説明

ジアシルグリセロールリパーゼ阻害剤としての使用のためのグリシンスルホンアミド

本発明は、一般に、DAGLαおよび/またはβ活性を阻害することができる化合物、かかる化合物を含む組成物、ならびにDAGLαおよび/またはβ活性の阻害方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2010年2月19日に提出した米国仮出願番号第61/305,996号の利益を請求する。
【0002】
本発明は、一般に、DAGLαおよび/またはβ活性を阻害することができる化合物、かかる化合物を含む組成物ならびにDAGLαおよび/またはβ活性の阻害方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ジアシルグリセロールリパーゼ酵素は、ジアシルグリセロールを加水分解して、内在性のカンナビノイド2−アラキドニルグリセロール(2−AG)を生成するエステラーゼである(非特許文献1)。この酵素には2種類のアイソフォームのDAGLαおよびDAGLβが存在する。DAGLαは、末梢神経での限定された発現とともにCNS全体で優勢に発現するが、DAGLβは、末梢組織で優勢に発現される(非特許文献1)。免疫組織化学実験により、DAGLαはシナプス後性に局在し、このことは、シナプス前性のカンナビノイド受容体(CB1を含む)を活性化する逆向性メッセンジャーとして作用する2−AGを作り出す際の役割と一致していることが示された(非特許文献2および3)。
【0004】
内在性カンナビノイド合成時の重要な酵素としてのDAGLαおよびDAGLβの提案されている役割に一致して、DAGLα発現を欠失する遺伝子改変マウス(BMS,レキシコン)は、2−AGの組織濃度の減少を示す。さらに、DAGLαノックアウト動物は、ヒト疾患に関連する動物モデルの複数の表現形を示す。例えば、情動障害の作用が予測されるモデルでは、DAGLα−/−動物は、抗不安および抗鬱の表現形を示す。DAGLα−/−動物はまた、食餌性肥満に耐性を有し、食餌摂取の減少を示す。これらの動物はまた、体重、体脂肪、痛覚感受性の減少、ならびに認識能力の向上を示し、このことはその酵素に関する広範な治療可能性を示す。
【0005】
これらのデータおよび内在性カンナビノイド合成時のDAGL酵素の役割に基づいて、DAGLαおよび/またはβ活性を阻害する化合物は、統合失調症、精神病、双極性障害、うつ病、不安障害、疼痛、認知障害、糖尿病、肥満症、脂肪肝、脂質異常症およびその他の関連する病状の治療において治療上の有効性を有することが期待される。
【0006】
近年、わずかに報告されたDAGL阻害剤は、それ自体、選択性の欠失による限定された有用性を有することが予想されうる化学反応性の高い分子である(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J Cell Biol 2003;163:463-8
【非特許文献2】J Neurosci 2007;27(14):3663-3676
【非特許文献3】PLoS August 2007; 8:e709
【非特許文献4】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2008), 18(22), 5838-5841
【発明の概要】
【0008】
第1の態様において、本発明は、式(I)
【化1】

(I),
[式中、
Arは、ナフチルおよびフェニル(ここで、フェニルは、アルキル、ハロ、ハロアルコキシ、アルコキシおよびシアノから独立して選択される0、1または2個の置換基で置換される)から選択され;または
Arは、
【化2】

であり;
Arは、水素、フェニル、ナフチル、ピリミジニル、チアゾリルおよびキノリニル(ここで、フェニル、ナフチル、ピリミジニル、チアゾリルおよびキノリニルは、各々、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノおよびハロから独立して選択される0、1または2個の置換基で置換される)から選択され;
は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択され;ならびに
およびRは、各々、低級アルキルであり;あるいは
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成する]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0009】
第1の態様の第1の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成する、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0010】
第1の態様の第2の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arがナフチルである、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0011】
第1の態様の第3の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arがナフチルであり、Rがハロであり、Arが水素である、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。。
【0012】
第1の態様の第4の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arが、
【化3】

である、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0013】
第1の態様の第5の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arが、
【化4】

であり、Rがハロであり、Arが水素である、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0014】
第1の態様の第6の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arが、
【化5】

であり、Rが水素であり、Arが、2個のハロ基で適宜置換されていてもよいフェニルである、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0015】
第1の態様の第7の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arが、アルキル、ハロ、ハロアルコキシ、アルコキシおよびシアノから選択される0、1または2個の基で置換されるフェニルである、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0016】
第1の態様の第8の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arが、アルキル、ハロ、ハロアルコキシ、アルコキシおよびシアノから選択される0、1または2個の基で置換されるフェニルであり、Rがハロであり、Arが水素である、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0017】
第1の態様の第9の実施態様において、本発明は、RおよびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成し、Arが、アルキル、ハロ、ハロアルコキシ、アルコキシおよびシアノから選択される0、1または2個の基で置換されるフェニルであり、Rが、水素であり、Arが、フェニル、ピリミジニルおよびチアゾリル(ここで、フェニル、ピリミジニルおよびチアゾリルは、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびハロから独立して選択される0、1または2個の基で置換される)から選択される、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0018】
第2の態様において、本発明は、医薬的に許容される量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩および医薬的に許容される担体を含む組成物を提供する。
【0019】
第3の態様において、本発明は、DAGLαおよび/またはDAGLβ活性に関連する疾患の治療方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする方法を提供する。第3の態様の第1の実施態様において、前記疾患は、統合失調症、精神病、双極性障害、うつ病、不安障害、疼痛、認知障害、糖尿病、肥満症、脂肪肝および脂質異常症から選択されるものである。第3の態様の第2の実施態様において、前記疾患は、統合失調症、双極性障害、うつ病、不安障害、糖尿病、肥満症、脂肪肝および脂質異常症から選択されるものである。
【0020】
本発明のその他の実施態様は、本明細書に記載の実施態様および/または態様の2つまたはそれ以上の適当な組み合わせを含みうる。
【0021】
本発明のさらなる他の実施態様および態様は、下記で供される記載によって明確である。
【0022】
本明細書の本発明の記載は、化学結合の法則および原理に従って解釈されるべきである。ある例において、所定の位置に置換基を収容するために水素原子を除外することが必要でありうる。
【0023】
本発明に包含される化合物は、医薬製剤としての使用に適当であることが理解されるべきである。
【0024】
全ての特許、特許出願および明細書で引用される参考文献は、出典明示によりそれらの全体が本明細書に取り込まれる。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が優先されるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で用いられるように、下記の用語は、表示される意味を有する:
【0026】
本明細書で用いられるように、単数形「a」、「an」および「the」には、文中で特に示されていない限り、複数の対象も含まれる。
【0027】
ある例において、特定の基における炭素原子数は、その基の記載の前に表記される。例えば、用語「C2−6アルケニル」は、2から6個の炭素原子を含有するアルケニル基を表す。これらの表記が存在する場合、それらは本明細書に含まれる全ての他の定義に優先する。
【0028】
本明細書で用いられる用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したアルキル基を意味する。
【0029】
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素から派生した基を意味する。
【0030】
本明細書で用いられる用語「シアノ」は、−CNを意味する。
【0031】
本明細書で用いられる用語「ハロ」および「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0032】
本明細書で用いられる用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したハロアルキル基を意味する。
【0033】
本明細書で用いられる用語「ハロアルキル」は、1、2、3または4個のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
【0034】
不斉中心は、本発明の化合物に存在しうる。これらの中心は、キラル炭素原子の周囲の置換基の立体配置に応じて、記号「R」または「S」によって表記される。DAGLを阻害する能力を有する全ての立体化学的な異性体またはそれらの混合物を包含することが理解されるべきである。化合物の各立体異性体は、市販品として入手可能なキラル中心を含有する出発物質から合成して調製するか、あるいは生成物の混合物の調製、続いてジアステレオマー混合物への変換などの分離、次いで分離もしくは再結晶化、クロマトグラフ技術、またはキラルクロマトグラフカラム上のエナンチオマーの直接分離によって調製することができる。特定の立体化学の出発化合物は、市販品として入手可能であるか、あるいは当該技術分野で公知の技術によって調製し、分割することができる。
【0035】
本発明のある化合物はまた、分離可能でありうる異なる安定な立体配座形態で存在しうる。非対称単結合に関する回転の制限により、例えば、立体障害または環の歪みにより、ねじれ非対称は、異なる配座異性体の分離を可能にしうる。本発明には、これらの化合物の各構造異性体およびそれらの混合物が含まれる。
【0036】
用語「本発明の化合物」およびこれと同等の表現は、式(I)の化合物、ならびにその医薬的に許容されるエナンチオマー、ジアステレオマーおよび塩を包含するものとされる。同様に、中間体に関する用語は、文脈上可能な限り、それらの塩を包含するものとされる。
【0037】
本発明は、本化合物に存在する原子の全ての同位体を含むものとされる。同位体には、同一の原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子が含まれる。一般的な例示のためであって、限定されることなく、水素の同位体には、重水素およびトリチウムが含まれる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが含まれる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に、他で用いられる標識されていない試薬の代わりに適当な同位体で標識された試薬を用いて、当業者に公知の従来技術によって、または本明細書に記載の方法と類似する方法によって調製することができる。かかる化合物は、例えば、生物学的活性を決定する際の標準物質および試薬のように様々な利用可能性を有しうる。安定な同位体の場合、かかる化合物は、生物学的、薬理学的または薬物動態的特性を有利に改変させる能力を有しうる。
【0038】
本発明の化合物は、医薬的に許容される塩として存在しうる。本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、妥当な医学的判断において、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応、または合理的な利益/リスクの均整がとれたその他の問題もしくは合併症を伴うことなく患者の組織と接触して用いるのに適しており、それらの目的の用途に有効であり、水溶性もしくは油溶性または分散性である本発明の化合物の塩または双性形を意味する。前記塩は、前記化合物の最終的な分離および精製時に、または適当な窒素原子を適当な酸と反応させることによって別々に調製され得る。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンホレート(camphorate)、カンホースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、二臭化水素酸塩、二塩化水素酸塩、二臭化水素酸塩(dihydroiodide)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。医薬的に許容される付加塩を形成するために用いることができる酸の例には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸、ならびに有機酸、例えば、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸が含まれる。
【0039】
塩基付加塩は、カルボキシル基を、金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩のような適当な塩基と、あるいはアンモニアまたは有機第一級、第二級、もしくは第三級アミンと反応させることによって最終的な分離および精製時に調製することができる。医薬的に許容される塩のカチオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム、ならびに非毒性第四級アミンカチオン、例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミンおよびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンが含まれる。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジンおよびピペラジンが含まれる。
【0040】
治療上の用途において、治療上有効量の式(I)の化合物ならびにその医薬的に許容される塩がそのまま化学物質として投与されうることが可能である場合、活性成分を医薬組成物として供することができる。よって、本発明は、治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、ならびに1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤が含まれる医薬組成物をさらに提供する。本明細書で用いられる用語「治療上有効量」は、患者の有意な利益を示すのに十分である各活性成分の総量を意味する。各活性成分が単独で投与される場合、この用語は成分のみの量を意味する。組み合わせて投与される場合、当該用語は、組み合わせて、連続して、または同時に投与されて治療効果を生じる活性成分の合わせた量を意味する。式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩は、上記に記載されるとおりである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤のその他の成分に適合し、そのレシピエントに有毒ではないことが許容されなければならない。本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、1つまたはそれ以上の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを特徴とする、医薬製剤の調製方法もまた提供される。本明細書で用いられる用語「医薬的に許容される」は、妥当な医学的判断において、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応、または合理的な利益/リスクの均整がとれたその他の問題もしくは合併症を伴うことなく患者の組織と接触して用いるのに適しており、それらの目的の用途に有効である、化合物、物質、組成物および/または製剤を意味する。
【0041】
医薬製剤は、単位用量あたりに所定量の活性成分を含有する単位製剤で提供されうる。本発明の化合物の1日につき1キログラム体重あたり約0.01から約250ミリグラム(「mg/kg」)の間、好ましくは、1日につき約0.05から約100mg/kg体重の間の用量レベルは、疾患の予防および治療のための単剤治療において典型である。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日あたり約1から約5回で、あるいは持続吸入として投与される。かかる投与は、慢性期または急性期の治療として用いることができる。担体物質と組み合わせて単一製剤を製造しうる活性成分の量は、治療される病状、病状の重症度、投与時期、投与経路、用いられる化合物の排出速度、治療期間、患者の年齢、性別、体重および状態に応じて変動する。好ましい単位用量製剤は、活性成分を、本明細書の上記に記載されるような1日用量または分割用量、あるいはその適当な割合で含有するものである。治療は、本化合物の最適な用量より実質的に少ない用量で開始されうる。その後、前記用量は、当該状況下で最適な効果が達成されるまで少しずつ増加される。一般に、化合物は、最も望ましくは、一般的に、有毒もしくは有害な副作用を全く生じることなく有益な効果をもたらす濃度レベルで投与される。
【0042】
本発明の組成物に、本発明の化合物および1つまたはそれ以上のさらなる治療剤もしくは予防剤が含まれる場合、本化合物およびさらなる薬剤の両方は、通常、単剤投薬計画で通常投与される用量の約10から150%の間、より好ましくは、約10から80%の間の用量レベルで存在する。
【0043】
医薬製剤は、いずれかの適当な経路、例えば、経口(バッカルまたは舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(バッカル、舌下または経皮を含む)、膣または非経口(皮下、皮内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内、静脈内または皮内注射もしくは注入を含む)経路による投与で適用されうる。かかる製剤は、例えば、活性成分を担体もしくは賦形剤と混合させることによって薬学分野で公知の方法で製造されうる。経口投与または注射による投与が好ましい。
【0044】
経口投与に用いられる医薬製剤は、カプセル剤または錠剤;散剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;食用フォームまたはホイップ;あるいは水中油型液体乳濁液もしくは油中水型乳濁液などの別々の単位として供されうる。
【0045】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与においては、活性薬物成分は、経口で非毒性の医薬的に許容される不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと組み合わせることができる。散剤は、本化合物を適当に微細なサイズにまで粉砕し、同様に粉砕した医薬担体、例えば、デンプンまたはマンニトールのような食用の炭水化物などと混合することによって製造される。芳香剤、保存剤、分散剤および着色剤もまた存在しうる。
【0046】
カプセル剤は、上記に記載されるように、粉末混合物を調製し、成形ゼラチンシース(gelatin sheath)に充填することによって製造される。流動促進剤および滑沢剤、例えば、コロイド状シリカ、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールは、充填工程前に粉末混合物に添加されうる。崩壊剤または可溶化剤、例えば、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムはまた、カプセルが摂取される際に医薬品の有効性を向上させるために添加されうる。
【0047】
さらに、所望されるか、もしくは必要である場合、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤もまた、混合物に取り込まれうる。適当な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータ乳糖などの天然糖、コーンシロップ、アカシア、トラガントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが含まれる。これらの製剤で用いられる滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、以下に限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒化もしくはスラッグし、滑沢剤および崩壊剤を添加し、そして錠剤に圧縮することによって製剤化される。粉末混合物は、適当に粉砕した本化合物を、上記に記載されるような希釈剤または塩基と混合し、適宜、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート(aliginate)、ゼラチン(gelatining)またはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えば、パラフィンなど)、吸収促進剤(例えば、第四級塩など)および/または吸収剤(例えば、ベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウムなど)と混合することによって調製される。粉末混合物は、結合剤(例えば、シロップ、デンプン糊、アラビアゴム粘液またはセルロース性物質もしくはポリマー性物質の溶液)で湿らせ、ふるいに押し通すことによって造粒化されうる。造粒化の代わりとして、該粉末混合物を打錠機に通して処理し、結果物は、不完全に成型されたスラグで、造粒物に粉砕することができる。造粒物は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、滑石または鉱油を加えることによって、錠剤形成臼にくっつくことを防ぐために滑沢化されうる。次いで、滑沢化された混合物は、錠剤に圧縮される。本発明の化合物はまた、自由流動性不活性担体と合わされ、造粒化またはスラッグ化工程を経ることなく錠剤に直接圧縮することもできる。シェラックのシールコーティング、糖またはポリマー性物質のコーティングおよびワックスの研磨コーティングからなる透明または不透明な保護コーティングが施されうる。染料は、異なる単位製剤を区別するためにこれらのコーティングに加えられうる。
【0048】
経口流体、例えば、溶液、シロップ剤およびエリキシル剤は、定められた量に所定量の化合物が含まれ得るように用量単位形態で調製されうる。シロップ剤は、化合物を適当に風味付けされた水溶液中に溶解させることによって調製することができ、エリキシル剤は、毒性のないビヒクルを使用することによって調製される。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルのような可溶化剤および乳濁液、保存剤、ペパーミント油のような風味添加剤もしくは天然甘味料、またはサッカリンもしくはその他の人工甘味料などもまた添加することができる。
【0049】
必要に応じて、経口投与のための用量単位製剤は、マイクロカプセル化することができる。前記製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスなどの中で粒子状物質をコーティングまたは組み込むことによって、放出を延長もしくは持続させるように調製することができる。
【0050】
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩はまた、小型の単層ビシクル、大型の単層ビシクル、および多重層ビシクルのようなリポソーム送達系の形態で投与することができる。リポソームは、様々なリン脂質、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成されうる。
【0051】
式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩はまた、化合物分子が結合される個別の担体としてモノクローナル抗体を使用することによって送達されうる。化合物はまた、標的を設定可能な薬物担体として可溶性ポリマーとカップリングされ得る。かかるポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidephenol)、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンが含まれる。さらに、化合物は、薬物の放出制御を達成するのに有用な生物分解性ポリマーの一クラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーにカップリングされうる。
【0052】
経皮投与に用いられる医薬製剤は、レシピエントの上皮に長期間密接に接触させ続けるために別々の貼付剤として提示されうる。例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research, 1986, 3(6), 318で一般的に記載されるように、イオン導入により貼付剤から送達され得る。
【0053】
局所投与に用いられる医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾルまたは油剤として製剤化され得る。
【0054】
直腸投与に用いられる医薬製剤は、座薬または浣腸として提示され得る。
【0055】
担体が固体である経鼻投与に用いられる医薬製剤には、嗅ぎ薬の様式で、すなわち、鼻近くに固定した粉末容器から鼻腔を通した急速な吸入で投与される、例えば、20から500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い散剤が含まれる。経鼻スプレーまたは点鼻薬として投与するための担体が液体である適当な製剤には、活性成分の水性または油性液剤が含まれる。
【0056】
吸入による投与に用いられる医薬製剤には、微粒子ダストもしくはミストが含まれ、これらは、様々なタイプの定量加圧型エアロゾル、ネブライザーまたは吸入器によって作り出されうる。
【0057】
膣投与に用いられる医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡またはスプレー製剤として提示されうる。
【0058】
非経口投与に用いられる医薬製剤には、水性および非水性滅菌注射溶液(抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、および製剤を対象のレシピエントの血液と等張にする溶質が含まれうる);ならびに水性および非水性滅菌懸濁液(懸濁化剤および増粘剤が含まれうる)が含まれる。製剤は、単位用量または複数回投与量容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル中で提示されてもよく、滅菌液体担体、例えば、注射用水を使用直前に添加することのみを要する凍結乾燥条件で保存されてもよい。即時注射溶液および懸濁液は、滅菌された散剤、顆粒剤および錠剤から調製されうる。
【0059】
特に上記の成分に加えて、製剤には、当該製剤のタイプを考慮した当該技術分野で慣用的なその他の薬剤が含まれていてもよく、例えば、経口投与に適当な製剤には、香味剤が含まれてもよいことが理解されるべきである。
【0060】
用語「患者」には、ヒトおよびその他の哺乳類の両方が含まれる。
【0061】
用語「治療する」は:(i)病気、疾患または状態が、当該病気、疾患および/または状態にかかりやすいが、まだそれにかかっていると診断されていない患者で生じることを予防し;(ii)病気、疾患または状態を抑え、すなわち、その進行を停止させ;ならびに(iii)病気、疾患または状態を軽減し、すなわち、病気、疾患および/または状態の退縮を生じることを意味する。
【0062】
本発明は、合成プロセスによって、あるいはヒトまたは動物の体内(インビボ)で生じるプロセスを含む代謝プロセスまたはインビトロで生じるプロセスによって調製される式(I)の化合物が包含されるものとされる。
【0063】
特に下記の例示的なスキームおよび実施例に含まれる本出願で用いられる略語は、当業者に周知である。用いられる略語のいくつかは下記のとおりである:N,N−ジメチルアミノピリジンについてDMAP;2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリンについてBEMP;トリフルオロ酢酸についてTFA;ジクロロメタンについてDCM;保持時間または室温についてrtまたはRTまたはRt(文脈による);メタノールについてMeOH;ジメチルスルホキシドについてDMSO;酢酸エチルについてEtOAc;アセトニトリルについてMeCNまたはACN;テトラヒドロフランについてTHF;ジベンジリデンアセトンについてdba;ならびにN,N−ジメチルホルムアミドについてDMF。
【実施例】
【0064】
本開示は、その範囲を限定することが意図されていない特定の実施態様について説明される。一方で、本開示は、特許請求の範囲の範囲内に含まれうる全ての代替、改変および均等物を網羅する。よって、具体的な実施形態を含む下記の実施例は、本開示の1つの実施を例示し、実施例が特定の実施態様の例示を目的とするためであって、最も有用と考えられ、その方法および概念的な態様の記載が容易に理解されるものを提供するために示されていることが理解される。
【0065】
本発明の化合物は、この項目に記載される反応および技術、ならびに当業者に公知であるその他の合成方法を用いて製造されうる。これらの反応は、用いられる試薬および物質に適当であり、もたらされる変換に適切な溶媒中で行われる。また、下記に記載の合成方法の説明において、溶媒、反応温度、実験時間およびワークアップ手順の選択を含む全ての推奨される反応条件は、当業者によって容易に認識される反応のために標準的な条件であるように選択されるものと考えられる。分子の様々な部分に存在する官能基が推奨される試薬および反応に適合すべきことは、有機合成の当業者によって理解される。反応条件に適合する置換基のかかる制限は、当業者によって容易に理解され、さらに別の方法が用いられるべきである。
【0066】
本発明の化合物は、下記のスキーム1に示される方法を含む当技術分野で周知の方法に従って調製することができる。アリールシクロアルキルアミン中間体化合物Aは、塩基および触媒DMAPの存在下においてアリールスルホニルクロリド化合物Bで処理されて、タイプCのスルホンアミド中間体化合物を生じうる。続いて、メチルブロモアセテートでアルキル化して、タイプDのスルホンアミドエステル化合物を生じうる。本発明の実施例E化合物は、中間体エステル化合物Dを、例えば、メタノール中において水酸化ナトリウムで加水分解することによって生成することができる。
スキーム1
【化6】

試薬および条件:a)ヒューニッヒ塩基、触媒DMAP、DCM、rt、終夜 b)メチルブロモアセテート、BEMP樹脂、アセトニトリル、80℃、終夜 c)NaOH、MeOH、rt。
【0067】
本発明の実施例を供することができるさらなる方法は、スキーム2に示される。ブロモ中間体化合物Dを調製する方法は、上記に記載されるとおりである。これらの化合物は、例えば、スズキカップリング条件において、アリールボロン酸化合物とカップリングされて、タイプEの中間体エステル化合物を生じうる。続いて、例えば、メタノール中のNaOHで処理して、本発明のさらなる実施例化合物Fを調製することができる。あるいは、タイプDの中間体エステル化合物は、当技術分野で公知の方法を用いて加水分解することができ、次いで生じた酸化合物は、例えば、スズキカップリング条件を用いてカップリングされて、本発明のさらなる実施例化合物Fを生じうる。
スキーム2
【化7】

試薬および条件:a)ヒューニッヒ塩基、触媒DMAP、DCM、rt、終夜 b)メチルブロモアセテート、BEMP樹脂、アセトニトリル、80℃、終夜。Arボロン酸化合物、Pd(dba)。ジシクロヘキシル(2’,3’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン、100℃、3時間。d)NaOH、MeOH、rt。
【0068】
【化8】

中間体A
N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
DMF(10mL)中の1−(4−ブロモフェニル)シクロブタンアミン,HCl(845mg,3.22mmol)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.69mL,9.66mmol)および4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(0.529mL,3.22mmol)を加えた。続いて、反応混合液を室温で終夜攪拌した。この混合物をそのまま下記の実験で使用した。
【0069】
【化9】

中間体B
メチル 2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)アセテート
N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミドの調製から得た粗反応混合物に、メチルブロモアセテート(0.612mL,6.44mmol)およびBEMP(1325mg,4.83mmol)を加え、得られた混合物を80℃で終夜加熱した。続いて、該溶液をEtOAcで希釈し、HCl(1N)および食塩水で順次洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧中で濃縮した。該残渣を、シリカゲル(3:1 ヘキサン/EtOAc;90gシリカカラム)を用いて分画した。均一な分画物を合わせ、減圧濃縮した。該生成物を淡黄色の油状物1.15g(71%)として得た。
【0070】
(実施例)
【化10】

実施例1
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
メチル 2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)アセテートをTHF(5mL)およびMeOH(5mL)中に溶解させ、NaOH(1N,3mL)を加えた。該混合液を90℃で20分間加熱した。次いで、該溶液を冷まし、続いて酸性にし、生成物をEtOAc中に抽出した。有機溶液を希HCl(0.1N)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、該濾液を減圧濃縮して、表題化合物を淡黄色の半固形物、1.05gとして得た。ESI-MS m/z 491 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.63 (d, J=10.68 Hz, 1H), 1.84 (dd, J=9.31, 1.68 Hz, 1H), 2.57 - 2.72 (m, 2H), 2.76 - 2.92 (m, 2H), 4.09 (s, 2H), 6.57 (t, J=75 Hz (C-F), 1H), 7.02 (m, J=8.85 Hz, 2H), 7.27 - 7.31 (m, 2H), 7.41 - 7.46 (m, 2H), 7.47 (m, 2 H).
【0071】
【化11】

実施例2
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(4−(ピリミジン−5−イル)フェニル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
n−ブタノール(2mL)中の2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸(20mg,0.041mmol)の溶液に、ピリミジン−5−イルボロン酸(7.58mg,0.061mmol)、続いてリン酸カリウム(17.32mg,0.082mmol)およびPddba(2.345mg,4.08μmol)およびジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(3.89mg,8.16μmol)を加えた。該混合物を脱気し、アルゴンを流入させ、続いて100℃で3時間振蘯させた。得られた混合物を濾過し、該濾液を、Xterraカラム、30mmx100mm、15分のグラジエント;開始濃度:10%B;終了濃度:100%BでACN/水および0.1% TFA緩衝液を用いて島津分取HPLCで精製した。該溶媒を減圧中で除去して、3.3mg(16%収率,95%の純度)の表題化合物を淡い灰色の固形物として得た。ESI-MS m/z 490 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.67 (q, J=10.07 Hz, 1H), 1.78 - 1.92 (m, 1H), 2.63 (t, J=8.70 Hz, 2H), 2.86 (d, J=2.44 Hz, 2H), 4.21 (s, 3H), 6.58 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.09 (d, J=8.55 Hz, 2H), 7.54 (d, J=8.24 Hz, 2H), 7.67 (dd, J=14.80, 8.70 Hz, 4H), 9.10 (s, 2H), 9.31 (s, 1 H).
【0072】
これらの方法を適当な試薬と用いて下記の中間体および実施例を調製した。
【化12】

実施例3
2−(N−(1−(2’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 557 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.69 (d, J=10.68 Hz, 1H), 1.83 - 1.92 (m, 1H), 2.67 (t, J=8.70 Hz, 2H), 2.79 - 2.91 (m, 2H), 4.13 (s, 2H), 6.54 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.06 (d, J=8.55 Hz, 2H), 7.22 - 7.31 (m, 1H), 7.37 (d, J=8.24 Hz, 3H), 7.47 - 7.58 (m, 5 H).
【0073】
【化13】

実施例4
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 518 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.65 - 1.76 (m, 1H), 1.87 (d, J=10.68 Hz, 1H), 2.60 - 2.73 (m, 2H), 2.78 - 2.90 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 4.13 (s, 2H), 6.43 (t, J=75.00 Hz, 1H), 6.99 (d, J=8.85 Hz, 2H), 7.05 (d, J=8.24 Hz, 1H), 7.09 (t, J=7.48 Hz, 1H), 7.32 (d, J=7.32 Hz, 1H), 7.35 - 7.40 (m, 1H), 7.42 (d, J=8.55 Hz, 2H), 7.44 - 7.48 (m, 4 H).
【0074】
【化14】

実施例5
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 572 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.66 - 1.75 (m, 1H), 1.84 - 1.92 (m, 1H), 2.58 - 2.72 (m, 2H), 2.87 (dt, J=11.67, 9.88 Hz, 2H), 4.13 (s, 2H), 6.51 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.04 (d, J=8.85 Hz, 2H), 7.38 - 7.45 (m, 6H), 7.51 - 7.55 (m, 4 H)
【0075】
【化15】

実施例6
2−(3,4−ジクロロ−N−(1−(2’,4’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 560 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.65 - 1.73 (m, 1H), 1.88 (d, J=10.68 Hz, 1H), 2.66 (t, J=8.85 Hz, 2H), 2.82 - 2.92 (m, 2H), 4.18 (s, 2H), 7.19 (d, J=8.24 Hz, 1H), 7.33 - 7.42 (m, 5H), 7.46 (d, J=1.22 Hz, 1H), 7.47 - 7.53 (m, 3 H).
【0076】
【化16】

実施例7
2−(N−(1−(3−ブロモフェニル)シクロブチル)−3,4−ジクロロフェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 494 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.60 - 1.70 (m, 1H), 1.82 - 1.91 (m, 1H), 2.57 (t, J=8.39 Hz, 2H), 2.77 - 2.88 (m, 2H), 4.24 (s, 2H), 7.19 (t, J=7.78 Hz, 1H), 7.33 - 7.38 (m, 1H), 7.38 - 7.47 (m, 5 H)
【0077】
【化17】

実施例8
2−(3,4−ジクロロ−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 521 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.64 - 1.74 (m, 1H), 1.83 - 1.91 (m, 1H), 2.68 (t, J=8.70 Hz, 2H), 2.81 - 2.90 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 4.16 (s, 2H), 6.97 - 7.11 (m, 2H), 7.22 (d, J=7.32 Hz, 1H), 7.24 - 7.31 (m, 1H), 7.31 - 7.40 (m, 4H), 7.44 - 7.49 (m, 2H), 7.64 (s, 1 H)
【0078】
【化18】

実施例9
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(4−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)フェニル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 523 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.60 (dt, J=10.61, 7.97 Hz, 1H), 1.82 (dd, J=9.31, 1.68 Hz, 1H), 2.52 - 2.58 (m, 2H), 2.76 - 2.84 (m, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.99 (s, 3H), 4.16 (s, 2H), 6.61 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.07 (m, 2H), 7.36 (m, 4H), 7.54 (m, 2H), 8.05 (s, 1 H)
【0079】
【化19】

実施例10
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 575 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.26 (s, 6H), 1.67 (t, J=6.71 Hz, 3H), 1.85 - 1.94 (m, 1H), 2.53 (t, J=6.56 Hz, 2H), 2.67 (t, J=8.85 Hz, 2H), 2.83 - 2.92 (m, 2H), 4.14 (s, 2H), 6.68 (d, J=8.85 Hz, 1H), 6.89 (d, J=1.83 Hz, 1H), 7.23 - 7.27 (m, 3H), 7.36 (t, J=1.83 Hz, 1H), 7.43 - 7.48 (m, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.60 (dd, J=5.49, 2.44 Hz, 1 H).
【0080】
【化20】

実施例11
2−(N−(1−(ビフェニル−3−イル)シクロブチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 506 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.24 (s, 6H), 1.63 (t, J=6.71 Hz, 2H), 1.65 - 1.74 (m, 1H), 1.84 - 1.92 (m, 1H), 2.49 (t, J=6.71 Hz, 2H), 2.71 (t, J=8.39 Hz, 2H), 2.82 - 2.92 (m, 2H), 4.09 (s, 2H), 6.66 (d, J=8.55 Hz, 1H), 6.83 (d, J=2.14 Hz, 1H), 7.24 (dd, J=8.55, 2.14 Hz, 1H), 7.37 (td, J=6.10, 2.44 Hz, 1H), 7.40 - 7.48 (m, 5H), 7.48 - 7.55 (m, 2H), 7.58 (s, 1 H).
【0081】
【化21】

実施例12
2−(N−(1−(ビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 488 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.49 - 1.63 (m, 1H), 1.77 (q, J=9.37 Hz, 1H), 2.50 - 2.58 (m, 2H), 2.87 (q, J=10.16 Hz, 2H), 4.11 (s, 2H), 7.07 (d, J=8.79 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 78 Hz, 1H) 7.40 (t, J=7.03 Hz, 1H), 7.44 - 7.53 (m, 4H), 7.57 (t, J=8.50 Hz, 4H), 7.64 (d, J=7.62 Hz, 2H), 7.68 - 7.76 (m, 1 H).
【0082】
【化22】

実施例13
2−(N−(1−(4’−クロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 523 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.50 - 1.61 (m, 1H), 1.77 (q, J=9.37 Hz, 1H), 2.52 - 2.58 (m, 2H) 2.82 - 2.90 (m, 2 H)) 4.10 (s, 2H), 7.08 ( m, 1H), 7.19 (t, H = 78 Hz, 1H), 7.47 - 7.55 (m, 4H), 7.58 (t, J=9.08 Hz, 4H), 7.66 (d, J=8.79 Hz, 2H), 7.71 (d, J=8.20 Hz, 1 H).
【0083】
【化23】

実施例14
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 518 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.51 - 1.60 (m, 1H), 1.75 (t, J=9.08 Hz, 1H), 2.49 - 2.56 (m, 2H), 2.82 - 2.89 (m, 2H), 3.82 - 3.88 (m, 3H), 4.08 (s, 2H), 7.05 (d, J=10.55 Hz, 3H), 7.17 (t, H = 72 Hz, 1H), 7.45 (d, J=8.20 Hz, 2H), 7.53 (d, J=8.20 Hz, 2H), 7.56 - 7.62 (m, 4H), 7.62 - 7.70 (m, 1 H).
【0084】
【化24】

実施例15
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メチルビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 502 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.52 - 1.63 (m, 1H), 1.78 (d, J=9.37 Hz, 1H), 2.29 (s, 3H) 2.58 - 2.67 (m, 2H), 2.90 (q, J=10.16 Hz, 2H), 4.09 (s, 2H), 7.12 (d, J=8.20 Hz, 2H), 7.17 - 7.25 (m, 3H), 7.25 - 7.35 (m, 3H), 7.41 (d, J=7.62 Hz, 1H), 7.56 (d, J=7.62 Hz, 2H), 7.62 (d, J=8.20 Hz, 2 H).
【0085】
【化25】

実施例16
2−(N−(1−(3’−クロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 523 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.49 - 1.61 (m, 1H), 1.76 (d, J=9.37 Hz, 1H), 2.54 - 2.61 (m, 2H), 2.84 - 2.93 (m, 2H), 4.09 (s, 2H), 7.07 (d, J=8.79 Hz, 1H), 7.19 (t, J=72 Hz, 1H) 7.44 (d, J=7.62 Hz, 1H), 7.47 - 7.55 (m, 3H), 7.59 (t, J=9.08 Hz, 4H), 7.66 (br. s., 2H), 7.70 - 7.78 (m, 1 H).
【0086】
【化26】

実施例17
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(3’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 518 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.52 - 1.61 (m, 1H), 1.77 (q, J=9.37 Hz, 1H), 2.57 - 2.67 (m, 2H), 2.87 (q, J=10.55 Hz, 2H), 3.84 - 3.92 (m, 3H), 4.10 (s, 2H), 6.97 (d, J=5.86 Hz, 1H), 7.02 - 7.11 (m, 2H), 7.16 (br. s., 1H), 7.18 - 7.23 (m, 1H), 7.36 - 7.46 (m, 1H), 7.47 - 7.52 (m, 2H), 7.57 (dd, J=18.46, 8.50 Hz, 4H), 7.64 (d, J=8.20 Hz, 1 H).
【0087】
【化27】

実施例18
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 556 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.50 - 1.62 (m, 1H), 1.77 (t, J=9.08 Hz, 1H), 2.58 - 2.66 (m, 2H), 2.84 - 2.94 (m, 2H), 4.06 (s, 2H), 7.14 (d, J=8.79 Hz, 2H), 7.22 (d, J=7.62 Hz, 2H), 7.35 - 7.46 (m, 2H), 7.58 (d, J=7.62 Hz, 2H), 7.61 - 7.69 (m, 3H), 7.73 (t, J=7.62 Hz, 1H), 7.84 (d, J=7.62 Hz, 1 H).
【0088】
【化28】

実施例19
2−(N−(1−(2’−クロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 523 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.52 - 1.65 (m, 1H), 1.79 (q, J=8.98 Hz, 1H), 2.56 (br. s., 3H), 2.58 - 2.66 (m, 1H), 2.85 - 2.93 (m, 2H), 4.09 (s, 2H), 7.11 (d, J=8.20 Hz, 2H), 7.23 (s, 1H), 7.33 (d, J=8.20 Hz, 2H), 7.37 - 7.48 (m, 3H), 7.49 - 7.61 (m, 5 H).
【0089】
【化29】

実施例20
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−フルオロビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 506 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.53 - 1.62 (m, 1H), 1.78 (q, J=9.37 Hz, 1H), 2.57 - 2.69 (m, 2H), 2.89 (q, J=10.16 Hz, 2H), 4.11 (s, 2H), 7.08 (d, J=8.79 Hz, 1H), 7.19 (t, J=60 Hz, 1H) 7.32 (d, J=8.20 Hz, 2H), 7.38 - 7.48 (m, 3H), 7.51 (t, J=7.32 Hz, 1H), 7.57 (dd, J=15.53, 8.50 Hz, 4H), 7.62 - 7.70 (m, 1 H).
【0090】
【化30】

実施例21
2−(N−(1−(5’−クロロ−2’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 553 (MH+), 1H NMR (600 MHz, <DMSO_CDCl3>) δ ppm 1.51 - 1.63 (m, 1H), 1.78 (d, J=9.37, 1H), 2.58 - 2.65 (m, 1H), 2.88 (q, J=9.96 Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 4.08 (s, 2H), 7.09 (d, J=8.79 Hz, 2H), 7.15 (d, J=8.79 Hz, 1H), 7.26 - 7.34 (m, 1H), 7.35 - 7.42 (m, 3H), 7.52 (d, J=8.79 Hz, 3H), 7.55 (s, 1H), 7.56 - 7.62 (m, 1 H).
【0091】
【化31】

実施例22
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 557 (MH+), 1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 1.58 - 1.69 (m, 1H), 1.78 - 1.88 (m, 1H), 2.56 - 2.65 (m, 2H), 2.97 - 3.08 (m, 2H), 4.18 (s, 2H), 6.69 (t, J=75.00 Hz, 1H), 6.90 - 6.99 (m, 2H), 7.38 - 7.44 (m, 5H), 7.44 - 7.49 (m, 2H), 7.59 (t, J=1.76 Hz, 1H), 7.64 (dd, J=7.65, 1.38 Hz, 1 H).
【0092】
【化32】

実施例23
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 491 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.62 - 1.70 (m, J=10.60, 10.60, 7.78, 2.75 Hz, 1H), 1.82 - 1.90 (m, 1H), 2.59 - 2.67 (m, 2H), 2.85 - 2.94 (m, 2H), 4.17 (s, 2H), 7.27 (d, J=2.14 Hz, 2H), 7.31 - 7.38 (m, 3H), 7.39 - 7.50 (m, 4H) 7.52 - 7.59 (m, 3 H).
【0093】
【化33】

実施例24
2−(2−クロロ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 525 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.51 - 1.58 (m, 1H), 1.73 - 1.80 (m, 1H), 2.53 - 2.60 (m, 2H), 2.91 - 2.98 (m, 2H), 4.47 (s, 2H), 7.15 - 7.22 (m, 1H), 7.29 - 7.38 (m, 7H), 7.49 - 7.55 (m, 2H), 7.83 (dd, J=8.09, 1.37 Hz, 1 H).
【0094】
【化34】

実施例25
2−(3−クロロ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 525 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.64 - 1.72 (m, 1H), 1.89 (m, 1H), 2.63 - 2.69 (m, 2H), 2.84 - 2.92 (m, 2H), 4.25 (s, 2H), 7.23 - 7.28 (m, 2H), 7.28 - 7.31 (m, 2H), 7.34-7.38 (m, 2H), 7.39 - 7.47 (m, 3H), 7.48 - 7.50 (m, 1H), 7.53 - 7.56 (m, 1 H).
【0095】
【化35】

実施例26
2−(4−クロロ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 525 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.63 - 1.71 (m, 1H), 1.87 (m, 1H), 2.60 - 2.66 (m, 2H), 2.83 - 2.91 (m, 2H), 4.22 (s, 2H), 7.23 - 7.27 (m, 2H), 7.27 - 7.30 (m, 2H), 7.38 (t, J=1.83 Hz, 1H), 7.40 - 7.46 (m, 4H), 7.47 - 7.49 (m, 1H), 7.54 - 7.59 (m, 1 H).
【0096】
【化36】

実施例27
2−(2−シアノ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 516 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.60 (m, 1H), 1.78 - 1.84 (m, 1H), 2.60 - 2.65 (m, 2H), 2.90 (m, 2H), 4.66 (s, 2H), 7.30 - 7.35 (m, 4H), 7.37 (t, J=1.83 Hz, 1H), 7.39 - 7.48 (m, 2H), 7.55-7.58 (m,1H), 7.59-7.63 (m, 2H), 7.65 (dd, J=7.32, 1.22 Hz, 1 H).
【0097】
【化37】

実施例28
2−(3−シアノ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 516 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.63 - 1.72 (m, 1H), 1.84 - 1.94 (m, 1H), 2.61 - 2.72 (m, 2H), 2.83 - 2.91 (m, 2H), 4.31 (s, 2H), 7.26 - 7.29 (m, 1H), 7.32 - 7.40 (m, 2H), 7.40 - 7.52 (m, 5H), 7.55 (d, J=7.93 Hz, 1H), 7.62 - 7.71 (m, 1H), 7.76-7.80 (m, 1H).
【0098】
【化38】

実施例29
2−(4−シアノ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 516 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.67 (dd, J=7.78, 2.90 Hz, 1H), 1.83 - 1.90 (m, 1H), 2.58 - 2.68 (m, 2H), 2.80 - 2.89 (m, 2H), 4.29 (s, 2H), 7.30 (d, J=1.83 Hz, 2H), 7.38 - 7.42 (m, 2H), 7.45 (d, J=7.93 Hz, 1H), 7.52 - 7.56 (m, 2H), 7.58 (m, 2H), 7.63 (m, 2 H).
【0099】
【化39】

実施例30
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−2−メトキシフェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 521 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.50 - 1.60 (m, 1H), 1.70 - 1.82 (m, 1H), 2.54 - 2.63 (m, 2H), 2.81 - 2.90 (m, 2H), 3.83 (s, 3H), 4.43 (s, 2H), 6.80 (d, J=8.54 Hz, 1H), 6.83 (t, J=7.63 Hz, 1H), 7.28 - 7.31 (m, 4H), 7.32 - 7.35 (m, 1H), 7.36 (t, J=1.83 Hz, 1H), 7.48 - 7.53 (m, 2H), 7.60 (dd, J=7.93, 1.53 Hz, 1 H).
【0100】
【化40】

実施例31
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−3−メトキシフェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 521 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.62 - 1.69 (m, 1H), 1.86 (q, J=9.36 Hz, 1H), 2.63 (t, J=8.85 Hz, 2H), 2.89 (dd, J=10.22, 2.59 Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.20 (s, 2H), 6.96 (dd, J=7.78, 1.98 Hz, 1H), 7.02 - 7.04 (m, 1H), 7.17 (d, J=8.54 Hz, 1H), 7.25 (t, J=7.93 Hz, 1H), 7.37 (t, J=1.83 Hz, 1H), 7.39 - 7.43 (m, 2H), 7.48 (s, 2H), 7.57 (d, J=6.41 Hz, 1 H).
【0101】
【化41】

実施例32
2−(N−(1−(3−ブロモフェニル)シクロペンチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 523 (MH+), 1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 1.27 - 1.35 (m, 2H), 1.36 (s, 6H), 1.66 - 1.76 (m, 2H), 1.85 (t, J=6.71 Hz, 2H), 2.36 - 2.53 (m, 4H), 2.70 (t, J=6.71 Hz, 2H), 4.13 (s, 2H), 6.66 (d, J=8.85 Hz, 1H), 6.91 (d, J=2.14 Hz, 1H), 7.26 - 7.38 (m, 5 H).
【0102】
【化42】

実施例33
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−4−イル)シクロペンチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 589 (MH+), 1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 1.28 (s, 6H), 1.69 (t, J=6.71 Hz, 2H), 2.35-2.42 (m, 2H), 2.50 - 2.65 (m, 4H), 2.74 - 2.80 (m, 2H), 2.88 (t, J=6.87 Hz, 2H), 4.33 (s, 2H), 6.61 (d, J=8.85 Hz, 1H), 7.08 (d, J=2.14 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=8.55, 2.44 Hz, 1H), 7.45 (m, 4H), 7.59 (d, J=3.05 Hz, 1H), 7.61 (m, 2 H).
【0103】
【化43】

実施例34
2−(N−(3−(3’,5’−ジクロロビフェニル−4−イル)テトラヒドロフラン−3−イル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 591 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.39 (s, 6H), 1.87 (t, J=6.71 Hz, 2H), 2.31 - 2.45 (m, 2H), 2.82 - 2.90 (m, 1H), 2.90 - 2.97 (m, 1H), 3.51 - 3.63 (m, 1H), 4.02 - 4.07 (m, 1H), 4.35 (q, J=18.31 Hz, 2H), 4.46 (d, J=9.46 Hz, 1H), 4.64 (d, J=9.46 Hz, 1H), 6.53 (d, J=8.55 Hz, 1H), 6.91 (d, J=8.55 Hz, 1H), 7.00 (s, 1H), 7.16 (dd, J=8.70, 1.98 Hz, 1H), 7.32 - 7.39 (m, 2H), 7.41 (d, J=1.83 Hz, 2H), 7.62 - 7.72 (m, 2 H).
【0104】
【化44】

実施例35
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)ナフタレン−1−スルホンアミド)酢酸
【0105】
【化45】

実施例36
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)ナフタレン−2−スルホンアミド)酢酸
【0106】
【化46】

実施例37
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)−4−メチルフェニルスルホンアミド)酢酸
【0107】
【化47】

実施例38
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 543 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.29 (br. s., 2H), 1.68 (br. s., 2H), 4.36 (s, 2H), 6.56 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.10 (m, J=8.85 Hz, 2H), 7.19 - 7.24 (m, 3H), 7.24 - 7.31 (m, 1H), 7.31 - 7.36 (m, 2H), 7.52 (d, J=1.83 Hz, 1H), 7.76 (m, J=8.85 Hz, 2 H).
【0108】
【化48】

実施例39
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 558 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.31 (br. s., 2H), 1.71 (br. s., 2H), 4.39 (s, 2H), 6.56 (t, J=75.00 Hz (C-F), 1H), 7.13 (m, J=8.55 Hz, 2H), 7.21 (d, J=7.93 Hz, 2H), 7.35 (d, J=8.24 Hz, 2H), 7.37 - 7.42 (m, 4H), 7.77 (m, 2 H), 9.88 (br. s., 1H).
【0109】
【化49】

実施例40
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 558 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.28 (br. s., 5H), 1.70 (br. s., 2H), 4.35 (s, 2H), 6.52 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.07 (m, J=8.85 Hz, 2H), 7.17 - 7.22 (m, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.32 (d, J=4.88 Hz, 2H), 7.35 - 7.45 (m, 54H) 7.75 (m, J=8.85 Hz, 2 H).
【0110】
【化50】

実施例41
2−(N−(1−(2’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 543 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.31 (br. s., 2H), 1.69 (br. s., 2H), 4.38 (s, 2H), 6.58 (t, J= 75.00 Hz, 1H), 7.14 (m, J=8.55 Hz, 2H), 7.23 (dd, J=8.09, 5.04 Hz, 3H), 7.29 - 7.35 (m, 3H), 7.52 (d, J=1.53 Hz, 1H), 7.78 (m, J=8.85 Hz, 2 H).
【0111】
【化51】

実施例42
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 504 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.30 (br. s., 2H), 1.66 (br. s., 2H), 3.85 (s, 3H), 4.39 (s, 2H), 6.53 (t, J=75.00 Hz, 1H), 6.93 - 7.09 (m, 2H), 7.11 (d, J=8.55 Hz, 2H), 7.19 (m, J=8.24 Hz, 2H), 7.25 - 7.32 (m, 1H), 7.36 (t, J=7.78 Hz, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.74 (d, J=8.85 Hz, 2H), 9.16 (br. s., 1 H).
【0112】
【化52】

実施例43
2−(N−(1−(ビフェニル−3−イル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 474 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.31 (br. s., 2H), 1.71 (s, 2H), 4.38 (s, 2H), 6.44 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.04 (m, J=8.85 Hz, 2H), 7.15 (d, J=7.63 Hz, 1H), 7.34 (d, J=2.14 Hz, 2H), 7.39 (t, J=7.17 Hz, 1H), 7.42 - 7.52 (m, 5H), 7.75 (m, J=8.85 Hz, 2 H).
【0113】
【化53】

実施例44
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−3−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 504 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.29 (br. s., 2H), 1.67 (br. s., 2H), 3.84 (s, 3H), 4.35 (s, 2H), 6.49 (t, J=75 Hz (C-F), 1H), 6.99 - 7.09 (m, 4H), 7.11 (d, J=7.93 Hz, 1H), 7.22 - 7.28 (m, 2H), 7.37 (q, J=7.93 Hz, 3H), 7.73 (d, J=8.85 Hz, 2 H).
【0114】
【化54】

実施例45
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 477 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.21 (br. s, 2H), 1.60 (br. s, 2H), 4.32 (s, 2H), 6.61 (t, J=75 Hz (C-F), 1H), 7.09 (d, J=8.24 Hz, 2H), 7.16 (m, J=8.55 Hz, 2H), 7.39 (m, J=8.55 Hz, 2H), 7.78 (d, J=8.85 Hz, 2 H).
【0115】
【化55】

実施例46
2−(N−(1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 432 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.18 (s, 2H), 1.58 (s, 2H), 4.28 (s, 2H), 7.09 (dd, J=16.33, 8.70 Hz, 4H), 7.17 (d, J=8.55 Hz, 2H), 7.71 (d, J=8.85 Hz, 2H), 9.59 (br. s., 1 H).
【0116】
【化56】

実施例47
2−(N−(1−(3−ブロモフェニル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸
ESI-MS m/z 477 (MH+), 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.24 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 4.33 (s, 2H), 6.61 (t, J=75.00 Hz, 1H), 7.07 - 7.19 (m, 5H), 7.33 (d, J=7.02 Hz, 1H), 7.76 (d, J=8.85 Hz, 2 H).
【0117】
生物学的方法
プレート
黒色の非結合表面Corningプレート(3655)に、0.9μLの化合物を20点の1:3希釈で入れた。同じ体積のジメチルスルホキシド(DMSO)をプレートのカラム23に加えた。カラム24には、0.9μLの2−(N−(4−シクロヘキシルフェニル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸をブランクとして手動で加えて、データを標準化した。
【0118】
酵素
LG586を発現する安定なHEK細胞株からの膜調製物は、ニュージャージー州、ホープウェルのBMSの細胞資源グループによって調製した。膜調製物のタンパク質濃度は、1.28μg/μLであった。これらの保存物は、1mLの一定分量にて−80℃で保った。このアッセイにおいては、膜を室温で解凍し、続いてアッセイ緩衝液(pH7.5でMQ水中の100mM HEPES)に加えた。このアッセイにおけるLG586酵素の濃度は0.005μg/mLである。
【0119】
基質
このアッセイで用いる基質は、Sigma(N9876)p−ニトロフェニルブチレート(PNP)から購入した。前記基質は液体の状態で入手し、DMSOで希釈しなければならない。保存は1M濃度にて−20℃に保った。前記基質の最終濃度は250μMである。
【0120】
アッセイ
酵素は、Multi−drop Combi(Thermo)を用いてプレートに80μL/ウェルで加えた。該プレートを化合物とともに室温で10分間インキュベートした。次いで、9μLの基質を各ウェルに加え、該プレートを、Vielux Imager(Perkin Elmer)にて、405nmの励起フィルターおよび564/250nmの放射フィルターを用いて吸光モードですぐに読み取った。読み取りは動力学的であり、プレートを5分間で30秒ごとに1回読み取り、次いで各ウェルについて勾配を算出し、データを社内ソフトウェアで分析した。
表1
【表1】






















A=0.001〜0.100μM
B=0.101〜1.003μM
C=≧1.004μM
【0121】
本開示は、前記の例示的な実施例に限定されるものではなく、その必要な態様から逸脱することなく他の具体的な形態で具体化できることは、当業者にとって明らかである。よって、例示であって、限定されるものではない全ての局面で考慮される例、前記実施例よりむしろ特許請求の範囲になされる対象、ならびに特許請求の範囲の意味および均等の範囲内となる全ての変更が本明細書に包含されることが所望される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(I),
[式中、
Arは、ナフチルおよびフェニル(ここで、フェニルは、アルキル、ハロ、ハロアルコキシ、アルコキシおよびシアノから独立して選択される0、1または2個の置換基で置換される)から選択され;あるいは、
Arは、
【化2】

であり;
Arは、水素、フェニル、ナフチル、ピリミジニル、チアゾリルおよびキノリニル(ここで、フェニル、ナフチル、ピリミジニル、チアゾリルおよびキノリニルは、各々、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノおよびハロから独立して選択される0、1または2個の置換基で置換される)から選択され;
は、水素、シアノ、ハロ、アルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択され;ならびに
およびRは、各々、低級アルキルであり;または
およびRは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成する]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
およびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、酸素原子を適宜含有していてもよい3から5員炭素環を形成する、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Arが、ナフチルである、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
がハロであり、Arが水素である、請求項3に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
Arが、
【化3】

である、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
がハロであり、Arが水素である、請求項5に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】
が水素であり、Arが、2個のハロ基で適宜置換されていてもよいフェニルである、請求項5に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
Arが、アルキル、ハロ、ハロアルコキシ、アルコキシおよびシアノから選択される0、1または2個の基で置換されるフェニルである、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
がハロであり、Arが水素である、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
が水素であり、Arが、フェニル、ピリミジニルおよびチアゾリル(ここで、フェニル、ピリミジニルおよびチアゾリルは、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよびハロから独立して選択される0、1または2個の基で置換される)から選択されるものである、請求項8に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項11】
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(4−(ピリミジン−5−イル)フェニル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(2’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(3,4−ジクロロ−N−(1−(2’,4’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3−ブロモフェニル)シクロブチル)−3,4−ジクロロフェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(3,4−ジクロロ−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(4−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)フェニル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(ビフェニル−3−イル)シクロブチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(ビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(4’−クロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メチルビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’−クロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(3’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(2’−クロロビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−フルオロビフェニル−4−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(5’−クロロ−2’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロブチル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(2−クロロ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(3−クロロ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−クロロ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(2−シアノ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(3−シアノ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−シアノ−N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−2−メトキシフェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロブチル)−3−メトキシフェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−4−イル)シクロペンチル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸;
2−(N−(3−(3’,5’−ジクロロビフェニル−4−イル)テトラヒドロフラン−3−イル)−2,2−ジメチルクロマン−6−スルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3’,5’−ジクロロビフェニル−3−イル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(2’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−4−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(ビフェニル−3−イル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(4−(ジフルオロメトキシ)−N−(1−(2’−メトキシビフェニル−3−イル)シクロプロピル)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(4−クロロフェニル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(3−ブロモフェニル)シクロプロピル)−4−(ジフルオロメトキシ)フェニルスルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)ナフタレン−1−スルホンアミド)酢酸;
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)−4−メチルフェニルスルホンアミド)酢酸;および
2−(N−(1−(4−ブロモフェニル)シクロペンチル)ナフタレン−2−スルホンアミド)酢酸
から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
医薬的に許容される量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩および医薬的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項13】
DAGLαおよび/またはDAGLβ活性に関連する疾患の治療方法であって、それを必要とする患者に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする方法。
【請求項14】
該疾患が、統合失調症、精神病、双極性障害、うつ病、不安障害、疼痛、認知障害、糖尿病、肥満症、脂肪肝および脂質異常症から選択されるものである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該疾患が、統合失調症、双極性障害、うつ病、不安障害、糖尿病、肥満症、脂肪肝および脂質異常症から選択されるものである、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2013−520423(P2013−520423A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553956(P2012−553956)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024726
【国際公開番号】WO2011/103055
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】