説明

ジアザシラシクロペンテン誘導体、その製造方法及びケイ素含有薄膜の製法

【課題】高い蒸気圧を持ち、ケイ素含有薄膜を製造する際の優れた材料となる新しいケイ素化合物を提供し、またそれを危険性の無い安価な原材料を使用して収率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体を、ジイミン、すなわち1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン誘導体にアルカリ金属及びオルトケイ酸テトラアルキルを反応させることにより製造し、それを用いてケイ素含有薄膜を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造用材料等として有用なジアザシラシクロペンテン誘導体、その製造方法及びケイ素含有薄膜の製法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ素単体及び含ケイ素化合物は、結晶構造や構成元素の種類、比率を変えることによって電気的性質や機械的強度を調整することが出来るため、半導体デバイスを構成する多くの部位に薄膜として用いられており、今後もその用途展開は広がりを見せることが期待されている。含ケイ素化合物としては、二酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、金属シリケートなど多様な物質が半導体素子に広く用いられている。また、半導体デバイスの高集積化を進める上で、デバイス構造の立体化、すなわち三次元化された基板の表面上に薄膜を製造する技術の確立は極めて重要である。この観点から、化学気相蒸着法(CVD法)や原子層蒸着法(ALD法)は、次世代以降の半導体デバイス製造工程に適した成膜プロセスとして特に注目されている。ケイ素単体及び含ケイ素化合物の用途展開の拡大に適応するため、含ケイ素薄膜製造用材料として用いられてきたオルトケイ酸テトラエチルやシランに加え、さらに新しいケイ素含有薄膜製造用材料の開発が強く求められている。
【0003】
非特許文献1には、tert−ブチルオキシ基を有するジアザシラシクロペンテン誘導体Si(BuNCHCHNBu)(OBu)とその合成方法が開示されているが、ケイ素上に2つtert−ブチルオキシ基を有するものである。また、特許文献1及び2には、ジアザシラシクロアルカン誘導体とその合成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−109514号公報
【特許文献2】特開2006−28312号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Organometallics,23,6330(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CVD法やALD法は、気化させた材料を用いて薄膜を製造する手法であるため、その材料には出来るだけ高い蒸気圧を持つことが要求される。一般的には、150℃以下で1Torr(133Pa)以上の蒸気圧を持つ材料が好ましい。非特許文献1には、Si(BuNCHCHNBu)(OBu)の蒸留の際には、0.1Torrの減圧下、130℃で留出すると記載されている。すなわち、Si(BuNCHCHNBu)(OBu)は、CVD材料やALD材料として十分な蒸気圧を有しているとは言い難い。また、非特許文献1にはSi(BuNCHCHNBu)(OBu)の合成方法のみしか記載されておらず、tert−ブチルオキシ基以外のアルコキシ基を有する化合物の合成に関しては一切記述されていない。さらに、非特許文献1に記載されている合成方法は、爆発性を有するジ−tert−ブチルペルオキシドを使用するため、安全面で問題がある。また、反応の選択性がやや低いため収率が低いこともコスト面での問題点として挙げられる。また、Si(BuNCHCHNBu)(OBu)を材料として用いる薄膜製造方法などの用途に関しても一切記載されていない。
【0007】
さらに、特許文献1及び2には、いくつかのジアザシラシクロアルカン誘導体の蒸留条件が記載されているが、このデータからはこれら誘導体が必ずしも十分に高い蒸気圧を持つとは言い難い。すなわち、さらに高い蒸気圧を有する材料の開発が望まれている。さらに、特許文献1及び2に記載されているジアザシラシクロアルカン誘導体の合成方法には、高価なN,N’−ジアルキルジアミンやアルキルリチウムを用いるために、コストが高いという欠点がある。さらに、特許文献1では31−68%、特許文献2では19%−64%と報告されているように、ジアザシラシクロアルカン誘導体の収率が低いという問題点もある。加えて、特許文献1及び2にはジアザシラシクロアルカン誘導体の薄膜製造材料としての用途に関しても一切記載されていない。
【0008】
本発明の課題は、高い蒸気圧を持ち、ケイ素含有薄膜を製造する際の優れた材料となる新しいケイ素化合物、及びそれを危険性の無い安価な原材料を使用して収率良く製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)で示される炭素数1から3のアルコキシ基を有するジアザシラシクロペンテン誘導体が、上記課題を解決する優れた化合物であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0011】
【化1】

(式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。Rは炭素数1から3のアルキル基を示す。)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体に関する。
【0012】
また本発明は、一般式(2)
【0013】
【化2】

(式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。)で表わされるジイミンに、アルカリ金属及び一般式(3)
【0014】
【化3】

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基を示す。)で表わされるオルトケイ酸テトラアルキルを反応させることを特徴とする、一般式(1)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体の製造方法に関する。
【0015】
さらに本発明は、一般式(1)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体を材料に用いることを特徴とする、ケイ素含有薄膜の製法に関するものである。以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
本明細書におけるR、R及びRの定義について説明する。
【0017】
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、1−シクロプロピルエチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、4−メチルシクロペンチル基等を例示することが出来る。収率がよい点でプロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基又はtert−ペンチル基が好ましい。さらに、Rがイソプロピル基又はtert−ブチル基の場合にはジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の蒸気圧が高いので、更に好ましい。
【0018】
は、ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の収率が良く、また、(1)の蒸気圧が高い点で、水素原子が好ましい。
【0019】
で表される炭素数1から3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基を例示することが出来る。ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の蒸気圧が高い点で、メチル基又はエチル基が好ましい。
【0020】
次に本発明の製造方法について説明する。本発明のジアザシラシクロペンテン誘導体(1)は下記反応式で示した方法により製造することが出来る。
【0021】
【化4】

(式中、R、R及びRは前記と同じ意味を示す。Mはアルカリ金属を示す。)
すなわち、本発明の製造方法は、ジイミン(2)とアルカリ金属M及びオルトケイ酸テトラアルキル(3)を反応させて、本発明のジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を製造する方法である。
【0022】
アルカリ金属Mとオルトケイ酸テトラアルキル(3)の投入順序に制限はない。
【0023】
アルカリ金属Mとしては、ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の収率が良い点で、リチウム又はナトリウムが好ましい。
【0024】
ジイミン(2)、アルカリ金属M及びオルトケイ酸テトラアルキル(3)のモル当量比に制限はないが、ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の収率が良い点で、ジイミン(2)に対して2モル当量以上のアルカリ金属M及び0.9から1.1モル当量のオルトケイ酸テトラアルキル(3)を使用するのが好ましい。
【0025】
本反応は有機溶媒中で実施することが好ましい。用いることが出来る有機溶媒としては、反応を阻害することがない溶媒であれば制限はなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等を挙げることが出来る。中でもジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の収率が良い点で、テトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランとヘキサン若しくはヘプタンの混合物が好ましい。溶媒の使用量には特に制限はなく、置換基R、R、R及び金属Mの組み合わせによって適宜選択された量を用いることにより、収率良くジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を得ることが出来る。
【0026】
本反応の反応温度及び反応時間には特に限定はないが、好ましくは0℃〜200℃、10分〜120時間の範囲から適宜選択することによって、収率よくジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を製造することができる。また本反応の雰囲気として用いることができるガスとしては、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等を例示することができる。ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)の収率がよい点で、窒素又はアルゴン雰囲気下で本反応を実施することが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法の原料として用いるジイミン(2)は、J.Am.Chem.Soc.,120,12714(1998)に記載の方法及びTetrahedron Letters,32,3879(1991)に記載の方法に準じて製造することが出来る。
【0028】
本発明のジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を材料に用いることによって、ケイ素含有薄膜を製造することが出来る。製造することが出来る薄膜としては、二酸化ケイ素、窒化酸化ケイ素及び金属シリケートなどの薄膜を例示することが出来る。ケイ素含有薄膜の製造方法としては、例えばCVD法又はALD法等、及びディップコート法、スピンコート法又はインクジェット法などの塗付法等を例示することが出来る。CVD法又はALD法等により薄膜を製造する場合、ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を気化させ、気体として反応チャンバーに供給する。ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を気化させる方法としては、例えばバブリング法やリキッドインジェクション法などを挙げることが出来る。バブリング法とは、恒温槽によって一定の温度に保たれた材料容器にジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を入れ、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン又は窒素などのキャリアガスを吹き込むことによってジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を気化させる方法である。リキッドインジェクション法とは、ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を液体の状態で気化器に送りこみ、気化器内での加熱などによってジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を気化させる方法である。リキッドインジェクション法では、ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を溶媒に溶かして溶液として用いることが出来る。ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を溶液として用いる場合の溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエ−テル、シクロペンチルエチルエーテルなどのエ−テル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類等を例示することが出来る。これらの溶媒を単独で又は混合して用いることが出来る。
【0029】
気体として反応チャンバーに供給したジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を分解することにより、基板上にケイ素含有薄膜を製造することが出来る。ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を分解する方法としては、熱による方法、プラズマや光などを使用する方法、反応チャンバー内に水、酸素、オゾン、過酸化水素、水素、アンモニアなどの反応ガスを送り込んで化学反応を起こさせる方法を例示することが出来る。これらの方法を単独で又は併せて用いることによってジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を分解し、ケイ素含有薄膜を製造することが出来る。ジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を分解する際の基板温度には特に制限はなく、プラズマや光、反応ガスなどを適宜使用することによって、室温から400℃の間の低い温度域でもケイ素含有薄膜を製造することが出来る。
【発明の効果】
【0030】
本発明のジアザシラシクロペンテン誘導体(1)は高い蒸気圧を持ち、これを材料として用いることによって半導体素子の製造等に有用なケイ素含有薄膜を製造することが出来る。また、危険性の無い安価な原材料を使用して収率良くジアザシラシクロペンテン誘導体(1)を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例11、12及び13で用いたCVD成膜装置の概略図である。
【図2】実施例14、15、16及び17で用いたCVD成膜装置の概略図である。
【図3】実施例18、19、20及び21で用いたCVD成膜装置の概略図である。
【実施例】
【0032】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書中では、Me、Et、Pr、Bu、Bu及びPeは、それぞれメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ペンチル基を示す。Torrは圧力単位であり、1Torrは133Paである。
【0033】
実施例1
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジイソプロピル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(PrNCHCHNPr)13.07g(93.2mmol)をテトラヒドロフラン7mLとヘキサン70mLの混合溶媒に溶かし、リチウム1.42g(205mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラメチル(Si(OMe))14.10g(92.6mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度95℃/8Torr)することにより、1,3−ジイソプロピル−2,2−ジメトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(PrNCHCHNPr)(OMe))を無色の液体として得た(収量18.38g、収率86%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.64(s,2H),3.43(s,6H),3.29(sept,J=7Hz,2H),1.19(d,J=7Hz,12H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)113.2,50.9,47.8,24.3。
【0034】
実施例2
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(BuNCHCHNBu)4.04g(24.0mmol)をテトラヒドロフラン5mLとヘキサン25mLの混合溶媒に溶かし、リチウム371mg(53.5mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラメチル(Si(OMe))3.65g(24.0mmol)を加え、50℃で8時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度85℃/5Torr)することにより、1,3−ジ−tert−ブチル−2,2−ジメトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(BuNCHCHNBu)(OMe))を無色の液体として得た(収量5.16g、収率83%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.77(s,2H),3.41(s,6H),1.27(s,18H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)110.8,50.9,50.6,30.8。
【0035】
実施例3
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジ−sec−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(BuNCHCHNBu)7.60g(45.2mmol)をテトラヒドロフラン10mLとヘキサン60mLの混合溶媒に溶かし、リチウム667mg(96.1mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラメチル(Si(OMe))6.87g(45.1mmol)を加え、7時間加熱還流した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度102−105℃/6Torr)することにより、1,3−ジ−sec−ブチル−2,2−ジメトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(BuNCHCHNBu)(OMe))を無色の液体として得た(収量9.72g、収率83%)。なお、これはsec−ブチル基のキラリティーの違いに基づく一組の光学異性体と一つのメソ体の混合物であった。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.60(s,2H),3.45(s)/3.44(s)/3.43(s)(三つのシグナルの積分強度の合計で6H),3.00(sext,J=7Hz,2H),1.68−1.60(m,2H),1.44−1.35(m,2H),1.18(d,J=7Hz,6H),0.87(t,J=7Hz,6H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)112.8,112.7,53.8,51.12,51.09,51.06,31.5,21.8,11.7。
【0036】
実施例4
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(PeNCHCHNPe)4.06g(20.7mmol)をテトラヒドロフラン5mLとヘキサン25mLの混合溶媒に溶かし、リチウム315mg(45.4mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラメチル(Si(OMe))3.00g(19.7mmol)を加え、50℃で3時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度99℃/4Torr)することにより、2,2−ジメトキシ−1,3−ジ−tert−ペンチル−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(PeNCHCHNPe)(OMe))を無色の液体として得た(収量4.35g、収率77%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.70(s,2H),3.45(s,6H),1.52(q,J=8Hz,4H),1.24(s,12H),0.88(t,J=8Hz,6H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)110.3,53.6,50.8,35.4,28.2,9.3。
【0037】
実施例5
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(1−エチルプロピル)−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(EtCHNCHCHNCHEt)2.99g(15.2mmol)をテトラヒドロフラン4mLとヘキサン20mLの混合溶媒に溶かし、リチウム240mg(34.6mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラメチル(Si(OMe))2.21g(14.5mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度97℃/3Torr)することにより、1,3−ビス(1−エチルプロピル)−2,2−ジメトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(EtCHNCHCHNCHEt)(OMe))を無色の液体として得た(収量3.45g、収率83%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.61(s,2H),3.50(s,6H),2.76(tt,J=8,6Hz,2H),1.5−1.6(m,8H),0.97(t,J=7Hz,12H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)112.3,60.0,51.5,29.4,11.8。
【0038】
実施例6
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジイソプロピル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(PrNCHCHNPr)14.70g(104.8mmol)をテトラヒドロフラン20mLとヘキサン100mLの混合溶媒に溶かし、リチウム1.53g(220mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラエチル(Si(OEt))21.02g(100.9mmol)を加え、2時間加熱還流した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度129℃/25Torr)することにより、2,2−ジエトキシ−1,3−ジイソプロピル−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(PrNCHCHNPr)(OEt))を無色の液体として得た(収量21.96g、収率84%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.67(s,2H),3.79(q,J=7Hz,4H),3.33(sept,J=7Hz,2H),1.22(d,J=7Hz,12H),1.18(t,J=7Hz,6H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)112.8,59.2,47.6,24.3,18.6。
【0039】
実施例7
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジ−tert−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(BuNCHCHNBu)8.15g(48.4mmol)をテトラヒドロフラン80mLに溶かし、ナトリウム2.28g(99.2mmol)を加えて室温で16時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラエチル(Si(OEt))9.79g(47.0mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度76℃/1.5Torr)することにより、1,3−ジ−tert−ブチル−2,2−ジエトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(BuNCHCHNBu)(OEt))を無色の液体として得た(収量11.33g、収率84%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.78(s,2H),3.76(q,J=7Hz,4H),1.29(s,18H),1.18(t,J=7Hz,6H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)110.7,58.9,50.9,30.9,18.4。
【0040】
実施例8
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジ−sec−ブチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(BuNCHCHNBu)7.47g(44.4mmol)をテトラヒドロフラン10mLとヘキサン60mLの混合溶媒に溶かし、リチウム657mg(94.7mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラエチル(Si(OEt))9.00g(43.2mmol)を加え、7時間加熱還流した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度105℃/5Torr)することにより、1,3−ジ−sec−ブチル−2,2−ジエトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(BuNCHCHNBu)(OEt))を無色の液体として得た(収量11.1g、収率89%)。なお、これはsec−ブチル基のキラリティーの違いに基づく一組の光学異性体と一つのメソ体の混合物であった。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.61(s,2H),3.794(q,J=7Hz)/3.792(q,J=7Hz)/3.790(q,J=7Hz)(三つのシグナルの積分強度の合計で4H),3.04(sext,J=7Hz,2H),1.72−1.63(m,2H),1.46−1.38(m,2H),1.21(d,J=7Hz,6H),1.17(t,J=7Hz,6H),0.89(t,J=7Hz,6H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)112.3,112.2,59.31,59.29,59.27,53.5,31.4,21.9,21.8,18.7,11.7。
【0041】
実施例9
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ジ−tert−ペンチル−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(PeNCHCHNPe)3.95g(20.1mmol)をテトラヒドロフラン5mLとヘキサン25mLの混合溶媒に溶かし、リチウム310mg(44.7mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラエチル(Si(OEt))3.97g(19.1mmol)を加え、50℃で24時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度110℃/5Torr)することにより、2,2−ジエトキシ−1,3−ジ−tert−ペンチル−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(PeNCHCHNPe)(OEt))を無色の液体として得た(収量5.20g、収率87%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.71(s,2H),3.81(q,J=7Hz,4H),1.54(q,J=8Hz,4H),1.27(s,12H),1.19(t,J=7Hz,6H),0.90(t,J=8Hz,6H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)110.3,59.1,53.6,35.4,28.2,18.4,9.3。
【0042】
実施例10
アルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(1−エチルプロピル)−1,4−ジアザ−1,3−ブタジエン(EtCHNCHCHNCHEt)3.00g(15.3mmol)をテトラヒドロフラン4mLとヘキサン20mLの混合溶媒に溶かし、リチウム240mg(34.6mmol)を加えて室温で12時間撹拌した。その反応液にオルトケイ酸テトラエチル(Si(OEt))3.02g(14.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。生成した不溶物をろ別し、大気圧下でろ液から溶媒を留去した。得られた残渣を減圧蒸留(留出温度110℃/5Torr)することにより、1,3−ビス(1−エチルプロピル)−2,2−ジエトキシ−1,3−ジアザ−2−シラシクロペンタ−4−エン(Si(EtCHNCHCHNCHEt)(OEt))を無色の液体として得た(収量3.88g、収率85%)。
H NMR(500MHz、C、δ/ppm)5.63(s,2H),3.85(q,J=7Hz,4H),2.79(tt,J=8,6Hz,2H),1.5−1.6(m,8H),1.81(t,J=7Hz,6H),0.98(t,J=7Hz,12H).
13C NMR(125MHz、C、δ/ppm)111.9,59.7,59.5,29.4,18.8,11.9。
【0043】
実施例11
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜をプラズマを用いたCVD法(PE−CVD法)で製造した。使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:60℃、キャリアガス(Ar)流量:30sccm、材料容器内圧力:11kPa、プラズマ源ガス(Ar)流量:30sccm、基板温度:300℃、反応チャンバー内圧力:0.3Pa、基板の材質:アルミニウム、成膜時間:5時間。プラズマの発生条件は、共鳴磁束密度875gauss、マイクロ波波長2.45GHz、マイクロ波出力600Wである。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。また、膜組成をX線光電子分光法で確認したところ、ケイ素及び酸素を含有していることが確認された。
【0044】
実施例12
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜をPE−CVD法で製造した。使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:60℃、キャリアガス(Ar)流量:30sccm、材料容器内圧力:11kPa、プラズマ源ガス(Ar)流量:30sccm、基板温度:100℃、反応チャンバー内圧力:0.3Pa、基板の材質:アルミニウム、成膜時間:5時間。プラズマの発生条件は、実施例11と同じである。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0045】
実施例13
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜をPE−CVD法で製造した。使用した装置の概略を図1に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:60℃、キャリアガス(Ar)流量:30sccm、材料容器内圧力:11kPa、プラズマ源ガス(20vol%O/80vol%Ar)流量:30sccm、基板温度:300℃、反応チャンバー内圧力:0.1Pa、基板の材質:アルミニウム、成膜時間:5時間。プラズマの発生条件は、実施例11と同じである。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。また、膜組成をX線光電子分光法で確認したところ、炭素および窒素の含有率がそれぞれ1原子%以下の二酸化ケイ素膜であることを確認した。
【0046】
実施例14
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図2に示した。成膜条件は以下のとおりである。材料用恒温槽温度:51℃、材料用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:260sccm、反応ガス(HO)用恒温槽温度:25℃、反応ガス(HO)用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、反応ガス(HO)容器内圧力:26.6kPa、基板温度:500℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0047】
実施例15
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図2に示した。成膜条件は以下のとおりである。材料用恒温槽温度:51℃、材料用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:260sccm、反応ガス(HO)用恒温槽温度:25℃、反応ガス(HO)用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、反応ガス(HO)容器内圧力:26.6kPa、基板温度:400℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0048】
実施例16
Si(PrNCHCHNPr)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図2に示した。成膜条件は以下のとおりである。材料用恒温槽温度:51℃、材料用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:260sccm、反応ガス(HO)用恒温槽温度:25℃、反応ガス(HO)用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、反応ガス(HO)容器内圧力:26.6kPa、基板温度:500℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0049】
実施例17
Si(PrNCHCHNPr)(OMe)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図2に示した。成膜条件は以下のとおりである。材料用恒温槽温度:51℃、材料用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:260sccm、反応ガス(HO)用恒温槽温度:25℃、反応ガス(HO)用キャリアガス(Ar)流量:20sccm、反応ガス(HO)容器内圧力:26.6kPa、基板温度:500℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0050】
実施例18
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図3に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:51℃、キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:220sccm、反応ガス(O)流量:60sccm、基板温度:500℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。また、膜組成をX線光電子分光法で確認したところ、炭素および窒素の含有率がそれぞれ1原子%以下の二酸化ケイ素膜であることを確認した。
【0051】
実施例19
Si(BuNCHCHNBu)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図3に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:51℃、キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:220sccm、反応ガス(O)流量:60sccm、基板温度:400℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0052】
実施例20
Si(PrNCHCHNPr)(OEt)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図3に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:51℃、キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:220sccm、反応ガス(O)流量:60sccm、基板温度:500℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【0053】
実施例21
Si(PrNCHCHNPr)(OMe)を材料に用いて、ケイ素含有薄膜を熱CVD法で製造した。使用した装置の概略を図3に示した。成膜条件は以下のとおりである。恒温槽温度:51℃、キャリアガス(Ar)流量:20sccm、材料容器内圧力:13.3kPa、希釈ガス流量:220sccm、反応ガス(O)流量:60sccm、基板温度:500℃、反応チャンバー内圧力:1.3kPa、基板の材質:サファイア、成膜時間:1時間。製造した膜を蛍光X線を用いて分析したところ、ケイ素に基づく特性X線が検出された。
【符号の説明】
【0054】
1 材料容器
2 恒温槽
3 プラズマ源ガス
4 キャリアガス
5 マスフローコントローラー
6 マスフローコントローラー
7 プラズマ発生装置
8 基板
9 反応チャンバー
10 油拡散ポンプ
11 油回転式ポンプ
12 排気
13 材料容器
14 材料用恒温槽
15 反応ガス容器
16 反応ガス用恒温槽
17 反応チャンバー
18 基板
19 材料用キャリアガス
20 希釈ガス
21 反応ガス用キャリアガス
22 マスフローコントローラー
23 マスフローコントローラー
24 マスフローコントローラー
25 油回転式ポンプ
26 排気
27 材料容器
28 恒温槽
29 反応チャンバー
30 基板
31 反応ガス
32 希釈ガス
33 キャリアガス
34 マスフローコントローラー
35 マスフローコントローラー
36 マスフローコントローラー
37 油回転式ポンプ
38 排気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。Rは炭素数1から3のアルキル基を示す。)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体。
【請求項2】
がプロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、Rが水素原子であり、Rがメチル基又はエチル基である請求項1に記載のジアザシラシクロペンテン誘導体。
【請求項3】
がイソプロピル基又はtert−ブチル基であり、Rが水素原子であり、Rがメチル基又はエチル基である請求項1又は2に記載のジアザシラシクロペンテン誘導体。
【請求項4】
一般式(2)
【化2】

(式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。)で表わされるジイミンに、アルカリ金属及び一般式(3)
【化3】

(式中、Rは炭素数1から3のアルキル基を示す。)で表わされるオルトケイ酸テトラアルキルを反応させることを特徴とする、一般式(1)
【化4】

(式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。Rは炭素数1から3のアルキル基を示す。)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体の製造方法。
【請求項5】
がプロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基又はtert−ペンチル基であり、Rが水素原子であり、Rがメチル基又はエチル基である請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
がイソプロピル基又はtert−ブチル基であり、Rが水素原子であり、Rがメチル基又はエチル基である請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】
一般式(1)
【化5】

(式中、Rは炭素数1から6のアルキル基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。Rは炭素数1から3のアルキル基を示す。)で表されるジアザシラシクロペンテン誘導体を材料に用いることを特徴とする、ケイ素含有薄膜の製法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−265257(P2010−265257A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51638(P2010−51638)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】