説明

シールドパイプ接続構造体およびその製造方法

【課題】ノイズ対策に優れ可とう性を備えたシールドパイプと、接続されるシールドパイプ接続部を備えた、広い周波数域における電気シールド特性に優れたシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂製の波付き管状体と、波付き管状体の外表面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層とを備えたシールドパイプと、シールドパイプの一方の端部を、間隙無く内部に収納して接続する金属製のシールドパイプ接続部と、接続されたシールドパイプおよびシールドパイプ接続部との外表面に電解めっきによって形成された第2のめっき層とを備えたシールドパイプ接続構造体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可とう性を有する波付き管状体を備えて広い周波数帯域における電気シールド特性に優れたシールドパイプ接続構造体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、工作機械等においては、各種制御機器の電子機器化が推し進められており、それに伴って電子機器の電磁波ノイズ対策が重要になってきている。電子機器では、それぞれに接続される配線が電磁波ノイズの影響を受けやすいため、配線の内部導体を外部の電磁波から遮蔽するシールド対策が必要となる。内部導体の遮蔽は、内部導体を覆う外部導体を接地することにより行われる。
【0003】
外部導体の一つに、波付きアルミニウム管が用いられている。その他、樹脂製パイプの外表面に銅箔を捲きつけたシールドパイプが用いられている。更に、樹脂製のパイプの外表面に銅線を編組状に形成したもので覆ったシールドパイプがある。また、上述した外部導体の一つに、可とう性を有する蛇腹状の樹脂材からなる管体にめっきを施したシールドメッキコルゲートチューブがある。
【0004】
シールドメッキコルゲートチューブは、配線保護材として用いられる管体に、めっきを施してシールド効果を兼備させたものである。特開9−2983822号公報(特許文献1)には、無電解めっき法によってコルゲートチューブの内外表面に金属層を形成したシールドメッキコルゲートチューブが開示されている。
【0005】
図8は、特許文献1に開示されたシールドメッキコルゲートチューブを説明する、一部を破断した側面図である。このシールドメッキコルゲートチューブ100は、絶縁性樹脂材料によって形成されて可とう性を有するコルゲートチューブ101の内外表面に、無電解めっき法によって、電磁遮蔽用の金属層103を装備したものである。コルゲートチューブは、管壁が管軸方向に一定の凹凸を繰り返す波形状をなすと共に、管壁を管軸方向に沿って裂開したスリット104を有した構造で、スリットを開いて電線束等に被せることによって簡単に電線束等を収容した状態にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開9−2983822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
波付きアルミニウム管は、電気シールド性に優れているが、可とう性がなく、重く、柔軟性に欠けるという問題点がある。樹脂製のパイプの外表面に銅線を編組状に形成したもので覆ったシールドパイプも電気シールド性に優れているが製造コストが高くなるという問題点がある。
【0008】
特許文献1に開示されたシールドメッキコルゲートチューブは、金属層を無電解めっき法によってコルゲートチューブの内外表面に形成してシールド性を持たせている。しかし、近年、自動車用のハーネスには、ハイブリッド自動車が使用されるに至り、モーターへの給電用として電気ケーブルが必要になってきている。
【0009】
それに伴って、1GHz程度の高周波のノイズに対応するため、従来よりさらに広帯域に亘ってノイズ対策が要求されている。更に、ノイズ対策のレベルが高くなってきているので、特許文献1に開示されたシールドメッキコルゲートチューブでは、十分に対応できないという問題点がある。
【0010】
更に、特許文献1に開示されたシールドメッキコルゲートチューブでは、シールドパイプそのものがシールド性を備えているだけで、シールドパイプと接続されるコネクタとの間のシールド性(即ち、コネクタとの接続性)が不十分であるという問題点がある。
【0011】
従って、この発明の目的は、可とう性を有する波付き管状体を備えて広い周波数帯域における電気シールド特性に優れたシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は従来の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた。その結果、樹脂製の波付き管状体と、管状体の一方の端部に接続される金属製のシールドパイプ接続部とを準備し、先ず波付き管状体の外表面に無電解めっきによってめっき層を形成し、外表面にめっき層を有する管状体とシールドパイプ接続部を接続し、接続された管状体とシールドパイプ接続部の外表面に電解めっきによってめっき層を形成すると、軽量で、可とう性を備え、広い周波数域における電気シールド特性に優れたシールドパイプ接続構造体を得ることができる。
【0013】
即ち、2段にめっき層を形成して、シールド層を厚くし、広い周波数域における電気シールド効果を高めると共に、樹脂製の管状体に無電解めっきを施し、シールドパイプとシールドパイプ接続部とを共に電解めっき層で覆うので、シールドパイプとコネクタとの間の接続性が向上することができる。この発明は上述した研究結果に基づいてなされたものである。
【0014】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第1の態様は、外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体と、前記波付き管状体の外周面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層とを備えたシールドパイプと、前記シールドパイプの一方の端部を、間隙無く内部に収納して接続する金属製のシールドパイプ接続部と、接続された前記シールドパイプおよび前記シールドパイプ接続部の外周面に電解めっきによって形成された第2のめっき層とを備えたシールドパイプ接続構造体である。
【0015】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第2の態様は、前記シールドパイプの外周面と前記シールドパイプ接続部の内周面は、それぞれ対応した形状を備えていることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0016】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第3の態様は、前記シールドパイプ接続部が半割部材からなっていることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0017】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第4の態様は、外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体と、前記波付き管状体の一方の端部に形成され、外周面に螺旋状の凹凸が形成されて前記波付き管状体の外周面に装着される樹脂製の接続部と、前記波付き管状体およびこれに装着された前記接続部の外周面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層と、前記第1のめっき層の外周面に電解めっきによって形成された第2のめっき層とを備えたシールドパイプ接続構造体である。
【0018】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第5の態様は、前記波付き管状体の前記波のピッチをP1とし、前記接続部の前記螺旋状の凹凸のピッチをP2とするとき、P1>P2であることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0019】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第6の態様は、前記波付き管状体の前記波の溝深さをD1とし、前記接続部の前記螺旋状の凹凸の溝深さをD2とするとき、D1>D2であることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0020】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第7の態様は、前記波付き管状体の外周面が粗く加工されていることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0021】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第8の態様は、前記波付き管状体が小判型の断面形状を有していることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0022】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第9の態様は、前記波付き管状体の他方の端部に別の接続部が形成され、別の接続部にシールドパイプ分岐部が接続されていることを特徴とするシールドパイプ接続構造体である。
【0023】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第10の態様は、前記第2のめっき層の外周面にさらに第3のめっき層を備え、前記第3のめっき層がNiで形成されていることを特徴とする。
【0024】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第11の態様は、前記第2のめっき層の外周面に、さらに保護層を備えることを特徴とする。
【0025】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第12の態様は、前記接続部を間隙無く内部に収納して接続する樹脂製のシールドパイプ接続部をさらに備え、前記接続部の外周面と前記シールドパイプ接続部の内周面とが接する位置に突起部が形成されていることを特徴とする。
【0026】
この発明のシールドパイプ接続構造体の第13の態様は、前記シールドパイプ接続部を所定の筺体にねじ止めする位置に金属製のインサートカラーが挿入され、前記インサートカラーが前記シールドパイプ接続部と一体にめっきされていることを特徴とする。
【0027】
この発明のシールドパイプ接続構造体の製造方法の第1の態様は、外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体の外周面に無電解めっきによって、第1のめっき層を形成して、シールドパイプを調製し、前記シールドパイプの一方の端部を、金属製のシールドパイプ接続部の内部に間隙無く収納して接続し、接続された前記シールドパイプおよび前記シールドパイプ接続部の外周面に電解めっきによって第2のめっき層を形成する、シールドパイプ接続構造体の製造方法である。
【0028】
この発明のシールドパイプ接続構造体の製造方法の第2の態様は、外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体を調製し、前記管状体の一方の端部の外周面に、外周面に螺旋状の凹凸が形成された樹脂製の接続部を装着し、装着された前記波付き管状体および前記接続部の外周面に無電解めっきによって第1のめっき層を形成し、前記第1のめっき層の外周面に電解めっきによって、第2のめっき層を形成するシールドパイプ接続構造体の製造方法である。
【発明の効果】
【0029】
この発明のシールドパイプ接続構造体によると、無電解めっきと電解めっきにより厚いめっき層が形成できるので、広帯域にわたって良好なノイズシールド特性を実現することができる。
【0030】
この発明のシールドパイプ接続構造体の製造方法によると、製造方法が簡単で、可とう性を有する樹脂製の波付き管状体の外周面に無電解めっきによってめっき層を形成し、さらにその外周面に電解めっきによってめっき層を形成することにより、軽量で可とう性を有し、広い周波数帯域における電気シールド特性に優れたシールドパイプ接続構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態のシールドパイプを説明する断面図である。
【図2】第1実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。
【図3】第1実施形態のシールドパイプ接続構造体の部分拡大図である。
【図4】本発明の第2実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。
【図5】第2実施形態のシールドパイプ接続構造体の部分拡大図である。
【図6】アルミニウム編組および銅編組のシールド性能を比較して示すグラフである。
【図7】第1実施形態のシールドパイプのシールド性能を比較例と比較して示すグラフである。
【図8】従来のシールドメッキコルゲートチューブを説明するための、一部を破断した側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。
【図11】本発明の第5実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。
【図12】本発明の第6実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
この発明のシールドパイプ接続構造体を、図面を参照しながら説明する。
この発明のシールドパイプ接続構造体の第1の実施形態は、樹脂製の波付き管状体と、波付き管状体の外周面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層とを備えたシールドパイプと、シールドパイプの一方の端部を、間隙無く内部に収納して接続する金属製のシールドパイプ接続部と、接続されたシールドパイプおよびシールドパイプ接続部の外表面に電解めっきによって形成された第2のめっき層とを備えたシールドパイプ接続構造体である。
【0033】
図1は、本実施形態のシールドパイプを説明する断面図である。図1に示すように、波付き管状体2は、凸部4および凹部5が交互に形成された樹脂製のパイプである。波付き管状体2は、軽量で、可とう性に優れている。シールドパイプ7は、凸部4および凹部5が交互に形成された波付き管状体2の外周面に、無電解めっきによって形成された第1のめっき層8を備えている。第1のめっき層8の厚さを、例えば約0.5μmとすることができる。波付き管状体2は、凸部4と凹部5が同心円状に形成された同心円状波を有する樹脂製パイプ、あるいは凸部4と凹部5が螺旋状に形成された螺旋状波を有する樹脂製パイプ、とすることができる。螺旋状波を有する波付き管状体2は、例えば後述するシールドパイプ接続部と、回転による捩じ込みによって接続することができる。
【0034】
図2(a)は、本実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。図2(b)および(c)は、半割部材からなるシールドパイプ接続部を説明する図である。図3は、図2の部分拡大図である。図2および図3を参照しながら、本実施形態のシールドパイプ接続構造体の製造方法について説明する。先ず、図1に示す凸部4および凹部5が交互に形成された樹脂製の波付き管状体2を調製する。次いで、波付き管状体2の外周面に無電解めっきによって、第1のめっき層8を形成して、シールドパイプ7を調製する。
【0035】
金属製のシールドパイプ接続部3を調製する。次に、シールドパイプ7の一方の端部を、図3に示すように、金属製のシールドパイプ接続部3の内部に間隙無く収納して、シールドパイプ7とシールドパイプ接続部3とを接続する。この状態では、シールドパイプ7の表面とシールドパイプ接続部3の表面はともに金属である。次いで、このように接続されたシールドパイプ7とシールドパイプ接続部3の外周面に電解めっきによって第2のめっき層9を形成することで、本実施形態のシールドパイプ接続構造体1を製造する。第2のめっき層9の厚さを例えば約50μmとすることで、波付き管状体2をシールドするめっき層の厚さを厚くしてシールド性能を高めることができる。なお、第1めっき層8と第2のメッキ層9のそれぞれの厚さは、上記のものに限定されず、要求されるノイズシールド特性に応じて適宜好適な厚さを選択することができる。
【0036】
図3に示すように、無電解めっきによって第1のめっき層8が形成されたシールドパイプ7の一方の端部が金属製のシールドパイプ接続部3の内部に収納されて接続されている。接続された金属製のシールドパイプ接続部3の表面、および、シールドパイプ7の第1のめっき層8の表面に、電解めっきによって第2のめっき層9が形成されている。
【0037】
シールドパイプ7の端部を収納するシールドパイプ接続部3の内周面は、シールドパイプ7の外周面の形状に対応した形状を備えている。すなわち、シールドパイプ7が同心円状波を有するときは、シールドパイプ接続部3の内周面に同心円状波の形状に対応した同心円状の凹凸が形成されている。この場合、シールドパイプ接続部3を図2(b)、(c)に示すような半割部材で形成することで、シールドパイプ7を間隙なく接続することができる。また、シールドパイプ7が螺旋状波を有するときは、シールドパイプ接続部3の内周面に螺旋状波の形状に対応した螺旋状の凹凸が形成されている。この場合には、例えば回転による捩じ込みによってシールドパイプ7をシールドパイプ接続部3に接続することができる。シールドパイプ7の外周面とシールドパイプ接続部3の内周面とが対応した形状を備えることによって、シールドパイプ7とシールドパイプ接続部3との接続部分のノイズシールド特性が向上する。
【0038】
図2(b)および(c)に半割部材からなるシールドパイプ接続部を示す。図2(b)は、半割部材を閉じた状態を示す。点線部にそって開閉が可能である。図2(c)は、半割部材を開いた状態を示す。シールドパイプ接続部3が半割部材からなっていることによって、製造が容易になる。
【0039】
第1のめっき層8および第2のめっき層9は、何れも銅系のめっき層である。図6は、アルミニウム編組および銅編組のシールド性能を比較して示すグラフである。グラフの縦軸には、シールド性能[dB]を示し、グラフの横軸には、周波数[Hz]を示す。図6に示すように、周波数の低い帯域、例えば1M[Hz]以下の帯域では、アルミニウム編組および銅編組は何れも高いシールド性能を示しているが、高い周波数帯域、例えば100M〜1G[Hz]の帯域では、アルミニウム編組のシールド性能が銅編組に比べて劣り、40dB以下に低下している。上述したように、シールド性能を高めるためには、第1のめっき層8および第2のめっき層9は、何れも銅めっき層であることが重要である。
【0040】
図7は、樹脂製の波付き管状体2の表面に第1のメッキ層8および第2のめっき層9が形成されたシールドパイプ7(本実施形態)と、銅編組を使用したシールドパイプ(比較例)、同軸ケーブル(比較例)、波付きアルミニウム管(比較例)、および銅箔を縦添えに巻きつけたシールドケーブル(比較例)について、それぞれのシールド性能を比較して示すグラフである。図7において、本実施形態のシールドパイプをB、波付きアルミニウム管をA、同軸ケーブルをC、銅編組を使用したシールドパイプをD、銅箔を縦添えに巻きつけたシールドケーブルをE、としてそれぞれ示す。グラフの縦軸には、シールド性能[dB]を示し、グラフの横軸には、周波数[MHz]を示す。
【0041】
図7に示すように、本実施形態のシールドパイプBは、100〜1000[MHz]の中・高周波帯域でも、同軸ケーブルC、銅編組を使用した高コストのシールドパイプD、および銅箔を縦添えに巻きつけたシールドケーブルEよりもシールド性能に優れ、高コストの波付きアルミニウム管Aに近い高いシールド性能を示している。従って、本実施形態のシールドパイプ7は、製造が容易で、軽量であり、可とう性に優れ、広い周波数帯域において電気シールド特性に優れている。
【0042】
図1〜3に示したシールドパイプ7では、凸部4および凹部5からなる凹凸がシールドパイプ7の長手方向全体に形成されている。波付き管状体2の外周面に形成されたこのような凹凸は、シールドパイプ7に可とう性を持たせるために形成されたものであるが、シールドパイプ7の長手方向全体に可とう性を持たせる必要がないときは、波付き管状体2の一部に凹凸がなく可とう性のない固定部を設けてもよい。このような固定部を設けることで付属部品の取り付けが容易となり、またシールドパイプ7自身の取付性を高めることができる。さらに、凹凸をなくすことでシールドパイプ7の外周面の面積が減少し、第1めっき部8及び第2めっき部9の形成に必要なめっきの目付を低減することができる。めっきの目付をさらに低減するために、可とう性を有する部分の凹凸についても、表面積が小さくなるような形状に形成するのがより好ましい。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を、図4、5を用いて以下に説明する。図4は、本実施形態のシールドパイプ接続構造体を説明するための部分断面図である。図5は、図4の部分拡大図である。本実施形態のシールドパイプ接続構造体10は、樹脂製の波付き管状体2と、外周面に螺旋形状が形成されて波付き管状体2の一方の端部の外周面に装着される樹脂製の接続部11と、波付き管状体2およびこれに装着された接続部11の外周面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層12と、第1のめっき層12の外周面に電解めっきによって形成された第2のめっき層13とを備えている。
【0044】
接続部11は、波付き管状体2とシールドパイプ接続部16との間のバッファ層として耐振動性を高める役割とともに、ピッチ変換や、波付き管状体2の外周面の凹凸を同心円状から螺旋状に変換する役割等を有している。ピッチ変換の役割として接続部11は、波付き管状体2の外周面に形成されている凹凸のピッチをシールドパイプ接続部16の内周面に形成されている凹凸のピッチに変換する。すなわち、接続部11の内周面には波付き管状体2のピッチに合わせて凹凸が形成され、接続部11の外周面にはシールドパイプ接続部16のピッチに合わせて凹凸が形成されている。なお、ここでは接続部11を樹脂製としたが、これに限らずたとえば金属製としてもよい。
【0045】
シールドパイプ接続構造体10の製造方法として、波付き管状体2に所定の間隔で射出成形により接続部11を形成し、形成された接続部11の長手方向の略中央部で切断する。これにより、波付き管状体2の端部に接続部11が装着された構造体が作製される。あるいは、波付き管状体2を所定の長さに切断した後、その端部に射出成形により接続部11を作製してもよい。このようにして作製された波付き管状体2の端部に接続部11が装着された構造体に対し、その外周面に第1のめっき層12と第2のめっき層13を形成することで、本実施形態のシールドパイプ接続構造体10を製造する。
【0046】
第1のめっき層12および第2のめっき層13は、それぞれの厚さを例えば約0.5μmおよび約50μmとすることができ、これによりメッキ層の厚さを厚くしてシールド性能を高めることができる。第1のめっき層12および第2のめっき層13の好適な厚さはこれに限定されず、要求されるノイズシールド性能に応じて適宜選択することができる。
【0047】
ピッチ変換を行う接続部11を備える本実施形態のシールドパイプ接続構造体10の製造方法を、図4および図5を用いてさらに詳細に説明する。
先ず、図4に示す凸部4および凹部5が外周面に交互に形成された樹脂製の波付き管状体2を調製する。同様に、内周面に波付き管状体2の凹凸に対応した凹凸が形成され、外周面に螺旋状の凹凸が形成された樹脂製の接続部11を調製する。図4に示すように、波付き管状体2の凹凸のピッチをP1とし、接続部11の外周面に形成されている凹凸のピッチをP2とするとき、ここではP1>P2としている。また、波付き管状体2の凹凸の溝深さをD1とし、接続部11の凹凸の溝深さをD2とするとき、D1>D2としている。
【0048】
樹脂製の波付き管状体2に形成されている凹凸は可とう性を持たせるために形成されたものであり、通常は凹凸のピッチを比較的大きくしている。これに対し、シールドパイプ接続部16の内周面の凹凸は、接続部11を介して波付き管状体2を接続するために形成されるものであり、例えば波付き管状体2を回転させて捩じ込むためのネジ溝として形成される。そのため、シールドパイプ接続部16の凹凸のピッチは、波付き管状体2の凹凸のピッチより小さく設定される。シールドパイプ接続部16の凹凸のピッチを小さくすることにより、接続部11を介して回転により波付き管状体2をシールドパイプ接続部3に接続する際に、回転時の応力が分散されて接続部11とシールドパイプ接続部16との間の接続信頼性が高くなる。更に、接続部11の外周面の凹凸の溝深さD2が波付き管状体2の凹凸の溝深さD1より小さくなるように設定することによって、耐振動特性および耐衝撃特性を向上させることができる。
【0049】
波付き管状体2の外周面に接続部11が装着された後、図5に示すように、波付き管状体2および接続部11の外表面に、無電解めっきによって第1のめっき層12を形成する。次いで、第1のめっき層12の外表面に、電解めっきによって第2のめっき層13を形成する。このようにして第1のめっき層12および第2のめっき層13が形成された接続部11の中央部で、波付き管状体2および接続部11を図5(a)に示す点線に沿って切断する。
【0050】
上述した樹脂製の波付き管状体2は、その外表面が粗く加工されているのがより好ましい。波付き管状体2の外表面が粗く加工されることによって、接続部11との間の接続(密着)信頼性が向上する。更に、樹脂製の波付き管状体2が小判型の断面形状を有しているのが好ましい。断面形状を小判型にすることによって、例えば、内部に2芯の線材を収納する場合、省スペース化を図ることができる。
【0051】
更に、本実施形態のシールドパイプ接続構造体10においては、図5(b)に示すように、上述した樹脂製の波付き管状体2の他方の端部に別の接続部15を形成し、別の接続部15に例えばシールドパイプ分岐管14を接続してもよい。図5(b)は、別の接続部15にシールドパイプ分岐部14が接続された状態を示す断面図である。図5(b)では、第1および第2のめっき層が一体的に形成された樹脂製の波付き管状体2の一方の端部に接続部11が装着され、これが例えば内周面の端部が螺旋加工されているシールドパイプ接続部16に接続されている。また、波付き管状体2の他方の端部には別の接続部15が装着され、これに内周面の端部が螺旋加工されているシールドパイプ分岐管14が接続されている。
【0052】
なお、図4および図5を参照して説明した本実施形態のシールドパイプ接続構造体10は、図7を参照して説明した第1実施形態のシールドパイプ接続構造体1と同様に、100〜1000[MHz]の中・高周波数帯域でも、同軸ケーブルC、銅編組を使用した高コストのシールドパイプD、および銅箔を縦添えに巻きつけたシールドケーブルEよりもシールド性能に優れ、高コストの波付きアルミニウム管Aに近い、高いシールド性能を有している。
【0053】
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を、図9を用いて以下に説明する。図9は、第3実施形態のシールドパイプ接続構造体の構成を示す部分断面図である。本実施形態のシールドパイプ接続構造体20は、波付き管状体21と、波付き管状体21の一方の端部に形成された接続部22と、波付き管状体21および接続部22の外周面に一体に形成された第1のめっき層23と、第1のめっき層23の外周面に形成された第2のめっき層24と、さらに第2のめっき層24の外周面に形成された第3のめっき層25とを備えている。
【0054】
シールドパイプ接続構造体20は、第1実施形態及び第2実施形態と同様の第1のめっき層23および第2のめっき層24に加えて、さらに第3のめっき層25を有している。第1のめっき層23及び第2のめっき層24を銅めっき層とし、第3のめっき層25をNi(ニッケル)めっき層とすることができる。このように銅めっき層をNiめっき層で覆うようにすることで、銅めっき層の錆を防止する防錆効果を得ることができる。
【0055】
あるいは、第1のめっき層23と第3のめっき層25を銅めっき層とし、第2のめっき層24をNiめっき層とすることもできる。このような構成とした場合には、シールドパイプ接続構造体20を所定のコネクタに接続したときの接触抵抗を低減して接続信頼性を高めることができる。
【0056】
上記のいずれの構成においても、無電解めっきで形成される第1のめっき層23の厚さを例えば0.5μmとし、電解めっきで形成される銅めっき層(第2のメッキ層24または第3のメッキ層25)を10〜25μmとし、Niめっき層(第3のメッキ層25または第2のメッキ層24)を2〜3μmとすることができる。なお、Niのめっき性が十分に得られないときは、例えばスパッタリングによりNi層を形成してもよい。また、Niめっき層に代えて鉄または鉄とニッケルの合金であるパーマロイの層としてもよい。この場合には、コストダウンやシールド特性の向上、軽量化、といった効果が得られる一方、コネクタに接続したときの接触抵抗が高くなることが考えられる。
【0057】
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を、図10を用いて以下に説明する。図10は、第4実施形態のシールドパイプ接続構造体の構成を示す部分断面図である。本実施形態のシールドパイプ接続構造体30は、波付き管状体31と、波付き管状体31の一方の端部に形成された接続部32と、波付き管状体31および接続部32の外周面に一体に形成された第1のめっき層33と、第1のめっき層33の外周面に形成された第2のめっき層34と、さらに第2のめっき層34の外周面を被覆する保護層35とを備えている。
【0058】
保護層35は、樹脂製の波付き管状体31の外周面に形成されたメッキ層を保護するものである。保護層35として、例えば、加熱により収縮する熱収縮スリーブを用いることができる。第1のめっき層33および第2のめっき層34が形成された波付き管状体31を熱収縮スリーブ内に収納し、その後熱収縮スリーブに熱を加えることで、熱収縮スリーブが第2のメッキ層34に密着して保護層35を形成する。第2のめっき層34は、波付き管状体31の外周面の形状に対応して凹凸を形成しているが、熱収縮スリーブは第2のめっき層34の凹凸状の外周面に沿って密着することができる。
【0059】
保護層35として、上記の熱収縮スリーブに代えて、例えば速乾性ペンキを用いてもよい。第2のめっき層34の外周面に速乾性ペンキを塗布して乾燥させることで、本実施形態の保護層35を形成することができる。このように、第2のめっき層34の外周面に熱収縮スリーブや速乾性ペンキ等を用いて保護層35を形成することで、第2のめっき層34およびその下層にある第1のめっき層33を保護することができる。
【0060】
(第5実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を、図11を用いて以下に説明する。図11は、第5実施形態のシールドパイプ接続構造体の構成を示す部分断面図である。本実施形態のシールドパイプ接続構造体40は、波付き管状体41と、波付き管状体41の一方の端部に形成された接続部42と、波付き管状体41および接続部42の外周面に一体に形成された第1のめっき層43と、第1のめっき層43の外周面に形成された第2のめっき層44と、接続部42を介して波付き管状体41を接続するシールドパイプ接続部45とを備えている。
【0061】
本実施形態のシールドパイプ接続構造体40では、シールドパイプ接続部45が波付き管状体41および接続部42と同様に樹脂で形成されている。波付き管状体41および接続部42は、PP(ポリプロピレン)あるいはPA(ポリアミド)等の樹脂を用いて形成することができる。また、シールドパイプ接続部45は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いて形成することができる。シールドパイプ接続部45は、波付き管状体41および接続部42と同様に、樹脂に所定のめっきを施して形成されている。
【0062】
接続部42とシールドパイプ接続部45とを接続したときのシールド性能は、その間の接触抵抗と隙間の大きさに大きく左右される。また、接触抵抗は接続部42とシールドパイプ接続部45との間の接触圧力(接圧)に大きく依存しているが、両者が接触している位置近傍でクリープが発生すると、所定の接触圧力を維持できなくなってしまう。接触圧力を低下させることなくクリープの発生を防止するためには、接続部42とシールドパイプ接続部45との間の接触面積を大きくして単位面積当たりの接触抵抗を低くすることが求められる。そこで、クリープ発生を防止するための対策として、本実施形態のシールドパイプ接続構造体40では、接続部42とシールドパイプ接続部45との間に微小な突起部を形成して接触面積が大きくなるようにしている。
【0063】
図11において、同図(b)は同図(a)の破線円で示した部分を拡大して表示したものであるが、ここではシールドパイプ接続部45の内周面に微小な突起部46を形成している。このような突起部46を接続部42とシールドパイプ接続部45との間に複数形成することで、その間の接触面積を大きくして単位面積当たりの接触抵抗を低減させている。これにより、クリープの発生を防止して接触圧力を保持することが可能となる。なお、シールドパイプ接続部45に代えて、接続部42の外周面に突起部46を複数形成してもよい。
【0064】
本実施形態では、波付き管状体41および接続部42が樹脂製であることを考慮してシールドパイプ接続部45も樹脂製としているが、これにより両者の間の接触圧力を大幅に高めることが可能となる。すなわち、シールドパイプ接続部45を金属製としたときの樹脂と金属との間の接触圧力に比べて、樹脂同士としたときの方が接触圧力を大幅に高めることができる。さらに、シールドパイプ接続部45も樹脂製とすることで、波付き管状体41、接続部42、およびシールドパイプ接続部45のそれぞれの熱膨張係数をほぼ一致させることができ、これによりクリープの発生防止の効果をさらに高めることができる。
【0065】
クリープ防止対策として、上記のようにシールドパイプ接続部45または接続部42に突起部46を設けるだけでなく、接続部42の外周面とシールドパイプ接続部45の内周面に螺旋状の凹凸を形成してネジ構造とする、あるいは同心円状の凹凸部を形成する、等によっても両者の接触面積を大きくすることができ、これにより単位面積当たりの接触抵抗を低減するようにしてもよい。
【0066】
(第6実施形態)
本発明の第6の実施形態に係るシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を、図12を用いて以下に説明する。図12(a)は、第6実施形態のシールドパイプ接続構造体の構成を示す部分断面図であり、図12(b)は、本実施形態のシールドパイプ接続構造体の部分拡大図である。本実施形態のシールドパイプ接続構造体50は、波付き管状体51と、波付き管状体51の少なくとも一方の端部に形成された接続部52と、波付き管状体51および接続部52の外周面に一体に形成された第1のめっき層53と、第1のめっき層53の外周面に形成された第2のめっき層54と、接続部52を介して波付き管状体51を接続するシールドパイプ接続部55とを備えている。
【0067】
本実施形態のシールドパイプ接続構造体50でも、シールドパイプ接続部55が例えばPBTの樹脂で形成され、これに所定のめっきが施されているものとする。シールドパイプ接続構造体50は、シールドパイプ接続部55をモータやインバータの筺体等にねじ止めして固定されるが、シールドパイプ接続部55が樹脂製であることから、そのねじ止め部分にクリープが発生するおそれがある。本実施形態のシールドパイプ接続構造体50のシールド性能は、シールドパイプ接続部55と筺体との間のシールド性能に大きく左右され、シールドパイプ接続部55と筺体との間のシールド性能はその間の接触抵抗と隙間の大きさに大きく左右される。また、接触抵抗はシールドパイプ接続部55と筺体との間の接触圧力に大きく依存しているが、シールドパイプ接続部55のねじ止め位置近傍でクリープが発生すると所定の接触圧力を維持できなくなってしまう。
【0068】
そこで、本実施形態のシールドパイプ接続構造体50では、クリープの発生を防止するために、シールドパイプ接続部55のねじ止め部分に図12(b)に示すようなインサートカラー56を挿入している。インサートカラー56は、樹脂製のシールドパイプ接続部55を筺体60に固定するためのネジ止め部分を補強するものであり、円筒部56aと該円筒部56aの一方の端部に円盤部56bを有する金属部材で形成されている。シールドパイプ接続部55を射出成形する際に、円盤部56bが波付き管状体51の接続側となるようにインサートカラー56を金型に予め配置しておくことで、インサートカラー56をシールドパイプ接続部55の樹脂に挿入する。そして、シールドパイプ接続部55の樹脂にメッキを施す際に、樹脂とインサートカラー56の円盤部56bを一体にメッキする。これにより、シールドパイプ接続部55のシールド性能を向上させることができる。
【0069】
インサートカラー56を含めて一体にメッキされたシールドパイプ接続部55は、ねじ61で筺体60に固定されるが、ねじ61を適切に締め付けることで十分な接触圧力を得ることができる。クリープの発生を防止するためには、シールドパイプ接続部55と筺体60との間の接触抵抗を低くすることが求められるが、本実施形態ではシールドパイプ接続部55の樹脂とインサートカラー56に一体に形成されためっきを有することで、筺体60との間の接触抵抗を低減している。これにより、接触抵抗を低くしてクリープの発生を防止しており、接触圧力を低下させることなくシールド性能を向上させることが可能となる。
【0070】
上述したように、この発明によると、可とう性を有する波付き管状体を備えて広い周波数域における電気シールド特性に優れたシールドパイプ接続構造体およびその製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
1、10、20、30、40、50 シールドパイプ接続構造体
2、21、31、41、51 波付き管状体
3、16、45、55 シールドパイプ接続部
4 凸部
5 凹部
P ピッチ
D 溝深さ
7 シールドパイプ
8、12、23、33、43、53 第1のめっき層
9、13、24、34、44、54 第2のめっき層
10 シールドパイプ接続構造体
11、22、32、42、52 接続部
14 シールドパイプ分岐管
15 別の接続部
25 第3のめっき層
35 保護層
46 突起部
56 インサートカラー
60 筺体
61 ねじ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体と、前記波付き管状体の外周面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層とを備えたシールドパイプと、
前記シールドパイプの一方の端部を、間隙無く内部に収納して接続する金属製のシールドパイプ接続部と、
接続された前記シールドパイプおよび前記シールドパイプ接続部の外周面に電解めっきによって形成された第2のめっき層とを備えたシールドパイプ接続構造体。
【請求項2】
前記シールドパイプの外周面と前記シールドパイプ接続部の内周面は、それぞれ対応した形状を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項3】
前記シールドパイプ接続部が半割部材からなっていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項4】
外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体と、
前記波付き管状体の一方の端部に形成され、外周面に螺旋状の凹凸が形成されて前記波付き管状体の外周面に装着される樹脂製の接続部と、
前記波付き管状体およびこれに装着された前記接続部の外周面に無電解めっきによって形成された第1のめっき層と、
前記第1のめっき層の外周面に電解めっきによって形成された第2のめっき層とを備えたシールドパイプ接続構造体。
【請求項5】
前記波付き管状体の前記波のピッチをP1とし、前記接続部の前記螺旋状の凹凸のピッチをP2とするとき、P1>P2であることを特徴とする、請求項4に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項6】
前記波付き管状体の前記波の溝深さをD1とし、前記接続部の前記螺旋状の凹凸の溝深さをD2とするとき、D1>D2であることを特徴とする、請求項4または5に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項7】
前記波付き管状体の外周面が粗く加工されていることを特徴とする、請求項4から6の何れか1項に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項8】
前記波付き管状体が小判型の断面形状を有していることを特徴とする、請求項3または7に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項9】
前記波付き管状体の他方の端部に別の接続部が形成され、前記別の接続部にシールドパイプ分岐部が接続されていることを特徴とする、請求項4に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項10】
前記第2のめっき層の外周面にさらに第3のめっき層を備え、前記第3のめっき層がNiで形成されている
ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項11】
前記第2のめっき層の外周面に、さらに保護層を備える
ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項12】
前記接続部を間隙無く内部に収納して接続する樹脂製のシールドパイプ接続部をさらに備え、
前記接続部の外周面と前記シールドパイプ接続部の内周面とが接する位置に突起部が形成されている
ことを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項13】
前記シールドパイプ接続部を所定の筺体にねじ止めする位置に金属製のインサートカラーが挿入され、
前記インサートカラーが前記シールドパイプ接続部と一体にめっきされている
ことを特徴とする請求項12に記載のシールドパイプ接続構造体。
【請求項14】
外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体の外周面に無電解めっきによって、第1のめっき層を形成してシールドパイプを調製し、
前記シールドパイプの一方の端部を、金属製のシールドパイプ接続部の内部に間隙無く収納して接続し、
接続された前記シールドパイプおよび前記シールドパイプ接続部の外周面に電解めっきによって第2のめっき層を形成する、シールドパイプ接続構造体の製造方法。
【請求項15】
外周面に凹凸の波が形成されて可とう性を有する樹脂製の波付き管状体を調製し、
前記波付き管状体の一方の端部の外周面に、外周面に螺旋状の凹凸が形成された樹脂製の接続部を装着し、
装着された前記波付き管状体および前記接続部の外周面に無電解めっきによって第1のめっき層を形成し、
前記第1のめっき層の外周面に電解めっきによって、第2のめっき層を形成するシールドパイプ接続構造体の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−135057(P2011−135057A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261554(P2010−261554)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】