説明

シールド掘進機及び地下構造物の施工方法

【課題】大断面の地下構造物を構築するに際して、シールド掘進機を簡単に転用して経済的に施工することができる。
【解決手段】セグメントを組み立てながら、作業坑を形成する作業筒部と、作業筒部の中心軸に対して放射する方向に配置した躯体形成部とにより構成する。作業筒部から躯体形成部へ、ブロック単体を押し出して地下構造物の躯体ブロックを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大断面トンネル、地下河川、地下貯槽等の地下構造物の躯体を構築する、シールド掘進機と地下構造物の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時地下空間の有効活用を図る観点から、河川や貯槽、或いは道路、鉄道用トンネル等の大型の地下構造物を構築する計画が進められている。
この種の施工に際しては開削工法、パイプルーフ工法、シールド工法、山岳トンネル工法の採用が試みられているが、各工法ともに大型の地下構造物の施工に転用するには問題があった。
そこでこれらの工法の問題を解決したものとして、平行に配置した一対の筒体シールド掘進機の間を、箱状の中間シールド掘進機で連結した構成のシールド掘進機を使用する工法が開発されている。
このシールド掘進機は、一回の施工で地下構造物のすべてを構築するのではなく、地下構造物のたとえば天井部分だけを構築する。次の施工では床部分、あるいは壁部分を構築するといった施工を繰り返すことによって大断面の地下構造物の全体を構築する工法である。
【特許文献1】特開平7−293190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した文献記載の地下構造物を構築する工法はすぐれた点を備えているが次のような問題点もあった。
<1> 大断面の地下構造物の天井部分や床部分を、一度のシールド掘進機の通過によって構築する構成である。そのために大型のシールド掘進機が必要となり、簡単に転用することが困難であった。
<2> 一度に大型の天井や床、壁を構築することができるが、構築した各部分を連結する技術については開発の余地を残していた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために本発明は、地下構造物の躯体の一部を構築するシールド掘進機であって、セグメントを組み立てながら、作業坑を形成する作業筒部と、作業筒部の中心軸に対して放射する方向に配置した躯体形成部とにより構成し、作業筒部と躯体形成部との前面には掘進用のカッターを設置し、作業筒部と躯体形成部との内部空間は連通して構成し、作業筒部から躯体形成部へ、ブロック単体を押し出して地下構造物の躯体ブロックを形成できるように構成したシールド掘進機を特徴とするものである。
【0005】
さらに本発明は、地下構造物の躯体の一部を構築するシールド掘進機であって、セグメントを組み立てながら、作業坑を形成する作業筒部と、
作業筒部の中心軸に対して放射する方向に配置した躯体形成部とにより構成し、躯体形成部は、作業筒部から水平方向と鉛直方向の二方向へ向けて取り付け、作業筒部と躯体形成部との前面には掘進用のカッターを設置し、作業筒部と躯体形成部との内部空間は連通して構成し、作業筒部から躯体形成部へ、ブロック単体を押し出して地下構造物の躯体ブロックを形成できるように構成したシールド掘進機を特徴とするものである。
【0006】
さらに本発明は、請求項1記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、そのシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、第一の躯体ブロックの自由端部と、第二の躯体ブロックの自由端部とを接近させて配置し、躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体の天井部を形成し、同様の工程によって、地下構造物の躯体の床部を形成し、天井部と床部の作業坑の間は、地中を鉛直に掘削して壁面部を形成して行う、地下構造物の構築方法を特徴とするものである
【0007】
さらに本発明は、請求項2記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、以上の工程を、水平軸を対象状態で施工して、第三、第四の躯体ブロック6Dを構築し、各躯体ブロックの自由端部を接近させて配置し、各躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体を形成する、地下構造物の構築方法を特徴とするものである。
【0008】
さらに本発明は、請求項1記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機によって第一の躯体ブロックの作業坑と連結覆工体を構築し、第一の躯体ブロックの作業坑のセグメントの一部には、軟切削セグメントを使用し、上記のシールド掘進機と、鉛直軸、あるいは水平軸と対象型のシールド掘進機を使用して、第二の躯体ブロックを構築し、第二の躯体ブロックの掘進に際しては、先行した第一の躯体ブロックの作業坑の軟切削セグメントを切削して行い、同様の掘進を繰り返して地下構造物の躯体を形成する、地下構造物の構築方法を特徴とするものである。
【0009】
さらに本発明は、請求項2記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、上記のシールド掘進機と、点対称型のシールド掘進機を使用し、そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、各躯体ブロックの自由端部を接近させて配置し、各躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体を形成する、地下構造物の構築方法を特徴とするものである。
【0010】
さらに本発明は、請求項1記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、そのシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、第一と第二の躯体ブロックの自由端は接近して配置し、請求項2記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第三の躯体ブロックを構築し、上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第四の躯体ブロック6Dを構築し、第三、第四の躯体ブロック6Dの自由端は、第一、第二の躯体ブロックの作業坑に接近させて配置する、地下構造物の構築方法を特徴とするものである。
【0011】
さらに本発明は、請求項1記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、そのシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、第一と第二の躯体ブロックの自由端は接近させて配置し、第一、第二の躯体ブロックの作業坑のセグメントの一部には、軟切削セグメントを使用し、請求項2記載のシールド掘進機を使用し、このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第三の躯体ブロックを構築し、第三の躯体ブロックの掘進に際しては、先行した第一の躯体ブロックの作業坑の軟切削セグメントを切削して行い、上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第四の躯体ブロック6Dを構築し、第四の躯体ブロック6Dの掘進に際しては、先行した第二の躯体ブロックの作業坑の軟切削セグメントを切削して行い、第三、第四の躯体ブロック6Dの自由端は、接近させて配置し、間隔を掘削して連結して地下構造物の躯体を形成する、地下構造物の構築方法を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ> 大断面の地下構造物の一部を一度に施工するのではなく、たとえば天井部分を複数回に分けて施工する装置、工法が中心であるから、天井部分の施工に使用したシールド掘進機を、次には床部分の施工に転用するといった使用が容易であって経済的に地下構造物を構築することができる。
<ロ> 地中において、先行して構築した部分と、後から構築した部分とを接続する方法が明確になったので、迅速に地下構造物を構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
<1>鍵穴型シールド掘進機。(図1)
地下構造物の躯体の一部を構築するシールド掘進機1である。
このシールド掘進機1は、鋼製の外郭体であり、作業筒部2と、躯体形成部3とによって構成する。
作業筒部2は円筒状の筒体であり、その作業筒部の中心軸に対して放射する方向に延長した矩形箱状の躯体形成部3とによって構成する。
作業筒部2、および躯体形成部3の前面には回転カッター4を備える。
作業筒部2は円筒であるから、円盤状の回転カッター4を使用できる。
躯体形成部3は矩形であるから、円盤状の回転軸から放射方向に刃が出入りするタイプの公知のコピーカッター4を使用すると良好な掘削ができる。
さらに躯体形成部3に多数設けたカッター4においては、隣り合うカッター4を前後にずれて配設すれば、良好な全面の掘削ができる。
作業筒部2では円弧状のセグメントを円筒状に組み立てて、作業坑5を形成する。
円弧状のセグメントは、作業筒を通して台車によって坑外から搬入する。
掘削土砂も、作業坑5に設置した泥水泥土の給排路を通して坑外に排出する。
作業筒部2のセグメントの組み立ては従来のシールド掘進機と同様に、セグメントを把持して伸縮するエレクターによって行う。
円筒状に組み立てたセグメントが、地下構造物の躯体の交点の作業坑5を形成する。
躯体形成部3では、セグメントを組み立てる必要はなく、単なる矩形の単体ブロックを接続して躯体ブロック6を形成してゆく。
すなわち矩形の単体ブロックの連続体が、躯体ブロック6となり、この躯体ブロック6が地下構造物の躯体の一部を形成する。
シールド掘進機1は作業坑5、および躯体ブロック6に反力をとってジャッキを伸張しながら外郭体が前進してゆく。
この躯体ブロック6の端面を、自由端部63とよぶ。
作業筒部2と躯体形成部3との内部空間は連通しており、作業筒部2に横断方向に向けて設置したジャッキによって、躯体形成部3へ躯体の単体ブロックを押し出すことができるように構成してある。
以下、説明の便宜上、図1に示す本実施例のシールド機を「鍵穴型」と称する。
【0015】
<2>L字型シールド掘進機。(図2)
地下構造物の躯体の一部を構築するシールド掘進機1である。
このシールド掘進機1も、前記した鍵穴型のシールド掘進機1と同様に鋼製の外郭体であり、円筒状の作業筒部2と、その作業筒部2の中心軸に対して放射方向に延長した矩形箱状の躯体形成部3とによって構成する。
ただし躯体形成部3は、作業筒部2から水平方向と鉛直方向の二方向へ向けてL字状に設ける。
すなわち円筒状の作業筒部2から水平方向に向けて設けた、矩形箱状の水平躯体形成部31と、作業筒部2から鉛直方向に向けて設けた、矩形箱状の鉛直躯体形成部32とから構成する。
前面に配置したカッター4、作業筒部2の内部でのセグメントの組み立て、各躯体形成部3へのブロックの押し出し、その他の構成は前記の鍵穴型と同様の構成である。
作業筒部2の内部で形成した作業坑5に対して、水平方向には水平躯体ブロック61が、鉛直方向には鉛直躯体ブロック62が形成される。
水平、鉛直躯体ブロック61、62の、作業坑5と反対側の端面を、自由端部63とよぶ。
なお、本明細書において「水平」躯体、「鉛直」躯体とは精密に90度の角度差を設けるという意味ではなく、異なった二方向を意味するものである。
したがって、矩形以外の多角形の地下構造物を構築する場合など、90度以外の角度差を設ける場合もあり、その構成もこの用語に含まれるものである。
以下、説明の便宜上で図2,4に示す実施例のシールド機を「L字型」と称する。
【0016】
<3>曲面躯体。(図3,4)
以上で説明した鍵穴型、L字型ともに、シールド掘進機1の躯体形成部3は矩形の箱状体であった。
しかし図3,4に示すように、躯体形成部3を円弧状に形成することもできる。
その場合には躯体形成部3で組み立てるブロックはアーチ状であり、ブロックを接続した躯体ブロック6はアーチ状の躯体となる。
躯体形成部3が円弧状である他は、前記の実施例の構成と同様である。

【0017】
次に上記のシールド掘進機1を使用して行う地下構造物の構築方法を説明する。
【0018】
<1>鍵穴型シールド掘進機1を使用した構築方法。(図5)
上記の「鍵穴型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平方向に配置して掘削してブロックを設置することによって、第一の躯体ブロック6Aを構築する。
次に第一の躯体ブロック6Aを構築した上記のシールド掘進機1と、鉛直軸対称型のシールド掘進機1を使用し、そのシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロック6Bを構築する。
その際に、第一の躯体ブロック6Aの自由端部63と、第二の躯体ブロック6Bの自由端部63とを接近させて配置する。
そして、躯体ブロックの自由端部63の間隔は、掘削して後述する各種の方法によって連結する。
こうして地中に、地下構造物の躯体の天井部を形成する。
鍵穴型のシールド掘進機1を使用し、同様の工程によって、天井部を形成する第一、第二の躯体ブロック6A、6Bと一定距離はなれた位置に、第三、第四の躯体ブロック6C、6Dを構築する。
これが、地下構造物の本体の床部となる。
天井部と床部の作業坑5の間は、地中を鉛直に掘削して壁面部を形成する。
この壁面は、地盤改良した地中に天井側の作業坑5から加圧装置によってパイプ群を床側の作業坑5に向けて圧入して形成するなど、公知の方法を採用することができる。
作業坑5は、その役目が終了したら内部にコンクリートを充填して地下構造物の隅部を構成させる。
こうして、地中に躯体ブロックによる天井部、床部、両者を連結する壁部が完成し、その結果、地中には大断面を有する矩形の地下構造物が完成する。

【0019】
<2>L字型シールド掘進機1を使用した構築方法。(図6)
上記の「L字型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによってL字状の第一の躯体ブロック6Aを構築する。
次に上記のシールド掘進機1と、鉛直軸対称型のシールド掘進機1を使用し、そのシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロック6Bを構築する。
以上の工程を、水平軸を対象状態で施工して、第三、第四の躯体ブロック6C、6Dを構築する。
その際に、各躯体ブロックの自由端部63を接近させて配置する。
そして各躯体ブロックの自由端部63の間隔は、掘削して後述する各種の方法によって連結する。
その結果、地下構造物が完成する。

【0020】
<3>鍵穴型シールド掘進機1を使用した構築方法。(図7)
上記した「鍵穴型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平に配置して掘進することによって作業坑5と第一の躯体ブロック6Aを構築する。
その際に、第一の躯体ブロック6Aの作業坑5のセグメントの一部には、通常のセグメントの強度より強度の小さい軟切削セグメント51を使用する。
第一の躯体ブロック6Aを形成した上記のシールド掘進機1と、鉛直軸、あるいは水平軸と対象型のシールド掘進機1、あるいは直交する方向に配置したシールド掘進機1を使用して、第二の躯体ブロック6Bを構築する。
第二の躯体ブロック6Bの掘進に際しては、先行した第一の躯体ブロック6Aの作業坑5の軟切削セグメント51を切削して行う。
すなわち、第二の躯体ブロック6Bを掘削する際には、シールド掘進機1の水平躯体形成部の自由端部側の一部が、第一の躯体ブロック6Aの作業坑5に食い込む状況で掘進を行う。
同様の掘進を繰り返して地下構造物の躯体を形成して地下構造物が完成する。
【0021】
<4>L字型シールド掘進機1を使用した構築方法。(図8)
上記した「L字型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロック6Aを構築する。
次に、上記の第一の躯体ブロック6Aを構築したシールド掘進機1と、点対称型のシールド掘進機1を使用して、そのシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロック6Bを構築する。
その際に、ひとつの躯体ブロックの自由端部63を、他の躯体ブロックの自由端63に接近させて配置する。
各躯体ブロックの自由端部63の間隔は、後述する方法などによって連結する。
その結果、地下構造物が完成する。

【0022】
<5>L字型シールド掘進機1を使用した他の構築方法。(図9)
上記した「L字型」シールド掘進機1を使用するが、この実施例では2台のシールド掘進機1を使用せず、1台のシールド掘進機1によって第一と第二の躯体ブロックを完成する。
まずシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して発進立坑から到達立坑へ向けて掘削することによって第一の躯体ブロック6Aを構築する。
次に、他の掘進機ではなく同一のシールド掘進機1を使用して、鉛直線位置の第二の躯体ブロック6Bを構築する。
そのために、到達立坑に到達したシールド掘進機1を、その前後を反転させる。
そして、到達立坑側から、第一の躯体ブロックに対して鉛直線対象位置に当該シールド掘進機を配置し、発進立坑側へ向けて掘進を行う。
その際に、反転させたシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロック6Bを構築する。
以上の工程を、第一、第二の躯体ブロックに対して水平軸対象状態で施工して、第三、第四の躯体ブロック6Dを構築する。
その際に、ひとつの躯体ブロックの自由端部63を、他の躯体ブロックの自由端63に接近させて配置する。
各躯体ブロックの自由端部63の間隔は、後述する方法などによって連結する。
その結果、地下構造物が完成する。

【0023】
<6>鍵穴型とL字型の組み合わせ。(図10)
上記した「鍵穴型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロック6Aを構築する。
第一の躯体ブロック6Aを構築したシールド掘進機1と、鉛直軸対称型のシールド掘進機1を使用し、そのシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロック6Bを構築する。
次に上記した「L字型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第三の躯体ブロック6Cを構築する。
さらに第三の躯体ブロック6Cを構築したシールド掘進機1と、鉛直軸対称型のシールド掘進機1を使用し、そのシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第四の躯体ブロック6Dを構築する。
その際に、第三、第四の躯体ブロック6C、6Dの自由端63は、第一、第二の躯体ブロック6A、6Bの作業坑5に接近させて配置する。
そして各自由端63の間隔を後述する方法によって連結する。
こうして地中に地下構造物を構築する。
【0024】
<7>鍵穴型とL字型の組み合わせ。(図11)
上記した鍵穴型シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロック6Aを構築する。
第一の躯体ブロック6Aを掘進した上記のシールド掘進機1と、鉛直軸対称型のシールド掘進機1を使用し、そのシールド掘進機1の躯体形成部3をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロック6Bを構築する。
その際に、第一と第二の躯体ブロック6Bの自由端63は接近させて配置する。
さらに、第一、第二の躯体ブロック6Bの作業坑5のセグメントの一部には、シールド掘進機1のカッター4で掘削が容易な、軟切削セグメント51を使用する。
次に上記した「L字型」シールド掘進機1を使用する。
このシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第三の躯体ブロック6Cを構築する。
この第三の躯体ブロック6Cの掘進に際しては、先行した第一の躯体ブロック6Aの作業坑5の軟切削セグメント51をカッター4で切削して行い、自由端側の一部を第一の躯体ブロック6Aの作業坑5の内部に位置させる。
さらに第三の躯体ブロック6Cを掘進した上記のシールド掘進機1と、鉛直軸対称型のシールド掘進機1を使用し、そのシールド掘進機1の水平躯体形成部31をほぼ水平方向に配置し、鉛直躯体形成部32をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第四の躯体ブロック6D6Dを構築する。
第四の躯体ブロック6Dの掘進に際しては、先行した第二の躯体ブロック6Bの作業坑5の軟切削セグメント51を切削して行う。
その際に第三、第四の躯体ブロック6C、6Dの自由端63は、接近させて配置し、自由端部63の間隔は後述する方法によって連結する。
こうして地下構造物が完成する。
【0025】
<8>継ぎ手の構成。
上記した各工法において、躯体ブロックの自由端63の間に発生した間隙を連結する方法を具体的に説明する。
ただし、上記した方法で地下構造物を構築するに際して、自由端の連結は以下の連結方法に限定されるものではなく、それ以外にも他の公知の方法によって連結することも可能である。
【0026】
<9>ピン構造。(図12)
先行する第一の躯体ブロック6Aの自由端63に軟切削部63aを形成しておく。
後行する第二の躯体ブロック6Bを掘進するシールド掘進機1では、その躯体形成部3の自由端を円弧状に突設して形成しておく。
すると、後行シールド掘進機1の掘進によって第一の躯体ブロック6Aの軟切削部63aは円弧状に削り取られる。
後行シールド掘進機1が前進した跡には後行する第二の躯体ブロック6Bが形成されるが、この躯体ブロックの自由端も円弧状に突設した形状に形成しておく。
先行する第一の躯体ブロック6Aの自由端63と、後行する第二の躯体ブロック6Bの自由端63の間には間隙が残るから、両者の間に強度を有する充填材63bを充填して両者を一体化する。
【0027】
<10>プレキャスト部材の挿入。(図13)
先行する第一の躯体ブロック6Aと、後行する第二の躯体ブロック6Bとの間に間隙が生じているが、この間隙の外側の地山に薬液注入を行い地盤改良範囲71を形成する。
その後に、間隙部分を構造物の内側から掘削する。
そして掘削した間隙に、コンクリートブロックのようなプレキャスト部材7を挿入する。
プレキャスト部材7と、躯体間にまだ隙間が存在する場合にはさらに調整部材を充填する。
【0028】
<11>一体くさびの挿入。(図14)
先行する第一の躯体ブロック6Aと、後行する第二の躯体ブロック6Bともに、その自由面63に、構造物の外へ向けて広がる傾斜面63cを形成しておく。
両側の傾斜面63cの間には間隙があるから、この間隙の外側の地山に薬液注入を行い地盤改良範囲71を形成する。
その後に間隙部分を構造物の内側から掘削する。
そして掘削した間隙に、プレキャスト部材7aを挿入するが、このプレキャスト部材7aは、外側の辺がひろい台形状を呈するもの、すなわち「くさび」を使用する。
台形状のプレキャスト部材7aが、傾斜面に食い込み、連結できる。
ただし台形状のプレキャスト部材7aは、外側の辺が広いからそのままでは間隙に挿入できない。そこで地盤改良範囲71の一部を掘削していったん縦方向に挿入し、その後回転させて広い辺を外側に向けて挿入する。
台形状のプレキャスト部材7aと、躯体との隙間があれば調整部材を充填する。
【0029】
<12>分割くさび。(図15)
上記の台形状のプレキャスト部材7a先行する第一の躯体ブロック6Aと後行する第二の躯体ブロック6B間に挿入する点は、上記の実施例と同じである。
ただし、台形状のプレキャスト部材7aを分割した分割プレキャスト部材7bを使用する。
これは、複数個を組み合わせると外側の辺がひろい台形状、すなわち「くさび」を形成する。
すると、分割プレキャスト部材7bを回転させることなく、両者を組み合わせて台形状のくさびを形成することができる。
この組み合わせ後のくさびが傾斜面に食い込み、両躯体の間を連結することができる。
分割プレキャスト部材7bと、躯体6A、6Bの自由端63との間に隙間があれば調整部材を充填する
【0030】
<13>場所打ち構造。(図16)
先行する第一の躯体ブロック6Aと、後行する第二の躯体ブロック6Bともに、その自由面63を構造物の外へ向けて広がる傾斜面63cとして形成する。
傾斜面63cの間には間隙があるので、この間隙の周囲の外側の地山に薬液を注入して地盤改良範囲71を形成する。
そして、間隙部分を構造物の内側から掘削する。
掘削した間隙に、鉄筋7cを配置する。
その場合に鉄筋7cの配筋が簡単に行えるように、各躯体の傾斜面63cには鉄筋7を挿入することができる市販の器具などを埋め込んでおく。
鉄筋7cを配筋後の間隙を内側から型枠でふさぎ、その内部にコンクリート7dを打設する。
【0031】
<14>後行躯体の押し出し。(図17)
各躯体ブロック6A、6Bは、作業筒部2の内部から横断方向のジャッキを用いて単体のブロックを押し出して形成してある。
そこで、先行する第一の躯体ブロック6Aの端面に向けて、後行する第二の躯体ブロック6Bからブロック単体を押し出して、先行する第一の躯体ブロック6Aの自由端63と当接させる。
ブロック単体の押し出しが容易であるように、その外周には滑剤を充填しておくこともできる。
こうして第一、第二の躯体ブロック6A、6Bを連結する。
場合によっては両方の躯体にPC鋼材を挿入するシース管を配置しておき、両躯体を当接後にPC鋼材を挿入して緊張して定着して確実な一体化をはかる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のシールド掘進機1の実施例の説明図。
【図2】躯体形成部3を二方向に設けたシールド掘進機1の説明図。
【図3】躯体形成部3を曲線状に形成したシールド掘進機1の説明図。
【図4】躯体形成部3を曲線状に形成したシールド掘進機1の説明図。
【図5】大断面の地下構造物の構築状態の説明図。
【図6】大断面の地下構造物の構築状態の他の実施例の説明図。
【図7】大断面の地下構造物の構築状態の他の実施例の説明図。
【図8】大断面の地下構造物の構築状態の他の実施例の説明図。
【図9】大断面の地下構造物の構築状態の他の実施例の説明図。
【図10】大断面の地下構造物の構築状態の他の実施例の説明図。
【図11】大断面の地下構造物の構築状態の他の実施例の説明図。
【図12】躯体間の連結方法の説明図。
【図13】躯体間の連結方法の他の実施例の説明図。
【図14】躯体間の連結方法の他の実施例の説明図。
【図15】躯体間の連結方法の他の実施例の説明図。
【図16】躯体間の連結方法の他の実施例の説明図。
【図17】躯体間の連結方法の他の実施例の説明図。
【符号の説明】
【0033】
1:シールド掘進機
2:作業筒部
3:躯体形成部
31:水平躯体形成部
32:鉛直躯体形成部
4:カッター
5:作業坑
51:軟切削セグメント
6:躯体ブロック
61:水平躯体ブロック
62:鉛直躯体ブロック
6A:第一の躯体ブロック
6B:第二の躯体ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下構造物の躯体の一部を構築するシールド掘進機であって、
セグメントを組み立てながら、作業坑を形成する作業筒部と、
作業筒部の中心軸に対して放射する方向に配置した躯体形成部とにより構成し、
作業筒部と躯体形成部との前面には掘進用のカッターを設置し、
作業筒部と躯体形成部との内部空間は連通して構成し、
作業筒部から躯体形成部へ、ブロック単体を押し出して地下構造物の躯体ブロックを形成できるように構成した、
シールド掘進機。
【請求項2】
地下構造物の躯体の一部を構築するシールド掘進機であって、
セグメントを組み立てながら、作業坑を形成する作業筒部と、
作業筒部の中心軸に対して放射する方向に配置した躯体形成部とにより構成し、
躯体形成部は、作業筒部から水平方向と鉛直方向の二方向へ向けて取り付け、
作業筒部と躯体形成部との前面には掘進用のカッターを設置し、
作業筒部と躯体形成部との内部空間は連通して構成し、
作業筒部から躯体形成部へ、ブロック単体を押し出して地下構造物の躯体ブロックを形成できるように構成した、
シールド掘進機。
【請求項3】
請求項1記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し
上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し
第一の躯体ブロックの自由端部と、第二の躯体ブロックの自由端部とを接近させて配置し、
躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体の天井部を形成し、
同様の工程によって、地下構造物の躯体の床部を形成し、
天井部と床部の作業坑の間は、地中を鉛直に掘削して壁面部を形成して行う、
地下構造物の構築方法。
【請求項4】
請求項2記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、
上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、
以上の工程を、水平軸を対象状態で施工して、第三、第四の躯体ブロックを構築し、
各躯体ブロックの自由端部を接近させて配置し、
各躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体を形成する、
地下構造物の構築方法。
【請求項5】
請求項2記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、
到達立坑に到達した上記のシールド掘進機の前後を反転させ、
到達立坑から、第一の躯体ブロックに対して鉛直線対象位置に当該シールド掘進機を配置し、
その水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、
以上の工程を、水平軸対象状態で施工して、第三、第四の躯体ブロック6Dを構築し、
各躯体ブロックの自由端部を接近させて配置し、
各躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体を形成する、
地下構造物の構築方法。
【請求項6】
請求項1記載のシールド掘進機を使用し
このシールド掘進機によって第一の躯体ブロックの作業坑と連結覆工体を構築し、
第一の躯体ブロックの作業坑のセグメントの一部には、軟切削セグメントを使用し、
上記のシールド掘進機と、鉛直軸、あるいは水平軸と対象型のシールド掘進機を使用して、第二の躯体ブロックを構築し、
第二の躯体ブロックの掘進に際しては、
先行した第一の躯体ブロックの作業坑の軟切削セグメントを切削して行い、
同様の掘進を繰り返して地下構造物の躯体を形成する、
地下構造物の構築方法。
【請求項7】
請求項2記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、
上記のシールド掘進機と、点対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、
各躯体ブロックの自由端部を接近させて配置し、
各躯体ブロックの自由端部の間隔は、掘削して間隔を連結して地下構造物の躯体を形成する、
地下構造物の構築方法。
【請求項8】
請求項1記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、
上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、
第一と第二の躯体ブロックの自由端は接近して配置し、
請求項2記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第三の躯体ブロックを構築し、
上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第四の躯体ブロックを構築し、
第三、第四の躯体ブロックの自由端は、
第一、第二の躯体ブロックの作業坑に接近させて配置する、
地下構造物の構築方法。
【請求項9】
請求項1記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第一の躯体ブロックを構築し、
上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の躯体形成部をほぼ水平方向に配置して掘削することによって第二の躯体ブロックを構築し、
第一と第二の躯体ブロックの自由端は接近させて配置し、
第一、第二の躯体ブロックの作業坑のセグメントの一部には、軟切削セグメントを使用し、
請求項2記載のシールド掘進機を使用し、
このシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第三の躯体ブロックを構築し、
第三の躯体ブロックの掘進に際しては、
先行した第一の躯体ブロックの作業坑の軟切削セグメントを切削して行い、
上記のシールド掘進機と、鉛直軸対称型のシールド掘進機を使用し、
そのシールド掘進機の水平躯体形成部をほぼ水平方向に配置し、
鉛直躯体形成部をほぼ鉛直方向に配置して掘削することによって第四の躯体ブロックを構築し、
第四の躯体ブロックの掘進に際しては、
先行した第二の躯体ブロックの作業坑の軟切削セグメントを切削して行い、
第三、第四の躯体ブロックの自由端は、接近させて配置し、間隔を掘削して連結して地下構造物の躯体を形成する、
地下構造物の構築方法。
【請求項10】
請求項1、または2記載のシールド掘進機を使用して構築した先行躯体と、その後に構築した後行躯体とを連結する方法であって、
先行する躯体の自由端に軟切削部を形成しておき、
後行するシールド掘進機の躯体形成部の自由端を円弧状に突設して形成しておき、
この後行シールド掘進機によって、先行躯体の自由端の軟切削部を円弧状に削り取り、
後行シールド掘進機が前進した跡に構築した後行躯体と先行躯体の間の間隙に強度を有する充填材を充填して両者を一体化する、
地下構造物の躯体間の連結方法。
【請求項11】
請求項1、または2記載のシールド掘進機を使用して構築した先行躯体と、その後に構築した後行躯体とを連結する方法であって、
先行躯体と、後行躯体との間の間隙の外側の地山を地盤改良し、
間隙部分を構造物の内側から掘削し、
掘削した間隙に、プレキャスト部材を挿入し、
プレキャスト部材と、躯体との隙間があれば調整部材を挿入する、
地下構造物の躯体間の連結方法。
【請求項12】
請求項1、または2記載のシールド掘進機を使用して構築した先行躯体と、その後に構築した後行躯体とを連結する方法であって、
先行躯体と、後行躯体ともに、その自由面に、構造物の外へ向けて広がる傾斜面を形成し、
傾斜面の間の間隙の外側の地山を地盤改良し、
間隙部分を構造物の内側から掘削し、
掘削した間隙に、外側の辺がひろい台形状を呈するプレキャストを挿入する、
地下構造物の躯体間の連結方法。
【請求項13】
請求項1、または2記載のシールド掘進機を使用して構築した先行躯体と、その後に構築した後行躯体とを連結する方法であって、
先行躯体と、後行躯体ともに、その自由面に、構造物の外へ向けて広がる傾斜面を形成し、
傾斜面の間には間隙の外側の地山を地盤改良し、
間隙部分を構造物の内側から掘削し、
掘削した間隙に、複数個を組み合わせると外側の辺がひろい台形状を形成する形状を呈するプレキャスト部材を挿入し、
プレキャスト部材と、躯体との隙間があれば調整部材を挿入する、
地下構造物の躯体間の連結方法。
【請求項14】
請求項1、または2記載のシールド掘進機を使用して構築した先行躯体と、その後に構築した後行躯体とを連結する方法であって、
先行躯体と、後行躯体ともに、その自由面に、構造物の外へ向けて広がる傾斜面を形成し、
傾斜面の間には間隙の外側の地山を地盤改良し、
間隙部分を構造物の内側から掘削し、
掘削した間隙に、鉄筋を配置し、
配筋後の間隙にコンクリートを打設する、
地下構造物の躯体間の連結方法。
【請求項15】
請求項1、または2記載のシールド掘進機を使用して構築した先行躯体と、その後に構築した後行躯体とを連結する方法であって、
先行躯体と、後行躯体との間の間隙に向けて、
後行躯体を形成するブロックを後行シールド掘進機の作業筒部から押し出して、先行躯体の自由端と当接させる、
地下構造物の躯体間の連結方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−226036(P2006−226036A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42888(P2005−42888)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【出願人】(000148346)株式会社錢高組 (67)
【出願人】(000231198)日本国土開発株式会社 (51)
【出願人】(000236610)不動建設株式会社 (136)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】