説明

シール塗布装置

【課題】本発明の目的は、ファスナーにシール剤を均一に塗布することが容易なシール塗布装置及びシール塗布方法を提供することである。
【解決手段】シール塗布装置1が備えるシール剤吐出装置11は、ファスナー25に塗布されるべきシール剤を吐出する。シール剤吐出装置11は、シール剤が充填されたシールカートリッジ112に吐出パンチ111を押し込む吐出パンチ送り装置113を備える。吐出パンチ送り装置113は、シール剤の吐出量が一定に制御されるように吐出パンチ111の押し込み力を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトやリベットのようなファスナー(締結部品)を用いて被締結物を締結する技術に関し、特に締結部をシールする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルトやリベットのようなファスナー(締結部品)を用いて被締結物を締結する技術は、航空機等の組立てに利用されている。ファスナーを用いて航空機の主翼の部品を締結する場合、燃料漏れを防ぐために締結部をシールする。
【0003】
図1〜6を参照して、繊維強化プラスチックのような複合材の被締結物を手作業で締結する方法を説明する。
【0004】
図1を参照して、被締結物としてのワーク100は、重ねられた複数の複合材部品51及び52を含む。ワーク100の一方側の表面100bから他方側の表面100cへ貫通する皿穴付き孔100aを形成する。皿穴付き孔100aの皿穴部分は表面100b側に配置される。ワーク100は、皿穴付き孔100aの皿穴部分を囲む皿穴壁面100dを有する。皿穴付き孔100aの形成後、ワーク100を清掃して皿穴付き孔100aを形成したときに生じたバリを取り除く。
【0005】
図2は、ワーク100を締結するための締結部品としてのファスナー25を示す。ファスナー25は、例えば、ハックタイトファスナーである。ファスナー25は、皿ボルト20と、スリーブ40とを備える。皿ボルト20は、頭部21と、円筒部22と、ねじ部23とを備える。頭部21は、頭部上面21aと、頭部側面21bとを有する。頭部側面21bは円錐面に形成されている。円筒部22は、頭部21とねじ部23の間に配置される。円筒部22にはねじが形成されていない。ねじ部23は、端面23aを有する。頭部上面21a及び端面23aは、ファスナー25の軸方向の両端に配置される。スリーブ40は、円筒部22に被せられている。円筒部22の頭部21に近い部分がスリーブ40から露出している。スリーブ40は、頭部21側に配置された皿部41と、ねじ部23側に配置された円筒部42とを備える。皿部41は円錐形状に形成されている。
【0006】
図3を参照して、皿部41が皿穴壁面100dに突き当たるまで、ファスナー25を皿穴付孔100aに押し込む。皿部41が皿穴壁面100dに接触した状態で、頭部21は表面100bから突き出しており、ねじ部23は表面100cから突き出している。
【0007】
図4を参照して、エアーハンマー101を用いて頭部上面21aに衝撃力を繰り返し付与してファスナー25を打ち込む。
【0008】
図5を参照して、ファスナー25がワーク100に着座するまで、すなわち頭部21が皿部41を介して皿穴壁面100dに突き当たるまで、エアーハンマー101を用いて頭部上面21aに衝撃力を繰り返し付与する。ここで、ファスナー25が着座したことを作業者が音で判断してエアーハンマー101による衝撃力の付与を停止する。
【0009】
図6を参照して、ナット30をねじ部23に装着して複合材部品51及び52を締結する。
【0010】
ここで、締結部をシールするため、皿部41及び円筒部42の外側面と、頭部側面21bとにシール剤を手作業で刷毛塗りし、シール剤が完全に塗布されたことを目視で確認する。シール剤を手作業で塗布しているため、作業に時間がかかり、且つ、品質が安定しにくい。
【0011】
本発明に関連して、特許文献1は、打鋲穴にシール剤を塗布するシール塗布装置を開示している。
【0012】
本発明に関連して、特許文献2は、複数の被結合部材をリベットにより結合させる打鋲装置を開示している。図7を参照して、この打鋲装置のチャック機構を説明する。打鋲装置のリベット挿入ユニットは、摺動可能に設けられたピストン部材556と、ピストン部材556に取り付けられるリベット押圧ロッド557とを備える。リベット押圧ロッド557は、取付部557Tを備える。ピストン部材556は、取付部557Tと略同一形状で取付部557Tを嵌め合わすことができる取付穴556Tを備える。リベット押圧ロッド557の先端にチャック機構572が設けられる。チャック機構572は、コイルバネ571の付勢により開閉可能とされ、閉状態となることでリベットの軸部を把持可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平11−70351号公報
【特許文献2】特開2008−302399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、ファスナーにシール剤を均一に塗布することが容易なシール塗布装置及びシール塗布方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0016】
本発明によるシール塗布装置(1)は、ファスナー(25)に塗布されるべきシール剤を吐出するシール剤吐出装置(11)を具備する。前記シール剤吐出装置は、前記シール剤が充填されたシールカートリッジ(112)に吐出パンチ(111)を押し込む吐出パンチ送り装置(113)を備える。前記吐出パンチ送り装置は、前記シール剤の吐出量が一定に制御されるように前記吐出パンチの押し込み力を変化させる。
【0017】
上記シール塗布装置は、前記ファスナーの中心軸(S25)まわりに前記ファスナーを回転するファスナー回転装置(12)と、前記ファスナー回転装置及び前記シール剤吐出装置を前記ファスナーの軸方向に相対的に移動するファスナー軸方向送り装置(13)とを更に具備する。
【0018】
前記ファスナー回転装置は、前記ファスナーの回転数(RS)を変化させる。前記ファスナー軸方向送り装置は、前記回転数が増加するときに前記ファスナー回転装置及び前記シール剤吐出装置が前記ファスナーの前記軸方向に相対的に移動する送り速度(Vy)が増加するように、又は、前記回転数が低下するときに前記送り速度が低下するように、前記送り速度を変化させる。
【0019】
前記シール剤吐出装置は、前記シール剤を吐出するノズル(112a)を備える。上記シール塗布装置は、前記ファスナーの形状データ(FSD)に基づいて、前記ファスナーの前記軸方向の位置が前記ノズルに一致する前記ファスナーの部位の周速度が一定になるように前記ファスナー回転装置を制御し、前記ファスナーが一回転する間に前記ファスナー回転装置及び前記シール剤吐出装置が前記ファスナーの前記軸方向に相対的に移動する距離が一定になるように前記ファスナー軸方向送り装置を制御するコントローラ(14)を更に具備する。
【0020】
上記シール塗布装置は、スクレーパ(15)を更に具備する。前記スクレーパは、前記ファスナーの形状に沿うように形成された内側面(151a、152a)を備える。前記スクレーパは、前記内側面が前記ファスナーを向いた状態で前記内側面と前記ファスナーとの間に隙間が形成されるように配置される。
【0021】
前記内側面に互いに平行な複数の溝(152b)が形成される。
【0022】
上記シール塗布装置は、前記ファスナー回転装置にセットされた状態の前記ファスナーを撮影するカメラ(161)を更に具備する。
【0023】
上記シール塗布装置は、前記カメラが前記ファスナーを撮影して生成した画像データに対して画像処理を実行して前記ファスナーの前記シール剤が塗布された部分と前記ファスナーの前記シール剤が塗布されていない部分とを検出する画像処理装置(162)を更に具備する。
【0024】
前記ファスナー回転装置は、前記ファスナーを軸方向に把持する第1把持部(123)及び第2把持部(125)と、前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方に対してトルクが伝達可能に接続されたモータ(122)とを備える。
【0025】
前記ファスナー回転装置は、前記第1把持部及び前記第2把持部が互いに近づくように前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方を付勢する付勢部(126)と、前記ファスナーの前記中心軸が前記ファスナー回転装置の回転中心軸(S12)に一致するように前記ファスナーの芯出しをする芯出し機構(128)とを備える。
【0026】
前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方は、先端に向かって細くなるテーパー形状に形成される。
【0027】
前記シール剤吐出装置は、前記吐出パンチに作用する押し込み反力を検出する反力センサ(116)を備える。
【0028】
本発明によるシール塗布方法は、シール剤を一定の吐出量で吐出するステップと、ファスナー(25)に前記シール剤を塗布するステップとを具備する。前記シール剤を一定の吐出量で吐出する前記ステップは、前記シール剤が充填されたシールカートリッジ(112)に吐出パンチ(111)を押し込むステップと、前記シール剤の吐出量が一定に制御されるように前記吐出パンチの押し込み力を変化させるステップとを含む。
【0029】
前記シール剤を一定の吐出量で吐出する前記ステップにおいて、ノズル(112a)から前記シール剤を吐出する。前記シール剤を塗布する前記ステップにおいて、前記ファスナーの中心軸(S25)まわりに前記ファスナーを回転させながら、且つ、前記ノズル及び前記ファスナーを前記ファスナーの軸方向に相対的に移動しながら、前記ファスナーに前記シール剤を塗布する。
【0030】
前記シール剤を塗布する前記ステップは、前記ファスナーの回転数(RS)を変化させるステップと、前記回転数が増加するときに前記ノズル及び前記ファスナーを前記ファスナーの前記軸方向に相対的に移動する送り速度(Vy)が増加するように、又は、前記回転数が低下するときに前記送り速度が低下するように、前記送り速度を変化させるステップとを含む。
【0031】
前記シール剤を塗布する前記ステップにおいて、前記ファスナーの形状データ(FSD)に基づいて、前記ファスナーの前記軸方向の位置が前記ノズルに一致する前記ファスナーの部位の周速度が一定になるように前記回転数を制御し、前記ファスナーが一回転する間に前記ファスナー及び前記ノズルが前記ファスナーの軸方向に相対的に移動する距離が一定になるように前記送り速度を制御する。
【0032】
前記シール剤を塗布する前記ステップは、スクレーパ(15)を用いて前記シール剤を前記ファスナー上で伸ばすステップを含む。
【0033】
上記シール塗布方法は、前記ファスナーを互いに異なる複数の回転位置において撮影するステップを更に具備する。
【0034】
前記ファスナーを互いに異なる複数の回転位置において撮影する前記ステップにおいて、前記ファスナーの画像データを生成する。上記シール塗布方法は、前記画像データに対して画像処理を実行して前記ファスナーの前記シール剤が塗布された部分と前記ファスナーの前記シール剤が塗布されていない部分とを検出するステップを更に具備する。
【0035】
前記シール剤を塗布する前記ステップにおいて、前記ファスナーを軸方向に把持した状態で前記ファスナーを回転させる。
【0036】
上記シール塗布方法は、第1把持部(123)及び第2把持部(125)を用いて前記ファスナーを把持した状態で前記ファスナーの前記中心軸が回転中心軸(S12)に一致するように前記ファスナーの芯出しをするステップを更に具備する。前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方に対してモータ(122)がトルクの伝達が可能に接続される。前記芯出しをする前記ステップにおいて、前記第1把持部及び前記第2把持部が互いに近づくように前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方を付勢しながら前記ファスナーの芯出しを行う。
【0037】
上記シール塗布方法は、前記吐出パンチに作用する押し込み反力を検出するステップを更に具備する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、ファスナーにシール剤を均一に塗布することが容易なシール塗布装置及びシール塗布方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、皿穴付き孔が形成された状態を示すワークの断面図である。
【図2】図2は、ワークを締結するためのファスナーを示す。
【図3】図3は、皿穴付き孔にファスナーを押し込んだ状態を示すワークの断面図である。
【図4】図4は、エアーハンマーを用いてファスナーを打ち込んでいる状態を示すワークの断面図である。
【図5】図5は、ファスナーの打ち込みが完了した状態を示すワークの断面図である。
【図6】図6は、ファスナーにナットを装着した状態を示すワークの断面図である。
【図7】図7は、打鋲装置のチャック機構の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態に係るシール塗布装置の概略図である。
【図9】図9は、シール塗布装置が備える芯出し機構の概略図である。
【図10】図10は、シール塗布装置の制御系のブロック図である。
【図11A】図11Aは、シール塗布装置が備えるファスナー回転装置にファスナーをセットするステップを説明するための概念図である。
【図11B】図11Bは、シール塗布装置が備えるファスナー回転装置にファスナーをセットするステップを説明するための概念図である。
【図11C】図11Cは、シール塗布装置が備えるファスナー回転装置にファスナーをセットするステップを説明するための概念図である。
【図11D】図11Dは、シール塗布装置が備えるファスナー回転装置にファスナーをセットするステップを説明するための概念図である。
【図12】図12は、ファスナーにシール剤を塗布するステップを説明するための概念図である。
【図13】図13は、ファスナー外径とファスナー回転数の関係及びファスナー外径とファスナー軸方向送り速度の関係を示すグラフである。
【図14】図14は、シール剤を吐出するノズルとファスナーとの位置関係を示す概略図である。
【図15】図15は、本発明の第2の実施形態に係るシール塗布装置が備えるスクレーパとファスナーとの位置関係を示す概略図である。
【図16】図16は、スクレーパの断面図である。
【図17】図17は、本発明の第3の実施形態に係るシール塗布装置が備えるシール塗布状態確認装置のブロック図である。
【図18】図18は、シール塗布状態確認装置のカメラとファスナーとの位置関係を示す概略図である。
【図19】図19は、本発明の第4の実施形態に係るシール塗布装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
添付図面を参照して、本発明によるシール塗布装置及びシール塗布方法を実施するための形態を以下に説明する。
【0041】
(第1の実施形態)
図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係るシール塗布装置1を説明する。シール塗布装置1は、ファスナー25の軸部にシール剤を自動で塗布する。ここでは、ファスナー25が上述のハックタイトファスナーの場合について説明するが、ファスナー25はリベットでもよく、ボルトでもよい。シール塗布装置1に対して、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が定義される。例えば、X軸及びY軸は水平面を形成する。シール塗布装置1は、ベース10と、シール剤吐出装置11と、ファスナー回転装置12と、ファスナー軸方向送り装置13とを備える。
【0042】
シール剤吐出装置11はファスナー25に塗布されるべきシール剤を吐出する。シール剤吐出装置11は、吐出パンチ111と、シールカートリッジ112と、ノズル112aと、吐出パンチ送り装置113と、反力センサ116と、支持構造117とを備える。支持構造117は、シールカートリッジ112及び吐出パンチ送り装置113をベース10の上方位置で支持する。シールカートリッジ112にはファスナー25に塗布されるべきシール剤が充填されている。ノズル112aはシールカートリッジ12に接続されている。ノズル112aの軸方向及びシールカートリッジ12の軸方向はZ軸に平行である。吐出パンチ送り装置113は、サーボモータ114と、ボールネジ115とを備える。吐出パンチ送り装置113は、吐出パンチ111をZ軸に平行に動かしてシールカートリッジ112に押し込む。吐出パンチ111がシールカートリッジ112に押し込まれることで、ノズル112aからシール剤が吐出される。サーボモータ114の回転数が一定になるようにフィードバック制御を実行することで、吐出パンチ送り装置113は吐出パンチ111をシールカートリッジ112に一定速度で押し込む。反力センサ116は、吐出パンチ111に作用する押し込み反力を検出するロードセル又は圧電素子である。或いは、圧力センサ116は、サーボモータ114のモータ電流値に基づいて押し込み反力を検出するように構成されてもよい。
【0043】
ファスナー回転装置12は、ファスナー25をファスナー25の中心軸まわりに回転する。ファスナー25の中心軸はファスナー25の軸方向に平行である。ファスナー25は、ファスナー25の中心軸がY軸に平行になるようにファスナー回転装置12にセットされる。ファスナー回転装置12は、回転装置ベース121と、モータ122と、把持部123と、芯押し台124と、把持部125と、付勢部126と、直動ガイド127と、芯出し機構128とを備える。モータ122は、回転装置ベース121に対して固定される。モータ122のシャフトはY軸に平行である。把持部125は、モータ122のシャフトに対してトルクが伝達可能に接続される。直動ガイド127は、芯押し台124を回転装置ベース121に対してY軸に平行に案内する。芯押し台124は、把持部125がY軸に平行な回転軸まわりに回転可能なように把持部125を支持する。把持部123及び125は、互いに向かい合うようにY軸に平行な同一直線上に配置される。把持部125が把持部123に近づくように付勢部126が芯押し台124を付勢することで、把持部123及び125は、ファスナー25をファスナー25の軸方向に把持する。すなわち、把持部123及び125は、把持部123がファスナー25の頭部上面21aに接触し、把持部125が端面23aに接触した状態で、ファスナー25を把持する。把持部123及び把持部125は、先端に向かって細くなるテーパー形状に形成される。尚、把持部123及び把持部125の先端は、ファスナー25のキズ防止及びファスナー25の表面処理の剥離防止のために適度に面取りしてある。付勢部126は、芯押し台124を付勢するアクチュエータ又はばねを備える。付勢部126は、芯押し台124及び把持部125の把持部123に近づく移動及び遠ざかる移動を許容しながら、芯押し台124を付勢する。芯出し機構128は、ファスナー25の中心軸がファスナー回転装置12の回転中心軸(把持部123及び125の回転軸)に一致するようにファスナー25の芯出しをする。モータ122は、把持部123を回転させる。これにより、ファスナー25及び把持部125も回転する。
【0044】
図9を参照して、芯出し機構128は、複数の当接部128aを備える。当接部128aは芯出しフィンガーとも称される。複数の当接部128aはY軸に垂直な面内を可動である。複数の当接部128aがファスナー25の頭部21に接触してファスナー25の中心軸がファスナー回転装置12の回転中心軸に一致するようにファスナー25の芯出しをする。
【0045】
図8を参照して、ファスナー軸方向送り装置13は、ファスナー回転装置12をY軸に平行に移動する。ファスナー軸方向送り装置13は、シリンダー131と、直動ガイド132とを備える。直動ガイド132は、回転装置ベース121をベース10に対してY軸に平行に案内する。シリンダー131は、回転装置ベース121をベース10に対してY軸に平行に移動する。
【0046】
図10を参照して、シール塗布装置1はコントローラ14を備える。コントローラ14は、ファスナー形状データFSD、吐出パンチ送り速度設定値V1*、ファスナー周速度設定値CS*、及びリード設定値L*を入力し、吐出パンチ送り装置13、ファスナー回転装置12、及びファスナー軸方向送り装置13を制御する。ファスナー形状データFSDは、シール剤が塗布されるべき部位(スリーブ40及び頭部側面21b)におけるファスナー25の軸方向の位置と外径との関係を記述する。吐出パンチ送り速度設定値V1*は、吐出パンチ111の送り速度を設定する定数である。ファスナー周速度設定値CS*は、ファスナー25の軸方向の位置がノズル112aに一致するファスナー25の部位の周速度を設定する定数である。リード設定値L*は、ファスナー25が一回転する間にファスナー回転装置12及びシール剤吐出装置11がファスナー25の軸方向に相対的に移動する距離を設定する定数である。
【0047】
以下、シール塗布装置1を用いたシール塗布方法を説明する。はじめにファスナー回転装置12にファスナー25をセットする。
【0048】
図11Aを参照して、把持部123及び125の間隔は、ファスナー25の軸方向の長さよりも離れている。芯出し機構128の複数の当接部128aは開いている。ファスナー回転装置12の回転中心軸が符号S12で示され、ファスナー25の中心軸が符号S25で示されている。搬送装置200がファスナー25を把持部123及び125の間に搬送し、ファスナー25が搬送装置200からファスナー回転装置12に引き渡される。
【0049】
図11Bを参照して、付勢部126が把持部123及び125が互いに近づくように芯押し台124及び把持部125を付勢した状態で、把持部123及び125がファスナー25を軸方向に把持する。ここで、把持部123の先端が頭部上面21aに接触し、把持部125の先端が端面23aに接触する。この段階では、ファスナー中心軸S25は回転中心軸S12と一致していない。
【0050】
図11Cを参照して、芯出し機構128が備える複数の当接部128aが閉じてファスナー25の頭部21に接触し、ファスナー中心軸S25が回転中心軸S12に一致するようにファスナー25の芯出しをする。このとき、芯押し台124及び把持部125は、把持部123に向かって付勢されているもののY軸に平行に進退可能であるため、芯押し台124及び把持部125の位置が適切な位置に調節される。
【0051】
図11Dを参照して、芯出し機構128が備える複数の当接部128aが開いてファスナー25から離れる。ファスナー回転装置12がファスナー25を回転するとき、複数の当接部128aはファスナー25から離れた状態に保たれる。
【0052】
図12を参照して、ファスナー25にシール剤を塗布するステップを説明する。シール塗布装置1は、シール剤をノズル112aから一定の吐出量で吐出し、ファスナー25をファスナー中心軸S25まわりに回転させながら、且つ、ノズル112a及びファスナー25をファスナー25の軸方向に相対的に移動させながら、ファスナー25にシール剤を塗布する。
【0053】
より具体的には、コントローラ14は、吐出パンチ111が吐出パンチ送り速度設定値V1*に一致する一定の吐出パンチ送り速度V1でシールカートリッジ112に押し込まれるように吐出パンチ送り装置13を制御する。その結果、ノズル112aからシール剤が一定の吐出量で吐出される。このとき、シール剤300が一定の太さWで且つ一定の吐出速度V2で吐出される。上述のファスナー周速度設定値CS*はシール剤吐出速度V2に対応するように予め決定されている。上述のリード設定値L*は、シール剤太さWに対応するように予め決定されている。コントローラ14は、ファスナー形状データFSDに基づいて、ファスナー25の軸方向の位置がノズル112aに一致するファスナー25の部位の周速度がファスナー周速度設定値CS*で一定になるようにファスナー回転装置12を制御し、ファスナー25が一回転する間にファスナー回転装置12及びシール剤吐出装置11がファスナー25の軸方向に相対的に移動する距離がリード設定値L*で一定になるようにファスナー軸方向送り装置13を制御する。したがって、外径がファスナー25の軸方向に沿って一定である円筒部42にシール剤を塗布しているとき、ファスナー回転装置12はファスナー25の回転数RSを一定に保ち、ファスナー軸方向送り装置13はファスナー回転装置12のファスナー25の軸方向の送り速度Vyを一定に保つ。外径がファスナー25の軸方向に沿って変化する皿部41や頭部側面21bにシール剤を塗布しているとき、ファスナー回転装置12はファスナー回転数RSを変化させ、ファスナー軸方向送り装置13はファスナー軸方向送り速度Vyを変化させる。
【0054】
図13は、ファスナー25の軸方向の位置がノズル112aに一致するファスナー25の部位の外径とファスナー回転数RSとの関係、及び、ファスナー25の軸方向の位置がノズル112aに一致するファスナー25の部位の外径とファスナー軸方向送り速度Vyとの関係を示す。すなわち、ファスナー25の軸方向の位置がノズル112aに一致するファスナー25の部位の外径がファスナー25の軸方向に沿って増加するとき、ファスナー回転数RS及びファスナー軸方向送り速度Vyは減少する。ファスナー25の軸方向の位置がノズル112aに一致するファスナー25の部位の外径がファスナー25の軸方向に沿って減少するとき、ファスナー回転数RS及びファスナー軸方向送り速度Vyは増加する。ファスナー回転数RS及びファスナー軸方向送り速度Vyを同時に減少させる制御、及び、ファスナー回転数RS及びファスナー軸方向送り速度Vyを同時に増加させる制御は、皿部41や頭部側面21bのような円錐面にシール剤を均一に塗布するときに好適である。
【0055】
図14は、ノズル112aの位置における回転中心軸S12(ファスナー中心軸S25)に垂直な断面を示している。ここで角度θは、ノズル112aの中心軸S112とファスナー25の外表面との交点のうちノズル112aに最も近い点Pにおけるファスナー25の周速度を示す周速度ベクトル402とノズル112aから吐出されるシール剤の吐出方向を示す吐出方向ベクトル401とのなす角である。角度θが鋭角になるようにノズル中心軸S112が回転中心軸S12(ファスナー中心軸S25)からずれていると、シール剤がファスナー25にぶつかったときに乱れないため、シール剤の塗布品質が良くなる。尚、ノズル中心軸S112は、図示されるようにZ軸に平行でもよく、回転中心軸S12(ファスナー中心軸S25)に垂直な面内でZ軸に対して傾いていてもよい。尚、シール剤の塗布品質は相対的に悪くなるが、ノズル中心軸S112が回転中心軸S12(ファスナー中心軸S25)を通っていても良い。
【0056】
シール剤は、一般的に、高粘度流体であって、時間経過とともに硬化する(粘度が増大する)。そのようなシール剤を用いた場合、吐出パンチ111の押し込み力を一定にする制御を行うと、シール剤の定量吐出ができない。そのため、ファスナー25にシール剤を均一に塗布することが難しい。本実施形態によれば、吐出パンチ送り装置113が吐出パンチ111の押し込み速度が一定になるように出パンチ111の押し込み力を変化させるため、シール剤の吐出量が一定に制御される。そのため、ファスナー25にシール剤を均一に塗布することが容易である。
【0057】
また、シール剤を吐出するときに吐出パンチ111に作用する押し込み反力を反力センサ116で検出することで、ファスナー25に塗布されるシール剤の品質を管理することができる。
【0058】
本実施形態においては、把持部123及び125がファスナー25を軸方向に把持する。より具手的には、把持部123及び125は、頭部上面21bに把持部123の先端が接触し、端面23aに把持部125の先端が接触するように、ファスナー25を把持する。そのため、ファスナー25の軸部の全周に塗り残しがないようにシール剤を塗布することが原理的には可能である。したがって、本実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法は、ファスナー25の軸部にシール剤を塗布する用途に好適である。更に、芯出し機構128によりファスナー中心軸S25を回転中心軸S12に確実に一致させることができる。更に、シール剤をファスナー25に塗布しているとき、ファスナー25の芯出しをするときに用いた当接部128aがファスナー25から離れた状態である。そのため、当接部128aがシール剤塗布の邪魔にならない。更に、把持部123及び125がテーパー形状であるため、ファスナー25の端部(例えば頭部側面21b)にシール剤を塗布する場合であっても、把持部123及び125にシール剤が付着することが防がれる。
【0059】
上記説明では、芯押し台124及び把持部125が回転装置ベース121に対してY軸に平行に可動とされ、モータ122及び把持部123が回転装置ベース121に対してY軸方向に不動とされ、付勢部126が把持部123及び125が互いに近づくように芯押し台124及び把持部125を付勢する。尚、芯押し台124及び把持部125が回転装置ベース121に対してY軸に平行に不動とされ、モータ122及び把持部123が回転装置ベース121に対してY軸方向に可動とされ、付勢部126が把持部123及び125が互いに近づくようにモータ122及び把持部123を付勢してもよい。
【0060】
上記説明では、ファスナー回転装置12(より具体的には回転装置ベース121)がベース10に対してY軸に平行に可動とされ、シール剤吐出装置11がベース10に対してY軸に平行に不動とされ、シリンダー131がファスナー回転装置12(より具体的には回転装置ベース121)をY軸に平行に移動する。尚、ファスナー回転装置12(より具体的には回転装置ベース121)がベース10に対してY軸に平行に不動とされ、シール剤吐出装置11がベース10に対してY軸に平行に可動とされ、シリンダー131がシール剤吐出装置11をY軸に平行に移動してもよい。
【0061】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法を説明する。第2の実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法は、下記の説明を除いて第1の実施形態と同様である。
【0062】
図15を参照して、シール塗布装置1は、スクレーパ15を備える。スクレーパ15は、ファスナー25のシール剤が塗布されるべき部位の形状に対応するように形成される。例えば、スクレーパ15は、スリーブ40の形状に沿った円錐部分付き円筒体を縦に2分割した形状に形成される。スクレーパ15は、皿部41に対応する部分円錐部151と、円筒部42に対応する部分円筒部152とを備える。
【0063】
図16を参照して、部分円錐部151の内側面151aは、皿部41の形状に沿うように形成される。部分円筒部152の内側面152aは、円筒部42の形状に沿うように形成される。また、内側面152aには、互いに平行な複数の溝152bが形成されることが好ましい。例えば、複数の溝152bは、上記円錐部付き円筒体の円筒部分の内側面に形成された螺旋溝の部分である。スクレーパ15は、内側面151aが皿部41を向き且つ内側面152aが円筒部42を向いた状態で、内側面151aと皿部41の間及び内側面152aと円筒部42の間にそれぞれ隙間が形成されるように回転装置ベース121に取り付けられる。
【0064】
本実施形態によれば、スリーブ40上のシール剤がスクレーパ15によって伸ばされる。したがって、シール剤の塗布膜を薄くすることができる。また、シールカートリッジ112内にエアが混入していた場合であっても、スリーブ40の表面にシール剤が塗布されない部分(塗り漏れ部分)が発生することが防がれる。更に、内側面152aの複数の溝152bは次の効果を奏する。複数の溝152bがなければスクレーパ15の外側にはみ出していたはずのシール剤が、複数の溝152bに充填されてファスナー25へ塗布されるため、少量のシール剤で多くのファスナー25を塗布できる。尚、内側面151aに溝を形成してもよい。
【0065】
更に、スクレーパ15をゴムのような柔軟な材料で形成すれば、スクレーパ15とファスナー25との隙間を小さくしてシール剤の塗布膜を更に薄くすることができる。或いは、スクレーパ15のかわりに、波形のスクレーパ、ブラシ、又は、へらを用いてもよい。
【0066】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法を説明する。第3の実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法は、下記の説明を除いて第1又は第2の実施形態と同様である。
【0067】
図17を参照して、第3の実施形態に係るシール塗布装置1は、シール塗布状態確認装置16を備える。シール塗布状態確認装置16は、カメラ161と、画像処理装置162と、出力装置163と、記憶装置164とを備える。
【0068】
図18を参照して、カメラ161は、ファスナー回転装置12にセットされた状態(把持部123及び125に把持された状態)のファスナー25を撮影して画像データを生成する。ここで、ファスナー回転装置12がファスナー25を回転させることで、互いに異なる複数の回転位置においてファスナー25を撮影することができる。したがって、ファスナー25の全周のシール剤の塗布状態を確認することができる。
【0069】
画像処理装置162は、カメラ161が生成した画像データに対して画像処理を実行して、ファスナー25のシール剤が塗布された部分(塗布部分)とファスナー25のシール剤が塗布されていない部分(塗り漏れ部分)とを検出する。ここで、ファスナー25の皿ボルト20及びスリーブ40が金属製であり、シール剤が黒色であると、塗布部分(黒色部分)及び塗り漏れ部分(金属色部分)の検出が容易である。
【0070】
出力装置163は、塗り漏れ部分が検出された場合にエラーを出力する。この場合、塗り漏れ部分に手作業でシール剤を塗布する。出力装置163は、画像処理前のファスナー25の画像や画像処理後のファスナー25の画像を出力してもよい。
【0071】
記憶装置164は、画像処理前の画像データ、画像処理後の画像データ、及び、塗布部分及び塗り漏れ部分の検出結果をファスナー25の識別子と対応付けて記録する。これらは、品質管理等に利用される。
【0072】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法を説明する。第4の実施形態に係るシール塗布装置1及びシール塗布方法は、下記の説明を除いて第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0073】
図19を参照して、把持部123が旋盤などに使われる三つ爪チャック129で置き換得られ、芯出し機構128は設けられない。本実施形態では、三つ爪チャック129がファスナー25の頭部21をチャックしてファスナー25の芯出しをする。本実施形態では、塗り漏れ部分が発生しないように頭部側面21bの全周にシール剤を塗布することは困難であるが、スリーブ40については第1乃至第3の実施形態と同様にシール剤を塗布することができる。
【0074】
以上、実施形態を参照して本発明によるシール塗布装置及びシール塗布方法を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、上記実施形態に様々な変更を加えたものも本発明に含まれる。
【0075】
例えば、ファスナー25のねじ部23又は円筒部42に接触してファスナー中心軸S25がファスナー回転装置12の回転中心軸S12に一致するようにファスナー25の芯出しをする別の芯出し機構128を追加してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…シール塗布装置
10…ベース
11…シール剤吐出装置
111…吐出パンチ
112…シールカートリッジ
112a…ノズル
113…吐出パンチ送り装置
114…サーボモータ
115…ボールネジ
116…反力センサ
117…支持構造
12…ファスナー回転装置
121…回転装置ベース
122…モータ
123…把持部
124…芯押し台
125…把持部
126…付勢部
127…直動ガイド
128…芯出し機構
128a・・・当接部
129…三つ爪チャック
13…ファスナー軸方向送り装置
131…シリンダー
132…直動ガイド
14…コントローラ
15…スクレーパ
151…部分円錐部
151a…内側面
152…部分円筒部
152a…内側面
152b…溝
16…シール塗布状態確認装置
161…カメラ
162…画像処理装置
163…出力装置
164…記憶装置
25…締結部品(ファスナー)
20…皿ボルト
21…頭部
21a…頭部上面
21b…頭部側面(円錐面)
22…円筒部
23…ねじ部
23a…端面
30…ナット
40…スリーブ
41…皿部(円錐部)
42…円筒部
51、52…複合材部品
100…ワーク(被締結物)
100a…皿穴付き孔
100b、100c…表面
100d…皿穴壁面
101…エアーハンマー
200…搬送装置
300…シール剤
401…吐出方向ベクトル
402…周速度ベクトル
556…ピストン部材
556T…取付穴
557…リベット押圧ロッド
557T…取付部
571…コイルばね
572…チャック機構
FSD…ファスナー形状データ
V1*…吐出パンチ送り速度設定値
CS*…ファスナー周速度設定値
L*…リード設定値
V1…吐出パンチ送り速度
V2…シール剤吐出速度
Vy…ファスナー軸方向送り速度
RS…ファスナー回転数
W…シール剤太さ
S12…回転中心軸
S25…ファスナー中心軸
S112…ノズル中心軸
θ…角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナーに塗布されるべきシール剤を吐出するシール剤吐出装置を
具備し、
前記シール剤吐出装置は、前記シール剤が充填されたシールカートリッジに吐出パンチを押し込む吐出パンチ送り装置を備え、
前記吐出パンチ送り装置は、前記シール剤の吐出量が一定に制御されるように前記吐出パンチの押し込み力を変化させる
シール塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシール塗布装置であって、
前記ファスナーの中心軸まわりに前記ファスナーを回転するファスナー回転装置と、
前記ファスナー回転装置及び前記シール剤吐出装置を前記ファスナーの軸方向に相対的に移動するファスナー軸方向送り装置と
を更に具備する
シール塗布装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシール塗布装置であって、
前記ファスナー回転装置は、前記ファスナーの回転数を変化させ、
前記ファスナー軸方向送り装置は、前記回転数が増加するときに前記ファスナー回転装置及び前記シール剤吐出装置が前記ファスナーの前記軸方向に相対的に移動する送り速度が増加するように、又は、前記回転数が低下するときに前記送り速度が低下するように、前記送り速度を変化させる
シール塗布装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のシール塗布装置であって、
前記シール剤吐出装置は、前記シール剤を吐出するノズルを備え、
前記ファスナーの形状データに基づいて、前記ファスナーの前記軸方向の位置が前記ノズルに一致する前記ファスナーの部位の周速度が一定になるように前記ファスナー回転装置を制御し、前記ファスナーが一回転する間に前記ファスナー回転装置及び前記シール剤吐出装置が前記ファスナーの前記軸方向に相対的に移動する距離が一定になるように前記ファスナー軸方向送り装置を制御するコントローラを更に具備する
シール塗布装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のシール塗布装置であって、
スクレーパを更に具備し、
前記スクレーパは、前記ファスナーの形状に沿うように形成された内側面を備え、
前記スクレーパは、前記内側面が前記ファスナーを向いた状態で前記内側面と前記ファスナーとの間に隙間が形成されるように配置される
シール塗布装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシール塗布装置であって、
前記内側面に互いに平行な複数の溝が形成された
シール塗布装置。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載のシール塗布装置であって、
前記ファスナー回転装置にセットされた状態の前記ファスナーを撮影するカメラを更に具備する
シール塗布装置。
【請求項8】
請求項7に記載のシール塗布装置であって、
前記カメラが前記ファスナーを撮影して生成した画像データに対して画像処理を実行して前記ファスナーの前記シール剤が塗布された部分と前記ファスナーの前記シール剤が塗布されていない部分とを検出する画像処理装置を更に具備する
シール塗布装置。
【請求項9】
請求項2乃至8のいずれかに記載のシール塗布装置であって、
前記ファスナー回転装置は、
前記ファスナーを軸方向に把持する第1把持部及び第2把持部と、
前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方に対してトルクが伝達可能に接続されたモータと
を備える
シール塗布装置。
【請求項10】
請求項9に記載のシール塗布装置であって、
前記ファスナー回転装置は、
前記第1把持部及び前記第2把持部が互いに近づくように前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方を付勢する付勢部と、
前記ファスナーの前記中心軸が前記ファスナー回転装置の回転中心軸に一致するように前記ファスナーの芯出しをする芯出し機構と
を備える
シール塗布装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のシール塗布装置であって、
前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方は、先端に向かって細くなるテーパー形状に形成される
シール塗布装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のシール塗布装置であって、
前記シール剤吐出装置は、前記吐出パンチに作用する押し込み反力を検出する反力センサを備える
シール塗布装置。
【請求項13】
シール剤を一定の吐出量で吐出するステップと、
ファスナーに前記シール剤を塗布するステップと
を具備し、
前記シール剤を一定の吐出量で吐出する前記ステップは、
前記シール剤が充填されたシールカートリッジに吐出パンチを押し込むステップと、
前記シール剤の吐出量が一定に制御されるように前記吐出パンチの押し込み力を変化させるステップと
を含む
シール塗布方法。
【請求項14】
請求項13のシール塗布方法であって、
前記シール剤を一定の吐出量で吐出する前記ステップにおいて、ノズルから前記シール剤を吐出し、
前記シール剤を塗布する前記ステップにおいて、前記ファスナーの中心軸まわりに前記ファスナーを回転させながら、且つ、前記ノズル及び前記ファスナーを前記ファスナーの軸方向に相対的に移動しながら、前記ファスナーに前記シール剤を塗布する
シール塗布方法。
【請求項15】
請求項14に記載のシール塗布方法であって、
前記シール剤を塗布する前記ステップは、
前記ファスナーの回転数を変化させるステップと、
前記回転数が増加するときに前記ノズル及び前記ファスナーを前記ファスナーの前記軸方向に相対的に移動する送り速度が増加するように、又は、前記回転数が低下するときに前記送り速度が低下するように、前記送り速度を変化させるステップと
を含む
シール塗布方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載のシール塗布方法であって、
前記シール剤を塗布する前記ステップにおいて、前記ファスナーの形状データに基づいて、前記ファスナーの前記軸方向の位置が前記ノズルに一致する前記ファスナーの部位の周速度が一定になるように前記回転数を制御し、前記ファスナーが一回転する間に前記ファスナー及び前記ノズルが前記ファスナーの軸方向に相対的に移動する距離が一定になるように前記送り速度を制御する
シール塗布方法。
【請求項17】
請求項14乃至16のいずれかに記載のシール塗布方法であって、
前記シール剤を塗布する前記ステップは、スクレーパを用いて前記シール剤を前記ファスナー上で伸ばすステップを含む
シール塗布方法。
【請求項18】
請求項14乃至17のいずれかに記載のシール塗布方法であって、
前記ファスナーを互いに異なる複数の回転位置において撮影するステップを更に具備する
シール塗布方法。
【請求項19】
請求項18に記載のシール塗布方法であって、
前記ファスナーを互いに異なる複数の回転位置において撮影する前記ステップにおいて、前記ファスナーの画像データを生成し、
前記画像データに対して画像処理を実行して前記ファスナーの前記シール剤が塗布された部分と前記ファスナーの前記シール剤が塗布されていない部分とを検出するステップを更に具備する
シール塗布方法。
【請求項20】
請求項14乃至19のいずれかに記載のシール塗布方法であって、
前記シール剤を塗布する前記ステップにおいて、前記ファスナーを軸方向に把持した状態で前記ファスナーを回転させる
シール塗布方法。
【請求項21】
請求項20に記載のシール塗布方法であって、
第1把持部及び第2把持部を用いて前記ファスナーを把持した状態で前記ファスナーの前記中心軸が回転中心軸に一致するように前記ファスナーの芯出しをするステップを更に具備し、
前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方に対してモータがトルクの伝達が可能に接続され、
前記芯出しをする前記ステップにおいて、前記第1把持部及び前記第2把持部が互いに近づくように前記第1把持部及び前記第2把持部の少なくとも一方を付勢しながら前記ファスナーの芯出しを行う
シール塗布方法。
【請求項22】
請求項13乃至21のいずれかに記載のシール塗布方法であって、
前記吐出パンチに作用する押し込み反力を検出するステップを更に具備する
シール塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−240015(P2012−240015A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114755(P2011−114755)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】