースノズルによって形成される水柱で該繊維材料を加圧して約10μの厚さにする。
【0025】
請求項4に記載するシート状炭素繊維導電体は、可撓性を有するシート状を呈し、スパンレース処理によって複数の水平に並ぶ繊維が隣り合う繊維と交絡し、局部的な垂直交絡が形成されるとともに、浸漬、熱圧、プレッシング、艶出し、及び2回の炭化処理を経て製造され、かつ厚さが250μmを下回る。
【0026】
請求項5に記載するシート状炭素繊維導電体は、請求項4におけるシート状炭素繊維導電体の厚さが50μmを下回る。
【0027】
請求項6に記載するシート状炭素繊維導電体は、請求項4におけるシート状炭素繊維導電体が、少なくとも第1電極と第2電極とによって燃料電池のガス拡散電極を構成する。
【0028】
請求項7に記載するシート状炭素繊維導電体は、請求項4におけるシート状炭素繊維導電体が、少なくとも第1電極と第2電極とによって薄型の加熱シートを構成する。
【発明の効果】
【0029】
この発明によるシート状炭素繊維導電体、及びその製造方法は、スパンレース処理を行うことによって繊維が緊密に分布し、繊維間の交絡が多く、かつ均一に発生するため、高い引っ張り強度と均質の高い隙間度が得られるという利点を有する。
【0030】
また、スパンレース処理を行うことによって、水平、もしくは垂直に交絡する繊維を破壊することなく、製造工程における繊維材料の破損を抑制して歩留まりをためるという利点を有する。
【0031】
また、スパンレース処理を行うことによって、厚さが15μm以下のシート状炭素繊維導電体を製造することができ、製品の応用範囲を広くすることができるという利点を有する。
【0032】
また、スパンレース処理を行うことによって、繊維材料に好ましい引っ張り強度が得られ、均質な通気性が得られ、抵抗が低く、高い導電性が得られるなどの利点を有するのみならず、生産ラインによって大量生産することができ、可撓性を有するため巻き取ることができ、保管、もしくは運送に便利で、かつ生産コストを節減できるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
この発明は、加圧した後、繊維材料に粗密が発生することなく、均一となり、かつ繊維材料が破壊されにくく、さらには好ましい導電性透過率を有するシート状炭素繊維導電体、及びその製造方法を提供するものであって、その製造方法は繊維材料に梳毛処理を行い、複数の該スパンレースノズルでスパンレースを行って均一に加圧して薄いシート状にし、かつ該繊維を水平の並びから垂直の並びに変化させて交絡させ、高分子樹脂に浸漬し、熱圧処理を行い、プレッシング処理を行い、950℃から1050℃の温度条件で所定の時間加熱して不純物を排除し、更に700℃から1900℃の温度条件で、所定の時間加熱して炭化処理を行い、シート状態炭素繊維導電体を得るステップを含む。係るシート状炭素繊維導電体、及びその製造方法について、その特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照にして如何に説明する。
【0034】
図7、図8に、この発明によるシート状炭素繊維導電体、及び製造方法を開示する。図面によれば、この発明の方法は次に掲げるステップを含む。
【0035】
梳毛を行う11のステップにおいて、予め繊維材料20を用意し、繊維材料20に梳毛処理を行う。繊維材料20の複数の繊維21間の絡まり、異物(Foreign matters)などを除去し、同時に梳毛作用(Carding)によって繊維材料20の複数の繊維21を水平方向に分布させる。
【0036】
次いで、スパンレース処理を行う12のステップにおいて、複数のスパンレースノズル31を設置し、極めて微細で、かつ極めて密集した複数のスパンレースノズル31から噴水して複数の微小な水柱311を形成する。隣り合う両水柱311間の第1ピッチW1は約100μmから200μmの間である。また、それぞれの水柱311の直径D1は約50μmである。
【0037】
複数の微小な水柱311は、直接複数の繊維21に衝突し、繊維材料20を均一に加圧して薄いシート状にし、かつ繊維21を湾曲させて水平の並びから垂直の並びに変化させ、同時に繊維21間の交絡(図9A、図9B参照)を発生させることによって、繊維材料20全体の強度、とくに引っ張り強度を高め、ガス透過性を均一にし、抵抗値を低減させる(即ち導電性を高める)。
【0038】
次いで、浸漬を行う13のステップにおいて、スパンレース処理をおこなった繊維材料20を高分子樹脂に浸漬する。
【0039】
次いで、熱圧を行う14のステップにおいて、浸漬処理を行った後の繊維材料20に熱圧処理を行う。
【0040】
次いで、プレッシングを行う15のステップにおいて熱圧処理を行った後の繊維材料20にプレッシング処理を行う。
【0041】
次いで、艶出しのステップ16において、プレッシング処理を行った繊維材料20に艶出し処理を行う。
【0042】
次いで、第1の炭化処理を行う17のステップにおいて、繊維材料20を950℃から1050℃の温度条件で所定の時間加熱して不純物を排除する(総重量に対して約30wt%の不純物が排除される)。
【0043】
次いで、第2の炭化処理を行う18のステップにおいて、さらに1700℃から1900℃の温度条件で、所定の時間加熱して、二次炭化を行う。
【0044】
最後に、19のステップにおいて、シート状炭素導電体20Aを完成させる(図10参照)
【0045】
この発明によるシート状炭素導電体20Aは、可撓性を有する薄いシート状を呈し、複数の繊維21を含む組成される。スパンレース処理によって複数の水平方向に並ぶ繊維21は、隣り合う繊維21が局部的に垂直方向に交絡し(導電性と引っ張り強度が高まる)、かつ浸漬、熱圧、プレッシング、艶出し、及び2回の炭化処理によって可撓性を有する。かかるシート状炭素繊維導電体20Aは厚さが250μmを下回る。
【0046】
詳しくは、この発明によるシート状炭素繊維導電体は複数の繊維によってなり、スパンレース処理の過程において微小で、且つ密集した水柱が複数の繊維に対して加圧を行うため、繊維に均一な垂直方向の交絡が発生する。よって、引っ張り強度が高まり、高い導電性が得られる。
【0047】
また、この発明によるシート状炭素繊維導電体20Aは、生産ラインにおいて大量生産することができ、巻き取るか、もしくは裁断して燃料電池のガス拡散電極、またはその他用途の導電シートに応用することができる。
【0048】
この発明は、少なくとも次に掲げる技術の領域に応用することができる。
【0049】
燃料電池のガス拡散電極。即ち、図6に開示するようにこの発明によるシート状炭素導電体20A(図6にガス拡散電極の応用例を開示する)と、少なくとも第1電極板201と、第2電極板202とによってガス拡散電極を構成する。
【0050】
高導電、抗電磁波材料。即ちこの発明によるシート状炭素導電体20Aは好ましい導電性を有するため、高導電、もしくは耐電磁波材料に応用することができる。
【0051】
薄型の加熱シート。即ち、図11に開示するように、この発明によるシート状炭素繊維導電体20Aに第1電極203と第2電極204とを設け、かつ第1電極203と第2電極204とに通電できるよう構成する。係る構造は、薄型加熱シートによって熱を発生させることができる。
【0052】
また、この発明によるシート状炭素繊維導電体20Aは、高スリット(間隙)率のニーズを有する炭素導電シートに応用することができる。
【0053】
また、この発明によるシート状炭素繊維導電体20Aは、耐摩耗性が要求される炭素繊維導電シートに応用することができる。
【0054】
当然のことながら、上述する技術領域意外に、その他導電体を必要とする電極構造に応用することができる。
【0055】
以上はこの発明の好ましい実施の形態であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、且つこの発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来の炭素繊維電極製造方法を示したフローチャート
【図2】従来の炭素繊維電極の局部構造を示した拡大説明図
【図3】従来の方法によるニードルパンチ処理を示した説明図
【図4】図3に開示するニードルパンチ処理を行った後の第1の状況を示した説明図で
【図5】図3に開示するニードルパンチ処理を行った後の第2の状況を示した説明図
【図6】炭素繊維導電体を燃料電池に応用した例を示した説明図
【図7】本発明によるシート状炭素繊維導電体の製造方法を示したフローチャート
【図8】本発明におけるスパンレース処理を示した説明図
【図9A】図8に開示するスパンレース処理における繊維の状況を示した局部拡大説明図
【図9B】図8に開示するスパンレース処理における繊維の状況を示した他の局部拡大説明図
【図10】本発明によるシート状炭素繊維導電体の断面を示した説明図
【図11】本発明を薄型加熱シートに応用した例を示した説明図
【符号の説明】
【0057】
20 繊維材料
20A シート状炭素繊維導電体
21 繊維
31 スパンレースノズル
311 水柱
70 繊維材料
71 繊維
73 後部
81 ニードル
T1 厚さ
T2 厚さ
W1 ピッチ
W2 ピッチ
D1 直径
D2 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め繊維材料を用意し、該繊維材料に梳毛処理を行って異物などを除去し、かつて該繊維材料の複数の繊維を水平方向に分布させる梳毛のステップと、複数のスパンレースノズルを設置し、極めて微細で、かつ極めて密集した複数の該スパンレースノズルから噴水して複数の微小な水柱を形成し、該複数の水柱によって該梳毛処理を行った繊維材料を均一に加圧して薄いシート状にし、かつ該繊維を水平の並びから垂直の並びに変化させて交絡させて高い引っ張り強度と、均一なガス透過性とを具えさせ、抵抗値を低減させるスパンレース処理のステップと、スパンレース処理を行った該繊維材料を高分子樹脂に浸漬する浸漬のステップと、浸漬処理を行った後の該繊維材料に熱圧処理を行う熱圧のステップと、熱圧処理を行った後の該繊維材料にプレッシング処理を行うプレッシングのステップと、プレッシング処理を行った該繊維材料に艶出し処理を行う艶出しのステップと、該繊維材料を950℃から1050℃の温度条件で所定の時間加熱して不純物を排除する第1の炭化処理のステップと、700℃から1900℃の温度条件で、所定の時間加熱して、二次炭化を行う第2の炭化処理ステップと、シート状炭素導電体を完成させる完成のステップを含むことを特徴とする、シート状炭素繊維導電体の製造方法。
【請求項2】
前記スパンレースのステップにおいて、2本の該水柱の間のギャップが100μmから200μmの間であって、かつ該微細な水柱の直径が約50μmであることを特徴とする、請求項1に記載のシート状炭素繊維導電体の製造方法。
【請求項3】
前記スパンレースノズルによって形成される水柱で該繊維材料を加圧して、約10μの厚さにすることを特徴とする、請求項1に記載のシート状炭素繊維導電体の製造方法。
【請求項4】
可撓性を有するシート状を呈し、スパンレース処理によって複数の水平に並ぶ繊維が隣り合う繊維と交絡し、局部的な垂直交絡が形成されるとともに、浸漬、熱圧、プレッシング、艶出し、及び2回の炭化処理を経て製造され、かつ厚さが250μmを下回ることを特徴とする、シート状炭素繊維導電体。
【請求項5】
前記シート状炭素繊維導電体の厚さが50μmを下回ることを特徴とする、請求項4に記載のシート状炭素繊維導電体。
【請求項6】
前記シート状炭素繊維導電体が、少なくとも第1電極と第2電極とによって燃料電池を構成することを特徴とする、請求項4に記載のシート状炭素繊維導電体。
【請求項7】
前記シート状炭素繊維導電体が、少なくとも第1電極と第2電極とによって薄型の加熱シートを構成することを特徴とする、請求項4に記載のシート状炭素繊維導電体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−138302(P2009−138302A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316697(P2007−316697)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(507402668)▲たん▼能科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】