説明

ジェル状クレンジング用化粧料

【課題】クレンジング機能を十分に発揮させる量の油性成分や界面活性剤が配合されていたとしても、十分に増粘してジェル状とすることができるとともに、製剤安定性、使用感およびメイク除去効果に優れるジェル状クレンジング用化粧料の提供。
【解決手段】(A)非イオン性界面活性剤、(B)油剤、(C)合成ヘクトライト、(D)(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、並びに、(E)下記(a)と(b)からなるコポリマーおよびクロスポリマーの群から選ばれる少なくとも1種を含有してなるジェル状クレンジング用化粧料とする。
(a)(メタ)アクリル酸および/又は(メタ)アクリル酸アルキル
(b)イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はネオデカン酸ビニル

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジェル状クレンジング用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
クレンジング用化粧料とは、クレンジング基剤として主に油性成分や界面活性剤を高配合させたものであり、ローション剤型、オイル剤型、クリーム剤型、乳液剤型などの剤型が上市されている。
【0003】
しかしながら、従来のオイル剤型やクリーム剤型のクレンジング用化粧料は、油性成分が高配合されていることから、メイク除去に格段に優れた効果を奏する一方、油分特有の使用感が重くなるといった問題がある。また、過度の脱脂によりクレンジング後の肌が乾燥し過ぎてしまうといった問題もある。
【0004】
一方、ローション剤型や乳液剤型のクレンジング用化粧料は、水が高配合されていることから、クレンジング後の肌が乾燥することはないものの、メイク除去効果を十分に発揮させるためには、界面活性剤を高配合しなければならず、使用時に皮膚や眼粘膜に対して好ましくない刺激を及ぼす恐れがある。また、水剤型であるが故に塗布時に肌から垂れ落ち、使用感に劣るといった問題もある。
【0005】
このような問題点を解決するために、これまで、塗布時の垂れ落ちがなく、軽い使用感でメイクを除去できる形態として、ジェル剤型のクレンジング用化粧料の検討がなされている。具体的には、ゲル化剤と、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルと、多価アルコールとを含有するジェル状のクレンジング用の化粧料(例えば、特許文献1を参照);特定のエステル油又は炭化水素油と、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油型非イオン性界面活性剤と、グリセリンと、特定のポリマーとを含有するジェル状クレンジング料(例えば、特許文献2を参照);特定のアルキルグルコシドと、液状油分と、水と、非イオン性界面活性剤と、ゲル化剤とを含有するゲル状クレンジング化粧料(例えば、特許文献3を参照);特定のHLBのポリグリセリン脂肪酸エステルと、グリセリンと、シリコーン油と、油とを含有するジェル状クレンジング用組成物(例えば、特許文献4を参照);トリメトキシシリル化粉体と、液状の油性成分と、親水性ゲル化剤と、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとを含有するクレンジング用の化粧料(例えば、特許文献5を参照)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、これら試みに拠って、ジェル剤型のクレンジング用化粧料とすることはできるものの、従来から種々検討されているゲル化剤を用いた系では、クレンジング機能を十分に発揮させる量の油性成分や界面活性剤を配合すると、ジェル化でいきないといった問題がある。また、例えジェル化できたとしても十分な増粘効果が得られないことから、製剤安定性および使用感に劣るといった問題もある。一方、界面活性剤の会合特性を利用したゲル化においても、十分に増粘させるためには、界面活性剤を高配合しなければならず、メイク馴染みに悪影響を及ぼしてクレンジング機能を低下させるだけでなく、使用感も重くなり洗い落ちに劣るといった問題がある。
【0007】
このように、従来のジェル剤型のクレンジング用化粧料とする試みでは、製剤化の観点から、クレンジング機能を十分に発揮させる量の油性成分や界面活性剤を配合できないといった欠点があり、所望のクレンジング効果を十分に発揮させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−19619号公報
【特許文献2】特開2003−95918号公報
【特許文献3】特開2003−267836号公報
【特許文献4】特開2004−175736号公報
【特許文献5】特開2011−32228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、クレンジング機能を十分に発揮させる量の油性成分や界面活性剤が配合されていたとしても、十分に増粘してジェル状とすることができるとともに、製剤安定性、使用感およびメイク除去効果に優れるジェル状クレンジング用化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、
〔1〕(A)非イオン性界面活性剤、(B)油剤、(C)合成ヘクトライト、(D)(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、並びに、(E)下記(a)と(b)からなるコポリマーおよびクロスポリマーの群から選ばれる少なくとも1種を含有してなるジェル状クレンジング用化粧料、
(a)(メタ)アクリル酸および/又は(メタ)アクリル酸アルキル
(b)イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はネオデカン酸ビニル、
〔2〕前記(A)成分が、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種である前記〔1〕に記載のジェル状クレンジング用化粧料、
〔3〕前記(B)成分が、炭化水素油、脂肪酸エステルおよび環状シリコーンの群から選ばれる少なくとも1種である前記〔1〕又は〔2〕に記載のジェル状クレンジング用化粧料、
〔4〕前記(C)成分が、フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウムである前記〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のジェル状クレンジング用化粧料、並びに
〔5〕前記(E)成分が、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーおよび/又は(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーである前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載のジェル状クレンジング用化粧料
に関する。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の双方を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のジェル状クレンジング用化粧料は、クレンジング機能を十分に発揮させる量の油性成分や界面活性剤が配合されていたとしても、十分に増粘してジェル状とすることができるとともに、離液を抑制してジェル状の形態を維持し続けるという製剤安定性に優れた効果を奏する。また、本発明のジェル状クレンジング用化粧料は、塗布時の垂れ落ちがなく、滑らかにのびてメイクとの馴染みが良く、容易に洗い落とすことができることから、使用感に優れた効果を奏するとともに、容易にメイク汚れを除去できるという優れたクレンジング機能を発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のジェル状クレンジング用化粧料は、(A)非イオン性界面活性剤、(B)油剤、(C)合成ヘクトライト、(D)(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、並びに、(E)特定のコポリマー又はクロスポリマーを含有する。
【0013】
(A)成分の非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、脂肪酸アルキロールアミドなどが挙げられる。これら(A)成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0014】
好適な(A)成分としては、製剤安定性の観点、クレンジング機能を十分に発揮させる観点、並びに、洗い落ちの観点から、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0015】
(A)成分を構成する脂肪酸部としては、炭素数8〜22の脂肪酸が挙げられる。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニン酸などを例示することができる。また、本発明においては、脂肪酸部が、上記した脂肪酸の混合物、例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸であっても良い。
【0016】
具体的なポリオキシエチレン脂肪酸としては、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、モノミリスチン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどを例示することができる。酸化エチレンの付加モル数は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、製剤安定性の観点から、2〜100であることが好ましく、より好ましくは、5〜90である。
【0017】
尚、ポリオキシエチレン脂肪酸は、市販品を用いることもできる。モノラウリン酸ポリエチレングリコールの市販品としては、例えば、商品名:エマノーン 1112(酸化エチレン付加モル数:12、花王社製)、商品名:NIKKOL MYL−10(酸化エチレン付加モル数:10、日本サーファクタント工業社製)などを例示することができる。モノラウリン酸ポリエチレングリコールの市販品としては、例えば、商品名:NIKKOL MYO−10(酸化エチレン付加モル数:10、日本サーファクタント工業社製)などを例示することができる。モノステアリン酸ポリエチレングリコールの市販品としては、例えば、商品名:NIKKOL MYS−4V(酸化エチレン付加モル数:4、日本サーファクタント工業社製)などを例示することができる。
【0018】
具体的なポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどを例示することができる。酸化エチレンの付加モル数は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、製剤安定性の観点から、2〜100であることが好ましく、より好ましくは、4〜90である。
【0019】
尚、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、市販品を用いることもできる。ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルの市販品としては、例えば、商品名:ハイバーオイルCC−6(酸化エチレン付加モル数:6、交洋ファインケミカル社製)、商品名:CETIOL HE810(酸化エチレン付加モル数:7、コグニスジャパン社製)、商品名:ソフチゲン767(酸化エチレン付加モル数:6、サソール社製)などを例示することができる。モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、商品名:ブラウノン RGL−5MISE(酸化エチレン付加モル数:5),RGL−8MISE(酸化エチレン付加モル数:8),RGL−10MISE(酸化エチレン付加モル数:10),RGL−20MISE(酸化エチレン付加モル数:20)(何れも、青木油脂工業社製)などを例示することができる。トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、例えば、商品名:ブラウノン RGL−20TISE(酸化エチレン付加モル数:20、青木油脂工業社製)などを例示することができる。
【0020】
具体的なポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、セスキオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、セスキステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどを例示することができる。酸化エチレンの付加モル数は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、製剤安定性の観点から、10〜100であることが好ましく、より好ましくは、20〜90である。
【0021】
尚、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、市販品を用いることもできる。モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンの市販品としては、例えば、商品名:レオドール TWO−120V(酸化エチレン付加モル数:20、花王社製)、商品名:NIKKOL TO−10V(酸化エチレン付加モル数:20、日光ケミカルズ社製)などを例示することができる。モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンの市販品としては、例えば、商品名:NIKKOL TI−10V(酸化エチレン付加モル数:20、日本サ−ファクタント工業社製)などを例示することができる。モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンの市販品としては、例えば、商品名:NIKKOL TL−10(酸化エチレン付加モル数:20、日本サーファクタント工業社製)などを例示することができる。
【0022】
(A)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性の観点、クレンジング機能を十分に発揮させる観点、並びに、洗い落ちの観点から、化粧料中、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上である。また、使用感の観点から、50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
【0023】
(B)成分の油剤としては、例えば、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、シリコーン(ストレートシリコーン、変性シリコーン環状シリコーン)などが挙げられる。これら(B)成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0024】
具体的な油脂としては、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、椿油、ミンク油などを例示することができる。
【0025】
具体的なロウ類としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ、鯨ロウ、ラノリンなどを例示することができる。
【0026】
具体的な炭化水素油としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、セレシン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン末、ポリエチレンワックス、ワセリンなどを例示することができる。
【0027】
具体的な高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸などを例示することができる。
【0028】
具体的な高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルデカノール、デシルテトラデカノールなどを例示することができる。
【0029】
具体的な脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル/カプリン酸)プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトールなどを例示することができる。
【0030】
具体的なシリコーンとしては、オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのストレートシリコーン;アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンなどの変性シリコーン;メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーンなどを例示することができる。
【0031】
好適な(B)成分としては、メイク馴染みを高めて優れたクレンジング機能を発揮させる観点から、炭化水素油、脂肪酸エステルおよび環状シリコーンの群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0032】
(B)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、クレンジング機能を十分に発揮させる観点から、化粧料中、1質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上である。また、使用感の観点から、60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
【0033】
(C)成分の合成ヘクトライトとは、少なからず不純物が含まれる天然由来のケイ酸マグネシウム・ナトリウムを主成分とするケイ酸塩鉱物ではなく、合成によって得られるケイ酸塩およびケイ酸塩誘導体のことである。具体的な合成ヘクトライトとしては、合成ケイ酸マグネシウム・ナトリウム、フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウム、合成ケイ酸アルミニウムなどを例示することができる。これら(C)成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。好適な(C)成分としては、製剤安定性および使用感の観点から、合成ケイ酸マグネシウム・ナトリウム、フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウムを用いることが好ましく、塗布時の垂れ落ちを抑え、滑らかにのびる観点から、フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウムを用いることが最も好ましい。
【0034】
尚、上記(C)成分は、市販品を用いることもできる。合成ケイ酸マグネシウム・ナトリウムの市販品としては、例えば、商品名:ラポナイトXLG(ロックウッド社製)などを例示することができる。フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウムの市販品としては、例えば、商品名:ラポナイトXL21(ロックウッド社製)などを例示することができる。
【0035】
(C)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、製剤安定性の観点、並びに、メイク馴染みの観点から、化粧料中、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上である。また、使用感の観点から、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。これらの観点から、(C)成分の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0036】
(D)成分の(メタ)アクリル酸アルキルコポリマーとは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.53):ACRYLATES COPOLYMERで表記される、アクリル酸アルキル(C1−4,C8)およびメタクリル酸アルキル(C1−4,C8)、アクリル酸およびメタクリル酸の中の2種以上の成分からなる共重合体である。本発明で用いられる(D)成分は、ペミュレンTR−1,TR−2、カーボポールETD2020などの商品名で市販されている、一般的にアクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマーと称される成分とは構造が異なるものである。
【0037】
尚、上記(D)成分の市販品としては、商品名:アキュリンTM33A(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)を例示することができる。
【0038】
(D)成分は、通常、塩基性物質で中和して用いられる。塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、アルギニンなどの塩基性アミノ酸などが例示される。また、塩基性物質の添加量は、上記した(D)成分であるコポリマーを中和するのに充分な量であり、これら成分の種類や使用量に応じて適宜配合すればよい。
【0039】
(D)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、離液を抑制して製剤安定性を高める観点、並びに、滑らかにのびてメイクとの馴染みを高める観点から、化粧料中、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上である。また、使用感の観点から、8質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。これらの観点から、(D)成分の含有量は、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。
【0040】
(E)成分のコポリマー又はクロスポリマーは、下記(a)と(b)とからなるコポリマーおよびクロスポリマーの群から選ばれる少なくとも1種である。
(a)(メタ)アクリル酸および/又は(メタ)アクリル酸アルキル
(b)イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はネオデカン酸ビニル
【0041】
(E)成分のコポリマーとしは、例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマー、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーなどが挙げられる。また、クロスポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマー、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーなどが挙げられる。これら(E)成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。尚、重合される酸化エチレンの付加モル数は特に限定されないが、離液を抑制して製剤安定性を高める観点から、10〜40であることが好ましい。
【0042】
具体的な(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーとしては、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.53):ACRYLATES/CETETH−20 METHACRYLATE COPOLYMERで表記されるアクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルコポリマー、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.59):ACRYLATES/STEARETH−20 METHACRYLATE COPOLYMERで表記されるアクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルコポリマー、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.51):ACRYLATES/BEHENETH−25 METHACRYLATE COPOLYMERで表記されるアクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(25)べへニルエーテルコポリマーなどを例示することができる。尚、括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を表す。
【0043】
具体的な(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーとしては、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.53):ACRYLATES/CETETH−20 ITACONATE COPOLYMERで表記されるアクリレーツ/イタコン酸ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルコポリマー、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.59):ACRYLATES/STEARETH−20 ITACONATE COPOLYMERで表記されるアクリレーツ/イタコン酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルコポリマーなどを例示することができる。尚、括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を表す。
【0044】
具体的な(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマーとしては、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.59):ACRYLATES/STEARETH−20 METHACRYLATE CROSSPOLYMERで表記されるアクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルクロスポリマーなどを例示することができる。尚、括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を表す。
【0045】
具体的な(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーとしては、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第13版,第1巻,CTFA,2010年,p.61):ACRYLATES/VINYL NEODECANOATE CROSSPOLYMERで表記されるアクリル酸アルキル/ネオデカン酸ビニルクロスポリマーなどを例示することができる。
【0046】
好適な(E)成分としては、製剤安定性および使用感の観点から、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマー、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーを用いることが好ましい。
【0047】
(E)成分は、通常、塩基性物質で中和して用いられる。塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、アルギニンなどの塩基性アミノ酸などが例示される。また、塩基性物質の添加量は、上記した(E)成分であるコポリマー又はクロスポリマーを中和するのに充分な量であり、これら成分の種類や使用量に応じて適宜配合すればよい。
【0048】
尚、上記(E)成分は、市販品を用いることもできる。アクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルコポリマーの市販品としては、例えば、商品名:アキュリンTM22(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)などを例示することができる。アクリレーツ/メタクリル酸ポリオキシエチレン(25)べへニルエーテルコポリマーの市販品としては、例えば、商品名:アキュリンTM28(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)などを例示することができる。アクリレーツ/イタコン酸ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルコポリマーの市販品としては、例えば、商品名:STRUCTURE3001(アクゾノーベル社製)などを例示することができる。アクリレーツ/イタコン酸ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルコポリマーの市販品としては、例えば、商品名:STRUCTURE2001(アクゾノーベル社製)などを例示することができる。
【0049】
(E)成分の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、離液を抑制して製剤安定性を高める観点、並びに、塗布時の垂れ落ちを抑える観点から、化粧料中、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上である。また、使用感の観点から、8質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。これらの観点から、(E)成分の含有量は、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.2〜5質量%である。
【0050】
尚、本発明のジェル状クレンジング用化粧料の残部には、水が用いられる。用いられる水は、化粧料原料として使用できるものであれば特に限定はされないが、通常、精製水が用いられる。本発明における水の含有量は、ジェル状とする観点から、化粧料中、5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。その理由は、5質量%未満の場合、十分な増粘効果が得られず製剤安定性に劣り、また、80質量%を超えて配合すると、十分なクレンジング効果が得られないからである。
【0051】
また、本発明に係るジェル状クレンジング用化粧料には、洗い落ちを更に高める観点、並びに、クレンジング機能を更に高める観点から、陰イオン性界面活性剤を含有させることもできる。具体的な陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムなどのN−アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリルニナトリウムなどのスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウムなどのスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ジエタノールアミンなどのモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウムなどのN−アシル−N−メチル−β−アラニン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸ニナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミンなどのN−アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン−1,2−ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、ベヘニルグリコール酢酸カリウムなどのアルキルエーテルグリコール酢酸塩などを例示することができる。これら成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0052】
陰イオン性界面活性剤の含有量は、所望の効果が付与されるのであれば特に限定されないが、通常、洗い落ちの観点から、化粧料中、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上である。また、製剤安定性の観点から、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。これらの観点から、陰イオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。
【0053】
加えて、本発明に係るジェル状クレンジング用化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記に記した成分の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどの多価アルコール;メントール、メンチルグリセリルエーテル、カンファなどの清涼剤;フェノキシエタノール、グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテルなどの防腐剤;抗酸化剤、金属封鎖剤、ビタミン類、動植物抽出エキス、パール化剤、着色剤、各種香料などを目的に応じて適宜配合してもよい。
【0054】
本発明のジェル状クレンジング用化粧料は、前記各構成成分を混合し、公知の方法、例えば、プロペラミキサーなどを用いて攪拌することにより製造することができる。
【0055】
ジェル状クレンジング用化粧料の粘度(mPa・s)は、塗布時に垂れ落ちが生じない粘度範囲であれば特に限定されないが、滑らかにのびてメイクと素早く馴染む観点から、30,000〜300,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、より好ましくは50,000〜200,000mPa・sである。尚、粘度(mPa・s)は、B型粘度計(VISCOMETER 東機産業社製)を用いて、測定条件:ローターNO.4、3rpm、1分間にて測定した値であるが、これら測定条件にのみ限定されるものではない。
【0056】
尚、本発明のジェル状クレンジング用化粧料は、フェイスマッサージ剤、メイクアップ除去剤として用いることができる。中でも、メイクとの馴染みに優れる観点から、メイクアップ除去剤として最も好適に用いられる。また、その使用方法としては、メイク汚れを落とすことができれば、洗い流す形態での使用方法であっても、コットンなどの基剤に含浸させて拭き取る形態での使用方法であっても特に限定されないが、肌への刺激および使用感の観点から、施術後にぬるま湯によって洗い流す方法で使用することが好ましい。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り「質量%」を表す。また、(D)成分および(E)成分は、純分に換算した。
【0058】
(試料の調製)
表1および表2に記した組成に従い、実施例1〜7および比較例1〜7のクレンジング用の化粧料を調製し、下記評価試験に供した。結果をそれぞれ表1および表2に併記する。尚、括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を表す。
【0059】
(試験例1:性状の確認)
実施例および比較例で得られた各試料の製造直後の性状を目視観察した。
【0060】
(試験例2;製剤安定性の評価)
実施例および比較例で得られた各試料を50mL容の透明ガラス容器に充填し、5℃および40℃の各恒温槽にそれぞれ1ヶ月保管後の性状を目視観察して、以下の評価基準に従って目視評価した。
尚、試験例1において、製造直後の性状が液状であるものについては、製剤安定性の評価を実施していない。
【0061】
<製剤安定性(5℃)の評価基準>
◎:ジェル状の形態を維持している
○:ジェル状の形態を維持しているが、表面に僅かな離液が認められる
△:ジェル状の形態を維持しておらず、表面に明らかな離液が認められる
×:離液(分離)している
【0062】
<製剤安定性(40℃)の評価基準>
◎:ジェル状の形態を維持している
○:ジェル状の形態を維持しているが、表面に僅かな離液が認められる
△:ジェル状の形態を維持しておらず、表面に明らかな離液が認められる
×:液状化している
【0063】
(試験例3;使用感およびクレンジング機能の評価)
メイクを施している女性官能評価パネル20名により、実施例および比較例で得られた各試料を実際にメイクアップ除去剤の形態で使用してもらった。具体的には、試料2gを塗布後、メイク汚れに十分馴染ませ、指先で小さな円を描くように2分間クレンジングを施してもらい、その後温水で十分に洗い流し、タオルドライにより水分を拭き取ってもらった。
【0064】
使用試験において、塗布時の「垂れ落ち」、クレンジング時の「のび」および「メイク馴染み」、洗い流し中の「濯ぎ易さ(洗い落ち)」、並びに、タオルドライ後の「メイク汚れ除去効果」について、以下の評価基準に従って官能評価した。
尚、メイク馴染みについては、メイク汚れを浮き上がらせる効果に優れるものを「メイク馴染みに優れる」として評価した。
【0065】
<垂れ落ちの評価基準>
◎:20名中16名以上が垂れ落ちはないと回答
○:20名中11〜15名が垂れ落ちはないと回答
△:20名中6〜10名が垂れ落ちはないと回答
×:20名中5名以下が垂れ落ちはないと回答
【0066】
<のびの評価基準>
◎:20名中16名以上が延展時の「ヨレ」はなく、滑らかにのびると回答
○:20名中11〜15名が延展時の「ヨレ」はなく、滑らかにのびると回答
△:20名中6〜10名が延展時の「ヨレ」はなく、滑らかにのびると回答
×:20名中5名以下が延展時の「ヨレ」はなく、滑らかにのびると回答
【0067】
<メイク馴染みの評価基準>
◎:20名中16名以上がメイク馴染みに優れると回答
○:20名中11〜15名がメイク馴染みに優れると回答
△:20名中6〜10名がメイク馴染みに優れると回答
×:20名中5名以下がメイク馴染みに優れると回答
【0068】
<濯ぎ易さ(洗い落ち)の評価基準>
◎:20名中16名以上がぬるつき感がなく、濯ぎ易いと回答
○:20名中11〜15名がぬるつき感がなく、濯ぎ易いと回答
△:20名中6〜10名がぬるつき感がなく、濯ぎ易いと回答
×:20名中5名以下がぬるつき感がなく、濯ぎ易いと回答
【0069】
<メイク汚れ除去効果の評価基準>
◎:20名中16名以上がメイク残りはなく、除去効果に優れると回答
○:20名中11〜15名がメイク残りはなく、除去効果に優れると回答
△:20名中6〜10名がメイク残りはなく、除去効果に優れると回答
×:20名中5名以下がメイク残りはなく、除去効果に優れると回答
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
表1および表2の結果から、各実施例のクレンジング用の化粧料は、各比較例のものと対比して、十分に増粘してジェル状とすることができるとともに、離液を抑制してジェル状の形態を維持し続けるという製剤安定性に優れた効果を奏していることが分かる。また、塗布時の垂れ落ちがなく、滑らかにのびてメイクとの馴染みが良く、容易に洗い落とすことができており、優れたクレンジング機能を発揮していることも分かる。
【0073】
これに対し、本願発明の構成を充足しない比較例1および比較例3では、十分な増粘効果が得られず、ジェル状の形態とならないことが分かる。また、本願発明の構成を充足しない比較例2および比較例4〜5では、ジェル状の形態をすることはできるものの、離液が認められジェル状の形態が維持できず製剤安定性に劣る、若しくは、使用感に劣りクレンジング機能が十分に発揮されていないことが分かる。加えて、本願発明の必須構成成分である(D)成分または(E)成分を他の増粘効果を奏する成分へ置き換えた比較例6〜7においても十分な増粘効果が得られず、ジェル状の形態とならないことが分かる。
【0074】
以下、本発明に係るジェル状クレンジング用化粧料の処方例を示す。尚、含有量は質量%である。また、POEとはポリオキシエチレンの略であり、括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を表す。
【0075】
(処方例1)
イソステアリン酸POE(8)グリセリル 20.0
モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12) 1.0
フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウム 2.0
アクリル酸アルキルコポリマー 1.5
アクリレーツ/メタクリル酸POE(20)ステアリルエーテルコポリマー
2.5
軽質イソパラフィン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
ミリスチン酸イソプロピル 10.0
モノイソステアリン酸プロピレングリコール 15.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル 0.1
1,2−ヘキサンジオール 0.5
水酸化カリウム 適 量
防腐剤 適 量
金属キレート剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
【0076】
(処方例2)
イソステアリン酸POE(8)グリセリル 20.0
モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12) 1.0
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.5
フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウム 1.0
アクリル酸アルキルコポリマー 1.5
アクリレーツ/メタクリル酸POE(20)ステアリルエーテルコポリマー
2.5
軽質イソパラフィン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
パルミチン酸イソプロピル 10.0
流動パラフィン 15.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル 0.1
1,2−オクタンジオール 0.5
水酸化カリウム 適 量
防腐剤 適 量
金属キレート剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
【0077】
(処方例3)
イソステアリン酸POE(8)グリセリル 20.0
モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12) 1.0
ポリオキシエチレン(カルリル・カプリン酸)グリセリル(6) 0.5
フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウム 1.0
合成ケイ酸マグネシウム・ナトリウム 0.5
アクリル酸アルキルコポリマー 1.5
アクリレーツ/メタクリル酸POE(20)ステアリルエーテルコポリマー
2.5
軽質イソパラフィン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
ミリスチン酸イソプロピル 10.0
モノイソステアリン酸プロピレングリコール 15.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ジプロピレングリコール 5.0
グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル 0.1
1,2−ヘキサンジオール 0.4
1,2−オクタンジオール 0.4
水酸化カリウム 適 量
防腐剤 適 量
金属キレート剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)非イオン性界面活性剤、(B)油剤、(C)合成ヘクトライト、(D)(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、並びに、(E)下記(a)と(b)からなるコポリマーおよびクロスポリマーの群から選ばれる少なくとも1種を含有してなるジェル状クレンジング用化粧料。
(a)(メタ)アクリル酸および/又は(メタ)アクリル酸アルキル
(b)イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はネオデカン酸ビニル
【請求項2】
前記(A)成分が、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のジェル状クレンジング用化粧料。
【請求項3】
前記(B)成分が、炭化水素油、脂肪酸エステルおよび環状シリコーンの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のジェル状クレンジング用化粧料。
【請求項4】
前記(C)成分が、フルオロケイ酸マグネシウム・ナトリウムである請求項1〜3の何れかに記載のジェル状クレンジング用化粧料。
【請求項5】
前記(E)成分が、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーおよび/又は(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル/イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルコポリマーである請求項1〜4の何れかに記載のジェル状クレンジング用化粧料。

【公開番号】特開2012−201601(P2012−201601A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65185(P2011−65185)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【Fターム(参考)】