説明

シール装置とそれを備えた回転体

【課題】構造が簡単かつ取り付けが容易にして、ローメンテナンスかつ低コスト化が可能であり、利便性や汎用性が高く、高い回転周速度に対応可能で、ロータ回転時のぶれに追従してシール効果も高いシール装置とそれを備えた回転体を提供する。
【解決手段】本実施形態のシール装置1は、回転式集塵装置10を構成するケーシング11と、この内部に所定の空間を持って配置された回転ロータ12との間に設けられている。シール装置1は、回転ロータ12側に取り付けた円環状の面を構成する突起部材2と、ケーシング11側に取り付けたシール部材3と、このシール部材3をケーシング11側に固定する取付部材4とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、回転式集塵装置の回転ロータ等における回転体と、ケーシングや筒体部又はその他の周囲に配置された固定部材との間に、気体の漏洩を防止するために設けるシール装置とそれを備えた回転体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、回転式集塵装置の回転ロータ等においては、被処理気体をブロワにより吸引し、回転フィルタで処理する場合、回転フィルタの上流側と下流側に大きな圧力差が生じるため、回転ロータとケーシング間に気密シールを行う必要がある(特許文献1参照)。
【0003】
このような気密シールを行なう装置としては、小径回転体に用いられるものと、大径回転体に用いられるものとで、採用されるものが異なるのが一般的である。
【0004】
小径回転軸のシール装置としては、例えば、主に液体を扱う機器の回転軸に使用され、回転軸周りのハウジングに取付られたオイルシールや(特許文献2参照)、図7に示すように、回転軸に取り付けられたVリング等が知られている(特許文献3参照)。
【0005】
一方、大径回転体のシール構造としては、圧縮ガスのシールに使われる機構で、高圧の空気や蒸気を漏らしながら用いるラビリンズシールや、固定金具に取り付けられている筒状のシール部材の片側がラッパ状に開いて環状摺動板に抑圧状態で当接するシール部材を有するシール装置が提案されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−263424号公報
【特許文献2】特開2009−68613号公報
【特許文献3】特開2006−283950号公報
【特許文献4】特開平9−72666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2又は3で示されるオイルシールや、Vリング等によるシール方法は、小径回転軸の場合には、回転周速度が小さいため容易で一般的となっている。そのため、これを例えば、図8及び図9に示すように、大径回転体においても、その構成をそのまま採用することも考えられる。
【0008】
しかしながら、大径回転体の場合には、直径が大きくなるにつれ回転周速度も大きくなるため、一部の定型化したオイルシールやVリングにおいて、形状は採用できそうであるが、回転数が大きい場合(高速回転)、耐摩耗性、耐熱性上の問題から採用が困難である。ここで、回転周速度は以下の式により表せる。
[式1]
回転周速度(m/sec)=直径(m)×π×回転数(rpm)÷60(sec)
【0009】
また、オイルシールやVリングのシールを構成する部材がゴム製の場合には、安価で構成可能であるものの、回転で接触摩擦熱と摩耗により部材の寿命が短い。ゴム以外の耐摩耗性、耐熱性の材料にした場合には、高価となる上、回転体側に傷が付けられる恐れがあったり、隙間が生じて、その部分から空気が漏れるという課題があった。
【0010】
一方、特許文献4に開示されるような、従来の大径回転体のシール構造では、構造が複雑で、コンパクト性に欠け、かつ高価であるという課題があった。
【0011】
また、いずれの先行技術においても、回転ロータを用いる限り、長時間の運転により軸ぶれが生じ、これによってシール性が低下するという課題があった。さらに、オイルミスト等の液体を含む気体の処理を行なう場合、回転ロータにおいては、集塵装置の停止時において、オイルミスト等の液体が、回転フィルタの下部側に偏った形で付着し、運転再開時、回転ロータを始動すると、回転バランスを崩し、大きなぶれを生じる可能性がある。また、回転ロータが回転しているときに、回転フィルタ内周から洗浄液をかけて回転フィルタの洗浄を行なうような場合に、洗浄液が偏ることによって、回転ロータにぶれが生じる可能性がある。これが従来のシール構造では、シール性が悪化したり損傷したりする原因になっていた。
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、構造が簡単かつ取り付けが容易にして、ローメンテナンスかつ低コスト化が可能であり、利便性や汎用性が高く、高い回転周速度に対応可能で、ロータ回転時のぶれに追従してシール効果も高いシール装置とそれを備えた回転体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転ロータとケーシング間を気密シールするシール装置において、円環状に面を形成し、当該面上で円環状に出っ張った突起部、および回転ロータに取り付けるためのロータ取付部、を有する突起部材と、弾性を備えた素材からなる円環状のシール部材と、前記シール部材と略同大の円環状の溝が形成され前記シール部材を少なくともその表面を露出させた状態で収納する収納部、およびケーシングに取り付けるためのケーシング取付部、を有する取付部材と、を備え、前記突起部は、前記取付部材から露出したシール部材の表面に当接するように、前記突起部材、前記シール部材及び前記取付部材の径が設定されたことを特徴とする。
【0014】
本発明は、請求項5に記載のように、当該シール装置を備えた回転体として把握することも可能であり、この場合、当該回転体は、前記突起部が前記シール部材の表面に対して押し込まれるように、前記突起部材が前記回転ロータに取り付けられ、かつ前記取付部材が前記ケーシングに取り付けられて構成される。
【0015】
以上の態様では、突起部材の突起部が、シール部材の表面に当接することにより、気密性良くシールすることができる。特に、回転体に取り付けた場合に、突起部がシール部材の表面に対して、例えば、1mm〜数mm程度というように、押し込まれるように構成することにより、回転ロータに多少回転のぶれが生じても、気密シール状態を保つことができる。また、突起部材の突起部と、この突起部に当接するシール部材と、これを簡易に固定する取付部材という簡易な構成により、シール装置を構成することができる。
【0016】
また、シール部材が円環状に形成され、取付部材は、この円環状のシール部材を押し込んで固定する嵌め込み式となっているため、固定具を別途設ける必要がなく、取付方法は非常に容易である。また、メンテナンスも、磨耗等したシール部材の交換で済み、さらに、このシール部材として、たとえば、回転フィルタと同一の素材である不織布フィルタを用いれば、必要資材の削減が可能となり、ローメンテナンスかつ低コストを実現することができる。また、シール部材の素材の選択により、耐熱性や耐摩耗性を、回転式集塵装置等の装置に合わせて最適なものにより構成することが可能であり、利便性や汎用性が高い。
【0017】
さらに、使用時には、場合によって突起部材の突起部とシール部材の摩擦により、円環状のシール部材が回転ロータの回転による突起部材の回転に伴って回転することがあるが、この場合でも、取付部材からシール部材が飛び出すようなことはなく、支障がない。むしろ、シール部材が突起部材の回転に伴って回転することで、突起部材の突起部とシール部材との間に生ずる摩擦力や回転力が分散され、シール部材の破損や、取付部材からの離脱を防ぐことができる。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記突起部材の前記突起部における前記シール部材と当接する箇所は、面により構成されることを特徴とする。そして、この面は、請求項3に記載のように、突起部が、円環状の面から、円弧状に隆起し、あるいは円形状又は矩形状に隆起したものとして構成される。
【0019】
以上の態様では、突起部材の突起部が、シール部材に対して、面で接触するようにしたことで、気密性良くシールすることができる。なお、突起部の形状として、円弧状、円形状又は矩形状といった種々の構成が採用可能であるが、突起部材は、回転ロータの回転に伴って回転し、シール部材との間に摩擦を生じさせるものであるから、突起部材の形状は、シール部材に押し当てる面積(接触面積)の少ない形状である、円弧形状又は円状が望ましい。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記収納部には、前記シール部材とともに弾性体が収納され、この弾性体は、前記シール部材をその表面側に付勢するものであることを特徴とする。
【0021】
以上の態様では、弾性体のシール部材に対する突起部材側への付勢力により、シール部材と突起部材の突起部の接触を維持することができるので、シール装置の気密性を保つことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、構造が簡単かつ取り付けが容易にして、ローメンテナンスかつ低コスト化が可能であり、利便性や汎用性が高く、高い回転周速度に対応可能で、ロータ回転時のぶれに追従してシール効果も高いシール装置とそれを備えた回転体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態におけるシール装置を含む回転式集塵装置の構成を示す模式図(a)及びシール構造を示す部分拡大図(b)。
【図2】本発明の実施形態におけるシール装置の構成を示す分解斜視図。
【図3】本発明の他の実施形態におけるシール装置のシール構造を示す部分拡大図。
【図4】本発明の他の実施形態におけるシール装置のシール構造を示す部分拡大図。
【図5】本発明の他の実施形態におけるシール装置のシール構造を示す部分拡大図。
【図6】本発明の他の実施形態におけるシール装置のシール構造を示す部分拡大図。
【図7】従来のVリングによるシール装置のシール構造を示す部分拡大図。
【図8】従来のVリングによるシール装置のシール構造を大径回転体に採用した場合の構造を示す部分拡大図。
【図9】従来のオイルシールによるシール装置のシール構造を大径回転体に採用した場合の構造を示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について、本発明のシール装置を回転式集塵装置の回転ロータ(回転体)に用いた例を説明する。
【0025】
[1.本実施形態]
[1−1.構成]
図1(a)に示すように、本実施形態のシール装置1は、回転式集塵装置10を構成するケーシング11と、この内部に所定の空間を持って配置された回転ロータ12との間に設けられている。
【0026】
ここで、一例として示す回転式集塵装置10において、回転ロータ12の中心軸はケーシング11の中心と一致するように配置されており、回転ロータ12には回転ロータ12に高速の回転力を与える駆動モータ14の回転軸が接続されている。また、回転ロータ12には回転フィルタ13が装着されている。回転フィルタ13は空気を通過させつつ、オイルミストを捕集するもので、洗浄可能な不織布あるいは他の洗浄可能なフィルタを装着した円筒形部材からなる。なお、ケーシングの形状は特に限定されるものではなく、回転ロータに合わせて円筒形であっても良いし、立方体や直方体等、多面形状で形成しても良い。
【0027】
図1(b)を用いて、シール装置1の詳細な構成を説明する。同図に示すように、シール装置1は、回転ロータ12側に取り付けた円環状の面を構成する突起部材2と、ケーシング11側に取り付けたシール部材3と、このシール部材3をケーシング11側に固定する取付部材4とから構成される。
【0028】
図2に示すように、シール装置1を構成する突起部材2、シール部材3及び取付部材4は、いずれも円環状(ドーナツ状)で、ほぼ同一径に構成される。突起部材2は、面を有する円板状体の内周側端部を、U字状に突出させた突起部21と、このU字状の突起の反対側の外周側端部において、回転ロータ12の円形側面にネジ留めするロータ取付部22とを有する。この突起部材2の材質は、精度よく成型ができ、突起面が滑らかに加工された金属材料を使用しているが、十分な強度及び耐熱性を持つ材料やその他の材料を用いることも可能である。
【0029】
シール部材3は、突起部材2の突起部分が、円環の上面又は底面を形成する面の中心部分に当接するよう径が決定され、また、円環の軸方向(円環の高さ方向)に、適度な厚みを持たせて構成される。このシール部材3に用いる素材は、必要資材を削減する目的から、前述の回転フィルタ13と同一の素材である不織布フィルタを用いることが可能であるし、その他の不織布弾性材料、ゴム系弾性材料、その他弾性を持ち、磨耗強度及び耐熱性を持つ材料等であれば、いずれを用いても構わない。
【0030】
取付部材4は、シール部材3を嵌め込み収納する収納部41と、ケーシング11に固定するケーシング取付部42とを備え、収納部41は、断面がシール部材3の表面側である突起部材2の側に対して逆L字型を向かい合わせた構成となっており、このL字の引っ掛け部分で、シール部材3の取付部材4からの飛び出しを防止するとともに、反対の端部において、ケーシング取付部42により、ケーシング11に取り付けられている。
【0031】
この取付部材4の収納部41には、その最下部に小穴43が設けられている。回転集塵装置10においては、オイルミスト等の液体を含む気体の処理を行った際に、取付部材4とシール部材3との隙間や、シール部材3に液体が溜まった場合に、回転による遠心力の影響を受け、この液体はシール部材3の外周方向へ押し出される。そこで、この小穴43は、この液体をブロア側と反対のケーシング内に排出するためのものである。
【0032】
突起部材2の突起部21と、シール部材3及び取付部材4の円環軸方向の高さは、ケーシング11と回転ロータ12とのクリアランスに依存するが、これを定義づければ、回転ロータ12に突起部材2を固定し、取付部材4をケーシング11に固定するとともにシール部材3を取付部材4に嵌め込んだ状態において、突起部材2の突起部21が、シール部材3の表面に当接し、例えば1mmから数mm程度押し当たるように、それぞれ軸方向の高さを設定する。言い換えれば、シール部材3及び取付部材4の軸方向高さ(又は肉厚)は一定とし、これを用いるケーシング11と回転ロータ12とのクリアランスに応じて、突起部材2の突起部21の突出具合を調整することにより対応すればよい。
【0033】
なお、理論上は、突起部材2がシール部材3の表面に当接するように突起部材2の突起部21の高さの調整ないしはシール部材3の厚みの調整を行なえばよいのであるが、実際には回転ロータ12の回転ぶれがあるため、この回転ぶれに対応するよう、上述のとおり、突起部材2の突起部21先端が、シール部材3に1mmから数mm程度、押し当たるように構成する。
【0034】
[1−2.作用効果]
以上のような構成からなる本実施形態のシール装置1によれば、突起部材2の突起部21が、シール部材3の表面に対して1mm〜数mm程度押し込まれるように構成することにより、回転ロータに多少回転のぶれが生じても、気密性よくシールすることができる。特に、回転式集塵装置10の停止時において、オイルミスト等の液体が、回転フィルタの下部側に偏った形で付着し、運転再開時、回転ロータを始動すると、回転バランスを崩し、大きなぶれを生じ、また、回転ロータが回転しているときに、回転フィルタ内周から洗浄液をかけて回転フィルタの洗浄を行なうような場合に、洗浄液が偏ることによって、回転ロータにぶれが生じる可能性がある。これに対して、本実施形態のシール装置1では、上記構成により、このようなぶれに対応することができ、従来にない摺動性を確保しつつも、機密性の高いシール装置の構造を提供することができる。
【0035】
また、突起部材2の突起部21と、この突起部21に当接するシール部材3と、これを簡易に固定する取付部材4という簡易な構成により、シール装置を構成することができる。
【0036】
シール部材3が円環状(ドーナツ状)に形成され、取付部材4は、この円環状のシール部材3を押し込んで固定する嵌め込み式となっているため、固定具を別途設ける必要がなく、取付方法は非常に容易である。また、メンテナンスも、磨耗等したシール部材3の交換で済み、さらに、このシール部材3として、回転フィルタ13と同一の素材である不織布フィルタを用いれば、必要資材の削減が可能となり、ローメンテナンスかつ低コストを実現することができる。また、シール部材3の素材の選択により、耐熱性や耐摩耗性を、回転式集塵装置等の装置に合わせて最適なものにより構成することが可能であり、利便性や汎用性が高い。
【0037】
また、使用時には、場合によって突起部材2とシール部材3の摩擦により、ドーナツ状のシール部材3が回転ロータ12の回転による突起部材2の回転に伴って回転することがあるが、この場合でも、取付部材4からシール部材3が飛び出すようなことはなく、支障がない。むしろ、シール部材3が突起部材2の回転に伴って回転することで、突起部材2とシール部材3との間に生ずる摩擦力や回転力が分散され、シール部材3の破損や、取付部材からの離脱を防ぐことができる。
【0038】
さらに、取付部材4の収納部41には、その最下部に小穴43が設けられていることで、回転集塵装置10においては、オイルミスト等の液体を含む気体の処理を行った際に、取付部材4とシール部材3との隙間や、シール部材3に液体が溜まった場合に、回転による遠心力の影響を受け、この液体はシール部材3の外周方向へ押し出され、この小穴43から、この液体をブロア側と反対のケーシング内に排出することができる。
【0039】
以上のような本実施形態のシール装置1によれば、構造が簡単かつ取り付けが容易にして、ローメンテナンスかつ低コスト化が可能であり、利便性や汎用性が高く、高い回転周速度に対応可能で、ロータ回転時のぶれに追従してシール効果も高いシール装置を提供することができる。
【0040】
[2.他の実施形態]
本発明は、上記実施形態において示した態様に限定されるものではなく、以下のような実施形態も包含する。上記実施形態においては、突起部材2の突起部21として、円板状体の内周側端部を、U字状に突出させ、このU字状の突起の反対側の外周側端部において、回転ロータ12の円形側面にロータ取付部22においてネジ留めした構成としていたが、これに限られず、図3に示すように、円板状体の内周側と外周側の両端部分にロータ取付部22を設け、ここにおいてネジ留めし、中央部分に突起部21を設けて構成することも可能である。これにより、突起部材2の回転ロータ12への固定をより確実に行なうことができるようになる。
【0041】
上記実施形態において、突起部材2における突起部21の形状は、U字状としているが、これに限られず、図4に示すような円形状としたり、図5に示すような矩形状にするなど、適宜形状を選択可能である。なお、図5の態様で矩形状にした場合、上辺と下辺を円弧状にすることで摩擦に対応しても良い。ただし、突起部材2は、回転ロータ12の回転に伴って回転し、シール部材3との間に摩擦を生じさせるものであるから、突起部材2における突起部21の形状は、シール部材に押し当てる面積(接触面積)の少ない形状である、円弧形状又は円状が望ましい。
【0042】
シール部材3と取付部材4との取付構成も、上記実施形態の態様に限られず、例えば、図6に示すように、取付部材4内のシール部材3における突起部材2との接触面の反対側にバネを代表例とする弾性体を取り付けることも可能である。これによれば、弾性体のシール部材3に対する突起部材2側への付勢力により、シール部材3と突起部材2の突起部21表面の接触を維持することができるので、シール装置1の気密性を保つことができる。
【0043】
また、上記実施形態では、シール装置1を、回転ロータ12の空気排出口を構成する円環状の面の内周側端部に設けたが、これに限られず、回転ロータ12の空気排出口を構成する円環状の面の外周側端部など、この空気排出口を構成する円環状の面であれば、如何なる位置に設けることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1…シール装置
2…突起部材
21…突起部
22…ロータ取付部
3…シール部材
4…取付部材
41…収納部
42…ケーシング取付部
43…小穴
10…回転式集塵装置
11…ケーシング
12…回転ロータ
13…回転フィルタ
14…駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ロータとケーシング間を気密シールするシール装置において、
円環状に面を形成し、当該面上で円環状に出っ張った突起部、および回転ロータに取り付けるためのロータ取付部、を有する突起部材と、
弾性を備えた素材からなる円環状のシール部材と、
前記シール部材と略同大の円環状の溝が形成され前記シール部材を少なくともその表面を露出させた状態で収納する収納部、およびケーシングに取り付けるためのケーシング取付部、を有する取付部材と、を備え、
前記突起部は、前記取付部材から露出したシール部材の表面に当接するように、前記突起部材、前記シール部材及び前記取付部材の径が設定されたことを特徴とするシール装置。
【請求項2】
前記突起部材の前記突起部における前記シール部材と当接する箇所は、面により構成されることを特徴とする請求項1記載のシール装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記円環状の面から、円弧状に隆起し、あるいは円形状又は矩形状に隆起したものであることを特徴とする請求項1記載のシール装置。
【請求項4】
前記収納部には、前記シール部材とともに弾性体が収納され、
この弾性体は、前記シール部材をその表面側に付勢するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項5】
回転ロータと、ケーシングとともに、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシール装置を備えた回転体であって、
前記突起部が前記シール部材の表面に対して押し込まれるように、前記突起部材が前記回転ロータに取り付けられ、かつ前記取付部材が前記ケーシングに取り付けられたことを特徴とする回転体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−12743(P2011−12743A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157046(P2009−157046)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000236160)株式会社テクノ菱和 (50)
【Fターム(参考)】