説明

ジカルバゾール芳香族アミンポリマー及び電子デバイス

【課題】フルオレンホモポリマーの最高被占軌道とアノードの仕事関数とのエネルギー差を近づけ、高効率、長寿命かつ深い青色発光の可能なオプトエレクトロニック材料及びデバイスを提供する。
【解決手段】下記式Iの構造単位を含む、エレクトロルミネッセンスポリマー及び該ポリマーを含むエレクトロルミネッセンスデバイス。


(式中、Arは、置換されていても非置換であってもよい芳香族基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照として本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第60/661419号(2005年3月4日出願)の利益を主張するものである。
本発明は、N,N’−ジカルバゾールベース芳香族アミン部分を含むポリマー組成物及びかかる組成物を含む電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フルオレンベース共役ポリマーが、オプトエレクトロニック特性を有することは知られている。幾つかの報告書は、フルオレンホモポリマーからの青色発光を実証している、例えば、A.W.Grice;D.D.C.Bradley、M.T.Bernius;M.Inbasekaran、W.Wu、E.P.Woo;Appl.Phys.Lett.1998、73、and Y.Young and Q.Pei;J.Appl.Phys.81、3294(1997)。異なる芳香族官能基をポリマー鎖に導入することにより、フルオレンベース共役ポリマーは、全体の可視範囲(400〜700nm)にわたる発光スペクトルを伴う異なる発光色を実証している(M.T.Bernius、M.Inbasekaran、J.O’Brien、W.Wu、Adv.Mater.2000、12、1737)。効果的で安定なエレクトロルミネッセンスは、アノード及びカソードのそれぞれから、発光ポリマー層中への正孔及び電子の効果的な注入を必要とする。フルオレンホモポリマーの最高被占軌道(HOMO)とアノードの仕事関数との間のエネルギーの不一致により、フルオレンホモポリマーの正孔−注入は非効率的になりやすい。米国特許第6309763号、米国特許第6353083号及び米国特許第5879821号は、フルオレンベースポリマーのエレクトロルミネッセント性を改善するために、正孔輸送部分として、フルオレンベースポリマー中へのトリアリールアミンの導入を教示している。米国仮特許出願第2004127666号は、フルオレンベースのオプトエレクトロニックポリマーの主鎖における三環式アリールアミンの包含が、非環式トリアリールアミン等(米国特許第6353083号を参照されたい)のその他の電荷輸送基を有するポリフルオレンと比較して、低電圧で改善された導電性に加えて優れたデバイス効率を与えることをさらに見出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許第6309763号等
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改善された効率及び寿命を示し、種々の色の光を発するオプトエレクトロニック材料及びデバイスを開発する必要性が依然として存在する。特別の関心事は、例えば、良好な正孔−注入及び正孔輸送性を伴う深い青色発光を与えるために、フルオレンベースポリマー中に導入するのに適した新たな芳香族アミン部分を発見することである。N,N’−ジカルバゾールベース芳香族アミンは、正孔−注入、正孔−輸送、及び小さな分子オプトエレクトロニックデバイスにおけるホスト材料として使用されるよく知られた部類の電子材料である。然しながら、N,N’−ジカルバゾールベース芳香族アミンは、共役ポリマーの骨格中にはいまだかって導入されたことがない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、高い正孔導電性及び深青色発光を示すポリマーの主鎖において、N,N’−ジカルバゾールベース芳香族アミン部分を含む共役ポリマーに関する。
【0006】
さらに詳しく言えば、本発明は、骨格において、式I:
【化1】


(式中、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含む芳香族基、又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含む芳香族基であり、前記芳香族基は、置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマーである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
その他の実施形態においては、本発明は、式Iを含むポリマーのフィルムである。その他の態様においては、本発明は、式Iを含むポリマーと、少なくとも1つのさらなる共役ポリマーとのブレンドである。その他の実施形態においては、本発明は、式Iを含むポリマーを含むフィルムを含むエレクトロルミネッセントデバイスである。その他の実施形態においては、本発明は、第1電極、式Iを含むポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池である。
【0008】
その他の実施形態においては、本発明は、(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、(b)ゲートであって、導電体であり、絶縁体層の第1側面に隣接して配置されているゲート、(c)半導体層であって、式Iを含むポリマー及び第2電極を含む半導体層、(d)ソースであって、導電体であり、半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び(e)ドレインであって、導電体であり、半導体層の第2端部と電気接触しているドレインを含む電界効果トランジスタである。
【0009】
その他の態様においては、本発明は、式IV
【化2】


(式中、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含むか又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含む置換若しくは非置換芳香族基であり、環は、置換されていてもよく非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFであり、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)の化合物である。
【0010】
本発明は、式I:
【化3】


(式中、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含む芳香族基、又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含む芳香族基であり、芳香族基は、置換されていてもよく非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)の構造単位を含む共役又は部分共役ポリマーである。
【0011】
好ましくは、Arは、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラセニル、ペリレニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、フェナントリデニル、フェナントロリニル、フェナジニル、アクリジニル、ジベンゾシロリル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノ[3,4−b]ピラジニル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリニル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾリル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ジベンゾジオキシニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾシクロブテニル、ジヒドロベンゾジチイニル、ジヒドロチエノジオキシニル、クロマニル、イソクロマニル、9,10−ジヒドロフェナントレニル、チアジニル、フェノキサジニル、イソインドリル、ジベンゾチオフェンスルホニル、及びフェノチアジニルからなる群から選択され、又はArは、フェニル、ビフェニル、9,9−二置換−2,7−フルオレニル、N−置換−3,6−カルバゾリル、N−置換−3,7−フェノキサジニル、N−置換−3,7−フェノチアジニルからなる群から選択される。
【0012】
その他の実施形態においては、本発明は、式I:
【化4】


(式中、Arは、置換されていても非置換であってもよいビフェニルであり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマーである。
【0013】
両方の実施形態において、Rは、独立に、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであることができる。好ましくは、Rは、1つ若しくは複数のO、S、N、又はSi等のヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよい、C〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は芳香族基;又はさらに置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよいC〜C40アリール基である。さらに好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル、又はトリルである。
【0014】
その他の実施形態においては、本発明は、式II:
【化5】


(式中、Arは、芳香族基であり、Arは、Arと同じか異なっていてもよいその他の芳香族基であり、Ar及びArは、共に置換されていても非置換であってもよく、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含み、又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含み、環は、置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFである)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマーである。
【0015】
その他の実施形態においては、本発明は、式II:
【化6】


(式中、Arはビフェニルであり、Arは、Arと同じか異なっていてもよいその他の芳香族基であり、Ar及びArは、共に置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)の構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマーである。
【0016】
両方の実施形態において、好ましくは、Arは、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、2,2’−ビチオフェン−5,5−ジイル、アントラセン−9,10−ジイル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、N−置換カルバゾール−3,6−ジイル、N−置換カルバゾール−2,7−ジイル、ジベンゾシロール−3,8−ジイル、ジベンゾシロール−4,7−ジイル、N−置換−フェノチアジン−3,7−ジイル、N−置換−フェノキサジン−3,7−ジイル、トリフェニルアミン−4,4’−ジイル、ジフェニル−p−トリルアミン−4,4’−ジイル及びN,N−ジフェニルアニリン−3,5−ジイルを含むトリアリールアミン−ジイル、N,N,N’,N’−テトラアリール−1,4−ジアミノベンゼン−ジイル、N,N,N’,N’−テトラアリールベンジジン−ジイル、アリールシラン−ジイル、及び9,9−二置換フルオレン−2,7−ジイルである。
【0017】
さらに好ましくは、Arは、式III:
【化7】


(式中、Qは、R’又はArであり、Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、R’は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はR’の両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、Rは、出現するごとに独立に、C〜C40炭化水素、S、N、O、P若しくはSiの1つ又は複数のヘテロ原子を含むC〜C40ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換アリール基若しくはヘテロアリール基であり、nは、出現するごとに独立に、0〜3である)を有するフルオレンを含む。
【0018】
式(I)により表される本発明のポリマーは、好ましくは、出現するごとに独立に、以下の式又は式の組合せの共役単位の群から選択される、ポリマー鎖における部分を含む:
【化8−1】


【化8−2】


【化8−3】


【化8−4】


【化8−5】


(式中、共役単位は、1つ又は複数の置換基を有してもよく、かかる置換基は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルボキシルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルボキシカルボニルオキシ、シアノ、又はフルオロ基であり、
は、O又はSであり、
Qは、R’又はArであり、
は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルビルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、シアノ又はフルオロ基であり、Rは、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、Rは、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、nは、出現するごとに独立に、0〜3であり、
Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、R’は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はR’の両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよい)。
【0019】
本発明は、印加電圧下で、有機フィルムが、デバイスの透明な外側部分を透過して光を発するようにアノード材料及びカソード材料との間に配置された、式Iを含むポリマーを含む少なくとも1つの有機フィルムを含む、エレクトロルミネッセントデバイスを含む。
【0020】
また、本発明は、(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、(b)ゲートであって、導電体であり、絶縁体層の第1側面に隣接して配置されているゲート、(c)半導体層であって、式Iを含むポリマー及び第2電極を含む半導体層、(d)ソースであって、導電体であり、半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び(e)ドレインであって、導電体であり、半導体層の第2端部と電気接触しているドレインを含む電界効果トランジスタである。また、本発明は、第1電極、式Iを含むポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池を含む。
【0021】
その他の実施形態においては、本発明は、式IV
【化9】


(式中、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含むか又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含む置換若しくは非置換芳香族基であり、環は、置換されていてもよく非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFであり、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)の化合物である。
【0022】
好ましくは、Arは、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラセニル、ペリレニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、フェナントリデニル、フェナントロリニル、フェナジニル、アクリジニル、ジベンゾシロリル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノ[3,4−b]ピラジニル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリニル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾリル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ジベンゾジオキシニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾシクロブテニル、ジヒドロベンゾジチイニル、ジヒドロチエノジオキシニル、クロマニル、イソクロマニル、9,10−ジヒドロフェナントレニル、チアジニル、フェノキサジニル、イソインドリル、ジベンゾチオフェンスルホニル、及びフェノチアジニルからなる群から選択され、又はArは、フェニル、ビフェニル、9,9−二置換−2,7−フルオレニル、N−置換−3,6−カルバゾリル、N−置換−3,7−フェノキサジニル、N−置換−3,7−フェノチアジニルからなる群から選択される。
【0023】
その他の実施形態においては、本発明は、式IV
【化10】


(式中、Arは、置換若しくは非置換ビフェニルであり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであり、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)の化合物である。
【0024】
両方の実施形態においては、好ましくは、Xは臭素である。
【0025】
は、独立に、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFである。Rでも好ましいRは、1つ若しくは複数のO、S、N、P、又はSi等のヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよいC〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は芳香族基;又はさらに置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよいC〜C40アリール基である。さらに好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル、又はトリルである。
【0026】
本発明のポリマーは、約10,000ダルトン以上、20,000ダルトン以上、好ましくは、50,000ダルトン以上;1,000,000ダルトン以下、500,000ダルトン以下、好ましくは、400,000ダルトン以下の重量平均分子量を有する。分子量は、内部標準としてポリスチレンを使用するゲル透過クロマトグラフィーを使用して決定される。
【0027】
ポリマーは、10以下、5以下、4以下、好ましくは、3以下の多分散度(Mw/Mn)を示す。
【0028】
本発明のポリマーは、芳香族化合物を作るために、任意の知られているカップリング反応により合成することができる。好ましくは、スズキ(Suzuki)カップリング反応が使用される。スズキ反応は、ジボロン化芳香族部分及びジハロゲン化芳香族部分を使用して芳香族化合物をカップリングする。反応は、長鎖、高分子量ポリマーの生成を可能にする。さらに、添加の順序を調節することにより、ランダム又はブロックコポリマーのいずれかを製造することができる。
【0029】
好ましくは、スズキ反応は、ジボロン化モノマーを用いて開始する。スズキの方法は、参照として本明細書に明確に組み込まれる米国特許第5777070号において教示されている。
【0030】
トルエン又はキシレンは、本発明のポリマーを調製するためのスズキ反応にとって好ましい溶媒である。水中の炭酸ナトリウムは、好ましい塩基であり、パラジウム錯体触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等は、好ましい触媒であり、相間移動触媒、好ましくは、第四級アンモニウム塩は、短時間で高分子量を達成するために反応を加速するために使用される。
【0031】
一般的な合成経路は、本発明の式IIのモノマーの合成方法を例示するために、以下のスキームにおいてその概要が説明される。式II(ここで、Yはハロゲン原子であり、Ar、R及びXは、上で定義されている)のモノマーを合成するための出発物質は、アルドリッチ社(Aldrich Chemical Company)等の多数の商業的供給メーカーから商業的に入手できる。
【化11】

【0032】
3−置換−9−H−カルバゾール(3)は、パラ−置換若しくは非置換フェニルヒドラジンヒドロハロゲニド塩及びシクロヘキサノン若しくは置換シクロヘキサノンから開始して、文献記載の方法に従って調製されてもよい(A.R.Katritzky and Z.Wang、Journal of Heterocyclic Chemistry、25、671、(1988);J.−K Luo、R.N.Castle、M.L.Lee、Journal of Heterocyclic Chemistry、26、1213、(1989);Crosby U.Rogers and B.B.Corson、Journal of the American Chemical Society、69、2910)。例えば、塩酸p−トリルヒドラジンは、沸騰氷酢酸においてシクロヘキサノンと反応して、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾールを生成する。高温で、活性炭上のパラジウムにより触媒される1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾールの脱水素化は、化合物(3)の一例として、3−メチル−9−H−カルバゾールを生成する。3−メチル−9−H−カルバゾールは、また、類似の反応を使用して、塩酸フェニルヒドラジン及び4−メチル−シクロヘキサノンから開始して調製することができ、中間体化合物(2)は、1,2,3,4−テトラヒドロ−3−メチルカルバゾールである。ビス(3−置換−カルバゾリル)芳香族化合物(4)は、C−Nカップリング反応を介して、化合物(3)と、ジハロゲン化芳香族化合物、例えば、1,4−ジヨードベンゼン、4,4’−ジヨードビフェニル、3,6−ジブロモ−9−p−トリルカルバゾールとを反応させることにより調製することができる。有用なC−Nカップリング反応としては、ウルマン反応(Ullmann反応、米国特許第4588666号)及びパラジウム触媒された架橋カップリング反応(M.S.Driver、J.F.Hartwig、Journal of the American Chemical Society、118、7217(1996);J.P.Wolfe、S.Wagaw、S.L.Buchwald、Journal of the American Chemical Society、118、7215、(1996);J.P.Wolfe and S.L.Buchwald、Journal of Organic Chemistry、61、1133、(1996);A.S.Guran、R.A.Rennels、S.L.Buchwald、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、34、1348、(1995);J.Louie、J.F.Hartwig、Tetrahedron Lett.、36、3609(1995)が挙げられるがこれらに限定されない。化合物(5)のジハロゲン化モノマーは、化合物(4)を、ハロゲン化試薬、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、臭素等で処理することにより調製することができる。化合物(5)のジハロゲン化モノマーは、知られている方法(米国特許第6169163号;W.−L.Yu、J.Pei、Y.Cao、A.J.Heeger、Chemical Communications、1837(1999);T.Tshiyama、M.Murata、N.Miyaura、Journal of Organic Chemistry、60、7508(1995))を使用して、ジボロネートモノマーにさらに転換されてもよい。
【0033】
本発明のその他の態様は、ポリマーブレンドに関する。このブレンドは、式I又は、少なくとも1つのその他の共役ポリマー、好ましくは共役ポリマーとブレンドされた式Iの構造単位を含むポリマーを含む。本明細書において使用される「共役ポリマー」と言う用語は、重なり合うπ軌道の骨格を有するポリマーを意味する。ブレンドにおいて使用されてもよい共役ポリマーとしては、これらの共役ポリマーの任意のホモポリマー、コポリマー又は置換ホモポリマー及び/又はコポリマーを含めて、ポリフルオレン、ポリ(アリーレンビニレン)、ポリフェニレン、ポリインデノフルオレン及びポリチオフェンが挙げられる。
【0034】
好ましくは、ポリマーブレンドは、少なくとも1重量%の、式Iの構造単位を含むポリマーから構成される。最も好ましいポリマーブレンドは、高いフォトルミネッセント及びエレクトロルミネッセント効率を有する。その他の添加剤、例えば、粘度変性剤、耐酸化剤及びコーティング改良剤等は、場合により使用されてもよい。さらに、類似の組成を有するが分子量の異なる2種類以上の低多分散度ポリマーのブレンドを配合することができる。
【0035】
本発明のその他の態様は、本発明のポリマーから形成されるフィルムである。かかるフィルムは、ポリマー発光ダイオード、光電池及び電界効果トランジスタにおいて使用することができる。好ましくは、かかるフィルムは、発光層又は電荷キャリヤ輸送層として使用される。フィルムは、また、電子デバイスの保護コーティング及び蛍光コーティングとして使用されてもよい。フィルム又はコーティングの厚さは用途に依存する。
【0036】
一般的に、かかる厚さは、0.005〜200ミクロンであることができる。コーティングが蛍光コーティングとして使用される場合は、コーティング又はフィルム厚は、50〜200ミクロンである。コーティングが電子保護層として使用される場合は、コーティングの厚さは、5〜20ミクロンであることができる。コーティングが、ポリマー発光ダイオードにおいて使用される場合は、形成される層の厚さは、0.005〜0.2ミクロンである。本発明のポリマーは、ピンホールもなく、欠陥もない良好なフィルムを形成する。
【0037】
フィルムは、ポリマー及び少なくとも1つの有機溶媒を含む、本発明のその他の実施形態のポリマー組成物をコーティングすることにより簡単に形成される。好ましい溶媒は、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル及びこれらの混合物である。使用することのできるさらなる溶媒としては、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、デカリン、2,6−ルチジン、2−フルオロ−m−キシレン、3−フルオロ−o−キシレン、2−クロロベンゾトリフルオライド、ジメチルホルムアミド、2−クロロ−6−フルオロトルエン、2−フルオロアニソール、アニソール、2,3−ジメチルピラジン、4−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、3−トリフルオロ−メチルアニソール、2−メチルアニソール、フェネトール、4−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−フルオロ−3−メチルアニソール、2−フルオロベンゾニトリル、4−フルオロベラトロール、2,6−ジメチルアニソール、3−フルオロベンゾニトリル、2,5−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ベンゾニトリル、3,5−ジメチルアニソール、N,N−ジメチルアニリン、エチルベンゾエート、1−フルオロ−3,5−ジメトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、N−メチルピロリジノン、3−フルオロベンゾトリフルオライド、ベンゾトリフルオライド、ベンゾトリフルオライド、ジオキサン、トリフルオロメトキシベンゼン、4−フルオロベンゾトリフルオライド、3−フルオロピリジン、トルエン、2−フルオロトルエン、2−フルオロベンゾトリフルオライド、3−フルオロトルエン、4−イソプロピルビフェニル、フェニルエーテル、ピリジン、4−フルオロトルエン、2,5−ジフルオロトルエン、1−クロロ−2,4−ジフルオロベンゼン、2−フルオロピリジン、3−クロロフルオロベンゼン、3−クロロフルオロベンゼン、1−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、p−キシレン、m−キシレン、o−キシレン又はo−、m−、及びp−異性体の混合物が挙げられる。かかる溶媒は、相対的に低極性を有することが好ましい。高沸点物及び溶媒混合物は、インクジェット用に好適であり、キシレン及びトルエンは、スピンコーティングに最適である。好ましくは、溶液は、約0.1〜5%の、式Iの構造単位を含むポリマーを含む。フィルムは、スピンコーティング、噴霧−コーティング、浸漬−コーティング、ロール−コーティング、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スタンプ−コーティング又はドクターブレーディングを含む、当該技術分野において良く知られた方法により調製することができる。
【0038】
好ましい実施形態においては、本発明は、溶媒における、本発明のポリマー又はポリマーブレンドを含む組成物である。使用することのできる溶媒としては、トルエン、キシレン、キシレンのo、m及びp−異性体の混合物、メシチレン、ジエチルベンエン、エチルベンゼン又は高度に置換された水準のベンゼン誘導体が挙げられる。好ましくは、溶液は、0.1〜10重量%の組成物を含む。薄いコーティングのためには、組成物は、0.5〜5.0重量%の組成物を含むことが好ましい。組成物は、所望の方法により適当な基体に適用され、溶媒は蒸発させることができる。残留溶媒は、真空、加熱により及び/又は窒素等の不活性ガスでの掃引により除去されてもよい。
【0039】
本発明のポリマーは、フォトルミネッセンスに加えて強力なエレクトロルミネッセンスを示す。したがって、本発明のその他の態様は、本発明のポリマーを含むフィルムを有する有機エレクトロルミネッセント(EL)デバイスに関する。好ましくは、本発明のELデバイスは、20ボルト以下、10ボルト以下、好ましくは、6ボルト以下の印加電圧を印加した場合に発光する。
【0040】
有機ELデバイスは、一般的に、アノード及びカソード間に挟まれた有機フィルムからなる。正のバイアスがデバイスに印加されると、正孔は、アノードから有機フィルム中に注入され、電子は、カソードから有機フィルム中に注入される。正孔及び電子の結合は、光子を遊離することにより基底状態へ発光性崩壊することができる励起子を生じさせることができる。
【0041】
実際には、アノードは、通常、その導電性及び透明性のために錫及びインジウムの混合酸化物である。混合酸化物(ITO)は、有機フィルムにより発せられる光が観察できるように、ガラス又はプラスチック等の透明な基体上に堆積される。有機フィルムは、それぞれが別々の機能のために設計された幾つかの個々の層の複合体であってもよい。正孔はアノードから注入されるので、アノードの次の層は、正孔を輸送する機能を有するべきである。同様に、カソードの次の層は、電子を輸送する機能を有するべきである。多くの例において、電子又は正孔輸送層は、また、発光層として作用してもよい。幾つかの例においては、単一層が、正孔及び電子の輸送並びに発光の組み合わされた機能を果たしてもよい。
【0042】
金属カソードは、熱蒸発又はスパッタリングにより堆積されてもよい。カソードの厚さは、1nm〜1000nmであってもよい。好ましい金属は、カルシウム、マグネシウム、インジウム、アルミニウム及びバリウムである。アルカリ又はアルカリ金属ハライド、例えば、LiF、NaF、CsF又はRbFの薄層(1〜10nm)を、発光ポリマー及びカソードのカルシウム、バリウム、又はマグネシウムとの間のバッファー層として使用してもよい。これらの金属の合金を使用してもよい。1〜5%のリチウムを含むアルミニウムの合金及び少なくとも80%のマグネシウムを含むマグネシウムの合金が好ましい。
【0043】
好ましい実施形態においては、エレクトロルミネッセントデバイスは、少なくとも1つの正孔注入ポリマーフィルム(例えば、PEDOTフィルム)及び本発明の組成物を含む発光ポリマーフィルムを含み、これらは、アノード材料とカソード材料の間に配置され、デバイスが順方向バイアスの場合、印加電圧下で、正孔が、アノード材料から正孔注入ポリマーフィルムを介して発光ポリマー中に注入され、電子が、カソード材料から発光ポリマーフィルム中に注入され、その結果、発光層からの発光が生じる。その他の好ましい実施形態においては、正孔輸送ポリマーの複数の層は、アノードに最も近い層が最も低い酸化電位を有し、隣接する層が漸次より高い酸化電位を有するように配置される。これらの方法によって、単位電圧当たり比較的に高い光出力を有するエレクトロルミネッセントデバイスを作製することができる。
【0044】
本発明のその他の実施形態は、本発明の1つ又は複数のポリマーを含み、ポリマーが、単一層フィルムとして又は多層フィルムとして存在し、これらを一緒にした厚みが10nm〜1000nmの範囲、25nm〜500nmの範囲、好ましくは、50nm〜300nmの範囲にある光電池に関する。2種以上のポリマーが使用される場合は、これらは、別個の層として別々に堆積しても、又は所望のポリマーのブレンドを含む溶液から1つの層として堆積してもよい。
【0045】
「光電池」とは、入射光エネルギーを電気エネルギーに転換することのできるオプトエレクトロニックデバイスの1つの部類である。光電池の例は、光起電デバイス、太陽電池、光ダイオード、及び光検出器である。光電池は、一般的に、透明基体上に堆積された透明な又は半透明な第1電極を含む。次いで、ポリマーフィルムが第1電極上に形成され、次に、第2電極により被覆される。基体及び第1電極を通して透過された入射光は、ポリマーフィルムによって、適当な条件下で電子及び正孔に解離する励起子に転換され、これにより電流を発生させることができる。
【0046】
本発明のその他の実施形態は、半導体ポリマーとして使用される本発明の1つ又は複数のポリマーを含む、金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタに関する。電界効果トランジスタは、5つの要素を含む。第1の要素は絶縁体層である。絶縁体層は、第1側面及び第2側面を有する電気絶縁体である。第2の要素はゲートである。ゲートは、導電体である。ゲートは、絶縁体層の第1側面に隣接して配置される。
【0047】
第3の要素は半導体層である。半導体層は、上記式Iの構造単位を含むポリマーを含む。半導体層は、第1側面、第2側面、第1端部及び第2端部を有し、半導体層の第2側面は、絶縁体層の第2側面に隣接している。ポリマーは絶縁体上に堆積され、単一層フィルムとして又は多層フィルムとして存在し、これらを一緒にした厚みは10nm〜1000nmの範囲、25nm〜500nmの範囲、好ましくは、50nm〜300nmの範囲にある。
【0048】
電界効果トランジスタの第4の要素はソースである。ソースは導電体である。ソースは、半導体層の第1端部と電気接触している。第5の要素はドレインである。ドレインは導電体である。ドレインは、半導体層の第2端部と電気接触している。ゲートに負の電圧バイアスが印加されると、ソースをドレインに接続している半導体層中に正孔伝導チャンネルが形成される。ゲートに正のバイアスが印加されると、半導体層中に電子伝導チャンネルが形成される。
【0049】
エレクトロルミネッセントデバイス同様に、半導体層を含むポリマーフィルムは、溶媒をベースとした加工方法、例えば、スピン−コーティング、ローラー−コーティング、浸漬−コーティング、噴霧−コーティング及びドクターブレーディング並びにインクジェット印刷等により形成されてもよい。2種以上のポリマーが使用される場合は、これらは、別個の層として別々に堆積されてもよく、又は所望のポリマーのブレンドを含む溶液から1つの層として堆積されてもよい。
【0050】
2つの電極(ソース及びドレイン)は、半導体ポリマーに取り付けられ、第3の電極(ゲート)は、絶縁体の向かい合った表面上に取り付けられる。半導体ポリマーが正孔輸送性である場合(すなわち、大部分のキャリヤが正孔である)、ゲート電極へ負のDC電圧を印加すると、ポリマー−絶縁体界面近傍に正孔の蓄積が生じ、ソースとドレインの間に電流が流れることのできる伝導チャンネルを作りだす。このトランジスタは「on」の状態にある。ゲート電圧を逆にすると、蓄積ゾーンにおいて正孔が減少し、電流が停止する。このトランジスタは「off」の状態にある。
【実施例】
【0051】
以下の実施例は、例示目的のために挙げられるもので、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0052】
反応スキーム:
【化12】

【0053】
(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾールの合成)(化合物1)
シクロヘキサノン(49.1g、0.5モル)及び氷酢酸(180g)を1Lの三つ口丸底フラスコ(RBF)に入れた。溶液を加熱還流した。塩酸p−トリルヒドラジン(79.3g、0.3モル)を、1時間の還流下に添加した。塩酸p−トリルヒドラジンの添加後、還流を窒素下でさらに3時間続けた。加熱マントルを取り除き、反応混合物を冷却し、次いで、濾過した。固体を、水で、次いで、300mLの75%メタノールで洗浄し、濾過した。濾過により集められた粗生成物は、白っぽい結晶であった。粗生成物を、メタノールからの再結晶により精製し、最終生成物として、70gの無色針状結晶を得た。HPLCは、本質的に100重量%の純度を示した。
【0054】
(3−メチルカルバゾールの合成)(化合物2)
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチルカルバゾール(化合物1)(35g)及び5%パラジウム活性炭(12g)を、1LのRBFにおいて、260℃で、窒素下で、1.5時間加熱した。室温まで冷却した後、THFを添加して化合物を溶解した。活性炭及びPdを濾過によって除去した。THFを除去し、次いで、粗生成物を、メタノールからの2度の再結晶にかけた。白色結晶として25.9gの最終生成物を得た。HPLCは、99.5重量%の純度を示した。
【0055】
(4,4’−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)ビフェニルの合成)(化合物3)
10g(55.2ミリモル)の3−メチルカルバゾール(化合物2)、7.47g(18.4ミリモル)の4,4’−ジヨードビフェニル、7.1g(110.4ミリモル)の銅、30.4g(0.22モル)の炭酸カリウム、及び1.45g(5.5ミリモル)の18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた500mLの三つ口RBFにおいて、窒素下で、270mLのo−ジクロロベンゼンに分散した。懸濁液を窒素で15分間脱気し、次いで、窒素下で加熱還流した。反応中に発生した水を、ディーンスタークトラップで除去した。16時間後に、HPLCは、出発物質の4,4’−ジヨードビフェニルを示さなかった。加熱マントルを取り除く前に、還流を、さらに4時間続けた。反応物を室温近くまで冷却した後、反応混合物を、塩基性アルミナ床(〜2cm厚)で濾過し、トルエンで溶出した。溶媒を、減圧下で、ロータリーエバポレーターで除去し、粗生成物として白色固体を得た。生成物を、トルエンから再結晶で精製し、白色結晶を得た。HPLCは、99.3重量%の純度を示した。生成物を、55℃の真空オーブンにおいて2時間乾燥した。最終生成物として、8.75gの白色結晶を得た。
【0056】
(4,4’−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)ビフェニルの合成)(化合物4)
500mLのジクロロメタン中の3g(5.85ミリモル)の4,4’−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)ビフェニル(化合物3)の溶液に、50mLのジクロロメタン中の1.97g(12.28ミリモル)の臭素を、室温で滴加した。添加後、反応物を室温でさらに1時間撹拌した。混合物を濾過し、粗生成物を、白色固体として濾過により集めた。トルエンからの2度の再結晶により、最終生成物を白色結晶として得た(0.78g)。HPLCは、99.1重量%の純度を示した。
【0057】
反応スキーム:
【化13】

【0058】
(1,4−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)ベンゼンの合成)(化合物5)
7.25g(40ミリモル)の3−メチルカルバゾール(化合物2)、4.95g(15ミリモル)の1,4−ジヨードベンゼン、6.4g(0.1ミリモル)の銅、28g(0.22モル)の炭酸カリウム、及び1.3g(5.5ミリモル)の18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた500mLの三つ口RBFにおいて、窒素下で、250mLのo−ジクロロベンゼンに分散した。一晩の反応後、HPLCは、出発物質の1,4−ジヨードベンゼンを示さなかった。加熱マントルを取り除く前に、還流を、さらに4時間続けた。反応物を室温まで冷却した後、反応混合物を、塩基性アルミナ床(〜2cm厚)で濾過し、トルエンで溶出した。溶媒を、減圧下で、ロータリーエバポレーターで除去し、粗生成物として白色固体を得た。生成物を、トルエンからの再結晶で精製し、白色結晶を得た。HPLCは、99.6重量%の純度を示した。生成物を、55℃の真空オーブンにおいて一晩乾燥した。最終生成物として、6.01gの白色結晶を得た。純度は、HPLCにより99.6重量%であった。収率は91.6モル%であった。
【0059】
(1,4−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)ベンゼンの合成)(化合物6)
〜700mLのTHFに溶解した、4.5g(10.3ミリモル)の1,4−ビス(3−メチルカルバゾール−9−イル)ベンゼン(化合物5)の溶液に、〜10mLのDMFに溶解した、3.71g(20.8ミリモル)のNBSを室温で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。白色固体が沈殿した。HPLCは、出発物質の完全な転換を示した。反応混合物を加熱還流し、透明となった。1%のNBSを、室温で添加し、次いで、加熱還流した。反応混合物を加熱還流し、次いで、生成物を再結晶するために室温まで冷却した。白色針状結晶を得た。HPLCは、99重量%の純度を示した。THFからの再結晶を一度繰り返し、純度は99.4重量%まで増加した。収率は3.0gであった。
【0060】
反応スキーム:
【化14】

【0061】
(9−p−トリル−9H−カルバゾールの合成)(化合物7)
16.7g(0.1モル)のカルバゾール、32.7g(0.15モル)の4−ヨードトルエン、12.8g(0.2モル)の銅、34.5g(0.25モル)の炭酸カリウム、及び2.8g(10ミリモル)の18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた1Lの三つ口RBFにおいて、窒素下で、500mLのo−ジクロロベンゼンに分散した。懸濁液を窒素で30分間脱気し、次いで、窒素下で加熱還流した。反応の最初の数時間において、ディーンスタークトラップに幾らかの水が集められた。この水をディーンスタークトラップから除去した。22時間後に反応物を70℃まで冷却し、反応混合物を、塩基性アルミナ床(〜2cm厚)で濾過し、トルエンで溶出した。溶媒を、減圧下で、ロータリーエバポレーターで除去し、粗生成物として白色固体を得た。生成物を、エタノール及びトルエンの混合物からの再結晶で精製した。収率は15.25gであった。純度は、HPLCにより99.81%であった。
【0062】
(3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール)(化合物8)
500mLの三つ口RBFにおいて、170mLのジクロロメタン中の15.02g(58.3ミリモル)の9−p−トリル−9H−カルバゾール(化合物7)の溶液に、0℃で(氷−水浴において冷却された)、20.81g(116.6ミリモル)のN−ブロモスクシンイミドを少しずつ添加した。添加後、反応混合物を室温になるまで放置し、室温で一晩撹拌した。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、粗生成物を、エタノール及びヘキサンの混合物からの再結晶により精製した。収率は18.68gであった。純度は、HPLCにより99.7%であった。
【0063】
(3,6−ビス(3’−メチルカルバゾール−9’−イル)−9−p−トリル−9H−カルバゾール)(化合物9)
7.25g(40ミリモル)の3−メチルカルバゾール(化合物2)、6,23g(15ミリモル)の3,6−ジブロモ−9−p−トリル−9H−カルバゾール(8)、6.4g(0.1ミリモル)の銅、28g(0.22モル)の炭酸カリウム、及び1.3g(5.5ミリモル)の18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた500mLの三つ口RBFにおいて、窒素下で、250mLのo−ジクロロベンゼンに分散し、混合物を加熱還流した。4.5日後に、さらに1gの3−メチルカルバゾールを添加し、還流を、さらに1日続けた。次いで、反応を室温近くまで冷却し、反応混合物を塩基性アルミナ床(〜1インチ)に通し、〜300mLの1,2−ジクロロベンゼンで溶出した。溶媒の殆どを除去後、生成物をメタノールに沈殿させた。褐色固体を、少量のトルエンに再溶解し、ヘキサン+トルエン(容量において7:3)で溶出されるシリカゲルカラムで精製した。6.2gの白色固体を得、HPLCは98.85%の純度を示した。白色固体をトルエン及びアセトニトリルの混合物から再結晶し、HPLCで決定された99.1%の純度を有する白色固体5.7gを得た。
【0064】
(3,6−ビス(3’−ブロモ−6’−メチルカルバゾール−9’−イル)−9−p−トリル−9H−カルバゾール)(化合物10)
200mLのTHFに溶解した5.5g(8.73ミリモル)の3,6−ビス(3’−メチルカルバゾール−9’−イル)−9−p−トリル−9H−カルバゾール(化合物9)の溶液に、〜10mLのDMFに溶解した3.26g(18.31ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド(NBS)を、室温で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、ロータリーエバポレーターで、〜50mLまで濃縮し、生成物を、メタノール(300mL)中で沈殿させた。濾過により白色固体として粗生成物を集め、次いで、トルエン及びエタノールの混合物からの再結晶により精製し、白色結晶として最終生成物を得た。収率は5.6gであった。純度は、HPLCにより99.8%であった。
【0065】
反応スキーム:
【化15】

【0066】
(3,7−ビス(3’−メチルカルバゾール−9’−イル)−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン)(化合物11)
7.1g(15ミリモル)の3,7−ジブロモ−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン、8.14gの3−メチルカルバゾール、7.1gの銅、30.4gの炭酸カリウム、1.45gの18−クラウン−6を、コンデンサー及びディーンスタークトラップを備えた500mLの三つ口RFBにおいて、窒素下で、250mLのo−ジクロロベンゼンに分散した。懸濁液を、窒素を流しながら15分間脱気し、次いで、7日間、加熱還流した。反応物を、〜80℃まで放冷し、塩基性アルミナ層(〜2cm)を通して濾過し、〜300mlのo−ジクロロベンゼンで洗浄した。一緒にした溶液を蒸発させて溶媒を除去した。粗生成物を、トルエン及びヘキサン(2:8v/v)の混合物で溶出されるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、HPLCで示される99.3%の純度で、白色粉末として最終生成物5.83gを得た。
【0067】
(3,7−ビス(3’−ブロモ−6’−メチルカルバゾール−9’−イル)−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン)(化合物12)
200mlのTHFに溶解した3.35g(5ミリモル)の3,7−ビス(3’−メチルカルバゾール−9’−イル)−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジンに、〜10mLのDMFに溶解した1.8g(10.1ミリモル)のNBSを、0℃(氷浴)で添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。溶媒を、ロータリーエバポレーターで除去した。粗生成物を、トルエン及びエタノールの混合物からの再結晶により精製し、白色針状結晶として最終生成物を得た。収率:2.7g。純度:99.8%(HPLC)。
【0068】
(ポリマー1(青色発光ポリマー)の調製)
【化16】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(2.439g、4.575ミリモル)、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−(2−エトキシエトキシ)フェニル)フルオレン(2.665g、4.077ミリモル)、4,4’−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)ビフェニル(0.305g、0.453ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.72g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(4.2mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解した。次いで、反応混合物を加熱還流し、次いで炭酸ナトリウム(2M、10mL)を添加した。混合物を、約2.5時間撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.27g)、続いて、トルエン(25mL)を添加し、反応混合物を撹拌し、一晩、撹拌し、加熱し、次いで、放冷した。水性相を反応混合物から分離し、有機相をさらなる水(100mL)で洗浄し、次いで、ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液に添加し、窒素下で、85℃で4時間加熱、撹拌した。水性相(16mL)をポリマー溶液から分離し、有機溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(2×約100mL)、続いて、水で洗浄した(3×約100mL)。ポリマー生成物を含む有機相を、セライト(celite)(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出した。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得た。生成物をメタノールに沈殿させた。ポリマーを、一晩、真空で、60℃で乾燥した。ポリマーを、トルエン(170mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させた。ポリマーを集め、前と同様に真空で乾燥し、最終ポリマーとして、3.9gの白色繊維を得た。ポリマーのGPC分析は、109,000の数平均分子量(M)、210,000の重量平均分子量(M)、及び1.92の多分散度(M/M)を示した。
【0069】
(ポリマー2(青色発光ポリマー)の調製)
【化17】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(2.678g、5.05ミリモル)、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−(2−エトキシエトキシ)フェニル)フルオレン(2.935g、4.50ミリモル)、4,4’−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)ベンゼン(0.297g、0.50ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.6g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解した。次いで、反応混合物を加熱還流し、次いで炭酸ナトリウム(2M、13mL)を添加した。混合物を、約2.5時間撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.25g)、続いて、トルエン(40mL)を添加し、反応混合物を、一晩、撹拌し、加熱し、次いで、放冷した。ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、95℃で6時間加熱、撹拌した。水性相をポリマー溶液から分離し、溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(3×約300mL)、続いて、水で洗浄した(300mL)。ポリマー溶液を、撹拌したエタノール(3L)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを濾過により集め、真空オーブンにおいて、60℃で、一晩乾燥した。ポリマーを、300mLのトルエンに再溶解し、溶液を、セライト(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出した。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得た。生成物をメタノールに沈殿させた。ポリマー、真空において、60℃で、一晩乾燥した。ポリマーをトルエン(200mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させた。繊維を集め、前と同様に真空で乾燥し、白色繊維として3.5gのポリマーを得た。ポリマーのGPC分析は、103,867の数平均分子量(M)、303,412の重量平均分子量(M)、及び2.92の多分散度(M/M)を示した。
【0070】
(ポリマー3(燐光発光ポリマー)の調製)
【化18】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジヘキシルフルオレン(1.927g、4.08ミリモル)、2,7−ジブロモ−9,9−ジ(4−ヘキシルオキシフェニル)フルオレン(2.359g、3.48ミリモル)、4,4’−ビス(3−ブロモ−6−メチルカルバゾール−9−イル)ビフェニル(0.271g、0.40ミリモル)、以下で示される構造を有するイリジウム錯体モノマー(0.116g、0.12ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.9g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3.6mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解した。次いで、反応混合物を加熱還流し、次いで炭酸ナトリウム(2M、11mL)を添加した。混合物を、窒素下で一晩撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.27g)、続いて、トルエン(10mL)を添加し、反応混合物を、101℃で3.5時間撹拌し、次いで、放冷した。ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、95℃で3時間加熱、撹拌した。水性相をポリマー溶液から分離し、溶液を水で洗浄した(5×約300mL)。ポリマー溶液を、撹拌したエタノール(3L)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを濾過により集め、真空オーブンにおいて、60℃で、一晩乾燥した。ポリマーを、300mLのトルエンに再溶解し、溶液を、セライト(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出した。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得た。生成物をメタノールに沈殿させた。ポリマーを、一晩、真空で、60℃で乾燥した。ポリマーを、トルエン(200mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させた。ポリマーを集め、前と同様に真空で乾燥し、淡黄色繊維として2.9gのポリマーを得た。ポリマーのGPC分析は、103,867の数平均分子量(M)、303,412の重量平均分子量(M)、及び2.92の多分散度(M/M)を示した。
【0071】
【化19】

【0072】
(ポリマー4(青色発光ポリマー)の調製)
【化20】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(2.1426g、4.04ミリモル)、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−(2−エトキシエトキシ)フェニル)フルオレン(2.3487g、3.60ミリモル)、3,6−ビス(3’−ブロモ−6’−メチルカルバゾール−9’−イル)−9−p−トリル−9H−カルバゾール(0.3150g、0.40ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.6g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.5mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解した。次いで、反応混合物を加熱還流し、次いで炭酸ナトリウム(2M、11mL)を添加した。混合物を、約2.5時間撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.25g)、続いて、トルエン(40mL)を添加し、反応混合物を一晩、撹拌し、加熱し、次いで、放冷した。ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、95℃で6時間加熱、撹拌した。水性相をポリマー溶液から分離し、溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(3×約300mL)、続いて、水で洗浄した(300mL)。ポリマー溶液を、撹拌したメタノール(3L)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを濾過により集め、真空オーブンにおいて、60℃で、一晩乾燥した。ポリマーを、300mLのトルエンに再溶解し、溶液を、セライト(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出した。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得た。生成物をメタノールに沈殿させた。ポリマーを、一晩、真空で、60℃で乾燥した。ポリマーを、トルエン(200mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させた。繊維を集め、前と同様に真空で乾燥し、白色繊維として2.6gのポリマーを得た。ポリマーのGPC分析は、234,239の数平均分子量(M)、705,872の重量平均分子量(M)、及び3.01の多分散度(M/M)を示した。
【0073】
(ポリマー5A(青色発光ポリマー)の調製)
【化21】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(1.8562g、3.035ミリモル)、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(4−(2−エトキシエトキシ)フェニル)フルオレン(2.0551g、3.15ミリモル)、3,7−ビス(3’−ブロモ−6’−メチルカルバゾール−9’−イル)−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン(0.2911g、0.35ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.6g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.5mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解した。次いで、反応混合物を加熱還流し、次いで炭酸ナトリウム(2M、11mL)を添加した。混合物を、約2.5時間撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.25g)、続いて、トルエン(40mL)を添加し、反応混合物を一晩、撹拌し、加熱し、次いで、放冷した。ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、95℃で6時間加熱、撹拌した。水性相をポリマー溶液から分離し、溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(3×約300mL)、続いて、水で洗浄した(300mL)。ポリマー溶液を、撹拌したメタノール(3L)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを濾過により集め、真空オーブンにおいて、60℃で、一晩乾燥した。ポリマーを、300mLのトルエンに再溶解し、溶液を、セライト(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出した。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得た。生成物をメタノールに沈殿させた。ポリマーを、一晩、真空で、60℃で乾燥した。ポリマーを、トルエン(200mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させた。繊維を集め、前と同様に真空で乾燥し、白色繊維として2.5gのポリマーを得た。ポリマーのGPC分析は、161,244の数平均分子量(M)、409,100の重量平均分子量(M)、及び2.54の多分散度(M/M)を示した。
【0074】
(ポリマー5B(フルオレンとの交互コポリマー)の調製)
【化22】


2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(1.4850g、2.80ミリモル)、3,7−ビス(3’−ブロモ−6’−メチルカルバゾール−9’−イル)−N−(4−n−ブチルフェニル)フェノキサジン(2.3285g、2.80ミリモル)、Aliquat(商標)336相間移動剤(0.6g)、及びトランス−ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.5mg)を、250mLの三つ口フラスコにおいて撹拌しながら、室温でトルエン(40mL)に溶解した。次いで、反応混合物を加熱還流し、次いで炭酸ナトリウム(2M、11mL)を添加した。混合物を、約1日撹拌し、次いで、フェニルボロン酸を添加し(0.25g)、続いて、トルエン(40mL)を添加し、反応混合物を一晩、撹拌し、加熱し、次いで、放冷した。ナトリウムジエチルジチオカルバメート三水和物(DDC、3gを30mLの水に溶解した)の水溶液を添加し、混合物を、窒素下で、95℃で6時間加熱、撹拌した。水性相をポリマー溶液から分離し、溶液を、2%v/v酢酸水溶液で洗浄し(3×約300mL)、続いて、水で洗浄した(300mL)。ポリマー溶液を、撹拌したメタノール(3L)中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマーを濾過により集め、真空オーブンにおいて、60℃で、一晩乾燥した。ポリマーを、300mLのトルエンに再溶解し、溶液を、セライト(1インチ)、シリカ(3インチ)、及びアルミナ(1インチ)のカラムに通し、トルエンで溶出した。ポリマー画分を一緒にし、溶液を真空で濃縮し、トルエン中のポリマーの約3%w/v溶液を得た。生成物をメタノールに沈殿させた。ポリマーを、一晩、真空で、60℃で乾燥した。ポリマーを、トルエン(200mL)に再溶解し、次いで、メタノールに再沈殿させた。繊維を集め、前と同様に真空で乾燥し、白色繊維として2.2gのポリマーを得た。ポリマーのGPC分析は、21,072の数平均分子量(M)、55,716の重量平均分子量(M)、及び2.64の多分散度(M/M)を示した。同様の方法により、次の交互コポリマーを調製した:
【0075】
(ポリマー6)
【化23】


Mn=125,433;Mw=315,200;多分散度(Mw/Mn)=2.51
【0076】
(ポリマー7)
【化24】


Mn=50,000;Mw=102,000;多分散度(Mw/Mn)=2.04
【0077】
(ポリマー8)
【化25】


Mn=23,131;Mw=84,259;多分散度(Mw/Mn)=3.64
【0078】
(ポリマー9)
【化26】


Mn=21,072;Mw=55,716;多分散度(Mw/Mn)=2.64
【0079】
(Li/Cal/Alカソード上の青色ポリマーLEDデバイス)
ポリマー1(85mg)をキシレン(5mL)に溶解し、0.22μLのシリンジフィルターで濾過した。1:16w/wのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)の80nmフィルムを、清浄にしたインジウム−錫−酸化物(ITO)を被覆したガラス基体上に堆積し、200℃で15分間焼成した。ポリマー/キシレン溶液の80nmフィルムを、PEDOT:PSSフィルム上にスピンコートし、この被覆された基体を、130℃で、窒素下で、1時間焼成した。次いで、カソード層のLiF(3nm)、Ca(10nm)、及びAl(150nm)を、ポリマーフィルム上に真空蒸着した。
【0080】
同様に、ポリマー2、ポリマー4、及びポリマー5を、カソードとしてLiF/Ca/Alを使用してテストした。一般的なデバイスデータを下記の表に要約する。
【0081】
【表1】

【0082】
表におけるデータから分かる通り、ポリマー1、2及び4は、全て、カソードとしてLi/Ca/Alを使用するデバイスにおいて深青色を発した。
【0083】
(Baカソード上の青色ポリマーLEDデバイス)
ポリマー1(85mg)をキシレン(5mL)に溶解し、0.22μLのシリンジフィルターで濾過した。1:16w/wのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)の80nmフィルムを、清浄にしたインジウム−錫−酸化物(ITO)を被覆したガラス基体上に堆積し、200℃で15分間焼成した。ポリマー/キシレン溶液の80nmフィルムを、PEDOT:PSSフィルム上にスピンコートし、この被覆された基体を、130℃で、窒素下で、1時間焼成した。次いで、カソード金属のBa(5nm)、及びAl(150nm)を、ポリマーフィルム上に真空蒸着した。
【0084】
同様に、ポリマー2、ポリマー4、及びポリマー5を、カソードとしてLiF/Ca/Alを使用してテストした。一般的なデバイスデータを下記の表に要約する。
【0085】
【表2】

【0086】
表におけるデータから分かる通り、ポリマー1、2、4、及び5は、全て、カソードとしてBa/Alを使用するデバイスにおいて深青色を発した。
【0087】
(発光層としてポリマー6を含むブレンドを使用する青色ポリマーLEDデバイス)
17mgのポリマー6及び68mgのポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)を、5mLのキシレンに溶解し、溶液を、0.22μLのシリンジフィルターで濾過した。1:16w/wのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT):ポリスチレンスルホン酸(PSS)の80nmフィルムを、清浄にしたインジウム−錫−酸化物(ITO)を被覆したガラス基体上に堆積し、200℃で15分間焼成した。ポリマー/キシレン溶液の80nmフィルムを、PEDOT:PSSフィルム上にスピンコートし、この被覆された基体を、130℃で、窒素下で、1時間焼成した。次いで、カソード層のLiF(3nm)、Ca(10nm)、及びAl(150nm)を、ポリマーフィルム上に真空蒸着した。得られたデバイスは、DC電圧下で青色光を発し(CIE座標:x=0.160;y=0.080)、7.5ボルトでは400cd/mの平均輝度を示し、平均光効率は、0.2cd/Aであった。10Vではデバイスの平均輝度は644cd/mであった。
【0088】
結論
本発明は、好ましい態様を有するものとして記述されたが、本発明は、この開示の精神及び範囲内においてさらに変更することができる。本願は、したがって、本明細書に開示されている一般的な原理を使用する本発明のあらゆる変化、使用、又は適合を網羅することを意図している。さらに、本願は、本発明が属し、添付の特許請求の範囲の制限内に入る当該技術分野において知られた又は通常のやり方の内に入る、本明細書の開示からは逸脱するものを網羅することを意図している。
【0089】
本発明の態様は下記のようなものである。
1.
式Iの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化27】


(式中、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含む芳香族基、又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含む芳香族基であり、前記芳香族基は、置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
2.
Arが、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラセニル、ペリレニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、フェナントリデニル、フェナントロリニル、フェナジニル、アクリジニル、ジベンゾシロリル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノ[3,4−b]ピラジニル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリニル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾリル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ジベンゾジオキシニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾシクロブテニル、ジヒドロベンゾジチイニル、ジヒドロチエノジオキシニル、クロマニル、イソクロマニル、9,10−ジヒドロフェナントレニル、チアジニル、フェノキサジニル、イソインドリル、ジベンゾチオフェンスルホニル、及びフェノチアジニルからなる群から選択される、1に記載のポリマー。
3.
Arが、フェニル、ビフェニル、9,9−二置換−2,7−フルオレニル、N−置換−3,6−カルバゾリル、N−置換−3,7−フェノキサジニル、N−置換−3,7−フェノチアジニルからなる群から選択される、1に記載のポリマー。
4.
式Iの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化28】


(式中、Arは、置換されていても非置換であってもよいビフェニルであり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
5.
が、独立に、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである、1又は4に記載のポリマー。
6.
が、1つ若しくは複数のO、S、N、又はSi等のヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよいC〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は芳香族基;又はさらに置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよいC〜C40アリール基である、1又は4に記載のポリマー。
7.
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル、又はトリルである、1又は4に記載のポリマー。
8.
式IIの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化29】


(式中、Arは、芳香族基であり、Arは、Arと同じか異なっていてもよいその他の芳香族基であり、Ar及びArは、共に置換されていても非置換であってもよく、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含み、又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含み、環は、置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFである)。
9.
式IIの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化30】


(式中、Arはビフェニルであり、Arは、Arと同じか異なっていてもよいその他の芳香族基であり、Ar及びArは、共に置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
10.
Arが、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、2,2’−ビチオフェン−5,5−ジイル、アントラセン−9,10−ジイル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、N−置換カルバゾール−3,6−ジイル、N−置換カルバゾール−2,7−ジイル、ジベンゾシロール−3,8−ジイル、ジベンゾシロール−4,7−ジイル、N−置換−フェノチアジン−3,7−ジイル、N−置換−フェノキサジン−3,7−ジイル、トリフェニルアミン−4,4’−ジイル、ジフェニル−p−トリルアミン−4,4’−ジイル及びN,N−ジフェニルアニリン−3,5−ジイルを含むトリアリールアミン−ジイル、N,N,N’,N’−テトラアリール−1,4−ジアミノベンゼン−ジイル、N,N,N’,N’−テトラアリールベンジジン−ジイル、アリールシラン−ジイル、及び9,9−二置換フルオレン−2,7−ジイルである、8又は9に記載のポリマー。
11.
Arが、式IIIを有するフルオレンを含む、8又は9に記載のポリマー
【化31】


(式中、Qは、R’又はArであり、Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、R’は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はR’の両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、Rは、出現するごとに独立に、C〜C40炭化水素、S、N、O、P若しくはSiの1つ又は複数のヘテロ原子を含むC〜C40ヒドロカルビル、又は置換若しくは非置換アリール基若しくはヘテロアリール基であり、nは、出現するごとに独立に、0〜3である)。
12.
出現するごとに独立に、以下の式又は式の組合せの共役単位の群から選択される、ポリマー鎖における部分をさらに含む、1又は4に記載のポリマー
【化32−1】


【化32−2】


【化32−3】


【化32−4】


【化32−5】


(式中、共役単位は、1つ又は複数の置換基を有してもよく、その様な置換基は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルボキシルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルボキシカルボニルオキシ、シアノ、又はフルオロ基であり、
は、O又はSであり、
Qは、R’又はArであり、
は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルビルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、シアノ又はフルオロ基であり、Rは、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、Rは、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、
nは、出現するごとに独立に、0〜3であり、
Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、R’は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はR’の両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよい)。
13.
溶媒をさらに含む、1、4、8又は9に記載のポリマー。
14.
1、4、8又は9に記載のポリマーを含むフィルム。
15.
少なくとも1つのさらなる共役ポリマーとブレンドされている、1、4、8又は9に記載のポリマー。
16.
前記ポリマーが、スペクトルの深青色の範囲における光を発する、1、4、8又は9に記載のポリマー。
17.
印加電圧下で、有機フィルムが、デバイスの透明な外側部分を透過して青色光を発するようにアノード材料及びカソード材料との間に配置された、1、4、8又は9に記載のポリマーを含む少なくとも1つの前記有機フィルムを含む、エレクトロルミネッセントデバイス。
18.
(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、
(b)ゲートであって、導電体であり、前記絶縁体層の前記第1側面に隣接して配置されているゲート、
(c)半導体層であって、1、4、8又は9に記載のポリマー及び第2電極を含む半導体層、
(d)ソースであって、導電体であり、前記半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び
(e)ドレインであって、導電体であり、前記半導体層の第2端部と電気接触しているドレイン
を含む電界効果トランジスタ。
19.
第1電極、1、4、8又は9に記載のポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池。
20.
式IVの化合物
【化33】


式中、Arは、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含むか又は1つ若しくは複数の縮合芳香族若しくは非芳香族環を含む置換若しくは非置換芳香族基であり、環は、置換されていてもよく非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFであり、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)。
21.
式IVの化合物
【化34】


(式中、Arは、置換又は非置換ビフェニルであり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFであり、Xは、ハロゲン又はボロネート基である)。
22.
Xが臭素である、20又は21に記載の化合物。
23.
Arが、フルオレニル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラセニル、ペリレニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、フェナントリデニル、フェナントロリニル、フェナジニル、アクリジニル、ジベンゾシロリル、フタラジニル、シンノリニル、キノキサリニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノ[3,4−b]ピラジニル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリニル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾリル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、チアントレニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキサニル、ジベンゾジオキシニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、ベンゾジチイニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾシクロブテニル、ジヒドロベンゾジチイニル、ジヒドロチエノジオキシニル、クロマニル、イソクロマニル、9,10−ジヒドロフェナントレニル、チアジニル、フェノキサジニル、イソインドリル、ジベンゾチオフェンスルホニル、及びフェノチアジニルからなる群から選択される、20に記載の化合物。
24.
Arが、フェニル、ビフェニル、9,9−二置換−2,7−フルオレニル、N−置換−3,6−カルバゾリル、N−置換−3,7−フェノキサジニル、N−置換−3,7−フェノチアジニルからなる群から選択される、20に記載の化合物。
25.
が、独立に、アルキル、アルコキシ、アリール置換基、シアノ、又はFである、20又は21に記載の化合物。
26.
が、1つ若しくは複数のO、S、N、P、又はSi等のヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよいC〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は芳香族基;又はさらに置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよいC〜C40アリール基である、20又は21に記載の化合物。
27.
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル又はトリルである、20又は21に記載の化合物。
28.
式IIの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化35】


(式中、Arは芳香族基であり、Arは、金属錯体モノマーであり、Ar及びArは、共に置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
29.
式Iの構造単位を含む、燐光を発するポリマー
【化36】


(式中、Arは、置換されていても非置換であってもよい芳香族基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、改善された効率及び寿命を有するオプトエレクトロニック材料及びデバイスを提供することが可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの構造単位を含む、燐光を発するポリマー
【化1】


(式中、Arは、置換されていても非置換であってもよい芳香族基であり、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
【請求項2】
式IIの構造単位を含む、共役又は部分共役ポリマー
【化2】


(式中、Arは芳香族基であり、Arは、金属錯体モノマーであり、Ar及びArは、共に置換されていても非置換であってもよく、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール基、シアノ、又はFである)。
【請求項3】
Arが、フルオレンジイル、チオフェンジイル、フランジイル、ピロールジイル、ピリジンジイル、ナフタレンジイル、アントラセンジイル、フェナントリジンジイル、テトラセンジイル、ペリレンジイル、キノリンジイル、イソキノリンジイル、キナゾリンジイル、フェナントリジンジイル、フェナントロリンジイル、フェナジンジイル、アクリジンジイル、ジベンゾシロールジイル、フタラジンジイル、シンノリンジイル、キノキサリンジイル、ベンゾキサゾールジイル、ベンズイミダゾールジイル、ベンゾチオフェンジイル、ベンゾチアゾールジイル、カルバゾールジイル、ベンゾオキサジアゾールジイル、ベンゾチアジアゾールジイル、チエノ[3,4−b]ピラジンジイル、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]−キノキサリンジイル、ベンゾ[1,2−c;3−4−c’]ビス[1,2,5]−チアジアゾールジイル、ピラジノ[2,3−g]キノキサリンジイル、ベンゾフランジイル、インドールジイル、ジベンゾフランジイル、ジベンゾチオフェンジイル、チアントレンジイル、ベンゾジオキシンジイル、ベンゾジオキサンジイル、ジベンゾジオキシンジイル、フェナジンジイル、フェノキサチンジイル、ベンゾジチンジイル、ベンゾジオキソールジイル、ベンゾシクロブテンジイル、ジヒドロベンゾジチンジイル、ジヒドロチエノジオキシンジイル、クロマンジイル、イソクロマンジイル、9,10−ジヒドロフェナントレンジイル、チアジンジイル、フェノキサジンジイル、イソインドールジイル、ジベンゾチオフェンスルホンジイル、及びフェノチアジンジイルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項4】
Arが、フェニレン、ビフェニレン、9,9−二置換−2,7−フルオレンジイル、N−置換−3,6−カルバゾールジイル、N−置換−3,7−フェノキサジンジイル、N−置換−3,7−フェノチアジンジイルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項5】
が、1つ若しくは複数のO、S、N、又はSiのヘテロ原子を含んでもよく、1つ若しくは複数の水素原子がFで置き換えられていてもよいC〜C20アルキル基、カルボ−C〜C20アルコキシ基、C〜C20アルコキシ基;又は芳香族基;又はさらに置換されていてもよく、1つ若しくは複数のヘテロ原子を含んでもよいC〜C40アリール基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項6】
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェニル、又はトリルである、請求項5に記載のポリマー。
【請求項7】
出現するごとに独立に、以下の式又は式の組合せの共役単位の群から選択される、ポリマー鎖における部分をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー
【化3−1】


【化3−2】


【化3−3】


【化3−4】


【化3−5】


(式中、共役単位は、1つ又は複数の置換基を有してもよく、その様な置換基は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルボキシルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルボキシカルボニルオキシ、シアノ、又はフルオロ基であり、
は、O又はSであり、
Qは、R’又はArであり、
は、出現するごとに独立に、C〜C20ヒドロカルビル、C〜C20ヒドロカルビルオキシ、C〜C20チオエーテル、C〜C20ヒドロカルビルオキシカルボニル、C〜C20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、シアノ又はフルオロ基であり、Rは、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はRの両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよく、Rは、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、
nは、出現するごとに独立に、0〜3であり、
Arは、C〜C40のアリール若しくはヘテロアリール基又はC〜C40の置換アリール若しくはヘテロアリール基であり、R’は、出現するごとに独立に、H、C〜C40ヒドロカルビル若しくはC〜C40ヒドロカルビル(1つ若しくは複数のS、N、O、P若しくはSi原子を含む)であり、又はR’の両方は、フルオレン上の9−炭素と一緒になって、1つ若しくは複数のS、N、Si、P若しくはO原子を含んでもよいC〜C20環構造を形成してもよい)。
【請求項8】
溶媒をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマーを含むフィルム。
【請求項10】
少なくとも1つのさらなる共役ポリマーとブレンドされている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項11】
印加電圧下で、有機フィルムが、デバイスの透明な外側部分を透過して青色光を発するようにアノード材料及びカソード材料との間に配置された、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマーを含む少なくとも1つの前記有機フィルムを含む、エレクトロルミネッセントデバイス。
【請求項12】
(a)絶縁体層であって、電気絶縁体であり、第1側面及び第2側面を有する絶縁体層、
(b)ゲートであって、導電体であり、前記絶縁体層の前記第1側面に隣接して配置されているゲート、
(c)半導体層であって、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマー及び第2電極を含む半導体層、
(d)ソースであって、導電体であり、前記半導体層の第1端部と電気接触しているソース、及び
(e)ドレインであって、導電体であり、前記半導体層の第2端部と電気接触しているドレイン
を含む電界効果トランジスタ。
【請求項13】
第1電極、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリマーを含むフィルム及び第2電極を含む光電池。


【公開番号】特開2013−7041(P2013−7041A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−174761(P2012−174761)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【分割の表示】特願2007−558165(P2007−558165)の分割
【原出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】