説明

シート状物質およびその製造方法、並びに皮膚外用剤

【課題】真珠および真珠層を含有する貝殻に含まれるタンパク質を殆ど変質させることなく得られるシート状物質およびその製造方法、並びにこのシート状物質を用いた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】真珠層を含有する貝殻、真珠断片、または真珠層を含有する貝殻断片をエチレンジアミン四酢酸塩を用いて脱灰処理して得られるシート状物質であり、その製法は(1)真珠層を含有する貝殻、真珠断片、または真珠層を含有する貝殻断片を水に分散させる工程と、(2)上記分散された貝殻または断片に含まれるカルシウムイオンに対して等モル以上のエチレンジアミン四酢酸塩を加える工程と、(3)生成するシート状物質と、上記断片とが相互に強く接触しない条件で撹拌する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真珠断片および真珠層を含有する貝殻断片から得られるタンパク質のシート状物質およびその製造方法、並びにこのシート状物質を用いた皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品原料として、アコヤ貝などの貝殻や真珠を粉砕して塩酸、硝酸などの酸を用いて脱灰処理した後、コンキオリンを主成分とする不溶物を粉砕した物質が知られている(特許文献1)。
また、アコヤ貝貝殻の真珠層と稜柱層とを濃度が約6%の次亜塩素酸ソーダ水溶液を用いて分離する方法が知られている(特許文献2)。
また、真珠あるいは真珠貝の貝殻の真珠層を酸で脱灰し、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液を加えた後、これを除き、プロテイナーゼKを用いて酵素分解してなる化粧品原料が知られている(特許文献3)。
また、真珠貝の貝殻を粉砕して粉末状とした後にエチレンジアミン四酢酸溶液で脱灰する方法も知られている(特許文献4)。
【0003】
しかしながら、アコヤ貝などの貝殻の中に含まれているタンパク質を抽出する作業は困難であることから、上記方法のように、微粉砕し酸などで抽出する方法がとられているのが実情である。そのため、本来アコヤ貝などにシート状で存在するタンパク質は、シート状のまま得られないという問題がある。
また、酸で脱灰すると、酸に可溶性の真珠層タンパクは脱灰のとき廃棄されてしまうという問題がある。
さらに、貝殻粉末をエチレンジアミン四酢酸溶液で脱灰すると、タンパク質がEDTA可溶分と不溶分とに分離されてしまうという問題がある。
【特許文献1】特開昭62−298507号公報
【特許文献2】特開2006−52183号公報
【特許文献3】特開平5−43444号公報
【特許文献4】特開2003−12696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、真珠および真珠層を含有する貝殻に含まれるタンパク質を殆ど変質させることなく得られるシート状物質およびその製造方法、並びにこのシート状物質を用いた皮膚外用剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
アコヤ貝真珠層中のタンパク質はカルシウムを結合・運搬し貝殻を形成する役割を担っている。一方、カルシウムは皮膚の角質層の細胞間結合を強化し、滑らかな皮膚を形成する役割をもつ。真珠層タンパク質のカルシウム運搬能を利用して、滑らかな皮膚形成に役立つ基礎化粧品素材の開発の可能性を検討した。その結果、貝殻の形状のままエチレンジアミン四酢酸塩で脱灰することで、真珠層タンパク質のシートを取り出せることが分かった。
【0006】
本発明はこのような知見に基づくもので、本発明のシート状物質は、真珠層を含有する貝殻、真珠断片、または真珠層を含有する貝殻断片を脱灰処理して得られ、この脱灰処理に用いる処理剤がキレート剤であることを特徴とする。
また、上記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸塩であることを特徴とする。
また、上記真珠層を含有する貝殻断片がアコヤ貝の貝殻断片であるか、および/または、上記真珠断片が真珠の破砕片であることを特徴とする。
本発明のシート状物質は、上記脱灰処理により、エチレンジアミン四酢酸塩可溶分および不溶分を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の皮膚外用剤は、上記本発明のシート状物質またはこのシート状物質を1mm角以上に細断したシート片を配合したことを特徴とする。
【0008】
本発明のシート状物質の製造方法は、(1)真珠層を含有する貝殻、真珠断片、または真珠層を含有する貝殻断片を水に分散させる工程と、(2)上記分散された貝殻または断片に含まれるカルシウムイオンに対して等モル以上のエチレンジアミン四酢酸塩を加える工程と、(3)生成するシート状物質と、上記断片とが相互に強く接触しない条件で撹拌する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシート状物質は、真珠層を含有する貝殻断片等を微粉砕することなく、貝殻そのままか1mm角程度以上の断片のままキレート剤、特にエチレンジアミン四酢酸塩を用いて脱灰して得られるので、貝殻断片形状のシート状物質が得られる。
また、このシート状物質は、上記(1)〜(3)の工程を経て製造されるので、従来の酸で脱灰する方法に比較して、真珠タンパク質のシート状物質を比較的温和な条件で容易に得ることができる。
また、本発明の皮膚外用剤は、上記本発明の真珠タンパク質のシート状物質またはこのシート状物質を1mm角以上に細断した真珠層本来のシート片を配合するので、滑らかな皮膚形成に役立つ皮膚外用剤が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で使用できる真珠断片とは、真珠を割り核を取り除いた破砕片である。この破砕片は、少なくとも1mm角以上のシート状物質が得られる大きさの真珠断片であればよく、真珠断片の製造方法は粉砕するのではなく真珠をそのまままたは複数個の断片に割ることにより得られる。真珠としては、アコヤ貝、イケチョウ貝などの真珠貝より得られる球体真珠、マベ貝より得られるマベ半円真珠殻などが挙げられる。
【0011】
本発明で使用できる真珠層を含有する貝殻とは、アコヤ貝(Pictada martensii)、イガイ(Mytilus coruscum)、イケチョウガイ(Hyriopsis schlegelii)、カラスガイ(Cristaria plicata)等ウグイスガイ科、イガイ科、イシガイ科等の真珠を生産できる貝類が好適であるが、真珠層を含有する貝類であれば、他の貝類の貝殻も自由に使用できる。特に好適なものは、真珠養殖などで多量に得られるアコヤ貝(真珠貝)である。
【0012】
上記真珠断片または貝殻断片等をキレート剤で脱灰することにより、真珠断片または貝殻断片等に層状に含まれているタンパク質が層状のまま、すなわちシート状物質として得られる。このタンパク質のシート状物質は、厚さが不均一であり、平面的にシートとして得られることが多い。シートの厚さは0.01〜50μmである。
【0013】
脱灰処理に使用できるキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等のキレート剤であれば用いることができる。
これらの中でエチレンジアミン四酢酸塩が、他のキレート剤より効率的に脱灰処理を行なえるので好ましい。エチレンジアミン四酢酸塩としては、ニナトリウム塩、三ナトリウム塩、四ナトリウム塩等いずれも使用できる。
【0014】
貝殻は、真珠層と稜柱層とが層状になり、真珠層は炭酸カルシウムとタンパク質層が層状になっている。この真珠層を形成する炭酸カルシウム層を脱灰処理によりタンパク質層のシート状物質が得られる。
アコヤ貝の貝殻を原料とするシート状物質の製造方法について以下説明する。
(1)必要により、アコヤ貝貝殻を破砕して貝殻断片とする。
アコヤ貝貝殻は破砕する前に回転バレル研磨機、振動バレル研磨機等を用いて稜柱層を取り除くことが好ましい。稜柱層を取り除くことにより脱灰時間を短くすることができる。
また、破砕する場合、その方法は、回転バレル研磨機、振動バレル研磨機等で稜柱層を取り除く工程でその研磨強度を調整することによって行なうか、別途、ハンマーミル等で行なう。当然シート状物質の利用は1mm以上の大きさで用いるので、この貝殻あるいは真珠の破砕も1mm以上になるように行なう。ただし、この段階では破砕せず、シート状物質になってから、細断しても勿論よい。
【0015】
(2)アコヤ貝貝殻断片を水に分散させて、この断片に含まれるカルシウムイオンに対して等モル以上のエチレンジアミン四酢酸塩を加える。
アコヤ貝貝殻断片に含まれるタンパク質(約2重量%)を考慮して、また、貝殻断片が炭酸カルシウムとして、カルシウムイオン量を算出する。エチレンジアミン四酢酸塩は少なくとも1個のカルシウムイオンとキレートを形成するので、エチレンジアミン四酢酸塩はカルシウムイオンに対して等モル以上使用する。好ましくは等モル〜5倍等モル量である。
また、エチレンジアミン四酢酸塩は水に溶解し難いため、水に分散されているアコヤ貝貝殻断片の量が多い場合、あるいはエチレンジアミン四酢酸塩の濃度を高める場合には、アコヤ貝貝殻断片を分散させている水のpHを、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加することで、pH7.0〜9.0に調整することが好ましい。
分散液の条件として、分散されるアコヤ貝貝殻断片の濃度は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。0.1重量%未満であると真珠タンパク質シートの生産性が劣り、10重量%をこえると脱灰処理に長い時間がかかる。
【0016】
(3)上記分散液を穏やかな条件で撹拌する。ここで穏やかな条件とは、アコヤ貝貝殻断片の脱灰処理により炭酸カルシウムが除去されて真珠タンパク質シートが生成するが、この生成する真珠タンパク質シートと、分散液に残存する貝殻断片とが相互に強く接触しない条件をいう。相互に強く接触することにより、いったん生成した真珠タンパク質シートが破損するおそれがある。相互に強く接触しないで撹拌する方法としては、アコヤ貝貝殻断片を袋網に入れて撹拌する、回転ドラムでゆっくり回転させる方法等がある。
また、撹拌時の条件としては、分散液の温度は0〜40℃であり、撹拌時間は数時間〜20日が好ましい。
上記条件を維持することにより、生成した真珠タンパク質シートは、そのシート構造を破壊しないで製造できる。
エチレンジアミン四酢酸塩で脱灰されたタンパク質シートは、シート構造を維持しているので、エチレンジアミン四酢酸塩不溶性分画部分は勿論可溶性分画部分を有していると考えられる。
【0017】
生成したタンパク質シートを水洗して乾燥することにより、タンパク質シートが得られる。このタンパク質シートは略同一のタンパク質構造を有する複数枚のシートの積層体として得られる。1枚のシートの厚さは約0.002μmである。
このタンパク質シートは、そのままで、または1mm角以上に細断して皮膚外用剤の配合剤として利用できる。ここで1mm角以上に細断とは1mm角の正方形を含む形態であればよいことを意味し、平面視、方形、円形、不定形を含む。
【0018】
本発明の皮膚外用剤は、通常の外用剤に配合される成分、例えば、油剤、粉体、精製水、高分子化合物、ゲル化剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、色素、防腐剤、香料、美容成分を適宜選択して用い、さらに上記タンパク質シートを配合する。
タンパク質シートの配合割合としては、皮膚外用剤全体に対して、0.0001〜10重量%で、好ましくは0.001〜5重量%である
【0019】
本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基材に配合して調製することができる。外用剤の形態としては、特に限定されず、例えば、ローション類、乳液類、クリーム類、軟膏類、パック類等の任意の剤形を選択することができる。
【実施例】
【0020】
実施例1
アコヤ貝貝殻の稜柱層を、バレル研磨機を用いて取り除いた。稜柱層を取り除き真珠層が主成分となった貝殻100gを大きさ5000mlのマグネティクスターラー付き反応容器に収容し、水4000ml、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩500gを加えた。なお、アコヤ貝貝殻の断片は網目の粗さ12メッシュのナイロン製ネットに入れて反応容器に投入した。
マグネティクスターラーの回転速度を50rpmに設定して室温(平均約25℃)で反応容器内の内容物を10日間撹拌した。
【0021】
10日間撹拌後、シート状不溶物を純水で洗浄して図1に示す真珠タンパク質シートを得た。図1は真珠の輝きを有する真珠タンパク質シートの平面写真である。
この真珠タンパク質シートを4区分に分けて、アコヤ貝貝殻の稜柱層側を表側、真珠層側を内側としてそれぞれの区分内の真珠タンパク質シートに含まれるタンパク質を調べた。
このタンパク質は次の方法により測定した。
表側から内側までの真珠タンパク質シート10gを採取して、6.5M酢酸水溶液200mlを加えてホモジナイズした後、上清を水に透析してpHを中性に調整して抽出液とした。この抽出液を凍結乾燥してSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分析した。結果を図2および図3に示す。図2はタンパク質シートの測定箇所を示す図であり、図3はSDS−PAGEの結果を示す図である。
【0022】
図3に示すように、真珠タンパク質シート区分(1)〜(4)まで、SDS−PAGEによる分子量約20kDaから約80kDaのタンパク質複合体であることが分かった。
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩に可溶性の代表的なタンパク質であるナクレインと考えられる成分と共に、他の19kDa、40kDaの成分も見られることから、本発明の真珠タンパク質シートは、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩に可溶性および不溶性のタンパク質を含む真珠タンパク質シートであることが分かる。これは、脱灰により生成する真珠タンパク質シートを破壊することなく、酸脱灰などよりも比較的温和な条件でシート形状を維持したままエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩による脱灰を行なったためと考えられる。
【0023】
実施例2
実施例1で得られた真珠タンパク質シート(4)(厚さ10μm)を2mm角に切断して、真珠タンパク質シート片を準備する。この真珠タンパク質シート片を用いて、以下の配合で、常法に従って、ローションを得た。なお、実施例2および3において、配合量は重量部である。
オリーブ油 0.5
ポリオキシエチレン(20E.0)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.0)硬化ヒマシ油 2.0
エタノール 10.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
真珠タンパク質シート片 5.0
精製水 75.5
【0024】
実施例3
実施例2で用いた真珠タンパク質シート片を用いて、以下の配合で、常法に従って、クリームを得た。
スクワラン 20.0
オリーブ油 2.0
ミンク油 1.0
ホホバ油 5.0
ミツロウ 5.0
セトステアリルアルコール 2.0
グリセリンモノステアレート 1.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
精製水 47.9
真珠タンパク質シート片 0.5
ポリオキシエチレン(20E.0)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.0)硬化ヒマシ油 1.0
グリセリン 5.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
【0025】
本発明の真珠タンパク質シート片の有効性を確認するために以下の官能試験を行なった。
選抜した官能パネラー3名の前腕内側部で、実施例2よび比較例1のローション、実施例3および比較例2のクリーム使用に伴う「しっとり感」、「肌の柔軟性」および「しっとり感の持続性」を官能試験で比較した結果をアンケートした。結果を表1に示す。
評価基準は、実施例2のローション、実施例3のクリームが非常によいが5、実施例2のローションと比較例1のローションと同程度が3、および実施例3のクリームと比較例2のクリームと同程度が3、比較例1のローション、比較例2のクリームが非常によいが1として、その中間を0.5刻みで評価点をつけてもらった。3人の平均点を以下の表1に示す。
なお、比較例1は実施例2で配合した真珠タンパク質シートを水に代えたものであり、比較例2は実施例3で配合した真珠タンパク質シートを水に代えたものである。
【0026】
【表1】

本願発明の真珠タンパク質シートは、表1の効果と共に、シート状にすることによって光沢を生かし、皮膚有効性があり、かつ化粧品に求められる外観も差別化できる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のシート状物質は、真珠層タンパク質をシートとして利用できる。そのため、真珠層タンパク質のカルシウム運搬能を利用して,滑らかな皮膚形成に役立つ基礎化粧品素材の開発が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】真珠タンパク質シートの平面写真である。
【図2】タンパク質シートの測定箇所を示す図である。
【図3】タンパク質シートのSDS−PAGEの結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真珠層を含有する貝殻、真珠断片、または真珠層を含有する貝殻断片を脱灰処理して得られるシート状物質であって、
前記脱灰処理に用いる処理剤がキレート剤であることを特徴とするシート状物質。
【請求項2】
前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸塩であることを特徴とする請求項1記載のシート状物質。
【請求項3】
前記真珠層を含有する貝殻、またはその断片がアコヤ貝、またはアコヤ貝の貝殻断片であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシート状物質。
【請求項4】
前記真珠の断片が真珠の破砕片であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシート状物質。
【請求項5】
前記脱灰処理により、エチレンジアミン四酢酸塩可溶分および不溶分を含むことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項記載のシート状物質。
【請求項6】
タンパク質のシート状物質またはこのシート状物質を1mm角以上に細断したシート片を配合した皮膚外用剤であって、
前記タンパク質のシート状物質が請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のシート状物質であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項7】
真珠層を含有する貝殻、真珠断片、または真珠層を含有する貝殻断片を水に分散させる工程と、
前記分散された貝殻または断片に含まれるカルシウムイオンに対して等モル以上のエチレンジアミン四酢酸塩を加える工程と、
生成するシート状物質と、前記断片とが相互に強く接触しない条件で撹拌する工程とを備えることを特徴とするタンパク質のシート状物質の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−59072(P2010−59072A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224785(P2008−224785)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年3月3日 国立大学法人三重大学主催の「三重大学生物資源学部生物圏生命科学科海洋生物科学講座 卒業論文発表会」において文書をもって発表
【出願人】(000166959)御木本製薬株式会社 (66)
【出願人】(304026696)国立大学法人三重大学 (270)
【Fターム(参考)】