説明

ジアザスピロアルカン誘導体

【課題】
新規な糖尿病治療剤を提供すること。
【解決手段】
GPR119作動薬である次の一般式(II)



(式中、R11、R12及びR13は水素原子、ハロゲン原子、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、C1−8アルキルスルホニル基他を表し、
、U、V及びWは、結合手又は置換基を有していても良いC1−5アルキレンを表し、
はC(=O)又は置換基を有していても良いC1−5アルキレン他を表し、
及びZは、置換基を有していても良いC1−3アルキレンを表し、
そして、Rは水素原子、C1−8アルキル基他を表す。)
で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩を糖尿病治療剤として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はGPR119作動薬に関する。
【背景技術】
【0002】
生活習慣病の一つである糖尿病は、世界中で患者数が増加傾向にある。糖尿病の治療方法としては、食事療法、運動療法そして薬物療法(インスリン注射剤、経口糖尿病薬)に分けられる。日本では、経口糖尿病薬としては、α−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース、ボグリボース)、インスリン抵抗性改善剤(塩酸ピオグリタゾン)、ビグアナイド系製剤(塩酸メトホルミン)、スルフォニル尿素系製剤(グリベンクラミド、グリメピリド)、速効型インスリン分泌促進剤(ミチグリニドカルシウム水和物)等が販売されている。
一方、欧米では、インスリンの分泌を増強させる消化管ホルモンであるインクレチン(incretin)製剤(エクセナチド)やDPP IV阻害剤(シタグリプチン)が販売されており、またSGLT阻害剤に関する開発も進められている。
ところで、GPR119はN−Oleoylethanolamideを内因性ligandとするG蛋白質共役型受容体(GPCR)であり、膵β細胞からインスリンの分泌を亢進する受容体として報告されている。(非特許文献1)
そしてGPR119作動薬はin vivoでの作用においてインクレチンの一つであるGlucagon like peptide−1(GLP−1)の血漿中濃度を上げることが認められており(非特許文献2)、間接的にもインスリンの分泌亢進に寄与している可能性がある。さらに、高脂肪食下において体重増加を抑制する作用が報告されており(非特許文献1)、エネルギー代謝に関与している可能性も示唆されている。これらのことから、GPR119作動薬は、糖尿病治療薬としての可能性のみならず、肥満、メタボリックシンドロームといった生活習慣病への適応も期待されている。
GPR119作動薬としては、たとえば特許文献1には、次の化合物(A)等が記載され、
【0003】
【化1】

【0004】
また特許文献2には、次の化合物(B)等が記載され、
【0005】
【化2】

【0006】
また特許文献3には、次の化合物(C)等が記載され、
【0007】
【化3】

【0008】
また特許文献4には、次の化合物(D)等が記載され、
【0009】
【化4】

【0010】
また特許文献5には、次の化合物(E)等が記載され、
【0011】
【化5】

【0012】
そして、特許文献6には、次の化合物(F)等が記載されている。
【0013】
【化6】

【0014】
一方、ジアザスピロアルカン構造を有する化合物(G)、(H)が特許文献7、8に記載されている。
【0015】
【化7】

【0016】
【化8】

【0017】
特許文献7,8記載の化合物はいずれもCaチャネルブロッカーとしての作用が主であり、TRPV1に対する作用とともにGPR119アゴニスト作用についての記載もある。しかしながら、上記の化合物(G)、(H)がこれらの文献において、GPR119アゴニスト作用を有する旨の具体的な記載はなく、一方、同作用についての記載のある化合物は、本発明化合物である後記一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体におけるX、Z、N及びYからなる含窒素複素環部分に相当するものが、ベンゼン環に限定されており、さらにその作用強度は弱いものである。
また次の化合物(J)等が非特許文献3に記載されている。
【0018】
【化9】

【0019】
化合物(J)はMelanostatinアナログの合成中間体としての記載はあるが、この化合物がGPR119作動薬として用いられるとの記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】WO 2004/076413
【特許文献2】WO 2004/065380
【特許文献3】WO 2005/007647
【特許文献4】WO 2007/003960
【特許文献5】WO 2008/025798
【特許文献6】WO 2008/008887
【特許文献7】WO 2008/033460
【特許文献8】WO 2008/033465
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Overton HA他,Cell Metab.,2006,3,167−75.
【非特許文献2】Chu ZL他,Endocrinology,2008,149,2038−47.
【非特許文献3】J.Org.Chem.,2006,71,7721−7730
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は下記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体又はその薬学的に許容される塩、並びにこれらを有効成分として含有する糖尿病治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
即ち、本発明は、次の一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0024】
【化10】

【0025】
(式中、Aは置換基としてハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択されるものを有していても良いフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
T、U、V及びWは、同一又は異なり結合手又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表す。
但し、T、窒素原子、U及び炭素原子からなる含窒素複素環、及びV、炭素原子、W及び窒素原子からなる含窒素複素環はそれぞれ独立に4〜7員環であり、
Bは結合手、C(=O)、C(=O)CR又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表し、
ここで、R及びRは同一又は異なり水素原子、C1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し
Xは、N又はCRを表し、
ここでRは水素原子、C1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表す。
但し、XがNの時、Bは結合手又はメチレンではなく、
Y及びZは、同一又は異なり置換基としてハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、カルボキシル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択されるものを有していても良いC1−3アルキレンを表す。
但し、XがNの時、Y,Zは共にメチレンではなく、
そして、GはC(O)OR、C(O)R、SO、C(O)NR、CHC(O)NR10、又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
ここで、R〜R10は水素原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、アリール基で置換されたC1−4アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し、
そしてヘテロアリール基は、その環を構成する炭素原子を介してY、X、Z及びNからなる含窒素複素環の窒素原子と結合しており、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い。)
【0026】
また本発明は次の一般式(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0027】
【化11】

【0028】
(式中、R11、R12及びR13は同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
、U、V及びWは、同一又は異なり結合手又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表す。
但し、T、窒素原子、U及び炭素原子からなる含窒素複素環、及びV、炭素原子、W及び窒素原子からなる含窒素複素環はそれぞれ独立に4〜7員環であり、
は結合手、C(=O)、C(=O)CR1415又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表し、
ここで、R14及びR15は同一又は異なり水素原子、C1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し
及びZは、同一又は異なり置換基としてハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、カルボキシル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択されるものを有していても良いC1−3アルキレンを表し、
そして、Rは水素原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、アリール基で置換されたC1−4アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表す。)
【0029】
また、本発明は、上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病治療剤に関する。
さらにまた、本発明は、上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するGPR119作動薬に関する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に本発明を詳細に説明する。
一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
(1)
Aが置換基としてハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択されるものを有していても良いフェニル基である上記一般式(I)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(2)
Aが置換基としてハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択されるものを有していても良いフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基である上記一般式(I)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(3)
Aが置換基として少なくとも1つのC1−8アルキルスルホニル基を有するフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基である上記一般式(I)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(4)
T、U、V及びWが全てCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(3)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(5)
T、U及びVがCHで、WがCHCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(3)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(6)
T及びUがCHで、Vが結合手で、WがCHCHCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(3)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(7)
T、U、V及びWの全てがCHCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(3)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(8)
BがC1−3アルキル基で置換されていても良いC1−2アルキレンである上記一般式(I)又は上記(1)〜(7)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(9)
BがCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(7)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(10)
BがC(=O)である上記一般式(I)又は上記(1)〜(7)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(11)
XがCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(10)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(12)
Y及びZが共にCHCHである上記一般式(I)又は上記(1)〜(11)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(13)
GがC(O)OR、C(O)R、又は5又は6員環のヘテロアリール基である上記一般式(I)又は上記(1)〜(12)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(14)
GがC(O)ORである上記一般式(I)又は上記(1)〜(12)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(15)
がC1−8アルキルである上記(14)に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(16)
Gのヘテロアリール基がハロゲン原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択される置換基を有していても良いピリミジンである上記一般式(I)又は上記(1)〜(12)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(17)
Gのヘテロアリール基がハロゲン原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択される置換基を有していても良いオキサジアゾールである上記一般式(I)又は上記(1)〜(12)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【0031】
一般式(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体のうち、好ましくは次のものが挙げられる。
(18)
11、R12及びR13が同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基又は5若しくは6員環のヘテロアリール基である上記一般式(II)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(19)
11、R12及びR13の何れか1つがC1−8アルキルスルホニル基である上記一般式(II)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(20)
、U、V及びWが全てCHである上記一般式(II)又は上記(18)若しくは(19)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(21)
、U及びVがCHで、WがCHCHである上記一般式(II)又は上記(18)若しくは(19)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(22)
及びUがCHで、Vが結合手で、WがCHCHCHである上記一般式(II)又は上記(18)若しくは(19)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(23)
、U、V及びWの全てがCHCHである上記一般式(II)又は上記(18)若しくは(19)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(24)
がC1−3アルキル基で置換されていても良いC1−2アルキレンである上記一般式(II)又は上記(18)〜(23)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(25)
がCHである上記一般式(II)又は上記(18)〜(23)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(26)
がC(=O)である上記一般式(II)又は上記(18)〜(23)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(27)
及びZが共にCHCHである上記一般式(II)又は上記(18)〜(26)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(28)
RがC1−8アルキルである上記一般式(II)又は上記(18)〜(27)の何れかに記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
(29)
Rがt−ブチル基である上記(28)に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【0032】
上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等が挙げられ、C1−8アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基若しくはヘキシル基等が挙げられる。
また3〜7員環のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、C1−8アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基若しくはプロポキシ基等が挙げられ、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基としては、クロロメチル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基若しくはトリフルオロメチル基等が挙げられ、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基としては、フルオロメトキシ基若しくはトリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
また、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)としては、メトキシカルボニル基若しくはエトキシカルボニル基等が挙げられ、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、アセチル基等が挙げられ、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、メチルアミノカルボニル基若しくはエチルアミノカルボニル基等が挙げられ、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)としては、ジメチルアミノカルボニル基若しくはジエチルアミノカルボニル基等が挙げられ、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)としては、メトキシカルボニルメチルカルボニル基若しくはエトキシカルボニルメチルカルボニル基等が挙げられる。
また、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、メタンスルホニルメチル基若しくはエタンスルホニルメチル基等が挙げられ、C1−8アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基若しくはエチルアミノ基等が挙げられ、C2−12ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基若しくはジエチルアミノ基等が挙げられ、C1−8アルキルスルホニルアミノ基としては、メタンスルホニルアミノ基若しくはエタンスルホニルアミノ基等が挙げられ、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)としては、アセチルアミノ基等が挙げられる。
また、C1−8アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基若しくはエチルスルフィニル基等が挙げられ、C1−8アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基若しくはエタンスルホニル基等が挙げられ、C1−8アルキルアミノスルホニル基としては、メチルアミノスルホニル基若しくはエチルアミノスルホニル基等が挙げられる。
また、アリール基で置換されたC1−4アルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
【0033】
また、一般式(I)で、Aの置換基を有していても良い5又は6員環のヘテロアリール基としては、ピリジル基等が挙げられる。
また、一般式(I)で、Gの5又は6員環のヘテロアリール基としては、ピリミジル基、オキサジアゾリル基等が挙げられる。
なおGのヘテロアリール基はフッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基等のC1−8アルキル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の3〜7員環のシクロアルキル基、トリフルオロメチル基等の1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基等の置換基を有していても良い。
また、一般式(I)で、Aのフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基が有していても良い置換基の5又は6員環のヘテロアリール基としては、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
上記一般式(I)で、Aが有していても良い置換基の数はフェニル基の場合は1〜5個、好ましくは1〜3個で、ピリジンの場合は1〜4個、好ましくは1〜2個である。

また、一般式(II)で、R11、R12及びR13の5又は6員環のヘテロアリール基としては、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。

上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体において、薬学的に許容される塩としては、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸、シュウ酸塩等の有機酸又は無機酸との塩が挙げられる。
本発明には、上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体には、ラセミ体や光学活性体等も含まれる。
本発明には、上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体には、これらの水和物、溶媒和物も含まれる。
【0034】
次に、上記一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩の製造方法を次に示す。

Bがアルキレンである上記一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体は、次に示すA法あるいはB法によって製造することができる。
【0035】
<A法> B=アルキレン
【0036】
【化12】

【0037】
【化13】

【0038】
【化14】

【0039】
(式中、PGはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ベンジル基等の保護基を表し、LGは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、Rは水素原子またはC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し、Bは、置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を有しても良いC1−5のアルキレンを表し、A、G,T,U,V,W,X,Y及びZは前記と同じ。)

1)出発原料(a)は、公知の方法(J.Burkhard et.al.,Org.Lett.,2008,10,3526など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。

2)第1工程
出発原料(a)と出発原料(b)の反応による一般式(c)の化合物への変換は、トルエン、ジオキサン等の反応に関与しない溶媒中、ナトリウムtert−ブトキシド、炭酸セシウム等の塩基存在下、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム等の触媒及び2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル等のリガンドを用いて行うことができる。この場合、反応温度は室温〜110℃である。

3)第2工程
一般式(c)の化合物のアミノ基の保護基(PG)の脱離は、通常の方法により行うことができる。例えば、保護基がtert−ブトキシカルボニル基の場合、ジクロロメタン等の関与しない溶媒中あるいは無溶媒でトリフルオロ酢酸等を用いる方法で一般式(d)の化合物を得ることができる。また、保護基がベンジル基の場合、1,2−ジクロロエタン等の反応に関与しない溶媒中、クロロギ酸 1−クロロエチルを用いる方法、または、メタノール、エタノール等の反応に関与しない溶媒中、パラジウム−炭素等を触媒として接触水素添加する方法で一般式(d)の化合物を得ることができる。

4)第3工程
一般式(d)の化合物の一般式(f)の化合物への変換は、メタノール、トルエン等の溶媒中、酢酸、p−トルエンスルホン酸等の触媒存在下に一般式(e)の化合物と縮合後、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等を用いて還元する方法で得ることができる。

また、一般式(f)の化合物は、下記のB法によっても製造することができる。
【0040】
<B法>
【0041】
【化15】

【0042】
(式中、LG、A、B,G,T,U,V,W,X,Y及びZは前記と同じ。)

1)第1工程
一般式(d)の化合物の一般式(f)の化合物への変換は、トルエン、テトラヒドロフラン等の反応に関与しない溶媒中、または無溶媒でトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在化あるいは非存在下に一般式(g)の化合物と反応させることにより行うことができる。この場合、反応温度は室温〜150℃である。

また、Bが結合手である上記一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体は、次に示すC法によって製造することができる。
【0043】
<C法> B=結合手
【0044】
【化16】

【0045】
(式中、A、G,T,U,V,W,X,Y及びZは前記と同じ。)

1)第1工程
一般式(d)の化合物と一般式(h)の化合物の縮合及び還元方法は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

また、BがC(=O)あるいはC(=O)CRである上記一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体は、次に示すD法によって製造することができる。
【0046】
<D法> B=C(=O)又はC(=O)CR
【0047】
【化17】

【0048】
(式中、Dは、結合手、または、CRを表し、A、R、R、G,T,U,V,W,X,Y及びZは前記と同じ。)

1)第1工程
一般式(d)の化合物の一般式(k)の化合物への変換は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等の反応に関与しない溶媒中、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン等の塩基と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(WSC・HCl)等の縮合剤と、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の存在下、一般式(j)で表されるカルボン酸と縮合することにより得ることができる。

なお、一般式(I)又は(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体は、前記の特許文献1〜8,非特許文献3記載の製造方法を参考にして製造することもできる。
【0049】
本発明の代表化合物例を次に示す。
(一般式A)
【0050】
【化18】

【0051】
(1)上記一般式Aの式中、T及びUがCHで、XがCHで、Y及びZがCHCHで、そしてR21、R22、V、W、B、Q及びR23は表1のとおり。
【0052】
【表1】

【0053】
(2)上記一般式Aの式中、Y及びZがCHCHで、そしてR21、R22、T、U、V、W、B、X、Q及びR23は表2のとおり。
【0054】
【表2】

【0055】
(3)上記一般式Aの式中、R22がHで、U及びVがCHCHで、XがCHで、ZがCHで、そしてR21、T、W、B、Y、Q及びR23は表3のとおり。
【0056】
【表3】

【0057】
(4)上記一般式Aの式中、V及びWがCHで、XがCHで、Y及びZがCHCHでQがC(O)Oで、そしてR21、R22、T、U、B及びR23は表4のとおり。
【0058】
【表4】

【0059】
(5)上記一般式Aの式中、T、V、W及びBがCHで、XがCHで、Y及びZがCHCHで、そしてR21、R22、U、Q及びR23は表5のとおり。
【0060】
【表5】

【0061】
表5のQ欄中、Q1は
【0062】
【化19】

【0063】
を表し、Q2は
【0064】
【化20】

【0065】
を表す。
(6)上記一般式Aの式中、T及びBがCHで、XがCHで、Y及びZがCHCHで、そしてR21、R22、U、V、W、Q及びR23は表6のとおり。
【0066】
【表6】

【0067】
表6のQ欄中、Q2は表5のQ2と同じものであり、Q3は
【0068】
【化21】

【0069】
を表す。
(一般式B)
【0070】
【化22】

【0071】
(7)上記一般式Bの式中、BはCHで、QはC(O)Oで、そしてAr、T、U、V、W及びR23は表7のとおり。
【0072】
【表7】

【0073】
(8)上記一般式Bの式中、T及びUはCHで、そしてAr、V、W、B、Q及びR23は表8のとおり。
【0074】
【表8】

【0075】
表8のQ欄中、Q2は表5のQ2と同じものであり、Q3は表6中のQ3と同じ。
【0076】
次に薬理試験について述べる。
ヒトGPR119を導入した細胞における被検化合物の細胞内cAMP量の上昇作用を測定することにより、GPR119アゴニスト作用を検討した。以下に試験方法を示す。
(1)ヒトGPR119定常発現細胞の構築
ヒトGPR119 遺伝子(NM_178471)はATCCから購入し(ATCC No.10807349)、5’側にBamHIサイト、3’側にApa IサイトができるようにPCR増幅をおこなった(プライマー:tcctggatccatggaatcatctttctcatt(配列番号1)、tcctgggcccttagccatcaaactctgagc(配列番号2))。PCR条件は以下のとおりである。DNA ポリメラーゼ(KOD−Plus−Ver.2;TOYOBO#KOD−211)を用いて1サイクルあたり98℃で10秒間2本鎖DNAを熱変性し、55℃で30秒間プライマーを変性した1本鎖DNA にアニーリングさせ、引き続き68℃で1分15秒間DNA伸長反応させる。これを35サイクル繰り返した。PCR産物をインサートとしてプラスミドpcDNA5/FRT/TO(Invitrogen#V6520−20)に組み込み、できたプラスミドをFlp−in T−Rex−293細胞(invitorogen#R78007)に導入した。導入法については製品のプロトコール通り行った。
【0077】
(2)細胞内cAMP測定方法
上記方法により作成したヒトGPR119定常発現細胞を2500 cells/wellの濃度になるように96穴プレートに播種した(培地は、10%牛胎児血清(FBS )を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)培地を用いた)。細胞を播種して24時間後、tetracyclin(invitrogen#Q10019)(最終濃度20ng/mL)を添加し、hGPR119の発現を誘導した。24時間後、培地を捨て、被検化合物を含むassay buffer(0.5mM IBMX PBS(−))で37℃30分間刺激した。市販のキット(HitHunterTM cAMP XS+ Assay(GE Healthcare#90007503))及び測定機(FLUOstar Optima:BMG LABTECH)を用いて細胞内cAMP量を測定した。被検化合物は100% DMSOに溶解し、終濃度1%で添加した。
【0078】
(3)試験結果
後記実施例8の表9から明らかなように実施例5記載の化合物が、優れたGPR119アゴニスト作用を示した。

従って、上記一般式(I)又は(II)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩は、GPR119アゴニスト作用を有することから、糖尿病治療薬として期待され、さらに肥満、メタボリックシンドロームといった生活習慣病への適応も期待されている。
上記一般式(I)又は(II)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩は、公知の糖尿病治療薬との併用で用いることもできる。
【0079】
上記一般式(I)又は(II)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩は、ヒトに対して経口投与又は非経口投与のような適当な投与方法により投与することができる。また、他の糖尿病治療剤と併用することも可能である。
製剤化するためには、製剤の技術分野における通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、注射剤、坐薬等の剤型に製造することができる。
これらの調製には、例えば錠剤の場合、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などが用いられる。ここで、賦形剤としては、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。注射剤の調製には溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などが用いられる。
【0080】
投与量は通常成人においては、注射剤で有効成分である上記一般式(I)又は(II)記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩を1日約0.01mg〜100mg,経口投与で1日1mg〜2000mgであるが、年齢、症状等により増減することができる。

次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0081】
4−[2−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル]エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル
窒素雰囲気下、4−ブロモフェニルメチルスルホン(100mg、0.425mmol)、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル 1/2シュウ酸塩(113mg、0.468mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(8mg,8.51μmol)、及び2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(16mg,25.5μmol)を無水トルエン(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(33μL、0.234mmol)及び炭酸セシウム(416mg、1.28mmol)を加えた。110℃で一晩加熱攪拌後、室温まで放冷し、水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2→1:1)により精製し、表題化合物(149mg,収率99%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.45(9H,s),
2.99(3H,s),
4.09(4H,s),
4.12(4H,s),
6.43(2H,d,J=9Hz),
7.73(2H,d,J=9Hz).

(2)2−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン
上記で得た6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル(149mg、0.423mmol)をジクロロメタン(1.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮後、クロロホルムに溶解し、飽和重層水で中和した。クロロホルムで2回、クロロホルム−メタノール(9:1,(v/v)で2回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去して、表題化合物(103mg,収率96%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
2.99(3H,s),
3.87(4H,s),
4.09(4H,s),
6.42(2H,d,J=9Hz),
7.72(2H,d,J=9Hz).

(3)4−[2−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル]エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
上記で得た2−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン(49mg、0.194mmol)および4−(2−オキソエチル)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(88mg,0.388mmol)をメタノール(2mL)に溶解し、酢酸(1滴)を加え室温で4日間撹拌した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム(22mg、0.582mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を飽和重層水にあけ、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→クロロホルム:メタノール=99:1→97:3)により精製し、表題化合物(42mg,収率46%)を淡褐色結晶として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.0−1.2(2H,m),
1.2−1.4(2H,m),
1.4−1.5(1H,m),
1.45(9H,s),
1.6−1.7(2H,m),
2.44(2H,t,J=8Hz),
2.6−2.8(2H,m),
2.99(3H,s),
3.36(4H,s),
4.0−4.2(2H,m),
4.04(4H,s),
6.41(2H,d,J=9Hz),
7.71(2H,d,J=9Hz).
IR(KBr,cm−1):2925,1693,1595,1512,1473,1421,1388,1365,1292,1236,1174,1147,1088,1003,964,868,814,777,575,534.
【実施例2】
【0082】
4−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イルメチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)4−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イルメチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
実施例1(2)で得た2−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン(102mg、0.404mmol)および4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(172mg,0.808mmol)を用い、実施例1(3)と同様の手法で表題化合物(41mg、収率23%)を白色結晶として得た。

m.p.:179−183℃
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.0−1.2(2H,m),
1.4−1.6(1H,m),
1.45(9H,s),,
1.5−1.7(2H,m),
2.2−2.4(2H,m),
2.6−2.8(2H,m),
2.99(3H,s),
3.38(4H,br s),
4.0−4.2(2H,m),
4.04(4H,s),
6.41(2H,d,J=9Hz),
7.71(2H,d,J=9Hz).
IR(KBr,cm−1):2935,2843,1684,1595,1469,1429,1390,1367,1333,1317,1300,1248,1234,1144,1090,958,864,829,775,596,532,486.
【実施例3】
【0083】
4−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボニル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)4−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボニル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
窒素雰囲気下、実施例1(2)で得た2−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン(30mg、0.119mmol)、1−t−ブトキシカルボニルピペリジン−4−カルボン酸(27mg,0.119mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物(20mg,0.131mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、氷冷下、N−メチルモルホリン(14μL,0.131mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(25mg,0.131mmol)を加えた。氷冷下で0.5時間、室温で一晩攪拌後、反応混合物を飽和重層水にあけ、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1→98:2)により精製し、表題化合物(42mg,収率77%)を白色結晶として得た。

m.p.:222−223℃
H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.46(9H,s),
1.6−1.8(4H,m),
2.2−2.4(1H,m),
2.7−2.9(2H,m),
2.99(3H,s),
4.0−4.2(2H,m),
4.13(4H,s),
4.19(2H,s),
4.37(2H,s),
6.45(2H,d,J=9Hz),
7.74(2H,d,J=9Hz).
IR(KBr,cm−1):2935,1685,1635,1593,1506,1471,1446,1421,1383,1360,1333,1317,1300,1236,1146,1092,1066,1003,974,945,866,827,773,731,577,536,459.
【実施例4】
【0084】
4−[1−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル]エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)4−[1−[6−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル]エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
窒素雰囲気下、実施例1(2)で得た2−(4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン(62mg、0.246mmol)、4−アセチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(56mg,0.246mmol)、およびモレキュラーシーブス3A(200mg)をベンゼン(3mL)に懸濁し、一晩加熱還流した。室温まで放冷後、セライトで不溶物をろ別し、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(104mg,0.491mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物を飽和重層水にあけ、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1→97:3)により精製し、表題化合物(39mg,収率34%)を微褐色結晶として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
0.83(3H,d,J=6Hz),
1.1−1.3(2H,m),
1.3−1.8(3H,m),
1.45(9H,s),
2.11(1H,br s),
2.5−2.7(2H,m),
2.99(3H,s),
3.35(4H,br s),
4.04(4H,s),
4.0−4.3(2H,m),
6.41(2H,d,J=9Hz),
7.72(2H,d,J=9Hz).
IR(KBr,cm−1):2931,1691,1597,1523,1458,1415,1367,1333,1288,1230,1144,1086,947,864,818,773,741,598,526,488.
【実施例5】
【0085】
4−[6−(2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イルメチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)6−(2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル
(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)メチルスルホン(83mg,0.329mmol)を用い、実施例1(1)と同様の手法で表題化合物(98mg、収率81%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.45(9H,s),
3.00(3H,s),
4.11(4H,s),
4.22(4H,d,J=2Hz),
6.45(1H,t,J=8Hz),
7.48(1H,dd,J=2,11Hz),
7.55(1H,dd,J=2,8Hz).

(2)2−(2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン
上記で得た6−(2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボン酸t−ブチル(98mg、0.265mmol)を用い、実施例1(2)と同様の手法で表題化合物(56mg、収率78%)を得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
3.02(3H,s),
3.85(4H,s),
4.23(4H,d,J=2Hz),
6.48(1H,t,J=8Hz),
7.45(1H,dd,J=2,11Hz),
7.52(1H,dd,J=2,8Hz).

(3)4−[6−(2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イルメチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
上記で得た2−(2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェニル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン(56mg、0.207mmol)を用い、実施例1(3)と同様の手法で表題化合物(48mg、収率50%)を微褐色結晶として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.0−1.2(2H,m),
1.4−1.6(1H,m),
1.45(9H,s),
1.5−1.7(2H,m),
2.2−2.4(2H,m),
2.6−2.8(2H,m),
3.00(3H,s),
3.36(4H,br s),
4.0−4.2(2H,m),
4.18(4H,d,J=2Hz),
6.43(1H,t,J=8Hz),
7.46(1H,dd,J=2,11Hz),
7.53(1H,dd,J=2,8Hz).
IR(KBr,cm−1):2937,2853,1685,1605,1517,1476,1419,1383,1368,1327,1303,1248,1209,1153,1134,1072,1027,971,957,866,815,762,616,592,536,493.
【実施例6】
【0086】
4−[9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−イルメチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボン酸t−ブチル
窒素雰囲気下、4−ブロモフェニルメチルスルホン(208mg、0.818mmol)、3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボン酸t−ブチル(231mg、0.983mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(14mg,24.3μmol)、ペンタフェニル(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン(35mg,49.2μmol)、及びt−ブトキシナトリウム(236mg,2.46mmol)を無水1,4−ジオキサン(15mL)に溶解した。一晩加熱還流した後、室温まで放冷し、セライトで不溶物をろ別した。ろ液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、表題化合物(115mg,収率34%)を白色結晶として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.47(9H,s),
1.4−1.6(4H,m),
1.64(4H,t,J=6Hz),
3.00(3H,s),
3.36(4H,t,J=6Hz),
3.42(4H,t,J=6Hz),
6.91(2H,d,J=9Hz),
7.74(2H,d,J=9Hz).

(2)4−[9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−イルメチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
上記で得た9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボン酸t−ブチル(58mg、0.142mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2.0mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮後、無水トルエン(5ml)及びp−トルエンスルホン酸(触媒量)を加え、Dean−Starkトラップを用いて2日間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した後、得られた残留物を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(60mg、0.283mmol)を加えて室温で5時間攪拌した。反応混合物を飽和重層水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:酢酸:水=3:1:1)及び再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(8.5mg,収率12%)を白色結晶として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.0−1.2(2H,m),
1.45(9H,s),
1.5−1.8(11H,m),
2.1−2.3(2H,m),
2.2−2.5(4H,br s),
2.6−2.8(2H,m),
3.00(3H,s),
3.34(4H,t,J=6Hz),
4.0−4.2(2H,br s),
6.90(2H,d,J=9Hz),
7.73(2H,d,J=9Hz).
【実施例7】
【0087】
4−[9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル

(1)4−[9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−イル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
1−(t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリドン(71mg、0.356mmol)及び実施例6(1)で得た9−(4−メタンスルホニルフェニル)−3,9−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−カルボン酸t−ブチル(73mg、0.179mmol)を用い、実施例6(2)と同様の手法で表題化合物(1.6mg、収率2%)を白色粉末として得た。

H NMR(CDCl,400MHz):δ=
1.26(4H,s),
1.45(9H,s),
1.4−1.7(8H,m),
1.7−1.9(2H,m),
2.3−2.5(1H,m),
2.55(2H,br s),
2.6−2.8(2H,m),
3.00(3H,s),
3.34(4H,t,J=5Hz),
4.0−4.3(2H,m),
6.90(2H,d,J=9Hz),
7.74(2H,d,J=9Hz).
【実施例8】
【0088】
薬理実験
(1)ヒトGPR119定常発現細胞の構築
ヒトGPR119 遺伝子(NM_178471)はATCCから購入し(ATCC No.10807349)、5’側にBamHIサイト、3’側にApaIサイトができるようにPCR増幅をおこなった(プライマー:TCCTGGATCCatggaatcatctttctcatt、TCCTGGGCCCttagccatcaaactctgagc)。PCR条件は以下のとおりである。DNA ポリメラーゼ(KOD−Plus−Ver.2;TOYOBO#KOD−211)を用いて1サイクルあたり98℃で10秒間2本鎖DNAを熱変性し、55℃で30秒間プライマーを変性した1本鎖DNA にアニーリングさせ、引き続き68℃で1分15秒間DNA伸長反応させる。これを35サイクル繰り返した。PCR産物をインサートとしてプラスミドpcDNA5/FRT/TO(Invitrogen#V6520−20)に組み込み、できたプラスミドをFlp−in T−Rex−293細胞(invitorogen#R78007)に導入した。導入法については製品のプロトコール通り行った。

(2)細胞内cAMP測定方法
上記方法により作成したヒトGPR119定常発現細胞を2500 cells/wellの濃度になるように96穴プレートに播種した(培地は、10%牛胎児血清(FBS )を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)培地を用いた)。細胞を播種して24時間後、tetracyclin(invitrogen#Q10019)(最終濃度20ng/mL)を添加し、hGPR119の発現を誘導した。24時間後、培地を捨て、被検化合物を含むassay buffer(0.5mM IBMX PBS(−))で37℃30分間刺激した。市販のキット(HitHunterTM cAMP XS+ Assay(GE Healthcare#90007503))及び測定機(FLUOstar Optima:BMG LABTECH)を用いて細胞内cAMP量を測定した。被検化合物は100% DMSOに溶解し、終濃度1%で添加した。
【0089】
(3)実験結果
試験結果を表9に示す。
【0090】
【表9】

【0091】
表9から明らかなように実施例5記載の化合物が、優れたGPR119アゴニスト作用を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【化1】

(式中、Aは置換基としてハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択されるものを有していても良いフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
T、U、V及びWは、同一又は異なり結合手又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表す。
但し、T、窒素原子、U及び炭素原子からなる含窒素複素環、及びV、炭素原子、W及び窒素原子からなる含窒素複素環はそれぞれ独立に4〜7員環であり、
Bは結合手、C(=O)、C(=O)CR又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表し、
ここで、R及びRは同一又は異なり水素原子、C1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し
Xは、N又はCRを表し、
ここでRは水素原子、C1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表す。
但し、XがNの時、Bは結合手又はメチレンではなく、
Y及びZは、同一又は異なり置換基としてハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、カルボキシル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択されるものを有していても良いC1−3アルキレンを表す。
但し、XがNの時、Y,Zは共にメチレンではなく、
そして、GはC(O)OR、C(O)R、SO、C(O)NR、CHC(O)NR10、又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
ここで、R〜R10は水素原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、アリール基で置換されたC1−4アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し、
そしてヘテロアリール基は、その環を構成する炭素原子を介してY、X、Z及びNからなる含窒素複素環の窒素原子と結合しており、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基及び1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択される置換基を有していても良い。)
【請求項2】
Aが置換基としてハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択されるものを有していても良いフェニル基である請求項1記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Aが置換基としてハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基及び5又は6員環のヘテロアリール基から選択されるものを有していても良いフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基である請求項1記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが置換基として少なくとも1つのC1−8アルキルスルホニル基を有するフェニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基である請求項1記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
T、U、V及びWが全てCHである請求項1〜4の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
T、U及びVがCHで、WがCHCHである請求項1〜4の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
T及びUがCHで、Vが結合手で、WがCHCHCHである請求項1〜4の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
T、U、V及びWの全てがCHCHである請求項1〜4の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
BがC1−3アルキル基で置換されていても良いC1−2アルキレンである請求項1〜8の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
BがCHである請求項1〜8の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
BがC(=O)である請求項1〜8の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
XがCHである請求項1〜11の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Y及びZが共にCHCHである請求項1〜12の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
GがC(O)OR、C(O)R、又は5又は6員環のヘテロアリール基である請求項1〜13の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
GがC(O)ORである請求項1〜13の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
がC1−8アルキルである請求項15に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Gのヘテロアリール基がハロゲン原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択される置換基を有していても良いピリミジンである請求項1〜13の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Gのヘテロアリール基がハロゲン原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択される置換基を有していても良いオキサジアゾールである請求項1〜13の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
次の一般式(II)で表されるジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【化2】

(式中、R11、R12及びR13は同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基、フェニルオキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は1〜8)、ジアルキルアミノカルボニル基(アルキルの炭素数は2〜12)、アルコキシカルボニルメチルカルボニル基(アルコキシの炭素数は1〜8)、アルキルスルホニルメチル基(アルキルの炭素数は1〜8)、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、C2−12ジアルキルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、アシルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、C1−8アルキルスルフィニル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基、C1−8アルキルアミノスルホニル基、フェニルスルホニル基又は5又は6員環のヘテロアリール基を表し、
、U、V及びWは、同一又は異なり結合手又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表す。
但し、T、窒素原子、U及び炭素原子からなる含窒素複素環、及びV、炭素原子、W及び窒素原子からなる含窒素複素環はそれぞれ独立に4〜7員環であり、
は結合手、C(=O)、C(=O)CR1415又は置換基としてC1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基から選択されたものを有していても良いC1−5アルキレンを表し、
ここで、R14及びR15は同一又は異なり水素原子、C1−8アルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表し
及びZは、同一又は異なり置換基としてハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、カルボキシル基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルコキシ基から選択されるものを有していても良いC1−3アルキレンを表し、
そして、Rは水素原子、C1−8アルキル基、3〜7員環のシクロアルキル基、アリール基で置換されたC1−4アルキル基又は1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基を表す。)
【請求項20】
11、R12及びR13が同一又は異なり水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子で置換されたC1−8アルキル基、C1−8アルキルスルホニル基、スルファモイル基又は5若しくは6員環のヘテロアリール基である請求項19記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
11、R12及びR13の何れか1つがC1−8アルキルスルホニル基である請求項19記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
、U、V及びWが全てCHである請求項19〜21の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
、U及びVがCHで、WがCHCHである請求項19〜21の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
及びUがCHで、Vが結合手で、WがCHCHCHである請求項19〜21の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
、U、V及びWの全てがCHCHである請求項19〜21の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
がC1−3アルキル基で置換されていても良いC1−2アルキレンである請求項19〜25の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
がCHである請求項19〜25の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
がC(=O)である請求項19〜25の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
及びZが共にCHCHである請求項19〜28の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
RがC1−8アルキルである請求項19〜29の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
Rがt−ブチル基である請求項30に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
請求項1〜31の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病治療剤。
【請求項33】
請求項1〜31の何れかの項に記載のジアザスピロアルカン誘導体、又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するGPR119作動薬。

【公開番号】特開2012−136439(P2012−136439A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105760(P2009−105760)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000228590)日本ケミファ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】