説明

シールコネクター、並びに、伝送部材、ガスカートリッジ、及び、該シールコネクターを具備するアダプターから構成される組立体

【課題】ガスカートリッジ、伝送部材、及び、コネクターを備えるアダプターを備える組立体を提供すること。
【解決手段】シールコネクターは、出口取付け部を有するガスカートリッジと、入口取付け部を有する、ガス駆動の締結装置の燃焼室をガスで充填するための伝送部材との間のシールを保証するものである。さらに、該シールコネクターは、2つの取付け部を収容するための2つの内側シールスリーブ(12)であって、内側シールスリーブの少なくとも一方(16)は可撓性材料から製造され、このスリーブ(16)の奥部に、寸法調整用の可撓性の横断方向環状隔壁(14)を有する内側シールスリーブ(12)と、外側スライド(13)とを含むものである。剛性の横断方向環状隔壁(22)が、2つのスリーブの他方(25)の奥部に設けられて、取付け部用の支持部として機能することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス駆動の締結装置のシールコネクターについて直面する問題から生じたものであって、該シールコネクターは、ガスカートリッジとソレノイドバルブの、出口及び充填取付け部を通して延びる管路のシールを保証するために、ガスカートリッジと、ガス駆動の締結装置の燃焼室を充填するためのソレノイドバルブとの間に装着された締結装置のシールコネクターに関するものである。単純にするため、ここでは、「ソレノイドバルブ」という用語は、簡単な機械式バルブであってもよく、より一般的には、ガスカートリッジから燃焼室に向かってガスを伝送するためのいかなる部材に対して用いられる。
【0002】
考えられる締結装置とは、例えば、木に対して使用するための釘打ち機である。
【背景技術】
【0003】
例えば、本出願を出願する時点にまだ公開されていなかった特許文献1、2に記載されているような問題のコネクターは、可撓性材料から製造された2つの取付け部を収容するための両側の内側シールスリーブを含み、このスリーブは、寸法調整のための略中央の横断方向環状隔壁と、両側スリーブが装着される外側スライドとを有する。
【0004】
外側スライドにより、可撓性の両側スリーブの形状又は形態が維持され、かつガスカートリッジのアダプター内でのコネクターの摺動を可能にし、これによって、ガスカートリッジが装置から取り外されるとき、可撓性材料から製造されたスリーブがアダプターに対して「付着された」ままになることはなく、ガスカートリッジの取り付け部を、ガス排気状態の位置に保持することはない。
【0005】
本出願人が直面する問題は、一方で、ガスカートリッジのはめ込みにより、可撓性材料から製造された寸法調整用の中央隔壁が突き破られ、他方、この中央隔壁がガス通過用の管路を塞ぐ程度に変形されるという危険と結びついていることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許出願第0405605号明細書(FR20040005605)
【特許文献2】仏国特許出願第0407208号明細書(FR20040007208)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
結局、理想的な解決方法は、2つの取付け部の間のシールを保証する程度に十分に可撓性であるが、中央隔壁が破損又は変形して、ガス通過用の取付け部の一方を塞ぐことを防止するに十分なほどの剛性を有する、単一の材料から製造されるシールコネクターを提案することであろう。
【0008】
このような材料は、今日でも少なくとも容認可能なコストでは入手不能であるので、本出願人は本発明を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このように、本出願は、出口取付け部を有するガスカートリッジと、入口取付け部を有する、ガス駆動の締結装置の燃焼室をガスで充填するための伝送部材との間において、シールを保証するためのシールコネクターに関するものである。そして、該シールコネクターは、2つの取付け部を収容するための2つの内側シールスリーブであって、内側シールスリーブの少なくとも一方が可撓性材料から製造され、このスリーブの奥部に、寸法調整用の可撓性の横断方向環状隔壁(14,114,214)を有する内側シールスリーブと、外側スライドとを含むシールコネクターにおいて、前記2つの内側スリーブの他方の奥部で、剛性の横断方向環状隔壁(22,122,222)がシールコネクターに設けられて、取付け部用の支持部として機能することを特徴とするものである。
【0010】
ガスカートリッジの出口取付け部が、剛性の隔壁側のスリーブに係合されるとき、前記出口取付け部と可撓性の隔壁との間に挿入されて、かつ前記出口取付け部が衝合する剛性の隔壁によって、前記出口取付け部が、寸法調整用の可撓性の隔壁を突き破る危険はない。
【0011】
本発明のコネクターの好ましい実施形態では、剛性の隔壁は外側スライドと一体である。
【0012】
2つの、可撓性及び剛性の隔壁は隣接していることが有利である。
【0013】
第1の実施形態では、2つの取付け部を収容するための2つのスリーブは共に接合されて、可撓性材料から一体形成された両側の内側シールスリーブを形成する。
【0014】
この場合、可撓性材料から製造された両側の内側スリーブが射出成形部材で構成され、剛性の支持隔壁に、前記スリーブの射出成形材料を通過させるためのオリフィスが設けられることが有利である。
【0015】
変形実施形態では、前記スリーブの奥部に剛性の横断方向環状隔壁が位置し、前記スリーブは、外側スライドと共に剛性材料製の単一ピースを形成し、内側スリーブは余裕部を保って外側スライドの内部に延びる。
【0016】
本発明は、また、ガス駆動の締結装置の燃焼室をガスで充填するための伝送部材、ガスカートリッジ、アダプター、及び、該アダプターに装着され、伝送部材とガスカートリッジとの間のシールを行うためのコネクター、すなわち、本発明のコネクターであるシールコネクターから構成される組立体に関するものである。
【0017】
本発明は、添付図面を参照して、本発明のコネクター及び変形例の好ましい実施形態の次の説明により、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】締結装置のソレノイドバルブ、ガスカートリッジ及び本発明のコネクターから構成される組立体の斜視図である。
【図2】図1の組立体のコネクターの軸方向断面図である。
【図3】線III−IIIに沿った図2のコネクターの横断面図である。
【図4】本発明のコネクターの第1の変形実施形態の軸方向概略断面図である。
【図5】本発明のコネクターの第2の変形実施形態の軸方向概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図1〜図3を参照して説明するコネクターは、燃焼剤カートリッジ20と、ガス駆動の締結装置の燃焼室を充填するためのソレノイドバルブ30である伝送部材との間のシールを保証するように意図されたものである。参照番号30は、図面では、ソレノイドバルブそれ自体を実際に示しておらず、ソレノイドバルブとガスカートリッジとを接続するための以下に説明するアダプター用のフック脚部を示している。
【0020】
圧縮ガスで駆動されるピストンによって締結要素を締結するための締結装置は、締結要素を駆動するためのピストンを駆動するために、ガスカートリッジ20から圧縮ガスが供給されるようになされた燃焼室を備える内燃機関を備える。
【0021】
この特定の例では、締結装置の燃焼室内に圧縮ガスを供給するためのソレノイドバルブ30と圧縮ガスカートリッジ20とを接続するようになされた接続アダプター1が提供される。
【0022】
略円筒形状のガスカートリッジ20には、内側ケーシング内に液体状の圧縮ガスが提供され、また内側ケーシングと外側ケーシングとの間で燃焼剤が提供される。円形縁部21は、ガスカートリッジ20の端部の一方において、ガスカートリッジの外側円筒壁の継続部を形成する。内側ケーシングに接続された雄状出口取付け部23は、縁部21の内部に形成された皿の中心に位置する基部24を介してガスカートリッジから突出する。
【0023】
略円筒形状のソレノイドバルブ30には、その端部の一方に、ソレノイドバルブの内部で出口取付け部(図示せず)に接続された入口取付け部32が設けられる。入口取付け部は、実際には、正確にはソレノイドバルブの入口取付け部でなく、その途中の入口取付け部である。この場合、入口取付け部32は雄状取付け部である。
【0024】
アダプター1は、ガスカートリッジ20の雄状出口取付け部23と、ソレノイドバルブ30の雄状入口取付け部32とを収容するようになされたシールコネクター11用の支持部として機能する。
【0025】
この場合、プラスチックから一体形成されたアダプター1は、シールコネクター11を収容するための囲い部3を支持する平坦な円形の支持基部2を含み、該シールコネクター11は両端が開放され、また、シールコネクターの片側の支持基部2に対し垂直の軸線15に沿って延びる。
【0026】
軸線15を有する円筒状スカート5は、囲い部3とは反対側で、支持基部2に対し直角方向に支持基部2に接続される。スカート5の外径は、燃料カートリッジ20の縁部21の内径に略等しい。スカート5には、縁部21の内壁と係合するようになされたボス6を形成する周方向リブがさらに設けられる。
【0027】
シールコネクター11は、内側シール構成要素12及び外側スライド構成要素13を含む。内側シール構成要素12は、この場合、一体形成された両側スリーブであり、該スリーブは、2つの雄状取付け部、すなわち、ガスカートリッジの出口取付け部23、及び、ソレノイドバルブの入口取付け部32の2つの端面を収容するようにされている。両側スリーブ12は、その2つのスリーブの一方の奥部に実際に配置された寸法調整用の横断方向環状隔壁14を含み、他方の16は、ソレノイドバルブの入口取付け部32を収容するようになされている。隔壁14は、前記入口取付け部(中間取付け部)32用の球形フック部分18を収容するために、スリーブ16の開口部側の皿17のように設計されている。
【0028】
寸法調整用の隔壁14を有する両側スリーブ12は、可撓性材料、例えば加硫して、注入できる熱可塑性材料、より一般的には、注入可能な可撓性ポリマから製造される。
【0029】
外側スライド構成要素は、両側スリーブ12が余裕部なしに延びる外側スライド13であり、外側スライドは、可撓性の両側スリーブ12の形状を保持するようになされている。外側スライド13は、アダプターに形成された内側環状肩部34と協働して、外側スライドをアダプター1に保持するための外側環状リム19を一方の端部に有する、ほぼチューブ状の形状を有する。外側スライド13は、ガスカートリッジの出口取付け部23を収容するようになされた内側両側スリーブ12の2つのスリーブの他方25の奥部に実際配置された横断方向環状隔壁22を含む。
【0030】
この関連で、ガスカートリッジの取付け部23の外壁と協働する内側リップ部27は、シールを完成するために、スリーブ及びその傾斜リム31の開口部に近接したスリーブ25の内壁26に形成される。
【0031】
外側スライド13とその隔壁22は、可撓性材料、例えばポリプロピレンから製造される。このように、この剛性の横断方向隔壁22は、前記取付け部の1つ、この場合、ガスカートリッジ20の出口取付け部23のための支持部として機能する。ガスカートリッジの出口取付け部23がスリーブ25に係合している場合に、剛性の隔壁22が、可撓性の隔壁14と取付け部23との間に挿入されているので、前記取付け部が可撓性の隔壁14を突き破る危険はない。
【0032】
剛性の横断方向隔壁22に、内側両側スリーブ12の材料、この場合、射出成形材料を通過させるためのオリフィス28が設けられる。
【0033】
可撓性の横断方向隔壁14を通して延びる中心穴29、中心穴29の継続部を形成し、かつ剛性の横断方向隔壁22を通して延びる穴35、及び穴35の継続部を形成するスリーブ25の内壁26によって形成された穴は、シールコネクター11のガス通過用の管路を形成する。
【0034】
図1〜図3に示したコネクターの例では、外側スライド13と一体の剛性の横断方向隔壁22のみならず、この隔壁と外側スライドとによって形成された組立体が、この場合、射出成形によって一体形成される。さらに、2つの横断方向隔壁、すなわち、可撓性の隔壁14及び剛性の隔壁22は、隣接していることが指摘される。
【0035】
ソレノイドバルブ30の入口取付け部32とガスカートリッジ20の出口取付け部23との接続について、次に説明する。
【0036】
アダプター1をガスカートリッジ20に装着するために、締結スカート5は、ガスカートリッジ20の縁部21の内部に挿入される。円周ボス6は、縁部21の内壁にフックされ、クリップ留めされる。
【0037】
アダプター1がガスカートリッジ20に締結されるとき、ガスカートリッジ20の出口取付け部23は、出口取付け部23の縁部33が剛性隔壁22を支承するまで、スリーブ25の傾斜リム31によって案内される。
【0038】
次に、アダプター1がソレノイドバルブ30の上に摺動され、またコネクター11がソレノイドバルブの雄状入口取付け部32の上に摺動され、この取付け部は、取付け部の球形部分18がスリーブ16の皿17に収容され、したがってアダプターが取付け部にフックされるまで、コネクター11のスリーブ16に係合する。
【0039】
最後に、コネクター11が、3つの要素の相対並進運動によってガスカートリッジ20及びソレノイドバルブ30に装着される。
【0040】
何らかの理由で、ガスカートリッジ20が空である前にガスカートリッジをそのハウジングから取り外すことが望ましい場合、外側スライド13によって、コネクター11はアダプター1に保持され、出口取付け部23は、装着前の閉位置に戻る。
【0041】
ごく概略的形態で示した図4のコネクターの第1の変形実施形態は、両側スリーブ112が収容される管状外側スライド113も含み、その可撓性の横断方向隔壁114は寸法調整のためにある。この図4のコネクター111は、外側スライドが2つの剛性の横断方向隔壁を含む点で図1〜図3のコネクターと区別され、一方の隔壁122は、ガスカートリッジの出口取付け部用の支持部として機能し、他方の隔壁123は、コネクターを強化するための可撓性の横断方向隔壁114に隣接する。2つの剛性の横断方向隔壁122、123は、互いに小さな間隔で配置される。
【0042】
図5の第2の変形実施形態では、コネクター211は、取付け部を収容するためのスリーブ216と225を含むが、スリーブは一体形成されない。一方のスリーブ、すなわちコネクター216は、伝送部材(ソレノイドバルブ)30の入口取付け部32を収容するために可撓性材料から製造される。他方のスリーブ、すなわちコネクター225は、ガスカートリッジの出口取付け部23を収容するために剛性材料から製造される。第2の剛性スリーブ225は、外側スライド213と一体形成されるという特徴を有する。第2の剛性スリーブは、この場合、環状余裕部250を有する外側スライドの内部に延設されている。残りの部分については、寸法調整用の可撓性の環状隔壁214は、第1の可撓性スリーブ216の奥部に再び位置し、またガスカートリッジの出口取付け部23用の支持部として機能するように意図された剛性の横断方向環状隔壁222は、第2の剛性のスリーブ225の奥部に位置する。
【0043】
スリーブ225の剛性によって、ガスカートリッジの出口取付け部23とのシールは、取付け部の外壁と協働する内側リップ部227によって本質的に保証される。
【0044】
図5の実施形態では、コネクターは、簡単な組立によって作成され、他の図のコネクターの場合のように、オーバーモールドの必要性はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口取付け部(23)を有するガスカートリッジ(20)と、入口取付け部(32)を有する、ガス駆動の締結装置の燃焼室をガスで充填するための伝送部材(30)との間のシールを保証するためのシールコネクター(1)であって、
前記シールコネクターが、前記2つの取付け部を収容するための2つの内側シールスリーブ(12)であって、前記内側シールスリーブの少なくとも一方(16、216)が、可撓性材料から製造され、前記スリーブ(16、216)の奥部に、寸法調整用の可撓性の横断方向環状隔壁(14、214)を有する内側シールスリーブ(12)と、
外側スライド(13、213)と
を含むシールコネクターにおいて、
前記2つの内側シールスリーブの他方(25、225)の奥部で、剛性の横断方向環状隔壁(22、222)が、前記コネクターに設けられて、取付け部用の支持部として機能することを特徴とするシールコネクター。
【請求項2】
前記剛性の横断方向隔壁(22、222)が前記外側スライド(13、213)と一体であることを特徴とする、請求項1に記載のコネクター。
【請求項3】
前記2つの、可撓性(14、214)及び剛性(22、222)の横断方向隔壁が隣接していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコネクター。
【請求項4】
前記2つの前記スリーブ(16、25)が共に接合されて、可撓性材料から一体形成された両側の内側シールスリーブ(12)を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクター。
【請求項5】
可撓性材料から製造された前記両側の内側シールスリーブ(12)が射出成形部であり、前記剛性の横断方向隔壁(22)に、前記両側の内側シールスリーブ(12)の射出成形材料を通過させるためのオリフィス(28)が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のコネクター。
【請求項6】
前記外側スライド(113)が、2つの剛性の横断方向隔壁(122、123)を含み、一方(122)が取付け部用のストッパとして機能し、他方(123)が、寸法調整用の前記可撓性の横断方向隔壁(114)に隣接して、前記可撓性の横断方向隔壁を強化することを特徴とする、請求項4又は5に記載のコネクター。
【請求項7】
前記スリーブ(225)の奥部に前記剛性の横断方向環状隔壁(222)が位置し、前記スリーブが、前記外側スライド(213)と共に剛性材料製の単一ピースを形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクター。
【請求項8】
前記外側スライド(213)と一体に形成された前記スリーブ(225)が、余裕部(250)を有する前記外側スライド(213)の内部に延びることを特徴とする、請求項7に記載のコネクター。
【請求項9】
ガス駆動の締結装置の燃焼室をガスで充填するための伝送部材(30)、ガスカートリッジ(20)、アダプター(1)、及び、前記アダプターに装着された前記伝送部材(30)と前記ガスカートリッジ(20)との間のシールを行うためのコネクター(11、111、211)から構成される組立体において、前記シールコネクターが請求項1〜8のいずれか1項に記載のコネクターであることを特徴とする組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92254(P2013−92254A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237024(P2012−237024)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2008−508322(P2008−508322)の分割
【原出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(504213205)ソシエテ ドゥ プロスペクティオン エ ディンベンティオン テクニク スピ (7)
【Fターム(参考)】