説明

ジアミド型ヒドロゲル化剤

【課題】新規な化学構造を有するヒドロゲル化剤、及び、ヒドロゲルを提供すること。
【解決手段】式(1)で示されるベンズアミド誘導体、式(1)で示されるベンズアミド誘導体を有効成分として含むヒドロゲル化剤、及び、式(1)で示されるベンズアミド誘導体と水とを含んでなるヒドロゲル。(式中で、XはOH又はNHを、ZはNHCO又はCONHのアミド結合を、kは0から4までの整数を、mは1から100までの整数を、nは1から6までの整数を、pは1から6までの整数を表す。また、Rは酸素原子を介して結合した炭素数8から22までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から22までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から22までの炭化水素鎖を表し、RとRは同時にHではない。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化学構造を有するヒドロゲル化剤、及び、ヒドロゲルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
低分子ゲルは、低分子化合物が分子間力による自己組織化により3次元ネットワークを形成することによって、溶媒分子を捕捉したゲルである(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
低分子ゲルは、ゲルを形成する低分子化合物の分子設計が可能なことから、分離膜、センサー、触媒、電子材料、バイオ素材等、様々な分野への応用が期待されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
我々も、新規な構造を有する3,4,5−長鎖アルキルオキシベンズアミド誘導体を合成し(特許文献1参照)、その一部の化合物が有機溶媒をゲル化することを見出し、さらに、アミド結合の数を増やすことでゲル化能が高まることを見出した(特許文献2参照)。
【0005】
しかし、バイオ素材への応用を考えた場合、有機溶媒をゲル化したオルガノゲルよりも、水をゲル化したヒドロゲルが望ましいことは明らかであるが、低分子が形成するヒドロゲルの報告は少ない(例えば、非特許文献3参照)。また、得られたヒドロゲルをバイオ素材として利用する場合、ヒドロゲル自体が生体適合性を持つことが望ましいが、こうした観点からの報告はほとんど無かった。
【0006】
我々は、これまでに、エチレングリコールのオリゴマー又はポリマー誘導体を結合した3,4,5−長鎖アルキルオキシベンズアミド誘導体を合成し、これらの化合物が医療用材料等に生体適合性を付与する目的で使用できること(特許文献3参照)、また、これらの化合物が有機溶媒をゲル化すること(特許文献4参照)を開示したばかりでなく、さらに、これらの化合物がヒドロゲルを形成することを見出した(特許文献5参照)。しかし、目的や用途に応じてヒドロゲルの物性や調製法等を最適化するために、さらに新規な分子構造を有するヒドロゲル化剤の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−122889号公報
【特許文献2】特開2004−262809号公報
【特許文献3】特開2005−232061号公報
【特許文献4】特開2005−232278号公報
【特許文献5】特開2007−217551号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)、1997年、97巻、p.3133−3159
【非特許文献2】アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、2000年、39巻、p.2263−2266
【非特許文献3】ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)、2004年、104巻、p.1201−1217
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、新規な化学構造を有するヒドロゲル化剤、及び、ヒドロゲルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に関して鋭意検討した結果、本発明者らは、式(1)で示されるエチレングリコールのオリゴマー又はポリマー誘導体を、複数のアミド結合を介して結合する新規なベンズアミド誘導体が、対応するアミド結合が1つだけのベンズアミド誘導体に比べて、ヒドロゲルを形成する能力が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【化1】


(式中で、XはOH又はNHを、ZはNHCO又はCONHのアミド結合を、kは0から4までの整数を、mは1から、好ましくは7から、100までの整数を、nは1から、好ましくは2から、6までの整数を、pは1から6までの整数を表す。また、Rは酸素を介して結合した炭素数8から22まで、好ましくは12から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素を介して結合した炭素数1から22まで、好ましくは18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素を介して結合した炭素数1から22まで、好ましくは18までの炭化水素基を表し、RとRは同時にHではない。また、好ましくは、R及びRは酸素原子を介して結合した炭素数12から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から18までの炭化水素基を表す。)
すなわち、本発明は、式(1)で示されるベンズアミド誘導体、式(1)で示されるベンズアミド誘導体を有効成分として含むヒドロゲル化剤、及び、式(1)で示されるベンズアミド誘導体と水とを含んでなるヒドロゲルを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、分子の自己組織化により、エチレングリコールのオリゴマー又はポリマーを部分構造とする化合物がヒドロゲル化する希な分子種に、新たな分子構造の多様性を加えるものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のベンズアミド誘導体は、式(1)で表される化合物である。
【化2】


(式中で、XはOH又はNHを、ZはNHCO又はCONHのアミド結合を、kは0から4までの整数を、mは1から、好ましくは7から、100までの整数を、nは1から、好ましくは2から、6までの整数を、pは1から6までの整数を表す。また、Rは酸素を介して結合した炭素数8から22まで、好ましくは12から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素を介して結合した炭素数1から22まで、好ましくは18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素を介して結合した炭素数1から22まで、好ましくは18までの炭化水素基を表し、RとRは同時にHではない。また、好ましくは、R及びRは酸素原子を介して結合した炭素数12から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から18までの炭化水素基を表す。)
なお、室温付近でのヒドロゲル形成の観点からmは7以上(より好ましくは20以上80以下)、Rの炭素数は12から18まで、RとRの炭素数は18以下が好ましく、合成工程の観点からnは2以上が好ましい。
式(1)で示されるベンズアミド誘導体は、例えば、酸素を介して炭化水素基と結合した安息香酸誘導体と末端に保護されたカルボキシ基又はアミノ基を持つアミン誘導体をアミド縮合し(特開2004−2628091)、脱保護の後、エチレングリコールのオリゴマー又はポリマーのアミン誘導体又はカルボン酸誘導体をアミド縮合することによって得られる。また、末端のXとエチレングリコールのオリゴマー又はポリマーの間のアルキル鎖長、及び、Zとエチレングリコールのオリゴマー又はポリマーの間のアルキル鎖長は、下に記載のエチレングリコールのオリゴマー又はポリマーのアミン誘導体又はカルボン酸誘導体の合成法に準じて調整が可能である。
【0013】
エチレングリコールのオリゴマー又はポリマーのアミン誘導体は、例えば、市販のエチレングリコールのオリゴマー又はポリマーの一端、又は、両端を、順次、トシル化又はメシル化、トシル基又はメシル基のヨウ素化、ヨウ素基のフタルイミドへの変換、ヒドラジンによる脱保護によって得られる。また、市販で入手できない長さのオリゴマーについては、オリゴエチレングリコールの一端を保護し、他の一端をトシル化して、合計が必要な長さとなるオリゴエチレングリコールと縮合の後、脱保護して得られる化合物(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)2004年、69巻、p.639−647)の一端、又は、両端を、順次、トシル化又はメシル化、トシル基又はメシル基のヨウ素化、ヨウ素基のフタルイミドへの変換、ヒドラジンによる脱保護によって得られる(バイオケミストリー(Biochemistry)1980年、19巻、p.4595−4600)。あるいは、トシル化又はメシル化に続いて、トシル基又はメシル基のアジド化、それに引き続く還元によっても同様の化合物が得られる。
【0014】
エチレングリコールのオリゴマー又はポリマーのカルボン鎖誘導体は、同様に、例えば、末端に保護されたカルボキシ基を持つアルコールとのエーテル形成によって得られる。
【0015】
3、4、5位に酸素原子を介して同じ炭化水素基を結合した安息香酸誘導体は、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸エステルをエーテル化の後、エステルを加水分解することによって得られる。
【0016】
5位が水素で、3位と4位に酸素原子を介して同じ炭化水素基を結合した安息香酸誘導体は、3,4−ジヒドロキシ安息香酸エステルを原料に、3位と4位を同時にエーテル化した後、エステルを加水分解することによって得られる。また、3位と4位に酸素原子を介して異なる炭化水素基を結合した安息香酸誘導体は、例えば、3位と4位の反応性の違いを利用して、4位を選択的にエーテル化し、続いて、3位を4位とは異なる炭化水素基によってエーテル化した後、エステルを加水分解することによって得られる。
【0017】
5位に酸素原子を介して3位と4位とは異なる炭化水素基を有する安息香酸誘導体は、例えば、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸エステルの3位と4位をボロン酸誘導体の選択的な架橋を用いて保護し、5位をエーテル化の後、該ボロン酸誘導体を脱保護し、上記と同様の方法で、3位と4位のエーテル化と、それに続くエステルの加水分解によって得られる。
4位が水素で、3位と5位に酸素原子を介して同じ炭化水素基を結合した安息香酸誘導体は、3,5−ジヒドロキシ安息香酸エステルを原料に、3位と5位を同時にエーテル化した後、エステルを加水分解することによって得られる。また、3位と5位に酸素原子を介して異なる炭化水素基を有する安息香酸誘導体は、例えば、エーテル化の際の炭化水素化剤の当量を抑えて、片側がエーテル化されたものを単離し、残りの水酸基を異なる炭化水素化剤でエーテル化した後、エステルを加水分解することによって得られる。
【0018】
4位に酸素原子を介して3位と5位とは異なる炭化水素基を有する安息香酸誘導体は、例えば、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸エステルの4位の反応性の差を利用して、まず、4位をエーテル化の後、上記と同様の方法で、3位と5位のエーテル化と、それに続くエステルの加水分解によって得られる。
【0019】
式(1)で示されるベンズアミド誘導体は、そのまま単独で、あるいは、そのヒドロゲル化を妨げない物質との混合物として、ヒドロゲル化剤として用いることができる。
【0020】
ヒドロゲルは、式(1)で示されるベンズアミド誘導体を有効成分として含むヒドロゲル化剤を、適当量、水に懸濁させ、そのままヒドロゲルを用いる温度まで加熱するか、又は、一旦、ヒドロゲル化剤が溶解する温度まで加熱の後、室温まで冷却するか、該冷却後再度加熱するか、若しくは、該冷却後さらに低い温度まで冷却することによって製造する。
【0021】
以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記述に限定されるものではない。なお、以下において、EDC・HClは水溶性カルボジイミド塩酸塩の、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物の、PEGはポリエチレングリコールの略号である。
【実施例】
【0022】
<合成例1>
(一端をアミノ基に変換した分子量1540のPEGの合成)
分子量1540のPEG(3.08g,2.00mmol)をピリジン(10ml)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド(0.76g,4.00mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後クロロホルム(100ml)を加え、1M HCl(100ml)で中和し、溶液を4%NaHCO、飽和NaClの順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、一端がトシル化された分子量1540のPEG(3.346g,1.95mmol,98%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ=7.80(2H,d,J=8.4Hz,2,6−H of TsO),7.34(2H,d,J=8.0Hz,3,5−H of Ts),4.16(2H,t,J=5.0Hz,CHOTs),3.83〜3.45(138H,m,OCH×69),2.45(3H,s,4−CH of Ts)。
【0023】
一端がトシル化された分子量1540のPEG(3.346g,1.95mmol)をアセトニトリル(15ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(0.1904g,2.93mmol)を加え、32時間加熱還流した。反応終了後室温に戻し、水(20ml)を加えた。ジクロロメタンを加え有機相を抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別し、溶媒を留去して、一端がアジド化された分子量1540のPEG(2.889g,1.82mmol,93%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ=3.83〜3.45(138H,m,OCH×69),3.39(2H,t,J=5.0Hz,CH)。
【0024】
一端がアジド化された分子量1540のPEG(2.889g,1.82mmol)をメタノール(100ml)に溶解し、触媒量の二酸化白金を加えH気流下、室温で2時間撹拌した。反応終了後、二酸化白金をセライト用いて除去した。溶媒を留去し、一端をアミノ基に変換した分子量1540のPEG(2.351g,1.51mmol,83%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ=3.83〜3.45(138H,m,OCH×69),2.86(2H,t,J=5.2Hz,CHN)。
【0025】
<合成例2>
(一端をアミノ基に変換した分子量2000のPEGの合成)
分子量2000のPEG(4.00g,2.00mmol)をピリジン(10ml)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド(0.76g,4.00mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応終了後クロロホルム(100ml)を加え、1M HCl(100ml)で中和し、溶液を4%NaHCO、飽和NaClの順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、一端がトシル化された分子量2000のPEG(4.140g,1.92mmol,96%)を得た。
【0026】
H−NMR(CDCl)δ=7.79(2H,d,J=8.0Hz,2,6−H of TsO),7.34(2H,d,J=8.0Hz,3,5−H of Ts),4.16(2H,t,J=5.2Hz,CHOTs),3.83〜3.45(178H,m,OCH×89),2.45(3H,s,4−CH of Ts)。
【0027】
一端がトシル化された分子量2000のPEG(4.140g,1.92mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(0.195g,3.00mmol)を加え、32時間加熱還流した。反応終了後室温に戻し、水(20ml)を加えた。ジクロロメタンを加え、有機相を抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別し、溶媒を留去して、一端がアジド化された分子量2000のPEG(3.280g,1.62mmol,84%)を得た。
【0028】
H−NMR(CDCl)δ=3.83〜3.45(178H,m,OCH×89),3.39(2H,t,J=5.2Hz,CH)。
【0029】
一端がアジド化された分子量2000のPEG(1.537g,0.759mmol)をピリジン(5ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(0.394g,1.50mmol)を加え室温で、2時間撹拌した。反応終了後、28 %NHOH(10ml)を加え2時間静置した。溶媒を留去し、一端をアミノ基に変換した分子量2000のPEGを含んだ生成物を得た。
【0030】
H−NMR(CDCl)δ=3.83〜3.45(178H,m,OCH×89),2.86(2H,t,J=5.2Hz,CHN)。
【0031】
<実施例1>
(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=29〜32、n=2、p=1、R=R=OC1429、R=OCHのベンズアミド誘導体の合成)
グリシン(0.375g,5.00mmol)をメタノール(5ml)に溶解し、0℃に溶液を冷却しながら塩化チオニル(1.07ml,15.0mmol)を滴下した。滴下後60℃まで加熱し、一晩加熱還流した。反応終了後、溶媒を留去し、グリシンメチルエステル塩酸塩(0.370g,0.175mmol,58%)を得た。
【0032】
H−NMR(CDCl)δ=3.80(3H,s,COOCH),3.73(2H,s,NCH)。
【0033】
3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ安息香酸(バイオオーガニック・メディシナル・ケミストリー(Bioorg.Med.Chem.)2002年、10巻、p.4013−4022)(0.577g,1.00mmol)をTHF(5ml)に溶解し、HOBt(0.170g,1.20mmol)とEDC・HCl(0.230g,1.20mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、グリシンメチルエステル塩酸塩(0.151g,1.20mmol)をTHF(5ml)に溶解し、さらにトリエチルアミン(0.222ml,1.60mmol)を加えた混合溶液を、反応溶液に加えて室温で一晩攪拌した。反応終了後、クロロホルムで希釈し、4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製し、N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酢酸メチル(0.499g,0.770mmol,77%)を得た。
【0034】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=7.00(2H,s,2,6−H),6.52(1H,br−t,NH),4.23(2H,d,J=6Hz,NCH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.87(3H,s,4−OCH),3.81(3H,s,COOCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0035】
N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酢酸メチル(0.100g,0.154mmol)をエタノール(9ml)と水(3ml)に溶解し、水酸化カリウム(0.1g)を加え、78℃で一晩加熱還流した。反応溶液を室温に戻し、2%HCl(20ml)、ジクロロメタン(12ml)を加え、さらに50時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、メタノールを加え、N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酢酸(0.955g,0.151mmol,98%)を得た。
【0036】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=7.00(2H,s,2,6−H),6.56(1H,br−t,NH),4.28(2H,d,J=5Hz,NCH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.87(3H,s,4−OCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.25(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0037】
N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酢酸(0.0317g,0.0500mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、HOBt(0.0085g,0.060mmol)とEDC・HCl(0.0115g,0.060mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン(5ml)に、一端をアミノ基に変換した分子量1540のPEG(過剰量の未精製物)を溶解し、滴下ロートを用いて反応溶液に滴下しながら、さらに2時間撹拌した。反応終了後、有機相を4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、目的物(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=29〜32、n=2、p=1、R=R=OC1429、R=OCHであるベンズアミド誘導体)(0.0215g,0.0105mmol,21%)を得た。
【0038】
H−NMR(CDCl)δ=7.08(2H,s,2,6−H),4.11(2H,d,J=5Hz,NCH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.86(3H,s,4−OCH),3.86−3.49(128H,m,OCHCH×32),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0039】
<実施例2>
(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=42〜45、n=2、p=1、R=R=OC1429、R=OCHのベンズアミド誘導体の合成)
実施例1の合成中間体であるN−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酢酸(0.0317g,0.0500mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、HOBt(0.0085g,0.060mmol)とEDC・HCl(0.0115g,0.060mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン(5ml)に、一端をアミノ基に変換した分子量2000のPEG(過剰量の未精製物)を溶解し、滴下ロートを用いて反応溶液に滴下しながら、さらに2時間撹拌した。反応終了後、溶液を4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、目的物(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=42〜45、n=2、p=1、R=R=OC1429、R=OCHであるベンズアミド誘導体)(0.0809g,0.0310mmol,62%)を得た。
【0040】
H−NMR(CDCl)δ=7.08(2H,s,2,6−H),4.11(2H,d,J=5Hz,NCH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.86(3H,s,4−OCH),3.86−3.49(180H,m,OCHCH×45),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0041】
<実施例3>
(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=42〜45、n=2、p=2、R=R=OC1429、R=OCHのベンズアミド誘導体の合成)
メタノール(5ml)を0℃に冷却しながら塩化チオニル(1.07ml,15.0mmol)を滴下後30分間撹拌した。β−アラニン(0.445g,5.00mmol)を加え室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、β−アラニンメチルエステル塩酸塩(0.546g,3.91mmol,78%)を得た。
【0042】
H−NMR(CDCl)δ=3.80(3H,s,COOCH),3.18(2H,t,J=6Hz,NCH),2.79(2H,t,J=6Hz,NCCH)。
【0043】
3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ安息香酸(0.289g,0.500mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、HOBt(0.085g,0.600mmol)とEDC・HCl(0.115g,0.600mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、β−アラニンメチルエステル塩酸塩(0.105g,0.750mmol)をジクロロメタン(5ml)に懸濁させ、試料が完全に溶解するまで、徐々にトリエチルアミンを加えた混合溶液を、先の反応溶液に加えて室温で一晩攪拌した。反応終了後、溶液をクロロホルムで希釈し、4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製し、N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノプロピオン酸メチル(0.239g,0.361mmol,72%)を得た。
【0044】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=7.00(2H,s,2,6−H),6.53(1H,br−t,NH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.86(3H,s,4−OCH),3.71(3H,s,COOCH),3.70(2H,t,J=6Hz,NCH),2.70(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0045】
N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノプロピオン酸メチル(0.239g,0.361mmol)をエタノール(20ml)と水(9ml)に溶解し、水酸化カリウム(0.5g)を加え、78℃で一晩加熱還流した。反応溶液を室温に戻し、2%HCl(50ml)、ジクロロメタン(30ml)を加えさらに50時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、メタノールを加え、N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノプロピオン酸(0.215g,0.332mmol,92%)を得た。
【0046】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=6.95(2H,s,2,6−H),6.65(1H,br−t,NH),4.02(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.86(3H,s,4−OCH),3.72(2H,quartet,J=6Hz,NCH),2.73(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0047】
N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノプロピオン酸(0.0648g,0.100mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、HOBt(0.0170g,0.120mmol)とEDC・HCl(0.0230g,0.120mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン(5ml)に一端をアミノ基に変換した分子量2000のPEG(過剰量の未精製物)を溶解し、滴下ロートを用いて反応溶液に滴下しながら、さらに2時間撹拌した。反応終了後、溶液を4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、目的物(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=42〜45、n=2、p=2、R=R=OC1429、R=OCHであるベンズアミド誘導体)(0.149g,0.0568mmol,57%)を得た。
【0048】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=7.00(2H,s,2,6−H),6.75(1H,br−t,NH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.85(3H,s,4−OCH),3.86−3.44(180H,m,OCHCH×45),2.52(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.81(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.25(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0049】
<実施例4>
(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=42〜45、n=2、p=3、R=R=OC1429、R=OCHのベンズアミド誘導体の合成)
メタノール(5ml)を0℃に冷却しながら塩化チオニル(1.07ml,15.0mmol)を滴下後30分間撹拌した。4−アミノ酪酸(0.445g,5.00mmol)を加え室温で一晩撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、4−アミノ酪酸メチルエステル塩酸塩(0.550g,3.58mmol,72%)を得た。
【0050】
H−NMR(CDCl)δ=3.27(3H,s,COOCH),2.89(2H,t,J=6Hz,NCH),2.37(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.87(2H,quintet,J=6Hz,NCCH)。
【0051】
3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ安息香酸(0.289g,0.500mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、HOBt(0.085g,0.600mmol)とEDC・HCl(0.115g,0.600mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、4−アミノ酪酸メチルエステル塩酸塩(0.115g,0.750mmol)をジクロロメタン(5ml)に懸濁させ、試料が完全に溶解するまで、徐々にトリエチルアミンを加えた混合溶液を、先の反応溶液に加えて室温で一晩攪拌した。反応終了後、溶液をクロロホルムで希釈し、4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製し、N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酪酸メチル(0.220g,0.325mmol,65%)を得た。
【0052】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=7.00(2H,s,2,6−H),6.53(1H,br−t,NH),4.04(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.86(3H,s,4−OCH),3.67(3H,s,COOCH),3.49(2H,quartet,J=6Hz,NCH),2.47(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.97(2H,quintet,J=6Hz,NCCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0053】
N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酪酸(0.220g,0.325mmol)をエタノール(20ml)と水(7ml)に溶解し、水酸化カリウム(0.5g)を加え、78℃で一晩加熱還流した。反応溶液を室温に戻し、2%HCl(50ml)、ジクロロメタン(30ml)を加えさらに50時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、メタノールを加え、N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酪酸(0.203g,0.307mmol,95%)を得た。
【0054】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=6.97(2H,s,2,6−H),6.43(1H,br−t,NH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.89(3H,s,4−OCH),3.53(2H,quartet,J=6Hz,NCH),2.48(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.97(2H,quintet,J=6Hz,NCCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0055】
N−(3,5−ビス(テトラデシルオキシ)−4−メトキシ)ベンゾイル−2−アミノ酪酸(0.0662g,0.100mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、HOBt(0.0170g,0.120mmol)とEDC・HCl(0.0230g,0.120mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン(5ml)に一端をアミノ基に変換した分子量2000のPEG(過剰量の未精製物)を溶解し、滴下ロートを用いて反応溶液に滴下しながら、さらに2時間撹拌した。反応終了後、溶液を4%NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液の順で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水した。乾燥剤をろ別して、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、目的物(式(1)で、X=OH、Z=NHCO、k=0、m=42〜45、n=2、p=3、R=R=OC1429、R=OCHであるベンズアミド誘導体)(0.146g,0.0552mmol,55%)を得た。
【0056】
白色粉末; H−NMR(CDCl)δ=6.97(2H,s,2,6−H),6.43(1H,br−t,NH),4.03(4H,t,J=7Hz,3,5−OCH),3.89(3H,s,4−OCH),3.76−3.47(180H,m,OCHCH×45),2.48(2H,t,J=6Hz,NCCH),1.97(2H,quintet,J=6Hz,NCCH),1.82(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.46(4H,quintet,J=7Hz,3,5−OCCH),1.26(40H,m,3,5−OC1020),0.88(6H,t,J=7Hz,3,5−OC13CH)。
【0057】
<実施例5>
(実施例1の化合物のヒドロゲル形成)
実施例1で合成したベンズアミド誘導体を、純水中に分散させ、一端、100℃に加熱の後、室温に戻した状態で、ヒドロゲル形成を観察した。
【0058】
その結果、濃度12mMでは粘性が高く流動性のあるヒドロゲルを、濃度15mM以上で固体状のヒドロゲルを形成することが倒置法により示された。また、対応するモノアミド型のヒドロゲル化剤(上記式(1)で言えば、Zが無く、p=0であるベンズアミド誘導体)が、濃度33mMでは粘性が高く流動性のあるヒドロゲルを、濃度36mM以上で固体状のヒドロゲルを形成することと比較して、より低濃度で固体状のヒドロゲルを与えた。
【0059】
なお、倒置法とは、溶液がゲル状態になったことをサンプル容器を倒置することによって確認する方法である。
【0060】
<実施例6>
(実施例2、3及び4の化合物のヒドロゲル形成)
実施例2、3及び4で合成した各ベンズアミド誘導体を、60mMの水溶液として調製し、昇温によるヒドロゲル形成を倒置法により観測した。1分間に1℃ずつ温度を上昇させて行くと、それぞれ、47℃、47℃、46℃でヒドロゲルを形成した。このゲル転移温度は、対応するモノアミド型のヒドロゲル化剤(上記式(1)で言えば、Zが無く、p=0であるベンズアミド誘導体)と大きな差異は見出せなかった。しかし、いずれも、37℃に静置することで1時間以内にヒドロゲルを形成することが、倒置法により確認された。対応するモノアミド型のヒドロゲル化剤では、このような変化は見られず、より低い温度で、徐々にヒドロゲルを形成することが示された。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明が提供するヒドロゲルは、生体適合性が知られるエチレングリコールのオリゴマー又はポリマー構造を有し、3次元細胞培養、細胞や蛋白質の分離・精製、蛋白質医薬品の徐放等に利用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で示されるベンズアミド誘導体。
【化1】


(式中で、XはOH又はNHを、ZはNHCO又はCONHのアミド結合を、kは0から4までの整数を、mは1から100までの整数を、nは1から6までの整数を、pは1から6までの整数を表す。また、Rは酸素原子を介して結合した炭素数8から22までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から22までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から22までの炭化水素基を表し、RとRは同時にHではない。)
【請求項2】
式(2)で示されるベンズアミド誘導体。
【化2】


(式中で、XはOH又はNHを、ZはNHCO又はCONHのアミド結合を、kは0から4までの整数を、mは7から100までの整数を、nは2から6までの整数を、pは1から6までの整数を表す。また、Rは酸素原子を介して結合した炭素数12から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から18までの炭化水素基を表し、RとRは同時にHではない。)
【請求項3】
式(2)で示されるベンズアミド誘導体。
【化3】


(式中で、XはOH又はNHを、ZはNHCO又はCONHのアミド結合を、kは0から4までの整数を、mは7から100までの整数を、nは2から6までの整数を、pは1から6までの整数を表す。また、R及びRは酸素原子を介して結合した炭素数12から18までの炭化水素基を、RはH、又は、酸素原子を介して結合した炭素数1から18までの炭化水素基を表す。)
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンズアミド誘導体を有効成分として含むヒドロゲル化剤。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のベンズアミド誘導体と水とを含んでなるヒドロゲル。

【公開番号】特開2010−83859(P2010−83859A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40371(P2009−40371)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】