説明

シールド型フレキシブルプリント配線板、その製造方法、および電子機器

【課題】 良好なデジタル信号の伝送をすることができ、かつ能率良く大量生産することが可能な、シールド型フレキシブルプリント配線板等を提供する。
【解決手段】 第1カバー絶縁層5とベース絶縁層1とは、配線回路3の隙間を埋めて覆うように位置する第1接着剤層4に介在されて接着され、第1カバー絶縁層5および第1接着剤層4にはグランド回路上に開口部4h,5hが設けられ、導電層7とグランド回路3gとは、開口部を通る導電性接着剤6により導電接続されており、第1カバー絶縁層5が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド型フレキシブルプリント配線板、その製造方法、および電子機器に関し、より具体的には、高いシールド性能と、信号の高周波成分の低損失とを兼備した、シールド型フレキシブルプリント配線板、その製造方法、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高周波信号、デジタル信号を扱う電子機器におけるノイズ防止やクロストーク防止のために、静電シールド、磁気シールド、電磁シールドなどの対策がとられる。フレキシブルプリント配線板においても、ノイズ対策およびクロストーク対策は、高速化・高密度化の流れの中で、重要性を高めている。フレキシブルプリント配線板において、高周波信号、デジタル信号に影響を及ぼす、ノイズやクロストーク等は、雑音電波等をシールドすることで行われる。具体的には、通常、アースをとった導電層により配線回路を被覆する構造をとることで行われる(特許文献1〜3)。上記の構造は、主として静電シールド作用、副次的に電磁シールド作用を高めるが、本発明では、とくに断らない限り、上記のシールド作用を区別しないで一括してシールド作用として説明する。上記の従来のシールド型フレキシブルプリント配線板では、上記のアースをとった導電層による被覆を実現しながら、可撓性の確保、簡単な上記アース構造の形成、などを目標にして技術開発がなされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3434021号
【特許文献2】特開平8−78912号公報
【特許文献3】特開平11−162267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の、シールド型フレキシブルプリント配線板は、アース付き導電層の被覆によって、外部からのノイズ電波の侵入、および当該配線板の信号から発せられる電波の外部への放射をシールドすることができる。しかし、高速化・高密度化の要求の下、シールドの高周波特性が不十分なことに起因する問題が重要になってきた。このため、ストリップラインまたはマイクロストリップラインにおけるシールドの高周波特性を向上することが求められている。
また、フレキシブルプリント配線板は電気産業とくにIT産業全般の基礎になる重要部品であり、大量に使用される趨勢にあるため、製造においては能率良く大量生産できることが、常に求められている。
本発明は、良好な高周波信号・デジタル信号の伝送をすることができ、かつ能率良く大量生産することが可能な、シールド型フレキシブルプリント配線板、その製造方法、および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシールド型フレキシブルプリント配線板は、フレキシブルプリント配線板と、該フレキシブルプリント配線板上に位置するシールド層とを備える。このシールド型フレキシブルプリント配線板は、ベース絶縁層と、該ベース絶縁層上に位置し、信号回路およびグランド回路を有する配線回路と、該配線回路上に位置する第1カバー絶縁層とを有し、第1カバー絶縁層とベース絶縁層とは、該配線回路の隙間を埋めて覆うように位置する第1接着剤層に介在されて接着される。そして、第1カバー絶縁層および第1接着剤層には、グランド回路の上側に開口部が設けられ、シールド層は、第1カバー絶縁層に導電性接着剤を介在させて接着される導電層と、該導電層を被覆する第2カバー絶縁層とを有し、その導電層とグランド回路とは、開口部を通る導電性接着剤により導電接続されており、第1カバー絶縁層が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0006】
上記の構成では、シールド層が配線回路へのノイズ電波の侵入および当該配線回路からのノイズ電波の外部への放射、に対するシールドを行う。しかしながら、配線回路とシールド層との間には、第1カバー絶縁層や第1接着剤層が位置しており、仮に第1カバー絶縁層が、誘電率が低く抑制された誘電体でない場合、配線回路を伝送される信号の高周波成分は、その誘電体により漏れてしまうという問題を生じる。この結果、配線回路を伝送される信号の高周波成分の損失が増大する。たとえばデジタル信号の矩形波のフーリエ成分は、高周波成分を含むが、高周波成分の損失によって矩形波の立ち上がり、および立ち下がり部分が崩れて、急峻なオンオフができなくなる。このため意図するような応答性を得ることができない。しかし、本発明では、第1カバー絶縁層の比誘電率(1MHz)を3以下、誘電正接(1MHz)0.005以下としているので、上記の信号の高周波成分の漏れまたは損失を抑制することができ、たとえば矩形波の急峻な立ち上がり、立ち下がりの矩形波を維持して良好なデジタル信号等の伝送を遂行することができる。
また、第1カバー絶縁層は、ベース絶縁層との間に配線回路を挟んで、該配線回路内の隙間を埋めながら覆う第1接着剤層に介在されて接着される。このような積層構造の場合、配線回路はベース絶縁層上に隙間を伴う凹凸を形成するが、溶剤等により流動性を容易に制御できる第1接着剤を用いることで、隙間を伴う凹凸があっても、充填しながら簡単に能率良く貼り合わせることができる。上記の隙間を伴う凹凸の充填を容易にするという作用については、第1接着剤が、第1カバー絶縁層と一体化して多層構造を形成した層状の接着剤であっても、同じである。このような第1カバー絶縁層と一体化した層状の接着剤は、上記隙間を伴う凹凸の充填の容易さに加えて、作業性を向上することができ、より量産性に優れている。さらに、第1カバー絶縁層および第1接着剤層の開口部を通して、導電性接着剤によりシールド層の導電層とグランド回路とを導電接続するので、能率良くグランドへの導電接続を実現することができる。
なお、フレキシブルプリント配線板は片面板および両面板のどちらでもよく、またシールド層は、片側にのみ配置されていても、両側ともに配置されていても、上記の構成が少なくとも片側で満たされれば、何でもよい。
【0007】
上記の第1接着剤を、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.02以下の樹脂を主成分として形成することができる。これによって、製造能率の向上とともに、第1接着剤層による高周波成分の損失を抑制することができる。この第1接着剤層は、上述のように隙間を伴う凹凸を充填して配置されるので、積層構造内での厚みの比率が大きい。このため、この第1接着剤の誘電率を上記のように低く抑えることは、第1カバー絶縁層の低誘電率化とともに、高周波成分の損失抑制に対して大きな比重を占める。
【0008】
上記の導電層および導電性接着剤を導電性ペーストで形成することができる。導電性ペーストを用いることで、小回りがきく取り扱いができ、スクリーン印刷等により塗布でき、簡単にシールド層を形成することができる。この場合、製品状態において、(導電粒子+接着樹脂)の接着樹脂は可撓性、柔軟性が高いことが望ましい。
【0009】
第1カバー絶縁層を、液晶ポリマーで形成することができる。これによって、市販の絶縁樹脂を用いて、第1カバー絶縁層の低誘電率化を実現することができる。
【0010】
上記のベース絶縁層および第2カバー絶縁層の少なくとも一方を、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成することができる。これによって、高周波成分の信号の損失を抑制することができる。
【0011】
ベース絶縁層のおもて面側に、上記のいずれかの構成を備える両面板のフレキシブルプリント配線板であって、ベース絶縁層の裏面上に位置する裏面配線回路を備え、当該裏面配線回路は、全幅にわたってグランド回路で形成されており、配線回路と裏面配線回路とに挟まれる、ベース絶縁層、および該ベース絶縁層の表裏面に位置して、配線回路および裏面配線回路を接着する、ベース接着剤層および裏面ベース接着剤層が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を主成分として形成されることができる。これによって、おもて面側の誘電体による漏れの抑制とともに、信号回路と裏面のグランド回路との間に位置する誘電体による高周波成分の漏れ、または損失をも抑制することができる。また、上記裏面のグランド回路は実質的にシールド機能を奏するので、両面シールドの効果を得ることができる。
【0012】
フレキシブルプリント配線板は、ベース絶縁層を中心層として、一面側にのみ配線回路を有する片面板、または両面側に配線回路を有する両面板であり、片面板および両面板の場合において、ベース絶縁層の両面側ともにシールド層を備え、一方のシールド層の導電層は、開口部を通して導電性接着剤でグランド回路に導電接続され、他方のシールド層の導電層は、グランド回路に非対応の開口部を通して、一方のシールド層の導電層に導電性接着剤で導電接続されていることができる。上記のように、両側シールドの場合、一方のシールド層の導電層を相手側のシールド層の導電層を経由してアースすることで、片面板でも両面シールドの作用を得ることができる。この構成では、細部は相互に異なるが、ベース絶縁層を鏡面対称にしてベース絶縁層の両側(おもて面側および裏面側)に、配線回路/第1接着剤層/第1カバー絶縁層/導電性接着剤層/シールド層、が配置される。なお、裏面側の各層を、おもて面側の対応する層と区別するために「裏面」という限定を付す場合がある。
【0013】
本発明のシールド型フレキシブルプリント配線板の製造方法は、フレキシブルプリント配線板と、導電層を含むシールド層とを備えるシールド型フレキシブルプリント配線板を製造する。この方法では、ベース絶縁層上に、信号回路およびグランド回路を含む配線回路を形成する工程と、第1接着剤層が設けられた、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の第1カバー絶縁層を貫通する開口部を設ける工程と、開口部を前記グランド回路に合わせて、第1接着剤層を前記配線回路に押し付けて該配線回路の隙間を埋めながら、ベース絶縁層と前記第1カバー絶縁層とを、配線回路を覆う第1接着剤層に介在されるように接着する工程と、導電性接着剤層が設けられた導電層を含むシールド層を、開口部を前記導電性接着剤が通るように、第1カバー絶縁層に押して付けて、グランド回路と該導電層とを導通させながら該導電性接着剤によって第1カバー絶縁層に接着する工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記の方法によれば、第1カバー絶縁層は、ベース絶縁層との間に、配線回路を挟むように、該配線回路内の隙間に第1接着剤を充填させてベース絶縁層および配線回路に接着される。このような積層構造の場合、配線回路はベース絶縁層上に隙間を伴う凹凸を形成するが、溶剤等により流動性を容易に制御できる第1接着剤を用いることで、隙間を伴う凹凸があっても、充填しながら簡単に能率良く貼り合わせることができる。さらに、第1カバー絶縁層の開口部を通して、導電性接着剤によりシールド層の導電層とグランド回路とを導電接続するので、能率良く導電接続を実現することができる。そして、第1カバー絶縁層の低い誘電率および誘電正接により、高周波成分の漏れを抑制することができる。
【0015】
ベース絶縁層と前記第1カバー絶縁層とを、配線回路を覆う第1接着剤層に介在されるように接着する工程の後に、導電性接着剤層が設けられた導電層を含むシールド層に代えて、導電ペースト導電層を含むシールド層を設けるために、開口部を充填しながら第1カバー絶縁層を被覆するように、導電性ペーストを塗布して導電ペースト導電層を形成し、該導電ペースト導電層とグランド回路とを導通させる工程を備えることができる。これによって、上記の製造方法における利点とともに、導電性ペーストを用いることで、小回りがきく取り扱いをすることができる。導電性ペーストは、たとえばスクリーン印刷等により塗布でき、簡単にシールド層を形成することができる。
【0016】
本発明の電子機器は、上記のいずれかのシールド型フレキシブルプリント配線板を備えることを特徴とする。これによって、高周波成分の損失が少なく、急峻な立ち上がり立ち下がりのデジタル信号を得ることができ、応答性および経済性に優れた電子機器を得ることができる。電子機器には、各種の薄型テレビ受像器、携帯端末、などを挙げることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、 良好な高周波信号・デジタル信号の伝送をすることができ、かつ能率良く大量生産することが可能な、シールド型フレキシブルプリント配線板等を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図2】図1のシールド型FPCの製造方法を説明するための、(a)はFPCを組み立てる直前、(b)はシールド型FPCを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図5】図4のシールド型FPCの製造方法を説明するための、(a)はFPCを組み立てる直前、(b)はシールド型FPCを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態4におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図7】図6のシールド型FPCの製造方法を説明するための、(a)はFPCを組み立てる直前、(b)はシールド型FPCを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図9】図8のシールド型FPCの製造方法を説明するための、(a)はFPCを組み立てる直前、(b)はシールド型FPCを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態6におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図11】図10のシールド型FPCの製造方法を説明するための、(a)はFPCを組み立てる直前、(b)はシールド型FPCを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態7におけるシールド型FPCを示す断面図である。
【図13】図12のシールド型FPCの製造方法を説明するための、(a)はFPCを組み立てる直前、(b)はシールド型FPCを組み立てる直前の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1−片面板・片側シールド・金属箔導電層−)
図1は、本発明の実施の形態1におけるシールド型フレキシブルプリント配線板(以下、シールド型FPCと記す)10を示す断面図である。このシールド型FPC10は、シールド層のシールドフィルム52と、FPC51とを主要部分とする。FPC51は、ベース絶縁層1と、ベース接着剤層2と、信号回路3aおよびグランド回路3gを有する配線回路3と、配線回路3の隙間を埋めながら覆う第1接着剤層4と、その第1接着剤層4に接着される第1カバー絶縁層5とを備える。第1接着剤層4および第1カバー絶縁層5には、同じ位置に開口部4h,5hがあけられて、この開口部4h,5hをシールドフィルム52の導電性接着剤6の開口接続部(充填部)6dが通り、グランド回路3gと導通をとっている。シールドフィルム52は、上記の導電性接着剤6と、導電層7、第2カバー絶縁層8とを有する。
【0020】
シールドフィルム52に含まれる導電層7は、外部から侵入してくるノイズ電波、および当該信号回路から外部へ放射されるノイズ電波を遮蔽し、また信号回路3a内のクロストークを防止することができる。しかし、導電層7と信号回路3aとの間に、誘電率が低く抑制された誘電体が配置されないとき、誘電率の大きさの傾向に応じて信号の高周波成分は漏れて損失を生じ、また信号回路3の配線どうしクロストークの原因となる。換言すれば、シールドフィルム52内の接地された導電層7によって、信号回路3aとの間に容量を生じ、導電層7と信号回路3aとの間の誘電体の誘電率の大きさの傾向に応じて容量が高くなり、信号の高周波成分が漏れる現象が生じる。信号の高周波成分がその誘電体に起因して漏れると、たとえば矩形波のフーリエ成分のうち高周波成分の損失が大きくなり、合成しても、立ち上がり、立ち下がり部分が急峻にならない。このため、高速スイッチング等の応答性に支障をきたす。本実施の形態では、少なくとも第1カバー絶縁層5は、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成される。とくに、液晶ポリマーで形成することができる。さらに第1接着剤層4を、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を主成分とすることができる。これによって、シールドフィルム52の導電層7によってノイズ電波をシールドしながら、信号回路3aの高周波成分の漏れを抑制することができ、良好な矩形波等を伝送することができる。さらに、第1接着剤層4の誘電率および誘電正接を上記の範囲に低くすることで、より一層、高周波信号の漏れを抑制することができる。なお、ベース絶縁層1、ベース接着剤層2および第2カバー絶縁層8についても、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成してもよい。配線回路3と導体層7との間に位置しないが、ノイズ発生原因、高周波成分の漏れ原因は、非常に複雑であり、シールド型FPCの構造によっては大きな効果を奏する場合がある。
【0021】
次に、図1に示すシールド型FPC10の製造方法について説明する。図2(a)はベース絶縁層1/ベース接着剤層2/配線回路3(信号回路3a、グランド回路3g)に対して、開口部Hがあけられた、積層体の、第1接着剤層4/第1カバーカバー絶縁層5、を押し付けようとする状態を示す断面図である。第1接着剤層4は、第1カバー絶縁層5に一体化しており、本製造工程において製造効率を向上することができる。開口部Hは、第1接着剤層4の開口部4hおよび第1カバー絶縁層5の開口部5hによって形成され、平面的に見てグランド回路3gに合わせている。第1接着剤層4の厚み、および流動性は、押し付けによって、配線回路3における隙間を伴う凹凸を埋めて、配線回路3の厚みよりも厚くなるように調整する。この押し付けおよび接着により、グランド回路3gが露出するFPC51は完成される。押し付けにおいて、熱プレスを用いることができる。とくに第1接着剤4が熱硬化性樹脂を主成分に含む場合、加熱して硬化させるのがよい。
【0022】
図2(b)は、FPC51にシールドフィルム52を貼り付けようとする状態を示す断面図である。シールドフィルム52は、導電性接着剤層6/導電層の銀箔7/第2カバー絶縁層8から形成される。シールドフィルム52とFPC51との接続については、導電性接着剤6によって、FPC51の第1カバー絶縁層5に接着しながら、開口部H内に導電性接着剤6を押し込んで通し、グランド回路3gに導電性接着剤を接着させて、グランド回路3gとの導通をとることができる。
【0023】
次に各部分の材料について説明する。
1.FPC51
(1)第1カバー絶縁層5
第1カバー絶縁層5には、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を用いる。たとえばポリオレフィン系の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどをあげることができる。また、液晶ポリマーを好適に用いることができる。さらに環状オレフィンポリマー、非極性ポリオレフィン、シクロヘキサンジエン系ポリマーなどがある。各種のポリフェニレンエーテルを用いてもよい。第1カバー絶縁層5の厚みは、2μm〜100μm程度とするのがよい。
(2)第1接着剤層4
第1接着剤には、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を主成分とするものがよい。接着剤として、たとえばポリスチレン系、ポリエチレン系などのホットメルト系接着剤を用いるのがよい。これによって、上述の製造能率の向上と、高周波成分の損失抑制とを共に得ることができる。また、ポリエステル系やポリアミド系の、ホットメルト系接着剤、エポキシ樹脂は、比誘電率(1MHz)が3を超えるものが多いので、信号の高周波成分の漏れ抑止を重視する場合には、好ましくない。しかし、その他の多くの利点を有するので、広くは用いてもよい。しかし、第1接着剤層4の厚みは、ベース接着剤層2と第1カバー絶縁層5との距離であり、1.5μm〜60μm程度とするのがよい。
(3)配線回路3
配線回路3は、銅、アルミニウム、ニッケル、金、はんだ、またはこれらの合金を用いることができる。これらは金属めっきによって形成する場合が多いが、金属めっきの下地には、銅、銅を主成分とする合金、たとえば銅薄膜、クロム薄膜等を形成するのがよい。下地層を含めて配線回路3の厚みは、1μm〜50μmとするのがよい。
(4)ベース絶縁層1、ベース接着剤層2
−通常の場合−:高い耐熱性および柔軟性を重視して、ベース絶縁層1には、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂を用いる。また、ベース接着剤2には、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等を主成分に含むものを用いることができる。ベース絶縁層1の厚みは、5μm〜200μm程度、またベース接着剤層2は、0.5μm〜30μm程度とするのがよい。
−低誘電率重視の場合−:ベース絶縁層1には、第1カバー絶縁層5の説明で挙げた樹脂を用いるのがよい。ベース接着剤層2についても、第1接着剤層4に挙げた接着剤を用いるのがよい。
2.シールドフィルム52
(1)導電層7
銀箔を用いるのが好ましいが、銅、アルミニウム、亜鉛めっき軟鉄の箔を用いてもよい。厚みは、厚いほうが好ましいが、小型化、軽量化より、たとえば0.3μm〜20μmとするのがよい。
(2)導電性接着剤6
金属粒子等の導電性フィラーをバインダー樹脂中に分散したものを用いるのがよい。金属粒子としては、たとえば銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム等を用いることができる。とくに銀粉末、銀で被覆した銅粉末は導電性が高いので、好ましい。バインダー樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を使用するのがよい。とくに、これらのうち、耐熱性向上のために、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂を用いる場合には、たとえばビスフェノールA型、F型、S型、AD型、またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、高分子エポキシ樹脂のフェノキシ樹脂等を用いるのがよい。上記のバインダー樹脂は、スクリーン印刷など行う場合、溶剤に溶解して使用することができる。導電性接着剤6の、第1カバー絶縁層5上の厚みは、2μm〜100μm程度とするのがよい。
(3)第2カバー絶縁層8
導電層7を被覆するために、第2カバー絶縁層8が形成される。第2カバー絶縁層8は、ベース絶縁層1と同様に、高い耐熱性および柔軟性を重視して、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂を用いるのがよい。また、より耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)を用いてもよい。しかし、低誘電率を重視する場合には、ポリオレフィン系の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどをあげることができる。また、液晶ポリマーを好適に用いることができる。さらに環状オレフィンポリマー、非極性ポリオレフィン、シクロヘキサンジエン系ポリマーなどがある。各種のポリフェニレンエーテルを用いてもよい。第2カバー絶縁層8の厚みは、2μm〜100μm程度とするのがよい。
【0024】
(実施の形態2−片面板・両側シールド・金属箔導電層−)
図3は、本発明の実施の形態2におけるシールド型FPC10を示す断面図である。本実施の形態におけるシールド型FPC10では、FPC51は片面板であり、同じく片面板の実施の形態1とは、次の2点で相違している。
(1)シールドフィルム52が上下からFPC51を挟む両側シールドである。
(2)グランド回路に非対応の開口部を通して、おもて面のシールド層と裏面のシールド層が導電性接着剤で導電接続されている。
その他の点では同じである。おもて面側のシールドフィルム52における接地した導電層7は、導電性接着剤6のグランド部6dによってグランド回路3gに導通されている。しかし、裏面側のシールドフィルム52の導電層17は、導電性接着剤16の開口接続部16dによって、おもて面側の導電性接着剤の開口接続部6dを介在させて、おもて面側の導電層7に導電接続されている。このため、裏面側のシールドフィルム52の導電層17は、おもて面側の導電層7を経由して、グランド回路3gに導通がとられている。このような構造の利点は、片面板で両面シールドができることである。
【0025】
本実施の形態においては、片面板のFPC51の両側がシールドされるので、ノイズ電波の外部への漏洩、および外部からのノイズ電波の侵入を、より確実に防止することができる。その他の部分の材料の選択、およびその作用効果については、実施の形態1に示した内容をそのまま適用することができる。
【0026】
(実施の形態3−両面板・片側シールド・金属箔導電層−)
図4は、本発明の実施の形態3におけるシールド型FPC10を示す断面図である。本実施の形態におけるシールド型FPC10は、FPC51は両面板であり、シールドフィルム52が片側(おもて面側)に配置されている。FPC51の片面側(おもて面側)は、実施の形態1と同じである。FPC51の裏面側については、ベース絶縁層1の裏面側に、裏面ベース接着層12を介在させて裏面グランド回路13gが設けられている。裏面グランド回路13gは裏面第1接着層14付き裏面第1カバー絶縁層15によって被覆されている。裏面グランド回路13gは、グランドとして機能するが、加えて、シールドフィルム51における導電層7と同様に、ノイズ電波の外部漏洩および侵入を防止する作用を奏する。したがって、両側シールドとほぼ同じ高いシールド効果を得ることができる。
【0027】
製造方法は、図5(a)、(b)に示すようにする。まず、両面板のFPC51を形成する。これは、ベース絶縁層1を芯材とする両面銅張り板を準備して、おもて面側の銅層を、レジストパターンを設けてエッチングするなどして製造することができる。おもて面側からは第1接着剤層4付き第1カバー絶縁層5を、また裏面側からは裏面第1接着剤層14付き裏面第1カバー絶縁層15を押し付けて、接着する。このとき、熱プレス等を用いることができる。第1接着剤層4および裏面第1接着剤層14などについては、実施の形態1における第1接着剤を用いることができる。次いで、開口部Hから露出するグランド回路3gに、導電性接着剤6を押し込みグランド回路3gと導電接続するように、シールドフィルム52を押し付け、導電性接着剤6によって第1カバー絶縁層5に接着する。
【0028】
本実施の形態においては、信号回路3aと裏面グランド回路13gとの間に位置する、ベース絶縁層1、ベース接着層2、および裏面ベース接着層12は、信号の高周波成分の漏れに対して、第1カバー絶縁層5および第1接着剤層4と同じように、大きな影響を及ぼす。すなわち、ベース絶縁層1は、実施の形態1における第1カバー絶縁層5と同じ位置づけとなり、またベース接着層2および裏面ベース接着層12は、第1接着剤層4と同じ位置づけとなる。したがって、次のように、各部分の材料の誘電率および誘電損失を設定するのがよい。
(1)第1カバー絶縁層5およびベース絶縁層1
第1カバー絶縁層5およびベース絶縁層1には、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を用いる。たとえばポリオレフィン系の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどをあげることができる。また、液晶ポリマーを好適に用いることができる。さらに環状オレフィンポリマー、非極性ポリオレフィン、シクロヘキサンジエン系ポリマーなどがある。各種のポリフェニレンエーテルを用いてもよい。
(2)第1接着剤層4、ベース接着剤層2および裏面ベース接着剤層12
第1接着剤層4、ベース接着剤層2および裏面ベース接着剤層12には、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を主成分とするものがよい。接着剤として、たとえばポリスチレン系、ポリエチレン系などのホットメルト系接着剤を用いるのがよい。ポリエステル系やポリアミド系の、ホットメルト系接着剤、エポキシ樹脂は、比誘電率(1MHz)が3を超えるものが多いので、信号の高周波成分の漏れ抑制を重視する場合には、好ましくない。しかし、その他の利点を重視する場合は用いてもよい。
【0029】
(実施の形態4−両面板・両側シールド・金属箔導電層−)
図6は、本発明の実施の形態4におけるシールド型FPC10を示す断面図である。本実施の形態におけるシールド型FPC10は、FPC51は両面板であり、シールドフィルム52が両側に配置されている。おもて面側のシールドフィルム52は、ベース絶縁層1側から、導電性接着剤6/導電層である金属箔7/第2カバー絶縁層8から構成され、また裏面側のシールドフィルム52は、裏面導電性接着剤16/裏面導電層17/裏面第2カバー絶縁層18から構成される。FPC51のおもて面側(上面側)は、実施の形態1と同じである。FPC51の裏面(下面側)については、ベース絶縁層1の裏面側に、裏面ベース接着剤層12を介在させて、裏面信号回路13aおよび裏面グランド回路13gが設けられている。裏面グランド回路13gは、裏面第1接着層14付き裏面第1カバー絶縁層15によって被覆されている。裏面第1接着剤層14および裏面第1カバー絶縁層15には、それぞれ開口部14h,15hが設けられている。図6に示すように、おもて面(上面)側の配線回路3と裏面(下面)側の配線回路13に、違いはあるが、その他の多層構造は、ベース絶縁層1を対称面にして、上下は鏡面対称的である。 製造方法は、図7(a),(b)に示すように、実施の形態1で説明した内容をおもて面側だけでなく裏面側にも適用する。
【0030】
本実施の形態においては、各部分の低誘電率化による信号の高周波成分の損失防止は、実施の形態1の説明内容を、おもて面側と裏面側とに適用することができる。したがって、次のように、各部分の材料の誘電率および誘電損失を設定するのがよい。
(1)第1カバー絶縁層5および裏面第1カバー絶縁層15
第1カバー絶縁層5および裏面第1カバー絶縁層15には、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を用いる。たとえばポリオレフィン系の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどをあげることができる。また、液晶ポリマーを好適に用いることができる。さらに環状オレフィンポリマー、非極性ポリオレフィン、シクロヘキサンジエン系ポリマーなどがある。各種のポリフェニレンエーテルを用いてもよい。
(2)第1接着剤層4および裏面第1接着剤層14
第1接着剤層4および裏面第1接着剤層14には、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を主成分とするものがよい。接着剤として、たとえばポリスチレン系、ポリエチレン系などのホットメルト系接着剤を用いるのがよい。ポリエステル系やポリアミド系の、ホットメルト系接着剤、エポキシ樹脂は、比誘電率(1MHz)が3を超えるものが多く、好ましくない。
その他の部分である、ベース絶縁層1、第2カバー絶縁層8、およびベース接着剤層2は、実施の形態1に説明した内容をそのまま適用することができる。また、裏面側の裏面第2カバー絶縁層8、および裏面ベース接着剤層12については、対応するおもて面(上面)側の材料を用いることができる。
【0031】
(実施の形態5−片面板・片側シールド・導電ペースト導電層−)
図8は、本発明の実施の形態5におけるシールド型FPC10を示す断面図である。本実施の形態におけるシールド型FPC10は、FPC51は片面板であり、シールド層53の導電ペースト37が上からFPC51に積層されている。また、図9(a),(b)は、このシールド型FPC10の製造方法を示す図である。実施の形態1のシールド型FPC10と、シールドフィルム52の(金属箔7/導電性接着剤層6)が、シールド層53の導電ペースト37に代わる点で相違しているが、その他の点では実施の形態1と同じである。本実施の形態では、結局、実施の形態1における金属箔を省略し、導電性接着剤を金属箔に積層された付属物でなく、個別に取り扱うことができる導電ペーストにより代用することになる。本実施の形態における導電性ペースト37には、実施の形態1で説明した上記の導電性接着剤6を金属箔に積層された積層体という形態ではなく、個別に取り扱う物とすれば、材料内容については、そのまま当て嵌めることができる。すなわち金属粒子等をバインダー樹脂に分散させたものを用いることができる。流動性を調整するために溶剤を用いるのが好ましいことも、実施の形態1で説明したとおりである。導電ペースト37を用いる場合、作業性は、一体化された積層体の(金属箔7/導電性接着剤層6)に劣るかもしれないが、スクリーン印刷などを用いて、対応することが可能である。本実施の形態の場合、シールドフィルム52を用いる場合に比べて、材料費を節減する利点がある。ノイズ電波のシールド、信号の高周波成分の漏れについては、実施の形態1の説明をそのまま適用することができる。
【0032】
(実施の形態6−両面板・片側シールド・導電ペースト導電層−)
図10は、本発明の実施の形態6におけるシールド型FPC10を示す断面図である。本実施の形態におけるシールド型FPC10は、FPC51は両面板であり、シールド層53の導電ペースト37が上からFPC51に積層されている。また、図11(a),(b)は、このシールド型FPC10の製造方法を示す図である。実施の形態3のシールド型FPC10と、シールドフィルム52の(金属箔7/導電性接着剤層6)が、シールド層53の導電ペースト37に代わる点で相違しているが、その他の点では実施の形態3と同じである。本実施の形態では、結局、実施の形態3における金属箔を省略し、導電性接着剤を金属箔に積層された付属物でなく、個別に取り扱うことができる導電ペーストにより代用することになる。本実施の形態における導電性ペースト37には、実施の形態1または3で説明した上記の導電性接着剤6を金属箔に積層された積層体という形態ではなく、個別に取り扱う物とすれば、材料内容については、そのまま当て嵌めることができる。すなわち金属粒子等をバインダー樹脂に分散させたものを用いることができる。流動性を調整するために溶剤を用いるのが好ましいことも、実施の形態1または3で説明したとおりである。導電ペースト37を用いる場合、(作業性は金属箔7/導電性接着剤層6)に劣るかもしれないが、スクリーン印刷などを用いて、対応することが可能である。本実施の形態の場合、シールドフィルム52を用いる場合に比べて、材料費を節減する利点がある。ノイズ電波のシールド、信号の高周波成分の漏れについては、実施の形態1または3の説明をそのまま適用することができる。
【0033】
(実施の形態7−両面板・両側シールド・導電ペースト導電層−)
図12は、本発明の実施の形態7におけるシールド型FPC10を示す断面図である。本実施の形態におけるシールド型FPC10は、FPC51は両面板であり、シールド層53の導電ペースト37,47が上下から、開口部接続部37d,47dを介してFPC51に積層されている。また、図13(a),(b)は、このシールド型FPC10の製造方法を示す図である。実施の形態4のシールド型FPC10と、シールドフィルム52の(金属箔7/導電性接着剤層6)が、シールド層53の導電ペースト37に代わる点で相違しているが、その他の点では実施の形態4と同じである。本実施の形態では、結局、実施の形態4における金属箔を省略し、導電性接着剤を金属箔に積層された付属物でなく、個別に取り扱うことができる導電ペーストにより代用することになる。本実施の形態における導電性ペースト37には、実施の形態1または4で説明した上記の導電性接着剤6を金属箔に積層された積層体という形態ではなく、個別に取り扱う物とすれば、材料内容については、そのまま当て嵌めることができる。すなわち金属粒子等をバインダー樹脂に分散させたものを用いることができる。流動性を調整するために溶剤を用いるのが好ましいことも、実施の形態1または3で説明したとおりである。導電ペースト37,47を用いる場合、量産の作業性は(金属箔7/導電性接着剤層6)に劣るかもしれないが、スクリーン印刷などを用いて、対応することが可能である。本実施の形態の場合、シールドフィルム52を用いる場合に比べて、材料費を節減する利点がある。ノイズ電波のシールド、信号の高周波成分の漏れについては、実施の形態1または4の説明をそのまま適用することができる。
【0034】
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明により、良好な高周波信号・デジタル信号の伝送をすることができ、かつ能率良く大量生産することが可能な、シールド型フレキシブルプリント配線板等を得ることができ、各種の電子機器の信頼性を向上するのに資することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 ベース絶縁層、2 ベース接着層、3 配線回路、3a 信号回路、3g グランド回路、4 第1接着層、4h 開口部、5 第1カバー絶縁層、5h 開口部、6 導電性接着層、6d 導電性接着剤の開口接続部、7 導電層(金属箔)、8 第2カバー絶縁層、10 シールド型FPC、12 裏面ベース接着層、13 裏面の配線回路、13a 裏面の信号回路、13g 裏面のグランド回路、14 裏面の第1接着層、15 裏面の第1カバー絶縁層、16 裏面の導電性接着層、16d 裏面の導電性接着剤の開口接続部、17 裏面の金属箔(導電層)、18 裏面の第2カバー絶縁層、37 導電ペースト、37d 導電ペーストの開口接続部、47 裏面の導電ペースト、47d 裏面の導電ペーストの開口接続部、51 FPC、52 シールドフィルム(金属箔シールド層)、53 導電ペーストシールド層、H 開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント配線板と、該フレキシブルプリント配線板上に位置するシールド層とを備えるシールド型フレキシブルプリント配線板であって、
前記フレキシブルプリント配線板は、ベース絶縁層と、該ベース絶縁層上に位置し、信号回路およびグランド回路を有する配線回路と、該配線回路上に位置する第1カバー絶縁層とを有し、
前記第1カバー絶縁層と前記ベース絶縁層とは、該配線回路の隙間を埋めて覆うように位置する第1接着剤層に介在されて接着され、
前記第1カバー絶縁層および前記第1接着剤層には、前記グランド回路の上側に開口部が設けられ、
前記シールド層は、前記第1カバー絶縁層に導電性接着剤を介在させて接着される導電層と、該導電層を被覆する第2カバー絶縁層とを有し、
前記導電層とグランド回路とは、前記開口部を通る前記導電性接着剤により導電接続されており、
前記第1カバー絶縁層が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成されていることを特徴とする、シールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記第1接着剤が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.02以下の樹脂を主成分として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
前記導電層および導電性接着剤が導電性ペーストで形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
前記第1カバー絶縁層が、液晶ポリマーで形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
前記ベース絶縁層および第2カバー絶縁層の少なくとも一方が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂で形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
前記ベース絶縁層のおもて面側に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の構成を備える両面板のフレキシブルプリント配線板であって、前記ベース絶縁層の裏面上に位置する裏面配線回路を備え、当該裏面配線回路は、全幅にわたってグランド回路で形成されており、前記配線回路と裏面配線回路とに挟まれる、前記ベース絶縁層、および該ベース絶縁層の表裏面に位置して、前記配線回路および裏面配線回路を接着する、ベース接着剤層および裏面ベース接着剤層が、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の樹脂を主成分として形成されていることを特徴とする、シールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項7】
前記フレキシブルプリント配線板は、前記ベース絶縁層を中心層として、一面側にのみ配線回路を有する片面板、または両面側に配線回路を有する両面板であり、前記片面板および両面板の場合において、前記ベース絶縁層の両面側ともに前記シールド層を備え、一方のシールド層の導電層は、前記開口部を通して前記導電性接着剤でグランド回路に導電接続され、他方のシールド層の導電層は、グランド回路に非対応の開口部を通して、前記一方のシールド層の導電層に導電性接着剤で導電接続されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板。
【請求項8】
フレキシブルプリント配線板と、導電層を含むシールド層とを備えるシールド型フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
ベース絶縁層上に、信号回路およびグランド回路を含む配線回路を形成する工程と、
第1接着剤層が設けられた、比誘電率(1MHz)3以下、かつ誘電正接(1MHz)0.005以下の第1カバー絶縁層を貫通する開口部を設ける工程と、
前記開口部を前記グランド回路に合わせて、前記第1接着剤層を前記配線回路に押し付けて該配線回路の隙間を埋めながら、前記ベース絶縁層と前記第1カバー絶縁層とを、前記配線回路を覆う第1接着剤層に介在されるように接着する工程と、
導電性接着剤層が設けられた導電層を含むシールド層を、前記開口部を前記導電性接着剤が通るように、前記第1カバー絶縁層に押して付けて、前記グランド回路と該導電層とを導通させながら該導電性接着剤によって前記第1カバー絶縁層に接着する工程とを備えることを特徴とする、シールド型フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
前記ベース絶縁層と前記第1カバー絶縁層とを、前記配線回路を覆う第1接着剤層に介在されるように接着する工程の後に、前記導電性接着剤層が設けられた導電層を含むシールド層に代えて、導電ペースト導電層を含むシールド層を設けるために、前記開口部を充填しながら前記第1カバー絶縁層を被覆するように、導電性ペーストを塗布して導電ペースト導電層を形成し、該導電ペースト導電層と前記グランド回路とを導通させる工程を備えることを特徴とする、請求項8に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシールド型フレキシブルプリント配線板または請求項8もしくは9に記載の製造方法で製造されたシールド型フレキシブルプリント配線板を備えることを特徴とする、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−177472(P2010−177472A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18800(P2009−18800)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】