説明

ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンスルホンアミド誘導体

本発明は、式(I)で示される化合物、その製造方法、CNS障害の処置用の医薬の製造のためのそれらの使用及びそれらを含有する医薬組成物に関する。式(I)で示される化合物は、一般式(I)[式中、R、R、R及びRは、明細書中と同義である]で表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)で示される化合物、その製造方法、CNS障害の処置のための医薬の製造におけるそれらの使用及びそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
式(I):
【化1】


[式中、
は、Hであり、そしてRは、−S(O)−NRであるか、又は、Rは、Hであり、そしてRは、−S(O)−NRであり;
は、H、フルオロ、クロロ、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−ハロアルコキシ又はNRであり;
は、クロロ、C1−6−ハロアルキル、又は場合によりハロゲンで置換されているアリールであり;そして
及びRは、独立に、H、C1−6−アルキル及びC2−6−ヒドロキシアルキルからなる群より選択される]
で示される化合物、及びその薬学的に許容し得る塩。
【背景技術】
【0003】
驚くべきことに、一般式(I)で示される化合物が代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストであることが見出された。式(I)で示される化合物は、価値ある治療的特性によって識別されている。
【0004】
中枢神経系(CNS)において、刺激の伝達は、ニューロンから送り出される神経伝達物質と神経受容体との相互作用によって起こる。
【0005】
CNSにおいて最も一般的に生じる神経伝達物質であるL−グルタミン酸は、数多くの生理的プロセスにおいて重要な役割を担う。グルタミン酸依存性の刺激受容体は、二つの主要なグループに分けられる。第一の主要なグループは、リガンド調節されたイオンチャネルを形成する。代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は、第二の主要なグループを形成して、さらにGタンパク質共役受容体のファミリーに属する。
【0006】
現在、これらmGluRの8つの異なるメンバーが知られており、そしてこれらのうちのいくつかはサブタイプも有している。構造的パラメータ、二次代謝産物の合成に及ぼす影響の違い及び低分子量化合物への親和性の違いに基づいて、これらの8つの受容体はさらに3つのサブグループに分けられる。mGluR1及びmGluR5はグループIに属し、mGluR2及びmGluR3はグループIIに属し、そしてmGluR4、mGluR6、mGluR7及びmGluR8はグループIIIに属する。
【0007】
グループIIに属する代謝型グルタミン酸受容体のリガンドは、急性及び/又は慢性神経障害、例えば精神病、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害及び記憶欠損の治療又は予防に使用することができる。
【0008】
これに関連する他の処置可能な適応症は、バイパス手術又は移植、脳への不十分な血液供給量、脊髄損傷、頭部損傷、妊娠による低酸素症、心停止及び低血糖に起因する制限された脳機能である。さらなる処置可能な適応症は、慢性及び急性の疼痛、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、目の外傷、網膜症、特発性パーキンソン症もしくは医薬に起因するパーキンソン症、ならびにグルタミン酸欠乏症に至る病状、例えば筋痙縮、痙攣、片頭痛、尿失禁、ニコチン中毒、アヘン中毒、不安症、嘔吐、ジスキネジア、うつ病、結腸癌、睡眠障害、概日リズム障害及び神経膠腫であり、これは、mGluR2アンタゴニストがヒト神経膠腫細胞の細胞増殖を抑えることが見出されたためである(J. Neurochem. March 2003, 84(6): 1288-95)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、式(I)で示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩そのもの及び薬学的に活性な物質としての塩、それらの製造、本発明の化合物に基づいた医薬及びそれらの製造、ならびにそれぞれについての、上述のような疾病の制御又は予防における本発明の化合物の使用、及び対応する医薬の製造のための使用である。
【0010】
式(I)で示される化合物は、プロドラッグの形態で使用することもできる。例としては、エステル、N−オキシド、リン酸エステル、グリコアミドエステル、グリセリド抱合体などである。プロドラッグは、吸収、分布における薬物動態及び脳への輸送における利点を本化合物の価値に付加し得る。
【0011】
他に記述のない限り、本明細書中で使用される以下の用語は、以下に与えられる定義を有する。用語「アルキル」又は「C1−6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子(C1−6−アルキル)、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和炭化水素残基を示し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチルなどであり、ならびに以下に例示される本発明の化合物と共に説明される基を示す。
【0012】
用語「C1−6−ハロアルキル」は、上記と同義のC1−6−アルキル基を示し、これは、1個以上のハロゲン原子、特にCl、F又はI、好ましくは3個のCl、又は2個もしくは3個のFにより置換されている、すなわちCCl、CHF及びCFであり、ならびに以下に例示される本発明の化合物と共に具体的に説明される基を示す。
【0013】
用語「C1−6−ヒドロキシアルキル」は、1個以上の、好ましくは1個、2個又は3個、そしてさらに好ましくは1個のヒドロキシ基(OH)により置換されている、上記と同義のC1−6−アルキル基を示す。
【0014】
用語「C1−6−アルコキシ」は、酸素原子を介して結合している、上述の定義のC1−6−アルキル残基を示す。「C1−6−アルコキシ」残基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ならびに以下に例示される本発明の化合物と共に具体的に説明される基が含まれる。
【0015】
用語「C1−6−ハロアルコキシ」は、上記と同義のC1−6−アルコキシ基を示し、これは、1個以上のハロゲン原子、特にCl、F又はI、好ましくは3個のCl、又は2個もしくは3個のFにより置換されている、すなわちOCHF及びOCF、OCHCHF、OCHCFであり、ならびに以下に例示される本発明の化合物と共に具体的に説明される基を示す。
【0016】
用語「アリール」は、一価の環状芳香族炭化水素基、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル又はインダニルを示す。
【0017】
表記「R″は、ホウ素及び両方の酸素と一緒になって、5もしくは6員のヘテロシクロアルキル環を形成する」は、少なくとも1つのホウ素原子及びこれに結合する2つの酸素原子を含み、他の環員が炭素原子である、5もしくは6環員を有する、非置換であるか、又は置換されている複素環を示す。そのようなヘテロシクロアルキルの例は、4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラニル又は5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナニルである。置換基は、好ましくは1〜4個のC1−6−アルキル、例えばメチルである。
【0018】
用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を包含する。
【0019】
用語「場合により置換されている」は、それが指す化学基が、これに関連して列挙されている置換基1個以上によって置換され得ることを意味し、例えば、該化学基の価数及び入手可能な位置によって1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個、好ましくは1〜3個の置換基によって置換されている。
【0020】
用語「薬学的に許容し得る付加塩」は、無機もしくは有機酸又は塩基から誘導される任意の塩を指す。
【0021】
式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストであり、そして急性及び/又は慢性神経障害、例えば精神病、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害及び記憶欠損の治療又は予防に使用することができる。他の処置可能な適応症は、バイパス手術又は移植、脳への不十分な血液供給量、脊髄損傷、頭部損傷、妊娠による低酸素症、心停止及び低血糖に起因する制限された脳機能である。さらなる処置可能な適応症は、急性及び慢性の疼痛、ハンチントン舞踏病、ALS、AIDSに起因する認知症、目の外傷、網膜症、特発性パーキンソン症もしくは医薬に起因するパーキンソン症、ならびにグルタミン酸欠乏症に至る病状、例えば筋痙縮、痙攣、片頭痛、尿失禁、ニコチン中毒、精神病、アヘン中毒、不安症、嘔吐、ジスキネジア、うつ病、結腸癌、睡眠障害、概日リズム障害及び神経膠腫である。
【0022】
本発明の式(I)で示される化合物によりさらに包含される化合物は:
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRであるか、又は、Rが、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRであり;
が、H、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ又はNRであり;
が、C1−6−ハロアルキル、又は場合によりハロゲンで置換されているアリールであり;そして
及びRが、独立に、H及びC1−6−アルキルからなる群より選択される、
化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩である。
【0023】
特定の実施態様において、本発明の式(I)で示される化合物は、Rが、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである化合物である。
【0024】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである場合、R及びRは、いずれもHであってよく、例えば以下の化合物:
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸アミド及び
3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミドが含まれる。
【0025】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである場合、Rは、Hであってもよく、そしてRは、C1−6−アルキルであってもよく、例えば以下の化合物:
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド又は
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミドが含まれる。
【0026】
別の実施態様において、本発明の式(I)で示される化合物は、Rが、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである化合物である。
【0027】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである場合、R及びRは、いずれもHであってよく、例えば以下の化合物:
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド及び
3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミドが含まれる。
【0028】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである場合、Rは、Hであってもよく、そしてRは、C1−6−アルキルであってもよく、例えば以下の化合物:
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド及び
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミドが含まれる。
【0029】
さらなる実施態様において、本発明は、mGluR2の活性化が役割を担うか、又は関係している疾患又は病状の予防又は治療のための、例えば、精神病、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害、記憶欠損、結腸癌、睡眠障害、概日リズム障害及び神経膠腫などの急性及び/又は慢性神経障害の予防又は治療のための、本発明の式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0030】
さらにさらなる実施態様において、本発明は、mGluR2の活性化が役割を担うか、又は関係している疾患又は病状の治療又は予防用の、例えば、精神病、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害、記憶欠損、結腸癌、睡眠障害、概日リズム障害及び神経膠腫を含む、急性及び/又は慢性神経障害の治療及び/又は予防用の医薬の製造のための、本発明の式(I)で示される化合物の使用に関する。
【0031】
本発明の化合物は、式(V)で示される化合物を式(VI)で示される化合物と反応させる、以下工程を含む方法によって製造することができる:
【0032】
【化2】


[式中、Xは、塩素、臭素、ヨウ素であり、R″は、H、C1−6−アルキルであるか、又はホウ素及び両方の酸素と一緒になって、例えば4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラニル又は5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナニルのような中の5もしくは6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、Rは、H又はC1−6−アルキルのいずれかであり、そしてR及びRは、上記と同義である]。
【0033】
本発明の方法の特定の実施態様において、式(V)で示される化合物を式(VI)で示される化合物と反応させる工程は、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのようなパラジウム触媒を使用することを含む。
【0034】
本発明の方法の任意の一つの実施態様において、式(V)で示される化合物を式(VI)で示される化合物と反応させる工程は、有機溶媒(例えば、1,2−ジメトキシエタン)を使用することを含む。
【0035】
本発明の方法の任意の一つの実施態様において、Xは、好ましくはBr又はIのいずれかである。
【0036】
本発明の方法の任意の一つの実施態様において、R″は、好ましくはH、C1−6−アルキルであるか、又はホウ素原子及び両方の酸素と一緒になって、例えば4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラニル又は5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナニルのような中の5もしくは6員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0037】
本発明は、上記の方法により得られる生成物にも及ぶものである。
【0038】
本方法の出発物質、中間物質及び試薬は、市販されているか、又は以下の実施例に記載されているようにして調製できる。
【0039】
それぞれの化合物に関する詳細な手順の全ては、実施例の記載に見出すことができる。
【0040】
式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射剤の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0041】
式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容される塩は、医薬製剤を製造するため、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に製剤化することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩などが、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類等であるが、しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。溶剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、ショ糖、転化糖、グルコース等である。アルコール類、ポリオール類、グリセロール、植物油等のような佐剤は、式(I)で示される化合物の水溶性塩の水溶性注射剤に使用できるが、原則として不必要である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール等である。
【0042】
更に、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0043】
上述のように、式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩及び治療上不活性な賦形剤を含有する医薬もまた、式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容される酸付加塩の1種以上と、所望により、他の治療上価値のある物質の1種以上とを、治療上不活性な担体の1種以上と共に調製することを含むそのような医薬の調製方法と同様に、本発明の目的である。
【0044】
用量は、広い範囲内で変化させることができ、当然それぞれの具体的な症例における個々の要求に合わせられる。一般に、経口又は非経口投与のための有効用量は、0.01〜20mg/kg/日の間であり、前述の全ての病状に対して0.1〜10mg/kg/日の用量が好ましい。よって体重70kgの成人のための1日用量は、1日当たり0.7〜1400mgの間、好ましくは1日当たり7〜700mgの間である。
【0045】
本発明は、医薬、特に上記のような急性及び/又は慢性神経障害を制御するための医薬の製造のための式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容し得る塩の使用にも関する。
【0046】
本発明の化合物は、グループII mGlu受容体アンタゴニストである。化合物は、以下に記載されるアッセイにおいて測定したように、0.250μM以下、典型的には0.100μM以下、そして理想的には0.010μM以下の活性を示した。以下の表に、いくつかの好ましい化合物におけるいくつかの特異的なKi値を記載する。
【0047】
【表1】

【0048】
mGlu2をトランスフェクトしたCHO細胞膜への[H]−LY354740結合
トランスフェクション及び細胞培養
pBluescript II中のラットmGlu2受容体タンパク質をコードするcDNAを、Invitrogen Ltd (Paisley, UK)から入手した真核生物発現ベクターpcDNA I-amp中へサブクローニングした。このベクターコンストラクト(pcD1mGR2)を、ネオマイシン耐性のための遺伝子をコードするpsvNeoプラスミドと、CHO細胞中へChen & kayama(1988)に記載されている変法リン酸カルシウム法により同時導入した。細胞を、ダルベッコ変法イーグル培地中、低減Lグルタミン(最終濃度1mM)、36mg/L L−プロリン及びGibco-Invitrogenから入手した10%透析ウシ胎仔血清と共に維持し;培地に500μM α−メチル−4−カルボキシフェニルグリシン(MCPG)を補充した。G-418(最終濃度300ug/ml)の存在下で選択を行った。クローンを、5μgの全RNAの逆転写、そしてこれに続いて、60mM Tris HCl(pH10)、15mM (NHSO、2mM MgCl、25単位/ml Taqポリメラーゼ中、mGlu2受容体特異的プライマー5'-atcactgcttgggtttctggcactg-3'及び5'-agcatcactgtgggtggcataggagc-3'を用いるPCR(30サイクルの60℃で1分間のアニーリング、72℃、30秒間の伸長、及び95℃、1分間の変性)によって同定した。
【0049】
膜の調製
上記のようにして培養された細胞を、回収し、冷PBSで3回洗浄し、そして−80℃で凍結した。ペレットを、10mM EDTAを含む冷20mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.4)に再懸濁し、ポリトロン(Kinematica, AG, Littau, Switzerland)により10000rpmで10秒間ホモジナイズした。4℃で30分間の遠心分離をした後、ペレットを0.1mM EDTAを含む、冷20mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.4)で1回洗浄した。4℃で30分間の遠心分離の2回目を行った後、ペレットを0.1mM EDTAを含む、冷20mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.4)に再懸濁させた。タンパク質含有量を、ウシ血清アルブミンを標準物質として用いるPierce-Perbio(Rockford, IL, USA)製のMicro BCA法により測定した。
【0050】
H]−LY354740結合
解凍後、膜を2mM MgClを含む、冷50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)(結合緩衝液)中に再懸濁させた。アッセイにおける最終膜濃度は、25μgタンパク質/mlであった。阻害試験を、10nM[H]−LY354740でインキュベートした膜を用い、室温で1時間、あらゆる濃度の試験対象化合物の存在下で行った。インキュベーションに続いて、膜をWhatmann GF/B ガラスファイバーフィルター又はGF/Bユニフィルタープレート上へ濾過し、冷結合緩衝液で5回洗浄した。非特異的結合を、10μM(2S,2′R,3′R)−2−(2′3′−ジカルボキシシクロプロピル)グリシン(Tocris, Ellisville, MO USAから入手したDCG IV)の存在下で測定した。フィルターを、Perkin-Elmer(Boston, MA, USA)から入手したUltima-goldシンチレーション液10mlを含むプラスチックバイアル中へ移した後、放射活性をTri-Carb 2500 TR counter(Packard, Zurich, Switzerland)中での液体シンチレーションにより測定した。96-Unifilter プレートについては、放射活性を、Microscint 40シンチレーション液(Perkin Elmer, Boston MA)を加えた後、TopCount NXT(Packard)を用いて測定した。
【0051】
データ解析
阻害曲線は、4つのパラメータのロジスティック式に当てはめ、IC50値及びヒル係数を得た。
【0052】
実施例
【0053】
【化3】


スキームAに従って、R″、R及びRが、上記のとおりである、一般式(I)で示される化合物は、一般式(II)[(2−アミノ−フェニル)−カルバミン酸 tert-ブチルエステル]で示される化合物及び一般式(III)で示されるβケトエステルから、アシル化−脱保護−環化の順により一般式(V)で示される化合物を生成し、ここで、一般式(V)で示される化合物の臭素又はヨウ素を一般式(VI)で示されるボロン酸誘導体と反応させて、一般式(Ia)(Rが、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRであるか、又はRが、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRであり、Rが、そしてRが、C1−6−アルキル、例えばBuである、式(I)の化合物)で示される化合物を得るか、あるいは一般式(Ib)(Rが、Hであり、そしてRが−S(O)−NRであるか、又はRがHであり、そしてRが、−S(O)−NRであり、そしてR及びRが、両方Hである、式(I)の化合物)で示される化合物を直接得ることを介して調製できる。
【0054】
例えば、R及びRが、上記のとおりである、一般式(II)で示される化合物を、RがC1−6−アルキル、好ましくはtert−ブチルもしくはエチルであってもよく、そしてXが、臭素又はヨウ素のいずれかである、一般式(III)で示されるβケトエステルと、例えばトルエン又はキシレンのような不活性溶媒中、高温で、好ましくは80〜160℃の間の温度で反応させると、一般式(IV)で示される対応するβ−ケトアミドが得られる。
【0055】
及びRが、上記と同義である、一般式(II)で示される、対応する(2−アミノ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルは、以下の特許:WO 2001029011(CAN 134:311234)、WO 2001029012(CAN 134:311235)、WO 2002083652(CAN 137:325447)、WO 2002083665(CAN 137:325438)及びWO 2003066623(CAN 139:180090)に広範に記載されており、見出すことができる。使用される化合物の対応するCAS番号及び参考文献は、実験の項において与えられる。
【0056】
一般式(III)で示される、エチルもしくはtert−ブチル 3−アリール−3−オキソ−プロピオナート(Xは、臭素又はヨウ素である)は、市販されている(R=Et、X=I:CAS番号[68332−33−2]、R=Et、X=Br:CAS番号[21575−91−7])か、又は当業者に既知である数多くの方法により調製することができる。選択される方法は、以下の通りである。
【0057】
一般式(III)で示される、エチルもしくはtert−ブチル 3−アリール−3−オキソ−プロピオナートは、Synthesis 1993, 290にしたがい、CHCN中、0〜23℃でアリール酸クロリド及びエチルもしくはtert−ブチル マロナートカリウム塩[CAS番号6148−64−7及び75486−33−8]から、EtN及びMgClを用いて調製できる。本反応において遊離アリールカルボン酸を適用する場合には、マロナート塩と反応させる前に、0℃でTHF/CHCN中でクロロギ酸エチル及びEtNで処理することによりこれを活性化する。
【0058】
あるいは、一般式(III)で示されるtert−ブチル 3−アリール−3−オキソ−プロピオナートを、Synthesis 1985, 45にしたがい、一般式(VIII)で示される1°アルキルアリールエステルから、リチウム tert−ブトキシドの存在下で、リチウム tert−ブチル アセタート[tert−ブチル アセタートとリチウムジイソプロピルアミドを、THF中で、−78℃にて処理することにより調製される]で処理することにより調製できる。後処理の後、生成物に出発物質の残渣が含まれる場合には、それは23℃でTHF/MeOH/HO中のLiOHによる選択的けん化を行うことにより除去できる。
【0059】
一般式(III)で示される、tert−ブチル 3−(3−ブロモ−もしくはヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオナートを調製するさらに別の方法は、スキームBに示され、tert−ブチル アセタートと一般式(VIII)で示される1°アルキルアリールエステルとの縮合反応に、過剰量のリチウムヘキサメチルジシラジドを塩基として用いる(一般手順IIIに詳細に記載されている)。
【0060】
【化4】


一般式(IV)で示されるβ−ケトアミドの形成を達成した後、BOC保護基の開裂及びこれに付随する脱保護された化合物の環化により、一般式(V)(4−(3−ブロモもしくはヨード−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン)で示される化合物が得られる。脱保護−環化工程は、一般式(IV)で示される化合物を、ジクロロメタン(DCM)のような不活性溶媒中、例えばトリフルオロ酢酸のようなブロンステッド酸で処理することにより実施できる。本反応は、好ましくは0〜50℃の間の温度で実施される。反応混合物中でカルボカチオン捕捉剤としてアニソールを用いることが有利となり得る。
【0061】
一般式(V)で示される化合物中の臭化物又はヨウ化物の、3−もしくは4−位のいずれかにスルホンアミド残基を有するフェニル基による置換は、一般式(VI)で示されるボロン酸誘導体との、いわゆる鈴木−宮浦カップリングにより達成できる。本反応は、例えば1,2−ジメトキシエタン又は1,4−ジオキサンのような有機溶媒中、60〜110℃の間の温度において、例えば炭酸ナトリウム水溶液のような塩基、及び例えばPd(PPhのようなパラジウム触媒の存在下で実施できる。これらの反応条件について数多くの変形が当業者に既知であり、一般式(Ia)で示される所望の化合物へ、あるいは直接一般式(I)で示される化合物へと導く。
【0062】
一般式(Ia)で示される化合物中、R=tert−ブチルである場合、tert−ブチル基は、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸又は硫酸のようなブレンステッド酸を用いて、0〜50℃の間の温度で処理することにより除去することができ、一般式(I)で示される所望の化合物が得られる。反応混合物中でカルボカチオン捕捉剤としてアニソールを用いることが有利となり得る。
【0063】
4−(3−ブロモ−又はヨード−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンの合成
一般手順I
工程1:一般式(II)の(2−アミノ−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.0mmol)と一般式(III)のtert−ブチルもしくはエチル 3−(3−ブロモ−又はヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオナートの過剰量(1.2〜1.5mmol)の混合物を、TLCがアミンの完全な消費を示すまで、トルエン(8〜12mL)中で還流した。溶液を23℃に放冷するとすぐに、生成物は一般に結晶化した(結晶化が失敗した場合は、n−ヘプタンの添加により結晶化を誘導した)。固体を濾別し、エーテル又はエーテル/ヘキサンの混合物で洗浄し、減圧下で乾燥させて、一般式(IV)の{2−[3−(3−ブロモ−又はヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得て、それを次の工程で直接使用し、あるいは必要であれば、それを再結晶化によるか又はn−ヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、精製した。
【0064】
工程2:上記のジクロロメタン(DCM)(5mL)中の一般式(IV)(1.0mmol)の{2−[3−(3−ブロモ−又はヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの懸濁液[必要であればアニソール(5〜15mmol)を加えることができる]を、トリフルオロ酢酸(TFA)(0.5〜5.0mL)で0℃にて処理し、TLCが出発物質の完全な消費を示すまで、撹拌を23℃で続けた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を少量のエーテルで処理するとすぐにそれは結晶化した。固体を飽和NaHCO溶液で撹拌し、濾過し、HO及びエーテル又はエーテル/ヘキサンの混合物で洗浄し、乾燥させて、一般式(V)の4−(3−ブロモ−又はヨード−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オンを得て、必要であれば、それを、n−ヘプタン/酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによるか、及び/又はTHF/DCM/エーテル/n−ヘプタンからの結晶化より、精製することができる。
【0065】
一般式(Ia)の化合物の一般式(I)の化合物への変換に関して、一般手順I工程2と同じ手順を用いるが、好ましくは溶媒としてDCMをほとんど、又は全く使用しない。
【0066】
一般手順II
有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシ−エタン)中の式(V)の化合物(1当量)、一般式(VI)のボロン酸誘導体(1.1当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.03当量)の撹拌した混合物に、1M 炭酸ナトリウム水溶液(2.5当量)を室温で加え、反応混合物を80〜90℃で約18時間加熱し、冷却し、氷水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで2回洗浄し、乾燥(例えばMgSO)させ、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン)及び結晶化(例えばジクロロメタン/ジエチルエーテル/n−ヘプタン)により更に精製して、一般式(Ia)又は(Ib)の化合物を得た。
【0067】
tert−ブチル 3−(3−ブロモ−又はヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオナートの合成
【0068】
【化5】

【0069】
一般手順III
tert−ブチルメチルエーテル(2M)中のヘキサメチルジシラザン(2.4当量)の溶液に、n−ブチルリチウム(2.35当量)を0℃で滴下し、混合物を0℃で10分間撹拌し、次に一般式(VIII)の1°アルキル(例えばメチル又はエチル)アリールエステル(1.0当量)及びtert−ブチルアセタート(1.0〜1.1当量)のtert−ブチルメチルエーテル溶液(0.4Mのエステル)を、シリンジを介して−10℃で加えた。撹拌を−10〜0℃で45分間続け、氷水に注ぎ、tert−ブチルメチルエーテルで抽出し、水及び1M HClで洗浄し、NaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して粗生成物が残存し、それを、直接使用するか、又はn−ヘプタン/酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、一般式(III)のtert−ブチル 3−アリール−3−オキソ−プロピオナートを得た。
【0070】
実施例A.1
3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル
一般手順IIIにしたがって、TBME(40mL)中のヘキサメチルジシラザン(16.5mL、79mmol)及びn−BuLi(48.4mL、77mmol)から調製し、次にTBME(80mL)中の市販の3−ブロモ安息香酸エチル(7.55g、33mmol)及びtert−ブチルアセタート(4.86mL、36mmol)から調製した。明黄色の油状物(9.934g、101%;純度95%)として得た。
【0071】
実施例B.1
4−(3−ブロモ−フェニル)−7−メチル−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(100mL)中の(2−アミノ−5−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号473537−79−0;WO200283665、WO200366623を参照](2.90g、10mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(3.89g、13mmol)から調製した。白色の固体(3.59g、70%)として得た。MS(ISN)513.3[(M−H)]及び515[(M+2−H)];融点180〜182℃。
【0072】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、DCM(60mL)中の上記の{2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−メチル−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(3.50g、6.79mmol)及びTFA(20mL)から調製した。明黄色の固体(1.79g、64%)として得た。MS(ISP)397.1[(M+H)]及び399.1[(M+2+H)];融点198〜202℃。
【0073】
実施例B.2
4−(3−ブロモ−フェニル)−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(10mL)中の(2−アミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号579474−48−9;WO200366623を参照](1.381g、5mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(1.496g、5mmol)から調製した。白色の固体(1.152g、46%)として得た。MS(ISP)500.9[(M+H)]及び502.8[(M+2+H)]。
【0074】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の{2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.152g、2.30mmol)及びTFA(10mL)から調製した。明黄色の固体(0.730g、82%)として得た。MS(ISP)383.0[(M+H)]及び385.0[(M+2+H)]。
【0075】
実施例B.3
4−(3−ブロモ−フェニル)−7−エトキシ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−エトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(10mL)中の(2−アミノ−5−エトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号473537−75−6;WO200283665、WO200366623を参照](1.602g、5mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(1.496g、5mmol)から調製した。白色の固体(1.459g、54%)として得た。MS(ISP)544.8[(M+H)]及び546.7[(M+2+H)]。
【0076】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の{2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−エトキシ−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.459g、2.675mmol)及びTFA(10mL)から調製した。明黄色の固体(0.940g、82%)として得た。MS(ISP)427.1[(M+H)]及び429.1[(M+2+H)]。
【0077】
実施例B.4
4−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {3−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−2′−フルオロ−ビフェニル−4−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(10mL)中の(3−アミノ−2′−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号335255−65−7;WO20010426、WO200366623を参照](1.153g、3.814mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(1.141g、3.814mmol)から調製した。オフホワイトの固体(2.15g、107%、純度90%)として得た。MS(ISP)526.8[(M+H)]及び528.7[(M+2+H)]。
【0078】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の{3−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−2′−フルオロ−ビフェニル−4−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.15g、4.076mmol、純度90%)及びTFA(15mL)から調製した。明黄色の固体(1.25g、75%)として得た。MS(ISP)409.0[(M+H)]及び411.0[(M+2+H)]。
【0079】
実施例B.5
4−(3−ブロモ−フェニル)−7−ジメチルアミノ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(60mL)中の(2−アミノ−5−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号473547−60−3;WO200283665、WO200366623を参照](1.50g、4.7mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(1.69g、5.65mmol)から調製した。ピンク色の泡状物(2.2g、86%)として得た。
【0080】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、DCM(45mL)中の上記の{2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.2g、4.04mmol)及びTFA(15mL)から調製した。オフホワイトの固体(1.61g、93%)として得た。MS(ISP)426.0[(M+H)];融点193℃(分解)。
【0081】
実施例B.6
4−(3−ブロモ−フェニル)−7−(イソブチル−メチル−アミノ)−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(35mL)中の[2−アミノ−5−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−トリフルオロメチル−フェニル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号473547−90−9;WO200283665、WO200366623を参照](0.96g、2.66mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(0.95g、3.18mmol)から調製した。褐色の泡状物(1.01g、65%)として得た。
【0082】
2.)一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、DCM(20mL)中の上記の{2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.01g、1.72mmol)及びTFA(6.5mL)から調製した。白色の固体(0.65g、81%)として得た。MS(ISP)468.0[(M+H)];融点186℃(分解)。
【0083】
実施例B.7
4−(3−ブロモ−フェニル)−7−イソブチルアミノ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン
1.) {2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−イソブチルアミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
一般手順I工程1にしたがって、トルエン(60mL)中の(2−アミノ−5−イソブチルアミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル[CAS番号473547−95−4;参照WO200283665、WO200366623](1.51g、4.35mmol)及び3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸 tert−ブチルエステル(実施例A.1)(1.56g、5.21mmol)から調製した。明黄色の固体(1.03g、42%)として得た。
【0084】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、DCM(20mL)中の上記の{2−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニルアミノ]−5−イソブチルアミノ−4−トリフルオロメチル−フェニル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.03g、1.8mmol)及びTFA(7mL)から調製した。明黄色の固体(0.75g、92%)として得た。MS(ISP)454.3[(M+H)];融点217℃(分解)。
【0085】
実施例1
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
一般手順IIにしたがって、標記化合物を、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−メチル−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.1)(200mg、0.50mmol)及び市販の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド[CAS番号214360−51−7](170mg、0.60mmol)から調製した。白色の固体(165mg、69%)として得た。MS(ISP)473.9[(M+H)];融点>260℃。
【0086】
実施例2
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド
一般手順IIにしたがって、標記化合物を、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−メチル−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.1)(200mg、0.50mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号221290−14−8](155mg、0.60mmol)から調製した。明黄色の固体(275mg、97%)として得た。MS(ISP)530.1[(M+H)];融点133℃(分解)。
【0087】
実施例3
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、DCM(1mL)中の3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(実施例2)(220mg、0.39mmol)及びTFA(5mL)から調製した。明黄色の固体(136mg、73%)として得た。MS(ISP)473.9[(M+H)];融点235〜239℃(分解)。
【0088】
実施例4
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド
一般手順IIにしたがって、標記化合物を、4−(3−ブロモ−フェニル)−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.2)(200mg、0.50mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号221290−14−8](161mg、0.60mmol)から調製した。オフホワイトの固体(31mg、12%)として得た。MS(ISP)515.9[(M+H)];融点179〜181℃。
【0089】
実施例5
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド
一般手順IIにしたがって、標記化合物を、4−(3−ブロモ−フェニル)−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.2)(200mg、0.50mmol)及び市販の4−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号208516−15−8](161mg、0.60mmol)から調製した。白色の固体(125mg、46%)として得た。MS(ISP)515.9[(M+H)];融点229〜233℃。
【0090】
実施例6
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド
一般手順IIにしたがって、標記化合物を、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−エトキシ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.3)(200mg、0.50mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号221290−14−8](144mg、0.55mmol)から調製した。オフホワイトの固体(169mg、65%)として得た。MS(ISP)559.7[(M+H)];融点215〜218℃。
【0091】
実施例7
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド
一般手順IIにしたがって、標記化合物を、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−エトキシ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.3)(200mg、0.50mmol)及び市販の4−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号208516−15−8](144mg、0.55mmol)から調製した。白色の固体(164mg、63%)として得た。MS(ISP)559.7[(M+H)];融点>260℃。
【0092】
実施例8
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(実施例4)(177mg、0.3mmol)及びTFA(5mL)から調製した。オフホワイトの固体(122mg、77%)として得た。MS(ISP)460.0[(M+H)];融点170℃(分解)。
【0093】
実施例9
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド(実施例5)(235mg、0.5mmol)及びTFA(5mL)から調製した。黄色の固体(122mg、58%)として得た。MS(ISP)460.1[(M+H)];融点195〜210℃(分解)。
【0094】
実施例10
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(実施例6)(238mg、0.4mmol)及びTFA(5mL)から調製した。オフホワイトの固体(147mg、69%)として得た。MS(ISP)503.8[(M+H)];融点210〜220℃(分解)。
【0095】
実施例11
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド(実施例7)(205mg、0.4mmol)及びTFA(5mL)から調製した。オフホワイトの固体(94mg、51%)として得た。MS(ISP)503.8[(M+H)];融点245〜250℃(分解)。
【0096】
実施例12
3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
1.) 3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−ジメチルアミノ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.5)(213mg、0.5mmol)及び市販の4−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸(154mg、0.6mmol)から調製した。黄色の固体(132mg)として得て、次いでそれを脱保護した。
【0097】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド(132mg)及びTFA(3mL)から調製した。白色の固体(55mg、22%)として得た。MS(ISP)501.4[(M−H)];融点246℃(分解)。
【0098】
実施例13
3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
1.) 3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−ジメチルアミノ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.5)(213mg、0.5mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸(154mg、0.6mmol)から調製した。黄色の固体(130mg)として得て、次いでそれを脱保護した。
【0099】
2.)一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(130mg)及びTFA(3mL)から調製した。明黄色の固体(40mg、16%)として得た。MS(ISN)501.4[(M−H)];融点258℃(分解)。
【0100】
実施例14
3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
1.) 3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−(イソブチル−メチル−アミノ)−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.6)(234mg、0.5mmol)及び市販の4−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸(154mg、0.6mmol)から調製した。黄色の固体(250mg)として得て、次いでそれを脱保護した。
【0101】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド(250mg)及びTFA(5mL)から調製した。白色の固体(107mg、39%)として得た。MS(ISN)543.5[(M−H)];融点236℃(分解)。
【0102】
実施例15
3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
1.) 3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−(イソブチル−メチル−アミノ)−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.6)(234mg、0.5mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸(154mg、0.6mmol)から調製した。黄色の固体(250mg)として得て、次いでそれを脱保護した。
【0103】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(250mg)及びTFA(5mL)から調製した。明黄色の固体(69mg、25%)として得た。MS(ISN)543.5[(M−H)];融点232℃(分解)。
【0104】
実施例16
3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
1.) 3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.4)(600mg、1.467mmol)及び市販の4−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号208516−15−8](283mg、2.2mmol)から調製した。褐色の油状物(330mg、35%;純度45%)として得た。MS(ISP)542.2[(M+H)]。
【0105】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド(310mg、0.573mmol、純度45%)及びTFA(5mL)から調製した。オフホワイトの固体(20mg、13%、純度80%)として得た。MS(ISP)486.0[(M+H)];融点240〜250℃(分解)。
【0106】
実施例17
3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
1.) 3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.4)(400mg、0.978mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸[CAS番号221290−14−8](377mg、1.467mmol)から調製した。オフホワイトの固体(430mg、81%)として得た。MS(ISP)541.9[(M+H)]。
【0107】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(430mg、0.795mmol)及びTFA(5mL)から調製した。白色の固体(380mg、99%)として得た。MS(ISP)486.0[(M+H)];融点230〜232℃。
【0108】
実施例18
3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド
1.) 3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−イソブチルアミノ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.7)(227mg、0.5mmol)及び市販の4−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸(154mg、0.6mmol)から調製した。黄色の固体(275mg)として得て、次いでそれを脱保護した。
【0109】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド(275mg)及びTFA(6mL)から調製した。黄色の固体(126mg、47%)として得た。MS(ISN)529.4[(M−H)];融点251℃(分解)。
【0110】
実施例19
3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド
1.) 3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド:
一般手順IIにしたがって、4−(3−ブロモ−フェニル)−7−イソブチルアミノ−8−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−オン(実施例B.7)(227mg、0.5mmol)及び市販の3−tert−ブチルスルファモイル−ベンゼンボロン酸(154mg、0.6mmol)から調製した。黄色の固体(275mg)として得て、次いでそれを脱保護した。
【0111】
2.) 一般手順I工程2にしたがって、標記化合物を、上記の3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド(275mg)及びTFA(6mL)から調製した。黄色の固体(172mg、65%)として得た。MS(ISN)529.4[(M−H)];融点251℃(分解)。
【0112】
本明細書において前述のように、式(I)の化合物及び薬学的に使用され得るその酸付加塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0113】
式(I)の化合物及び薬学的に使用され得るその酸付加塩は、錠剤、コーティング剤、糖衣剤及び硬ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な、無機又は有機賦形剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、そのような賦形剤として、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤向けに用いることができる。
【0114】
軟ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。
【0115】
液剤及びシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖等である。
【0116】
注射液に適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油等である。
【0117】
坐剤に適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である
【0118】
更に、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0119】
投与量は、広い限度内で変更することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般的に、経口投与の場合、一般式(I)の化合物の、1人当たり約10〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えることもできる。
【0120】
下記の実施例は、本発明を限定することなく説明する。全ての温度は摂氏で示される。
【0121】
実施例A
下記の組成の錠剤を、通常の方法で製造する:
mg/錠剤
活性物質 5
乳糖 45
トウモロコシデンプン 15
微晶質セルロース 34
ステアリン酸マグネシウム 1
錠剤重量 100
【0122】
実施例B
下記の組成のカプセル剤を、製造する:
mg/カプセル
活性物質 10
乳糖 155
トウモロコシデンプン 30
タルク 5
カプセル充填重量 200
【0123】
活性物質、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に、微粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、タルクを加えて、十分に混合する。混合物を機械により硬ゼラチンカプセルに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化6】


[式中、
は、Hであり、そしてRは、−S(O)−NRであるか、又は、Rは、Hであり、そしてRは、−S(O)−NRであり;
は、H、フルオロ、クロロ、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−ハロアルコキシ又はNRであり;
は、クロロ、C1−6−ハロアルキル、又は場合によりハロゲンで置換されているアリールであり;そして
及びRは、独立に、H、C1−6−アルキル及びC2−6−ヒドロキシアルキルからなる群より選択される]
で示される化合物、及びその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRであるか、又は、Rが、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRであり;
が、H、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ又はNRであり;
が、C1−6−ハロアルキル、又は場合によりハロゲンで置換されているアリールであり;そして
及びRが、独立に、H及びC1−6−アルキルからなる群より選択される、
請求項1記載の式(I)で示される化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである、請求項1又は2のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項4】
及びRが、Hである、請求項3記載の式(I)で示される化合物。
【請求項5】
化合物が、
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド、
3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸アミド及び
3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸アミドからなる群より選択される、
請求項4記載の式(I)で示される化合物。
【請求項6】
が、Hであり、そしてRが、C1−6−アルキルである、請求項3記載の式(I)で示される化合物。
【請求項7】
化合物が、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミド又は
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−4−スルホン酸 tert−ブチルアミドである、
請求項6記載の式(I)で示される化合物。
【請求項8】
が、Hであり、そしてRが、−S(O)−NRである、請求項1又は2のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項9】
及びRが、Hである、請求項8記載の式(I)で示される化合物。
【請求項10】
化合物が、
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−(8−ジメチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−[8−(イソブチル−メチル−アミノ)−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−3−スルホン酸アミド、
3′−[7−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル]−ビフェニル−4−スルホン酸アミド及び
3′−(8−イソブチルアミノ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸アミドからなる群より選択される、
請求項9記載の式(I)で示される化合物。
【請求項11】
が、Hであり、そしてRが、C1−6−アルキルである、請求項8記載の式(I)で示される化合物。
【請求項12】
化合物が、
3′−(8−メチル−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド、
3′−(4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミド及び
3′−(8−エトキシ−4−オキソ−7−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2−イル)−ビフェニル−3−スルホン酸 tert−ブチルアミドからなる群より選択される、
請求項11記載の式(I)で示される化合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、式(V)で示される化合物を式(VI)で示される化合物と反応させて、式(I)で示される化合物を得る下記工程を含む、方法:
【化7】


[式中、Xは、塩素、臭素、ヨウ素であり、R″は、H、C1−6−アルキルであるか、又はホウ素及び両方の酸素と一緒になって5もしくは6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、Rは、H又はC1−6−アルキルのいずれかであり、そしてR及びRは、請求項1又は2と同義である]。
【請求項14】
請求項13記載の方法にしたがって製造される化合物。
【請求項15】
mGluR2の活性化が役割を担うか、もしくは関係している疾患又は病状の予防又は治療のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を含有する、医薬組成物。
【請求項16】
精神病、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害、記憶欠損、結腸癌、睡眠障害、概日リズム障害及び神経膠腫などの急性及び/又は慢性神経障害の予防又は治療のための、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
mGluR2の活性化が役割を担うか、もしくは関係している疾患又は病状の治療又は予防用の医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項18】
精神病、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害、記憶欠損、結腸癌、睡眠障害、概日リズム障害及び神経膠腫を含む急性及び/又は慢性神経障害の治療及び/又予防における、請求項17記載の使用。
【請求項19】
本明細書に上記の発明。

【公表番号】特表2010−524879(P2010−524879A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503459(P2010−503459)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/054257
【国際公開番号】WO2008/128889
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】