説明

シールドフレキシブルプリント配線板

【課題】電磁波シールド性にすぐれ、しかも配線密度のより高いシールドフレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に少なくとも導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなる。前記シールドフィルムの外側の面においては、少なくとも一部が露出してその近傍のグランド部に接続可能に形成されたグランド部材を有するとともに、前記カバーフィルムを突き破るように設けられ、前記導電性接着剤層と前記グランド部材とを接続する導電性フィラーを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ、通信機器、ビデオカメラなどの装置内等において用いられるシールドフレキシブルプリント配線板に関するものであり、特に電磁波シールド性にすぐれ、しかも配線密度の高いフレキシブルプリント配線板に対しても効果的に電磁波シールド特性を付与できるシールドフレキシブルプリント配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板(以下「FPC」ともいう)は、小型化、高機能化が急速に進む携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、複雑な機構の中に回路を組み込むために多用されている。さらに、その優れた可撓性を生かして、プリンタヘッドのような可動部と制御部との接続にも利用されている。これらの電子機器では、電磁波シールド対策が必須となっており、装置内で使用されるFPCにおいても、電磁波シールド対策を施したフレキシブルプリント配線板(以下「シールドFPC」ともいう)が用いられるようになってきた。
【0003】
図7は、この従来のシールドFPCの一例を示す図であり、図7(a)は平面図、図7 (b)は、図7(a)のB−B拡大断面図である。図7において、シールドFPC30は、基体フィルム31とシールドフィルム35とを接着させたものである。基体フィルム31は、ベースフィルム32上にプリント回路33と絶縁フィルム34を順次設けたものであり、シールドフィルム35は、カバーフィルム36の片面に金属薄膜層37bと導電性接着剤層37aからなるシールド層37を設けたものである。プリント回路33は、複数の信号線33aと少なくとも1本のグランド線33bを含んでいる。基体フィルム31の絶縁フィルム34には、プリント回路33のグランド線33b上の一部に切り欠き部34aが設けられており、グランド線33bの上面33cが露出している。シールドフィルム35を接着させる際、その導電性接着剤37aが絶縁フィルム34の切り欠き部34aに充填され、グランド線33bの上面33cと接触するので、シールドフィルムのシールド層37がグランド線33bと接続され、接地されることになる。
【0004】
このように、シールド層37が接地されることにより、電磁波シールドがおこなわれるのであるが、このグランド線33bとシールド層37との接続を確実にするため、25μm厚の絶縁フィルム34の切り欠き部34aの大きさは約1mm径は必要であり、それも数箇所設ける必要がある。そのため、グランド線も1mm以上の幅が必要になる。また、接地インピーダンスを低くするためにもグランド線の幅は広くするのが望ましい。しかるに、近年配線密度のいっそうの高密度化が求められるようになり、このグランド線の幅を小さくすることが切実に求められるようになった。そして、配線密度が高くなるほど不要輻射も大きくなるので、電磁波シールド性のより高いシールド構造が求められるようになった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記要望に応えるべくしてなされたもので、電磁波シールド性にすぐれ、しかも配線密度の高いFPCに対しても効果的に電磁波シールドすることのできるシールドFPCの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
(1) 上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けてなる基体フィルムの少なくとも片面に、シールドフィルムを被覆してなるシールドフレキシブルプリント配線板において、前記シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に少なくとも導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなり、前記シールドフィルムの外側の面において、少なくとも一部が露出してその近傍のグランド部に接続可能に形成されたグランド部材を有するとともに、前記カバーフィルムを突き破るように設けられ、前記導電性接着剤層と前記グランド部材とを接続する導電性フィラーを有することを特徴とする。
【0007】
上記(1)の構成によると、シールド層の接地は、グランド部材の露出部を直接又は適宜の導電部材を用いて、グランド部に接続することにより達せられるので、プリント回路の一部として幅の広いグランド線を設ける必要がなくなり、その分信号線の配線密度を高めることができる。また、グランド部材は、従来のプリント回路のなかのグランド線に比し、面積を広くすることができ、しかも他の接地回路を経由することなく直接近傍のグランド部に接続されるので、接地インピーダンスが小さく、したがってシールド層の電磁波シールド効果も大きくなる。また、グランド部材は、シールドフレキシブルプリント配線板における任意の場所に設けることが可能であることから、任意の場所でグランド部と接続することが可能なシールドフレキシブルプリント配線板を提供できる。また、確実に、グランド部材とシールドフィルムとの間の導電性を確保できる。
【0008】
(2) 上記(1)のシールドフレキシブルプリント配線板においては、前記グランド部材は、金属箔とその片面に設けられた導電性接着性樹脂層とからなり、前記導電性接着性樹脂は、前記金属箔と前記基体フィルムに良好な接着性を有することが好ましい。この構成によると、グランド部材をその接着性樹脂層によりシールドフィルムに接着するだけで、グランド部材はシールドフィルムに固着されるので加工が容易であり、しかもグランド部材は可撓性があるので、近傍のグランド部への接続が容易である。
【0009】
(3) 別の観点として、本発明は、ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けてなる基体フィルムの少なくとも片面に、シールドフィルムを被覆してなるシールドフレキシブルプリント配線板において、前記シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に少なくとも導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなり、前記シールドフィルムの外側の面において、少なくとも一部が露出してその近傍のグランド部に接続可能に形成されたグランド部材を有し、前記グランド部材が、前記シールドフィルム側の面に、前記シールドフィルムの途中まで貫入した導電性突出部を有しているものであってもよい。
【0010】
上記(3)の構成によると、シールド層の接地は、グランド部材の露出部を直接又は適宜の導電部材を用いて、グランド部に接続することにより達せられるので、プリント回路の一部として幅の広いグランド線を設ける必要がなくなり、その分信号線の配線密度を高めることができる。また、グランド部材は、従来のプリント回路のなかのグランド線に比し、面積を広くすることができ、しかも他の接地回路を経由することなく直接近傍のグランド部に接続されるので、接地インピーダンスが小さく、したがってシールド層の電磁波シールド効果も大きくなる。また、グランド部材は、シールドフレキシブルプリント配線板における任意の場所に設けることが可能であることから、任意の場所でグランド部と接続することが可能なシールドフレキシブルプリント配線板を提供できる。さらに、グランド部材がシールドフィルムの外側の面に形成されても、剥離しにくいものとなる。また、確実に、グランド部材とシールドフィルムとの間の導電性を確保できる。
【0011】
(4) 上記(3)のシールドフレキシブルプリント配線板においては、前記グランド部材が、金属箔とその片面に設けられた接着性樹脂層とからなり、前記接着性樹脂は、前記導電性突出部以外の前記金属箔と前記シールドフィルムに良好な接着性を有することが好ましい。この構成によると、グランド部材をその接着性樹脂層によりシールドフィルムに接着するだけで、グランド部材はシールドフィルムに固着されるので加工が容易であり、しかもグランド部材は可撓性があるのでるので、近傍のグランド部への接続が容易である。
【0012】
(5) 上記(1)〜(4)に記載のシールドフレキシブルプリント配線板においては、前記グランド部材が、その長手方向が前記シールドフィルムの長手方向に直交するように配設されていることが好ましい。この構成によると、グランド部材の幅を大きくとることができるので、接地インピーダンスを下げることができ、近傍のグランド部への接続も容易である。
【0013】
(6) また、別の観点として、本発明は、ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けてなる基体フィルムの少なくとも片面に、シールドフィルムを被覆してなるシールドフレキシブルプリント配線板において、前記シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなり、前記シールドフィルムの所定の位置に、前記シールド層を露出させる窓部を有し、前記窓部はその近傍のグランド部に接続可能に形成されているものであってもよい。
【0014】
上記(6)に記載のシールドフレキシブルプリント配線板においては、シールドフィルムの適宜定められる所定の位置に、シールド層を露出させる窓部を有し、その窓部がその近傍のグランド部に接続可能に形成されているので、窓部を所望の場所に設けることでシールドフレキシブルプリント配線板の任意の場所でグランドと接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の第1参考実施形態の例について説明する。図1は、本発明のシールドFPCの説明図であり、図1(a)は一部切り欠き平面図、図1(b)は右側面図、図1(c)は図1(a)のA−A拡大断面図である。また、図2は、本発明のシールドFPCの製造方法の説明図である。
【0016】
図1において、シールドFPC1は、基体フィルム2の片面にシールドフィルム7を被覆し、その端部に矩形状のグランド部材10を設けたものである。基体フィルム2は、ベースフィルム3上にプリント回路4と絶縁フィルム5を順次設けたものであり、シールドフィルム7は、カバーフィルム8の片面に金属薄膜層9bと導電性接着剤層9aからなるシールド層9を設けたものである。そして、グランド部材10は、幅Wの矩形状の金属箔11の片面に接着性樹脂層12を設けたものである。
【0017】
グランド部材の幅Wは、大きいほど接地インピーダンスが小さくなるので好ましいが、取り扱い性と経済性の観点から適宜選定される。また、この例では幅Wのうち幅Wが露出し、幅Wが導電性接着剤層9aと接着されている。この幅Wの露出部分を適宜の導電部材を用いて近傍のグランド部に接続すれば確実に接地することができる。また、接着が確実におこなわれるならば幅Wをもっと小さくしてもよい。そして、グランド部材10の長さはこの例では加工を容易にするため、シールドフィルム7や基体フィルム2の幅と一致させたが、それより短くても長くてもよく、導電性接着剤層に接続され部分と、露出して近傍のグランド部に接続できるようにしたものであればよい。同様に、グランド部材10の形状も、矩形状に限定されるものではなく、その一部が導電性接着剤層に接続され、他の一部が近傍のグランド部に接続できる形状のものであればよい。
【0018】
また、その配設位置は、必ずしもシールドFPC10の端部に限らず、図1(a)に仮想線で示すように端部以外の位置10aであっても良い。ただし、この場合は近傍のグランド部に接続可能にするため、グランド部材10aは、シールドフィルム7から側部へはみ出して露出するようにする。両側へのはみ出し長さL,Lは、機器の筺体などの近傍のグランド部に接続可能な長さであればよく、このはみ出し部は片端だけでもよい。グランド部へは金属箔9bの表面が接するようにして、ビス止め又ははんだ付けなどにより接続する。
【0019】
グランド部材の金属箔11の材料は、導電性、可撓性、経済性などの点で銅箔が好ましいがそれに限定されるものではない。また、金属箔に代えて、導電性プラスティックとすることもできるが導電性の点で金属箔が好ましい。また、接着性樹脂12としては、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、ポリイミド系、アルキッド系などの熱硬化性樹脂が用いられ、グランド部材10を構成する金属箔、導電性プラスチックや基体フィルム2の絶縁フィルム5に対して接着性のよいものが好ましい。さらに、グランド部材10は、それを端部以外の位置に設けてシールド層9で覆ってしまう場合は、金属箔や金属線だけで構成してもよい。
【0020】
上記のように、シールドフィルム7のシールド層9はグランド部材10によって接地されるので、プリント回路10の一部として幅の広いグランド線を設ける必要はなくなり、その分信号線の配線密度を高くすることができる。しかも、グランド部材10の接地インピーダンスを従来のシールドFPCのグランド線33bのそれに比べ小さくすることが容易であり、したがってシールド層の電磁波シールド効果も大きくなる。
【0021】
また、従来同様幅の広いグランド線を設けてシールド層9と接続したシールドFPCにグランド部材を設けたものも当然本発明に含まれる。この場合、幅の広いグランド線による基板接地と、グランド部材によるフレーム接地との効果が加算されるから電磁波シールド効果はよりすぐれ、より安定したものとなる。
【0022】
基体フィルム2の先端部は、幅tだけ露出しており、プリント回路を構成する複数の導体4が露出している。また、この例では、グランド部材10は、その幅方向の片端が絶縁フィルムの端部から幅tだけ隔てられるように接着されており、この幅tによって信号線4との間の絶縁抵抗が確保される。
【0023】
ベースフィルム3、絶縁フィルム5、カバーフィルム8はいずれもエンジニアリングプラスチックからなる。例えば、ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、ポリエステル、ポリベンツイミダゾール、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが挙げられる。あまり耐熱性を要求されない場合は、安価なポリエステルフィルムが好ましく、難燃性が要求される場合においては、ポリフェニレンサルファイドフィルム、さらに耐熱性が要求される場合にはポリイミドフィルムが好ましい。
【0024】
導電性接着材層9aは、金属、カーボン等の導電性フィラーを含有する接着性樹脂で構成される。接着性樹脂としては、前述のグランド部材10の接着性樹脂層12と同様である。
【0025】
金属フィラーとしては、銀、銅、ニッケル、ハンダ、アルミ及び銅粉に銀メッキを施した銀コート銅フィラー、さらには樹脂ボールやガラスビーズ等に金属メッキを施したフィラー又はこれらのフィラーの混合体が用いられる。銀は高価であり、銅は耐熱の信頼性に欠け、アルミは耐湿の信頼性に欠け、さらにハンダは十分な導電性を得ることが困難であることから、比較的安価で優れた導電性を有し、さらに信頼性の高い銀コート銅フィラー又はニッケルを用いるのが好ましい。
【0026】
金属フィラーの接着性樹脂への配合割合は、フィラーの形状等にも左右されるが、銀コート銅フィラーの場合は、接着性樹脂100重量部に対して10〜400重量部とするのが好ましく、さらに好ましくは20〜150重量部とするのがよい。400重量部を超えると、グランド部材の金属箔11への接着性が低下し、またシールドFPCの可撓性が悪くなる。また、10重量部を下回ると導電性が著しく低下する。また、ニッケルフィラーの場合は、接着性樹脂100重量部に対して40〜400重量部とするのが好ましく、さらに好ましくは100〜350重量部とするのがよい。400重量部を超えると、グランド部材の金属箔への接着性が低下し、またシールドFPCの可撓性が悪くなる。また、40重量部を下回ると導電性が著しく低下する。金属フィラーの形状は、球状、針状、繊維状、フレーク状、樹脂状のいずれであってもよい。
【0027】
金属薄膜層9bを形成する金属材料としては、アルミ、銅、銀、金などを挙げることができる。金属材料は、求められるシールド特性に応じて適宜選択すればよいが、銅は大気に触れると酸化しやすいという問題があり、金は高価であることから、安価なアルミ又は信頼性の高い銀が好ましい。膜厚は、求められるシールド特性と可撓性に応じて適宜選択されるが、一般に0.01〜1.0μmとするのが好ましい。0.01μmを下回るとシールド効果が不十分となり、逆に1.0μmを超えると可撓性が悪くなる。金属薄膜層9bの形成方法としては、真空蒸着、スパッタリング、CVD法、MO(メタルオーガニック)などがあるが、量産性を考慮すれば真空蒸着が望ましく、安価で安定した金属薄膜層を得ることができる。
【0028】
次に図2に基づき、上記シールドフィルム7をグランド部材10及び基体フィルム2に接着させて、上記シールドFPC1を製造する方法の要点を説明する。
【0029】
上記シールドフィルム7は、薄いものであるから、それを所定のサイズに打ち抜く際、端縁がきれいな直線にならず、突出した導電性部分が他の層と接触する等の問題点がある。そこで、図2(a)に示すように、シールドフィルム7のカバーフィルム8上に、剥離可能で粘着性を有する粘着性フィルム21を貼り合わせて補強シールドフィルム20とし、この補強シールドフィルム20を所定のサイズに打ち抜いたものを基体フィルム上に位置あわせして載置し、プレス機P(P、P)で加熱hしつつ、加圧pする。
【0030】
この方法によれば、補強フィルム20は、粘着性フィルムの分だけ厚くなるので、所定のサイズに打ち抜き易く、きれいに裁断でき、基体フィルム2上への位置合せもしやすい。
【0031】
ところで、図2は右側面図のみ示しているのでグランド部材10も同時に加熱加圧している状態が示されているが、図1を参照すれば明かなように、グランド部材10の取り付け部のところだけ厚くなるので、プレス機Pの加熱・加圧板Pは、その形状に合わせるか、そのためのアダプターを取り付けたものとする必要がある。
【0032】
このようにして、基体フィルム2、補強シールドフィルム20及びグランド部材10がそれぞれ十分に接着するよう加熱・加圧した後、プレス機Pから取り出し、図2(b)に示すような補強シールドFPC30を得る。得られた補強シールドFPC30から粘着性フィルム21を剥離fすると、図1に示すようなシールドFPCが得られる。
【0033】
粘着性フィルム21には、上記ベースフィルム3、絶縁フィルム5、カバーフィルム8と同様のエンジニアリングプラスチックが用いられるが、製造過程で除去されるものであるから、安価なポリエステルフィルムが好ましい。また、カバーフィルム8との粘着力は、2〜200g/cmの範囲にあるのが好ましく、2g/cm未満では打ち抜き、位置合わせ作業時に剥離してしまう可能性があり、200g/cmを超えると粘着性フィルムを剥離するときに製品に障害となる可能性がある。そして、さらには、5〜100g/cmとするのが好ましい。
【0034】
エンジニアリングプラスチックの表面に粘着力を付与する方法としては、表面を物理的又は化学的に処理する方法や表面に粘着材をコーティングする方法が挙げられるが、粘着材をコーティングする場合は、粘着性フィルム21を剥離したとき、粘着材がカバーフィルム8の表面に転移しないことが必要である。
【0035】
なお、上述の実施の形態では、片面シールドのものについて述べてきたが、両面シールドのものも当然本発明に含まれる。そして、両面シールドの場合は、グランド部材10もそれぞれのシールド層に接続することが望ましい。
【0036】
第1実施形態例を図3に基づいて説明する。図3(a)は平面図、図3(b)は、図3(a)のC−C線拡大断面図である。図3に記載のFPCは、従来技術において説明したと同様な基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を有し、新たにグランド部材40を有する。前記グランド部材40は、金属箔41及び前記金属箔41の片面から突出する複数の導電性バンプ42を有する。前記導電性バンプ42が前記シールドフィルム35のシールド層37に接続され、金属箔41が露出してその近傍のグランド部に接続される。
【0037】
また、前記グランド部材40のシールドフィルム35への装着を確実にするために前記導電性バンプ42が設けられた側の金属箔41の面とカバーフィルム36との間に接着層38を設けても良い。前記接着層38を形成するために用いる材料としては接着剤のみならず粘着剤であってもよい。さらに前記接着剤や粘着剤は導電性のもの、導電性でないものいずれでも良い。
【0038】
各導電性バンプ42の形状及び大きさ並びに数は、前記シールドフィルム35のシールド層37と適切に接触できるように適宜定められる。本実施形態例において、各導電性バンプ42の形状は円錐形である。前記複数の導電性バンプ42は一列に並んでいるが、複数列に並んで設けても良い。その際、縦横列を揃えても良いし、千鳥格子状に配置しても良い。前記導電性バンプ42は前記金属箔41上へCu系ペースト若しくはAg系ペーストをスクリーン印刷すること等により形成されることができる。
【0039】
前記金属箔41の形状及び大きさは、前記導電性バンプ42が形成され、且つ、一部がグランド部へ接続することができるように適宜定められる。前記金属箔41の一端に導体43がハンダ付けされている。導体43はグランド部へ接続される。尚、前記金属箔41の導体43への接続は、前記金属箔41が基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を横切るように設けられている場合、前記金属箔41の両端又は片端に導体43をハンダ付けして両端の導体又は片端の導体43をグランド部へ接続してもよい。前記金属箔41の材料としては銅、銀、アルミニウム等が挙げられる。
【0040】
上記構造のグランンド部材40は、次のようにしてシールドフィルム35に取り付けられる。導電性バンプ42が設けられた側の金属箔41の面に接着層38を形成するための粘着剤若しくは接着剤等を予め塗布しておく。次に、導電性バンプ42をカバーフィルム36に押し付ける。すると、導電性バンプ42がカバーフィルム36及び金属薄膜層37bを突き抜けて導電性接着剤層37aに侵入し、金属薄膜層37b及び導電性接着剤層37aと接続される。そして、前記金属箔41に塗布されていた接着剤若しくは粘着剤は前記グランド部材40の金属箔41とカバーフィルム36とを接着させる接着層38となって、導電性バンプ42とシールド層37との接続状態が維持される。
【0041】
尚、前記接着層38の厚みを調整することによって、導電性バンプ42のシールド層37への侵入度を調整することができる。また、導電性接着剤層37aに関して、シールド層37に金属薄膜層37bが含まれている場合、金属薄膜層37bによって導電性バンプ42とシールド層37との電気的接続の確実性を得ることができるので導電性接着剤層37aが異方導電性であってもよい。シールド層37に金属薄膜層37bが含まれていない場合、導電性バンプ42とシールド層37との確実な電気的接続を得るために、導電性接着剤層37aは異方導電性でないほうが好ましい。上記構造のFPCによると、FPCの任意の場所でグランドと接続することができる。上述の実施の形態では、片面シールドのものについて述べてきたが、両面シールドのものも当然本発明に含まれる。
【0042】
第2実施形態例を図4に基づいて説明する。図4(a)は平面図、図4(b)は、図4(a)のD−D線拡大断面図である。図4に記載のFPCは、従来技術において説明したと同様な基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を有し、新たにグランド部材44を有する。前記グランド部材44は、平板部44aと前記平板部44aから突出する複数の突起44bを有する。このような構造のグランド部材44は、エンボス加工によって金属板に突起44bを形成することによって得られる。前記金属板の材料としては銅、銀、アルミニウム等が挙げられる。前記突起44bが前記シールドフィルム35のシールド層37に接続され、平板部44aが露出してその近傍のグランド部に接続される。
【0043】
また、前記グランド部材44のシールドフィルム35への装着を確実にするために前記記突起44bが設けられた側の面とカバーフィルム36との間に接着層38を設けても良い。前記接着層38を形成するために用いる材料としては接着剤のみならず粘着剤であってもよい。さらに前記接着剤や粘着剤は導電性のもの、導電性でないものいずれでも良い。
【0044】
各突起44bの形状及び大きさ並びに数は、前記シールドフィルム35のシールド層37と適切に接触できるように適宜定められる。本実施形態例において、各突起44bは円錐形である。前記複数の突起44bは一列に並んでいるが、複数列に並んで設けても良い。その際、縦横列を揃えても良いし、千鳥格子状に配置しても良い。
【0045】
前記平板部44aの形状及び大きさは、前記突起44bが形成され、且つ、グランド部へ接続することができるように適宜定められる。前記平板部44aの一端に導体43がハンダ付けされている。導体43はグランド部へ接続される。尚、前記平板部44aの導体43への接続は、前記平板部44aが基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を横切るように設けられている場合、前記平板部44aの両端又は片端に導体43をハンダ付けして両端の導体又は片端の導体43をグランド部へ接続してもよい。
【0046】
上記構造のグランド部材44は、次のようにしてシールドフィルム35に取り付けられる。突起44bが設けられた側の平板部44aの面に接着剤若しくは粘着剤を予め塗布しておく。次に、突起44bをカバーフィルム36に押し付ける。すると、突起44bがカバーフィルム36及び金属薄膜層37bを突き抜けて導電性接着剤層37aに侵入し、金属薄膜層37b及び導電性接着剤層37aと接続される。そして、前記突起44bに塗布されていた接着剤若しくは粘着剤は前記グランド部材44の平板部44aとカバーフィルム36とを接着させる接着層38となって、突起44bとシールド層37との接続状態が維持される。尚、前記接着層38の厚みを調整することによって、突起44bのシールド層37への侵入度を調整することができる。
【0047】
また、導電性接着剤層37aに関して、シールド層37に金属薄膜層37bが含まれている場合、金属薄膜層37bによって突起44bとシールド層37との電気的接続の確実性を得ることができるので導電性接着剤層37aが異方導電性であってもよい。シールド層37に金属薄膜層37bが含まれていない場合、突起44bとシールド層37との確実な電気的接続を得るために、導電性接着剤層37aは異方導電性でないほうが好ましい。上記構造のFPCによると、FPCの任意の場所でグランドと接続することができる。なお、上述の実施の形態では、片面シールドのものについて述べてきたが、両面シールドのものも当然本発明に含まれる。
【0048】
第3実施形態例を図5に基づいて説明する。図5(a)は平面図、図5(b)は、図5(a)のE−E線拡大断面図である。図5に記載のFPCは、従来技術において説明したと同様な基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を有し、新たにグランド部材45を有する。前記グランド部材45は、金属箔46と、前記金属箔46の片面から突出する複数の金属フィラー48と、前記金属箔46と前記金属フィラー48との間にあって前記金属箔46に前記金属フィラー48を接着する導電性接着剤層47(以下、第3実施形態例において第2導電性接着剤層47という)とを有する。前記金属フィラー48が前記シールド層37の導電性接着剤層37a(以下、第3実施形態例において第1導電性接着剤層37aという)及び金属薄膜層37bに接続され、金属箔46が露出してその近傍のグランド部に接続される。
【0049】
各金属フィラー48の形状及び大きさ並びに数は、前記シールドフィルム35のシールド層37と適切に接触できるように適宜定められる。本実施形態例において、前記金属フィラー48がシールドフィルム35を突き破って基体フィルム31にまで至らないように、第2導電性接着剤層47によって高さを調整する。前記複数の金属フィラー48は一列に並んでいるが、複数列に並んで設けても良い。その際、縦横列を揃えても良いし、千鳥格子状に配置しても良い。
【0050】
前記第2導電性接着剤層47は、異方導電性接着剤層であり、金属箔46と金属フィラー48を電気的にも接続する。前記金属箔46の形状及び大きさは、金属フィラー48が接着することができ、且つ、グランド部へ接続することができるように適宜定められる。前記金属箔46の一端に導体43がハンダ付けされている。導体43はグランド部へ接続される。尚、前記金属箔46の導体43への接続は、前記金属箔46が基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を横切るように設けられている場合、前記金属箔46の両端又は片端に導体43をハンダ付けして両端の導体又は片端の導体43をグランド部へ接続してもよい。前記金属箔46の材料としては銅、銀、アルミニウム等が挙げられる。
【0051】
上記構造のグランド部材45は、次のようにしてシールドフィルム35に取り付けられる。金属フィラー48をカバーフィルム36に押し付ける。すると、金属フィラー48がカバーフィルム36及び金属薄膜層37bを突き抜けて第1導電性接着剤層37aに侵入し、第1導電性接着剤層37a及び金属薄膜層37bと接続される。そして、前記第2導電性接着剤層47によってその状態が維持される。
【0052】
尚、第1導電性接着剤層37aに関して、シールド層37に金属薄膜層37bが含まれている場合、金属薄膜層37bによって金属フィラー48とシールド層37との電気的接続の確実性を得ることができるので第1導電性接着剤層37aが異方導電性であってもよい。シールド層37に金属薄膜層37bが含まれていない場合、金属フィラー48とシールド層37との確実な電気的接続を得るために、第1導電性接着剤層37aは異方導電性でないほうが好ましい。上記構造のFPCによると、FPCの任意の場所でグランドと接続することができる。上述の実施の形態では、片面シールドのものについて述べてきたが、両面シールドのものも当然本発明に含まれる。
【0053】
第4実施形態例を図6に基づいて説明する。図6(a)は平面図、図6(b)は、図6(a)のF−F線拡大断面図である。図6に記載のFPCは、従来技術において説明したと同様な基体フィルム31及びシールドフィルム35からなるFPC本体を有する。
本実施形態例において、FPC本体の従来と異なるところは、FPC本体のシールドフィルム35の所定の位置に窓部50が設けられていることである。この窓部50の形状や大きさ、位置、数は、適宜定められる。
【0054】
この窓部50は、エキシマレーザを用いてシールドフィルム35のカバーフィルム36が除去されることによって形成される。窓部50内ではシールド層37、特に、金属薄膜層37bが露出している。この窓部50に導電性接着剤を介して導体であるグランド部材49の一端が接続される。グランド部材49の他端は近くにあるグランド部へ接続される。或いは、グランド部材49を介さずに、近くにあるグランド部がこの窓部50に直接接続されるようにしてもよい。上記構造のFPCによると、FPCの任意の場所でグランドと接続することができる。上述の実施の形態では、片面シールドのものについて述べてきたが、両面シールドのものも当然本発明に含まれる。
【0055】
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1参考実施形態例のシールドフレキシブルプリント配線板の説明図である。
【図2】第1参考実施形態例のシールドフレキシブルプリント配線板の製造方法の説明図である。
【図3】第1実施形態例のシールドフレキシブルプリント配線板の説明図である。
【図4】第2実施形態例のシールドフレキシブルプリント配線板の説明図である。
【図5】第3実施形態例のシールドフレキシブルプリント配線板の説明図である。
【図6】第4実施形態例のシールドフレキシブルプリント配線板の説明図である。
【図7】従来のシールドフレキシブルプリント配線板の説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 シールドフレキシブルプリント配線板
2 基体フィルム
3 ベースフィルム
4 プリント回路
5 絶縁フィルム
7 シールドフィルム
8 カバーフィルム
9 シールド層
10,10a グランド部材
11,11a 金属箔
12,12a 接着性樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けてなる基体フィルムの少なくとも片面に、シールドフィルムを被覆してなるシールドフレキシブルプリント配線板において、
前記シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に少なくとも導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなり、
前記シールドフィルムの外側の面において、少なくとも一部が露出してその近傍のグランド部に接続可能に形成されたグランド部材を有するとともに、
前記カバーフィルムを突き破るように設けられ、前記導電性接着剤層と前記グランド部材とを接続する導電性フィラーを有することを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
請求項1記載のシールドフレキシブルプリント配線板において、
前記グランド部材は、金属箔とその片面に設けられた導電性接着性樹脂層とからなり、前記導電性接着性樹脂は、前記金属箔と前記基体フィルムに良好な接着性を有することを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けてなる基体フィルムの少なくとも片面に、シールドフィルムを被覆してなるシールドフレキシブルプリント配線板において、
前記シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に少なくとも導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなり、
前記シールドフィルムの外側の面において、少なくとも一部が露出してその近傍のグランド部に接続可能に形成されたグランド部材を有し、
前記グランド部材が、前記シールドフィルム側の面に、前記シールドフィルムの途中まで貫入した導電性突出部を有していることを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
請求項3記載のシールドフレキシブルプリント配線板において、
前記グランド部材は、金属箔とその片面に設けられた接着性樹脂層とからなり、前記接着性樹脂は、前記導電性突出部以外の前記金属箔と前記シールドフィルムに良好な接着性を有することを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシールドフレキシブルプリント配線板において、
前記グランド部材は、その長手方向が前記シールドフィルムの長手方向に直交するように配設されていることを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
ベースフィルム上にプリント回路と絶縁フィルムを順次設けてなる基体フィルムの少なくとも片面に、シールドフィルムを被覆してなるシールドフレキシブルプリント配線板において、前記シールドフィルムは、カバーフィルムの片面に導電性接着剤層を含むシールド層を設けたフィルムであって、
その導電性接着剤層が前記基体フィルムに接着するように被覆してなり、前記シールドフィルムの所定の位置に、前記シールド層を露出させる窓部を有し、前記窓部はその近傍のグランド部に接続可能に形成されていることを特徴とするシールドフレキシブルプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−78677(P2008−78677A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285878(P2007−285878)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【分割の表示】特願2002−189385(P2002−189385)の分割
【原出願日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願人】(000108742)タツタ電線株式会社 (76)
【Fターム(参考)】