説明

シールド機及びそのシールド機の掘進工法

【課題】地山内に存在するドレーン材等の障害物を加熱して溶融させることにより、当該障害物を切断するための発熱装置を備え、この発熱装置の耐久性に優れたシールド機及びそのシールド機を用いた掘進工法を提供する。
【解決手段】矩形シールド機1は、複数の発熱装置8と、発熱装置8を収納する収納室10と、収納室10を前後進させるための押出用ジャッキ11と、を備える。発熱装置8は、発熱体9と、発熱体9に通電する駆動源22と、から構成される。発熱体9を発熱させると収納室10の切羽側の側面10aは一様に加熱される。地山を掘削する際は、まず、発熱体9を所定の温度まで加熱する。次に、加熱状態を維持したまま、押出用ジャッキ11を伸張させて発熱装置8を主シールド3のカッターヘッド6よりも進行方向前方に突出させながら、前方に存在するドレーン材を熱で溶融して切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地山内に存在するドレーン材等の障害物を加熱して溶融させることにより、当該障害物を切断するための発熱装置を備えたシールド機及びそのシールド機の掘進工法に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良工法の一つとして、ドレーン材を地山に挿入して地下水を排水する工法が用いられている。このような工法で地盤改良された地山内をシールド機で掘進する際は、切羽面に露出して掘進の障害となるドレーン材を切断しなければならない。
【0003】
そのドレーン材を切断する方法として、例えば、特許文献1には、カッターヘッドの外周にリング状に設けられたドレーン材用カッターで、カッターヘッドによる地山の掘削よりも先行してドレーン材を切断することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、カッターヘッドの外周側端部及び中央部付近に、そのカッターヘッドの前面よりも進行方向前方に突出するように設けられた円盤状の丸刃カッターを水平に回転させながら、カッターヘッドによる地山の掘削よりも先行してドレーン材を切断することが開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、カッターヘッドの外周側端部及び中央部付近に、そのカッターヘッドの前面よりも進行方向前方に突出するように設けられたドレーン材用ブレードと、このドレーン材用ブレードをメンテナンスするために、隔壁を貫通するとともに、シールド機本体内側に突出するように設けられた交換室と、を備えたシールド機で、カッターヘッドによる地山の掘削よりも先行してドレーン材を切断することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−93384号公報
【特許文献2】特開平6−167192号公報
【特許文献3】特開平7−4180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の切断装置では、ドレーン材切断用のカッターやブレードが摩耗あるいは破損した際の交換に手間と時間がかかるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、地山内に存在するドレーン材等の障害物を加熱して溶融させることにより、当該障害物を切断するための発熱装置を備え、この発熱装置の耐久性に優れたシールド機及びそのシールド機を用いた掘進工法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地山内を掘進するシールド機であって、
前記シールド機の前部に設けられたカッターヘッドよりも進行方向前方に突出するように設置され、所定の温度に発熱する発熱装置を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、所定の温度に発熱する発熱装置を備えているので、障害物を溶融して切断することができる。また、発熱装置がカッターヘッドよりも進行方向前方に突出するように設けられているので、障害物を発熱装置で切断した後にその障害物の周囲の地山をカッターヘッドで掘削することができる。
【0011】
また、発熱装置は、機械的に障害物を切断するものではないため、破損しにくく、耐久性に優れている。
【0012】
本発明において、前記発熱装置は、前記シールド機の外周縁部に沿って配置されていることとすれば、掘削予定箇所に存在する障害物の上端及び下端を発熱装置で切断することができる。したがって、地山掘削時に、掘削予定箇所の上方及び下方に存在する障害物を引き込むことなく、掘削予定箇所に存在する障害物のみを撤去することができる。
【0013】
本発明において、前記発熱装置は、前記シールド機の外殻と隔壁との間に配置された収納室内に収納されており、前記収納室と前記外殻との間及び前記収納室と前記隔壁との間には、止水材がそれぞれ設置されていることとすれば、外殻と収納室との間及び隔壁と収納室との間を水や土砂が通過してシールド機本体内に流入することを防止できる。したがって、シールド機本体内で、安全に発熱装置をメンテナンスすることができる。
【0014】
本発明において、前記発熱装置は、前記シールド機本体から出没可能に構成されていることとすれば、発熱装置をシールド機本体内に没入させた状態でメンテナンスすることができる。したがって、効率良く、かつ、安全に発熱装置をメンテナンスすることができる。
【0015】
本発明において、前記発熱装置は、前記カッターヘッドに設置されるカッタービットに取り付けられていることとすれば、カッタービットを交換する際に、カッターヘッド内で発熱装置をメンテナンスすることができる。したがって、効率良く、かつ、安全に発熱装置をメンテナンスすることができる。
【0016】
本発明は、所定の温度に発熱する発熱装置を備えたシールド機を用いて地山を掘削する掘進工法において、
発熱された前記発熱装置を前記シールド機の前部に設けられたカッターヘッドよりも先行させることにより、地山内に存在する障害物を前記発熱装置の熱で溶融して切断する切断工程と、
前記障害物を切断した後に、前記発熱装置を前記シールド機内に没入させる没入工程と、
前記カッターヘッドを駆動させることにより地山を掘削する掘削工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、発熱装置をカッターヘッドよりも先行させて駆動させるので、障害物を発熱装置で切断した後にその障害物の周囲の地山をカッターヘッドで掘削することとなる。したがって、地山掘削時に、掘削予定箇所の上方に存在する障害物を引き込んで地盤沈下等を起こすことがない。また、発熱装置は、機械的に障害物を切断するものではないため、破損しにくく、耐久性に優れている。
【0018】
また、本発明は、所定の温度に発熱する発熱装置を備えたシールド機を用いて地山を掘削する掘進工法において、
前記カッターヘッドよりも進行方向前方に突出するように設けられた前記発熱装置を所定の温度に発熱させながら、前記シールド機の前部に設けられたカッターヘッドを回転させることにより、地山内に存在する障害物を前記発熱装置の熱で溶融して切断しつつ、地山を掘削することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、発熱装置をカッターヘッドよりも先行させて駆動させるので、障害物を発熱装置で切断した後にその障害物の周囲の地山をカッターヘッドで掘削することとなる。したがって、地山掘削時に、掘削予定箇所の上方及び下方に存在する障害物を引き込むことなく、掘削予定箇所に存在する障害物のみを撤去することができる。また、発熱装置は、機械的に障害物を切断するものではないため、破損しにくく、耐久性に優れている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、破損が少なく、長期間連続して障害物を切断可能な発熱装置を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態に係る矩形シールド機の正面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る矩形シールド機の側断面図である。
【図3】発熱装置を収納した収納室の内部構造を示す平面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る矩形シールド機の正面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る矩形シールド機の側断面図である。
【図7】カッターヘッドの回転による発熱体の移動の軌跡を点線で示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態においては、地山内をシールド機で掘進する際に、切羽面に露出して掘進の障害物となる地盤改良用のドレーン材を切断する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、溶融可能な障害物、例えば、不織布、凍土等を切断する場合にも適用可能である。
図1及び図2は、それぞれ本発明の第一実施形態に係る矩形シールド機1の正面図及び側断面図である。
【0023】
図1及び図2に示すように、矩形シールド機1は、外殻2内に縦横に所定の組み合せで配列されるとともに、それぞれが独立して推進可能、かつ、それぞれが独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールド3と、各主シールド3を進退させるためのシールドジャッキ5と、各主シールド3の前面側に回転可能に設けられたカッターヘッド6と、掘削土砂を排出するためのコンベア7と、を備えている。
【0024】
カッターヘッド6は、回転の中心となる回転軸部6aと、等角度おきに回転軸部6aから放射状に延設された3本のアーム状カッター部6bとを備える。
【0025】
また、矩形シールド機1は、その上縁部及び下縁部にドレーン材を切断するための複数の発熱装置8と、矩形シールド機1の外殻2と隔壁20との間に配置され、発熱装置8を収納するための箱状の収納室10と、収納室10を前後進させて矩形シールド機1本体から出没させるための押出用ジャッキ11と、を備えている。
【0026】
発熱装置8は、それぞれが独立して外殻2に対して出没可能、かつ、それぞれが独立して発熱可能である。本実施形態においては、上縁部及び下縁部にそれぞれ左右に2台の発熱装置8を設置している。なお、発熱装置8の配列は、構築するトンネルの掘削断面の大きさ等に応じて適宜の組み合せとすることができる。要するに、矩形シールド機1の幅方向のほぼ全体をカバーできるように設けられていればよい。
【0027】
図3は、発熱装置8を収納した収納室10の内部構造を示す平面図であり、図4は、図3のA−A断面図である。
図3及び図4に示すように、発熱装置8は、発熱体9と、発熱体9を収納室10内の所定の設置場所へ押し込むための押し込み治具12と、発熱体9を発熱させるために発熱体9に通電する駆動源22(図2参照)と、を備える。
【0028】
収納室10の切羽側の側面10aは、収納室10が地山内を推進する際の抵抗を低減するために、凸状に形成されている。また、収納室10の坑口側の側面には、開閉可能なハッチ15が設けられている。発熱体9の交換作業は、ハッチ15を開いて、矩形シールド機1本体内から行うことができる。
【0029】
収納室10と外殻2との間及び収納室10と隔壁20との間には、収納室10を支持するとともに、土砂や水の流入を防止するための環状のシール材17が設置されている。本実施形態においては、摩擦抵抗の小さいテフロン(商標登録:イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー社)を用いた。
【0030】
発熱体9は、通電されることにより、ドレーン材を切断可能な温度まで発熱することができるものであればよく、本実施形態においては、プラスチックからなるドレーン材を切断するために300℃まで発熱することが可能なカートリッジヒーターを用いたが、これに限定されるものではなく、ドレーン材を溶融させる温度まで発熱できるものであればよい。すなわち、発熱温度は、ドレーン材の溶融温度に応じて適宜、決定される。
【0031】
押し込み治具12は、発熱体9を収納室10の切羽側所定の位置に固定するための固定具13と、一端が固定具13に接続された棒状の押し込み棒14と、から構成される。
【0032】
固定具13の切羽側の側面13aは、収納室10の切羽側の側面10aに密着できるように、切羽に向かって凸状に形成され、さらに、その凸状部の先端には凹部13bが設けられていて、凹部13bには発熱体9がその一部が突出した状態で着脱可能に収容されている。このように、発熱体9は凹部13bに脱着可能であるため、発熱体9が故障した場合には容易に交換することができる。なお、固定具13は、発熱体9の熱を収納室10全体や矩形シールド機1本体に伝達しないように断熱材からなる。
【0033】
発熱体9は、固定具13に収容された状態で、固定具13から突出している部位が収納室10の切羽側の側面10aに密着し、かつ、その側面10aの全幅にわたって設置されるので、発熱体9を発熱させると、切羽側の側面10aは一様に加熱される。
【0034】
発熱体9が故障した場合は、ハッチ15を開いた状態で、押し込み棒14を介して固定具13及び発熱体9を収納室10内から矩形シールド機1本体内へ引き出して、発熱体9を交換する。
【0035】
以上のように構成された発熱装置8を備えた矩形シールド機1を用いてドレーン材が存在する地山を掘削する際は、まず、発熱体9に通電して所定の温度まで加熱する。そして、加熱状態を維持したまま、押出用ジャッキ11を伸張させて上縁部及び下縁部の発熱装置8を主シールド3のカッターヘッド6よりも進行方向前方に突出させながら、前方に存在するドレーン材を熱で溶融して切断する。
【0036】
ドレーン材を切断したら押出用ジャッキ11を収縮させて発熱装置8を矩形シールド機1本体内に格納する。その後、カッターヘッド6を回転させて主シールド3を前進させて地山を掘削するとともに、ドレーン材を細かく切断し、掘削土砂とともに排出する。
【0037】
上述した本実施形態によれば、発熱装置8がカッターヘッド6よりも進行方向前方に突出するように設けられるので、ドレーン材を切断した後にそのドレーン材の周囲の地山を掘削することができる。また、発熱装置8は、矩形シールド機1の上縁部及び下縁部に設けられているので、掘削予定箇所に存在するドレーン材の上端及び下端を切断することができる。したがって、地山掘削時に、掘削予定箇所の上方及び下方に存在するドレーン材を引き込むことがなく、掘削予定箇所に存在するドレーン材のみを撤去することができる。
【0038】
また、発熱装置8は、矩形シールド機1本体から出没可能に構成され、ドレーン材の切断時にカッターヘッド6よりも進行方向前方に突出し、切断終了後に矩形シールド機1本体内に没入するように構成されているので、発熱装置8を矩形シールド機1本体内に没入させた状態で、効率良く、かつ、安全にメンテナンスすることができる。
【0039】
また、発熱体9は、外殻2と隔壁20との間に配置された収納室10内に収納されており、外殻2と収納室10との間及び隔壁20と収納室10との間には、水や土砂の流入を防止するためのシール材17がそれぞれ設置されており、これらのシール材17により水や土砂が通過して矩形シールド機1本体内に流入することを防止できるので、安全に発熱装置8をメンテナンスすることができる。
【0040】
なお、本実施形態において、上縁部及び下縁部の発熱装置8を同時に進行方向側に突出させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、発熱装置8を互いに独立して駆動して、例えば、ドレーン材の設置深度が掘削予定箇所の下端深度よりも浅い場合は、矩形シールド機1の上縁部の発熱装置8のみを突出させるようにしてもよい。
【0041】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。以下の説明において、第一実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0042】
図5及び図6は、それぞれ本発明の第二実施形態に係る矩形シールド機21の正面図及び側断面図である。
図5及び図6に示すように、発熱装置18は、発熱体19と、駆動源22と、を備える。
【0043】
発熱体19は、複数のアーム状カッター部6bのうち、1本のアーム状カッター部6bの外周縁部に設けられた発熱用カッタービット16の側面に着脱可能に貼り付けられている。発熱用カッタービット16は、アーム状カッター部6bの前面に取り付けられている地山掘削用カッタービット23よりも進行方向前方に突出するように設けられている。
このとき、発熱体19は、掘削時にカッターヘッド6を回転させる向きと反対側の発熱用カッタービット16の側面に貼り付けられているので、地山を掘削する力が発熱体19に直接作用することがない。これにより、発熱体19は破損し難くなっている。
【0044】
発熱体19は発熱用カッタービット16に対して着脱可能なので、発熱用カッタービット16の交換時に、古い発熱用カッタービット16から取り外して、新たな発熱用カッタービット16に貼り付けることができる。また、発熱体9が破損した場合は、まず、発熱用カッタービット16を取り外し、次に、破損した発熱体9を取り外して、新しい発熱体9を発熱用カッタービット16に貼り付け、最後に、発熱用カッタービット16をカッターヘッド6に取り付けることにより、発熱体9を交換する。これらの作業は、カッターヘッド6内で行うことができる。
【0045】
以上のように構成された発熱装置18を備えた矩形シールド機21を用いてドレーン材が存在する地山を掘削する際は、まず、発熱体19に通電して所定の温度まで加熱する。次に、加熱状態を維持したまま、カッターヘッド6を低速で回転させながら、前方に存在するドレーン材を熱で溶融して切断する。
【0046】
図7は、カッターヘッド6の回転による発熱体19の移動の軌跡を点線で示す正面図である。
発熱体19は、各アーム状カッター部6bの外周縁部に設けられているので、図7に示すように、アーム状カッター部6bが回転する際に、当該アーム状カッター部6bによる掘削箇所に存在するドレーン材の上端部及び下端部をそれぞれ切断する。そして、発熱体19は、各カッターヘッド6に設けられているので、すべてのカッターヘッド6を回転させることにより、掘削予定箇所に存在するドレーン材の上端及び下端を切断する。
【0047】
上述した本実施形態によれば、発熱装置18がカッターヘッド6の外周縁部に設けられるので、ドレーン材を切断しながら地山を掘削することができる。また、掘削予定箇所に存在するドレーン材の上端及び下端を切断し、掘削予定箇所の上方及び下方に存在するドレーン材を引き込むことがなく、掘削予定箇所に存在するドレーン材のみを撤去することができる。
【0048】
また、発熱体19のメンテナンスは、カッターヘッド6内で行うことができるので、効率良く、かつ、安全に実施することができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、発熱体19を1本のアーム状カッター部6bに取り付けたが、これに限定されるものではなく、複数のアーム状カッター部6bに取り付けてもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、発熱体19を発熱用カッタービット16の側面に貼り付ける方法について説明したが、これに限定されるものではなく、発熱用カッタービット16内に埋め込んでもよい。
【0051】
また、上述した各実施形態において、矩形シールド機1に発熱装置8、18を適用した場合について説明したが、この形状に限定されるものでなく、円形、楕円形等のシールド機にも発熱装置8、18を適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 矩形シールド機
2 外殻
3 主シールド
5 シールドジャッキ
6 カッターヘッド
6a 回転軸部
6b アーム状カッター部
7 コンベア
8 発熱装置
9 発熱体
10 収納室
10a 切羽側の側面
11 押出用ジャッキ
12 押し込み治具
13 固定具
13a 切羽側の側面
13b 凹部
14 押し込み棒
15 ハッチ
16 発熱用カッタービット
17 シール材
18 発熱装置
19 発熱体
20 隔壁
21 矩形シールド機
22 駆動源
23 地山掘削用カッタービット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地山内を掘進するシールド機であって、
前記シールド機の前部に設けられたカッターヘッドよりも進行方向前方に突出するように設置され、所定の温度に発熱する発熱装置を備えることを特徴とするシールド機。
【請求項2】
前記発熱装置は、前記シールド機の外周縁部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシールド機。
【請求項3】
前記発熱装置は、前記シールド機の外殻と隔壁との間に配置された収納室内に収納されており、前記収納室と前記外殻との間及び前記収納室と前記隔壁との間には、止水材がそれぞれ設置されていることを特徴とする請求項2に記載のシールド機。
【請求項4】
前記発熱装置は、前記シールド機本体から出没可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載のシールド機。
【請求項5】
前記発熱装置は、前記カッターヘッドに設置されるカッタービットに取り付けられていること特徴とする請求項1に記載のシールド機。
【請求項6】
所定の温度に発熱する発熱装置を備えたシールド機を用いて地山を掘削する掘進工法において、
発熱された前記発熱装置を前記シールド機の前部に設けられたカッターヘッドよりも先行させることにより、地山内に存在する障害物を前記発熱装置の熱で溶融して切断する切断工程と、
前記障害物を切断した後に、前記発熱装置を前記シールド機内に没入させる没入工程と、
前記カッターヘッドを駆動させることにより地山を掘削する掘削工程と、を備えることを特徴とするシールド機の掘進工法。
【請求項7】
所定の温度に発熱する発熱装置を備えたシールド機を用いて地山を掘削する掘進工法において、
前記カッターヘッドよりも進行方向前方に突出するように設けられた前記発熱装置を所定の温度に発熱させながら、前記シールド機の前部に設けられたカッターヘッドを回転させることにより、地山内に存在する障害物を前記発熱装置の熱で溶融して切断しつつ、地山を掘削することを特徴とするシールド機の掘進工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−52403(P2011−52403A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200538(P2009−200538)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】