説明

シール可能な材料および誘電溶着の形成方法

不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含む誘電溶着可能な材料。接合を形成する方法であって、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含む、第1端および第2端を有する基材を提供することを含む、方法。この方法は、基材の第1端および第2端を高周波電磁エネルギーを用いて接合させることをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体として、誘電溶着可能な材料および高周波接合の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートシールは多くの産業において幅広い用途に利用されている。通常は、物品の2つの部分がシールされるように適切なシールが達成される時間まで高分子材料に加熱が施される。残念なことに、この熱的処理は適切な時間に行われる。例えば、高分子材料をシールする処理には、物品の加熱、そしてこのサイクルを完了させるための物品の冷却が含まれ、これには数分間を要する場合もある。製造を効率的な規模で工業化するにはこの時間は長過ぎる。
【0003】
こうしたシール時間を短縮するために誘電溶着技法が用いられている。高周波またはラジオ周波溶着としても周知の誘電溶着技法は、高周波電磁エネルギーおよび圧力の両方を利用してシールを施すものである。誘電溶着技法に要する時間は熱溶着に比べてわずかであるが、誘電溶着が適用できるのは特定のポリマーに限られている。誘電溶着に対し導電性を示す熱可塑性ポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、官能化ポリオレフィン(エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸もしくはメタクリル酸もしくはエステルまたはこれらの誘導体との共重合体または三元共重合体等)、および熱可塑性ポリウレタン(TPU)が一般に使用されている。これらの特定のポリマーが誘電溶着に対し導電性を示すのは、これらの高分子材料が高い誘電損率(すなわち0.1を超える)または誘電正接tanδを有するためである。残念なことに、このようなポリマーは特定の用途に要求される物理または機械特性を有していない場合がある。
【0004】
通常は、特定の用途に適した可撓性や透明性を有するポリマー等が必要とされるであろう。残念なことに、このようなポリマーの多くは不活性な性質を有する、すなわち誘電正接が低いために誘電エネルギーでシールすることができないので、熱的にシールを施すことしかできない。その結果として、製造業者は必要な物理および機械特性を選択するに留まり、誘電エネルギーを用いて速やかにシールできるか否かに関し選択する余地が残されていない場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、誘電溶着を用いてシールすることができる改善された高分子材料が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の開示
特定の実施形態においては、誘電溶着可能な材料は、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含むものである。
【0007】
他の例示的な実施形態においては、接合を形成する方法は、第1端および第2端を有する基材を提供することを含み、この基材は、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含んでいる。この方法はさらに、高周波電磁エネルギーを用いて基材の第1端および第2端を接合することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施形態の説明
特定の実施形態においては、誘電溶着可能な材料は、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含む。不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーのブレンドは、有利には、誘電溶着を用いてシールすなわち溶着可能な材料を提供する。一例においては、誘電溶着には、高周波電磁エネルギー(HF)およびラジオ周波エネルギー(RF)が関与する。
【0009】
一般に、不活性ポリマーとは、高周波エネルギーを適用しても活性化しないポリマー材料である。不活性ポリマーは好ましくない誘電特性を有するため、通常はHFおよびRFに対し不活性である。HFおよびRF活性にはポリマー材料またはコンパウンドの誘電率または損率または誘電正接tanδが関連している。通常、ポリマーの誘電損率(dielectric loss constant)が0.10を超える場合、このポリマーは誘電エネルギーを用いて溶着することが可能である。ポリマーまたはコンパウンドまたは樹脂または材料が不活性(すなわち、誘電損率が0.10未満)である場合、その誘電正接は低くなる。この不活性ポリマーをエラストマー性極性ポリマーを用いて改質すると、不活性ポリマーの誘電特性、したがって不活性ポリマーのHFおよびRF挙動が好ましく変化する。通常、エラストマー性極性ポリマーを添加する前の不活性ポリマーの誘電損率は約0.10未満、例えば約0.08未満、例えば約0.07未満、例えば約0.06未満、さらには約0.05未満でさえある。エラストマー性極性ポリマーを添加する前の誘電損率が約0.10未満である任意の不活性ポリマーが想定され得る。
【0010】
例示的な不活性ポリマーとしては、熱可塑性オレフィン系エラストマーや熱可塑性ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、これらのブレンド、これらの混合物等を挙げることができる。一実施形態においては、不活性ポリマーはポリオレフィンである。さらなる実施形態においては、不活性ポリマーとして任意のスチレン系ブロック共重合体、例えば、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレン、これらのブレンド、これらの混合物等が挙げられる。一実施形態においては、不活性ポリマーは、ポリオレフィンおよび熱可塑性エラストマーの混合物である。一実施形態においては、不活性ポリマーは動物由来成分を含まない(ADCF)。
【0011】
特定の実施形態においては、不活性ポリマーはポリオレフィンである。典型的なポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、オクテン等のモノマーまたはこれらの任意の組合せから形成される単独重合体、共重合体、三元共重合体、アロイ、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。例示的なポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリブチレン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンオクテン共重合体、これらのブレンド、これらの混合物等が挙げられる。特定の実施例においては、ポリオレフィンとして低密度ポリエチレン等のポリエチレンが挙げられる。他の例においては、ポリオレフィンとしてポリプロピレンが挙げられる。さらにポリオレフィンとして、オレフィン系ランダム重合体、オレフィン系耐衝撃性共重合体、オレフィン系ブロック共重合体、オレフィン系機能性エラストマー、オレフィン系機能性プラストマー、これらのブレンド、これらの混合物等が挙げられる。一例においては、不活性ポリマーは、ポリプロピレンとスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)とのブレンドまたは共押出物である。市販のポリオレフィンの例としては、Dow Chemical Co.より入手可能なEngage(商標)等のポリエチレンやポリエチレン系エラストマーおよびDow Chemical Co.より入手可能なVersify(商標)、Exxon Mobil Chemicalより入手可能なVistamaxx(商標)等のポリプロピレンやポリプロピレン系エラストマー等が挙げられる。
【0012】
一実施形態においては、不活性ポリマーは、上述したような任意の種類のポリオレフィン、熱可塑性エラストマー、または両者の混合物であってもよい。例示的な一実施形態においては、不活性ポリマーは、ポリオレフィンで適切に改質されたスチレン系TPEをベースとする系であり、さらには、この不活性ポリマー系は適切な可塑剤を含有する。可塑剤は特定の用途に使用され、例えば、パラフィン系、ナフテン系、および芳香族系画分の含有量により組成が決定される、USP Class VIに適合する鉱油であってもよい。この油はエラストマー性極性成分の可塑化に大きく寄与するので、不活性ポリマーの配合は最終ブレンドに所望の性質が付与されるように選択される。通常、不活性ポリマーの処方は、最終的に得られるブレンドの硬さのバランスを取ることに加えて、最終ブレンドに移行やブリード等の問題を誘発しない適正量の油を分布させる役割を果たす。さらにこの油はチューブの潤滑剤としても有用であり、これは溶着性およびシール性にとって望ましいものである。
【0013】
エラストマー性極性ポリマーはブレンドの1成分である。一実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーは、結晶化度を有していても有していなくてもよい。一実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーは、非結晶性極性ポリマーである。本明細書において用いられる「非結晶性」とは、実質的に結晶性を有しない、すなわち結晶融点を有しないポリマーを指す。一実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーは、半結晶性、すなわちDSCによる結晶融点およびビカット軟化点が約100℃まで、密度が0.96g/cc未満、かつショア硬さが95A未満である(例えば、結晶化度を有しないLevamelt 700等の非結晶性EVAの密度は1.08g/ccである)。
【0014】
任意のエラストマー性極性ポリマーが想定される。例示的なエラストマー性極性ポリマーはエチレン酢酸ビニルである。エチレン酢酸ビニルポリマー中に認められる酢酸ビニルの量がポリマーの結晶化度を決定する。具体的には、EVA共重合体中の酢酸ビニルの割合が高くなるほど、エチレン鎖の結晶の規則性が乱されるかまたは破壊される。結晶化は次第に阻害され、酢酸ビニルを約50%含むEVA共重合体では実質的に存在しなくなり、非結晶性ポリマーとなる。一実施形態においては、本開示のエチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量はエチレン酢酸ビニルの総重量の約50重量%を超える。例えば、エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量はエチレン酢酸ビニルの総重量の約60重量%超〜約80重量%、例えばエチレン酢酸ビニルの総重量の約60重量%〜約70重量%である。さらに、ガラス転移温度Tgは、通常は非結晶性ポリマーの割に低く、すなわち約0℃未満である。一実施形態においては、非結晶性エチレン酢酸ビニルのガラス転移温度は約0℃未満、例えば約−15℃未満であり、さらには約−25℃未満でさえある。
【0015】
一実施形態においては、エチレン酢酸ビニルの数平均分子量(Mn)は約70,000〜約90,000、例えば約80,000〜約85,000である。エチレン酢酸ビニルの重量平均分子量(Mw)は約250,000〜約400,000、例えば約280,000〜約350,000であってもよい。一実施形態においては、エチレン酢酸ビニルの多分散性指数(Mw/Mn)は約3.0〜約5.0、例えば約3.5〜約4.0である。一実施形態においては、エチレン酢酸ビニルは望ましいメルトフローインデックス(MI)を有し、190℃/21.1Nの試験条件下において、例えば約1〜約7、例えば約1.5〜約6である。通常、200℃、剪断速度100/sにおける溶融粘度は約600Pa.sまで、例えば約400Pa.s〜約500Pa.sであってもよい。剪断速度が1000/sの場合の溶融粘度は約300Pa.sまで、例えば約100Pa.s〜約200Pa.sであってもよい。一実施形態においては、トルエン中濃度15%の溶液粘度は約2000mPa.sまで、例えば約200mPa.s〜1500mPa.sであるか、またはトルエン中濃度30%で約50,000mPa.s、例えば約7000mPa.s〜30,000mPa.sである。
【0016】
例示的な一実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーは望ましいショアA硬さを有し、例えば約30〜約40である。一実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーのショアA硬さは40を超えてもよい。
【0017】
通常、非結晶性エチレン酢酸ビニルは、圧力約200バール〜約1000バール、温度約50℃〜約120℃における溶液重合により合成される。一実施形態においては、非結晶性エチレン酢酸ビニルは、圧力約1バール〜約200バール、温度30〜70℃で実施される乳化重合により合成してもよい。一方、圧力約1000バール〜約3000バール、温度約150℃〜約350℃における塊状重合により結晶性エチレン酢酸ビニルを調製してもよい。
【0018】
一実施形態においては、酢酸ビニル含有量が低いエラストマー性エチレン酢酸ビニルが使用される。本明細書において用いられる「酢酸ビニル含有量が低い」とは、酢酸ビニル含有量が約35%未満のエチレン酢酸ビニルを指す。特定の実施形態においては、エチレン酢酸ビニルのビニル含有量は約30%未満、例えば約7%〜約25%、例えば約10%〜約20%、または約15%〜約20%でさえある。酢酸ビニル含有量の低いエチレン酢酸ビニルを使用すると光学的に望ましい外観を有するブレンドが得られる。例えば、酢酸ビニル含有量が低いエチレン酢酸ビニルを使用すると、酢酸ビニル含有量が35%を超えるエチレン酢酸ビニルと比較して光学的に透明なブレンドが得られる。一実施形態においては、酢酸ビニルを20%未満含有するエチレン酢酸ビニルポリマーを特定の用途に使用することにより透明性が改善される可能性がある。酢酸ビニル含有量が低いエチレン酢酸ビニルは半結晶性であってもよい。エラストマー性半結晶性極性ポリマーの一例として、酢酸ビニル含有量が約35%以下のEVAが挙げられる。
【0019】
一実施例においては、ブレンドは、ポリマーブレンドの総重量の約1重量%〜約99重量%の範囲で存在するエラストマー性極性ポリマーを含む。一実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーは、ポリマーブレンドの総重量の少なくとも約5重量%超、例えば、ポリマーブレンドの総重量の少なくとも約15重量%超で存在する。特定の実施形態においては、エラストマー性極性ポリマーは、ポリマーブレンドの総重量の少なくとも約10重量%超、例えば、ポリマーブレンドの総重量の約10重量%〜約40重量%の範囲、さらにはポリマーブレンドの総重量の約15重量%〜約30重量%の範囲でも存在する。通常、ブレンド中に存在するエラストマー性極性ポリマーの量は所望の最終特性に基づき最適化することができる。
【0020】
例示的な一実施形態においては、ブレンドは、想定される任意の添加剤、例えば、架橋剤、光開始剤、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、またはこれらの任意の組合せをさらに含む。例示的な酸化防止剤として、フェノール性酸化防止剤が挙げられる。例示的な充填剤として、炭酸カルシウム、タルク、放射線不透過性充填剤(硫酸バリウム等)、オキシ塩化ビスマス、およびこれらの任意の組合せ等が挙げられる。例示的な架橋剤として、過酸化物、シアヌル酸エステル、これらの組合せ等が挙げられる。例示的な可塑剤としては、油等の任意の周知の可塑剤が挙げられる。特定の実施形態においては、可塑剤は、ブレンド中に低酢酸ビニルのエチレン酢酸ビニルが含まれる場合に使用される。さらに可塑剤は、ブレンドの透明性やブレンドの加工性を改善するとともに、ブレンドの粘着性を低下させる。別法として、ブレンドは、架橋剤、光開始剤、充填剤、可塑剤、および酸化防止剤を含まなくてもよい。
【0021】
通常、添加剤は、ポリマーブレンドの総重量の約50重量%以下の量で存在してもよく、例えば、ポリマーブレンドの総重量の約40重量%以下であり、さらにはポリマーブレンドの総重量の約30重量%以下でさえある。
【0022】
ブレンドの成分は、ブレンドを形成するための任意の周知の方法で溶融加工してもよい。一実施形態においては、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーをドライブレンディングまたはコンパウンディングすることにより溶融加工してもよい。ドライブレンドは、粉末、顆粒、またはペレット形態であってもよい。コンパウンディングの例としては、連続式である二軸スクリュープロセスまたは回分式に関連するバンバリープロセスが挙げられる。一実施形態においては、ブレンドを押出成形または射出成形することができる。特定の実施形態においては、ブレンドを当該技術分野において周知の想定内の任意の方法、例えば、貼合せ、注型、成形により溶融加工することができる。特定の実施形態においては、油等の可塑剤を不活性ポリマーとブレンドしてもよく、次いで不活性ポリマー/油ブレンドを酢酸ビニル含有量が低いエチレン酢酸ビニルポリマーとブレンドしてもよい。
【0023】
例示的な一実施形態においては、ポリマーブレンドの成分を架橋により硬化してもよい。特定の例においては、ブレンドは、X線、ガンマ線、紫外の電磁放射線、可視光線、電子線(e−ビーム)、またはこれらの任意の組合せ等による放射線により架橋するものであってもよい。紫外(UV)線としては、170nm〜400nmの範囲、例えば170nm〜220nmの範囲内の単一または複数の波長の放射線を挙げてもよい。イオン化放射線としては、イオンを発生することができる高エネルギー放射線が挙げられ、電子線(e−ビーム)、ガンマ線、およびx線が挙げられる。特定の例においては、e−ビームイオン化放射線として、ヴァンデグラフ起電機、電子加速器、またはx線により発生した電子線が挙げられる。
【0024】
ポリマーブレンドは滅菌されていてもされていなくてもよい。一実施形態においては、ポリマーブレンドは、任意の想定される方法により滅菌されている。例えば、ポリマーブレンドは、誘電溶着の前または後に滅菌されていてもよい。例示的な滅菌法としては、水蒸気、ガンマ、エチレンオキシド、E−ビーム技法、これらの組合せ等が挙げられる。特定の実施形態においては、ポリマーブレンドはガンマ線で滅菌されている。
【0025】
不活性ポリマーにエラストマー性極性ポリマーを添加することにより、極性が付与されて誘電特性が変化し、誘電エネルギーすなわち高周波(HF)またはラジオ周波(RF)エネルギーを用いて溶着することができるようになる。特に、「溶着」および「シール」は互換的に使用することができ、ポリマーブレンドから形成された物品の2つの部分を1つに溶着することを指す。さらに溶着には、フラットシールに加えてチューブ用途向けの外周シールが含まれる。通常、電磁エネルギーの印加は、乾燥および湿潤条件下において約30psiの空気圧を用いたシール完全性加圧試験(seal integrity pressure test)に10分間耐えるシールを得るのに十分な条件で行われる。誘電溶着の典型的な条件としては、例えば、周波数約26MHz〜約28MHz、例えば約27MHzの電磁エネルギーが挙げられる。例示的な一実施形態においては、電磁エネルギーを印加する時間は約10秒間〜約60秒間である。典型的な電力レベルは約200ワットである。さらに、通常はシール部位に例えば約80psiの圧力が印加される。誘電溶着に妥当な任意の条件を想定することができる。他の任意の溶着/シール方法、例えば、加熱、振動、超音波、赤外、これらの組合せによる溶着等も想定可能である。
【0026】
上述した誘電溶着方法の具体的な実施形態により、熱溶着技法に勝る技術的利点が得られる。本実施形態により、熱溶着よりも時間が短縮されると同時に、所望の機械特性を有する低毒性物品を製造することが可能となる。特に、結果として得られるブレンドは所望の可撓性、高い透明性または半透明性、所望のガラス転移温度、所望の低温特性、ならびに油およびアルコールに対する耐薬品性を有している。
【0027】
実施形態において、結果として得られるブレンドは、さらに所望の物理および機械特性を有してもよい。例えば、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーのブレンドは、有利には、低デュロメータのシリコーンエラストマーを生成してもよい。例えば、ショアAデュロメータが70以下、例えば65以下、例えば60以下であり、かつ所望の機械特性を有するブレンドを形成してもよい。このような特性はこの材料が可撓性であることを示している。
【0028】
このポリマーブレンドは、所望の硬さに加えて、有利な物理特性、例えば、所望の破断伸び、引張強さ、または引裂強さを有する。破断伸びおよび引張強さはASTM D−412の試験方法に準拠しインストロン装置を用いて測定される。例えば、このポリマーブレンドは、少なくとも約600%の破断伸びを示してもよく、例えば、少なくとも約700%または少なくとも約750%を示す場合さえある。一実施形態においては、ポリマーブレンドの引張強さは約500psiを超え、特に、少なくとも約600psi、例えば少なくとも約900psiであり、さらには少なくとも約1000psiでさえある。特定の実施形態は、所望の伸びおよび引張強さを兼ね備えており、例えば、引張強さが少なくとも約600psiであり、かつ伸びが少なくとも約700%である。一実施形態においては、ポリマーブレンドは、望ましい伸びおよび引張強さを兼ね備えており、例えば、引張強さが少なくとも約1000psiであり、かつ伸びが少なくとも約700%である。さらに、ポリマーブレンドは、ASTM D624により測定された引裂強さが約200pliを超えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
このポリマーブレンドの用途は多岐に亘る。特に、このポリマーブレンドが無毒性であることにより、毒性が望ましくない任意の用途に有用な材料となる。例えば、このポリマーブレンドは、FDA、USP、および他の規制当局の承認を得られる可能性がある。例示的な一実施形態においては、ポリマーブレンドを、工業、医療、生物薬剤、飲食品等の用途に使用してもよい。一実施形態においては、ポリマーブレンドを、単層物品、多層物品に使用してもよく、あるいは基材上に貼合せ、塗工、または形成してもよい。多層物品は、補強層、接着層、バリア層、耐薬品層、金属層、またはこれらの組み合わせ等を含んでいてもよい。ブレンドを任意の有用な形状、例えば、フィルム、シート、チューブ等に形成することができる。一実施形態においては、ブレンドは、医療用液体を含む医療用バッグ、例えば、血液バッグに使用することができる。例示的な一実施形態においては、ブレンドを医療用バッグのみならず対応するチューブの形成に使用することができる。ポリマーブレンドを他の基材に接着または接合させてもよい。一実施形態においては、ポリマーブレンドをポリカーボネート、ポリエチレン、および/またはシリコーン基材に接合または接着させてもよい。特定の実施形態においては、ポリマーブレンドをオーバーモールド(射出成形プロセス)用途においてポリカーボネート、ポリエチレン、および/またはシリコーンチューブに接合または接着させてもよい。
【0030】
具体的な実施形態においては、ポリマーブレンドをチューブまたはホースの製造に使用してもよい。例えば、ポリマーブレンドを、低毒性ポンプチューブ、強化ホース、耐薬品性ホース、編組ホース、ならびに低透過性チューブおよびホースを製造するために使用することができる。例えば、チューブは選択された特定の用途に有用な任意の直径で提供してもよい。一実施形態においては、チューブの外径(OD)は約2.0インチまで、例えば、約0.25インチ、0.50インチ、および1.0インチであってもよい。このポリマーブレンドのチューブは、有利には、所望の特性、例えば、耐薬品性や長寿命を示す。例えば、チューブの寿命は蠕動ポンプチューブとして約10時間超、例えば約15時間超またはそれさえも超えてもよい。
【実施例】
【0031】
実施例1
本研究に用いたモデルC−FlexはR70−374 TPEコンパウンドである。一般用語におけるR70−374は、Saint−Gobainより入手した、S−EB−Sスチレン系TPE樹脂、ポリプロピレン(PP)、および鉱油を溶融混練した材料である。
【0032】
エチレン酢酸ビニル(EVA)ポリマー添加剤が両方の方法で機能することを示すために、以下の2種類の試験的処理を行う。
【0033】
単軸溶融押出機のフィードホッパーにて、非結晶性EVA(VA約70%)の割合を15、20、25、および30重量%に変化させたR70−374のドライブレンド(ソルト/ペッパー形態(salt/pepper type))を作製することにより寸法0.25インチ×0.38インチのチューブ試料を得る。非結晶性EVAの重量平均分子量(Mw)は約300,000、数平均分子量(Mn)は約80,000であり、多分散性インデックスは(Mw/Mn)は約3.9である。非結晶性EVAの190℃/21.1Nで試験した場合のメルトフローインデックスは約2〜6であり、溶液粘度は、トルエン中濃度15%において約200mPa.s〜約1500mPa.s、溶融粘度は、200℃、剪断速度100/sにおいて約400Pa.s〜約500Pa.sである。この技法を用いて本来RFを吸収しない任意の熱可塑性または熱硬化性ポリマーをソルト/ペッパーブレンドすることによりRF感受性を付与することができる。つまり、上記ポリマーを非結晶性エラストマー性極性ポリマーと単純にブレンドすることによりRF技法によるヒートシールが可能になる。
【0034】
Akron2.5インチ単軸スクリュー押出プロセスの条件を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
以下の表2の処方をリボンブレンダーで予備混合し、次いでこの混合物を二軸押出機で溶融混練する。Berstorff ZE40二軸スクリュー混練プロセスの条件を表3のように設定する。次いで、こうして得られたペレットを単軸押出機のホッパーに供給し、寸法1/4×3/8インチのチューブを押出成形する。ソルト/ペッパーまたはドライブレンディングが望ましくない場合は、この技法を用いることによってチューブの押出成形に進む前に1段階ですべての原料が混合されるという利点が得られる。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
単軸溶融押出機で得られたドライブレンドされたペレットおよび二軸押出機で混練されたペレットについて、表5に示す様々な物理特性を試験するためさらに板状に射出成形する(表4にVan Dorn機を用いた射出成形プロセスの条件を示す)。
【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【0042】
ブレンドされた試料を用いると対照試料と比較して有利な結果が得られる。ブレンドされた試料はショアAデュロメータが約62未満の可撓性を維持している。特に、EVAを30%含むブレンドされた試料は、イソプロパノールへの抽出から分かるように、抽出分が対照と比較して50%近く低減されており(無滅菌試料の場合)、滅菌試料の場合は80%近く低減されている。
【0043】
6種類のチューブ試料の品質および完全性について試験を行う。対照試料を約160℃の温度で保時時間を40秒間、冷却温度を約50℃、冷却時間を60秒間、空気を80psiとして熱的にシールする。対照試料はRF溶着でシールすることはできない。5種類の試料は、RF保持時間を6.0秒間、クランプ時間を15.0秒間、空気を80psiとするRF溶着に反応する。RF設備の使用電力は200Wであり、シール時に試料に印加された圧力は80psiである。典型的にはRF設備は約27MHzで動作する。結果の詳細を表6に示す。
【0044】
【表6】

【0045】
RFでシールした5種類の試料はすべて上首尾にシールされた。これらはいずれも目視試験および空気圧30psiで10分間のシール完全性加圧試験に合格した。
【0046】
実施例2
初回の処方は、以下の処方のSS09−084を配合し、チューブを押出成形する。
【0047】
SS09−084、#5:C−Flex R70−046−000を50%およびUltrathene UE624000(Lyondellより提供されるVAを18%含む添加剤非含有EVAポリマー)を50%。
【0048】
C−Flex−046樹脂のショア硬さの公称値は35Aである。結果として得られる最終コンパウンド中の油は約23.2%である。この処方は二軸スクリューで上首尾に配合される。こうして得られたペレットをチューブに押出成形して1/8×1/4および3/8の透明チューブとする。
【0049】
SS09−084、#4:C−Flex R70−251−000を35%およびUltrathene UE624000(Lyondellより提供されるVAを18%含む添加剤非含有EVAポリマー)を65%。
【0050】
C−Flex−251樹脂のショア硬さの公称値は5Aである。この処方は二軸スクリューで問題なく配合される。しかしながら、チューブの押出成形では問題が生じ、1/8×1/4のチューブのみが上首尾に得られる。より大径の3/8×5/8等は潰れてしまう。結果として得られるこの処方中の油は約24.6%である。さらに、1/8×1/4チューブは数日後から油のブリードが開始し、油が不混和であることを示している。
【0051】
上の配合に関する研究から、EVAの油の許容範囲は繊細で、油の含有量が23.2%から24.6%に変化しただけでさえチューブの加工性および油の混和性挙動に大きな差が生じることがわかった。
【0052】
実施例3
10種類の処方を配合し、ショアA、引張、および光学特性に関し試験を行う。試料のIDはSS10−002#1〜#10である。以下の表にまとめたデータからわかるように、SS10−002#1および#2は一般的な要件である約60〜70Aに適合し、透明の可撓性チューブはRF反応性を示す可能性がある。Evataneは半結晶性EVA共重合体であり、グレード33−15および28−03はVAをそれぞれ約33%および28%含有する。Levamelt 700はVAを70%含有するエラストマー性EVAである。Ultrathene EVA UE624000はVAを18%含む半結晶性EVAである。以下に示す光学的透明性は、可視光波長範囲である400〜700nmの光透過率により評価する。VAを18%含有するEVAをベースとして製造されたC−Flexブレンドの透明性が他の種類のEVA共重合体よりも高かったという結果は興味深いものである。上の10種類の処方を以下の表7に詳述し、その特性を表8に示す。
【0053】
【表7】

【0054】
【表8】

【0055】
それぞれC−Flex−046/Ultrathene EVAの50/50および60/40ブレンドをベースとする配合物SS10−004#1および#2はいずれもショア硬さが70A未満であり、引張強さの値はRF不活性な対照配合物C−Flex−3747を上回っている。
【0056】
SS10−004、#1の配合物については既にCWTR製造設備を用いて製造を行い、チューブ(3/8×5/8)を押出成形し、RFシール試験を行っているので(SS09−084、#5)、CWTRでSS10−004、#2の配合物を配合してSS10−005のIDで寸法3/8×5/8のチューブを押出成形する。このチューブについてもRFシール試験を行う。この両者のチューブのガンマ線照射前およびガンマ線照射後(照射量40〜50kGy)の形態について試験を行う。
【0057】
RFシールおよびチューブに関する試験結果を以下に載せる。SS09−084、#5の処方はSS10−005よりも高い効率および信頼性でRF反応性を示すことが明白である。したがって、処方中のEVA(Ultrathene、VA18%)量の最適な割合は約50%であることがわかる。
【0058】
【表9】

【0059】
SS09−084、#5の配合物をベースとするチューブに関するシール試験を行ったところ完全性は良好であった。SS10−005チューブはRFを用いて69秒間でシールすることができる。RFシールされた試料についてシール完全性試験を行う。シールは乾燥および湿潤(チューブに生理食塩水を充填)の両方で実施する。シールの完全性に関する結果を以下の表10に示す。
【0060】
【表10】

【0061】
上述のRF反応性に関する利点に加えて、EVAとブレンドされたC−Flexは特にシール時間が短縮されると同時に引張強さが高くなっており、配合物の特徴に基づき以下が改善されることが期待および予測される:C−Flex−374の対照配合物と比較して、破裂圧力の向上(より高い引張強さに基づく)および抽出分(チューブ配合物から抽出媒体(溶剤や化学薬品等)中に抜き出すことができる可塑剤、液体、プラスチック添加剤等の移行物質の量)の低下。このことは、RF反応性C−Flex SS09−084、#5に使用された可塑剤の割合が−374に使用された量の半分であり、したがって、ヘキサンやイソプロピルアルコール等の溶剤への抽出分がより少なくなるはずであるという事実に基づいている。
【0062】
一般説明または実施例で上述した操作がすべて必要とされるわけではなく、特定の操作の一部が必要でない場合もあり、また上述したものに加えて1つまたはそれ以上のさらなる操作が実施される場合もあることに留意されたい。さらに、列挙された操作の順序が必ずしも実施の順序ではない。
【0063】
先の明細書において特定の実施形態を参照しながら概念を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載する本発明の範囲を逸脱することなく様々な修正および変形が可能であることを理解する。したがって、明細書および図面は限定的ではなく寧ろ例示的な意味合いを持つと見なすべきであり、このような修正はすべて本発明の範囲に包含されることが意図されている。
【0064】
本明細書において用いられる「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」「有する(has)」、「有する(having)」という用語またはこれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を含むことを意図している。例えば、列挙された特徴を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されていない他の特徴またはこのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に本来備わっている他の特徴も含み得る。さらに、そうでないことが明示されていない限り、「または(or)」は包含的論理和を意味するものであって、排他的論理和を意味するものではない。例えば、AまたはBという条件は、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)、ならびにAおよびBが両方とも真である(または存在する)。
【0065】
同様に、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、本明細書に記載される構成要素および構成成分を記載する際に用いられる。これは単に便宜上、本発明の範囲の一般的な意味を与える目的で用いられている。この記載には、それ以外を意味することが明白でない限りは、1つまたは少なくとも1つが包含され、また、単数形には複数形も包含されると解釈されるべきである。
【0066】
特定の実施形態に関し、利点、他の利益、および問題の解決策について上述した。しかしながら、この利点、利益、問題の解決策、および何らかの利点、利益、または解決策を生むかまたはこれらをより顕著にし得る任意の特徴は、いずれかまたはすべての特許請求の範囲に重要、必要、または必須の特徴と解釈すべきではない。
【0067】
当業者であれば、本明細書を読むことにより、本明細書において明瞭化のために別々の実施形態の文脈に記載された特定の特徴を単一の実施形態で提供してもよいことを理解するであろう。これとは逆に、簡素化のために単一の実施形態の文脈に記載された様々な特徴を別々にまたは任意の小結合として提供してもよい。さらに、範囲として述べられた値を参照する場合は、その範囲内のそれぞれの値およびすべての値が包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含む、誘電溶着可能な材料。
【請求項2】
前記不活性ポリマーの誘電損率が約0.1未満である、請求項1に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項3】
前記不活性ポリマーが、ポリオレフィンを含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項4】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、オレフィン系ランダム共重合体、オレフィン系耐衝撃性共重合体、オレフィン系ブロック共重合体、オレフィン系機能性エラストマー、オレフィン系機能性プラストマー、またはこれらのブレンドである、請求項3に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項5】
前記不活性ポリマーが、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項6】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系ブロック共重合体、熱可塑性オレフィン系エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)、熱可塑性ポリエステル系エラストマー、またはこれらの混合物を含む、請求項5に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項7】
前記不活性ポリマーが、ポリオレフィンおよび熱可塑性エラストマーの混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項8】
前記エラストマー性極性ポリマーが、非結晶性である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項9】
前記エラストマー性極性ポリマーが、エチレン酢酸ビニルを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項10】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約50重量%を超える、請求項9に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項11】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約60重量%超〜約80重量%である、請求項10に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項12】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約35重量%未満である、請求項9に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項13】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約10重量%〜約20重量%である、請求項12に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項14】
前記エラストマー性極性ポリマーのショアA硬さが約30〜約40である、請求項1に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項15】
前記エラストマー性極性ポリマーが、前記材料の総重量の少なくとも約5重量%を超えて存在する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項16】
前記ブレンドが、可塑剤をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項17】
前記ブレンドが、コンパウンディングまたはドライブレンディングにより溶融加工することが可能である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項18】
前記ブレンドが、押出成形または射出成形される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項19】
前記ブレンドが、単層物品または多層物品に形成される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項20】
前記ブレンドが、充填剤をさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項21】
前記充填剤が、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、オキシ塩化ビスマス、およびこれらの組合せを含む、請求項20に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項22】
ショアA硬さが約70以下である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項23】
実質的に透明な、請求項1〜22のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項24】
シールされた前記材料が、乾燥条件下において空気圧30psiの圧力下で10分間完全性を実質的に維持する、請求項1〜23のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項25】
シールされた前記材料が、湿潤条件下において空気圧30psiの圧力下で10分間完全性を実質的に維持する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項26】
前記材料が、滅菌可能である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項27】
前記ブレンドが、医療用バッグ、チューブ、フィルム、またはこれらの組合せに形成される、請求項1〜26のいずれか一項に記載の誘電溶着可能な材料。
【請求項28】
接合を形成する方法であって、
第1端および第2端を有する基材を提供することと、
前記基材の前記第1端および第2端を高周波電磁エネルギーで接合することと
を含み、前記基材が、不活性ポリマーおよびエラストマー性極性ポリマーを含む少なくとも2種の成分のブレンドを含む、方法。
【請求項29】
前記基材を滅菌するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記基材がガンマ線により滅菌されている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記不活性ポリマーの誘電損率が約0.1未満である、請求項28〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記不活性ポリマーが、ポリオレフィンを含む、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、オレフィン系ランダム共重合体、オレフィン系耐衝撃性共重合体、オレフィン系ブロック共重合体、オレフィン系機能性エラストマー、オレフィン系機能性プラストマー、またはこれらのブレンドを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記不活性ポリマーが、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系ブロック共重合体、熱可塑性オレフィン系エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)、熱可塑性ポリエステル系エラストマー、またはこれらの混合物を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記不活性ポリマーが、ポリオレフィンおよび熱可塑性エラストマーの混合物を含む、請求項28〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記エラストマー性極性ポリマーが、非結晶性である、請求項28〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記エラストマー性極性ポリマーが、エチレン酢酸ビニルを含む、請求項28〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約50重量%を超える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約60重量%超〜約80重量%である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記エチレン酢酸ビニルが、溶液重合によって調製される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の35重量%未満である、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記エチレン酢酸ビニルの酢酸ビニル含有量が、前記エチレン酢酸ビニルの総重量の約10重量%〜約20重量%である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記エラストマー性極性ポリマーのショアA硬さが約30〜約40である、請求項28に記載の方法。
【請求項45】
前記エラストマー性極性ポリマーが、前記材料の総重量の少なくとも約5重量%を超えて存在する、請求項28〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記ブレンドが、可塑剤をさらに含む、請求項28〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記ブレンドをコンパウンディングまたはドライブレンディングすることにより溶融加工するステップをさらに含む、請求項28〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記ブレンドを押出成形または射出成形するステップをさらに含む、請求項28〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記ブレンドを単層物品または多層物品に形成するステップをさらに含む、請求項28〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ブレンドが充填剤をさらに含む、請求項28〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記充填剤が、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、オキシ塩化ビスマス、およびこれらの組合せを含む、請求項50に記載の方法。

【公表番号】特表2012−532224(P2012−532224A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517929(P2012−517929)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/040989
【国際公開番号】WO2011/003107
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】