説明

ジヒドロキシアントラキノンカルボン酸の塩およびその治療用途

一般式(I)の化合物:


〔式中、
はHまたはCORであり、XはHまたはCORであるが、XおよびXの両方がHではなく;
およびRは、同じであるかまたは異なっており、それぞれRで置換されたC1−4アルキルであるか、あるいは、Rで任意に置換され、かつO、S(O)およびNRから選択される1以上のさらなるヘテロ原子を含み得る4〜7員環であり;
はF、CF、OR、NRまたはS(O)であり;
、RおよびRは、同じであるかまたは異なっており、それぞれHであるか、またはRで任意に置換されたC1−4アルキルであるか、あるいは、NRは、O、NRおよびS(O)から選択される1以上のヘテロ原子を含むC4−6ヘテロシクロアルキル環であり;
nはそれぞれ0〜2であり;
はC1−4アルキルであり;
は、Rについての定義と同じであるか、あるいは、Rまたはハロゲンで任意に置換されたC1−4アルキルであり;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
YはNR1011であり;
10およびR11は、同じであるかまたは異なっており、それぞれHであるか、またはRもしくはハロゲンで任意に置換されたC1−6アルキルであるか、あるいは、NR1011が、RまたはCORで任意に置換され、かつO、S(O)およびNRから選択される1以上のさらなるヘテロ原子を含み得る4〜7員環である〕
ならびにその水和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヒドロキシアントラキノン カルボン酸誘導体の新規の塩(レイン(rhein)のエステル誘導体)、およびその治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2005/085170は、レインのエステル誘導体について、ならびにリウマチ関節炎、骨関節症、骨粗鬆症、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、歯周炎、歯肉炎、移植片対宿主反応、乾癬、強皮症、アトピー性皮膚炎、喘息、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、腎症、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む広範囲の抗炎症状態におけるその用途について記載している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、式(I)の塩誘導体が、遊離塩基よりも、可溶性および安定性などの物理的および化学的なパラメーターの改善を示すという観察に関連する。これらの塩は、広範囲の炎症性疾患および自己免疫性疾患において臨床上の有用性を有する。
【0004】
本発明の第1の態様において、新規の化合物は、一般式(I)の化合物:
【化1】

〔式中、
はHまたはCORであり、XはHまたはCORであるが、XおよびXの両方がHではなく;
およびRは、同じであるかまたは異なっており、それぞれRで置換されたC1−4アルキルであるか、あるいは、Rで任意に置換され、かつO、S(O)およびNRから選択される1以上のさらなるヘテロ原子を含み得る4〜7員環であり;
はF、CF、OR、NRまたはS(O)であり;
、RおよびRは、同じであるかまたは異なっており、それぞれHであるか、またはRで任意に置換されたC1−4アルキルであるか、あるいは、NRは、O、NRおよびS(O)から選択される1以上のヘテロ原子を含むC4−6ヘテロシクロアルキル環であり;
nはそれぞれ0〜2であり;
はC1−4アルキルであり;
は、Rについての定義と同じであるか、あるいは、Rまたはハロゲンで任意に置換されたC1−4アルキルであり;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
YはNR1011であり;
10およびR11は、同じであるかまたは異なっており、それぞれHであるか、またはRもしくはハロゲンで任意に置換されたC1−6アルキルであるか、あるいは、RまたはCORで任意に置換され、かつO、S(O)およびNRから選択される1以上のさらなるヘテロ原子を含み得る4〜7員環の一部を形成してよい〕
ならびにその水和物である。
【0005】
本発明の化合物は、ジエステル(XはCORであり、かつXはCORである;以下式1とする)、またはモノエステル(XがH(式2)であるか、もしくはXがH(式3)である)であって良い。
【0006】
好ましい化合物は、Yがアルギニン、ヒスチジン、リジン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノメタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、イミダゾール、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、N-メチル-グルカミン、ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、トリエタノールアミン、またはトロメタミンである化合物である。もっとも好ましい化合物は、Yがトロメタミンまたは4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリンである化合物である。
【0007】
本発明のさらなる態様は、式Iの化合物を含む医薬組成物、および治療におけるその使用、より詳細には炎症性病態の治療におけるその使用を含む。
【0008】
式(I)のカルボン酸塩は、サイトカイン産生およびT細胞増殖を阻害し、したがって、上述した疾患を含むT細胞媒介性疾患の治療において有用である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の説明
本発明の化合物が1つ以上の非対称置換された炭素原子を含み得ることが認識されるであろう。式(1)の化合物において1つ以上のこのような不斉中心が存在することにより、立体異性体が生じ得るものであり、それぞれの場合において本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーならびにラセミ混合物を含むそれらの混合物を含むすべての立体異性体にまで及ぶことが理解されるべきである。
【0010】
用語「C1−4アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル部分を指し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチルなどを含む。
【0011】
用語「C1−6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル部分を指し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチルなどを含む。
【0012】
用語「C4−6ヘテロシクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子およびN、O、Sからなる群からの1個以上のヘテロ原子を有する飽和ヘテロ環部分を指し、例えばアゼチジニル、オキセチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニルなどを含む。
【0013】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0014】
一般式(1)の化合物の遊離塩基化合物の調製については、実験上の詳細を含めてWO2005/085170に記載されている。式(1)の化合物の塩の調製は、様々な結晶化条件下(例えば蒸発による結晶化、温度変化による結晶化、およびスラリー熟成による結晶化など)において実施例の範囲を実施することにより達成することができ、これは当業者によく知られているものである。4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリンおよびトロメタミンを含む塩形成物質の選択は実施例において行われており、これらは、XRPDおよびH NMRを含む範囲の技術によってより詳細に特徴付けられた。
【0015】
リウマチ関節炎、多発性硬化症、ならびに上記に示した疾患および適応症などのT細胞過剰活性化の結果生じるその他の疾患および適応症の治療については、式(1)の化合物は、経口、局所、非経口、吸入もしくは経鼻スプレー、または経腸で、非毒性の医薬上許容可能な担体、アジュバント、およびベヒクルを含む投与単位製剤にて投与することができる。用語「非経口」は本明細書において、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入法を含む。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコなどの温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトの治療において有効である。
【0016】
活性成分を含む医薬組成物は、経口使用に適した形態(例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ錠、水性もしくは油性懸濁液、分散性の散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤)であって良い。経口使用を意図される組成物は、医薬組成物の製造に関して当業者に知られている任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、製薬上洗練された口当たりの良い製剤を提供するために、甘味剤、矯味剤、着色剤、および保存剤からなる群より選択される1つ以上の物質を含んでよい。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の医薬上許容可能な賦形剤と混合して、活性成分を含む。これらの賦形剤は例えば、不活性の希釈剤(例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム);造粒剤および崩壊剤(例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸);結合剤(例えばデンプン、ゼラチン、またはアラビアゴム);および潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)であって良い。錠剤は、コーティングされなくても良いし、あるいは既知の技術を用いてコーティングされ、胃腸管における崩壊および吸収を遅らせ、それによって長期間に渡り作用を持続させても良い。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質(a time delay material)を用いてもよい。錠剤はまた、米国特許第4256108号、第4166452号および第4265874号に記載されている技術を用いてコーティングし、制御放出用の浸透性治療用錠剤を作製することもできる。
【0017】
経口使用のための製剤はまた、活性成分を不活性の固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリン)と混合して硬質ゼラチンカプセルとして提供されても良いし、あるいは、活性成分を水性または油性媒質(例えばラッカセイ油、流動パラフィン、またはオリーブ油)と混合して軟質ゼラチンカプセルとして提供されても良い。
【0018】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混合して、活性成分を含む。このような賦形剤は、例えば懸濁化剤(例えばカルボキシメチルセルロース ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴム)であり、分散剤または湿潤剤は、天然リン脂質(例えばレシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばポリオキシエチレン ステアラート)、もしくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、もしくはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物(ポリオキシエチレンと脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物など、例えばポリオキシエチレン ソルビタン モノオレアート)であって良い。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤(例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル、1つ以上の着色剤、1つ以上の矯味剤、および1つ以上の甘味剤(例えばスクロースまたはサッカリン)を含み得る。
【0019】
油性懸濁液は、植物油(例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはヤシ油)または鉱油(例えば流動パラフィン)に活性成分を懸濁することにより製剤化され得る。油性懸濁液は、増粘剤(例えばミツロウ、固形パラフィン、またはセチルアルコール)を含み得る。上述したような甘味剤、および矯味剤は、口当たりの良い経口製剤を提供するために添加され得る。これらの組成物は、例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより保存され得る。
【0020】
水の添加により水性懸濁液を調製するのに適する分散性の散剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1つ以上の保存剤と混合して、活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は例示されており、例えば甘味剤、矯味剤、および着色剤もまた存在し得る。
【0021】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態であって良い。油相は、植物油(例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油)または鉱油(例えば流動パラフィン)またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然ゴム(例えばアラビアゴムもしくはトラガカントゴム)、天然リン脂質(例えば大豆レシチン)、ならびに脂肪酸とヘキシトール無水物とから得られるエステルまたは部分エステル(例えばソルビタン モノオレアート)、および上述の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレン ソルビタン モノオレアート)であって良い。乳剤はまた、甘味剤および矯味剤を含み得る。
【0022】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロース)を用いて製剤化され得る。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、矯味剤、および着色剤を含み得る。医薬組成物は、滅菌注射用の水性または油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上述したような適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知の技術に従い製剤化され得る。滅菌注射製剤はまた、非経口製剤として許容可能な非毒性の希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射用の溶液または懸濁液(例えば1,3-ブタンジオール中の溶液など)であって良い。使用され得る許容可能なベヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が、溶媒または懸濁化用媒質として従来用いられている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌の固定油が用いられ得る。さらに、例えばオレイン酸などの脂肪酸は、注射用製剤の調製に用いられる。
【0023】
式(1)の化合物はまた、薬剤の直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で溶解して薬物を放出する適切な非刺激性の賦形剤と、薬物とを混合することにより調製され得る。このような材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0024】
局所投与のためには、式(1)の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液などが用いられる。本明細書の目的のために、局所適用は、洗口液および含嗽剤を含む。
【0025】
1日に体重1kg当たり約0.05mg〜約140mg程度の投与レベルが、上述した病態の治療に有用である(患者1人当たり1日に約2.5mg〜約7g)。例えば炎症は、1日に体重1kg当たり約0.01〜50mgの化合物を投与することにより効果的に治療することができる(患者1人当たり1日に約0.5mg〜3.5g)。
【0026】
単回投与形態を製造するために担体材料と組み合わせられる活性成分の量は、治療される患者および特定の投与方法によって変更される。例えば、ヒトへの経口投与を意図する製剤は、組成物全体の約5〜約95%の間で変更され得る。投与単位形態は、一般的に、約1mg〜約500mgの活性成分を含む。
【0027】
しかしながら、任意の特定の患者についての特定の投与レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食餌、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の組合せ、および治療を受ける特定の疾患の重篤度を含む様々な因子に因ることが理解されるであろう。
【0028】
下記の実施例は本発明を説明する。すべての出発物質は、使用する前に長時
間に渡って乾燥させた。
【実施例】
【0029】
実施例1 4a,9,9a,10-テトラヒドロ-4,5-ビス(2-[テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル]-2-オキソエチル)-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸の4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン塩
4a,9,9a,10-テトラヒドロ-4,5-ビス(2-[テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル]-2-オキソエチル)-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸(111.6mg)と4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(「塩形成物質」、26.9μl)とをTHF(30ml)中、温度サイクル下(最高/最低:60℃/10℃(両方とも2時間以上維持した))で1日間撹拌し、乾燥N気流下で濃縮して体積が1〜2mlの懸濁液を得、その後濾過し、室温で減圧下乾燥させた。
1H NMR (DMSO): 1.7-1.9 (4H, m), 2.0 (4H, m), 2.5 (DMSO, NMR溶媒), 2.6-2.7 (6H, m, モルホリンのエチル基 : CH2-N), 3.0 (2H, m), 3.5 ([4]1H, t, モルホリン基: CH2O), 3.6 ([2]1H, エチル基: CH2O), 3.7 ([4]1H, m), 3.8 (H2O, 残留溶媒), 4.0 ([4]1H, m), 7.6 (1H, d), 7.9 (1H, t), 8.0 (1H, s), 8.1 (1H, d), 8.6 (1H, s)。
【0030】
この結晶形態は、d値(オングストローム)で示された特徴的なピークを有する特徴的な粉末X線回折パターンを示す: 27.7 (vw); 23.5 (s); 11.6 (m); 10.4 (m); 9.7 (w); 8.8 (vw); 7.7 (vw); 5.62 (w); 5.44 (w); 5.30 (w); 5.17 (s); 5.03 (vw); 4.83 (w); 4.63 (s); 4.53 (m); 4.38 (w); 4.25 (m); 4.02 (s); 3.91 (s); 3.77 (w); 3.72 (w); 3.63 (vw); 3.55 (w); 3.38 (w); 3.31 (vw); 3.23 (w); 3.15 (w); 3.05 (w)。
【0031】
実施例2 4a,9,9a,10-テトラヒドロ-4,5-ビス(2-[テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル]-2-オキソエチル)-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸のトロメタミン塩
4a,9,9a,10-テトラヒドロ-4,5-ビス(2-[テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル]-2-オキソエチル)-9,10-ジオキソアントラセン-2-カルボン酸(112.1mg)とトロメタミン(「塩形成物質」、26.7mg)とをTHF(30ml)中、温度サイクル下(最高/最低:60℃/10℃(両方とも2時間以上維持した))で1日間撹拌し、乾燥N気流下で濃縮して体積が1〜2mlの懸濁液を得、その後濾過し、室温で減圧下乾燥させた。
1H NMR (DMSO): 1.7-1.9 (4H, m), 2.0 (4H, m), 2.5 (DMSO, NMR溶媒), 3.0 (2H, m), 3.4 (水, 残留溶媒), 3.4 ([4H]2, m), 3.9 (4H, m), 7.6 (1H, d), 7.9 (1H, s), 7.9 (1H, t), 8.1 (1H, d), 8.5 (1H, s)。
【0032】
この結晶形態は、d値(オングストローム)で示された特徴的なピークを有する特徴的な粉末X線回折パターンを示す: 21.3 (m); 11.3 (s); 10.6 (vw); 9.0 (vw); 8.2 (vw); 7.1 (vw); 6.9 (m); 5.78 (vw); 5.65 (vw); 5.48 (vw); 5.37 (w); 5.30 (vw); 5.11 (m); 4.90 (vw); 4.79 (vw); 4.59 (vw); 4.52 (w); 4.37 (m); 4.24 (m); 4.15 (m); 3.88 (w); 3.75 (vw); 3.66 (w); 3.50 (vw); 3.40 (vw); 3.29 (vw); 3.18 (vw); 3.15 (vw); 3.02 (vw)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物:
【化1】

〔式中、
はHまたはCORであり、XはHまたはCORであるが、XおよびXの両方がHではなく;
およびRは、同じであるかまたは異なっており、それぞれRで置換されたC1−4アルキルであるか、あるいは、Rで任意に置換され、かつO、S(O)およびNRから選択される1以上のさらなるヘテロ原子を含み得る4〜7員環であり;
はF、CF、OR、NRまたはS(O)であり;
、RおよびRは、同じであるかまたは異なっており、それぞれHであるか、またはRで任意に置換されたC1−4アルキルであるか、あるいは、NRは、O、NRおよびS(O)から選択される1以上のヘテロ原子を含むC4−6ヘテロシクロアルキル環であり;
nはそれぞれ0〜2であり;
はC1−4アルキルであり;
は、Rについての定義と同じであるか、あるいは、Rまたはハロゲンで任意に置換されたC1−4アルキルであり;
は、HまたはC1−4アルキルであり;
YはNR1011であり;
10およびR11は、同じであるかまたは異なっており、それぞれHであるか、またはRもしくはハロゲンで任意に置換されたC1−6アルキルであるか、あるいは、NR1011が、RまたはCORで任意に置換され、かつO、S(O)およびNRから選択される1以上のさらなるヘテロ原子を含み得る4〜7員環である〕
ならびにその水和物。
【請求項2】
がCORであり、かつXはCORである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHであり、かつXはCORである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がCORであり、かつXがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
はCF、OR、NRまたはS(O)である請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項6】
4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン塩である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
トロメタミン塩である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
4,5-ジテトラヒドロピラノイルオキシ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸の塩である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン塩である請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
トロメタミン塩である請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物、および医薬上許容可能な希釈剤または担体を含む、治療用の医薬組成物。
【請求項12】
T細胞増殖に関連する病態または前炎症性サイトカインにより媒介される病態の治療または予防のための医薬品を製造するための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
前記病態が、リウマチ関節炎、骨関節症、骨粗鬆症などの慢性変性疾患である請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記病態が、多発性硬化症などの慢性脱髄疾患である請求項12に記載の使用。
【請求項15】
前記病態が、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患である請求項12に記載の使用。
【請求項16】
前記病態が、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)である請求項12に記載の使用。
【請求項17】
前記病態が、乾癬、強皮症、またはアトピー性皮膚炎などの皮膚病態である請求項12に記載の使用。
【請求項18】
前記病態が、歯周炎または歯肉炎などの歯科疾患である請求項12に記載の使用。
【請求項19】
前記病態が、糖尿病性腎症、ループス腎炎、IgA腎症、または糸球体腎炎である請求項12に記載の使用。
【請求項20】
前記病態が全身性紅斑性狼瘡(SLE)である請求項12に記載の使用。
【請求項21】
前記病態が移植片対宿主病である請求項12に記載の使用。

【公表番号】特表2010−509303(P2010−509303A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535801(P2009−535801)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004280
【国際公開番号】WO2008/056156
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(507303376)ソーセイ アールアンドディ リミテッド (16)
【Fターム(参考)】