説明

シーマ

【課題】簡易な構成で缶と巻締操作部との対応関係を確実に調査可能なシーマを提供する。
【解決手段】シーミングチャック6の巻締領域Aに対する接触範囲Bには、巻締領域Aに凹凸状の識別標識を付与するための単一又は複数の刻印部が、複数の巻締操作部間で識別標識の態様が相互に区別できるようにして設けられ、かつ巻締領域Aを介してシーミングロール7による圧力が加えられ、刻印部は、接触範囲Bに加わる圧力が低下する接触範囲Bの境界付近に位置する境界領域Cに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶を巻き締めた巻締操作部を識別可能なシーマに関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を充填した缶に対して缶蓋を取り付け、巻締操作部にて缶胴と缶蓋とをシーミングヘッドによって巻き締めて缶を密封するシーマが周知である。シーマにおいては、各巻締操作部によって缶蓋の巻締めが正常に実施されているか否かを各シーミングヘッドと製造された缶との対応を調べることにより定期的に検査されている。このような検査のために巻き締めしたシーミングヘッドの情報を缶に印字して対応関係を調査可能にしたトレーサビリティシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。その他、シーミングチャックに凹凸で形成された刻印部を設けることにより缶の巻締部の内周面に刻印することで、製造工場を表示する標識を形成するものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−230532号公報
【特許文献2】特公昭55−36542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、何らかの不具合で印字対象の缶がずれると、巻締操作部と缶との対応関係がずれたまま印字されてしまうことがある。そこで、特許文献2のように缶の巻締部に刻印する装置が検討されているが、従来の装置に比べシーマの製造速度が2倍近くまで上昇し、刻印部による刻印が不十分となるおそれがあり、また、シーミングチャックの刻印部に摩耗が生じやすくなる。
【0005】
そこで、本発明は簡易な構成で刻印部の摩耗を抑制しつつ、缶と巻締操作部との対応関係を確実に調査可能なシーマを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシーマは、軸線(AX)の回りに回転可能なターレット(2)の外周に複数の巻締操作部(3)が周方向に沿って設けられ、各巻締操作部には、缶蓋(101)が重ね合わされた缶胴(100)を缶底側から支持する缶支持台(4)と、前記缶蓋の内周側に挿入されて該缶蓋の巻締領域(A)を内周側から支持するシーミングチャック(6)と、前記巻締領域を外周側から前記シーミングチャックに向かって加圧して前記缶蓋を前記缶胴に巻き締めるシーミングロール(7)とが設けられたシーマ(1)において、各シーミングチャックの前記巻締領域に対する接触範囲(B)には、前記巻締領域に凹凸状の識別標識(M)を付与するための単一又は複数の刻印部(8)が、前記複数の巻締操作部間で前記識別標識の態様が相互に区別できるようにして設けられ、かつ前記巻締領域を介して前記シーミングロールによる圧力が加えられ、前記刻印部は、前記接触範囲に加わる圧力が低下する前記接触範囲の境界付近に位置する境界領域(C)に設けられていることにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明のシーマによれば、缶蓋が重ね合わされた缶胴を巻き締めるときにシーミングチャックの刻印部が缶蓋に対して押しつけられ、巻き締められた缶の缶蓋には、識別標識が付与される。この識別標識は、シーマに設けられている複数の巻締操作部を相互に区別できる態様で形成されるので、巻き締めた巻締操作部を容易に特定できる。識別標識は刻印によって缶蓋に付与されるので、簡易な構成で缶と巻締操作部との対応関係を確実に調査することができる。そして、接触範囲において加えられる圧力が低下する境界領域に刻印部が設けられることで、シーミングロールによる圧力がシーミングチャックと缶蓋に対して適度に加わる。シーマの製造速度が上昇しても刻印部の摩耗を抑制して、明瞭な識別標識を付与することができる。
【0008】
本発明のシーマの一形態において、前記刻印部の個数、形状、大きさ、及び並び方のうち少なくともいずれか1つを前記複数の巻締操作部間で変化させることにより前記識別標識の態様を相互に区別可能としていてもよい。これによれば、刻印部の個数、形状、大きさ、及び並び方の少なくともいずれか1つを変化させることで、刻印される識別標識の態様が変化する。各巻締操作部に対して固有の識別標識を対応付けておくことで、その缶を巻き締めた巻締操作部を特定することができる。
【0009】
上述の形態において、前記複数の巻締操作部のうち少なくとも2つの巻締操作部には、前記シーミングチャックにおける前記接触範囲に3個以上の前記刻印部が設けられ、隣り合う刻印部の間隔が他の組み合わせの刻印部の間隔と異なっていてもよい。これによれば、隣り合う刻印部間の間隔を互いに異ならせることにより、同じ個数の刻印部が使用されている場合でも並び方の違いによる区別が可能となる。従って、識別標識のバリエーションが増える。また、前記複数の巻締操作部のうち少なくとも2つの巻締操作部には、前記シーミングチャックにおける前記接触範囲に少なくとも1つの前記刻印部が設けられ、各巻締操作部に設けられた刻印部が互いに、周方向に対して直交する高さ方向にずれていてもよい。
【0010】
本発明のシーマの一形態において、前記刻印部が、前記接触範囲の表面に対して後退した凹部であってもよい。これによれば、シーミングチャックと缶蓋との摩耗を減らすことができる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明のシーマにおいては、缶蓋が重ね合わされた缶胴を巻き締めるときにシーミングチャックの刻印部が缶蓋に対して押しつけられ、巻き締められた缶の缶蓋には、識別標識が付与される。この識別標識は、シーマに設けられている複数の巻締操作部を相互に区別できる態様で形成されるので、巻き締めた巻締操作部を容易に特定できる。識別標識は刻印によって缶蓋に付与されるので、簡易な構成で缶と巻締操作部との対応関係を確実に調査することができる。そして、接触範囲において加えられる圧力が低下する境界領域に刻印部が設けられることで、シーミングロールによる圧力がシーミングチャックと缶蓋に対して適度に加わる。シーマの製造速度が上昇しても刻印部の摩耗を抑制して、識別標識を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一形態に係るシーマの斜視図。
【図2】ポケットの拡大図。
【図3】缶胴に被せられた缶蓋に挿入されたシーミングチャックの一部を拡大して示した図。
【図4】シーミングチャックの拡大図。
【図5】凹部の断面図。
【図6A】刻印部8の態様の一例を示した表。
【図6B】刻印部8の態様の一例を示した表。
【図7】フランジとカール部とが巻き締められた状態を示す図。
【図8】缶に刻印された識別標識を示す図。
【図9A】刻印部の並び方の変形例を示す図。
【図9B】刻印部の並び方の他の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一形態に係るシーマの斜視図である。シーマ1は、缶胴100に缶蓋101を重ね合わせて巻き締めることにより、缶胴100に缶蓋101を接合する装置である。シーマ1は、軸線AXの回りに回転可能なターレット2を有し、ターレット2の外周には、周方向に沿って複数の巻締操作部3が設けられている。各巻締操作部3には、上部に缶蓋101が重ね合わされた缶胴100が収容される。各巻締操作部3には、缶蓋101が重ね合わされた缶胴100を缶底側から支持する缶支持台としてのリフター4と、缶胴100と缶蓋101とを巻き締めるシーミングヘッド5とが設けられている。
【0015】
図2は、巻締操作部3の拡大図である。リフター4には、上部に缶蓋101が重ね合わされた缶胴100が載置される。シーミングヘッド5は、リフター4に対向するように設けられている。シーミングヘッド5には、ノックアウトパッド(不図示)と、缶蓋101の内周側に挿入されて缶蓋101の巻締領域A(図7参照)を内周側から支持するシーミングチャック6と、巻締領域Aを外周側からシーミングチャック6に向かって加圧して缶蓋101を缶胴100に巻き締めるシーミングロール7とが設けられている。シーミングチャック6は、リフター4が上昇して所定の位置に達したときに缶蓋101の内部に挿入されるように設けられている。リフター4が上昇して缶胴100の底部をリフター4が押しつつ、シーミングチャック6が缶蓋101の内部に挿入されて缶蓋101を上から押さえることにより、巻締操作部3にて缶胴100及び缶蓋101が上下方向から挟みこまれて把持される。
【0016】
図3は、缶胴100に重ね合わされた缶蓋101に挿入されたシーミングチャック6の一部を拡大して示した図である。缶蓋101は、センターパネル102、チャックウォールラジアス103、チャックウォール104、及びカール部101aを備えている。センターパネル102は、缶蓋101の中央部分に設けられ、ほぼ平坦である。センターパネル102には、ノックアウトパッドが接触する。チャックウォールラジアス103は、センターパネル102の外周に設けられ、下方に凹んでいる。チャックウォール104は、チャックウォールラジアス103の外周に設けられ、チャックウォールラジアス103から径方向外側で、かつ上方に延びている。カール部101aは、チャックウォール104の外周に設けられている。また、缶胴100の上縁部には、フランジ100aが形成されている。
【0017】
シーミングチャック6には、缶蓋101の接触範囲B(図7参照)が設けられるウォール部11と、ウォール部11から径方向内側に傾斜した傾斜部12と、チャックウォールラジアス103と接触するリップ部13とが設けられている。ウォール部11及び傾斜部12は、シーミングチャック6の外周面6aに形成されている。ウォール部11において、外周側からシーミングチャック6に向かってシーミングロール7が加圧し、缶胴100のフランジ100aと缶蓋101のカール部101aとが巻き締められる。巻締領域Aは、フランジ100aとカール部101aとが巻き締められる際に加圧される領域であり、チャックウォール104に位置する。接触範囲Bは、缶蓋101の巻締領域Aがウォール部11と接触する範囲である。
【0018】
図4は、シーミングチャック6の拡大図である。シーミングチャック6のウォール部11の下端部、つまり、ウォール部11の接触範囲Bの境界付近に位置する境界領域Cには、巻締領域Aに凹凸状の識別標識M(図8参照)を付与するための単一又は複数の刻印部8が、各巻締操作部3間で識別標識Mの態様が相互に区別できるようにして設けられている。刻印部8は、外周面6aに対して後退した凹部である。複数の刻印部8が設けられている場合、複数の刻印部8はシーミングチャック6の周方向に所定の間隔で並んでいる。図4に示したシーミングチャック6の刻印部8は一例である。各巻締操作部3に設けられたシーミングチャック6ごとにユニークな刻印部8が設けられ、缶110とその缶110を巻き締めたシーミングヘッド5(巻締操作部3)との対応関係が識別可能となっている。
【0019】
図5は、刻印部8の断面図である。刻印部8は、外周面6aに対して円形状に凹んでいる。巻締操作部3と缶110との対応関係は、刻印部8の個数、形状、大きさ、及び並び方等に基づいて識別される。図6A及び図6Bは、刻印部8の態様の一例を示した表である。シーミングチャック6には、図4に示すように、刻印部8が設けられる第1領域Pと第2領域Qとが一定の間隔をあけて設けられている。各シーミングヘッド5には、互いに区別するため任意の番号が付与されている。例えば、シーマ1にシーミングヘッド5が18個設けられている場合、シーミングヘッド5には「1」〜「18」の番号が付与される。第1領域Pは、刻印部8の有無によって、シーミングヘッド5に付与された番号の十の位を表している。刻印部8が第1領域Pに設けられている場合、そのシーミングヘッド5の番号が十番台であることを示している。第2領域Qは、刻印部8の個数と並び方によって、シーミングヘッド5の番号の一の位を表している。「11」以降の番号は「1」〜「10」にそれぞれ付与された刻印部8の個数及び並び方に対応している。つまり、「1」と「11」は、第2領域Qにおいて同一の識別標識Mとなる。例えば、図4に示した刻印部8が設けられたシーミングヘッド5の番号は、「13」である。第1領域Pと第2領域Qとの間の間隔d1は、互いに識別可能な程度に離れていればよい。例えば、間隔d1は、90°〜180°の間に設定されていてもよい。また、第2領域Q内で隣り合う刻印部8の間隔d2は、間隔d1よりも小さい間隔で、かつ等間隔に設定されている。
【0020】
シーミングロール7は、巻締操作部3に把持された缶胴100及び缶蓋101に対して接触する接触位置と、缶胴100及び缶蓋101から離間する離間位置との間で移動可能に構成されている。シーミングロール7の外周面には、フランジ100aとカール部101aとを巻き締めるための溝7aが設けられている。図7は、フランジ100aとカール部101aとが巻き締められた状態を示す図である。シーミングロール7が接触位置に移動すると、フランジ100a及びカール部101aは、シーミングチャック6のウォール部11とシーミングロール7の溝7aとに挟まれて圧力が加わり、巻締めが完了する。巻締め時の圧力を利用して刻印部8に対向する缶蓋101のチャックウォール104には、識別標識Mが刻印される。図8は、缶110に刻印された識別標識Mを示す図である。図8に示す識別標識Mは、図4に示す刻印部8によって刻印される。識別標識Mは、第1領域P及び第2領域Qに設けられた刻印部8により付与され、シーミングヘッド5の番号を識別するために必要な標識の組み合わせ全体を意味するものであり、個々の刻印部8が刻印する単独の標識を意味するものではない。図8の例で説明すると、チャックウォール104に付与された4つの標識全体が、識別標識Mである。
【0021】
シーマ1による缶胴100及び缶蓋101の巻締めを説明する。リフター4には、上部に缶蓋101が重ね合わされた缶胴100が載置される。缶胴100が載置されたリフター4が上昇すると缶蓋101内にシーミングチャック6が挿入され、ウォール部11が缶蓋101のチャックウォール104を内周面側から支持する。缶胴100及び缶蓋101がリフター4とシーミングチャック6とにより上下方向から把持された状態で回転し、シーミングロール7が接触位置に移動することでフランジ100a及びカール部101aがウォール部11と溝7aに挟まれて巻き締められる。巻締め時に、缶蓋101のチャックウォール104がシーミングロール7によってシーミングチャック6の刻印部8に押しつけられ、チャックウォール104には識別標識Mが刻印される。
【0022】
シーマ1の巻締操作部3のシーミングチャック6には、それぞれ互いに区別可能な刻印部8が設けられているので、製造後の缶110の識別標識Mを見ればその缶110がどのシーミングヘッド5で巻き締められているのかが識別できる。刻印部8は、接触範囲Bの境界領域Cに設けられている。これは、シーミングロール7により加わる接触範囲Bへの圧力が接触範囲Bの境界に近付くほど小さくなるように分布しているため、識別標識Mの視認具合及び検査時の製品不良として検出される可能性を考慮して、境界領域Cに刻印部を設けている。ウォール部11の中央付近から上側に刻印部8を設けると境界領域Cに比べて加わる圧力が大きいため、刻印部8に摩耗が生じやすくなるからである。さらには、チャックウォール104に刻印された識別標識Mの突出が大きくなり、検査時に巻締め不良として検出されるおそれが生じるからである。一方で、傾斜部12に刻印部8を設けた場合には、シーミングロール7によって加わる缶蓋101への加圧が小さく、刻印が不十分となりがちだからである。従って、刻印部8の摩耗を考慮すると、刻印部8を接触範囲Bの境界領域Cに設けることが好ましい。しかし、境界領域C以外の接触範囲Bに刻印部8を設けても刻印は可能である。
【0023】
従って、缶胴100及び缶蓋101を巻き締めるときに巻締操作部3ごとに固有の識別標識Mが缶110に刻印されるので、通常の製造速度でシーマ1を稼働させていても巻き締めしたシーミングヘッド5の特定が容易にできる。缶110に直接刻印されるので、印字装置を利用した場合のような対応関係のずれが生じるおそれがない。よって、シーマ1では、簡易な構成で缶110と巻締操作部3との対応関係を確実に調査することができる。そして、接触範囲において加えられる圧力が低下する境界領域に刻印部が設けられることで、シーミングロール7による圧力がシーミングチャック6と缶蓋に対して適度に加わる。シーマ1の製造速度が上昇しても刻印部8の摩耗を抑制して、明瞭な識別標識を付与することができる。これにより、缶110を巻き締めたシーミングチャック6を特定することができるとともに、特定のシーミングヘッド5を指定したサンプリングができる。
【0024】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、刻印部8の態様について、複数の刻印部8の個数及び並び方によって識別するとして説明したが、上述の説明に限られない。例えば、刻印部8の形状によって識別するようにしてもよい。上述の説明では、刻印部8の形状を円形状として説明しているが、これに限られず、例えば、多角形状や直線形状、任意の形状としてもよい。また、刻印部8の大きさを変化させてもよい。このように形状や大きさが異なる刻印部8を組み合わせて識別標識Mを付与することにより、同じ個数及び並び方であっても形状や大きさの違いにより、各識別標識Mを区別できる。識別標識Mを刻印するための刻印部8の個数についても、互いに区別可能である限り、刻印部8を有さないシーミングチャック6や、単一の刻印部8を有するシーミングチャック6を設けてもよい。識別標識Mにおける刻印部8の個数は、シーミングヘッド5の個数に応じて適宜に増減してもよい。
【0025】
識別標識Mにおける刻印部8の並び方についても、上述の説明では、周方向に並んだ各刻印部8の間隔d1、d2に基づいて、各識別標識Mの態様を区別したが、これに限られず、周方向に対し直交する高さ方向に刻印部8をずらすことにより区別するようにしてもよい。図9A及び図9Bは、刻印部8の並び方の変形例を示す図である。図9Aにおいては、刻印部8cが高さ方向の上側にずれ、図9Bにおいては、刻印部8bが高さ方向の下側にずれている。このように刻印部8を高さ方向にずらしても刻印される識別標識Mの態様を互いに区別できる。また、上述の形態では、刻印部8を凹部として説明したが、これに限られない。例えば、外周面6aに対して突出した凸部であってもよい。凸部としても、シーミングロール7により圧力が加わるとチャックウォール104に識別標識Mが付与される。凹部と凸部とを組み合わせて識別標識Mを付与する刻印部8を構成してもよい。刻印部8の個数、形状、大きさ、及び並び方を適宜組み合わせて識別標識Mの態様を区別可能に構成することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 シーマ
2 ターレット
3 巻締操作部
4 リフター
5 シーミングヘッド
6 シーミングチャック
7 シーミングロール
8 刻印部
100 缶胴
101 缶蓋
110 缶
AX 軸線
A 巻締領域
B 接触範囲
C 境界領域
M 識別標識

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線の回りに回転可能なターレットの外周に複数の巻締操作部が周方向に沿って設けられ、各巻締操作部には、缶蓋が重ね合わされた缶胴を缶底側から支持する缶支持台と、前記缶蓋の内周側に挿入されて該缶蓋の巻締領域を内周側から支持するシーミングチャックと、前記巻締領域を外周側から前記シーミングチャックに向かって加圧して前記缶蓋を前記缶胴に巻き締めるシーミングロールとが設けられたシーマにおいて、
各シーミングチャックの前記巻締領域に対する接触範囲には、前記巻締領域に凹凸状の識別標識を付与するための単一又は複数の刻印部が、前記複数の巻締操作部間で前記識別標識の態様が相互に区別できるようにして設けられ、かつ前記巻締領域を介して前記シーミングロールによる圧力が加えられ、前記刻印部は、前記接触範囲に加わる圧力が低下する前記接触範囲の境界付近に位置する境界領域に設けられているシーマ。
【請求項2】
前記刻印部の個数、形状、大きさ、及び並び方のうち少なくともいずれか1つを前記複数の巻締操作部間で変化させることにより前記識別標識の態様を相互に区別可能としている請求項1に記載のシーマ。
【請求項3】
前記複数の巻締操作部のうち少なくとも2つの巻締操作部には、前記シーミングチャックにおける前記接触範囲に3個以上の前記刻印部が設けられ、隣り合う刻印部の間隔が他の組み合わせの刻印部の間隔と異なっている請求項2に記載のシーマ。
【請求項4】
前記複数の巻締操作部のうち少なくとも2つの巻締操作部には、前記シーミングチャックにおける前記接触範囲に少なくとも1つの前記刻印部が設けられ、各巻締操作部に設けられた刻印部が互いに、周方向に対して直交する高さ方向にずれている請求項2又は3に記載のシーマ。
【請求項5】
前記刻印部が、前記接触範囲の表面に対して後退した凹部である請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーマ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate


【公開番号】特開2013−107105(P2013−107105A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253991(P2011−253991)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】