説明

シート調節機能付き多種部品集積モジュール

【課題】メモリモジュールおよび制御モジュールをシート調節ユニットとともに集積ユニットに統合して1つのパッケージにする。
【解決手段】車両用集積制御ユニットは、空気流体搬送器と、電気通信を行う複数のマイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングを備えており、コネクタは複数のマイクロプロセッサ及び車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている。ハウジングはまた、車両から空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口と、空気流体搬送器から車両へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの別の開口を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両構成部品の各機能の制御及び車両のシートに対する調節を行うユニットに関し、より詳細には、シート調節装置を有し、これらの機能を実施する集積モジュールの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には乗員の乗り心地を高めるために様々な装備が備わっていることは広く知られている。この装備として、冷暖房機能付きシート、調整可能ランバーサポート、調整可能シート位置決め機能、調整可能シートベルト位置決め機能、暖房機能付きハンドル、多軸ハンドル位置調整機能、可動ブレーキペダルおよび可動アクセルペダル、自動調整サイドミラーなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの装備の多くと同様に、装備の中にはメモリ機能があるものもあれば、ないものもある。メモリ機能(例えばメモリ/制御モジュールを介して実施される)により、乗員が特定の装備を好みに設定し、かつその設定を保存することが可能となり、次にその乗員が車両を使用する際に、その装備の設定を用いて再設定し直すことも可能である。メモリ機能がない場合は、この機能は通常制御モジュールを介して制御されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら複数の装備を実現するのに必要となる使用エネルギー量、メモリモジュール数及び/または制御モジュール数、並びにモジュール実装スペースは、車両環境内では莫大な費用がかかるものになる可能性がある。このようなモジュールを駆動するのに要する総エネルギーを制限するとともに、可能であれば電力制限機能(例えば、ある時間における全集積モジュールの全電力使用量を制御する)を設けることで、モジュールの数を制限するのが望ましい。また、コストの削減を維持しながら車両の有する限定された集積スペースを最適化することで、このようなモジュールの数を制限するのも望ましい。このために、本発明は、様々なメモリモジュール及び制御モジュールを、既に車両に存在するシート調節ユニットとともに1つの集積ユニットに統合することによってこれらの問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、多数の車両構成部品からの様々なメモリモジュール及び制御モジュールをシート調節ユニット(例えば通風機能、冷暖房機能、またはその両方)とともに集積ユニットに統合して1つのパッケージにする改良モジュールに関するものである。
【0005】
本発明は、複数のモジュールを、単一の電源、単一の制御点、及び必要に応じて単一のメモリ点を1つの集積領域に有する集積ユニットに結合させるという効果をもたらす。
【0006】
よって、本発明の一態様に従って、空気流体搬送器と、電気通信を行う複数のマイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングを備えており、ハウジングは車両から空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、さらにハウジングは空気流体搬送器から車両へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、コネクタは複数のマイクロプロセッサ及び車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている車両用集積制御ユニットが想定されている。
【0007】
本発明はさらに、複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つのメモリ記憶プロセッサを含む、複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つの制御プロセッサを含む、空気流体搬送器と流体連通しており、シートを通過して車両へと調節された空気流体を供給する空気流体調節器を備える、車両内にある少なくとも1つの別の構成部品は、ランバーサポート、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、あるいはこれらのうちのいずれかの組み合わせを含む、などのここに記載された要件のうちの1つまたは任意の組み合わせを特徴としてもよい。
【0008】
よって、本発明の別の態様に従って、空気流体調節装置と流体連通する空気流体搬送器と、電気通信を行う複数のマイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングを備えており、ハウジングは車両から空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、さらにハウジングは空気流体調節装置から車両へと空気流体を流体連通する少なくとも2つの開口を有し、コネクタは複数のマイクロプロセッサ及び車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている車両用集積制御ユニットが想定されている。
【0009】
本発明はさらに、複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つのメモリ記憶プロセッサを含む、複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つの制御プロセッサを含む、車両内にある少なくとも1つの別の構成部品は、ランバーサポート、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、あるいはこれらのうちのいずれかの組み合わせを含む、などのここに記載された要件のうちの1つまたは任意の組み合わせを特徴としてもよい。
【0010】
よって、本発明の別の態様に従って、熱電式空気流体調節装置と流体連通する空気流体搬送器と、複数のメモリ記憶マイクロプロセッサに通信接続されるとともに電気通信を行う複数の制御マイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングと、車両から電気出力を受電し、マイクロプロセッサへと電力を供給するように構成された電源コネクタを備えており、ハウジングは車両から空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、さらにハウジングは熱電式空気流体調節装置からシートへと空気流体を流体連通する少なくとも2つの開口を有し、コネクタは複数の制御マイクロプロセッサ及び車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている車両用集積制御ユニットが想定されている。
【0011】
本発明はさらに、車両内にある少なくとも1つの別の構成部品は、ランバーサポート、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、あるいはこれらのうちのいずれかの組み合わせを含む、などのここに記載された要件のうちの1つまたは任意の組み合わせを特徴としてもよい。
【0012】
よって、本発明のさらに別の態様に従って、車両を調節し、車両構成部品の機能を制御する方法であって、(a)空気流体調節器と流体連通する空気流体搬送器と、少なくとも1つの別の車両構成部品と少なくとも1つが電気通信を行う複数のコネクタと電気通信を行っている複数のマイクロプロセッサを収容する集積制御ユニットを供給し、(b)複数のコネクタのうちの少なくとも1つを介して、複数のマイクロプロセッサ、空気流体搬送器、及び空気流体調節器へと電力を供給し、(c)車両環境から空気流体搬送器へと空気流体を供給し、(d)空気流体を空気流体調節器内で調節し、(e)空気流体を空気流体調節器から車両環境へと吐出し、(f)別の車両構成部品のうちの少なくとも1つから複数のマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つへと電気通信を介して入力信号を入力し、(g)複数のマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つから電気通信を介して出力信号を出力することにより、少なくとも1つの別の車両構成部品を制御する方法が想定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、調節された空気流体、または換気された状態の空気流体をシート内に供給することが可能であり、かつ車両の他の様々な構成部品の機能を制御することが可能な改良集積モジュール20に関するものである。
【0014】
全体として、本発明は、複数の構成部品を実装するように構成されているハウジング30(例えばシート内に位置する単一モジュール)を有する車両用の集積制御ユニットを想定している。このような構成部品には、空気流体搬送器40(例えば送風器)、空気流体調節器50(例えば熱電式空気流体調節器「TED(thermoelectric device)」)、複数のマイクロプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ領域60に位置する制御プロセッサ、メモリ記憶プロセッサ、プリント回路基板「PCB(printed circuit board)」、もしくはこれらの任意の組み合わせ)、そして複数のコネクタ70(接続領域72に位置する)が挙げられ得る。これらのコネクタは、ユニットあるいはモジュールのプロセッサと少なくとも1つの車両構成部品(図示省略)(例えばランバーサポート(空気圧式または電動式)、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、シートベルト警告音発生器、空気清浄器、能動型雑音消去装置、あるいはこれらの任意の組み合わせ)の間にインターフェースを供給しており、両者の間で入出力信号のやりとりが可能になることが想定されている。この集積モジュール20は車両構成部品に対する単独の制御点及び接続点となるので、車両製造メーカーにとって、構成部品を制御するのに必要なモジュール数や総消費電力の最適化が可能となる。これらの集積モジュールが車両内に複数存在してもよいことも想定されており、この場合1つのモジュールが親制御機として働き、他のモジュールが子ユニットとして働いてもよい。さらに、集積モジュールはHVACインターフェースとして機能してもよい(例えば、ACが高いと、送風器は乗員が周りの音を聞き取れなくなるほどの高速で駆動し、ACが低くなると、送風器は自動的にHVACノイズ以下になるように速度を落とす)。
【0015】
負荷が大電流になると、シートシステムへのゲージ配線をより大きくするとともにコネクタの定格電流をより高くする必要が生じ、一般的に車両の電気的負荷が増大する可能性がある。TED及びシートの各モーター(1シート内に可能であれば4〜6個のモーター)は大電流装置である。シートの各モーターは誘導性であり、このことは通常駆動時の電流よりもずっと大きな初期サージ電流が存在することを意味している。
【0016】
冷却動作中、TEDは約8アンペアの大電流(1ユニットあたり約4アンペアで、1シートあたり2ユニット搭載)を消費する。TEDは、ファンのモーターの電源を落とさずに電源を短時間切ることが可能であり、その結果、耳に聞こえるような衝撃もなく冷却システムの全体的な性能に与える影響も非常に小さい。シート調節機能付き多種部品集積モジュールは、ピーク消費電力に対処できることが必要であり、これは以下に記すことを実行することでエンドユーザに気付かれないように実施できる。
1.シートの各モーターの始動前と始動中にTEDの電源を切る。
2.シートの各モーターの始動前と始動中、及び動作中にTEDの電源を切る。
3.誘導負荷の始動を、同時に初期突入電流が発生しないようにずらす。
【0017】
エンドユーザに存在を意識させてしまうこともあり得るシステム電力に対処するために実施する他の手法は、大電流装置を1つだけとするか、ある時間に動作する大電流装置の数を限定することであろう。
【0018】
また、ハウジングは、車両から(例えば空気流体取込口を介して)空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する開口を少なくとも1つ備えていてもよく、さらに、空気流体搬送器から(例えば着座面を通過して)再び車両へと空気流体を流体連通する開口(例えば出口領域)を少なくとも1つ備えていてもよいことが想定されている。この種の空気流体搬送器との間でのこのような流体連通の代表的な実施例は米国特許第6,857,697号及び第7,197,801号に見出せるが、これらをすべての目的で参照として本明細書に援用する。
【0019】
この種の空気流体搬送器との間でシートを通過して行うこのような流体連通の代表的な実施例をさらに説明するために、車両用シートはシートクッション構成部品及びシート背もたれ構成部品を有し、これらのうちの少なくとも1つは、シートの乗員が接触する領域にそれぞれシートクッション及び空気流体透過性の整備面を備えている。この実施例のシステムは、通風される各構成部品の整備面の下に位置するインサートを有する。インサートは、内部にヒーターが組み込まれた第1の層と、スペーサ材料からなる第2の層を有しており、ここで第2の層は開放空間を区画している。このシステムはまた、インサートと流体連通を行い、空気流体が開放空間を通過してシートに座る乗員を少なくとも部分的に通り過ぎるように搬送されるための陽圧送風器を有している。インサートと空気流体搬送器との間で流体連通を行うシステム内では、管状構造が設けられているのが好ましい。
【0020】
この種の空気流体搬送器との間でシートを通過して行うこのような流体連通の別の代表的な実施例をさらに説明するために、シートインサート、シートインサートの製造方法、及び好ましくは自動車に適した通風機能を有するシートが開示されている。インサートは前方層、後方層、中間層を有することが好ましいが、含まれる層の数はこれより多くても少なくてもよい。前方層が含まれている場合、通常前方層は第1のバリア層、ヒーター層、複数の開口、またはこれらの組み合わせを有している。好適な実施形態では、第1のバリア層はプラスチック材料からなるか、もしくはヒーター層は敷線ヒーターとして構成されているか、あるいはその両方ともが成り立つ。
【0021】
後方層が含まれている場合、後方層は第2のバリア層、開口、またはその両方を有している。好適な実施形態では、第2のバリア層は第1のバリア層のようにプラスチック材料からなる。中間層は通常、開放空間を区画するスペーサ層を含んでいる。好適な実施形態では、スペーサ層は織り合わせられた高分子撚線材料からなる。インサートには空気流体搬送器(例えば送風器)が取り付けられており、後方層の少なくとも1つの開口内に少なくとも部分的に配置されているのが好ましいが、必須ではない。空気流体搬送器は、前方層内の複数の開口、スペーサ層の開放空間、またはその両方と流体連通している。
【0022】
ある実施形態では、複数のマイクロプロセッサは、任意の数の車両構成部品の設定データ(例えばシート位置、冷暖房、ハンドル位置、サイドミラー位置等)を記憶するように構成されたメモリ記憶プロセッサを少なくとも1つ含む。代表的なメモリ記憶プロセッサは米国特許第4,510,426号、第4,845,620号、及び第7,239,096号に見出せるが、これらをすべての目的で参照として本明細書に援用する。別の実施形態では、複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つの制御プロセッサを含む。代表的な制御プロセッサもまた上述の米国特許内に見出せる。
【0023】
この代表的なメモリ記憶プロセッサ及び制御マイクロプロセッサの典型的な実施例をさらに説明するために、着座例において、電子制御装置はマイクロコンピュータを装備している。このマイクロコンピュータは、操作者が操作可能なスイッチからなる第1及び第2のグループからのコマンド信号、モニタリング回路からの現在位置信号、そしてメモリ記憶プロセッサからの記憶位置信号をそれぞれ受信し、動力手段を誘導する制御信号を生成して自動車のシートの位置を調整するものである。スタンバイ状態では、動力手段、つまり代表的なものとして自動車のバッテリーのDC電源の消費電力を最小化するために、メモリ記憶プロセッサのみに電力が供給される。しかし、操作者が操作可能なスイッチのうちのいずれかを作動させてシート位置を修正するたびに、駆動モードが想定されてマイクロコンピュータに電力が供給される。記憶されている位置データがメモリ記憶プロセッサからマイクロコンピュータの内部RAMメモリ回路へとダウンロードされることを含む初期化シーケンスが開始される。
【0024】
この代表的なメモリ記憶プロセッサ及び制御マイクロプロセッサの別の典型的な実施例をさらに説明するために、着座例において、制御装置は、限られた範囲の移動路内で互いに反対の2方向のうちのいずれかの方向にシートを動かすように動作可能なリバーシブルモーターと、モーターの動作中に移動路内でのシート位置を表しているデジタル信号を生成する手段と、論理及び信号記憶手段を有している。信号記憶手段は少なくとも第1のメモリと第2のメモリを有しており、第1のメモリは、移動路内での現在のシート位置を表しているデータを中に記憶しているデジタル信号を受信できる。制御装置はさらに、シートの移動路内の再現位置を表しているデータを記憶するように第2のメモリを設定する手動選択式位置制御手段を有している。制御装置はまた、論理及び信号記憶手段に信号を送ってモーターの動作を開始することでシートを再現位置へと動かすように手動で動作可能な位置再現手段を有している。デジタル信号生成手段は、モーターの動作中、メモリ手段へ伝達する信号を生成してシートの再現位置への移動を制御するように動作可能である。この改良点は、メモリ手段をその容量が制限されるように構成することであり、その容量は、少なくとも第1のメモリは2Nのデジタル信号を記憶するのに必要な容量よりも少ない容量である。ここでNは、シートが移動路の範囲を一方向に移動する間に生成されるデジタル信号数に等しい。さらに、シートの実際の位置と再現位置とをそれぞれ表しているデータの間の正確な関係を維持するために、補償手段が、容量の限界に達した第1のメモリに応答して、再現位置を表しているデータを適宜デクリメントあるいはインクリメントさせる。
【0025】
さらに別の実施形態では、本発明は、モジュール内に制御マイクロプロセッサ(「制御装置」)とメモリ記憶プロセッサ(「記憶装置」)を両方とも有することを想定している。本実施形態では、あるプロセッサが車両内部の複数の構成部品を制御することにより、複数の構成部品を制御するのに必要なプロセッサ数が、本発明の範囲外のものが必要とすると考えられるプロセッサ数よりも少なくなるという相乗効果を生み出せることが想定されている。
【0026】
本実施形態では、電気信号が制御装置と記憶装置の間で流れ、最終的には車両内に相当数ある装置(例えば、他のシートに位置しており、本発明に記載されているような他の複製モジュールもしくは類似モジュール、種々の車両構成部品、あるいはその両方)へと流れることが想定されている。これにより、人がある装置を好みに設定し、その設定情報を記憶装置に記憶し、そしてモジュールを始動させるときに(例えばメモリボタンを押すことや、キーフォブからの信号などのやり方で)当該装置をこの好みの設定に戻すことが可能になる。
【0027】
さらに別の実施形態では、本発明は、調節装置を持たずに空気流体搬送器を有することにより、空気流体の搬送(例えばシートの通風)を単独で生じさせることを想定している。
【0028】
本発明はまた、集積制御ユニットを設け、複数のコネクタのうちの少なくとも1つを介して、複数のマイクロプロセッサ、空気流体搬送器、及び空気流体調節器へ電力を入力し、車両環境から空気流体搬送器へと空気流体を供給し、必要に応じて、空気流体調節器内で空気流体を調節したあと、空気流体調節器から(もしくは空気流体搬送器から直接)車両環境へと(例えばシートを通過して)空気流体を吐出することによって、車両を調節し、車両構成部品の各機能を制御する方法を想定している。このユニットもまた、他の車両構成部品のうちの少なくとも1つからの電気通信を介して、複数のマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つに入力信号を入力し、複数のマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つから電気通信を介して出力信号を出力することにより、少なくとも1つの別の車両構成部品を制御することができる。
【0029】
特に記されていない限り、本明細書に記載された方法は本発明を限定しようとするものではなく、他の寸法や形状も可能である。また、図示した実施形態のうちの1つのみの状況において本発明の特徴を説明してきたが、このような特徴は、任意の用途に対して、他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい。
【0030】
以上、本発明の好適な実施形態を開示してきた。しかしながら、当業者ならばある種の変形も本発明の教示の範囲に入ることを理解されるであろう。従って、添付の請求項を検討することで、本発明の真の範囲及び内容が特定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の教示に従った例示的な集積モジュールの図。
【図2】本発明の教示に従った第2の例示的な集積モジュールの図。
【符号の説明】
【0032】
20 集積モジュール
30 ハウジング
40 空気流体搬送器
50 空気流体調節器
60 マイクロプロセッサ領域
70 コネクタ
72 接続領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流体搬送器と、電気通信を行う複数のマイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングを備えており、
前記ハウジングは車両から前記空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、さらに前記ハウジングは前記空気流体搬送器から前記車両へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、前記コネクタは前記複数のマイクロプロセッサ及び前記車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている車両用集積制御ユニット。
【請求項2】
前記複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つのメモリ記憶プロセッサを含む請求項1記載の集積制御ユニット。
【請求項3】
前記複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つの制御プロセッサを含む請求項1記載の集積制御ユニット。
【請求項4】
前記空気流体搬送器と流体連通しており、シートを通過して前記車両へと調節された空気流体を供給する空気流体調節器をさらに備えた請求項1記載の集積制御ユニット。
【請求項5】
前記車両内にある前記少なくとも1つの別の構成部品は、ランバーサポート、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、あるいはこれらのうちのいずれかの組み合わせを含む請求項1記載の集積制御ユニット。
【請求項6】
空気流体調節装置と流体連通する空気流体搬送器と、電気通信を行う複数のマイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングを備えており、
前記ハウジングは車両から前記空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、さらに前記ハウジングは前記空気流体調節装置から前記車両へと空気流体を流体連通する少なくとも2つの開口を有し、前記コネクタは前記複数のマイクロプロセッサ及び前記車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている車両用集積制御ユニット。
【請求項7】
前記複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つのメモリ記憶プロセッサを含む請求項6記載の集積制御ユニット。
【請求項8】
前記複数のマイクロプロセッサは少なくとも1つの制御プロセッサを含む請求項6記載の集積制御ユニット。
【請求項9】
前記車両内にある前記少なくとも1つの別の構成部品は、ランバーサポート、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、あるいはこれらのうちのいずれかの組み合わせを含む請求項6記載の集積制御ユニット。
【請求項10】
熱電式空気流体調節装置と流体連通する空気流体搬送器と、複数のメモリ記憶マイクロプロセッサに通信接続されるとともに電気通信を行う複数の制御マイクロプロセッサと、複数のコネクタを実装するように構成されたハウジングと、
車両から電気出力を受電し、前記マイクロプロセッサへと電力を供給するように構成された電源コネクタを備えており、
前記ハウジングは前記車両から前記空気流体搬送器へと空気流体を流体連通する少なくとも1つの開口を有し、さらに前記ハウジングは前記熱電式空気流体調節装置からシートへと空気流体を流体連通する少なくとも2つの開口を有し、前記コネクタは前記複数の制御マイクロプロセッサ及び前記車両内にある少なくとも1つの別の構成部品との間で電気信号を送受信するように構成されている車両用集積制御ユニット。
【請求項11】
前記車両内にある前記少なくとも1つの別の構成部品は、ランバーサポート、ヒーター、パワーペダル、メモリ入力装置、シート調節器、調整可能ハンドル、暖房機能付きハンドル、調整可能サイドミラー、シート調整機構、シートベルト調整機構、電動調整式ヘッドレスト、あるいはこれらのうちのいずれかの組み合わせを含む請求項10記載の集積制御ユニット。
【請求項12】
車両を調節し、車両構成部品の機能を制御する方法であって、
(a)空気流体調節器と流体連通する空気流体搬送器と、少なくとも1つの別の車両構成部品と少なくとも1つが電気通信を行う複数のコネクタと電気通信を行っている複数のマイクロプロセッサを収容する集積制御ユニットを供給し、
(b)前記複数のコネクタのうちの少なくとも1つを介して、前記複数のマイクロプロセッサ、前記空気流体搬送器、及び前記空気流体調節器へと電力を供給し、
(c)車両環境から前記空気流体搬送器へと空気流体を供給し、
(d)前記空気流体を前記空気流体調節器内で調節し、
(e)前記空気流体を前記空気流体調節器から前記車両環境へと吐出し、
(f)前記別の車両構成部品のうちの少なくとも1つから前記複数のマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つへと前記電気通信を介して入力信号を入力し、
(g)前記複数のマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つから前記電気通信を介して出力信号を出力することにより、前記少なくとも1つの別の車両構成部品を制御する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−78805(P2009−78805A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245234(P2008−245234)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(504135893)べー.エー.テー. オートモーティブ システムズ アーゲー (10)
【Fターム(参考)】