説明

シール材用焼き付き防止スプレー

【課題】現場において焼き付き防止処理が施されていないガスケット等のシール材に対して優れた焼き付き防止機能を簡単に付与することができるとともに、コンタミネーションの問題も生じないシール材用焼き付き防止スプレーを提供すること。
【解決手段】ガスケット又はパッキンからなるシール材の表面と、該シール材が当接するフランジ等の当接対象面の一方又は両方に塗布することにより、該シール材の当接対象面への焼き付きを防止するためのスプレーであって、無機質粒子と、該無機質粒子を前記シール材又は当接対象面に定着させるための定着用高分子物質と、噴射剤とを含むスプレー組成物を、スプレー缶内に充填してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケットやパッキンがフランジ面等に対して焼き付くことを防止するために用いられるシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、石油化学プラント、原子力発電所、火力発電所等における各種配管の接合部には、内部を流通する流体の漏洩を防止するためにガスケットが装着されている。
しかし、これらのガスケットは、高温高圧環境下で使用されることにより配管接合部のフランジ面に対して焼き付き(固着)を生じる場合があった。焼き付きが生じると簡単には剥がれず、剥がれたとしてもガスケット表面の一部又は全部が剥離してフランジ表面に残存するために、定期交換や修理等の際にガスケットを剥がして清掃するのに多大な労力を要していた。
【0003】
かかる問題を解決するために、焼き付き防止処理が施されたガスケットが存在している。
焼き付き防止処理が施されたガスケットとしては、例えば、表面に黒鉛粉を付着させたものや、スクリーン印刷により表面に焼き付き防止剤を塗布した後に熱処理を施したもの等がある。
また、焼き付き防止機能に優れたガスケットとして、例えば本願出願人が下記特許文献1にて提案したような、表面がフッ素樹脂で被覆されたガスケットも存在している。
【0004】
しかしながら、これら既存のガスケットは、製品として製造された時点で焼き付き防止機能を有しているものである。つまり、焼き付き防止処理が施されていない普通のガスケットに対して、焼き付き防止機能を付与することができる技術ではない。
また、これらのガスケットは焼き付き防止効果を有するとしても充分であるとは言えず、実際の使用において焼き付きが生じる場合があった。更に、表面に黒鉛粉を付着させたものは粉落ちによるコンタミネーションの問題があった。
【0005】
また、初期シール性を向上させるために塗布されるガスケットペーストにも焼き付き防止効果が謳われているものがあるが、充分な焼き付き防止効果が得られるものではなく、実際の使用においては焼き付きが生じる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−291989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、現場において焼き付き防止処理が施されていないガスケット等のシール材に対して優れた焼き付き防止機能を簡単に付与することができるとともに、コンタミネーションの問題も生じないシール材用焼き付き防止スプレーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、ガスケット又はパッキンからなるシール材の表面と、該シール材が当接するフランジ等の当接対象面の一方又は両方に塗布することにより、該シール材の当接対象面への焼き付きを防止するためのスプレーであって、無機質粒子と、該無機質粒子を前記シール材又は当接対象面に定着させるための定着用高分子物質と、噴射剤とを含むスプレー組成物を、スプレー缶内に充填してなることを特徴とするシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記無機質粒子が、シリカ、アルミナ、ガラス、アルミノシリケート、シラスバルーン、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、雲母、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、珪藻土、バーミキュライトからなる群から選択される少なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項1記載のシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記無機質粒子が、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、黒鉛から選択される少なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項2記載のシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記無機質粒子の配合量が、スプレー組成物全量に対して0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記無機質粒子の粒径が0.1〜30μmであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記定着用高分子物質がセルロース系高分子物質であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【0014】
請求項7に係る発明は、前記定着用高分子物質の配合量が、スプレー組成物全量に対して0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレーに関する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、スプレーをガスケット等のシール材とフランジ面等の当接対象面の一方又は両方に対して噴射することにより、焼き付き防止処理が施されていないガスケットやパッキンに対して、作業現場において簡単に焼き付き防止機能を付与することができる。しかも、耐熱性が高い無機質粒子により高い焼き付き防止効果が得られるため、長期間に亘って配管の接合部等にシール材を装着した場合でも、定期交換や修理時にシール材がフランジ面等に焼き付くことがなく、容易に取り外すことができる。そのため、清掃時間等を大幅に短縮することができ、作業コストを削減することが可能となる。
また、定着用高分子物質により、無機質粒子をシール材表面又は当接対象面に対して良好に定着させることができるため、無機質粒子の脱落によるコンタミネーションの問題が生じることがない。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、無機質粒子が、シリカ、アルミナ、ガラス、アルミノシリケート、シラスバルーン、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、雲母、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、珪藻土、バーミキュライトからなる群から選択される少なくとも1種以上からなることから、シール材に対して高い耐熱性を付与することができ、焼き付きの発生を確実に防ぐことが可能となる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、無機質粒子が、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、黒鉛から選択される少なくとも1種以上からなることにより、高い耐熱性を有しつつ、汎用性・価格・取扱い性の点で優れたものとなる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、無機質粒子の配合量が、スプレー組成物全量に対して0.1〜30重量%であることから、シール性に悪影響を及ぼすことなく高い焼き付き防止効果を発揮することが可能となる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、無機質粒子の粒径が0.1〜30μmであることから、粒子の凝集や配合時の飛散現象等が生じることがなくて取扱い性に優れたものとなるとともに、シール性に悪影響を及ぼすことがなく、しかも廉価に提供することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、定着用高分子物質がセルロース系高分子物質であることから、無機質粒子をシール材又は当接対象面に対して良好に定着させることができる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、定着用高分子物質の配合量が、スプレー組成物全量に対して0.01〜10重量%であることから、無機質粒子をシール材又は当接対象面に対して良好に定着させることができるとともに、焼き付きが生じることが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーの使用状態の一例であって、スプレーをガスケットに対して噴射して塗布している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーの好適な実施形態について説明する。
本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーは、ガスケット又はパッキンからなるシール材の表面と、該シール材が当接するフランジ面等の当接対象面の一方又は両方に塗布することにより、該シール材の当接対象面への焼き付き(固着)を防止するために用いられる。
【0024】
本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーは、無機質粒子と、該無機質粒子を上記シール材又は当接対象面に定着させるための定着用高分子物質と、噴射剤とを含むスプレー組成物を、スプレー缶内に充填してなるものである。
【0025】
無機質粒子の種類は、耐熱性に優れているものであれば特に限定されないが、使用環境を考慮すると少なくとも600℃以上の耐熱性を有するものが好適に使用される。
具体的には、シリカ、アルミナ、ガラス、アルミノシリケート、シラスバルーン、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、雲母、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、珪藻土、バーミキュライトのうちの1種又は2種以上を選択して使用することが好ましい。
【0026】
上記した無機質粒子のうち、本発明においては、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、黒鉛のうちの1種又は2種以上を選択して使用することが好ましい。
これらの無機質粒子は入手が比較的容易であり、汎用性・価格・取扱い性の点で優れたものとなるからである。
【0027】
無機質粒子の配合量は、スプレー組成物全量に対して0.1〜30重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。
配合量が0.1重量%未満であると焼き付き防止効果が充分に得られず、30重量%を超えるとシール材表面又は当接対象面に形成される焼き付き防止層が厚くなりすぎてシール材本来の機能であるシール性が損なわれる虞があり、いずれの場合も好ましくない。
【0028】
無機質粒子の粒径は、0.1〜30μmであることが好ましく、0.5〜20μmであることがより好ましい。
粒径が0.1μm未満であると粒子の凝集現象の発生や配合時の飛散現象等の発生により取扱い性が低下するとともに製造コストが高くなり、30μmを超えると粒子間の空隙が大きくなってシール材本来の機能であるシール性が損なわれる虞があり、いずれの場合も好ましくない。
【0029】
定着用高分子物質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、高級脂肪酸等が好適に使用されるが、セルロース系高分子物質が最も好適に使用される。その理由は、無機質粒子の定着性に優れており、皮膜強度、柔軟性、溶解性、安全性に優れるからである。
セルロース系高分子物質としては、具体的にはエチルメチルセルロース、酢酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロースが好適に使用される。
【0030】
定着用高分子物質の配合量は、スプレー組成物全量に対して0.01〜10重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。
配合量が0.01重量%未満であると、シール材表面又はフランジ等の当接対象面に塗布した無機質粒子の定着が悪くなって脱落し易くなり、焼き付き防止機能が低下する虞があり、10重量%を超えると定着用高分子物質の割合が多くなって当接対象面への焼き付きが生じ易くなり、特にシール材が膨張黒鉛製ガスケットの場合には、膨張黒鉛同士の厚み方向の結合がファンデルワールス力のみの弱い結合のために層間剥離現象である焼き付き現象が発生する虞があり、いずれの場合も好ましくない。
ただし、300℃以上の高温領域にて使用する場合は、定着用高分子物質の配合量はスプレー組成物全量に対して、10重量%を超えて含有していても良好な焼付き防止性能が得られる。その理由として、たいていの定着用高分子物質は300℃以上で燃焼して消滅してしまい、当接対象面とシール材表面の間には無機質粒子しか残らず、焼付き現象が発生しないためである。
【0031】
無機質粒子と定着用高分子物質の配合比(重量比)は、無機質粒子を1としたときに定着用高分子物質が0.01〜2.0の範囲であることが好ましい。
無機質粒子を1としたときの定着用高分子物質の比率が0.01未満であるとシール材表面又は当接対象面に塗布した無機質粒子の定着が悪くなって脱落し易くなり、焼き付き防止機能が低下する虞があり、2.0を超えると焼き付き防止効果が充分に得られないため、いずれの場合も好ましくない。
ただし、300℃以上の高温領域にて使用する場合は、定着用高分子物質の配合比(重量比)は無機質粒子を1とした時に定着用高分子物質が2.0を超えても良好な焼付き防止性能が得られる。その理由として、たいていの定着用高分子物質は300℃以上で燃焼して消滅してしまい、当接対象面とシール材表面の間には無機質粒子しか残らず、焼付き現象が発生しないためである。
【0032】
スプレー組成物の塗布(噴射)により、シール材表面又は当接対象面に形成される焼き付き防止層の膜厚は0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることがより好ましい。膜厚が0.1〜100μmであると、焼き付き防止効果とシール性維持の両方の要求を満足することができる。
【0033】
噴射剤としては、ジメチルエーテル(DME)、LPG、代替フロン、二酸化炭素、窒素等が好適に使用される。
【0034】
スプレー組成物には、上記した無機質粒子、定着用高分子物質、噴射剤に加えて、溶媒が配合される。
溶媒としては、メタノール、水等の極性溶媒と酢酸エチル、トルエン等の非極性溶媒等が好適に使用される。
【0035】
本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーは、石油化学プラント、原子力発電所、火力発電所等における各種配管の接合部に、ガスケット又はパッキンからなるシール材を装着する際に、シール材と当該シール材が当接するフランジ等の当接対象面の一方又は両方に対して噴射することにより使用される。
図1は、ガスケット(1)に対してスプレー缶(2)に充填されたスプレー組成物(3)を噴射することにより塗布している様子を示している。
このように本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーを使用することにより、現場において焼き付き防止処理が施されていないガスケットやパッキンに対して焼き付き防止機能を簡単に付与することができる。
【0036】
本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーが適用されるガスケット又はパッキンの種類は特に限定されないが、例えば、材料については、金属、セミメタル、軟質非金属系ゴム、フッ素樹脂、膨張黒鉛、石綿、紙、皮質、或いはこれらの材料に基材繊維、充填剤、結合剤などを配合した複合材からなるものが挙げられる。形状については、渦巻き型、中空Oリング型、ジャケット状、ノコギリ歯型、平型等のものが挙げられる。
【0037】
本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーの具体的な配合例を表1に示す。但し、本発明は以下の配合例に限定されるものではない。
【0038】
【表1】

【実施例】
【0039】
以下、本発明に係るシール材用焼き付き防止スプレーの実施例及び比較例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。
【0040】
<実施例1>
膨張黒鉛製ガスケット(ジャパンマテックス社製、M/#8131)に上記配合例の本発明に係るスプレーを塗布(噴射)し、これを一対のフランジ(JIS 10K−50A)間に装着し、締付面圧30MPaで締め付け、100℃、200℃、300℃、400℃に夫々昇温した電気炉内で1ヶ月間放置した後、24時間かけて放冷した。放冷後、フランジを分解し、ガスケットのフランジ面への焼き付き(固着)具合を確認した。
【0041】
<実施例2>
ジョイントシート製ガスケット(A社製)に上記配合例の本発明に係るスプレーを塗布(噴射)した後、ガスケットペースト(A社製)を塗布し、これを一対のフランジ(JIS 10K−50A)間に装着し、締付面圧30MPaで締め付け、50℃、100℃に夫々昇温した電気炉内で1ヶ月間放置した後、24時間かけて放冷した。放冷後、フランジを分解し、ガスケットのフランジ面への焼き付き(固着)具合を確認した。
【0042】
<実施例3>
ジョイントシート製ガスケット(B社製)に上記配合例の本発明に係るスプレーを塗布(噴射)した後、ガスケットペースト(A社製)を塗布し、これを一対のフランジ(JIS 10K−50A)間に装着し、締付面圧30MPaで締め付け、50℃、100℃に夫々昇温した電気炉内で1ヶ月間放置した後、24時間かけて放冷した。放冷後、フランジを分解し、ガスケットのフランジ面への焼き付き(固着)具合を確認した。
【0043】
<比較例1>
実施例1において、本発明に係るスプレーを塗布しなかったこと以外は実施例1と同一条件で試験を行った。
【0044】
<比較例2>
実施例2において、本発明に係るスプレーを塗布しなかったこと以外は実施例2と同一条件で試験を行った。
【0045】
<比較例3>
実施例3において、本発明に係るスプレーを塗布しなかったこと以外は実施例3と同一条件で試験を行った。
【0046】
<評価基準>
試験後のガスケットのフランジ面への焼き付き具合を以下の評価基準で評価した。
○:焼き付きがなく、ガスケットの取り外しが容易であった。
△:一部焼き付きがあり、ガスケットの取り外しが困難であった。
×:全面焼き付きがあり、ガスケットの取り外しが非常に困難であった。
実施例1及び比較例1の試験結果を表2に示し、実施例2,3及び比較例2,3の試験結果を表3に示す。尚、実施例及び比較例で使用したガスケットはいずれも予め焼き付き防止処理が施されていない製品である。
【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
<考察>
表2、3に示すように、本発明に係るスプレーを塗布したガスケット(実施例1〜3)ではいずれも焼き付きが生じなかったのに対して、本発明に係るスプレーを塗布しなかったガスケット(比較例1〜3)では全て焼き付きが生じた。
この結果より、本発明に係るスプレーは、焼き付き防止処理が施されていないガスケットに対して塗布した場合に、優れた焼き付き防止効果を得ることができることが確認された。
【符号の説明】
【0050】
1 ガスケット
2 スプレー缶
3 スプレー組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスケット又はパッキンからなるシール材の表面と、該シール材が当接するフランジ等の当接対象面の一方又は両方に塗布することにより、該シール材の当接対象面への焼き付きを防止するためのスプレーであって、
無機質粒子と、該無機質粒子を前記シール材又は当接対象面に定着させるための定着用高分子物質と、噴射剤とを含むスプレー組成物を、スプレー缶内に充填してなることを特徴とするシール材用焼き付き防止スプレー。
【請求項2】
前記無機質粒子が、シリカ、アルミナ、ガラス、アルミノシリケート、シラスバルーン、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、雲母、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、珪藻土、バーミキュライトからなる群から選択される少なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項1記載のシール材用焼き付き防止スプレー。
【請求項3】
前記無機質粒子が、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、黒鉛から選択される少なくとも1種以上からなることを特徴とする請求項2記載のシール材用焼き付き防止スプレー。
【請求項4】
前記無機質粒子の配合量が、スプレー組成物全量に対して0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレー。
【請求項5】
前記無機質粒子の粒径が0.1〜30μmであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレー。
【請求項6】
前記定着用高分子物質がセルロース系高分子物質であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレー。
【請求項7】
前記定着用高分子物質の配合量が、スプレー組成物全量に対して0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のシール材用焼き付き防止スプレー。

【図1】
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【公開番号】特開2010−209303(P2010−209303A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60267(P2009−60267)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(390015679)ジャパンマテックス株式会社 (19)
【Fターム(参考)】