説明

シールドケース

【課題】表面実装における回路基板の小型化と、回路基板との固定強度の増加を図ることができるシールドケースを提供する。
【解決手段】第1シールドケース11は、コネクタ嵌合空間27を区画形成する底板部75と両側板部57との交差部77の外面にC面79が形成されたシールドケース本体47と、下方に延びた垂下先端が内側に曲げられた状態で回路基板39に半田接合される基板接続部83を有してシールドケース本体47の両側板部57に設けられた係合支持部材49と、回路基板39、C面79及び基板接続部83の先端部99に囲まれて半田フィレット87が充填される隙間101と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシールドケースに関し、特に回路基板に表面実装可能なシールドケースに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えば携帯用電話において外部のケーブルなどを接続するために使用されるコネクタでは、EMI(電磁妨害雑音)対策として、端子が組み込まれたハウジングの全周を導電性のシールドケースで覆って静電シールドする構成を採用している。
【0003】
図8に示すように、例えば特許文献1に開示されるシールドケース501は、前面視略U字状のベース部503と、一対の折り返し部505と、一対の側壁部507と、一対の第1係止片(基板接続部)509及び第2係止片(基板接続部)511と、連結板513と、一対の保持部515と、一対のロック片517とを有している。このシールドケース501は、第1係止片509及び第2係止片511が、図示しない回路基板のスルーホールである係止孔に挿入され、半田接続されることにより回路基板に実装される。つまり、シールドケース501は、挿入実装技術(IMT:Insertion Mounting Technology)によって回路基板に実装される。
【0004】
ところで、近年、電子機器の小型化、軽量化、薄型化に伴い、回路基板への部品実装形態も挿入実装から高密度実装で両面実装が可能な表面実装へ移行する傾向にある。表面実装技術(SMT:Surface Mounting Technology)では、部品を回路基板の所定位置に載置してから、加熱炉で加熱し、予め回路基板のランドに塗布しておいた半田ペーストを溶融させて半田付けする。
【0005】
図9に示すように、例えば特許文献2に開示されるチップ部品523は、表面実装技術によって回路基板539に実装される。このチップ部品523は、板材を折曲して端面視がほぼ角形のC字状に形成することにより、上部を架橋部525とし、両側部を脚部527とし、両側部の各下端部がそれぞれ内方に折曲されて足部529とされる。足部529の各先端は互いに対向して離間し、足部529が回路基板539との接合部(基板接続部)を形成する。
【0006】
チップ部品523は、半田ペースト521が塗布された回路基板539のランド519に載置され、加熱炉で過熱して半田を溶融することで、脚部527の外側面531及び足部529の周縁に付着した半田が硬化してチップ部品523がランド519に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−40224号公報
【特許文献2】特開平11−204171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、シールドケース501を表面実装とする場合、基板接続部である第1係止片509及び第2係止片511を側壁部507の外側に折曲し、それぞれ実装面に対面させる必要がある。このため、実装面上に所定の実装面積を確保しなければならず、さらなる回路基板の小型化には障害となった。
【0009】
これに対し、特許文献2に開示のチップ部品523は、足部529を内方に折曲させているので、外側に実装面積を確保する必要が無く、回路基板539の実装面上に確保する実装面積を小さくできる。ところが、コネクタ嵌合空間を有するシールドケース等の部品では、足部529の上方にコネクタ嵌合空間を配置しなければならないため、コネクタ嵌合空間が足部529と重なる分、部品全高が高くなる。その結果、高さ方向の小型化が図れなくなるという新たな問題が生じる。
【0010】
また、シールドケースは、表面実装されることにより、回路基板との固定強度が挿入実装に比べ低下してしまう。そこで、コネクタの着脱時に繰り返し作用する外力によって、シールドケースの基板接続部と回路基板との半田接合部が損傷する可能性もある。
【0011】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、表面実装における回路基板の小型化と、回路基板との固定強度の増加を図ることができるシールドケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) コネクタ嵌合空間を区画形成する底板部と両側板部との交差部の外面にC面が形成されたシールドケース本体と、下方に延びた垂下先端が内側に曲げられた状態で回路基板に半田接合される基板接続部を有して前記シールドケース本体の両側板部に設けられた係合支持部材と、前記回路基板、前記C面及び前記基板接続部の先端部に囲まれて半田フィレットが充填される隙間と、を備えることを特徴とするシールドケース。
上記(1)の構成のシールドケースによれば、シールドケース本体の底板部と両側板部との交差部の外面にC面が形成され、このC面と回路基板とに挟まれる空間に、内側へ曲げられた基板接続部の先端部が配置される。
そこで、シールドケース本体の外側に実装面積を確保する必要が無く、実装面上に確保する実装面積を小さくできると共に、シールドケース本体と基板接続部とが上下に重なることがなく、部品全高が高くならない。更に、回路基板、C面及び基板接続部の先端部に囲まれる隙間に、溶融した半田ペーストが表面張力により充填されて半田フィレットとなって固着するので、C面を回路基板に固定することができる。
【0013】
(2) 上記(1)の構成のシールドケースであって、先端に向けて下る傾斜面が前記先端部の上面に形成され、前記隙間に形成される前記半田フィレットが前記傾斜面に延出して固着することを特徴とするシールドケース。
上記(2)の構成のシールドケースによれば、隙間に充填してC面と基板接続部の先端部とを回路基板に固着する半田フィレットが、先端部の上面の傾斜面まで乗り上げて固着する。そこで、先端部の上面に乗り上げた半田フィレットが回路基板に基板接続部を上から押さえつける方向で固着し、半田フィレットによる固定強度を一層高めることができる。
【0014】
(3) 上記(1)または(2)の構成のシールドケースであって、前記係合支持部材が、前記シールドケース本体と別体で形成されていることを特徴とするシールドケース。
上記(3)の構成のシールドケースによれば、表面実装やスルーホール実装などへのバリエーション対応が、別体の係合支持部材によって容易となり、シールドケース本体は共用できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るシールドケースによれば、表面実装における回路基板の小型化と、回路基板との固定強度の増加を図ることができる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシールドケースを備えたレセプタクルコネクタの分解斜視図である。
【図2】図1に示したシールドケースを下方より見た斜視図である。
【図3】参考例に係るシールドケースを下方より見た斜視図である。
【図4】図1に示したレセプタクルコネクタを回路基板に載置した状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示したレセプタクルコネクタの正面図である。
【図6】図5に示したC面部分との隙間に半田フィレットが充填された状態を示す要部拡大図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るシールドケースを備えたレセプタクルコネクタの分解斜視図である。
【図8】回路基板に挿入実装される従来のシールドケースを備えたコネクタを下方より見た斜視図である。
【図9】脚部がそれぞれ内側に折曲されて回路基板に表面実装される従来のチップ部品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るシールドケースを詳細に説明する。
本第1実施形態に係る第1シールドケース11は、例えばデジタルカメラや携帯電話のレセプタクルコネクタ13として好適に用いることができる。
図1に示すように、レセプタクルコネクタ13は、第1シールドケース(シールドケース)11と、インシュレータ15(ハウジングとも呼ばれる)と、レセプタクル側コンタクト17と、を備えてなる。レセプタクル側コンタクト17はロアー端子19と、アッパー端子21とからなる。
【0019】
本第1実施形態のレセプタクルコネクタ13は、図示しない第2シールドケースを有するプラグコネクタと接続される。レセプタクルコネクタ13とプラグコネクタが接続されると、レセプタクル側コンタクト17がプラグコネクタのプラグ側コンタクトと電気的に接続され、これらがEMI(電磁妨害雑音)対策として、導電性の第1シールドケース11と第2シールドケースとによって覆われる。
【0020】
インシュレータ15は、絶縁樹脂材により一体成形されてなり、基部23から端子支持部25が突出されている。端子支持部25は、上下両面にアッパー端子21及びロアー端子19を整列配置する。レセプタクルコネクタ13は、第1シールドケース11とインシュレータ15とによってコネクタ嵌合空間27が形成されると共に、第1シールドケース11の端部がプラグ挿入口29となる。
【0021】
インシュレータ15の基部23は、コネクタ嵌合空間27と反対側の面が背面部31となる。背面部31は、基部23にアッパー端子21及びロアー端子19を装着するために、プラグ挿入方向と平行に複数形成された端子挿入孔33を有する。端子挿入孔33は、背面部31から端子支持部25側に貫通形成されており、上下方向(端子支持部25の厚さ方向)に2段、端子支持部25の幅方向に等間隔に複数並んでいる。上段の端子挿入孔33と下段の端子挿入孔33とは、端子支持部25の幅方向に位相がずらされている。アッパー端子21とロアー端子19は、位相の異なる端子挿入孔33毎に、基部23の背面部31から挿入される。
【0022】
アッパー端子21及びロアー端子19は、接触部35と、接触部35に繋げて形成されて端子挿入孔33に圧入される圧入部37と、を有する長尺平板状に形成される。圧入部37の端部からは、回路基板39(図5参照)に向けて略90度屈曲されたレッグ部41と、レッグ部41の端部に形成され回路基板39へ半田付けされるリード部43とが連設される。
【0023】
インシュレータ15の背面部31から挿入されたアッパー端子21及びロアー端子19は、圧入部37が端子挿入孔33に配置される。端子挿入孔33に圧入された圧入部37は、両側の係止突起が端子挿入孔33に係止されることで、アッパー端子21及びロアー端子19をインシュレータ15に保持させる。
【0024】
第1シールドケース11は、シールドケース本体47と、係合支持部材49と、からなる。シールドケース本体47は、導電材料を板金加工して製作され、図1に示す前部をプラグ挿入口29として開口させた扁平な角筒状に形成される。シールドケース本体47の両側板部57には、前後に長い係止穴53が形成される。係止穴53の前方には、係止爪55が形成される。これら、係止穴53、係止爪55は、係合支持部材49をシールドケース本体47に係合するためのものとなる。
【0025】
係合支持部材49は、シールドケース本体47の両側の側板部57のそれぞれ後端部から後方へ突出され、先端を前方へ180°折り返される。これにより、係合支持部材49は、シールドケース本体47の両側板部57の外側に配設される。それぞれの係合支持部材49には、コ字状に打ち抜いた係合支持部材49の内側に、シールドケース本体47の係止穴53を貫通してコネクタ嵌合空間27に挿入されたプラグコネクタの第2シールドケースに係合する弾性係合板61が形成される。係合支持部材49の弾性係合板61の前方には、シールドケース本体47の係止爪55に係止される係止縁部63が形成される。
【0026】
更に、シールドケース本体47には誤嵌合防止部65が設けられている。誤嵌合防止部65は、シールドケース本体47の後部から前方に折り返されて前方側に延びるアーム67を幅方向の両側に有する。アーム67の自由端部は、シールドケース本体47の外部からシールドケース本体47の天板部に穿設された孔69を介してシールドケース本体47のコネクタ嵌合空間27に突出する。自由端部には、図示しない非正規プラグが挿入されたときに非正規プラグと接するストッパ壁71が形成される。また、アーム67には、このストッパ壁71に並列に一体形成されてコネクタ嵌合空間27に突出し正規のプラグコネクタが挿入されたときに、このプラグコネクタと接するプラグ拾い部73とが設けられている。
【0027】
また、第1シールドケース11には、コネクタ嵌合空間27を区画形成する底板部75と両側板部57との交差部77の外面にC面79が形成される。C面79は、シールドケース本体47の底板部75の両側に形成される。このC面79は、レセプタクルコネクタ13が回路基板39上に載置された際に、回路基板39(図5参照)に対して略45度の挟角を成して立ち上がるように構成されている。即ち、C面79と回路基板39との間には、三角形状の空間81(図6参照)が形成されている。
【0028】
また、シールドケース本体47の両側板部57に設けられた係合支持部材49には、下方に延びた垂下先端が内側に曲げられた状態で回路基板39に半田接合される基板接続部83が形成される。基板接続部83は、一旦、回路基板39へ向かって垂下した後、先端部99が略90度の角度で内側に曲げられることで、L字形状となっている。
【0029】
本第1実施形態では、両側板部57のそれぞれに、前後一対ずつの基板接続部83が形成されている。それぞれの基板接続部83には打抜穴85が形成され、打抜穴85の開口縁にも半田フィレット87を形成することで、半田フィレット87との接触面積を増大させる。また、前後の基板接続部83同士は、離間されている。これにより形成された間隙89にも、半田フィレット87を形成することで、半田フィレット87との接触面積を増大させている。
【0030】
本第1実施形態の基板接続部83は、係合支持部材49を介して間接的に設けられることで、シールドケース本体47に直接設ける必要がない。例えば、図3に示す参考例に係るシールドケース91のように、シールドケース本体93の底板部75に切り起こしによって基板接続部95を形成した場合には、切り起こしによって形成された開口部97から半田やフラックスがシールドケース本体93内に入り込む可能性がある。これらがシールドケース本体93内に入り込むと、凝固した半田がプラグコネクタの挿入を妨害したり、フラックスがレセプタクル側コンタクト17に付着したりすることにより、プラグ側コンタクトに対して接触不良を起こす虞が生じる。これに対し、本第1実施形態に係る第1シールドケース11によれば、基板接続部83が係合支持部材49に形成され、底板部75に切り起こし形成されないので、プラグコネクタの挿入妨害や接触不良を防止することができる。
【0031】
図5に示すように、本第1実施形態に係る第1シールドケース11は、回路基板39、C面79及び基板接続部83の先端部99に囲まれて、溶融した半田ペーストが表面張力により充填されて半田フィレット87を形成する隙間101を構成する(図6参照)。
回路基板39には、第1シールドケース11を表面実装する部位に、基板接続部83に対面するランド103が形成されている。ランド103は、基板接続部83よりも大きな面積を有し、回路基板39の図示しないグランドに導通接続されている。基板接続部83は、このランド103の中央にアライメントされ、半田付けされる。
【0032】
図5に示すように、隙間101は、ランド103に基板接続部83が載置された状態で、下方がランド103によって塞がれる。これにより、ランド103に塗布されて溶融した半田ペーストが、表面張力により隙間101に充填される。隙間101に充填された半田ペーストは半田フィレット87となって、ランド103と、C面79と、基板接続部83とに渡って固着する。
【0033】
更に、図6に示すように、先端部99の上面105には、先端に向けて下る傾斜面107が形成されている。溶融して隙間101に充填された半田ペーストは、表面張力によりこの傾斜面107まで乗り上げて固着する。半田フィレット87は、傾斜面107を覆うが、基板接続部83の上面105よりも上方には突出しない。
すなわち、傾斜面107を設けることで、半田フィレット87が上面105よりも上方には突出し難い構造としながら、先端部99の上面105に乗り上げた半田フィレット87が回路基板39に基板接続部83を上から押さえつける方向で固着する。そこで、半田フィレット87による固定強度を一層高めることができる。
【0034】
次に、上記構成を有する第1シールドケース11の作用を説明する。
第1シールドケース11は、回路基板39の所定位置にアライメントされる。回路基板39のランド103には、予め半田ペーストを塗布しておく。半田ペーストの塗布は、スクリーン印刷による方法、またはディスペンサ吐出による方法により行う。
表面実装作業は、シーズヒーターや赤外線ランプを熱源とし、加熱炉内の搬送手段で塗布した半田ペーストを連続的に溶融して行う。この他、第1シールドケース11を接着剤等により回路基板39に固定した後、ランド103を溶融はんだ噴流中に通過させてもよい。
【0035】
本第1実施形態の第1シールドケース11は、シールドケース本体47の底板部75と両側板部57との交差部77の外面にC面79が形成されている。そして、このC面79と回路基板39とに挟まれる空間81に、内側へ曲げられた基板接続部83の先端部99が配置される。
【0036】
従って、第1シールドケース11は、シールドケース本体47の外側に実装面積を確保する必要が無く、実装面上に確保する面積を小さくできる。また、シールドケース本体47と基板接続部83とが上下に重なることがなく、部品全高が高くならない。更に、回路基板39、C面79及び基板接続部83の先端部99に囲まれる隙間101に、溶融した半田ペーストが表面張力により充填されて半田フィレット87となって固着するので、基板接続部83に加えてC面79も回路基板39に固定することができる。
【0037】
また、図6に示すように、基板接続部83は、先端部99と反対側のR面109も、半田フィレット87によってランド103に固定される。さらに、図示は省略するが、基板接続部83の前後端面(図6の紙面に平行な端面)も半田フィレット87によってランド103に固定される。
【0038】
また、隙間101に充填されてC面79と基板接続部83の先端部99とを回路基板39に固着した半田フィレット87は、先端部99の上面105の傾斜面107まで乗り上げ、基板接続部83の先端部99を上から押さえつける方向(図6中の矢印a方向)で回路基板39へ固定し、半田フィレット87による固定強度を一層高めることができる。
従って、本第1実施形態の第1シールドケース11によれば、表面実装における回路基板39の小型化と、回路基板39との固定強度の増加を図ることができる。
【0039】
図7は本発明の第2実施形態に係る第1シールドケース119を備えたレセプタクルコネクタ117の分解斜視図である。なお、上記第1実施形態に係る第1シールドケース11と同様の構成部材については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
本第2実施形態に係る第1シールドケース(シールドケース)119は、係合支持部材113が、シールドケース本体115とは別体で形成されている。シールドケース本体115は、導電材料である金属板を板金加工して製作され、図7に示す前部をプラグ挿入口29として開口させた扁平な角筒状に形成される。シールドケース本体115の両側板部51には、前後に長い係止穴53が形成される。係止穴53の前方には、係止爪55が形成される。係止穴53を挟んで係止爪55の反対側(後端側)には係止凹部121が形成される。これら、係止穴53、係止爪55、係止凹部121は、係合支持部材113をシールドケース本体115に係合するためのものとなる。
【0040】
係合支持部材113は、導電材料を板金加工して製作され、シールドケース本体115とは別体で形成される。係合支持部材113は、一対の平行な支持部材側板部123が、後部連結板125の両端に連結された平面視略コ字形状に形成される。それぞれの支持部材側板部123には、コ字状に打ち抜いた支持部材側板部123の内側に、シールドケース本体115の係止穴53を貫通してコネクタ嵌合空間27に挿入されたプラグコネクタの第2シールドケースに係合する弾性係合板61が形成される。支持部材側板部123の弾性係合板61の前方には、シールドケース本体115の係止爪55に係止される係止縁部63が形成される。弾性係合板61を挟んで係止縁部63の反対側には、シールドケース本体115の係止凹部121に係合する係止凸部127が形成されている。係止凸部127は、打ち出しにより凸状に形成され、凹設または打ち抜かれた係止凹部121に係止される。
【0041】
また、第1シールドケース119には、コネクタ嵌合空間27を区画形成する底板部75と両側板部51との交差部77の外面にC面79が形成される。C面79は、シールドケース本体115の底板部75の両側に形成される。
また、係合支持部材113の支持部材側板部123には、下方に延びた垂下先端が内側に曲げられた状態で回路基板39に半田接合される基板接続部83が形成される。
【0042】
そして、レセプタクルコネクタ117は、シールドケース本体115に係合支持部材113が固定されて第1シールドケース119が組み立てられる。シールドケース本体115に固定された係合支持部材113は、係止縁部63が係止爪55に係止され、弾性係合板61が係止穴53を貫通し、係止凸部127が係止凹部121に係止される。
【0043】
本第2実施形態の第1シールドケース119は、上記第1実施形態の第1シールドケース11と同様に、シールドケース本体115の外側に実装面積を確保する必要が無く、実装面上に確保する面積を小さくできる。また、シールドケース本体115と基板接続部83とが上下に重なることがなく、部品全高が高くならない。更に、回路基板39、C面79及び基板接続部83の先端部99に囲まれる隙間101に、溶融した半田ペーストが表面張力により充填されて半田フィレット87となって固着するので、基板接続部83に加えてC面79も回路基板39に固定することができる。
従って、本第2実施形態の第1シールドケース119によれば、表面実装における回路基板39の小型化と、回路基板39との固定強度の増加を図ることができる。
【0044】
また、本第2実施形態の係合支持部材113における支持部材側板部123には、下方に延びた垂下先端が内側に曲げられた状態で回路基板39に半田接合される基板接続部83が形成されている。第1シールドケース119は、係合支持部材113に換えて、回路基板に向かって突出してスルーホールに半田固定される突状の基板接続部が形成された係合支持部材をシールドケース本体115に固定することで、挿入実装に好適となる。
即ち、本実施形態の第1シールドケース119は、垂下先端が内側に曲げられた基板接続部83を備えた係合支持部材113やスルーホールに半田固定される突状の基板接続部を備えた係合支持部材をシールドケース本体115に適宜組み合わせることにより、表面実装や挿入実装などへのバリエーションにも容易に対応できる。そして、シールドケース本体115は、共通の金型で製作が可能となる。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0046】
11…第1シールドケース(シールドケース)
27…コネクタ嵌合空間
39…回路基板
47…シールドケース本体
49…係合支持部材
57…側板部
75…底板部
77…交差部
79…C面
83…基板接続部
87…半田フィレット
99…先端部
101…隙間
105…上面
107…傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ嵌合空間を区画形成する底板部と両側板部との交差部の外面にC面が形成されたシールドケース本体と、
下方に延びた垂下先端が内側に曲げられた状態で回路基板に半田接合される基板接続部を有して前記シールドケース本体の両側板部に設けられた係合支持部材と、
前記回路基板、前記C面及び前記基板接続部の先端部に囲まれて半田フィレットが充填される隙間と、
を備えることを特徴とするシールドケース。
【請求項2】
請求項1記載のシールドケースであって、
先端に向けて下る傾斜面が前記先端部の上面に形成され、
前記隙間に形成される前記半田フィレットが前記傾斜面に延出して固着することを特徴とするシールドケース。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシールドケースであって、
前記係合支持部材が、前記シールドケース本体と別体で形成されていることを特徴とするシールドケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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