ジヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールの塩を含むパーソナルケア組成物
塩のカチオンが、ジヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールである第四級アンモニウム塩を担体中に含むパーソナルケア製品が、提供される。前記カチオンは、約４５０を超えない平均分子量を有し、前記塩は、１０℃を超えないＴｇを有する。ヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトール塩が、特に好ましい。これらの塩は、高および低相対湿度環境の両方において、保湿するための湿潤剤として機能する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、高および低相対湿度環境の両方において保湿を提供するパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
乾燥皮膚は、程度の差はあるにせよ、大抵の人間に対して問題である。この状態は、冬期に、特に明白である。スキンクリーム／ローション、シャンプー／コンディショナー、化粧石鹸／シャワーゲル、制汗剤／脱臭剤などのパーソナルケア製品は、通常、乾燥皮膚に対処するための材料が少なくとも１種配合されている。痒み、皮むけおよび視覚的に不愉快な皮膚外観などの徴候は、全てある程度は和らげることができる。
【０００３】
この問題に対して使用される材料には、３種のクラスがある。ペトロラタムまたはシリコーンオイルなどの空気遮断剤は、自然の湿気が失われるのを防止する。これらは、表皮と環境との間に遮断膜を形成する。他の取組みは、皮膚剥脱の速度を増すために、角質剥離剤を使用することである。アルファ−ヒドロキシ酸は、剥脱を実現するための最も通常の薬剤である。
【０００４】
乾燥皮膚に対する第３の取組みは、湿潤剤の局所的適用である。ヒドロキシル化された低分子量のおよび高分子量の有機物質が、一般にこの目的に使用される。グリセロールとしても知られるグリセリンは、最も効果的な湿潤剤である。
【０００５】
知られている湿潤剤の性能には、いくつかの弱点がある。グリセリンのような最良のものでさえ、良好な保湿を実現するためには、比較的高レベルにおいて配合する必要がある。第２に、知られている湿潤剤は、高相対湿度環境においてうまく機能する。しかし、これらの物質はいずれも、低相対湿度（すなわち、２０℃において湿度２０％未満）ではほとんど有効性をもたらさない。冬期の平均の室内相対湿度は、米国北東部などの地域においては約１３％である。改善された保湿技術が現実に求められていることは、かなり明白である。
【０００６】
ヒドロキシプロピルトリモニウムハニーのＩＮＣＩ名を有するＨｏｎｅｙｑｕａｔ５０として知られる保湿剤が、グリセリンよりも良好な湿潤剤であると報告されている。（「Ｃｏｓｍｅｔｉｃ Ｉｎｇｒｅｄｉｅｎｔｓ＆Ｉｄｅａｓ（登録商標）」（発行Ｎｏ．２，２００１年８月）と題するＡｒｃｈ／Ｂｒｏｏｋｓ小冊子を参照のこと）。Ｈｏｎｅｙｑｕａｔ５０は、クロロヒドロキシトリメチルアンモニウム誘導体と、蜂蜜を「ほのかな」香りに脱臭したグレードの懸垂ヒドロキシル基（二糖上）との反応から得られると記載されている。この物質は、優れた湿潤性を有するが、低相対湿度における保湿は、依然として克服されるべきものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
したがって、本発明は、パーソナルケア製品において使用する、高相対湿度だけでなく、低相対湿度においても作用する湿潤剤を明らかにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１の態様において、
（ｉ）ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールの塩であり、カチオンが、４５０を超えない平均分子量を有し、前記塩が、１０℃を超えないＴｇを有する、第四級アンモニウム化合物の０．１から３０重量％；および
（ｉｉ）化粧品的に許容可能な担体
を含むパーソナルケア組成物が提供される。
【０００９】
本発明の第２の態様において、このような組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を保湿する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
今回、カチオンが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールである塩が、高および低の両方の相対湿度の環境において湿潤性を提供する優れた保湿剤であることが分かった。これらの塩の量は、組成物の約０．１〜約３０重量％、好ましくは約０．５〜約２０重量％、最適には、約１％〜約１２重量％の範囲であってよい。
【００１１】
ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールの塩は、種々の手順において形成することができる。塩化２−ヒドロキシ−３−クロロプロピルトリメチルアンモニウムを、ポリオール特に線状ポリオールと、アルカリ性媒体において、約１：１モル比において反応させることによるのが最も好ましい。典型的Ｗｉｌｌｉａｍｓｏｎ合成によると、塩化ナトリウムが除去され、これにより第四級アンモニウム反応物のヒドロキシプロピル末端とポリオールの間のエーテル結合が形成される。
【００１２】
典型的ポリオールは、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびイソプレングリコールである。
【００１３】
カチオンの分子量は、約４５０を超えてはならず、好ましくは約４００を超えず、および最適には約３００と４００の間の平均分子量を有するものである。さらに、塩は有利には、２３℃で液体である。したがって、ガラス転移温度（Ｔｇ）は、好ましくは約１０℃を超えず、さらに好ましくは約０℃を超えない。Ｔｇは、示差走査熱分析法において測定され得る。
【００１４】
通常、第四級化アンモニウム基上のＣ１〜Ｃ３アルキル成分は、メチル、エチル、ｎ−プロピル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルおよびこれらの混合物である。ＩＮＣＩ名称により「トリモニウム」基として知られているトリメチルアンモニウム基が、特に好ましい。任意のアニオンを四級塩に使用することができる。アニオンは、材料が、化粧品的に許容可能であるという条件で、有機または無機であってよい。典型的無機アニオンは、ハライド、スルフェート、ホスフェート、硝酸塩およびホウ酸塩である。ハライド、とりわけ塩化物が、最も好ましい。有機アニオン性対イオンには、メソスルフェート、トルオイルスルフェート、アセテート、シトレート、タータラート、ラクテート、グルコネート、およびベンゼンスルホネートが含まれる。
【００１５】
特に好ましい塩は、ヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトールの塩化物である。
【００１６】
有利には、本発明の組成物は、ポリオールが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム基で一置換されただけである第四級アンモニウム塩により配合される。しかし、より少ない量の二置換および三置換されたポリオールが存在してもよい。通常、これらの量は、存在する第四級アンモニウム化合物の重量に対して、０〜２０重量％、あるいは約２〜約１０重量％の範囲であってよい。より詳細には、多置換ポリオールは、ジ−［ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム］ポリオール、トリ−［ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム］ポリオールおよびこれらの混合物であってよい。
【００１７】
用語パーソナルケア組成物は、外観、汚れ落とし、においの制御または一般的審美性を改善するために人体に適用する任意の物質を意味する。パーソナルケア組成物の非限定的例には、リーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、シャワーゲル、化粧石鹸、制汗剤、脱臭剤、歯科用製品、シェービングクリーム、脱毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナーおよび日焼け止めローションが含まれる。
【００１８】
本発明の組成物はまた、化粧品的に許容可能な担体を含む。担体の量は、組成物の約１〜約９９．９重量％、好ましくは約７０〜約９５重量％、最適には約８０〜約９０重量％の範囲でよい。有用な担体の中には、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤およびこれらの組合せがある。担体は、水性、無水またはエマルジョンであってよい。好ましくは組成物は、水性、とりわけ水およびＷ／ＯまたはＯ／Ｗまたは三重のＷ／Ｏ／Ｗの種類のオイルエマルジョンである。存在する場合、水は、約５〜約９５重量％、好ましくは約２０〜約７０重量％、最適には約３５〜約６０重量％の範囲の量でよい。
【００１９】
皮膚軟化剤材料は、化粧品的に許容可能な担体として役立つことができる。これらは、シリコーンオイル、天然または合成エステルおよび炭化水素の形態であってよい。皮膚軟化剤の量は、組成物の約０．１から約９５重量％のいずれか、好ましくは約１と約５０重量％の間の範囲であってよい。
【００２０】
シリコーンオイルは、揮発性および不揮発性品種に分けることができる。本明細書では、用語「揮発性」とは、周囲温度において測定可能な蒸気圧を有する材料のことを言う。揮発性シリコーンオイルは、３〜９個好ましくは４〜５個のケイ素原子を含む環式（シクロメチコーン）または線状ポリジメチルシロキサンから好ましくは選ばれる。
【００２１】
皮膚軟化剤材料として有用な不揮発性シリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、およびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれる。本明細書において有用な、本質的に不揮発性ポリアルキルシロキサンは、例えば、２５℃において約５×１０−６〜０．１ｍ２／ｓの粘度を有するポリジメチルシロキサンを含む。本発明の組成物において有用な好ましい不揮発性皮膚軟化剤の中には、２５℃において約１×１０−５〜約４×１０−４ｍ２／ｓの粘度を有するポリジメチルシロキサンがある。
【００２２】
不揮発性シリコーンの他のクラスは、乳化および非乳化シリコーンエラストマーである。この範疇の代表は、Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ ９０４０、Ｇｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ＳＦＥ ８３９、およびＳｈｉｎ−Ｅｔｓｕ ＫＳＧ−１８として入手可能なジメチコーン／ビニルジメチコーンクロスコポリマーである。Ｓｉｌｗａｘ ＷＳ−Ｌ（ジメチコーンコポリオールラウレート）などのシリコーンワックスも有用であり得る。
【００２３】
エステル皮膚軟化剤の中には：
ａ）１０から２４個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のアルキルエステル。この例には、ベヘニルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、イソプロピルミリステートおよびオクチルステアレートが含まれる。
ｂ）エトキシル化飽和脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル−エステル。
ｃ）多価アルコールエステル。エチレングリコールモノおよびジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリエチレンレングリコール（２００−６０００）モノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコール２０００モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノ−ステアレート、１，３−ブチレングリコールモノステアレート、１，３−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、満足な多価アルコールエステルである。Ｃ１〜Ｃ３０アルコールのペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンおよびネオペンチルグリコールエステルが、特に有用である。
ｄ）蜜蝋、鯨蝋およびトリベヘニンワックスなどのワックスエステル。
ｅ）スクロースポリベヘン酸エステルおよびスクロースポリ綿実油エステルなどの脂肪酸の糖エステル、がある。
【００２４】
天然エステル皮膚軟化剤は、主としてモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドをベースとする。代表的グリセリドには、ヒマワリ種油、綿実油、ルリチシャ油、ルリチシャ種油、サクラ草油、ヒマシ油および水素化ヒマシ油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、シアバター、ホホバ油およびこれらの組合せが含まれる。動物由来の皮膚軟化剤は、ラノリン油およびラノリン誘導体によって代表される。天然エステルの量は、組成物の約０．１から約２０重量％の範囲であってよい。
【００２５】
適切な化粧品的に許容可能な担体である炭化水素には、ペトロラタム、鉱油、Ｃ１１〜Ｃ１３イソパラフィン、ポリブテンおよび、とりわけ、Ｐｒｅｓｐｅｒｓｅ Ｉｎｃ．からＰｅｒｍｅｔｈｙｌ １０１Ａとして商業的に入手可能なイソヘキサデカンが含まれる。
【００２６】
また、１０から３０個の炭素原子を有する脂肪酸は、化粧品的に許容可能な担体として適切であり得る。ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒドロキシステアリン酸およびベヘン酸は、この範疇の例示的なものである。
【００２７】
１０〜３０個の炭素原子を有する脂肪アルコールは、化粧品的に許容可能な担体の他の有用な範疇である。ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールおよびセチルアルコールは、この範疇の例示的なものである。
【００２８】
増粘剤は、本発明による組成物の化粧品的に許容可能な担体の部分として利用することができる。典型的増粘剤には、架橋アクリレート（例えば、Ｃａｒｂｏｐｏｌ ９８２（登録商標））、疎水的に変性されたアクリレート（例えば、Ｃａｒｂｏｐｏｌ １３８２（登録商標））、ポリアクリルアミド（例えば、Ｓｅｐｉｇｅｌ ３０５（登録商標））、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸／塩ポリマーおよびコポリマー（例えば、Ａｒｉｓｔｏｆｌｅｘ ＨＭＢ（登録商標）およびＡＶＣ（登録商標））、セルロース系誘導体および天然ガムが含まれる。有用なセルロース系誘導体の中には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメトセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に適する天然ガムには、グアール、キサンタン、スクレロチウム、カラゲナン、ペクチンおよびこれらのガムの組合せが含まれる。無機物、特にベントナイトおよびヘクトライトなどのクレー、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸カルシウム、およびマグネシウムアルミニウムシリケート（Ｖｅｅｇｕｍ（登録商標））などのシリケートも増粘剤として利用することができる。増粘剤の量は、組成物の０．０００１〜１０重量％、通常は０．００１〜１重量％、最適には０．０１〜０．５重量％の範囲であってよい。
【００２９】
本発明において、付随する湿潤剤を使用することができる。これらは、一般に多価アルコールタイプの材料である。典型的多価アルコールには、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、１，３−ブチレングリコール、イソプレングリコール、１，２，６−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、およびこれらの混合物が含まれる。付随する湿潤剤の量は、組成物の０．５から５０重量％、好ましくは１と１５重量％の間である。
【００３０】
本発明のパーソナルケア組成物は、任意の形態であってよい。これらの形態には、ローション、クリーム、ロールオン配合、スティック、ムース、エアゾール、および非エアゾールスプレーおよび布（例えば、不織織物）使用の配合を含み得る。
【００３１】
また、界面活性剤が、本発明の組成物中に存在してよい。存在する場合の界面活性剤の総濃度は、組成物の０．１から９０重量％、好ましくは１から４０重量％、最適には１から２０重量％の範囲であってよく、パーソナルケア製品のタイプに強く依存する。界面活性剤は、アニオン性、ノニオン性、カチオン性および両性活性物質からなる群から選択することができる。特に好ましいノニオン性界面活性剤は、疎水性物質の１モル当たり、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの２から１００モルを縮合した、Ｃ１０〜Ｃ２０脂肪アルコールまたは酸疎水性物質を有するノニオン性界面活性剤であり；アルキレンオキシドの２から２０モルと縮合したＣ２〜Ｃ１０アルキルフェノール；エチレングリコールのモノ−およびジ−脂肪酸エステル；脂肪酸モノグリセリド；ソルビタンモノ−およびジ−Ｃ８〜Ｃ２０脂肪酸；およびポリオキシエチレンソルビタン、ならびにこれらの組合せである。アルキルポリグリコシドおよびサッカライド脂肪アミド（例えば、メチルグルコンアミド）およびトリアルキルアミンオキシドも、適切なノニオン性界面活性剤である。
【００３２】
好ましいアニオン性界面活性剤には、セッケン、アルキルエーテルスルフェートおよびスルホネート、アルキルスルフェートおよびスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルおよびジアルキルスルホスクシネート、Ｃ８〜Ｃ２０アシルイセチオネート、Ｃ８〜Ｃ２０アルキルエーテルホスホネート、Ｃ８〜Ｃ２０サルコシネート、Ｃ８〜Ｃ２０アシルラクテート、スルホラクテートおよびこれらの組合せが含まれる。
【００３３】
有用な両性面活性剤には、ココアミドプロピルベタイン、Ｃ１２〜Ｃ２０トリアルキルベタイン、ナトリウムラウロアンホアセテート、およびナトリウムラウロジアンホアセテートが含まれる。
【００３４】
また、日焼け止め剤も本発明の組成物中に含むことができる。Ｐａｒｓｏｌ ＭＣＸ（登録商標）として入手可能なエチルヘキシルｐ−メトキシシンナメート、Ｐａｒｓｏｌ１７８９（登録商標）として入手可能なＡｖｏｂｅｎｚｅｎｅ、およびＯｘｙｂｅｎｚｏｎｅとしても知られるベンゾフェノン−３などの材料が、特に好ましい。極微細な二酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機の日焼け止め活性物質を使用することができる。存在する場合、日焼け止め剤の量は、一般に組成物の０．１から３０重量％、好ましくは２から２０重量％、最適には、４から１０重量％である。
【００３５】
本発明の制汗剤および脱臭剤組成物は、通常収斂性の活性物質を含む。例には、塩化アルミニウム、アルミニウムクロルヒドレックス（ａｌｕｍｉｎｕｍ ｃｈｌｏｒｈｙｄｒｅｘ）、アルミニウム−ジルコニウムクロルヒドレックスグリシン、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、ジルコニウムおよびアルミニウムクロロヒドログリシネート、塩化ヒドロキシジルコニウム、ジルコニウムおよびアルミニウムラクテート、亜鉛フェノールスルホネートおよびこれらの組合せが含まれる。制汗剤の量は、組成物の約０．５から約５０重量％のいずれかの範囲であってよい。
【００３６】
本発明により配合される歯科用製品は、歯のう食を防止するために、一般にフッ素源を含む。典型的な抗う食活性物質には、フッ化ナトリウム、フッ化錫およびナトリウムモノフルオロホスフェートが含まれる。これらの材料の量は、組成物の約５００から約８８００ｐｐｍの間の範囲であるべき放出可能なフッ素の量によって決められる。歯磨き剤の他の成分は、硝酸カリウムおよび硝酸ストロンチウムなどの知覚鈍麻剤、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、スクラロース、およびアセスルファムカリウムなどの甘味剤を含むことができる。増粘剤、乳白剤、研磨剤および着色剤も通常存在する。
【００３７】
防腐剤を、潜在的に有害な微生物の増殖を防止するために、本発明のパーソナルケア組成物に好ましくは組み込むことができる。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン、エチレンジアミン四酢酸塩（ＥＤＴＡ）、ナトリウムデヒドロアセテート、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ヨードプロピンブチルカルバメートおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の用途および防腐剤と他の成分との、起こり得る不適合性に注意して選択されるべきである。防腐剤は、組成物の０．０１％から２重量％の範囲の量において好ましくは使用される。
【００３８】
本発明の組成物は、ビタミンを含むことができる。例示的ビタミンは、ビタミンＡ（レチノール）、ビタミンＢ２、ビタミンＢ３（ナイアシンアミド）、ビタミンＢ６、ビタミンＣ、ビタミンＥ、葉酸およびビオチンである。これらビタミンの誘導体も使用することができる。例えば、ビタミンＣ誘導体には、アスコビルテトライソパルミテート、マグネシウムアスコビルホスフェートおよびアスコビルグリコシドが含まれる。ビタミンＥ誘導体には、トコフェリルアセテート、トコフェリルパルミテートおよびトコフェリルリノレートが含まれる。ＤＬ−パンテノール（プロビタミンＢ５）および誘導体も使用することができる。本発明の目的のために、ビタミンは、存在する場合、不飽和材料としては考慮されない。本発明による組成物中に存在する場合、ビタミンの量は、組成物の０．００１から１０重量％、好ましくは０．０１％から１重量％、最適には０．１から０．５重量％の範囲であってよい。
【００３９】
有用な物質の他のタイプは、アミラーゼ、オキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼおよび組合せなどの酵素のタイプであってよい。Ｂｒｏｏｋｓ Ｃｏｍｐａｎｙ，ＵＳＡ．からＢｉｏｃｅｌｌ ＳＯＤとして市販されているスーパーオキシドジスムターゼが特に好ましい。
【００４０】
本発明の組成物中に、皮膚淡色化剤組成物を含むことができる。例示的な物質は、胎盤注出物、乳酸、ナイアシンアミド、アルブチン、コウジ酸、フェルラ酸、レゾルシノールおよび４−置換レゾルシノールを含む誘導体およびこれらの組合せである。これらの薬剤の量は、組成物の約０．１から約１０重量％、好ましくは約０．５から約２重量％の範囲であってよい。
【００４１】
剥離促進剤が存在し得る。アルファ−ヒドロキシカルボン酸およびベータ−ヒドロキシカルボン酸が例示的なものである。用語「酸」は、遊離酸だけでなく、これらの塩およびＣ１〜Ｃ３０アルキルまたはアリールエステル、および環式または線状ラクトン構造を形成するために水を除去することから発生したラクトンも含むことを意味する。代表的酸は、グリコール酸、乳酸およびリンゴ酸である。サリチル酸は、β−ヒドロキシカルボン酸の代表である。これらの材料の量は、存在する場合、組成物の約０．０１から約１５重量％の範囲であってよい。
【００４２】
種々の薬草抽出物を、本発明の組成物中に場合によって含有させることができる。この抽出物は、各々親水性または疎水性である溶剤に担持された水溶性または水不溶性であってよい。水およびエタノールが、好ましい抽出溶剤である。例示的な抽出物には、緑茶、ローマカミツレ、カンゾウ、アロエベラ、葡萄種、温州ミカン（温州ミカン果皮抽出物）、柳樹皮、サルビア、ジャコウ草およびローズマリーからの抽出物が含まれる。
【００４３】
また、リポ酸、レチノキシトリメチルシラン（Ｓｉｌｃａｒｅ（商標）１Ｍ−７５（商標）の下にＣｌａｒｉａｎｔ Ｃｏｒｐ．から入手可能）、デヒドロエピアンドロステロン（ＤＨＥＡ）およびこれらの組合せなどの材料が、含まれる。セラミド（Ｃｅｒａｍｉｄｅ １、Ｃｅｒａｍｉｄｅ ３、Ｃｅｒａｍｉｄｅ ３ＢおよびＣｅｒａｍｉｄｅ ６を含む。）ならびに擬似セラミドも有用であり得る。これらの材料の量は、組成物の約０．０００００１から約１０重量％、好ましくは約０．０００１から約１重量％の範囲であってよい。
【００４４】
着色剤、乳白剤および表皮剥脱剤も本発明の組成物中に含有させることができる。これらの物質のそれぞれは、組成物の約０．０５から約５重量％、好ましくは０．１から３重量％の範囲であってよい。
【００４５】
本発明の組成物は、処理された拭き取り品の形態のような皮膚への適用では、場合によって水不溶性基材中に組み込まれることもできる。
【００４６】
広範囲の包装が、パーソナルケア組成物を貯蔵および搬送するために使用され得る。包装は、しばしばパーソナルケア最終用途のタイプに依存する。例えばリーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、コンディショナーおよびシャワーゲルは、一般に蓋で覆われた出口端に開口部を有するプラスチック容器を使用する。典型的蓋は、スクリューキャップ、非エアゾールポンプおよびフリップトップ型蓋である。制汗剤、脱臭剤および脱毛剤用の包装は、出口端にロールオンボールを有する容器を含むことができる。あるいは、パーソナルケア製品のこれらのタイプは、スティックが出口オリフィスに向かってプラットホーム上を移動する、押す−戻す仕組みを有する容器中のスティック組成物配合物に提供することができる。噴射剤によって加圧されスプレーノズルを有する金属缶は、制汗剤、シェービングクリームおよび他のパーソナルケア製品用の包装として役立つ。化粧石鹸は、セルロース系またはプラスチックラッパーによって構成された、または板紙箱内の、またはさらに収縮ラッププラスチックフィルムによって包まれた包装を有することができる。前述の全ては、本発明の状況内で考慮される包装である。
【００４７】
用語「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」は、任意の引き続いて述べられる要素を限定することなく、むしろ主たるまたは副次的な機能的重要性を有する、非特定の要素を包含することを意味する。換言すれば、列挙されたステップ、要素または選択項目は、網羅的である必要はない。語「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」または「有する（ｈａｖｉｎｇ）」が使用されるときは、いつでも、これらの用語は、上に定義した通り「ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ」と等価であることを意味する。
【００４８】
全ての特許、特許出願、および印刷出版物を含めて、本明細書に言及されている全ての文書は、本開示において、参照によりその全てを本明細書に組み込む。
【００４９】
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに十分に例示する。本明細書に言及されているおよび添付の特許請求の範囲中の全ての部、パーセンテージおよび部分は、他に指示がなければ重量による。
【実施例１】
【００５０】
化粧品ローションの形態における本発明の代表的パーソナルケア組成物の概要を表Ｉに述べる。
【００５１】
【表１】
【実施例２】
【００５２】
本発明による油中水局所液体メークアップファンデーションを以下の表ＩＩに記載する。
【００５３】
【表２】
【実施例３】
【００５４】
本発明の第四級アンモニウム塩を混合したスキンクリームをここに例示する。
【００５５】
【表３】
【実施例４】
【００５６】
表ＩＶの配合が、本発明による第四級アンモニウム塩を混合した他の化粧品組成物の例示である。
【００５７】
【表４】
【実施例５】
【００５８】
本発明の第四級アンモニウム塩を混合した比較的無水の組成物が、表Ｖに報告されている。
【００５９】
【表５】
【実施例６】
【００６０】
本発明に適する第四級アンモニウム塩を含むエアゾール包装発泡クレンザーの概要を、表ＶＩに述べる。
【００６１】
【表６】
【実施例７】
【００６２】
使い捨て１人用パーソナルケア濡れタオル製品を、本発明により記載する。１．８グラムの重量および１５ｃｍ×２０ｃｍの寸法を有する７０／３０ポリエステル／レーヨン不織布濡れタオルを調製する。この濡れタオルに以下の表ＶＩＩに概要を述べる第四級アンモニウム塩を含む組成物を含浸する。
【００６３】
【表７】
【実施例８】
【００６４】
本発明の例示である化粧石鹸を表ＶＩＩＩの下に概要を述べる。
【００６５】
【表８】
【実施例９】
【００６６】
本発明の状況において有用であるシャンプー組成物を以下の表ＩＸに記載する。
【００６７】
【表９】
【実施例１０】
【００６８】
この実施例は、本発明による保湿活性成分を混合した制汗剤／脱臭剤配合を例示する。
【００６９】
【表１０】
【実施例１１】
【００７０】
本発明による練り歯磨きは、表ＸＩの下に列挙した成分により配合することができる。
【００７１】
【表１１】
【実施例１２】
【００７２】
この実施例は、保湿効力試験の結果を提供する。これらの試験は、ヒトの皮膚のモデルとして使用したブタ表皮上での評価を含んだ。装置および観察記録を以下に概要を述べる。
【００７３】
環境微量天秤（形式 ＭＢ−３００Ｗ、ＶＴＩ Ｃｏｒｐ．、２７０８ Ｗ８４ｔｈ Ｓｔｒｅｅｔ、Ｈｉａｌｅａｈ、ＦＬ ３３０１６）のプログラムを作成して、一定の温度および空気流における相対湿度の関数として、ブタ表皮の重量の変化を測定した。ブタ表皮を湿潤剤の水溶液で処理した前後で評価して、水分の吸着および保持を求めた。
【００７４】
試料調製を以下のように行った：
ブタ皮の表皮切片を約４ｃｍ×１ｃｍに切り取った。
この皮を１０％洗剤中で洗浄し、デシケーター中で恒量にまで乾燥した。これは、未処理材料を表す。
この皮を試験試料の１重量％水溶液に１５分間浸漬し、過剰の液を拭き取り、デシケーター中で恒量にまで乾燥した。これは、処理材料を表す。
【００７５】
微量天秤に対する一連の条件は、以下の通りであった：
０％相対湿度において３０分間（試料を確実に乾燥させる。）
８０％相対湿度において９０分間（付着した水の量を求める。）
２０％相対湿度において９０分間（保持された水の量を求める。）
【００７６】
実験を以下のように行った：
未処理皮の一片の重量を、逐次連続的に記録した。
未処理皮の片を試験試料で処理した。
皮の処理片の重量を、逐次連続的に記録した。
皮の未処理および処理片に対する、初期重量からのパーセント重量変化を計算することからなるデータの変化。
報告されたデータは、それぞれ、処理片と、この対応する未処理片との間の差であった。結果を表ＸＩＩに記録する。
【００７７】
【表１２】
【００７８】
この結果から、ソルビトールモノクオートは、比較的高湿度において保湿に効果的なだけでなく、比較的低湿度においても非常に優れていることが明らかである。これらの結果は、化粧品配合において保湿の目的で通常使用されているグリセリンに関連してとりわけ重要であった。
【実施例１３】
【００７９】
ドロキシプロピルトリモニウムソルビトール（ソルビトールモノクオートとも呼ばれる。）の塩化物塩の合成手順を本明細書において提供する。丸底２５０ｍｌフラスコに機械的撹拌機を取り付けた。このフラスコ中にソルビトール（１０ｇ、５５．５ミリモル）および塩化３−クロロ−２−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム（Ｑｕａｔ１８８（登録商標））（１５ｍｌ、５５．５ミリモル）の混合物を装填した。次いで、１モル濃度の水酸化ナトリウム（５５．０ｍｌ、５５．０ミリモル）を、装填された混合物に添加した。この反応物を室温において１８時間撹拌した。次いで、水を減圧下、５０℃において除去して、不均一な無色のシロップが得られた。グラスウールを通して濾過すると、塩化ソルビトールヒドロキプロピルトリメチルアンモニウムが、均一な透明、透明なシロップとして得られた：ｍ／ｚ（ＥＳＩ；Ｍ＋−Ｃｌ−）２９８。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、高および低相対湿度環境の両方において保湿を提供するパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
乾燥皮膚は、程度の差はあるにせよ、大抵の人間に対して問題である。この状態は、冬期に、特に明白である。スキンクリーム／ローション、シャンプー／コンディショナー、化粧石鹸／シャワーゲル、制汗剤／脱臭剤などのパーソナルケア製品は、通常、乾燥皮膚に対処するための材料が少なくとも１種配合されている。痒み、皮むけおよび視覚的に不愉快な皮膚外観などの徴候は、全てある程度は和らげることができる。
【０００３】
この問題に対して使用される材料には、３種のクラスがある。ペトロラタムまたはシリコーンオイルなどの空気遮断剤は、自然の湿気が失われるのを防止する。これらは、表皮と環境との間に遮断膜を形成する。他の取組みは、皮膚剥脱の速度を増すために、角質剥離剤を使用することである。アルファ−ヒドロキシ酸は、剥脱を実現するための最も通常の薬剤である。
【０００４】
乾燥皮膚に対する第３の取組みは、湿潤剤の局所的適用である。ヒドロキシル化された低分子量のおよび高分子量の有機物質が、一般にこの目的に使用される。グリセロールとしても知られるグリセリンは、最も効果的な湿潤剤である。
【０００５】
知られている湿潤剤の性能には、いくつかの弱点がある。グリセリンのような最良のものでさえ、良好な保湿を実現するためには、比較的高レベルにおいて配合する必要がある。第２に、知られている湿潤剤は、高相対湿度環境においてうまく機能する。しかし、これらの物質はいずれも、低相対湿度（すなわち、２０℃において湿度２０％未満）ではほとんど有効性をもたらさない。冬期の平均の室内相対湿度は、米国北東部などの地域においては約１３％である。改善された保湿技術が現実に求められていることは、かなり明白である。
【０００６】
ヒドロキシプロピルトリモニウムハニーのＩＮＣＩ名を有するＨｏｎｅｙｑｕａｔ５０として知られる保湿剤が、グリセリンよりも良好な湿潤剤であると報告されている。（「Ｃｏｓｍｅｔｉｃ Ｉｎｇｒｅｄｉｅｎｔｓ＆Ｉｄｅａｓ（登録商標）」（発行Ｎｏ．２，２００１年８月）と題するＡｒｃｈ／Ｂｒｏｏｋｓ小冊子を参照のこと）。Ｈｏｎｅｙｑｕａｔ５０は、クロロヒドロキシトリメチルアンモニウム誘導体と、蜂蜜を「ほのかな」香りに脱臭したグレードの懸垂ヒドロキシル基（二糖上）との反応から得られると記載されている。この物質は、優れた湿潤性を有するが、低相対湿度における保湿は、依然として克服されるべきものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
したがって、本発明は、パーソナルケア製品において使用する、高相対湿度だけでなく、低相対湿度においても作用する湿潤剤を明らかにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１の態様において、
（ｉ）ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールの塩であり、カチオンが、４５０を超えない平均分子量を有し、前記塩が、１０℃を超えないＴｇを有する、第四級アンモニウム化合物の０．１から３０重量％；および
（ｉｉ）化粧品的に許容可能な担体
を含むパーソナルケア組成物が提供される。
【０００９】
本発明の第２の態様において、このような組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を保湿する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
今回、カチオンが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールである塩が、高および低の両方の相対湿度の環境において湿潤性を提供する優れた保湿剤であることが分かった。これらの塩の量は、組成物の約０．１〜約３０重量％、好ましくは約０．５〜約２０重量％、最適には、約１％〜約１２重量％の範囲であってよい。
【００１１】
ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールの塩は、種々の手順において形成することができる。塩化２−ヒドロキシ−３−クロロプロピルトリメチルアンモニウムを、ポリオール特に線状ポリオールと、アルカリ性媒体において、約１：１モル比において反応させることによるのが最も好ましい。典型的Ｗｉｌｌｉａｍｓｏｎ合成によると、塩化ナトリウムが除去され、これにより第四級アンモニウム反応物のヒドロキシプロピル末端とポリオールの間のエーテル結合が形成される。
【００１２】
典型的ポリオールは、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびイソプレングリコールである。
【００１３】
カチオンの分子量は、約４５０を超えてはならず、好ましくは約４００を超えず、および最適には約３００と４００の間の平均分子量を有するものである。さらに、塩は有利には、２３℃で液体である。したがって、ガラス転移温度（Ｔｇ）は、好ましくは約１０℃を超えず、さらに好ましくは約０℃を超えない。Ｔｇは、示差走査熱分析法において測定され得る。
【００１４】
通常、第四級化アンモニウム基上のＣ１〜Ｃ３アルキル成分は、メチル、エチル、ｎ−プロピル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルおよびこれらの混合物である。ＩＮＣＩ名称により「トリモニウム」基として知られているトリメチルアンモニウム基が、特に好ましい。任意のアニオンを四級塩に使用することができる。アニオンは、材料が、化粧品的に許容可能であるという条件で、有機または無機であってよい。典型的無機アニオンは、ハライド、スルフェート、ホスフェート、硝酸塩およびホウ酸塩である。ハライド、とりわけ塩化物が、最も好ましい。有機アニオン性対イオンには、メソスルフェート、トルオイルスルフェート、アセテート、シトレート、タータラート、ラクテート、グルコネート、およびベンゼンスルホネートが含まれる。
【００１５】
特に好ましい塩は、ヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトールの塩化物である。
【００１６】
有利には、本発明の組成物は、ポリオールが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム基で一置換されただけである第四級アンモニウム塩により配合される。しかし、より少ない量の二置換および三置換されたポリオールが存在してもよい。通常、これらの量は、存在する第四級アンモニウム化合物の重量に対して、０〜２０重量％、あるいは約２〜約１０重量％の範囲であってよい。より詳細には、多置換ポリオールは、ジ−［ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム］ポリオール、トリ−［ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム］ポリオールおよびこれらの混合物であってよい。
【００１７】
用語パーソナルケア組成物は、外観、汚れ落とし、においの制御または一般的審美性を改善するために人体に適用する任意の物質を意味する。パーソナルケア組成物の非限定的例には、リーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、シャワーゲル、化粧石鹸、制汗剤、脱臭剤、歯科用製品、シェービングクリーム、脱毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナーおよび日焼け止めローションが含まれる。
【００１８】
本発明の組成物はまた、化粧品的に許容可能な担体を含む。担体の量は、組成物の約１〜約９９．９重量％、好ましくは約７０〜約９５重量％、最適には約８０〜約９０重量％の範囲でよい。有用な担体の中には、水、皮膚軟化剤、脂肪酸、脂肪アルコール、増粘剤およびこれらの組合せがある。担体は、水性、無水またはエマルジョンであってよい。好ましくは組成物は、水性、とりわけ水およびＷ／ＯまたはＯ／Ｗまたは三重のＷ／Ｏ／Ｗの種類のオイルエマルジョンである。存在する場合、水は、約５〜約９５重量％、好ましくは約２０〜約７０重量％、最適には約３５〜約６０重量％の範囲の量でよい。
【００１９】
皮膚軟化剤材料は、化粧品的に許容可能な担体として役立つことができる。これらは、シリコーンオイル、天然または合成エステルおよび炭化水素の形態であってよい。皮膚軟化剤の量は、組成物の約０．１から約９５重量％のいずれか、好ましくは約１と約５０重量％の間の範囲であってよい。
【００２０】
シリコーンオイルは、揮発性および不揮発性品種に分けることができる。本明細書では、用語「揮発性」とは、周囲温度において測定可能な蒸気圧を有する材料のことを言う。揮発性シリコーンオイルは、３〜９個好ましくは４〜５個のケイ素原子を含む環式（シクロメチコーン）または線状ポリジメチルシロキサンから好ましくは選ばれる。
【００２１】
皮膚軟化剤材料として有用な不揮発性シリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、およびポリエーテルシロキサンコポリマーが含まれる。本明細書において有用な、本質的に不揮発性ポリアルキルシロキサンは、例えば、２５℃において約５×１０−６〜０．１ｍ２／ｓの粘度を有するポリジメチルシロキサンを含む。本発明の組成物において有用な好ましい不揮発性皮膚軟化剤の中には、２５℃において約１×１０−５〜約４×１０−４ｍ２／ｓの粘度を有するポリジメチルシロキサンがある。
【００２２】
不揮発性シリコーンの他のクラスは、乳化および非乳化シリコーンエラストマーである。この範疇の代表は、Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ ９０４０、Ｇｅｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ＳＦＥ ８３９、およびＳｈｉｎ−Ｅｔｓｕ ＫＳＧ−１８として入手可能なジメチコーン／ビニルジメチコーンクロスコポリマーである。Ｓｉｌｗａｘ ＷＳ−Ｌ（ジメチコーンコポリオールラウレート）などのシリコーンワックスも有用であり得る。
【００２３】
エステル皮膚軟化剤の中には：
ａ）１０から２４個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のアルキルエステル。この例には、ベヘニルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、イソプロピルミリステートおよびオクチルステアレートが含まれる。
ｂ）エトキシル化飽和脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル−エステル。
ｃ）多価アルコールエステル。エチレングリコールモノおよびジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリエチレンレングリコール（２００−６０００）モノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコール２０００モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−およびジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノ−ステアレート、１，３−ブチレングリコールモノステアレート、１，３−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、満足な多価アルコールエステルである。Ｃ１〜Ｃ３０アルコールのペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンおよびネオペンチルグリコールエステルが、特に有用である。
ｄ）蜜蝋、鯨蝋およびトリベヘニンワックスなどのワックスエステル。
ｅ）スクロースポリベヘン酸エステルおよびスクロースポリ綿実油エステルなどの脂肪酸の糖エステル、がある。
【００２４】
天然エステル皮膚軟化剤は、主としてモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドをベースとする。代表的グリセリドには、ヒマワリ種油、綿実油、ルリチシャ油、ルリチシャ種油、サクラ草油、ヒマシ油および水素化ヒマシ油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、シアバター、ホホバ油およびこれらの組合せが含まれる。動物由来の皮膚軟化剤は、ラノリン油およびラノリン誘導体によって代表される。天然エステルの量は、組成物の約０．１から約２０重量％の範囲であってよい。
【００２５】
適切な化粧品的に許容可能な担体である炭化水素には、ペトロラタム、鉱油、Ｃ１１〜Ｃ１３イソパラフィン、ポリブテンおよび、とりわけ、Ｐｒｅｓｐｅｒｓｅ Ｉｎｃ．からＰｅｒｍｅｔｈｙｌ １０１Ａとして商業的に入手可能なイソヘキサデカンが含まれる。
【００２６】
また、１０から３０個の炭素原子を有する脂肪酸は、化粧品的に許容可能な担体として適切であり得る。ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヒドロキシステアリン酸およびベヘン酸は、この範疇の例示的なものである。
【００２７】
１０〜３０個の炭素原子を有する脂肪アルコールは、化粧品的に許容可能な担体の他の有用な範疇である。ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールおよびセチルアルコールは、この範疇の例示的なものである。
【００２８】
増粘剤は、本発明による組成物の化粧品的に許容可能な担体の部分として利用することができる。典型的増粘剤には、架橋アクリレート（例えば、Ｃａｒｂｏｐｏｌ ９８２（登録商標））、疎水的に変性されたアクリレート（例えば、Ｃａｒｂｏｐｏｌ １３８２（登録商標））、ポリアクリルアミド（例えば、Ｓｅｐｉｇｅｌ ３０５（登録商標））、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸／塩ポリマーおよびコポリマー（例えば、Ａｒｉｓｔｏｆｌｅｘ ＨＭＢ（登録商標）およびＡＶＣ（登録商標））、セルロース系誘導体および天然ガムが含まれる。有用なセルロース系誘導体の中には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメトセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に適する天然ガムには、グアール、キサンタン、スクレロチウム、カラゲナン、ペクチンおよびこれらのガムの組合せが含まれる。無機物、特にベントナイトおよびヘクトライトなどのクレー、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸カルシウム、およびマグネシウムアルミニウムシリケート（Ｖｅｅｇｕｍ（登録商標））などのシリケートも増粘剤として利用することができる。増粘剤の量は、組成物の０．０００１〜１０重量％、通常は０．００１〜１重量％、最適には０．０１〜０．５重量％の範囲であってよい。
【００２９】
本発明において、付随する湿潤剤を使用することができる。これらは、一般に多価アルコールタイプの材料である。典型的多価アルコールには、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、１，３−ブチレングリコール、イソプレングリコール、１，２，６−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、およびこれらの混合物が含まれる。付随する湿潤剤の量は、組成物の０．５から５０重量％、好ましくは１と１５重量％の間である。
【００３０】
本発明のパーソナルケア組成物は、任意の形態であってよい。これらの形態には、ローション、クリーム、ロールオン配合、スティック、ムース、エアゾール、および非エアゾールスプレーおよび布（例えば、不織織物）使用の配合を含み得る。
【００３１】
また、界面活性剤が、本発明の組成物中に存在してよい。存在する場合の界面活性剤の総濃度は、組成物の０．１から９０重量％、好ましくは１から４０重量％、最適には１から２０重量％の範囲であってよく、パーソナルケア製品のタイプに強く依存する。界面活性剤は、アニオン性、ノニオン性、カチオン性および両性活性物質からなる群から選択することができる。特に好ましいノニオン性界面活性剤は、疎水性物質の１モル当たり、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの２から１００モルを縮合した、Ｃ１０〜Ｃ２０脂肪アルコールまたは酸疎水性物質を有するノニオン性界面活性剤であり；アルキレンオキシドの２から２０モルと縮合したＣ２〜Ｃ１０アルキルフェノール；エチレングリコールのモノ−およびジ−脂肪酸エステル；脂肪酸モノグリセリド；ソルビタンモノ−およびジ−Ｃ８〜Ｃ２０脂肪酸；およびポリオキシエチレンソルビタン、ならびにこれらの組合せである。アルキルポリグリコシドおよびサッカライド脂肪アミド（例えば、メチルグルコンアミド）およびトリアルキルアミンオキシドも、適切なノニオン性界面活性剤である。
【００３２】
好ましいアニオン性界面活性剤には、セッケン、アルキルエーテルスルフェートおよびスルホネート、アルキルスルフェートおよびスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルおよびジアルキルスルホスクシネート、Ｃ８〜Ｃ２０アシルイセチオネート、Ｃ８〜Ｃ２０アルキルエーテルホスホネート、Ｃ８〜Ｃ２０サルコシネート、Ｃ８〜Ｃ２０アシルラクテート、スルホラクテートおよびこれらの組合せが含まれる。
【００３３】
有用な両性面活性剤には、ココアミドプロピルベタイン、Ｃ１２〜Ｃ２０トリアルキルベタイン、ナトリウムラウロアンホアセテート、およびナトリウムラウロジアンホアセテートが含まれる。
【００３４】
また、日焼け止め剤も本発明の組成物中に含むことができる。Ｐａｒｓｏｌ ＭＣＸ（登録商標）として入手可能なエチルヘキシルｐ−メトキシシンナメート、Ｐａｒｓｏｌ１７８９（登録商標）として入手可能なＡｖｏｂｅｎｚｅｎｅ、およびＯｘｙｂｅｎｚｏｎｅとしても知られるベンゾフェノン−３などの材料が、特に好ましい。極微細な二酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機の日焼け止め活性物質を使用することができる。存在する場合、日焼け止め剤の量は、一般に組成物の０．１から３０重量％、好ましくは２から２０重量％、最適には、４から１０重量％である。
【００３５】
本発明の制汗剤および脱臭剤組成物は、通常収斂性の活性物質を含む。例には、塩化アルミニウム、アルミニウムクロルヒドレックス（ａｌｕｍｉｎｕｍ ｃｈｌｏｒｈｙｄｒｅｘ）、アルミニウム−ジルコニウムクロルヒドレックスグリシン、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、ジルコニウムおよびアルミニウムクロロヒドログリシネート、塩化ヒドロキシジルコニウム、ジルコニウムおよびアルミニウムラクテート、亜鉛フェノールスルホネートおよびこれらの組合せが含まれる。制汗剤の量は、組成物の約０．５から約５０重量％のいずれかの範囲であってよい。
【００３６】
本発明により配合される歯科用製品は、歯のう食を防止するために、一般にフッ素源を含む。典型的な抗う食活性物質には、フッ化ナトリウム、フッ化錫およびナトリウムモノフルオロホスフェートが含まれる。これらの材料の量は、組成物の約５００から約８８００ｐｐｍの間の範囲であるべき放出可能なフッ素の量によって決められる。歯磨き剤の他の成分は、硝酸カリウムおよび硝酸ストロンチウムなどの知覚鈍麻剤、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、スクラロース、およびアセスルファムカリウムなどの甘味剤を含むことができる。増粘剤、乳白剤、研磨剤および着色剤も通常存在する。
【００３７】
防腐剤を、潜在的に有害な微生物の増殖を防止するために、本発明のパーソナルケア組成物に好ましくは組み込むことができる。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン、エチレンジアミン四酢酸塩（ＥＤＴＡ）、ナトリウムデヒドロアセテート、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、ヨードプロピンブチルカルバメートおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の用途および防腐剤と他の成分との、起こり得る不適合性に注意して選択されるべきである。防腐剤は、組成物の０．０１％から２重量％の範囲の量において好ましくは使用される。
【００３８】
本発明の組成物は、ビタミンを含むことができる。例示的ビタミンは、ビタミンＡ（レチノール）、ビタミンＢ２、ビタミンＢ３（ナイアシンアミド）、ビタミンＢ６、ビタミンＣ、ビタミンＥ、葉酸およびビオチンである。これらビタミンの誘導体も使用することができる。例えば、ビタミンＣ誘導体には、アスコビルテトライソパルミテート、マグネシウムアスコビルホスフェートおよびアスコビルグリコシドが含まれる。ビタミンＥ誘導体には、トコフェリルアセテート、トコフェリルパルミテートおよびトコフェリルリノレートが含まれる。ＤＬ−パンテノール（プロビタミンＢ５）および誘導体も使用することができる。本発明の目的のために、ビタミンは、存在する場合、不飽和材料としては考慮されない。本発明による組成物中に存在する場合、ビタミンの量は、組成物の０．００１から１０重量％、好ましくは０．０１％から１重量％、最適には０．１から０．５重量％の範囲であってよい。
【００３９】
有用な物質の他のタイプは、アミラーゼ、オキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼおよび組合せなどの酵素のタイプであってよい。Ｂｒｏｏｋｓ Ｃｏｍｐａｎｙ，ＵＳＡ．からＢｉｏｃｅｌｌ ＳＯＤとして市販されているスーパーオキシドジスムターゼが特に好ましい。
【００４０】
本発明の組成物中に、皮膚淡色化剤組成物を含むことができる。例示的な物質は、胎盤注出物、乳酸、ナイアシンアミド、アルブチン、コウジ酸、フェルラ酸、レゾルシノールおよび４−置換レゾルシノールを含む誘導体およびこれらの組合せである。これらの薬剤の量は、組成物の約０．１から約１０重量％、好ましくは約０．５から約２重量％の範囲であってよい。
【００４１】
剥離促進剤が存在し得る。アルファ−ヒドロキシカルボン酸およびベータ−ヒドロキシカルボン酸が例示的なものである。用語「酸」は、遊離酸だけでなく、これらの塩およびＣ１〜Ｃ３０アルキルまたはアリールエステル、および環式または線状ラクトン構造を形成するために水を除去することから発生したラクトンも含むことを意味する。代表的酸は、グリコール酸、乳酸およびリンゴ酸である。サリチル酸は、β−ヒドロキシカルボン酸の代表である。これらの材料の量は、存在する場合、組成物の約０．０１から約１５重量％の範囲であってよい。
【００４２】
種々の薬草抽出物を、本発明の組成物中に場合によって含有させることができる。この抽出物は、各々親水性または疎水性である溶剤に担持された水溶性または水不溶性であってよい。水およびエタノールが、好ましい抽出溶剤である。例示的な抽出物には、緑茶、ローマカミツレ、カンゾウ、アロエベラ、葡萄種、温州ミカン（温州ミカン果皮抽出物）、柳樹皮、サルビア、ジャコウ草およびローズマリーからの抽出物が含まれる。
【００４３】
また、リポ酸、レチノキシトリメチルシラン（Ｓｉｌｃａｒｅ（商標）１Ｍ−７５（商標）の下にＣｌａｒｉａｎｔ Ｃｏｒｐ．から入手可能）、デヒドロエピアンドロステロン（ＤＨＥＡ）およびこれらの組合せなどの材料が、含まれる。セラミド（Ｃｅｒａｍｉｄｅ １、Ｃｅｒａｍｉｄｅ ３、Ｃｅｒａｍｉｄｅ ３ＢおよびＣｅｒａｍｉｄｅ ６を含む。）ならびに擬似セラミドも有用であり得る。これらの材料の量は、組成物の約０．０００００１から約１０重量％、好ましくは約０．０００１から約１重量％の範囲であってよい。
【００４４】
着色剤、乳白剤および表皮剥脱剤も本発明の組成物中に含有させることができる。これらの物質のそれぞれは、組成物の約０．０５から約５重量％、好ましくは０．１から３重量％の範囲であってよい。
【００４５】
本発明の組成物は、処理された拭き取り品の形態のような皮膚への適用では、場合によって水不溶性基材中に組み込まれることもできる。
【００４６】
広範囲の包装が、パーソナルケア組成物を貯蔵および搬送するために使用され得る。包装は、しばしばパーソナルケア最終用途のタイプに依存する。例えばリーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、コンディショナーおよびシャワーゲルは、一般に蓋で覆われた出口端に開口部を有するプラスチック容器を使用する。典型的蓋は、スクリューキャップ、非エアゾールポンプおよびフリップトップ型蓋である。制汗剤、脱臭剤および脱毛剤用の包装は、出口端にロールオンボールを有する容器を含むことができる。あるいは、パーソナルケア製品のこれらのタイプは、スティックが出口オリフィスに向かってプラットホーム上を移動する、押す−戻す仕組みを有する容器中のスティック組成物配合物に提供することができる。噴射剤によって加圧されスプレーノズルを有する金属缶は、制汗剤、シェービングクリームおよび他のパーソナルケア製品用の包装として役立つ。化粧石鹸は、セルロース系またはプラスチックラッパーによって構成された、または板紙箱内の、またはさらに収縮ラッププラスチックフィルムによって包まれた包装を有することができる。前述の全ては、本発明の状況内で考慮される包装である。
【００４７】
用語「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」は、任意の引き続いて述べられる要素を限定することなく、むしろ主たるまたは副次的な機能的重要性を有する、非特定の要素を包含することを意味する。換言すれば、列挙されたステップ、要素または選択項目は、網羅的である必要はない。語「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」または「有する（ｈａｖｉｎｇ）」が使用されるときは、いつでも、これらの用語は、上に定義した通り「ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ」と等価であることを意味する。
【００４８】
全ての特許、特許出願、および印刷出版物を含めて、本明細書に言及されている全ての文書は、本開示において、参照によりその全てを本明細書に組み込む。
【００４９】
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに十分に例示する。本明細書に言及されているおよび添付の特許請求の範囲中の全ての部、パーセンテージおよび部分は、他に指示がなければ重量による。
【実施例１】
【００５０】
化粧品ローションの形態における本発明の代表的パーソナルケア組成物の概要を表Ｉに述べる。
【００５１】
【表１】
【実施例２】
【００５２】
本発明による油中水局所液体メークアップファンデーションを以下の表ＩＩに記載する。
【００５３】
【表２】
【実施例３】
【００５４】
本発明の第四級アンモニウム塩を混合したスキンクリームをここに例示する。
【００５５】
【表３】
【実施例４】
【００５６】
表ＩＶの配合が、本発明による第四級アンモニウム塩を混合した他の化粧品組成物の例示である。
【００５７】
【表４】
【実施例５】
【００５８】
本発明の第四級アンモニウム塩を混合した比較的無水の組成物が、表Ｖに報告されている。
【００５９】
【表５】
【実施例６】
【００６０】
本発明に適する第四級アンモニウム塩を含むエアゾール包装発泡クレンザーの概要を、表ＶＩに述べる。
【００６１】
【表６】
【実施例７】
【００６２】
使い捨て１人用パーソナルケア濡れタオル製品を、本発明により記載する。１．８グラムの重量および１５ｃｍ×２０ｃｍの寸法を有する７０／３０ポリエステル／レーヨン不織布濡れタオルを調製する。この濡れタオルに以下の表ＶＩＩに概要を述べる第四級アンモニウム塩を含む組成物を含浸する。
【００６３】
【表７】
【実施例８】
【００６４】
本発明の例示である化粧石鹸を表ＶＩＩＩの下に概要を述べる。
【００６５】
【表８】
【実施例９】
【００６６】
本発明の状況において有用であるシャンプー組成物を以下の表ＩＸに記載する。
【００６７】
【表９】
【実施例１０】
【００６８】
この実施例は、本発明による保湿活性成分を混合した制汗剤／脱臭剤配合を例示する。
【００６９】
【表１０】
【実施例１１】
【００７０】
本発明による練り歯磨きは、表ＸＩの下に列挙した成分により配合することができる。
【００７１】
【表１１】
【実施例１２】
【００７２】
この実施例は、保湿効力試験の結果を提供する。これらの試験は、ヒトの皮膚のモデルとして使用したブタ表皮上での評価を含んだ。装置および観察記録を以下に概要を述べる。
【００７３】
環境微量天秤（形式 ＭＢ−３００Ｗ、ＶＴＩ Ｃｏｒｐ．、２７０８ Ｗ８４ｔｈ Ｓｔｒｅｅｔ、Ｈｉａｌｅａｈ、ＦＬ ３３０１６）のプログラムを作成して、一定の温度および空気流における相対湿度の関数として、ブタ表皮の重量の変化を測定した。ブタ表皮を湿潤剤の水溶液で処理した前後で評価して、水分の吸着および保持を求めた。
【００７４】
試料調製を以下のように行った：
ブタ皮の表皮切片を約４ｃｍ×１ｃｍに切り取った。
この皮を１０％洗剤中で洗浄し、デシケーター中で恒量にまで乾燥した。これは、未処理材料を表す。
この皮を試験試料の１重量％水溶液に１５分間浸漬し、過剰の液を拭き取り、デシケーター中で恒量にまで乾燥した。これは、処理材料を表す。
【００７５】
微量天秤に対する一連の条件は、以下の通りであった：
０％相対湿度において３０分間（試料を確実に乾燥させる。）
８０％相対湿度において９０分間（付着した水の量を求める。）
２０％相対湿度において９０分間（保持された水の量を求める。）
【００７６】
実験を以下のように行った：
未処理皮の一片の重量を、逐次連続的に記録した。
未処理皮の片を試験試料で処理した。
皮の処理片の重量を、逐次連続的に記録した。
皮の未処理および処理片に対する、初期重量からのパーセント重量変化を計算することからなるデータの変化。
報告されたデータは、それぞれ、処理片と、この対応する未処理片との間の差であった。結果を表ＸＩＩに記録する。
【００７７】
【表１２】
【００７８】
この結果から、ソルビトールモノクオートは、比較的高湿度において保湿に効果的なだけでなく、比較的低湿度においても非常に優れていることが明らかである。これらの結果は、化粧品配合において保湿の目的で通常使用されているグリセリンに関連してとりわけ重要であった。
【実施例１３】
【００７９】
ドロキシプロピルトリモニウムソルビトール（ソルビトールモノクオートとも呼ばれる。）の塩化物塩の合成手順を本明細書において提供する。丸底２５０ｍｌフラスコに機械的撹拌機を取り付けた。このフラスコ中にソルビトール（１０ｇ、５５．５ミリモル）および塩化３−クロロ−２−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム（Ｑｕａｔ１８８（登録商標））（１５ｍｌ、５５．５ミリモル）の混合物を装填した。次いで、１モル濃度の水酸化ナトリウム（５５．０ｍｌ、５５．０ミリモル）を、装填された混合物に添加した。この反応物を室温において１８時間撹拌した。次いで、水を減圧下、５０℃において除去して、不均一な無色のシロップが得られた。グラスウールを通して濾過すると、塩化ソルビトールヒドロキプロピルトリメチルアンモニウムが、均一な透明、透明なシロップとして得られた：ｍ／ｚ（ＥＳＩ；Ｍ＋−Ｃｌ−）２９８。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
（ｉ）第四級アンモニウム塩０．１から３０重量％（塩のカチオンが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールであり、前記カチオンが、４５０を超えない平均分子量を有し、および前記塩が、１０℃を超えないＴｇを有する。）；および
（ｉｉ）化粧品的に許容可能な担体
を含むパーソナルケア組成物。
【請求項２】
平均分子量が約４００を超えない、請求項１に記載の組成物。
【請求項３】
第四級アンモニウム塩が、組成物の１重量％から１２重量％の量において存在する、請求項１または請求項２に記載の組成物。
【請求項４】
リーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、シャワーゲル、化粧石鹸、制汗剤、脱臭剤、歯科用製品、シェービングクリーム、脱毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナーおよび日焼け止めローションからなる群から選択される、請求項１から３のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項５】
ポリオールが、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびイソプレングリコールからなる群から選択される、請求項１から４のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項６】
塩がヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトールの塩化物である、請求項１に記載の組成物。
【請求項７】
（ｉ）第四級アンモニウム塩０．１から３０重量％（塩のカチオンが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールであり、前記カチオンが、４５０を超えない平均分子量を有し、および前記塩が、１０℃を超えないＴｇを有する。）；および
（ｉｉ）化粧品的に許容可能な担体
を含む組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を保湿する方法。
【請求項８】
塩がヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトールの塩化物である、請求項７に記載の方法。
【請求項９】
平均分子量が約４００を超えない、請求項７に記載の方法。
【請求項１０】
ポリオールが、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびイソプレングリコールからなる群から選択される、請求項７に記載の方法。
【請求項１】
（ｉ）第四級アンモニウム塩０．１から３０重量％（塩のカチオンが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールであり、前記カチオンが、４５０を超えない平均分子量を有し、および前記塩が、１０℃を超えないＴｇを有する。）；および
（ｉｉ）化粧品的に許容可能な担体
を含むパーソナルケア組成物。
【請求項２】
平均分子量が約４００を超えない、請求項１に記載の組成物。
【請求項３】
第四級アンモニウム塩が、組成物の１重量％から１２重量％の量において存在する、請求項１または請求項２に記載の組成物。
【請求項４】
リーブオンスキンローションおよびクリーム、シャンプー、ヘアコンディショナー、シャワーゲル、化粧石鹸、制汗剤、脱臭剤、歯科用製品、シェービングクリーム、脱毛剤、口紅、ファンデーション、マスカラ、サンレスタナーおよび日焼け止めローションからなる群から選択される、請求項１から３のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項５】
ポリオールが、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびイソプレングリコールからなる群から選択される、請求項１から４のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項６】
塩がヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトールの塩化物である、請求項１に記載の組成物。
【請求項７】
（ｉ）第四級アンモニウム塩０．１から３０重量％（塩のカチオンが、ヒドロキシプロピルトリ（Ｃ１〜Ｃ３アルキル）アンモニウム一置換ポリオールであり、前記カチオンが、４５０を超えない平均分子量を有し、および前記塩が、１０℃を超えないＴｇを有する。）；および
（ｉｉ）化粧品的に許容可能な担体
を含む組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を保湿する方法。
【請求項８】
塩がヒドロキシプロピルトリモニウムソルビトールの塩化物である、請求項７に記載の方法。
【請求項９】
平均分子量が約４００を超えない、請求項７に記載の方法。
【請求項１０】
ポリオールが、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびイソプレングリコールからなる群から選択される、請求項７に記載の方法。
【公表番号】特表２００８−５１７８８０（Ｐ２００８−５１７８８０Ａ）
【公表日】平成２０年５月２９日（２００８．５．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−５３７１２８（Ｐ２００７−５３７１２８）
【出願日】平成１７年８月４日（２００５．８．４）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００５／００８４９７
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０４５３６４
【国際公開日】平成１８年５月４日（２００６．５．４）
【出願人】（５９０００３０６５）ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２０年５月２９日（２００８．５．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年８月４日（２００５．８．４）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００５／００８４９７
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０４５３６４
【国際公開日】平成１８年５月４日（２００６．５．４）
【出願人】（５９０００３０６５）ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]