説明

ジアシルパーオキサイドを含む重合化方法

【課題】取り扱い性の優れたパーオキサイド、それを用いた重合方法を提供する。
【解決手段】特定のジアシルパーオキサイドを製造し、該パーオキサイドは、関連する安定性の問題を克服するために、短い時間枠内で製造され、重合化工程に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1の下記式(I)のジアシルパーオキサイドが、
【0002】
【化1】


遊離基の源として使用される重合化方法に関する。
【背景技術】
【0003】
そのような方法は例えば国際特許出願公開第00/17245号から公知であり、該公報
においてパーオキサイドの熱分解の間に生成される遊離基により塩化ビニルを重合化させ
るためにジイソブタノイルパーオキサイドが使用される。
【0004】
しかし、式(I)のジアシルパーオキサイドは厄介である。より詳細には、式(I)のパ
ーオキサイドは熱的に不安定であり、その結果、−5℃もの低い温度における貯蔵の間に
かなりの分解を示す。生成物の質と含有量とを担保するため、貯蔵と取り扱いの間、それ
は典型的に0℃以下の温度において製造されて−20℃の温度において保たれる。しかし
そのような低い温度においてさえ、該物質の含有用のかなりの減少が注目される。さらに
、式(I)のパーオキサイド、特にR1,R2,R3,及びR4が合計で20未満の炭素原子
含む生成物を、水と不混和性の疎水性溶媒、例えばイソドデカンを用いて減感させること
が必要である。なぜならパーオキサイドは安全上の理由のため純粋な形で取り扱われるこ
とができないからである。そのような溶媒は重合工程において製造されるポリマー中に残
るが、そのことは様々な周知の理由のために典型的には望ましくない(望まれないポリマ
ーの可塑化、完成されたポリマー製品からの滲出、それはフォギングなどをもたらし得る
)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、式(I)のパーオキサイドは望まれない冷蔵及び義務的である溶媒なしに使用さ
れ得るところの方法に対する必要性がある。好ましくは該方法は、ジアシルパーオキサイ
ドに関する安全上の問題を減ずるため水の使用もまた許し、その結果該パーオキサイドは
加工及び取り扱い/重合化反応器への量り入れの間に安全に取り扱われることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚いたことに我々は、式(I)のジアシルパーオキサイドを製造し使用するための特定の
方法の使用がこの必要性を達成することを見出した。
【0007】
本発明の方法は、
− 式(I)のパーオキサイドを含む水性混合物が過酸化工程において製造されること、
ここで
i)下記式(II)
【0008】
【化2】


の1以上の酸ハロゲン化物が、
ii)MOOH/M22及び/又は下記式(III)
【0009】
【化3】


の1以上の過酸(又はその塩)と水性相において反応され、該過酸化段階において酸ハロゲ
ン化物、又は酸ハロゲン化物の混合物、がMOOH/M22及び/又は1以上の過酸(あ
るいはMの塩)を含む水と基本的に接触に至らせられ、水性混合物を与える、そして
iii)過酸工程の前、間、後に、任意的に1以上のコロイド及び/又は界面活性剤が前
記水性混合物と混合されてもよい、及び
− 得られる水性混合物が重合化工程において使用されること、
を特徴とする。
【0010】
用語MOOH/M22は、H22及び金属(M)イオンの適切な源から形成される生成物
を意味することに留意されたい。生成物は典型的には別個の生成物M22ではなく、H2
2,MOOH及びM22を含む平衡物である。
【0011】
産業の観点から、式(I)のジアシルパーオキサイドが製造されるところの出発物質、す
なわち下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物及び
【0012】
【化4】


下記式(III)の1以上の過酸(又はMの塩)、
【0013】
【化5】


は容易に入手可能である、又は得られ得ることが好ましい。最も好ましくはこれらの化合
物は市販入手可能である。
【0014】
この発明の方法は、工程温度において液状であるジアシルパーオキサイドにとって卓越し
て適する、なぜならこれらのジアシルパーオキサイドは工程温度において固体であるジア
シルパーオキサイドより低い加水分解性及び熱的安定性を有するからである。
【0015】
好ましい実施態様において、式(I)のジアシルパーオキサイドを含む水性混合物が、過
酸化工程後168時間、より好ましくは102時間、さらにより好ましくは48時間、よ
り一層好ましくは24時間、なおより好ましくは12時間、なおより好ましくはさらに2
時間の期間内に重合工程において使用される。最も好ましい実施態様において、過酸化工
程が行われる反応器はパイピング及び任意的にさらなる保持用又は加工用タンクにより重
合化工程が行われる反応器に直接接続される。
【0016】
もう1つの好ましい実施態様において、ジアシルパーオキサイドはこの方法において5℃
までの温度において貯蔵され取り扱われる、なぜならジアシルパーオキサイドの加水分解
的及び熱的安定性に依存して、本発明の方法においては、ジアシルパーオキサイドをー5
℃までの温度、好ましくは0℃、より好ましくは5℃までの温度において貯蔵し取り扱う
ことが許容され得るからである。
【0017】
本発明の方法において、水と式(II)の酸ハロゲン化物が任意の所与の時刻において混
合されることを防ぐことが必要である、なぜなら、そうしないと酸ハロゲン化物は加水分
解し、パーオキサイドの低い収率をもたらし、水性混合物の汚染を起こすからである。ま
た水及び酸ハロゲン化物だけの混合物は非常に腐食性があることがわかり、そのことはよ
り高価な加工装置の使用を必要とする。従って該工程において酸ハロゲン化物が基本的に
はMOOH/M22及び/又は1以上の過酸を含む水と接触に至らせられるということが
述べられるとき、意味されることは水と酸ハロゲン化物だけがせいぜい1分の期間、接触
され、好ましくはせいぜい20秒、より好ましくはせいぜい10秒、さらにより好ましく
はせいぜい5秒、最も好ましくはせいぜい1秒間、接触されるということである。従って
ジアシルパーオキサイドを製造する唯一の実行可能な方法は、i)水、MOOH/M22
をプレチャージし(又は任意的にMOOH/M22をH22とMの源から製造し)、そこに
酸ハロゲン化物を添加する、ii)水及びH22をプレチャージし、Mの源と酸ハロゲン
化物の両方を添加する、iii)水をプレチャージし、MOOH/M22 (任意的にMの
源と一緒にH22を添加してもよい)と酸ハロゲン化物の両方を添加する、そしてiv)水
とMの源とをプレチャージし、H22と酸ハロゲン化物の両方を添加することである。過
酸化物を最適化するための4つの方法のうちの1つを使用することが好ましい。
【0018】
米国特許第3,923,766号は、無水物と過酸とから生成される式(I)のジアシル
パーオキサイドが使用されるところの、いわゆる“インシチュー”法を開示することに留
意されたい。“インシチュー”法はジアシルパーオキサイドがモノマーの存在下、重合化
反応容器中で生成されることを特徴とし、それは本発明の方法ではない。そのような“イ
ンシチュー”法は望ましくない、なぜなら柔軟な操作様式を許さないからである。より詳
細には、パーオキサイドのほとんどは工程の始まり近くで生成され、一定の重合化速度を
阻止し、その結果一定ではない熱生産をもたらす。熱生産のそのような変動は望ましくな
い、なぜなら重合化反応器は冷却が最大速度であるところの条件下、最もコスト効率的に
運転されるからである。この問題を克服するため、米国特許第3,923,766号にお
いて、第2の(慣用の)より安定な開始剤を使用することが提案されている。しかし、その
ようなより安定な開始剤は部分的に最終ポリマーに残り、そのことはポリマーの安定性の
理由のために望ましくない(残っている開始剤は熱処理、例えば成形操作中に樹脂の早す
ぎる分解をもたらす)。
【0019】
米国特許第3,936,506号は式(I)の非対称のα―ハロゲン化ジアシルパーオキ
サイドを製造する方法を開示し、ここでR2は塩素又は臭素であり、R4は水素であり、R
1及びR3のそれぞれは約10〜約16の炭素原子を有する長鎖のアルキル基である。米国
特許第3,936,506号のこれらのα−ハロゲン化ジアシルパーオキサイドは本発明
にとって利益がないことに留意されたい。なぜならこれらのジアシルパーオキサイドがそ
れから製造されるところの出発物質は容易に入手可能ではなく、得られもしないからであ
る。産業上の観点から、これは望ましくない状況である。
【0020】
国際特許出願公開第01/32613号はパーオキシジカーボネートがイクスシチュー(
ex-situ)で生成される方法を開示することにさらに留意されたい。しかし、より広い範
囲のパーオキサイドの生成を許す代替の方法を提供することが望ましい。より特定的に、
国際特許出願公開第01/32613号のパーオキシジカーボネートはすべて約64℃の
温度において1時間の半減期を有する。これは重合化温度の選択ということになったとき
、むしろ制限された自由度を意味する。またパーオキシジカーボネートを製造するために
使用されるクロロホルメートは本発明のジアシルパーオキサイドを製造するために使用さ
れる酸ハロゲン化物よりずっと加水分解的に安定である。より低い温度(例えば約50℃)
において、パーオキシジカーボネートは効果的な重合時間を与えるのに十分なほど速く分
解せず、そして最終ポリマーにおいて許容できないほど高い残渣のパーオキサイド含有量
をもたらし、そのことは生成されたポリマーの熱安定性に悪影響を及ぼす。より高い重合
温度(例えば60℃)においては、パーオキシジカーボネートは分解が速すぎて、不十分
な使用及び重合の終点に向かってあまりにも遅い重合速度をもたらす。驚いたことに、さ
らなる修正の後、国際特許出願公開第01/32613号のコンセプトは式(I)のジア
シルパーオキサイドにまで拡張されることができた。必要とされた変形は、なかんずく、
酸ハロゲン化物がクロロホルメートにただ置換されるのではなく、無機のパーオキサイド
又は過酸(塩)が水性相に存在するときのみ、水と接触に至らせられることを確実にする
ことである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の詳細な記載
本発明は、以下の工程;
いわゆる過酸化工程において下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物、
【0022】
【化6】


ここでXはハライドであり、好ましくは塩素又は臭素、最も好ましくは塩素である、

i)MOOH/M22、ここでMは、該方法において存在する1以上のパーオキサイドを
分解することなくH22と反応して、MOOH/M22を生成するところの任意の金属又
はアンモニウム含有基であり、好ましくはMはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、及びリチウムから成る群から選択される、及び/又は
ii)下記式(III)の1以上の式過酸又は好ましくはそのM塩
【0023】
【化7】


と、水性相において反応させることにより、下記式(I)のジアシルパーオキサイド、
【0024】
【化8】


ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるなら
ば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該工程においてR1−C−R2及び/又はR3−C
−R4は飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立し
て選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及びR3
−C(R4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表す、
を含む水性混合物を製造する工程であって、該工程において酸ハロゲン化物又は酸ハロゲ
ン化物の混合物がMOOH/M22及び/又は1以上の過酸(又は過酸の塩)、好ましくは
22又は過酸のM塩を含む水と基本的には接触されるだけである工程、
本方法の任意の部分において酸ハロゲン化物のための1以上の溶媒を導入する任意的工程

本方法の任意の部分において1以上の塩を導入する任意的工程、
過酸化工程の前、間、又は後に1以上のコロイド及び/又は界面活性剤を導入する任意的
工程、
1以上の精製工程において該水性混合物を精製する任意的工程、
1以上の均一化工程において該水性混合物を均一化する任意的工程、
式(I)のジアシルパーオキサイドを含むところの前の工程からの生成物を重合化反応器
へ移す工程、及び
該ジアシルパーオキサイドを熱的に分解して、1以上のエチレン性不飽和モノマーの存在
下、有機遊離基を生成して、該モノマーを上記重合化反応器中で重合化させる工程、
を含む方法に関する。
【0025】
好ましい実施態様において該ジアシルパーオキサイドを含む水性混合物は、該過酸化工程
の後168時間、より好ましくは102時間、さらにより好ましくは48時間、より一層
好ましくは24時間、なおより好ましくは12時間、なお一層より好ましくは2時間内に
該重合化工程において使用される。最も好ましい実施態様において、過酸化工程が行われ
る反応器はパイピング及び場合によりさらに貯蔵用又は加工用タンクにより重合化工程が
行われる反応器に直接結合される。好ましくはジアシルパーオキサイド含有混合物は重合
化工程において必要とされるときの直前に製造される。もし分散物がいくらかの期間貯蔵
されるのであれば、安全上の観点から、相分離を妨げる振動の中で該分散物を保つことが
好まれる。任意の慣用の攪拌、例えばブレードつきシャフト、分散物を通して不活性ガス
をバブルさせる系、及び/又は再循環ポンプが使用され得る。もし1以上の任意のコロイ
ド及び/又は界面活性剤が本工程において使用されるならば、ジアシルパーオキサイド含
有混合物は典型的には相分離しにくくなり、安全限界を増加させる。
【0026】
もう1つの好ましい実施態様において、ジアシルパーオキサイドは本方法において5℃の
温度において貯蔵され取り扱われる、なぜならパーオキサイドの加水分解安定性及び熱安
定性に依存して、本発明の方法においてパーオキサイドを−5℃、好ましくは0℃、より
好ましくは5℃の温度まで貯蔵し、扱うことが許容可能である。
【0027】
さらに好ましい実施態様において、本方法は下記式(I)
【0028】
【化9】


のジアシルパーオキサイド、ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は
不飽和の、直鎖又は分岐の、任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアル
キル、アルカリール、及びアラルキル基からなる群から選択され、ただし、もしR1及び
/又はR2が水素であるならばR3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3
及び/又はR4が水素であるならば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該方法において
1−C−R2及び/又はR3−C−R4は飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であるこ
とができ、かつ1以上の独立して選択される基R1で置換されていることができる、ある
いは,R1−C(R2)H及びR3−C(R4)Hの一方が任意的に置換されていてもよい芳
香環構造を表し、ただしさらにR2がハロゲンであってR4が水素であり、かつR1とR3
両方が約10〜約16の炭素原子を有する長鎖アルキル基であるところの式(I)のジア
シルパーオキサイドは本発明から除かれる、を含む。
【0029】
さらにもう1つの好ましい実施態様において、本方法は下記式(I)のジアシルパーオキ
サイド、
【0030】
【化10】


ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるなら
ば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該方法においてR1−C−R2及び/又はR3−C
−R4は飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立し
て選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及びR3
−C(R4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表し、ただしさら
にR2がハロゲンであってR4が水素であり、かつR1とR3の両方がアルキル基であるなら
ば、これらのアルキル基のそれぞれは約6までの炭素原子を有する、を含む。
【0031】
さらにもう1つの好ましい実施態様において、本発明は下記式(I)のジアシルパーオキ
サイド、
【0032】
【化11】


ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただし、もしR1及び/又はR2が水素であるならば
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるな
らば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該方法においてR1−C−R2及び/又はR3
C−R4は飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立
して選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及び
3−C(R4)Hの一方が任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表す、を含む。
【0033】
さらにもう1つの本発明の実施態様において、式(I)のジアシルパーオキサイドは、重
合化反応器に移されるとき、水性相における前の工程から常に移され、ここでジアシルパ
ーオキサイドは下記式(I)により表され、
【0034】
【化12】


ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただし、もしR1及び/又はR2が水素であるならば
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるな
らば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該方法においてR1−C−R2及び/又はR3
C−R4は飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立
して選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及び
3−C(R4)Hの一方が任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表す。
【0035】
1つのより一層好ましい実施態様において、唯一の反応器がジアシルパーオキサイドを生
成するために使用される。最も好ましくは、唯1つの反応器がM及びH22の両方の源を
反応させ、そしてジアシルパーオキサイドを製造するための過酸化工程を実行するために
使用される。
【0036】
本発明の重合化工程において遊離基の源として使用されるべきジアシルパーオキサイド(
開始剤として作用する)の量は、重合化工程において従来使用されてきた量の範囲内であ
る。典型的には、重合化されるべきエチレン性不飽和モノマーの重量に基づいて0.00
5〜2重量%、0.01〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%が使用され
る。本発明のジアシルパーオキサイド開始剤は他の開始剤と組み合わせて使用され得るこ
とに留意されたい。
【0037】
好ましくは式(II)の酸ハロゲン化物は、C1〜C30のカルボン酸、好ましくはイソブ
タン酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチ
ルヘプタン酸、オクタン酸、2−メチルオクタン酸、デカン酸、2−メチルノナン酸、テ
トラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ラウリン酸、2−エチルブタン酸、2
−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルヘプタン酸、2−エチルノナン
酸、2−プロピルカプリル酸、2−プロピルヘプタン酸、2−プロピルヘキサン酸、2−
プロピルオクタン酸、2−プロピルペンタン酸、2−プロピル−4−ペンタン酸、2−ブ
チルカプロン酸、2−ブチルヘプタン酸、2−ブチルオクタン酸、(置換された)シクロ
ヘキサンカルボン酸、クロロ酢酸、2−クロロプロピオン酸、2−クロロブタン酸、2−
クロロヘキサン酸、ジクロロ酢酸、プロパノイル−C16酸、及び芳香族酸、安息香酸、2
−クロロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4
−メチル安息香酸、ナフトエ酸、及びトルイル酸から誘導される。より好ましくは、少な
くとも1の酸ハロゲン化物はイソブタノイルハロゲン化物、2−エチルブタノイルハロゲ
ン化物、2−エチルヘキサノイルハロゲン化物、2−クロロプロパノイルハロゲン化物、
ジクロロ酢酸ハロゲン化物、ラウロイルハロゲン化物、シクロヘキサンカルボニルハロゲ
ン化物、3−メチルシクロヘキサンカルボニルハロゲン化物、2,3−ジハロシクロヘキ
サンカルボニルハロゲン化物、ベンゾイルハロゲン化物、2−メチルベンゾイルハロゲン
化物、及び2−クロロベンゾイルハロゲン化物から選択される。もしそのように所望され
るならば、2以上の酸基を有するポリカルボン酸の酸ハロゲン化物もまた使用されること
ができ、例えば(シクロ)ヘキシルジカルボン酸、フタル酸(任意の異性体)、マレイン酸、
フマール酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、(オリゴマー性の)ポリアクリル酸、
及びマレイン酸無水物から誘導可能な酸基を有するコポリマーが使用され得る。適切に、
任意のこれらの酸ハロゲン化物の混合物が使用され、典型的には、先行技術において公知
であるように、3以上の式(I)のジアシルパーオキサイドの混合物をもたらす。
【0038】
式(II)の酸ハロゲン化物が式(III)の過酸あるいはそのような過酸の塩と反応さ
れるならば、ここでR3及びR4は水素ではない、そうすると、R1及び/又はR2が水素で
ある式(II)の酸ハロゲン化物もまた使用され得る。そのような酸ハロゲン化物の例は
、クロロ酢酸ハロゲン化物、クロロプロピオン酸ハロゲン化物(すべての異性体)、塩化
アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブタノイル、塩化ペンタノイル又はバレロイル、塩化
デカノイル、塩化ラウロイル、塩化マロニル、塩化サクシノイル、塩化グルタロイル、塩
化アジポイル、塩化アゼロイル、塩化セバコイルを含む。最も好ましくは、生成されるジ
アシルパーオキサイドはジイソブタノイルパーオキサイドである。
【0039】
22は好ましくは過酸化水素とNaOH、KOH、K2CO3、及び/又はNa2CO3
を混合することにより製造される。M22は独立して又は本方法の反応工程において製造
され得る。
【0040】
使用される任意の過酸は慣用の方法で製造され得る。好ましくはC2〜C20の過酸が使用
される。過酸が酸ハロゲン化物と反応されるとき、典型的には非対称のジアシルパーオキ
サイド(R1及びR2がR3及びR4と同じではないことを意味する)が得られ、一方2つの
異なる酸ハロゲン化物の混合物がMOOH/M22と反応されるならば、2つの対称ジア
シルパーオキサイドと1の非対称ジアシルパーオキサイドの統計的混合物が得られること
に留意されたい。過酸の使用は重合速度のよりよい制御を許す、なぜなら専用の半減期を
有する1の生成物のみが形成されるからである。さらに、もしそのR3及びR4が水素であ
るところの非対称のジアシルパーオキサイドが望まれるならば、酸ハロゲン化物の混合物
の使用は、2つのα炭素(ジアシルパーオキサイド官能基に対して)上に分岐を示さないと
ころのジアシルパーオキサイドの生成を部分的にもたらす。そのようなα―炭素非分岐ジ
アシルパーオキサイドは極めて安定であり、それらの一部は最終ポリマーに残り、典型的
には所望されたより低いポリマーの熱安定性をもたらす。従ってもしR3及び/又はR4
水素であることが所望されるならば、過酸を使用することが好ましい。より好ましくは、
過酸は、過酢酸、パープロピオン酸、パーイソブタン酸、パーヘキサン酸、パー安息香酸
、3−クロロパー安息香酸、及びパーラウリン酸からなる群から選択され、パープロピオ
ン酸及びパーラウリン酸の使用が最も好ましい。
【0041】
好ましくは、本方法は、基本的に溶媒なしで行われる、なぜならそのような溶媒は最終の
ポリマーにおいて望ましくないからである。この明細書の目的のために、基本的に溶媒な
しとは、ジアシルパーオキサイドの重量に基づいて20重量%の溶媒未満が存在すること
を意味する。好ましくはジアシルパーオキサイドの重量すべてに基づいて10重量%、よ
り好ましくは5重量%、最も好ましくは2重量%の溶媒が存在する。しかしある溶媒、例
えばPVCのための慣用の可塑剤又はパーオキサイドの減感剤の使用が重合化工程で得ら
れるポリマーにおいて許容できるならば、そのような溶媒を使用することは有利である。
慣用の可塑剤はエポキシ化された大豆オイル、ジアルキルエステル、例えば2以上のカル
ボン酸基を有する脂肪酸カルボン酸のアルキルエステル及びあまり望ましくないフタル酸
エステルを含む。慣用の減感剤は炭化水素、例えばイソドデカンを含む。
【0042】
好ましくは、本方法の過酸化工程は反応混合物に添加される塩なしに行われる。しかし、
もしそのように所望されるならば、塩が、例えばジアシルパーオキサイドの収率を上げる
ために添加されてもよい。もし使用されるならば、塩は好ましくはアルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属から選択される。好ましくはそれらはH22、過酸と反応しない強酸
の塩又はそれらの混合物である。より好ましくは塩はNaCl,KCl,Na2SO4、K
2SO4,及び/又はNH4Clから選択される。
【0043】
もし使用されるならばコロイドは、加水分解されたポリビニルアセテート、アルキルセル
ロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、及びポリアクリル酸からなる群から選択さ
れる。好ましくは、該分散剤はノニオン性化合物である。最も好ましくは1以上の加水分
解されたポリビニルアセテート(PVA)の混合物である。適切に、PVAの加水分解の
程度は50〜95%、好ましくは90%までの範囲である。好ましくは、加水分解の程度
は少なくとも55%より好ましくは少なくとも60%であり、その結果PVAはジアシル
パーオキサイド含有化合物中に可溶性である。PVAの溶解度を上げるため、C1〜C4
アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、及び/又はイソプロパノールを添加す
ることが有利であり得る。
【0044】
すべての慣用の界面活性剤が使用され得る。しかし、重合化反応の分散を乱さないため、
及び最終ポリマーの性質に悪影響を及ぼさないため、界面活性剤は、好ましくは(生分解
性)カチオン化合物、例えば好ましい4級アンモニウム化合物、又はノニオン性界面活性
剤である。好ましい慣用のノニオン性界面活性剤は、アルコキシ化(脂肪)アルコール及
びアルコキシ化糖を含むがそれらに制限されない。
【0045】
過酸化工程から生じる水性混合物は“そのまま”重合化反応器に移され得る。しかし、ジ
アシルパーオキサイドの取り扱いの安全性を高めるため、少なくとも1の界面活性剤及び
/又はコロイドを添加して、その結果水性混合物中のジアシルパーオキサイドの物理的に
安定な分散物、又はジアシルパーオキサイド中の水性相の分散物が得られることが好まし
い。もし必要性ならば、分散された相(ドロップレット又は粒子サイズ)のサイズは任意
的なさらなる均一化工程において下げられ得る。しかし、そのような工程は得られた分散
物が安全でないときのみ必要である。適切に、これは分散物の100gの試料をジアシル
パーオキサイドが分解する温度まで加熱することにより検出される。もしある程度の相分
離が観察されるならば、最も安全でない相の特徴が決定的である。しかし、例えば重合化
容器におけるモノマーの上のジアシルパーオキサイドの均一な分布を高めるため(例えば
懸濁重合化法により生成されるPVCにおけるフィッシュアイの度合いを減らすため)非
常に細かく分散された相を得ることが望ましい。もしそのような細かい分散物(分散され
た相の体積当たりの平均サイズは10μm未満、好ましくは5μm未満、最も好ましくは
2μmである)が利益があるならば、特別な均一化工程が有利に導入され得る。任意の適
する(高)せん断ミキサー、例えばローター/ステイターホモジェナイザー、コロイドミ
ル、超音速装置などを用いて、均一化工程が行われ得る。
【0046】
好ましい実施態様において、本発明のジアシルパーオキサイドはフィードライン、例えば
重合化反応器に直接接続されているパイプ中で製造される。そうすると過酸化工程のため
の所望される(原)材料は適切な点においてパイプ中にフィードされる。次に任意的に、
重合化工程において使用される前に過酸化工程から得られる生成物を均一化するためにイ
ンラインミキサーが使用される。もしそのように所望されるならば、過酸化工程の生成物
の一部はジアシルパーオキサイドの収率を上げるための装置中で再循環されてもよい。も
しそのように所望されるならば、ラインは過酸化工程の後に水できれいにフラッシュ洗浄
されてもよい。しかし、それはもう1つの重合化反応器に切り替えることもまた可能であ
り、その結果過酸化は本質的に連続操業であり得る。
【0047】
過酸化工程から生じる生成物は、典型的には副生物及び残余の原材料を含む。特にジアシ
ルパーオキサイドがMOOH/M22を使用して製造されるとき、かなりの量の塩(MX
)が生成される。副生物は重合化反応において妨害となってはならない。しかし、塩はジ
アシルパーオキサイドのエマルジョンの安定性に悪影響を及ぼし、それは安全上の関心事
であり、塩は最終ポリマーの電気的性質にもまた悪影響を及ぼし得ることが公知である。
従って精製工程を含むことが好ましい可能性がある。安全の考慮に依存して、任意の界面
活性剤及び/又はコロイドが使用されることなく過酸化工程を行い、水相を分離して水相
(の一部)を捨て、その後ジアシルパーオキサイドに富んだ有機層がもし所望されるなら
ば適切な媒体及び/又は溶媒を用いて、分散及び/又は希釈されることが許容され得る。
もし水性ジアシルパーオキサイド分散物が得られるならば、慣用の界面活性剤及び/又は
コロイドは分散化工程において使用され得る。あるいは、塩(の一部)は慣用の技術、例
えば(逆)浸透作用、ナノろ過、イオン交換、沈殿などを用いて除去され得る。より好ま
しくない方法はジアシルパーオキサイドのための慣用の溶媒が混合物からのジアシルパー
オキサイドを抽出するために添加されるところの工程を含む。
【0048】
本発明の方法は、(メタ)アクリル酸(エステル)、スチレン、ビニルアセテート、アク
リロニトリル、塩化ビニルモノマー(VCM)など、1以上のエチレン性不飽和モノマー
を重合化させるのに極めて適している。好ましくは本発明の方法は、すべてのモノマーの
重量に基づいて少なくとも50重量%のVCMを含むモノマー混合物の重合化を含む。こ
の好ましい方法において、使用のための好ましいコモノマーは慣用のタイプのものであり
、ビニリデンクロライド、ビニルアセテート、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル
、スチレン及び(メタ)アクリレートを含む。より好ましくは重合化されるモノマーの少
なくとも80重量%はVCMでできており、最も好ましい方法において、モノマーは基本
的にVCMからなる。技術において公知であるように、そのような方法の重合化温度はか
なりの程度まで最終ポリマーの分子量を決める。
【0049】
重合化工程は、反応混合物が主にモノマーであるところの塊状法として、又は反応混合物
が典型的に水中のモノマーの懸濁物であるところの懸濁法、又はモノマーが典型的には水
中に乳化されているところのエマルジョン又はミクロエマルジョン法として行われること
ができる。これらの方法において通常の添加剤が使用されなければならない。例えばもし
モノマーが水の中に懸濁物として存在するならば、通常の添加剤、例えば界面活性剤、保
護コロイド、防汚剤、pHバッファー等が存在し得る。所望されるポリマーのタイプに依
存して上述された方法のそれぞれが好まれ得る。本発明の方法は特に塊状法および懸濁法
に適する。VCMからPVCを製造するための水性懸濁法において、重合化は通常約0℃
〜100℃の範囲の温度において行われる。しかし、本発明の方法の場合、約40〜約7
0℃の重合温度を採用することが好ましい、なぜならこれはその温度においてVCMが効
率的に重合化される温度であるから。重合化反応時間は約1〜約15時間、好ましくは2
〜6時間の範囲であり得る。水性懸濁物VCM重合化法はVCMに加えて典型的に水、分
散剤、遊離基開始剤、及び任意的なさらなる成分、例えばバッファー、ショートストップ
剤、予備安定剤などを含む。
【0050】
重合化の後に、得られる(共)重合体(又は樹脂)は先行技術において普通であるように
後処理される。本発明の懸濁重合化により得られたポリマーは、例えば通常の乾燥及び検
査工程に供される。得られた樹脂は、60℃における1時間の乾燥及び検査の直後に、好
ましくは50ppm未満の残渣のジアシルパーオキサイド、より好ましくは40ppm、
最も好ましくは25ppm未満のジアシルパーオキサイドを含むことを特徴とする。該樹
脂はISO 182−2(1990E)に従ってMetrastat(商標)PSD260の試験用オー
ブンで測定されて、優れた熱安定性を示すことが見出された。改善された熱安定性は該樹
脂が、例えば成形品を形成するために溶融加工工程に付されたときほとんど変色しないこ
とが分かった。
【0051】
本発明の方法は国際特許出願公開第00/17245号に開示されている重合化工程との
組み合わせに極めて適している。従って、本発明の好ましい実施態様は、少なくとも1の
ジアシルパーオキサイドが反応温度において重合化混合物に添加されるところの請求項1
の方法に関する。より好ましくは基本的にすべての有機開始剤、即ちジアシルパーオキサ
イド及びもし使用されるならば重合化工程において添加される他の慣用の開始剤が、重合
化温度において0.0001〜1.0時間、好ましくは0.001〜0.8時間、より好
ましくは0.002〜0.5時間の重合化温度における半減期を有する。もし1以上のジ
アシルパーオキサイドは他の開始剤と一緒に添加されるならば、ジアシルパーオキサイド
並びに他の開始剤はこれらの半減期の必要条件を満足することが好ましい。半減期は技術
において周知である、従来のモノクロロベンゼン中の熱分解の研究において測定されるこ
とが留意されたい(例えばAkzo Nobelから入手可能なコード番号10737の“高分子用開始
剤”のパンフレットを参照のこと)。
【0052】
重合化反応混合物への極めて速い開始剤の添加は、該方法において使用されたすべてのモ
ノマーの少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも6
0%が重合化される期間にわたって、断続的又は連続的であり得る。もし断続的な操作が
選択されたなら、開始剤が添加されるところの重合化温度において少なくとも2、好まし
くは少なくとも4、より好ましくは少なくとも10、最も好ましくは少なくとも20の機
会がある。もしそのように所望されるならば、断続及び連続操作は組み合わされ得、その
結果開始剤はある(より長いあるいはより短い)時間の間断続的に添加される。最も好ま
しくは、モノマーの少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少な
くとも20%、最も好ましくは少なくとも30%が既に重合化された後に、ジアシルパー
オキサイドは断続的及び/又は連続的に添加され、そして本方法において使用されるすべ
てのモノマーの少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なく
とも30%、最も好ましくは少なくとも50%が添加期間の間に重合化される。
【0053】
モノマー上へのジアシルパーオキサイドの均一な配分を促進するため、ジアシルパーオキ
サイドは、ジアシルパーオキサイド含有混合物の重量に基づいて0.1〜60重量%、よ
り好ましくは0.5〜25重量%、最も好ましくは2〜15重量%の濃度において添加さ
れる。
【0054】
添加は、反応器の任意の導入点において実行されることができる。例えば重合反応による
反応器の内容物の収縮を補うためにもし水が重合化工程の途中で添加されるならば、この
水が開始剤をもまた添加するためのラインを通して添加されるところのラインを使用する
ことが有利であり得る。最も好ましい実施態様においてジアシルパーオキサイドもまた該
ライン中で生産される。
【実施例】
【0055】
実験
以下の化学物質がジアシルパーオキサイドを製造する工程において使用された。すべての
実験は十分な安全対策をとって行われたことに留意されたい。この点において、純粋なジ
イソブタノイルパーオキサイドは特記できるほど爆発性であることにもまた留意されたい

【0056】
69.97%の含有率を有する市販入手可能な水性H22が使用された。
それぞれ25重量%、及び33重量%のNaOHを含むNaOH溶液(NaOH−25及
びNaOH−33)がBakerグレードのNaOH及び蒸留水から製造された。
それぞれ15重量%及び25重量%のNaClを含むNaCl溶液(NaCl−15及び
NaCl−25)がBakerグレードのNaCl及び蒸留水から製造された。
10重量%のNa2CO3を含むNa2CO3溶液がBakerグレードのNa2CO3と蒸留
水から製造された。
18重量%のHClを含むHCl溶液がBakerグレードのHClと蒸留水から製造さ
れた。
塩化イソブタノイル(99.3%)がBASFにより供給された。
塩化ラウロイル(98%)がAcrosにより供給された。
新鮮なPVA溶液、脱ミネラル水中のHarco製の5重量%のAlcotex(商標)7
2.5が使用の1日前に新鮮に製造された。
【0057】
実施例1
イソブタノイル−ラウロイルパーオキサイドの製造のため、反応器が0℃において35g
の脱イオン化された水、286gのNaCl−25溶液、110gのNa2CO3溶液、3
9gのNaOH−25溶液及び32.5gのH22溶液で充填された。次に50分以内に
て103.0gの塩化イソブタノイルが、NaOH−25溶液を用いてpH値を11.0
に保ちながら添加された。温度は0℃に保たれて、その間に反応器の内容物は均一化され
た。塩化イソブタノイルの合計量の添加後、反応混合物はさらに15分間pH11.0に
おいて攪拌された。それからpHはHCl溶液で10.0まで低下され、温度は5℃に至
らせられた。次に70.5gの塩化ラウロイルが10分間かけて添加され、その間NaO
H−25溶液を用いてpHを10.0に保った。塩化ラウロイルの全部の量の添加後、攪
拌はさらに15分間続けられた。
【0058】
2つの相系が分離するのを許すために、反応混合物は30分間放置された。水性相が除去
され(713g)、有機パーオキサイド相は300gのNaCl−15溶液で洗浄された
。再び、パーオキサイド相の単離を容易にするために、水性相及び有機相は分離すること
を許された(単離収率:145.0g)
【0059】
単離されたパーオキサイド相の分析:
35%のジイソブタノイルパーオキサイド
64%のイソブタノイル−ラウロイルパーオキサイド
<1%のジラウロイルパーオキサイド
<0.01%の酸塩化物
【0060】
実施例2及び比較例A〜D
実施例Aにおいて、国際特許出願公開第01/32613号の手順が繰り返された。まず
、Na22の溶液が108.3gの脱ミネラル水、18.5gのNaOH−33溶液、及
び3.7gの水性H22を混合物することにより製造された。第2の反応器が温度を5〜
10℃に制御しながら、33.3gの脱ミネラル水、27.7gのPVA溶液、及び16
.3gの塩化イソブタノイルで充填された。次に系が均一化されながら、Na22溶液が
添加された。ジイソブタノイルパーオキサイドは得られず、水性相のみが形成された。
【0061】
実施例Bにおいて、塩化イソブタノイルの代わりに塩化エチルブチロイルが使用された以
外は実施例Aと同じ手順が追従された。再びジアシルパーオキサイドは得られなかった。
【0062】
実施例Cにおいて、塩化イソブタノイルの代わりに塩化2エチルヘキサノイルが使用され
た以外は実施例Aと同じ手順が追従された。再びジアシルパーオキサイドは得られなかっ
た。得られる混合物は乳白色であった、恐らくたくさんの2−エチルヘキサン酸が形成さ
れ、それが水に溶解しなかったためである。
【0063】
実施例Dにおいて、実施例Aの手順が変形され、第2の反応器がすべて水、PVA溶液、
塩化イソブタノイル、及び水性H22で充填され、そしてNaOH−33溶液がそれから
5〜10℃の温度においてそれに添加された。ジイソブタノイルパーオキサイドの収率は
20重量%未満であることが期待される。
【0064】
実施例2において、141.5の脱ミネラル化された水、18.5gのNaOH−33溶
液、27.7gのPVA溶液、3.7gの水性H22で充填され、その後5〜10℃の温
度を保ちながらそして反応器の内容物を均一化しながら16.3gの塩化イソブタノイル
が反応器の内容物に添加された。エマルジョンが得られた。ジイソブタノイルパーオキサ
イドの収率は82重量%であった。もしエマルジョンが48時間以内に重合化反応におい
て使用されるならば、同じ量の従来の30重量%ジイソブタノイルパーオキサイドのイソ
ドデカン溶液を使用するとき観察されたのと同じVCMの重合化速度を示す。
【0065】
実施例3
実施例2の生成物が攪拌されることなしに5℃において1.5時間貯蔵された。該エマル
ジョンの活性酸素の濃度(式(I)のジアシルパーオキサイドの量の尺度)は2.5%減
少され、少しの相分離が起きた。実施例3において、反応器は175gの脱ミネラル水、
16.4gのNaOH−33溶液,43.8gのNaCI−25溶液、250.5gのN
2CO3溶液及び4.8gの水性H22で充填された。次に5〜10℃の温度を保ちなが
ら、そして反応器の内容物を均一化しながら23.1gの塩化イソブタノイルが反応器の
内容物に添加された。反応の終わりにおいて混合物はpH=7に中和された。十分な安全
対策を採りながら、2相系が分離するのを許され、70体積%の水性相が除去された。有
機相及び水相の残りに、207.2gの脱ミネラル水、109.3gのPVA溶液、13
.7gのメタノール及び21.9gの水性 0.2重量%のBerol(商標) 08 (Akzo
Nobel製のノニオン性乳化剤)が添加された。 2.5時間超安定であり、VCMの重合化
工程において良好な性能を示す分散物が得られた。ジイソブタノイルパーオキサイドの収
率は、塩化イソブタノイルに基づいて86%、H22に基づいて93%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程;
いわゆる過酸化工程において下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物、


ここでXはハライドであり、好ましくは塩素又は臭素、最も好ましくは塩素である、

i)MOOH/M22、ここでMは、該方法において存在する1以上のパーオキサイドを
分解することなくH22と反応して、MOOH/M22を生成するところの任意の金属又
はアンモニウム含有基であり、好ましくはMはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、及びリチウムから成る群から選択される、及び/又は
ii)下記式(III)の1以上の過酸又はそのM塩



と、水性相において反応させることにより、下記式(I)のジアシルパーオキサイド、



ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるなら
ば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該工程においてR1−C−R2及び/又はR3−C
−R4は、飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立
して選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及び
3−C(R4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表す、
を含む水性混合物を製造する工程であって、該工程において酸ハロゲン化物又は酸ハロゲ
ン化物の混合物が、MOOH/M22及び/又は1以上の過酸又は過酸の塩、好ましくは
22又は過酸のM塩を含む水と基本的には接触されるだけである工程、
本方法の任意の部分において酸ハロゲン化物のための1以上の溶媒を導入する任意的工程

本方法の任意の部分において1以上の塩を導入する任意的工程、
過酸化工程の前、間、又は後に、1以上のコロイド及び/又は界面活性剤を導入する任意
的工程、
1以上の精製工程において該水性混合物を精製する任意的工程、
1以上の均一化工程において該水性混合物を均一化する任意的工程、
式(I)のジアシルパーオキサイドを含むところの前の工程からの生成物を重合化反応器
へ移す任意的工程、及び
1以上のエチレン性不飽和モノマーの存在下、該ジアシルパーオキサイドを熱的に分解し
て有機遊離基を生成して、前記モノマーを上記重合化反応器中で重合化させる工程、
を含む方法。
【請求項2】
以下の工程;
いわゆる過酸化工程において下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物、


ここでXはハライドであり、好ましくは塩素又は臭素、最も好ましくは塩素である、

i)MOOH/M22、ここでMは、該方法において存在する1以上のパーオキサイドを
分解することなくH22と反応して、MOOH/M22を生成するところの任意の金属又
はアンモニウム含有基であり、好ましくはMはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、及びリチウムから成る群から選択される、及び/又は
ii)下記式(III)の1以上の過酸又はそのM塩


と、水性相において反応させることにより、下記式(I)のジアシルパーオキサイド、



ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるなら
ば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該工程においてR1−C−R2及び/又はR3−C
−R4は、飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立
して選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及び
3−C(R4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表し、ただしさ
らにR2がハロゲンであってR4が水素であり、かつR1とR3の両方が約10〜約16の炭
素原子を有する長鎖アルキル基であるところの式(I)のジアシルパーオキサイドは除か
れる、
を含む水性混合物を製造する工程であって、該工程において酸ハロゲン化物又は酸ハロゲ
ン化物の混合物が、MOOH/M22及び/又は1以上の過酸又は過酸の塩、好ましくは
22又は過酸のM塩を含む水と基本的には接触に至らせられるだけである工程、
本方法の任意の部分において酸ハロゲン化物のための1以上の溶媒を導入する任意的工程

本方法の任意の部分において1以上の塩を導入する任意的工程、
過酸化工程の前、間、又は後に1以上のコロイド及び/又は界面活性剤を導入する任意的
工程、
1以上の精製工程において該水性混合物を精製する任意的工程、
1以上の均一化工程において該水性混合物を均一化する任意的工程、
式(I)のジアシルパーオキサイドを含むところの前の工程からの生成物を重合化反応器
へ移す工程、及び
1以上のエチレン性不飽和モノマーの存在下、前記ジアシルパーオキサイドを熱的に分解
して、有機遊離基を生成して前記モノマーを前記重合化反応器中で重合化させる工程、
を含む方法。
【請求項3】
以下の工程;
いわゆる過酸化工程において下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物、


ここでXはハライドであり、好ましくは塩素又は臭素、最も好ましくは塩素である、

i)MOOH/M22、ここでMは、該方法において存在する1以上のパーオキサイドを
分解することなくH22と反応して、MOOH/M22を生成するところの任意の金属又
はアンモニウム含有基であり、好ましくはMはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、及びリチウムから成る群から選択される、及び/又は
ii)下記式(III)の1以上の過酸又はそのM塩


と、水性相において反応させることにより、下記式(I)のジアシルパーオキサイド、



ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるなら
ば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該工程においてR1−C−R2及び/又はR3−C
−R4は、飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立
して選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及び
3−C(R4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表し、ただしさ
らにR2がハロゲンであってR4が水素であり、かつR1とR3の両方がアルキル基であるな
らば、これらのアルキル基のそれぞれは約6までの炭素原子を有する、
を含む水性混合物を製造する工程であって、該工程において酸ハロゲン化物又は酸ハロゲ
ン化物の混合物が、MOOH/M22及び/又は1以上の過酸又は過酸の塩、好ましくは
22又は過酸のM塩を含む水と基本的には接触に至らせられるだけである工程、
本方法の任意の部分において酸ハロゲン化物のための1以上の溶媒を導入する任意的工程

本方法の任意の部分において1以上の塩を導入する任意的工程、
過酸化工程の前、間、又は後に1以上のコロイド及び/又は界面活性剤を導入する任意的
工程、
1以上の精製工程において該水性混合物を精製する任意的工程、
1以上の均一化工程において該水性混合物を均一化する任意的工程、
式(I)のジアシルパーオキサイドを含むところの前の工程からの生成物を重合化反応器
へ移す工程、及び
1以上のエチレン性不飽和モノマーの存在下、前記ジアシルパーオキサイドを熱的に分解
して有機遊離基を生成して、前記モノマーを前記重合化反応器中で重合化させる工程、
を含む方法。
【請求項4】
以下の工程;
いわゆる過酸化工程において下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物、


ここでXはハライドであり、好ましくは塩素又は臭素、最も好ましくは塩素である、

i)MOOH/M22、ここでMは、該方法において存在する1以上のパーオキサイドを
分解することなくH22と反応して、MOOH/M22を生成するところの任意の金属又
はアンモニウム含有基であり、好ましくはMはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、及びリチウムから成る群から選択される、及び/又は
ii)下記式(III)の1以上の過酸又はそのM塩


と、水性相において反応させることにより、下記式(I)のジアシルパーオキサイド、


ここでR1〜R4は独立して、水素、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、任意的に1
以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びアラルキル基
からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR3及び/又
はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるならば、R1
び/又はR2は水素ではなく、該工程においてR1−C−R2及び/又はR3−C−R4は、
飽和又は不飽和であり得る環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立して選択さ
れる基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及びR3−C(R
4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表す、
を含む水性混合物を製造する工程であって、該工程において酸ハロゲン化物又は酸ハロゲ
ン化物の混合物が、MOOH/M22及び/又は1以上の過酸又は過酸の塩、好ましくは
22又は過酸のM塩を含む水と基本的には接触に至らせられるだけである工程、
本方法の任意の部分において酸ハロゲン化物のための1以上の溶媒を導入する任意的工程

本方法の任意の部分において1以上の塩を導入する任意的工程、
過酸化工程の前、間、又は後に1以上のコロイド及び/又は界面活性剤を導入する任意的
工程、
1以上の精製工程において該水性混合物を精製する任意的工程、
1以上の均一化工程において該水性混合物を均一化する任意的工程、
式(I)のジアシルパーオキサイドを含むところの前の工程からの生成物を重合化反応器
へ移す工程、及び
1以上のエチレン性不飽和モノマーの存在下、前記ジアシルパーオキサイドを熱的に分解
して有機遊離基を生成して、前記モノマーを前記重合化反応器中で重合化させる工程、
を含む方法。
【請求項5】
以下の工程;
いわゆる過酸化工程において下記式(II)の1以上の酸ハロゲン化物、


ここでXはハライドであり、好ましくは塩素又は臭素、最も好ましくは塩素である、

i)MOOH/M22、ここでMは、該方法において存在する1以上のパーオキサイドを
分解することなくH22と反応して、MOOH/M22を生成するところの任意の金属又
はアンモニウム含有基であり、好ましくはMはアンモニウム、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、カルシウム、及びリチウムから成る群から選択される、及び/又は
ii)下記式(III)の1以上の過酸又はそのM塩


と、水性相において反応させることにより、下記式(I)のジアシルパーオキサイド、



ここでR1〜R4は独立して、水素、ハロゲン、及び飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐の、
任意的に1以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルカリール、及びア
ラルキル基からなる群から選択され、ただしもしR1及び/又はR2が水素であるならばR
3及び/又はR4は水素ではなく、またその逆に、もしR3及び/又はR4が水素であるなら
ば、R1及び/又はR2は水素ではなく、該工程においてR1−C−R2及び/又はR3−C
−R4は、飽和又は不飽和でありうる環構造の一部であることができ、かつ1以上の独立
して選択される基R1で置換されていることができる、あるいは,R1−C(R2)H及び
3−C(R4)Hの一方が、任意的に置換されていてもよい芳香環構造を表す、
を含む水性混合物を製造する工程であって、該工程において酸ハロゲン化物又は酸ハロゲ
ン化物の混合物が、MOOH/M22及び/又は1以上の過酸又は過酸の塩、好ましくは
22又は過酸のM塩を含む水と基本的には接触に至らせられるだけである工程、
本方法の任意の部分において酸ハロゲン化物のための1以上の溶媒を導入する任意的工程

本方法の任意の部分において1以上の塩を導入する任意的工程、
過酸化工程の前、間、又は後に1以上のコロイド及び/又は界面活性剤を導入する任意的
工程、
1以上の精製工程において該水性混合物を精製する任意的工程、
1以上の均一化工程において該水性混合物を均一化する任意的工程、
式(I)のジアシルパーオキサイドを含むところの前の工程からの生成物を重合化反応器
へ移す工程、及び
1以上のエチレン性不飽和モノマーの存在下、前記ジアシルパーオキサイドを熱的に分解
して有機遊離基を生成して、前記モノマーを前記重合化反応器中で重合化させる工程、
を含む方法において、式(I)のジアシルパーオキサイドが重合化反応器に移されるとき
、水性相における前の工程から常に移されるところの方法。
【請求項6】
過酸化工程において得られるジアシルパーオキサイドが、前記過酸化工程後168時間の
期間内に重合化工程において使用されるところの、請求項1〜5のいずれか1項に記載の
方法。
【請求項7】
ジアシルパーオキサイドが本方法において5℃までの温度において貯蔵され取り扱われる
ところの、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
M及びH22の源からMOOH/M22を製造し、そして過酸化工程を行うために全く同
じ反応器が使用されるところの、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
エチレン性不飽和モノマーの重量に基づいて、0.005〜2重量%のジアシルパーオキ
サイドが重合化工程において使用されるところの、請求項1〜8のいずれか1項に記載の
方法。
【請求項10】
該エチレン性不飽和モノマーが塩化ビニルモノマーを含むところの、請求項1〜9のいず
れか1項に記載の方法。
【請求項11】
ハロゲン化ラウロイル、ハロゲン化イソブタノイル、ハロゲン化2−エチルブタノイル、
ハロゲン化2−エチルヘキサノイル、ハロゲン化2−クロロプロパノイル、シクロヘキサ
ンカルボニルハライド、3−メチルシクロヘキサンカルボニルハライド、及び2,3−ジ
ハロシクロヘキサンカルボニルハライドからなる群から選択される少なくとも1の酸ハロ
ゲン化物が使用されるところの、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1の得られるジアシルパーオキサイドが非対称であるところの、請求項1〜1
1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
過酸が過酸化工程において使用されるところの、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
基本的に溶媒なしであるところの、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ジアシルパーオキサイドが、反応温度において重合化反応混合物に添加されるところの、
請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2011−80079(P2011−80079A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264244(P2010−264244)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【分割の表示】特願2003−573038(P2003−573038)の分割
【原出願日】平成15年2月20日(2003.2.20)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】