説明

シールド掘進機の到達位置計測方法

【課題】 到達立坑側からシールド掘進機の位置ずれを物理的に確認することで、到達立坑の坑内に進入させる際のシールド掘進機の位置を、精度良く確実に計測できるようにする。
【解決手段】 到達立坑12に到達するシールド掘進機11を到達立坑12の坑内に進入させるのに先立って、シールド掘進機11の位置を到達立坑12側から計測する到達位置計測方法であって、到達立坑12の壁面12aから地中に向けて、シールド掘進機11の掘削予定外周線15上及び/又は掘削予定外周線15から径方向Yに所定間隔離れた位置に、シールド掘進機11による到達掘進方向に沿って導電用電線10を所定の長さLで埋設配線しておき、導電用電線10がシールド掘進機11の回転カッター11aにより切断されて通電が遮断されるのを、導電用電線10と接続する電球16によって確認することにより、シールド掘進機11の掘削予定外周線15からのずれを計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機の到達位置計測方法に関し、特に到達立坑に到達するシールド掘進機を坑内に進入させるのに先立って、シールド掘進機の位置を計測するシールド掘進機の到達位置計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネル工法は、一般に、発進立坑から到達立坑に向けて、後方に順次設置したセグメントから掘進反力を得ながらシールド掘進機による掘進作業を行うことにより、発進立坑と到達立坑との間に連設配置した多数のセグメントによるトンネルを形成する工法である。またシールドトンネル工法を行うためのシールド掘進機は、泥土圧式シールド掘進機、泥水式シールド掘進機等の種々のシールド掘進機が公知である。
【0003】
シールドトンネル工法においては、シールド掘進機を到達立坑に到達させる際に、到達立坑の周囲に連続壁等によって構築された土留壁に開口形成した坑口を貫通させて、シールド掘進機を坑内に進入させることになるが、例えば坑口の周囲の地盤に地盤改良等を施すことにより、開口形成した坑口や、これを貫通するシールド掘進機の外周面と当該坑口との隙間から土砂や水が坑内に流入しないようにする工夫がなされている。また、坑口が形成される部分の土留壁を例えば貧配合のコンクリート等を用いて切削可能に形成し、シールド掘進機によって坑口部分の土留壁を直接切削させながら到達立坑に進入させる工法が採用される場合もある。
【0004】
そして、シールド掘進機は、到達立坑の坑口に精度良く到達させる必要があり、また坑口の坑内側には、シールド掘進機の外周面と坑口の内周面との間に介在してこれらの隙間をシールするエントランスシール部材を取り付ける坑口リングが設けられることから、シールド掘進機が設計された本来の位置から許容誤差を超えて位置ずれした状態で坑口に到達すると、エントランスシール部材や坑口リングを破損する場合がある。
【0005】
一方、シールド掘進機による掘進方向の測量は、一般に、発進立坑側からトンネルの坑内を通して行われ、先端のシールド掘進機の位置や姿勢を検出する方法が採用されているが、掘進距離が長くなると到達直前での測量誤差も大きくなるおそれがある。特にトンネル内に二次覆工コンクリートを形成しない場合や、到達側に場所的な制約を受ける場合等、到達時における高い到達精度を要求される場合には、例えば測量を回数を増やす等、より厳格な測量の管理が行われてきたが、その信頼性については限界がある。
【0006】
このため、到達立坑に接近してきたシールド掘進機の位置を、到達立坑側から計測する方法も開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の到達位置計測方法は、到達立坑からシールド掘進機に向けてボーリング孔を形成して、このボーリング孔の先端に受信センサーを取り付けると共に、シールド掘進機の回転カッターに発信コイルを取り付けておき、受信センサーによって回転カッターの発信コイルからの電磁波を検知して、到達立坑とシールド掘進機との相対位置を計測するものである。
【特許文献1】特開平3−246483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の到達位置計測方法では、受信センサーと発信コイルとは地山を介在させた非接触の状態で配置されるため、掘削地盤の状態によっては誤差を生じることがあり、その信頼性も十分ではない。したがって、到達立坑側から物理的にシールド掘進機の位置ずれを確認することができる、精度の良い確実な計測方法の新たに開発することが望まれている。
【0008】
本発明は、到達立坑側からシールド掘進機の位置ずれを物理的に確認することで、到達立坑の坑内に進入させる際のシールド掘進機の位置を、精度良く確実に計測することのできるシールド掘進機の到達位置計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、到達立坑に到達するシールド掘進機を前記到達立坑の坑内に進入させるのに先立って、シールド掘進機の位置を前記到達立坑側から計測するシールド掘進機の到達位置計測方法であって、前記到達立坑の壁面から地中に向けて、シールド掘進機の掘削予定外周線上及び/又は該掘削予定外周線から径方向に所定間隔離れた位置に、シールド掘進機による到達掘進方向に沿って導電用電線を所定の長さで埋設配線しておき、該導電用電線がシールド掘進機の回転カッターにより切断されて通電が遮断されるのを、該導電用電線と接続する通電確認手段によって確認することにより、前記シールド掘進機の前記掘削予定外周線からのずれを計測するシールド掘進機の到達位置計測方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0010】
また、本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法は、複数の前記導電用電線が、前記掘削予定外周線の径方向に間隔をおいて一列に配置される電線群を構成していることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法は、前記電線群を構成する複数の前記導電用電線が、少なくとも1つの前記導電用電線を前記掘削予定外周線の内方に配置して、前記掘削予定外周線を挟んだ径方向両側に亘って一列に配置されていることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法は、前記電線群が、前記掘削予定外周線の周方向に間隔をおいて少なくとも3箇所に配置されていることが好ましい。
【0013】
そして、本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法は、地中への埋設配線長さの異なる導電用電線からなる複数組の前記電線群が、前記掘削予定外周線の周方向に間隔をおいて配置されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法は、前記電線群を構成する前記導電用電線の少なくとも1つを前記回転カッターにより切断した後に、前記回転カッターからコピーカッターを突出させながら前記回転カッターを回転させて、次の径方向外方に位置する導電用電線を切断させることもできる。
【0015】
さらに、本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法では、前記通電確認手段は、前記導電用電線を含んだ配線経路に繋がれる電球からなり、該電球を前記到達立坑側の作業ヤードに設けた位置表示板において点灯させて、電球の光が消えることにより前記導電用電線の切断を確認するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシールド掘進機の到達位置計測方法によれば、到達立坑側からシールド掘進機の位置ずれを物理的に確認することで、到達立坑の坑内に進入させる際のシールド掘進機の位置を、精度良く確実に計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の好ましい一実施形態に係るシールド掘進機の到達位置計測方法は、例えば泥土圧式シールド掘進機によるシールドトンネル工法において、図1に示すように、到達立坑12に向かってトンネル掘進するシールド掘進機11を、坑口14を介して到達立坑12に到達させるべく、到達立坑12に接近したシールド掘進機11の位置を精度良く計測し、必要に応じてシールド掘進機11の位置を修正しながら到達立坑12の坑内に進入させることにより、坑口14の周縁部分に取り付けた坑口リング13やこれに支持されるエントランスシール部材(図示せず)の破損等を効果的に回避できるようにするために採用されたものである。
【0018】
そして、本実施形態のシールド掘進機11の到達位置計測方法は、到達立坑12に到達するシールド掘進機11を到達立坑12の坑内に進入させるのに先立って、シールド掘進機11の位置を到達立坑12側から計測する計測方法であって、到達立坑12の壁面12aから地中に向けて、シールド掘進機11の掘削予定外周線15(図2参照)上及び/又はこの掘削予定外周線15から径方向に所定間隔離れた位置に、シールド掘進機15による到達掘進方向Xに沿って導電用電線10を所定の長さで埋設配線しておき、この導電用電線10がシールド掘進機11の回転カッター11aにより切断されて通電が遮断されるのを、導電用電線10と接続する通電確認手段としての例えば電球16によって確認することにより、シールド掘進機11の掘削予定外周線15からのずれを計測するものである。
【0019】
また、本実施形態では、図2に示すように、複数の導電用電線10が、掘削予定外周線15の径方向Yに間隔をおいて一列に配置されることにより、電線群20を構成している。
【0020】
さらに、本実施形態では、電線群20を構成する複数の導電用電線10が、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の導電用電線10を掘削予定外周線15の内方に配置して、掘削予定外周線15を挟んだ径方向Y両側に亘って一列に配置されている。
【0021】
さらにまた、本実施形態では、電線群20が、掘削予定外周線15の周方向に間隔をおいて少なくとも3箇所(本実施形態では4箇所)に配置されている。
【0022】
本実施形態では、シールド掘進機11は、例えば泥土圧式シールド掘進機として公知のものであり、図1に示すように、外郭体11bの内部で組み立てられて後方に順次設置されるセグメント17から掘進反力を得ながら、シールドジャッキ11cを伸縮させ、カッターモータ11dを駆動して回転カッター11aを回転することにより、地山の切羽面を切削しつつ掘進作業を行い、発進立坑と到達立坑12との間に連設配置した多数のセグメント17によるトンネルを形成してゆく工法である。また、本実施形態では、シールド掘進機11は、回転カッター11aの周面からその突出量を制御可能に進退突出するコピーカッター21を備えており、このコピーカッター21によって、回転カッター11aによるカッター面の外側に、その突出長さに応じた深さの余堀を行うことができるようになっている。
【0023】
到達立坑12は、例えばSMW(セメント・ミキシング・ウォール)工法による連続壁によって構築された土留壁18により周囲を囲まれて形成されるものであり、その側壁面には、シールド掘進機11による円形断面の掘削予定外周線15の延長上に、当該掘削予定外周線15よりも僅かに径の大きな坑口14が形成され、この坑口14を貫通させて、シールド掘進機11が到達立坑12の坑内に進入することになる。
【0024】
ここで、到達立坑12の坑口14は、シールド掘進機11が到達立坑12に到達するのに先立って、例えば坑口14の周囲の地盤に地盤改良を施して改良地盤19を形成した後、土留壁18による到達立坑12の壁面12aに鏡切りを施すことによって開口形成される。また、坑口14は、鏡切りを行った後に、ハツリ取った開口部分の内周面に沿って坑口コンクリート14aを打設することにより、シールド掘進機11による掘削予定外周線15の形状に沿ったこれと同心状の円形開口として形成されることになる。また、坑口14の坑内側の周縁部分に沿って坑口リング13を取り付けると共に、例えば坑口リング13の坑内側を坑口蓋22によって覆うと共に、坑口蓋22と改良地盤19との間の空間に、例えばシールド掘進機11によって切削可能な硬化性流動化処理土を充填材23として充填しておくことにより、改良地盤19を強固に安定させ、シールド掘進機11が到達立坑12に到達するまでの待機状態となる。
【0025】
そして、本実施形態では、各導電用電線10は、例えば到達立坑12の壁面12aに鏡切りを行ってから、坑口蓋22と改良地盤19との間の空間に充填材23が充填されるまでの間に、土留壁18が撤去された後の坑口14部分の壁面12aから改良地盤19に向けて、例えば2.0mの長さLで、シールド掘進機11による到達掘進方向Xに沿って、これと平行になるように各々地中に埋設設置されることになる。
【0026】
各導電用電線10を地中に埋設設置するには、例えば導電用電線10として、好ましくは6芯ケーブルの3対の電線を2芯づつ先端で結んで所定の長さで往復するように形成した電線10aを用い、この導電用電線10を、図3(a)に示すように、例えば幅30mm、厚さ8mmの断面形状を備え、2.0m以上の長さを有する桟木24の両側の端面24aに沿って、例えば桟木24の先端から2.0m以上の長さに渡って接合配置する。一方、例えば到達立坑12の壁面12aから改良地盤19に向けて、掘削予定外周線15の周方向に90度の等角度間隔で上下及び左右の4箇所に配置された各電線群20(図2参照)毎に、図3(b)に示すように、桟木24を挿入するための穿孔25を、例えば孔径が42mmのボーリング装置を用いて、例えば60mmのピッチP1で、掘削予定外周線15を挟んだ径方向Yの両側に各々1箇所づつ2.0m以上の深さで並べて形成する。
【0027】
そして、桟木24の長手方向を掘削予定外周線15の径方向Yに沿わせつつ、各桟木24の両端面24aに接合された導電用電線10が穿孔25の内周面に当接するように片側に寄せた状態として、桟木24を、各穿孔25に導電用電線10の先端が2.0mの深さに配置されるように挿入する。これによって、各桟木24の両側の端面24aに各々接合された導電用電線10が、上下左右の各々の電線群20において、掘削予定外周線15を挟んだ両側に2箇所づつ、径方向Yに直線状に並べられら状態で、例えば30mmピッチで各々配置されることになる。
【0028】
また、このように桟木24を介して各穿孔25に導電用電線10を挿入配置したら、各穿孔25に例えば貧配合モルタル26を充填して硬化させることにより、各導電用電線10は、穿孔25に固定された状態で各々埋設配線されることになる。さらに、本実施形態では、各導電用電線10の穿孔25に挿入された側と反対側の端部は、到達立坑12の坑内まで延設されると共に、好ましくは、坑内の作業ヤードに設けられた管理用の位置表示板27(図1参照)において導電用電線10の埋設位置に対応させて配設された電球16に各々接続される。これによって、図4に示すように、導電用電線10及び電球16を含む各配線経路28に電圧が負荷されて、シールド掘進機11が導電用電線10の埋設位置に至るまでの間、各電球16は、点灯された状態を保持することが可能になる。
【0029】
そして、本実施形態によれば、シールド掘進機11を到達立坑12に到達させるべく、シールド掘進機11が到達立坑12まで例えば2.0m以内の距離に接近した際に、導電用電線10がシールド掘進機11の回転カッター11aにより切断されて通電が遮断されるのを、導電用電線10と接続する電球16の消灯によって確認することにより、シールド掘進機11の掘削予定外周線15からの位置ずれを容易に計測することができる。すなわち、本実施形態では、掘削予定外周線15から径方向Yの内方及び外方に所定間隔離れた位置に、シールド掘進機11による到達掘進方向Xに沿って導電用電線10が埋設配線されているので、例えば図5に示すように、到達立坑12の坑内の位置表示板27において、掘削予定外周線15の右側に配置された電線群20を構成する導電用電線10と連通する電球16のうち、掘削予定外周線15の外側に配置された電球16が消灯されることにより、掘削予定外周線15の外側に配置された導電用電線10が回転カッター11aによって物理的に直接切断されたことを確認することができ、これによって導電用電線10が配設された例えば30mmのピッチの誤差の範囲で、シールド掘進機11の位置ずれを計測することが可能になる。
【0030】
したがって、本実施形態によれば、到達立坑12側からシールド掘進機11の位置ずれを物理的に確認することで、到達立坑12の坑内に進入させる際のシールド掘進機の位置を、精度良く確実に計測することが可能になる。
【0031】
また、本実施形態では、電線群20を構成する複数の導電用電線10のうちの少なくとも1つが掘削予定外周線15の内方に配置されているので、シールド掘進機11が到達立坑12まで例えば2.0m以内の距離に接近した際に、内方に配置されたいずれかの導電用電線10が確実に切断されることになり、これによってシールド掘進機11の接近を確実に検知することが可能になる。
【0032】
さらに、本実施形態では、掘削予定外周線15の径方向Yに導電用電線10が一列に配置された電線群20が、掘削予定外周線15の周方向に少なくとも3箇所に配置されているので、シールド掘進機11の上下方向、及び左右方向の位置ずれを、確実に検知することが可能になる。
【0033】
さらにまた、本実施形態では、電線群20を構成する導電用電線10の少なくとも1つを回転カッター11aにより切断した後に、回転カッター11aからコピーカッター21を突出させながら回転カッター11aを回転させて、次の径方向外方に位置する導電用電線10を切断させ、この間のコピーカッター21の突出量を検出することのより、例えば30mmピッチで配置された導電用電線10による位置ずれの計測よりもさらに細かいシールド掘進機11の位置ずれを計測することが可能になる。
【0034】
そして、本実施形態では、地中への埋設配線長さLの異なる導電用電線10からなる複数組の電線群20として、例えば埋設配線長さLが、2.0m、1.5m、1.0m、0.5mの長さの導電用電線10からなる複数組20を、例えば各々4箇所づつ、掘削予定外周線15の周方向に間隔をおいて配置しておくことにもでる。これによって、シールド掘進機11が到達立坑12に近づくのに従って、シールド掘進機11の位置ずれを計測しつつ、シールド掘進機の方向修正を行い、位置ずれの戻り具合を確認しながら、さらに精度良く到達立坑12に到達させることが可能になる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、導電用電線は、掘削予定外周線の径方向に間隔をおいて一列に配置する必要は必ずしもなく、その位置を特定できれば、掘削予定外周線上及び/又は掘削予定外周線予定線から径方向に所定間隔離れた位置に、ランダムに設けておくこともできる。また、本発明は、泥土圧式シールド掘進機に限定されることなく、泥水式シールド掘進機等の、その他の種々のシールド掘進機を到達立坑に到達させるべく採用することもできる。さらに、各導電用電線10を地中に埋設設置する手段として、桟木を用いた方法以外のその他の種々の方法を採用することができ、通電確認手段は電球を消灯させるものである必要は必ずしもない。さらにまた、各導電用電線10は、閉回路となるが、切断される箇所においては、電線を一本の状態としておくことが、地盤中を電気が通過することにより導電用電線10が切断されても導電が切れなくなるのを、効果的に回避できる点で好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るシールド掘進機の到達位置計測方法を説明する略示断面図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係るシールド掘進機の到達位置計測方法を説明する図1のA−Aに沿った略示断面図である。
【図3】(a)及び(b)は、導電用電線を地中に埋設設置する方法を説明する断面図である。
【図4】導電用電線及び電球を含む各配線経路の説明図である。
【図5】位置表示板において、シールド掘進機の位置ずれを確認する状況の説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10 導電用電線
11 シールド掘進機
11a 回転カッター
12 到達立坑
12a 到達立坑の壁面
13 坑口リング
14 坑口
14a 坑口コンクリート
15 掘削予定外周線
16 電球(通電確認手段)
17 セグメント
18 土留壁
19 改良地盤
20 電線群
21 コピーカッター
22 坑口蓋
23 充填材
24 桟木
25 穿孔
26 貧配合モルタル
27 位置表示板
28 配線経路
X シールド掘進機による到達掘進方向
Y 掘削予定外周線の径方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
到達立坑に到達するシールド掘進機を前記到達立坑の坑内に進入させるのに先立って、シールド掘進機の位置を前記到達立坑側から計測するシールド掘進機の到達位置計測方法であって、
前記到達立坑の壁面から地中に向けて、シールド掘進機の掘削予定外周線上及び/又は該掘削予定外周線から径方向に所定間隔離れた位置に、シールド掘進機による到達掘進方向に沿って導電用電線を所定の長さで埋設配線しておき、
該導電用電線がシールド掘進機の回転カッターにより切断されて通電が遮断されるのを、該導電用電線と接続する通電確認手段によって確認することにより、前記シールド掘進機の前記掘削予定外周線からのずれを計測するシールド掘進機の到達位置計測方法。
【請求項2】
複数の前記導電用電線が、前記掘削予定外周線の径方向に間隔をおいて一列に配置される電線群を構成している請求項1に記載のシールド掘進機の到達位置計測方法。
【請求項3】
前記電線群を構成する複数の前記導電用電線が、少なくとも1つの前記導電用電線を前記掘削予定外周線の内方に配置して、前記掘削予定外周線を挟んだ径方向両側に亘って一列に配置される請求項2に記載のシールド掘進機の到達位置計測方法。
【請求項4】
前記電線群が、前記掘削予定外周線の周方向に間隔をおいて少なくとも3箇所に配置されている請求項2又は3に記載のシールド掘進機の到達位置計測方法。
【請求項5】
地中への埋設配線長さの異なる導電用電線からなる複数組の前記電線群が、前記掘削予定外周線の周方向に間隔をおいて配置されている請求項2〜4のいずれかに記載のシールド掘進機の到達位置計測方法。
【請求項6】
前記電線群を構成する前記導電用電線の少なくとも1つを前記回転カッターにより切断した後に、前記回転カッターからコピーカッターを突出させながら前記回転カッターを回転させて、次の径方向外方に位置する導電用電線を切断させる請求項2〜5のいずれかに記載のシールド掘進機の到達位置計測方法。
【請求項7】
前記通電確認手段は、前記導電用電線を含んだ配線経路に繋がれる電球からなり、該電球を前記到達立坑側の作業ヤードに設けた位置表示板において点灯させて、電球の光が消えることにより前記導電用電線の切断を確認する請求項1〜6のいずれかに記載のシールド掘進機の到達位置計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−63832(P2007−63832A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250597(P2005−250597)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】