説明

シール検査装置

【課題】小型化が可能で、光の透過率の高い薄い異物やシワ等を原因とするシール不良の検出も可能な高精度のシール検査装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るシール検査装置1は、内容物を密封した包装袋70の袋口シール領域77のシール不良を検査するシール検査装置1において、シール後の包装袋70をその袋口シール領域77が検査場所50を通過するように案内するガイド部材30と、検査場所50にコリメート光を照射するための光源10と、検査場所50に位置する袋口シール領域77の表面に対して略垂直な方向において、光源10と同じ側に設置された、袋口シール領域77からの反射光を撮像する撮像装置20と、撮像装置20が撮影した撮像画像に基づいて、袋口シール領域77においてシール不良が発生していないか判定する制御手段40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、医薬品、植物の種、乾燥植物等の内容物を密封状態で包装する包装袋のシール状態を検査するためのシール検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、かつお節等の節類を薄く削って製造した削り節は、一般的に所定の量毎に小さな包装袋に充填し、不活性ガスを封入したうえで袋口をシールした密封状態で包装され、市場に流通している。
【0003】
ところで、このシール工程において、内容物がシール部に挟まったままシールされるなどのシール不良が発生する場合があり、最悪の場合、不良箇所から不活性ガスが抜けるなどして、中身の品質が劣化した状態で商品が市場に出回る危険がある。
【0004】
このため、製造現場では、シール工程の直後に、シール部に内容物が挟まる噛み込みなどのシール不良が発生していないか確認するためのシール検査が行われている。そしてシール検査を通って良品と認定されたものが出荷されており、下記特許文献1には、このようなシール検査の方法が開示されている。
【0005】
そして、特許文献1には、発光源からの光の透過光を、シール部を挟んで反対側に設置されたカメラで撮像し、この撮像画像に基づいてシール不良を検出する、すなわち透過型のシール検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−105746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の透過型のシール検査装置は、光源と撮像装置とが包装袋を挟んで両側に設置されているため、シール検査装置が大型化してしまっていた。また、透過型の検査装置では、光の透過率の高い薄い異物やシワ等を原因とするシール不良の場合には、光が透過してしまって検出できないケースも多かった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小型化が可能で、光の透過率の高い薄い異物やシワ等を原因とするシール不良の検出も可能な高精度のシール検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るシール検査装置は、内容物を密封した包装袋の袋口シール領域のシール不良を検査するシール検査装置において、シール後の前記包装袋をその袋口シール領域が検査場所を通過するように案内するガイド部材と、前記検査場所にコリメート光を照射するための光源と、前記検査場所に位置する前記袋口シール領域の表面に対して略垂直な方向において、前記光源と同じ側に設置された、前記袋口シール領域からの反射光を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮影した撮像画像に基づいて、前記袋口シール領域においてシール不良が発生していないか判定する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るシール検査装置によれば、装置の小型化が可能であり、光の透過率の高い薄い異物やシワ等を原因とするシール不良の検出も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るシール検査装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係るガイド部材の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る包装袋に内容物を充填するラインの流れを概略的に示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る包装袋の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係るシール検査の原理を説明するための模式図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に係る撮像装置による撮影画像を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る撮像装置による撮影画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るシール検査装置について説明する。図1は、本実施形態に係るシール検査装置の構成を示す図であり、シール検査のための内容物の充填ラインに設置されたシール検査装置を下方から見た図である。本実施形態では、削り節を充填した透明包装フィルムからなる包装袋のシール状態を検査する装置を例に挙げて説明する。
【0013】
図1に示すように、シール検査装置1は、フレーム5、光源10、プリズム15、撮像装置20、ガイド部材30、制御装置40を備えている。なお、包装袋は、ガイド部材30のところを、図中、右側から左側へと搬送される。フレーム5は、包装袋に削り節を充填する充填ライン側に固定して設置される板状フレームであり、シール検査装置1を構成する各部材はフレーム5に固定設置される。
【0014】
光源10は、シール検査用の光を照射する部材であり、LED光源11、プリズム15を備えている。LED光源11は、コリメート光を照射する部材であり、発光素子であるLEDと、LEDの照射光をコリメート光にするためのレンズ系とを備えている。
【0015】
プリズム15は、三角柱状のプリズム本体16、プリズム本体16をフレーム5に固定するためのプリズムホルダー17を備えており、LED光源11から投射されたコリメート光を後述する検査場所50へ向けて屈折させるように機能する。本実施形態では、光源10からのコリメート光が検査対象である包装袋のシール面に対して68°の入射角で入射するように、LED光源11及びプリズム15が所定の位置に設置されている。
【0016】
具体的には、LED光源11から投射されたコリメート光は、包装袋表面に対して18°の入射角となっているが、プリズム15における全反射により、入射角が大きくなる方向に50°曲げられ、68°の入射角度でシール面に入射する(入射光とシール面とのなす角は22°)。また、光源10は、包装袋の搬送方向下流側から上流側に向けてコリメート光を照射し、搬送方向と平行な面内で入射光が透過及び反射するように構成されている。
【0017】
撮像装置20は、光源10から照射された光の包装袋からの反射光を撮像するセンサであり、本実施形態では、包装袋の搬送方向に直交する方向(図1において紙面に垂直な方向)に撮像素子が列べられたラインセンサが用いられている。この撮像装置20は、検査場所50に位置する包装袋のシール面に対して垂直な位置から光源10側へ8°ずらした位置に設置されている。
【0018】
ガイド部材30は、包装袋をシール検査が行われる検査場所50へと案内する。図2は、ガイド部材30の斜視図である。図1及び図2に示すように、ガイド部材30は、略平行に対向して設置された、図中上側に位置する第一ガイド部31と図中下側に位置する第二ガイド板32とを備えており、包装袋は両者の間の案内路を案内される。包装袋のシール領域にコリメート光が照射される検査場所50は、ガイド部材30のほぼ中央に位置している。
【0019】
包装袋に対して光源10及び撮像装置20側に位置する第二ガイド板32は、光源10からの光が検査場所50に位置する包装袋のシール領域に当たるように、図中上側半分の検査場所50から搬送方向下流側部分がカットされている。ガイド部材30は、ネジ穴35に挿通されるネジによってフレーム5の所定の位置に固定される。
【0020】
なお、ガイド部材30には、第一ガイド板32の光源10とは反対側の傍に、黒色の表面を有する黒色背面部材を設置しても良い。黒色背面部材を設置しておけば、透明な包装袋を検査対象とする場合に、光源10からの照射光のうち包装袋70を透過した透過光の不要な反射による映り込みを抑え、さらに検出精度を向上させることができる。
【0021】
制御装置40は、光源10及び撮像装置20と接続されており、光源10の照射を制御すると共に、撮像装置20が撮影した撮影画像に基づいて、包装袋のシールが良好に行われているかを判定する機能を有する。
【0022】
続いて、シール検査装置1の設置場所について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る包装袋の内容物を充填するラインの構成を概略的に示す模式図である。同図に示すように、本実施形態に係る充填ラインでは、包装袋70は、円周上を時計回りに移動させられながら、各工程における処理が施される。
【0023】
まず、給袋工程(工程1)により、後述する三方製袋である包装袋70が充填ラインに提供される。続いて、印字工程(工程2)において、包装袋70に所望の印字が行われ、袋開口工程(工程3)において、包装袋70の袋口が開かれる。
【0024】
続いて、充填工程(工程4)においては、包装袋70内に内容物である削り節が充填され、振動工程(工程5)では、包装袋70内の内容物の偏りをなくして均一化するために包装袋70が振動させられる。
【0025】
内容物の充填後、ヒートシール工程(工程6)において、包装袋70の袋口がヒートシールによって熱融着され、袋内が密封される。引き続き、冷却工程(工程7)において、シール領域の冷却が行われ、その後、シール検査工程(工程8)において、上述したシール検査装置1によるシール検査が行われる。
【0026】
つまり、シール検査装置1は、充填ラインにおいて、このシール検査工程が行われる場所に設置されている。シール検査が行われた充填済みの包装袋70は、製品排出工程(工程9)において、ライン外へ取り出される。
【0027】
次に、シール検査装置1の検査対象である包装袋の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、包装袋の構成を示す図であり、図4(a)は、シール後の包装袋の正面図、図4(b)は、シール前の包装袋の斜視図である。
【0028】
包装袋70は、二枚の透明な包装フィルム71を貼り合わせて構成されている。包装フィルム71は、例えば、三層構造(内側から、シーラント層、透明層、基材層)の透明フィルムであり、シーラント層としては、低密度ポリエチレン(LDPE)等、透明層としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等、基材層としては、延伸ポリプロピレン(OPP)等が使用される。
【0029】
内容物を充填する前の包装袋70は、二枚の包装フィルム71が、図中左右の側縁部に沿って形成される縦シール領域75、図中下縁部に沿って形成される横シール領域76において、予めヒートシールにより溶着されている。そして、図4(b)に示すように、図中上縁部の袋口のみが開いた状態の包装袋(三方製袋)70が削り節の充填部に提供される。
【0030】
削り節が充填された包装袋70をヒートシール工程により密封する際には、図中上縁部に沿って袋口の部分に形成される袋口シール領域77がヒートシールにより熱溶着される。そして、シール検査装置1によるシール検査は、この袋口シール領域77に対して実施される。
【0031】
ここで、図1に示すシール検査装置は、下方から見た図であり、また、包装袋70は、袋口が上を向いた状態で充填ライン上を搬送されている。したがって、シール検査装置1へと搬送された包装袋70は、その上部である袋口シール領域77が第一ガイド部31と第二ガイド板32とに挟まれて搬送され、検査場所50へと案内される。
【0032】
続いて、シール検査装置1の構成について、さらに図面を参照しながら詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るシール検査の原理を説明するための模式図であり、図5(a)は、ヒートシールが良好に行われた状態を示す図、図5(b)は、異物の噛み込みによるシール不良が発生した際の状態を示す図である。
【0033】
図5(a)に示すように、ヒートシールが良好に行われている場合、光源10からの照射光は拡散の少ないコリメート光であるため、検査場所50に位置する包装袋70の袋口シール領域77に照射される入射光の大部分は、透明な包装フィルム71を透過し、一部が袋口シール領域77の部分で反射する。なお、図5(a)では、透過光を省略し、反射光のみを示している。
【0034】
袋口シール領域77での反射光のほとんどは、入射角と同じ角度の反射角の正反射光となって進んで行くが、反射光の一部は、袋口シール領域77の表面に対して略垂直な方向に進み、撮像装置20に到達する。
【0035】
一方、図5(b)に示すように、シール時に二枚の包装フィルム71の間に異物が挟み込まれてシール不良が発生している場合、この異物へと到達した入射光は、異物の粗い表面で広い範囲に拡散反射する散乱光となる。この散乱光のうち、撮像装置20の方向へ進んだ光が撮像装置20によって撮影される。
【0036】
よって、本実施形態のように、包装袋70に対して光源10と撮像装置20が同じ側に位置する反射型のシール検査装置1においては、シールが良好に行われた包装袋70を検査する際には、撮像装置20に届く反射光が少なく、撮影画像が暗くなる。一方、異物の噛み込みによるシール不良が発生した包装袋70を検査する際には、異物からの散乱光が撮像装置20に届き、撮影画像の異物が存在する部分が明るくなる。
【0037】
したがって、制御装置40は、撮像装置20による撮影画像に所定値以上の明るい領域がある場合には、異物が挟まることによるシール不良が発生しているとして、シール不良発生の判定を行うことができる。なお、シール検査装置1は、異物噛み込み以外の原因によるシール不良についても判定可能である。
【0038】
本実施形態のように反射型の検査装置とすることで、従来の透過型と比較して、シール不良画像とシール良好画像とのコントラストを大きくして、より高精度な検出が可能となる。すなわち、透明の包装袋70を想定した場合、透過型の検査装置においては、シールが良好に行われた場合に、例えば、入射光のうち98%の光が透過したとすると、異物の噛み込みが発生したときには、例えば、90%の光が透過する。
【0039】
そうすると、透過型の検査装置の場合には、シール良好の場合とシール不良の場合との光量の違いは1割程度に過ぎない。一方、本実施形態のような反射型の検査装置においては、シールが良好に行われた場合に、例えば、入射光のうち2%の光が反射したとすると、反射光のうち撮像装置20に到達する光は入射光の0.5%程度となる。
【0040】
そして、異物の噛み込みが発生したときには、撮像装置20に到達する光は、散乱光を加えて、例えば、入射光の1%程度となる。そうすると、反射型の場合には、シール良好の場合とシール不良の場合との光量の違いは2倍にもなり、シール不良の検出感度を大幅に向上させることができる。
【0041】
続いて、図6及び図7を参照しながら、制御装置40におけるシール不良発生の判定処理について説明する。図6及び図7は、本実施形態に係る撮像装置による撮影画像を示す図である。なお、図6及び図7の撮影画像は、全体が透明な包装袋ではなく、一部に金属層を有する遮光包装袋についての撮影画像である。
【0042】
図6(a)は、ヒートシールが良好に行われた際の撮影画像であり、この場合には、袋口シール領域77への入射光の大部分が透過するため、袋口シール領域77全体が暗くなっている。このように、撮影画像の袋口シール領域77に対応する領域全体が暗い場合には、制御装置40は、ヒートシールが良好に行われたと判定することができる。
【0043】
図6(b)は、異物の噛み込みによるシール不良が発生した際の撮影画像であり、異物からの散乱光により、異物が存在する部分が明るくなっている。図6(c)は、シワ(皺)によるシール不良が発生した際の撮影画像であり、シワからの散乱光により、シワが存在する部分が明るくなっている。
【0044】
また、制御装置40は、包装袋70の斜行、包装袋70の折れ、ヒートシール場所のずれによるシール不良も判定することができる。図7(a)は、包装袋70の斜行により、包装袋70に対してヒートシールが斜めに行われてしまった際の撮影画像である。図7(b)は、包装袋80の折れたままヒートシールが行われてしまった際の撮影画像である。図7(c)は、包装袋70の搬送方向において、ヒートシールの位置が袋口シール領域77からずれてしまった際の撮影画像である。
【0045】
以上、シール検査装置1の構成について詳細に説明したが、本実施形態によれば、袋口シール領域77のシールが良好に行われたか否かを高精度に判定することが可能となる。
【0046】
特に、シール検査装置1は、反射型の検査装置であり、包装袋70に対して光源10と撮像装置20が同じ側に位置するため、シール検査装置1を小型化することができる。また、反射型の装置としたことで、透明な包装袋70だけでなく、金属層等の遮光層を有して、透過型のシール検査装置では検査できないような包装袋であってもシール検査を行うことが可能となる。なお、遮光包装袋の検査を行う場合には、シール検査領域において貼り合わせられる包装フィルムの一方が透明フィルムであれば、良好なシール検査を行うことができる。
【0047】
また、透過型の検査装置の場合には、通常、包装袋の表面に対して略垂直に照射光を当てるため、入射角を大きくすることは困難であるが、本実施形態では、反射型とすることで、入射光を包装袋70の表面に対して寝かせて入射角を大きくし、検出精度を向上させることができた。
【0048】
すなわち、本実施形態では、検査場所50に位置する袋口シール領域77の表面へのコリメート光の入射角が68°となるように構成されている。このように、包装袋70の表面に対して入射光を寝かせることで、異物やシワ等の検査感度を大きく向上させることができる。
【0049】
これは、入射光を寝かせることで、包装フィルム71内を通過する入射光の光路長が長くなり、通常であれば入射光が透過するような薄い異物や小さなシワによっても入射光が反射するようになるからである。
【0050】
もちろん、コリメート光の包装袋70への入射角は適宜変更可能であるが、所定の検査感度を維持するためには、60°よりも大きくすることが望ましい。また、入射角が大きすぎてもコリメート光が包装袋70へと入射し難くなってしまうので、80°よりも小さくすることが望ましい。すなわち、コリメート光の入射角は、60〜80°に設定することが望ましい。
【0051】
なお、上述したように、包装袋70は、充填ラインにおいて円周上を搬送されているため、検査場所50を通過する際にも光源10や撮像装置20に対して若干の角度変化があるが、本明細書における検査場所に位置する包装袋70に対する角度は、包装袋70の幅方向中心部分が検査場所50に位置し、包装袋70がガイド部材30の案内路と平行になったときの角度のことを意味している。
【0052】
また、本実施形態では、撮像装置20としてラインセンサを採用しており、エリアカメラを使用する場合と比較して、シール検査装置1を小型化することが可能である。撮影領域の広いエリアカメラであれば、撮影対象である包装袋からある程度距離をおく必要があるが、ラインセンサであれば包装袋に近づけて配置することができる。
【0053】
また、ラインセンサであれば、シール領域が横長であって搬送方向における検査領域が長い場合であっても、撮影エリアを広げるために撮像装置20を包装袋から離す必要が無く、画像分解能を下げることなく検査を行うことができる。
【0054】
また、ラインセンサであれば、撮影の際の縦横倍率を任意に設定することが可能であり、種々の大きさの包装袋に対して容易に対応可能である。また、ラインセンサであれば、撮影画像の収差が小さく、検出精度を向上させることができる。
【0055】
また、上述したように、包装袋70は、検査場所50を通過する際にも撮像装置20に対して若干の角度変化(本実施形態では、基準となる撮像装置20に対して垂直位置から±8°)があるが、ラインセンサであれば、撮影画像の焦点がずれることなく、検査感度を維持することが可能である。
【0056】
また、本実施形態では、撮像装置20が、検査場所50に位置する包装袋のシール面に対して垂直な位置から光源10側へ8°ずらした位置に設置されているため、上述したように検査場所50において包装袋70の角度が変化しても撮像装置20への不要な正反射光成分の入射を抑えて、検査感度を維持することができる。
【0057】
もちろん、撮像装置20を光源10にずらす角度は適宜変更可能であるが、大きくずらすと、異物からの散乱光も少なくなってしまう。したがって、不要な正反射光成分を抑えつつ、異物からの散乱光も取り込むためには、3〜15°程度ずらずことが望ましい。
【0058】
また、本実施形態では、LED光源11の光をプリズム15によって曲げることで、検査場所50への入射光の入射角度を大きくしているので、入射角を大きくするためにLED光源11を撮像装置20から離れた場所に設置する必要がなく、シール検査装置1を小型に構成することができる。
【0059】
また、シール検査環境に応じて入射角を微調整する必要がある場合にも、大きなLED光源11を移動させることなく、プリズム15の位置を調整するだけで入射角度を調整することができ、操作性も向上させることができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、光源としては、LED光源に限らず、レーザ光源等、種々の光源を用いることができる。また、シール検査装置の検査対象も、種々の材料や形状の包装袋に対応可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 シール検査装置
5 フレーム
10 光源
11 LED光源
15 プリズム
16 プリズム本体
17 プリズムホルダー
20 撮像装置
30 ガイド部材
31 第一ガイド部
32 第二ガイド板
40 制御装置
50 検査場所
70 包装袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を密封した包装袋の袋口シール領域のシール不良を検査するシール検査装置において、
シール後の前記包装袋をその袋口シール領域が検査場所を通過するように案内するガイド部材と、
前記検査場所にコリメート光を照射するための光源と、
前記検査場所に位置する前記袋口シール領域の表面に対して略垂直な方向において、前記光源と同じ側に設置された、前記袋口シール領域からの反射光を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮影した撮像画像に基づいて、前記袋口シール領域においてシール不良が発生していないか判定する制御手段と、
を備えることを特徴とするシール検査装置。
【請求項2】
前記光源は、前記検査場所に照射される前記コリメート光の前記袋口シール領域の表面への入射角が60〜80°となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のシール検査装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、ラインセンサであり、且つ、前記袋口シール領域の表面に対して垂直な位置から前記光源側に3〜15°程度ずらした位置に設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のシール検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−28390(P2013−28390A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166904(P2011−166904)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000114732)ヤマキ株式会社 (16)
【Fターム(参考)】