説明

ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール化合物

【課題】優れたIκBキナーゼ阻害作用、さらにはTNFα産生抑制作用を有し、NF−κBおよびTNFαが関与する疾患の予防または治療剤における有効成分として用いるための新規化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール化合物、それらを含む医薬組成物、および疾患の予防または治療におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール化合物、それらを含む医薬組成物、および疾患の予防または治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
IκBキナーゼ(本明細書中、IKKと略記することがある)は、IκBをリン酸化する分子量900キロダルトン以上のキナーゼ複合体である。該複合体にはキナーゼサブユニットであるIKK−α(IKK−1)、IKK−β(IKK−2)、制御サブユニットIKK−γ(NEMO)などが含まれる。IKKは、転写因子であるNF−κBのシグナル伝達系の一因子としても重要な寄与をしていることが知られている。NF−κBは、通常は阻害たんぱく質であるIκBと結合して不活性型として細胞質内に存在しているが、IKKがIκBをリン酸化すると、これが引き金となってIκBのユビキチン化が起こり、さらにはIκBの分解が進行する。IκBの分解にともなって遊離したNF−κBは、核内に移行して標的遺伝子の転写を活性化し、腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor:TNFα)やIL−1、IL−6などの炎症性サイトカイン;ICAM−1(Intercellular Adhesion Molecule-1)などの細胞接着因子;およびシクロオキシゲナーゼCOX2(Cyclooxygenase-2)、誘導型NO合成酵素(inducible nitric oxide synthase)などの酵素の産生を促進する。このように、NF−κBは、炎症や免疫応答に深く関わっている。IKKは、NF−κBのサブユニットやヒストンをリン酸化することによっても、NF−κBを活性化することが知られている。したがって、IKK阻害剤は、NF−κBの活性化を抑制し、腫瘍壊死因子(TNFα)やIL−1、IL−6などの炎症性サイトカイン;ICAM−1などの細胞接着因子;およびシクロオキシゲナーゼCOX2、誘導型NO合成酵素などの酵素の産生を抑制することにより、自己免疫疾患(例、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、クローン病、潰瘍性大腸炎)や炎症性疾患(例、変形性関節症、アテローム硬化症、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、エンドトキシンショック、敗血症、炎症性腸疾患)、虚血性疾患などの予防剤や治療剤として有用であると期待される。さらに、NF−κBは、癌細胞において、抗アポトーシス因子や増殖因子として働いているため、NF−κBの活性化を抑制するIKK阻害剤は、癌の予防剤や治療剤として有用であると期待される。
【0003】
また、IKK阻害剤は、免疫抑制剤としても有用であると期待される。
従来IκBキナーゼ阻害剤としてはチオフェン誘導体(特許文献1参照)、ピリジン誘導体(特許文献2参照)、尿素誘導体(特許文献3参照)等が報告されている。3環性化合物としてはナフトチオフェン誘導体(特許文献4,5参照)が報告されている。チオフェン環上の置換基としては、カルボキサミド基、ウレイド基の等価体に置換できることが報告されている(特許文献6〜10参照)。なお、特許文献11〜30にはチオフェン誘導体であるキナーゼ阻害剤が記載されているが、3環構造を有する化合物はない。
【0004】
【特許文献1】国際公開第 WO2003/37886号
【特許文献2】国際公開第 WO2002/44153号
【特許文献3】国際公開第 WO2001/58890号
【特許文献4】国際公開第 WO2003/086309号
【特許文献5】国際公開第 WO2004/009582号
【特許文献6】国際公開第 WO2003/029241号
【特許文献7】国際公開第WO2004/041285号
【特許文献8】国際公開第WO2005/105809号
【特許文献9】国際公開第WO2005/105808号
【特許文献10】国際公開第WO2005/035537号
【特許文献11】国際公開第WO2003/029242号
【特許文献12】国際公開第WO2003/010163号
【特許文献13】国際公開第WO2003/010158号
【特許文献14】国際公開第WO2004/063186号
【特許文献15】国際公開第WO2004/063185号
【特許文献16】国際公開第WO2005/016909号
【特許文献17】JP2005/503372号
【特許文献18】国際公開第WO2003/028731号
【特許文献19】国際公開第WO2004/053087号
【特許文献20】国際公開第WO2002/030353号
【特許文献21】US. 3963750号
【特許文献22】US. 2978482号
【特許文献23】国際公開第WO2003/104218号
【特許文献24】国際公開第WO2003/104219号
【特許文献25】国際公開第WO2003/103661号
【特許文献26】国際公開第WO2005/056562号
【特許文献27】国際公開第WO2005/012283号
【特許文献28】国際公開第WO2005/058315号
【特許文献29】国際公開第WO2005/100365号
【特許文献30】国際公開第WO2005/105777号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れたIκBキナーゼ阻害作用、さらにはTNFα産生抑制作用を有し、NF−κBおよびTNFαが関与する疾患の予防または治療剤における有効成分として用いるための新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、新規ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール化合物の合成に成功し、ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール化合物が優れたIκBキナーゼ阻害作用、さらには同等のIκBキナーゼ阻害剤と比べて強いTNF−α産生抑制作用、抗炎症作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]一般式(1)
【化1】

[式中、
- - - - -は、単結合または二重結合を表し、
は、シアノ基、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)NHC(=NH)R、−C(=O)NHC(=NH)NR、−C(=O)NHC(=O)R、−C(=O)NHC(=O)NR、−C(=S)NR、−SO−R、−S(=O)R、−SO、−SONR,−P(=O)(OR)OR、−NR、−NHC(=O)NR、−NHC(=O)R、−NHC(=S)NR、−NHC(=S)Rまたは−NHC(=NR)NRであり、
はRがシアノ基、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)NHC(=NH)R、−C(=O)NHC(=NH)NR、−C(=O)NHC(=O)R、−C(=O)NHC(=O)NR、−C(=S)NR、−SO−R、−S(=O)R、−SO、−SONRまたは−P(=O)(OR)ORのとき、−NR1718、−NHC(=O)NR1718、−NHC(=O)R、−NHC(=S)NR1718、−NHC(=S)R17または−NHC(=NR)NR1718であり、
また、RはRが−NR、−NHC(=O)NR、−NHC(=O)R、−NHC(=S)NR、−NHC(=S)Rまたは−NHC(=NR)NRのとき、シアノ基、−C(=O)R17、−CO17、−C(=O)NR1718、−C(=O)NHC(=NH)R17、−C(=O)NHC(=NH)NR1718、−C(=O)NHC(=O)R17、−C(=O)NHC(=O)NR1718、−C(=S)NR1718、−SO−R17、−S(=O)R17、−SO17、−SONR1718または−P(=O)(OR17)OR18であり、
また、チオフェン環とRおよびRは、一緒になって下図のような環を形成していてもよく、
【0008】
【化2】

、R、R17およびR18は同一または異なって、水素原子、フェニル基、複素環基またはC1−C8アルキル基であり、
は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、
は、水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基またはメタンスルホニル基であり、
V、WおよびZは、同一または異なって、窒素原子、または−CR=であり、
は水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基またはメチルスルホニル基であり、
−X- - -Y−は、−CR=CR−または−CR−CR’’R’’−であり、R、R、R’’およびR’’は、同一または異なって、水素原子または置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、
Raは、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、Rf、Rh、Rj、RlまたはRpであり、
Rfは水素原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基であり、
Rhは、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環C1−C6アルキル基であり、
Rpは、置換されていてもよい非芳香族複素環または置換されていてもよい非芳香族複素環C1−C6アルキル基であり、
Rjは置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよい芳香族複素環基であり、
Rlは−Zb−NR1314で表される置換されていてもよいアミノC2−C6アルキル基であり、Zbは炭素数2または3のアルキレン基であり、
Rbは、水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいフェニルオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、
13およびR14は、同一または異なって、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいフェニルスルホニル基である。]
で表される化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0009】
[2]
一般式(2)
【化3】

[式中、
- - - - -は、単結合または二重結合を表し、
10はシアノ基、−C(=O)NR、−C(=S)NR、−NR、−NHC(=O)NR、または−NHC(=O)Rであり、
11はR10がシアノ基、−C(=O)NRまたは−C(=S)NRのとき、−NR1718、−NHC(=O)NR1718または−NHC(=O)Rであり、R10が、−NR1718、−NHC(=O)NR1718または−NHC(=O)Rのとき、シアノ基、−C(=O)NR1718または−C(=S)NR1718であり、
、R、R17およびR18は同一または異なって、水素原子またはC1−C8アルキル基であり、
は置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、
Ra、Rb、XおよびYは、前記定義と同じである。]
で表される[1]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0010】
[3]
一般式(3)
【化4】

[式中Ra,Rb,XおよびYは前記定義と同じである。]
で表される[2]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0011】
[4]
一般式(4)
【化5】

[式中、
Rcは水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフリル基、置換されていてもよいチエニル基、置換されていてもよいイミダゾリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよいベンゾフラニル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニル基、または置換されていてもよいベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよいピロリジニル基、置換されていてもよいピロリニル基、置換されていてもよいイミダゾリニル基、置換されていてもよいイミダゾリジニル基、置換されていてもよいピラゾリジニル基、置換されていてもよいモルホリニル基、置換されていてもよいチオモルホリニル基、置換されていてもよいピラゾリニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、置換されていてもよいインドリニル基、置換されていてもよいイソインドリニル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリジルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリミジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリダジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[c]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチオモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピペリジルC1−C6アルキル、置換されていてもよいピペラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソインドリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいアミノC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、
Rdは水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフリル基、置換されていてもよいチエニル基、置換されていてもよいイミダゾリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよいベンゾフラニル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよいベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよいピロリジニル基、置換されていてもよいピロリニル基、置換されていてもよいイミダゾリニル基、置換されていてもよいイミダゾリジニル基、置換されていてもよいピラゾリジニル基、置換されていてもよいモルホリニル基、置換されていてもよいチオモルホリニル基、置換されていてもよいピラゾリニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、置換されていてもよいインドリニル基、置換されていてもよいイソインドリニル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、
置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリジルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフリル−C6アルキル基、置換されていてもよいチエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリミジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリダジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[c]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリジニル基C1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリニル基C1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチオモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピペリジル基C1−C6アルキル、置換されていてもよいピペラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソインドリニルC1−C6アルキル基、テトラヒドロピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよい(C2−C6)アルケニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基である]
で表される[3]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0012】
[5]
一般式(5)
【化6】

[式中、RcおよびRdは前記定義と同じである。]
で表される[4]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0013】
[6]
一般式(6)
【化7】

[式中、RcおよびRdは前記定義と同じである。]
で表される[4]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0014】
[7]
一般式(7)
【化8】

[式中、
Rf’は水素原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基であり、
置換されていてもよいC1−C8アルキル基の置換基は、ヒドロキシ基またはトリメチルシリル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[5]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0015】
[8]
一般式(8)
【化9】

[式中、
Rgは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基またはトリメチルシリルメチル基、2−メトキシエチル基、2−フェニルオキシエチル基、2−フェニルスルホニルエチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロブチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、1−ピロリジニルカルボニルメチル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイルメチル基、N−エチルカルバモイルメチル基、1−(N−ベンジルカルバモイル)−1−メチルエチル基または(1−エトキシカルボニル−1−メチル)エチル基であり、Rdは前記定義と同じである。]
で表される[7]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0016】
[9]
一般式(9)
【化10】

[式中、
Rh’は−Za−Arであり、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい2−フリル基、置換されていてもよい3−フリル基、置換されていてもよい2−チエニル基、置換されていてもよい3−チエニル基、置換されていてもよい1−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−イミダゾリル基、置換されていてもよい4−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−ピリジル基、置換されていてもよい3−ピリジル基、置換されていてもよい4−ピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよい2−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい3−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい6−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい7−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい1−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい2−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい3−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい5−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい6−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい7−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい1−ベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよい5−ベンゾ[c]チエニル基であり、
Zaは炭素数1〜3のアルキレン基であり、アルキレン基はハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいアミノ基で1〜4個置換されていてもよく、
Arの置換基が、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、ヒドロキシ基、トリメチルシリル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいフェニルオキシ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいアミノC2−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[5]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0017】
[10]
一般式(10)
【化11】

[式中、Riはベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2,3−ジフルオロベンジル基、2,4−ジフルオロベンジル基、2,5−ジフルオロベンジル基、2,6−ジフルオロベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、3,5−ジフルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,6−ジクロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−クロロ−4−フルオロベンジル基、2−クロロ−5−フルオロベンジル基、2−クロロ−6−フルオロベンジル基、4−クロロ−2−フルオロベンジル基、2−ヨードベンジル基、2−ブロモベンジル基、4−フルオロフェネチル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−ジメチルアミノベンジル基、3−ジメチルアミノベンジル基、4−ジメチルアミノベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、2−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、2−カルバモイルベンジル基、4−カルバモイルベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、3−(2−クロロ)ピリジルメチル基、3−(4−クロロ)ピリジルメチル基、2−メチルチアゾール−4−イルメチル基、5−メチルイソオキサゾール−3−イルメチル基、1−メチルイミダゾール−5−イルメチル基、1−ベンジルイミダゾール−2−イルメチル基または2−(ピラゾール−1−イル)エチル基であり、Rdは前記定義と同じである。]
で表される[9]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0018】
[11]
一般式(11)
【化12】

[式中、
Rj’は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい2−フリル基、置換されていてもよい3−フリル基、置換されていてもよい2−チエニル基、置換されていてもよい3−チエニル基、置換されていてもよい1−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−イミダゾリル基、置換されていてもよい4−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−ピリジル基、置換されていてもよい3−ピリジル基、置換されていてもよい4−ピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよい2−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい3−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい6−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい7−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい1−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい2−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい3−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい5−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい6−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい7−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい1−ベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[c]チエニル基または置換されていてもよい5−ベンゾ[c]チエニル基を表し、
置換基としては、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいフェニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいスルファモイル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[5]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0019】
[12]
一般式(12)
【化13】

[式中、
Rkは2−ブロモフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メチルフェニル、2,6−ジクロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2−エチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、2−カルボキシフェニル基、2−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニル基、2−ニトロフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、ピラジニル基、3−メチルピリジン−2−イル基、5−(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルピリジン−2−イル基、または1−メチル−4−ニトロイミダゾール−5−イル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[11]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0020】
[13]
一般式(13)
【化14】

[式中、
Rl’は−Zb−NR1314であり、
13およびR14は、同一または異なって、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいフェニルスルホニル基であり、
Zbは炭素数2または3のアルキレン基であり、アルキレン基はハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいアミノ基で1〜4個置換されていてもよく、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[5]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0021】
[14]
一般式(14)
【化15】

[式中、
Roは2−ジメチルアミノエチル基、2−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)エチル基、2−(N−メチル−N−フェニルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エチル基、2−[N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1,1−ジメチルエチル基、2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−エチルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル基、2−(N−ベンジル−N−n−プロピルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2,2−ジメチルエチル基、2−(N−ベンジル−N−イソプロピルアミノ)エチル基、2−[N−(4−クロロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−[N−メチル−N−(2−ピリジルメチル)アミノ]エチル基、2−(N−シクロヘキシルメチル−N−メチルアミノ)エチル基、2−[N−(4−フルオロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−(N−メチルベンゼンスルホンアミド)エチル基、2−(N−メチル−4−フルオロベンゼンスルホンアミド)エチル基、2−(N−メチル−N−フェネチルアミノ)エチル基、2−(N−n−ブチル−N−メチルアミノ)エチル基、2−[N−(2,4−ジフルオロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)エチル基、2−[N−(2−フルオロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−[N−メチル−N−(2−メチルベンジル)アミノ]エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)プロピル基、2−(N−メチルアミノ)エチル基、または2−[N−メチル−N−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イル)エチル]アミノ]エチル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[13]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0022】
[15]
一般式(15)
【化16】

[式中、
Rp’は式(15’)
【0023】
【化17】

[環Aは、置換されていてもよいピロリジニル基、置換されていてもよいピロリニル基、置換されていてもよいイミダゾリニル基、置換されていてもよいイミダゾリジニル基、置換されていてもよいピラゾリジニル基、置換されていてもよいモルホリニル基、置換されていてもよいチオモルホリニル基、置換されていてもよいピラゾリニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、置換されていてもよいイソインドリニル基または置換されていてもよいインドリニル基を表し、
15およびR16は、同一または異なって、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、オキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいフェニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいスルファモイル基を表し、
Zcは単結合または炭素数1ないし3のアルキレン基であり、アルキレン基はハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいアミノ基、で1〜4個置換されていてもよく、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[5]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0024】
[16]
一般式(16)
【化18】

[式中、Rqは、2−モルホリノエチル基、2−ピペリジノエチル基、3−ピペリジノプロピル基、2−(1−ピロリジニル)エチル基、4−テトラヒドロピラニルメチル基、2−(3−ピロリン−1−イル)エチル基、2−(1−インドリニル)エチル基、2−(2−イソインドリニル)エチル基、1−メチルピペリジン−4−イルメチル基、2−(4−メチルピペリジノ)エチル基、2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル基、2−(4−ジメチルアミノピペリジノ)エチル基、1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、1−ネオペンチル−2−ピロリジニルメチル基、(R)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、(S)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、1−(2−クロロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(4−クロロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−メチル−2−ピロリジニルメチル基、1−ベンジルピロリジン−3−イル基、1−イソプロピル−2−ピロリジニルメチル基、1−n−ブチル−2−ピロリジニルメチル基、1−(4−フルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(2−フルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−ベンジルピペリジン−4−イルメチル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−n−プロピルピペリジン−4−イル基、1−イソプロピルピペリジン−4−イル基、1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−(2−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−ベンジルピペリジン−4−イル基または1−ベンジルピペリジン−3−イル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される[15]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0025】
[17]
一般式(17)
【化19】

[式中、
Rrは、水素原子であり、
Rsは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシメチル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、2−メチル−1−プロペニル基、スチリル基、2−フリル基、3−フリル基、5−フェニル−2−フリル基、2,5−ジメチル−3−フリル基、2−メチル−3−フリル基、4,5−ジメチル−2−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2,5−ジクロロ−3−チエニル基、2,5−ジメチル−4−オキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、5−メチル−4−イソオキサゾリル基、5−フェニル−4−イソオキサゾリル基、5−メチル−3−イソオキサゾリル基、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル基、2−ベンゾフラニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、エトキシカルボニル基または2,5−ジクロロ−3−フリル基である]
で表される[2]記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0026】
[18]
【化20】






からなる群から選択される[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【0027】
[19]
[1]〜[18]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含む医薬組成物。
【0028】
[20]
IKK阻害剤である[19]記載の医薬組成物。
【0029】
[21]
抗炎症剤、潰瘍性大腸炎の予防および/または治療薬である、[20]記載の医薬組成物。
【0030】
[22]
有効成分が[1]〜[18]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩である炎症性疾患治療薬。
【0031】
[23]
炎症性疾患治療薬製造のための[1]〜[18]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0032】
[24]
[1]〜[18]のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする炎症性疾患の治療方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本明細書において、複素環基には、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む4〜10員、好ましくは4〜8員の非芳香族複素環基または芳香族複素環基が含まれる。これらには、さらにベンゼン環が縮合していてもよい。複素環基としては、具体的には、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、モルホリニル基(例えば、モルホリノ基)、チオモルホリニル基(例えば、チオモルホリノ基)、ピラゾリニル基、ピペリジル基(例えば、ピペリジノ基)、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、アゼチジニル基、アゼパニル基、アゾカニル基、などの非芳香族複素環基、ならびにフリル基(2−または3−フリル基)、チエニル基(2−または3−チエニル基)、イミダゾリル基(1−,2−または4−イミダゾリル基)、ピリジル基(2−,3−または4−ピリジル基)、ピラニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、キノリジニル基、キノリル基、ベンゾフラニル基(2−,3−,4−,5−,6−または7−ベンゾフラニル基)、イソベンゾフラニル基(1,4−または5−イソベンゾフラニル基)、ベンゾ[b]チエニル基(2−,3−,4−,5−,6−または7−ベンゾ[b]チエニル基)、およびベンゾ[c]チエニル基(1,4−または5−ベンゾ[c]チエニル基)などの芳香族複素環基(ヘテロアリール基)が挙げられる。
【0034】
置換フェニル基および置換複素環基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基、複素環基、置換複素環基、C1−C8アルキル基、置換C1−C8アルキル基、フェニルC1−C6アルキル基(例えば、ベンジル基)、置換フェニルC1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、置換C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、置換C2−C6アルキニル基、C1−C6アルコキシ基、置換C1−C6アルコキシ基、C3−C6シクロアルキル基、置換C3−C6シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、オキシ基、アミノ基、置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基)、C1−C6アルコキシカルボニル基、置換C1−C6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、フェニルオキシカルボニル基、置換フェニルオキシカルボニル基、C1−C6アルキルカルボニル基、置換C1−C6アルキルカルボニル基、カルバモイル基、置換カルバモイル基[例えば、N,N−ジメチルカルバモイル基、(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル基]、スルファモイル基、置換スルファモイル基、カルバモイルC1−C6アルキル基、置換カルバモイルC1−C6アルキル基、複素環C1−C6アルキル基、置換複素環C1−C6アルキル基、C3−C6シクロアルキルC1−C6アルキル基、置換C3−C6シクロアルキルC1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換C1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、アミノC2−C6アルキル基、置換アミノC2−C6アルキル基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基、フェニルオキシ基、置換フェニルオキシ基、フェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換フェニルスルホニルC2−C6アルキル基が挙げられる。
【0035】
置換フェニル基および置換複素環基として具体的には、2−ブロモフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、2−カルボキシフェニル基、2−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニル基、2−ニトロフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、3−メチルピリジン−2−イル基、5−(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルピリジン−2−イル基、1−メチル−4−ニトロイミダゾール−5−イル基、5−フェニル−2−フリル基、5−フェニル−4−イソオキサゾリル基、2,5−ジメチル−3−フリル基、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル基、5−メチル−3−イソオキサゾリル基、5−メチル−4−イソオキサゾリル基、2−メチル−3−フリル基、2,5−ジメチル−4−オキサゾリル基、4,5−ジメチル−2−フリル基、2,5−ジクロロ−3−フリル基、2,5−ジクロロ−3−チエニル基、1−ベンジルピロリジン−3−イル基、2−メチルチアゾール−4−イル基、1−ベンジル−2−ピロリジニル基、(R)−1−ベンジル−2−ピロリジニル基、(S)−1−ベンジル−2−ピロリジニル基、1−イソプロピル−2−ピロリジニル基、1−n−ブチル−2−ピロリジニル基、1−(4−フルオロベンジル)−2−ピロリジニル基、1−(2−フルオロベンジル)−2−ピロリジニル基、1−ベンジルピペリジン−4−イル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−n−プロピルピペリジン−4−イル基、1−イソプロピルピペリジン−4−イル基、1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−(2−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−ベンジルピペリジン−3−イル基などが挙げられる。
【0036】
本明細書においてC1−C8アルキル基およびC1−C6アルキル基は、単独でまたは他の基の一部として、それぞれ1〜8個および1〜6個、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素基を指す。具体的には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
【0037】
置換C1−C8アルキル基は、好ましくは1〜3個の置換基を有するC1−C8アルキル基を指す。C1−C8アルキル基の置換基としては、例えば、ニトロ基、アミノ基、カルバモイル基、シアノ基、ヒドロキシ基、トリメチルシリル基などが挙げられる。置換C1−C8アルキル基として具体的には、トリメチルシリルメチル基などが挙げられる。
【0038】
ハロゲノC1−C6アルキル基は、上述のアルキル基の1〜3個の水素原子がハロゲン原子で置換された直鎖または分岐のアルキル基を指す。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
【0039】
置換ハロゲノC1−C6アルキル基は、好ましくは1〜3個の置換基を有するハロゲノC1−C6アルキル基を指す。
【0040】
本明細書において、(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基とは、C3−C6シクロアルキル基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロブチルメチル基が挙げられる。
【0041】
置換(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有する(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基を指す。
【0042】
本明細書において、フェニルC1−C6アルキル基は、フェニル基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基が挙げられる。
【0043】
置換フェニルC1−C6アルキル基は、好ましくは1〜3個の置換基を有するフェニルC1−C6アルキル基を指す。フェニルC1−C6アルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基)、カルバモイル基、置換カルバモイル基、シアノ基、ヒドロキシ基、トリメチルシリル基、C1−C8アルキル基、置換C1−C8アルキル基、C3−C6シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、置換C1−C6アルコキシ基、フェニルオキシ基が挙げられる。置換フェニルC1−C6アルキル基として具体的には、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2,3−ジフルオロベンジル基、2,4−ジフルオロベンジル基、2,5−ジフルオロベンジル基、2,6−ジフルオロベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、3,5−ジフルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,6−ジクロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−クロロ−4−フルオロベンジル基、2−クロロ−5−フルオロベンジル基、2−クロロ−6−フルオロベンジル基、4−クロロ−2−フルオロベンジル基、2−ヨードベンジル基、2−ブロモベンジル基、4−フルオロフェネチル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−ジメチルアミノベンジル基、3−ジメチルアミノベンジル基、4−ジメチルアミノベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、2−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、2−カルバモイルベンジル基、4−カルバモイルベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基が挙げられる。
【0044】
複素環C1−C6アルキル基は、複素環で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、ピリジルC1−C6アルキル基、チアゾリルC1−C6アルキル基、イソオキサゾリルC1−C6アルキル基、イミダゾリルC1−C6アルキル基、ピラゾリルC1−C6アルキル基などの芳香族複素環C1−C6アルキル基、ならびにモルホリニルC1−C6アルキル基、ピペリジルC1−C6アルキル基、ピペラジニルC1−C6アルキル基、ピロリジニルC1−C6アルキル基、テトラヒドロピラニルC1−C6アルキル基、ピロリニルC1−C6アルキル基、インドリニルC1−C6アルキル基、イソインドリニルC1−C6アルキル基などの非芳香族複素環C1−C6アルキル基が挙げられる。具体的には、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−モルホリノエチル基、2−ピペリジノエチル基、3−ピペリジノプロピル基、2−(ピラゾール−1−イル)エチル基、2−(1−ピロリジニル)エチル基、4−テトラヒドロピラニルメチル基、2−(3−ピロリン−1−イル)エチル基、2−(1−インドリニル)エチル基、2−(2−イソインドリニル)エチル基が挙げられる。
【0045】
置換複素環C1−C6アルキル基は、好ましくは1〜3個の置換基を有する複素環C1−C6アルキル基を指し、置換ピリジルC1−C6アルキル基、置換チアゾリルC1−C6アルキル基、置換イソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換イミダゾリルC1−C6アルキル基、置換ピラゾリルC1−C6アルキル基などの置換芳香族複素環C1−C6アルキル基、ならびに置換モルホリニルC1−C6アルキル基、置換ピペリジルC1−C6アルキル基、置換ピペラジニルC1−C6アルキル基、置換ピロリジニルC1−C6アルキル基、置換テトラヒドロピラニルC1−C6アルキル基、置換ピロリニルC1−C6アルキル基、置換インドリニルC1−C6アルキル基、置換イソインドリニルC1−C6アルキル基などの置換非芳香族複素環C1−C6アルキル基が挙げられる。複素環C1−C6アルキル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基)、カルバモイル基、置換カルバモイル基、シアノ基、ヒドロキシ基、トリメチルシリル基、C1−C8アルキル基、置換C1−C8アルキル基、フェニルC1−C6アルキル基(例えば、ベンジル基)、C3−C6シクロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、置換C1−C6アルコキシ基、フェニルオキシ基、が挙げられる。具体的には、3−(2−クロロ)ピリジルメチル基、3−(4−クロロ)ピリジルメチル基、2−メチルチアゾール−4−イルメチル基、5−メチルイソオキサゾール−3−イルメチル基、1−メチルイミダゾール−5−イルメチル基、1−ベンジルイミダゾール−2−イルメチル基、1−メチルピペリジン−4−イルメチル基、2−(4−メチルピペリジノ)エチル基、2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル基、2−(4−ジメチルアミノピペリジノ)エチル基、1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、1−ネオペンチル−2−ピロリジニルメチル基、(R)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、(S)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、1−(2−クロロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(4−クロロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−メチル−2−ピロリジニルメチル基、1−イソプロピル−2−ピロリジニルメチル基、1−n−ブチル−2−ピロリジニルメチル基、1−(4−フルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(2−フルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−ベンジルピペリジン−4−イルメチル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)ピペリジン−4−イルメチル基、1−n−プロピルピペリジン−4−イルメチル基、1−イソプロピルピペリジン−4−イルメチル基、1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イルメチル基または1−(2−クロロベンジル)ピペリジン−4−イルメチル基が挙げられる。
【0046】
C1−C6アルコキシC1−C6アルキル基とは、C1−C6アルコキシ基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、が挙げられる。
【0047】
置換C1−C6アルコキシC1−C6アルキル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基を指す。
【0048】
フェニルオキシC1−C6アルキル基とは、フェニルオキシ基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、フェニルオキシメチル基、2−フェニルオキシエチル基が挙げられる。
【0049】
置換フェニルオキシC1−C6アルキル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するフェニルオキシC2−C6アルキル基を指す。
【0050】
フェニルスルホニルC2−C6アルキル基とは、フェニルスルホニル基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、2−フェニルスルホニルエチル基が挙げられる。
【0051】
置換フェニルスルホニルC2−C6アルキル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するフェニルスルホニルC2−C6アルキル基を指す。
【0052】
置換アミノC2−C6アルキル基とは、置換アミノ基で置換された2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、下記の構造が挙げられる。
【0053】
【化21】

【0054】
カルバモイルC1−C6アルキル基とは、カルバモイル基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、カルバモイルメチル基が挙げられる。
【0055】
置換カルバモイルC1−C6アルキル基とは、置換カルバモイル基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、具体的には、1−ピロリジニルカルボニルメチル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイルメチル基、N−エチルカルバモイルメチル基、1−(N−ベンジルカルバモイル)−1−メチルエチル基が挙げられる。
【0056】
本明細書において、C1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基とは、C1−C6アルコキシカルボニル基で置換された1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基を指し、置換C1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基を指す。具体的には、(1−エトキシカルボニル−1−メチル)エチル基等があげられる。
【0057】
本明細書において、C1−C6アルコキシ基は、単独でまたは他の基の一部として、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルコキシ基(換言すれば、C1−C6アルキルオキシ基)を指す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0058】
置換C1−C6アルコキシ基は、好ましくは1〜3個の置換基を有するC1−C6アルコキシ基を指す。置換C1−C6アルコキシ基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、保護アミノ基(例えば、Bocアミノ基)、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−C8アルキル基、C1−C6アルコキシ基、カルバモイル基、置換カルバモイル基、C1−C8アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、複素環基、置換複素環基などが挙げられる。具体的には、2−メトキシエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基が挙げられる。
【0059】
本明細書において、フェニルオキシ基(フェノキシ基)は、単独でまたは他の基の一部として、−O−フェニルで表され、置換フェニルオキシ基は、フェニルオキシ基におけるフェニル基が置換基を有するもの、好ましくは1〜3個の置換基を有するものを指す。置換基としては、上記の置換フェニル基の置換基、例えば、ハロゲン原子、C1−C6アルコキシ基などが挙げられる。
【0060】
本明細書において、置換アミノ基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基および置換スルホンアミド基としては、例えば、水素原子、複素環基、置換複素環基、C1−C8アルキル基、置換C1−C8アルキル基、フェニルC1−C6アルキル基、置換フェニルC1−C6アルキル基、複素環C1−C6アルキル基、置換複素環C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、置換C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、置換C2−C6アルキニル基、フェニル基、置換フェニル基、複素環基、置換複素環基、C1−C6アルキルカルボニル基、置換C1−C6アルキルカルボニル基、C1−C6アルコキシカルボニル基、フェニルスルホニル基、置換フェニルスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基を有していてもよいアミノ基、カルバモイル基、およびスルファモイル基が挙げられる。これらの置換基は隣接する窒素原子と一緒になって環(好ましくは、置換されていてもよい、5〜10員、好ましくは5員または6員の複素環基、例えば非芳香族複素環または芳香族複素環)を形成している場合も含まれる。
【0061】
置換アミノ基は具体的に下記の構造があげられる。
【化22】

【0062】
置換カルバモイル基は具体的に下記の構造があげられる。
【化23】

【0063】
置換スルホンアミド基は具体的に下記の構造があげられる。
【化24】

【0064】
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
本明細書において、C2−C6アルケニル基は、単独でまたは他の基の一部として、2〜6個、好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐の炭化水素基を指す。具体的には、例えばエテニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基などが挙げられる。
【0065】
置換C2−C6アルケニル基は、好ましくは1〜3個の置換基を有するC2−C6アルケニル基を指す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、カルバモイル基、C1−C8アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、複素環基、置換複素環基などが挙げられる。具体的には、2−メチル−1−プロペニル基、スチリル基が挙げられる。
【0066】
本明細書において、C2−C6アルキニル基は、単独でまたは他の基の一部として、2〜6個、好ましくは2〜3個の炭素原子を含み、少なくとも1個、好ましくは1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐の炭化水素基を指す。具体的には、例えばアセチレニル、1−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、1−ヘキシニル、アセチレニル−1−プロピニル−1−ブチニルなどが挙げられる。
【0067】
置換C2−C6アルキニルは、好ましくは1〜3個の置換基を有するC2−C6アルキニル基を指す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−C8アルキル基、C1−C6アルコキシ基、アセトアミド基、フェニル基、置換フェニル基、複素環基、置換複素環基などが挙げられる。
本明細書において、(C3−C6)シクロアルキル基は、3〜6員の飽和環式炭化水素基を指す。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0068】
置換(C3−C6)シクロアルキル基は、好ましくは1〜3個の置換基を有する(C3−C6)シクロアルキル基を指す。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、保護アミノ基(例えば、Bocアミノ基)、シアノ基、ヒドロキシ基、C1−C8アルキル基、C1−C6アルコキシ基、カルバモイル基、フェニル基、置換フェニル基、複素環基、置換複素環基などが挙げられる。
【0069】
本明細書においてC1−C6アルコキシカルボニル基としては、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基およびtert−ブトキシカルボニル基が挙げられる。
【0070】
置換C1−C6アルコキシカルボニル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するC1−C6アルコキシカルボニル基を指す。
【0071】
本明細書においてC1−C6アルキルカルボニル基としては、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基およびイソバレリル基が挙げられる。
【0072】
置換C1−C6アルキルカルボニル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するC1−C6アルキルカルボニル基を指す。
【0073】
本明細書においてアシロキシ基とは、炭素原子数1〜7の直鎖または分枝状のアシロキシ基を意味し、アシル部分は、環状であっても、芳香族基を含んでいてもよい。例えばアセトキシ基、プロピオニロキシ基、イソプロピオニロキシ基、シクロヘキシニロキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
【0074】
置換アシロキシ基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するアシロキシ基を指す。
本明細書において、フェニルスルホニル基は、単独でまたは他の基の一部として、−SO−フェニルで表され、具体的にはフェニルスルホニル基があげられる。
【0075】
置換フェニルスルホニル基とは、好ましくは1〜3個の置換基を有するフェニルスルホニル基を指す。具体的には、4−フルオロフェニルスルホニル基および2−ニトロフェニルスルホニル基等があげられる。
【0076】
一般式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)という)の薬学的に許容しうる塩は、化合物(1)の無毒性塩を意味する。このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
【0077】
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
【0078】
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
【0079】
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
【0080】
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
【0081】
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
【0082】
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0083】
さらに、化合物(1)は、無水物であっても、溶媒和物であってもよい。 化合物(1)の溶媒和物もまた本発明の化合物(1)に包含される。ここで溶媒は溶質(化合物(1)またはその塩)の生物活性を妨げるものでなければ特に制限されない。適当な溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が含まれる。好ましくは、溶媒は水である。
【0084】
化合物(1)の生理的に機能的な誘導体もまた、本発明の化合物(1)に包含される。生理的に機能的な誘導体は、哺乳動物に投与されると、化合物(1)またはその活性代謝産物を与える、化合物(1)の任意の薬学的に許容しうる誘導体、例えばエステルまたはアミドを意味する。そのような誘導体は、Burger‘s Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition,Vol.1:Principles and Practiceの教示を参照することにより、過度な実験を行わなくても当業者に明らかである。
【0085】
本発明化合物は、優れたIκBキナーゼ阻害作用を有し、哺乳動物(例えば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどのげっ歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜)における各種疾患の予防または治療するための医薬組成物(予防および/または治療剤)の有効成分として用いることができる。また、本発明化合物は、選択的なIκBキナーゼ阻害作用を有するため、毒性(例えば、急性毒性、慢性毒性、心毒性、癌原性、遺伝毒性)が低く、副作用も少ない。
【0086】
ここで、IκBキナーゼとしては、IKKα(IKK−1)、IKKβ(IKK−2)、制御サブユニットIKKγ(NEMO)などが挙げられる。
【0087】
また、本発明化合物は、NF−κB阻害(転写阻害)作用、TNF−α阻害(産生阻害)作用なども有する。
【0088】
本発明化合物は、IKKを阻害し、NF−κBの働きを阻害することから、NF−κBが関与する疾患の予防および/または治療剤において有効である。NF−κBが関与する疾患としては、例えば、糖尿病性合併症、肥満症、骨粗鬆症、悪液質(例えば、癌性悪液質、結核性悪液質、糖尿病性悪液質、血液疾患性悪液質、内分泌疾患性悪液質、感染症性悪液質または後天性免疫不全症候群による悪液質)、脂肪肝、高血圧、多嚢胞性卵巣症候群、腎臓疾患(例えば、糖尿病性ネフロパシー、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、末期腎臓疾患)、筋ジストロフィー、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害(例えば、脳梗塞、脳卒中)、インスリン抵抗性症候群、シンドロームX、メタボリックシンドローム(2型糖尿病、耐糖能異常あるいはインスリン抵抗性の内、少なくとも一つを有し、肥満、脂質代謝異常、高血圧あるいは微量アルブミン尿の内、少なくとも2つ以上を併せ持つ状態)、クッシング症候群、高インスリン血症、高インスリン血症における知覚障害、腫瘍(例えば、白血病、乳癌、前立腺癌、皮膚癌)、過敏性腸症候群、急性または慢性下痢、炎症性疾患(例えば、変形性脊椎炎、変形性関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、エンドトキシンショック、敗血症、腰痛、痛風、手術または外傷後の炎症、腫脹、神経痛、咽喉頭炎、膀胱炎、肝炎(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)、肺炎、膵炎、炎症性腸疾患、胃粘膜損傷(アスピリンにより引き起こされた胃粘膜損傷を含む))、自己免疫疾患(例えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、潰瘍性大腸炎、クローン病)、ウィルス性疾患(例えば、サイトメガロウィルス性肺炎、アデノウィルス性感冒、結膜炎、後天性免疫不全症候群、ぶどう膜炎)、血管内膜肥厚、多発性硬化症、アテローム硬化症、アルツハイマー症、網膜症等の異常血管増殖を伴った疾患、食欲不振、倦怠感、慢性疲労症候群、骨癌性疼痛等の代謝性骨疾患、移植前臓器保存時の臓器の劣化、内臓肥満症候群などの予防・治療剤としても用いることができる。また、本発明化合物は、免疫抑制剤としても用いられる。
【0089】
上記使用の場合、必要とされる用量は、勿論投与方式、処置される特定の病状および所望の効果により変化する。一般に、体重1kgにつき約0.03〜2.5mgの一日用量が好ましい。哺乳類、例えばヒトにおける指示一日用量は、約0.5mg〜約100mgの範囲であり、好的には一日4回以下の分割用量または遅延形態で投与される。経口投与に適切な単位用量形態は、約1〜50mgの有効成分を含む。
【0090】
本発明化合物は、任意の慣用的経路により、特に経腸的、たとえば経口的に、例えば錠剤またはカプセル形態で、または非経口的に、例えば注射可能溶液または懸濁液形態で、局所的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリーム形態で、または経鼻または坐薬形態で投与され得る。本発明化合物の遊離形態または医薬上許容される塩形態を少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、医薬上許容される担体または希釈剤と混合することによる慣用的方法で製造され得る。
【0091】
本発明化合物は、糖質コルチコイド剤、免疫抑制剤、抗菌剤、5ASA製剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。その組み合わせは、特に限定されず、(1)本発明化合物と糖質コルチコイド剤との組み合わせ、(2)本発明化合物と免疫抑制剤との組み合わせ、(3)本発明化合物と抗菌剤との組み合わせ、(4)本発明化合物と5ASA製剤との組み合わせなどが含まれる。
【0092】
この際、本発明化合物と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明化合物と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類の製剤として投与されてもよいし、両方の活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。
【0093】
併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0094】
上記(1)の組み合わせには、本発明化合物と特にプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、ベタメサゾン、およびシラザプリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の糖質コルチコイド剤との組み合わせが包含される。
【0095】
上記(2)の組み合わせには、本発明化合物と、特にシクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、メトトレキセート、ミゾリビンなどからなる群から選ばれる少なくとも1種の免疫抑制剤との組み合わせが包含される。
【0096】
上記(3)の組み合わせには、本発明化合物と、特にメトロニダゾール、シプロフロキサシン、テトラサイクリン、アモキシシリンなどからなる群から選ばれる少なくとも1種の抗菌剤との組み合わせが抱合される。
【0097】
また、上記(4)の組み合わせには、本発明化合物と、特にメサラジン、サラゾスルファピリジンなどからなる群から選ばれる少なくとも1種の5ASA製剤との組み合わせが抱合される。
【0098】
本発明化合物と併用薬剤とを組み合わせることにより、
(1)本発明化合物または併用薬剤を単独で投与する場合に比べて、本発明化合物および/または併用薬剤の投与量を低減することができる、
(2)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬剤を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(3)本発明化合物と併用薬剤とを併用することにより、相乗効果が得られる、などの優れた効果を得ることができる。
【0099】
以下、化合物(1)の製造法について説明する。
[製造法1−1]
化合物(13a)または化合物(13b)は、Scheme 1−1記載の方法で合成できる。
【0100】
【化25】

[スキーム中RaおよびRbは前記定義の通りである。]
化合物(10)は化合物(9)を溶媒中、塩基存在下にRbC(=O)R’で表されるカルボン酸誘導体を反応させることで、合成することができる。また、化合物(9)を溶媒中、塩基存在下にRbC(=O)R’で表されるカルボン酸誘導体と反応させたのち、化合物(10)を単離することなく、化合物(11)の合成に用いることもできる。ここでR’は、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアシロキシ基であり、具体的には、塩素原子、エトキシ基、エトキシカルボニル基、アセトキシ基が挙げられる。
【0101】
RbC(=O)R’の具体例としては、ギ酸メチルエステル、ギ酸エチルエステル、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、フェニルアセチルクロリド、ヒドロシンナモイルクロリド、イソブチリルクロリド、シクロプロパンカルボニルクロリド、ベンゾイルクロリド、2−フロイルクロリド、メトキシアセチルクロリド、エチルトリフルオロアセテート、2−チオフェンカルボニルクロリド、イソオキサゾール−5−カルボニルクロリド、3−フロイルクロリド、3−チオフェンカルボニルクロリド、3,3−ジメチルアクリロイルクロリド、5−フェニル−2−フロイルクロリド、5−フェニル−4−イソオキサゾールカルボニルクロリド、2,5−ジメチルフラン−3−カルボニルクロリド、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド、5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニルクロリド、シンナモイルクロリド、1−ベンゾフラン−2−カルボニルクロリド、ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニルクロリド、ジエチルオキサレート、5−メチルイソオキサゾール−4−カルボニルクロリド、1−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボニルクロリド、2,5−ジクロロチオフェン−3−カルボニルクロリド、2−メチル−3−フロイルクロリド、2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−カルボニルクロリド、4,5−ジメチル−2−フロイルクロリド等が挙げられる。
【0102】
溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、トルエン等があげられ、塩基の具体例としては水素化ナトリウム、ヘキサメチルジシラザンリチウム塩等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点である。
【0103】
化合物(11)は、化合物(10)を溶媒中、ヒドラジンまたはヒドラジン1水和物と反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としてはエタノール、メタノール等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点である。
【0104】
化合物(12)は化合物(11)を溶媒中、塩基存在下にアルキルハライド、アルキルハライド塩酸塩、アルキルメタンスルホネートまたはアルキルトシレート等と反応させることで合成することができる。
【0105】
アルキルハライドまたはアルキルハライド塩酸塩の具体例としては、ヨウ化メチル、n−プロピル ブロミド、2−(4−フルオロフェニル)エチル ブロミド、ベンジル ブロミド、4−フルオロベンジル ブロミド、3−(クロロメチル)ピリジン塩酸塩、4−(ブロモメチル)ピリジン ヒドロブロミド、4−ニトロベンジル ブロミド、2−フルオロベンジル ブロミド、2−クロロベンジル ブロミド、3−フルオロベンジル ブロミド、3−クロロベンジル ブロミド、4−クロロベンジル ブロミド、4−メチルベンジル ブロミド、4−tert−ブチルベンジル ブロミド、3−トリフルオロメチルベンジル ブロミド、4−トリフルオロメチルベンジル ブロミド、2,4−ジフルオロベンジル ブロミド、2,5−ジフルオロベンジル ブロミド、2,6−ジフルオロベンジルクロライド、3,4−ジフルオロベンジル ブロミド、3,5−ジフルオロベンジル ブロミド、2,3−ジフルオロベンジル ブロミド、2,6−ジクロロベンジル ブロミド、3,4−ジクロロベンジル ブロミド、α−ブロモ−o−トルニトリル、α−ブロモ−p−トルニトリル、4−クロロメチル−2−メチル−1,3−チアゾール、n−ブチル ブロミド、シクロペンチルメチル ブロミド、sec−ブチル ブロミド、トリメチルシリルメチル ブロミド、イソペンチル ブロミド、イソプロピル ブロミド、シクロペンチル ブロミド、1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル クロリド、(S)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル クロリド、(R)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル クロリド等が挙げられる。
【0106】
アルキルメタンスルホネートの具体例としては、1−ベンジル−2−ピロリジニルメチルメタンスルホネート、(S)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチルメタンスルホネート、(R)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチルメタンスルホネート、1−ベンジルピロリジン−3−イルメタンスルホネート等が挙げられる。
【0107】
溶媒の具体例としては、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられ、塩基の具体例としては炭酸セシウム、水素化ナトリウム等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から溶媒の沸点である。
【0108】
また、化合物(12)の両異性体はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離できる。
【0109】
化合物(13a)は化合物(12)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0110】
同様に、化合物(11)を溶媒中、酸存在下に反応させることで化合物(13b)を合成することができる。
【0111】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0112】
[製造法1−2]
化合物(13c)は、Scheme 1−2記載の方法で合成することができる。
【化26】

[スキーム中、Rbは前述の通りであり、Ra’は置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を表し、R’およびR’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基または置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基を表す]
【0113】
化合物(12b)は化合物(12a)を溶媒中、Pd−C存在下、水素雰囲気下で反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、酢酸エチル等があげられ、反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0114】
化合物(12c)は化合物(12b)を溶媒中、還元剤存在下アルデヒドと反応させることで合成することができる。
【0115】
溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン等があげられ、アルデヒドの具体例としてはホルムアルデヒドがあげられ、還元剤の具体例としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0116】
化合物(13c)は化合物(12c)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0117】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0118】
[製造法1−3]
化合物(13a)は、Scheme 1−3記載の方法で合成できる。
【化27】

[スキーム中、RaおよびRbは前述の通りである]
【0119】
化合物(12)は化合物(10)を溶媒中、ヒドラジン誘導体と反応させることで合成することができる。
【0120】
溶媒の具体例としては、メタノール等があげられ、ヒドラジン誘導体の具体例としては、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、エチル ヒドラジン、2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、4−フルオロフェニルヒドラジン、3,5−ジフルオロフェニルヒドラジン、2−ヒドラジノピリジン、メチルヒドラジン、(2−ヒドロキシ)エチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジンが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0121】
また、化合物(12)の両異性体はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離できる。
【0122】
化合物(13a)は化合物(12)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0123】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0124】
[製造法1−4]
化合物(13d)または化合物(13e)は、Scheme 1−4 記載の方法で合成できる。
【0125】
【化28】

[スキーム中、R’はトリアルキルシリル基であり、R’およびR’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、RaおよびRbは前述の通りである]
【0126】
化合物(14)は化合物(9)を溶媒中、塩基存在下アルキルハライドと反応させることで合成することができる。
溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがあげられ、塩基の具体例としては、ヘキサメチルジシラザンリチウム塩、ナトリウムアミドがあげられ、アルキルハライドの具体例としては、ヨウ化メチルが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0127】
化合物(15)は化合物(14)を溶媒中、塩基存在下トリアルキルシリルハライドと反応させることで合成することができる。
【0128】
溶媒の具体例としては、テトラヒドロフランがあげられ、塩基の具体例としては、ヘキサメチルジシラザンリチウム塩があげられ、トリアルキルシリルハライドの具体例としては、トリメチルシリルクロリドが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点である。
【0129】
化合物(10a)は化合物(15)を溶媒中、塩基存在下、RbC(=O)X’で表されるカルボン酸誘導体と反応させることで合成することができる。
【0130】
溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがあげられ、塩基の具体例としてはメチルリチウムがあげられ、RbC(=O)X’で表されるカルボン酸誘導体のX’は、ハロゲン原子であり、具体的には、塩素原子が挙げられる。
【0131】
RbC(=O)X’で表されるカルボン酸誘導体の具体例としてはアセチルクロリドが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点である。
【0132】
化合物(11a)は化合物(10a)を溶媒中、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物と反応させることで合成することができる。
【0133】
溶媒の具体例としてはエタノール、メタノール等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0134】
化合物(12d)は化合物(11a)を溶媒中、塩基存在下にアルキルハライドと反応させることで合成することができる。
【0135】
溶媒の具体例としては、アセトニトリル等があげられ、塩基の具体例としては炭酸セシウム等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0136】
化合物(13d)は化合物(12d)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。同様に、化合物(13e)は化合物(11a)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0137】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0138】
[製造法1−5]
化合物(13f)は、Scheme 1−5記載の方法で合成することができる。
【0139】
【化29】

[スキーム中、R’’およびR’’は水素原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニル基、または隣接する窒素原子と一緒になって環(好ましくは、置換されていてもよい、5〜10員、好ましくは5員または6員の複素環基、例えば非芳香族複素環または芳香族複素環を形成していてもよい)であり、PGは保護基を表し、Ra’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基、C1−C8アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、Rbは前述の通りである]
【0140】
化合物(12f)は、化合物(12e)を溶媒中、メシルクロリドと反応させることで合成することができる。
【0141】
化合物(12g)は、化合物(12f)を溶媒中、2級アミンと反応させることで合成することができる。
【0142】
2級アミンの具体例としては、ピロリジン、ピペリジン、3−ピロリン、N−ベンジル−N−メチルアミン、N−メチル−N−フェニルアミン、N−ベンジル−N−n−プロピルアミン、N−ベンジル−N−イソプロピルアミン、N−(4−クロロベンジル)−N−メチルアミン、N−メチル−N−(2−ピリジルメチル)アミン、N−シクロヘキシルメチル−N−メチルアミン、N−(4−フルオロベンジル)−N−メチルアミン、N−n−ブチル−N−メチルアミン、N−(2,4−ジフルオロベンジル)−N−メチルアミン、N−(2−フルオロベンジル)−N−メチルアミンが挙げられる。
【0143】
化合物(12h)は、化合物(12e)を溶媒中、光延条件で、アミンと反応させることで合成することができる。光延条件の具体例は、アゾジカルボン酸ジエチル、トリフェニルホスフィンがあげられ、溶媒の具体例はテトラヒドロフランがあげられる。アミンの具体例は、N−メチル−N−(2−ニトロフェニルスルホニル)アミン等があげられる。
【0144】
化合物(12i)は、化合物(12f)を溶媒中、1級アミンと反応させることで合成することができる。
【0145】
1級アミンの具体例としては、ベンジルアミン等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0146】
また、化合物(12i)は、化合物(12h)を溶媒中、脱保護することにより合成することができる。PGが2−ニトロフェニルスルホニル基のとき、チオフェノールおよび塩基存在下、反応させることにより合成することができる。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられ、塩基の具体例としては、炭酸カリウム等があげられる。
【0147】
化合物(12g)は、化合物(12i)を塩基存在下にアルキルハライド、アルキルハライド塩酸塩、フェニルスルホニル クロリドまたはアルキルメタンスルホネートと反応させることで合成することができる。
【0148】
アルキルハライドまたはアルキルハライド塩酸塩の具体例としては、1−ブロモプロパン等があげられ、溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられ、塩基の具体例としてはN,N−ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0149】
化合物(13f)は、化合物(12g)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0150】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0151】
[製造法1−6]
化合物(13g)または化合物(13h)はScheme 1−6記載の方法で合成することができる。
【0152】
【化30】

[スキーム中、Ra’、Rb、R’’およびR’’は前述の通りであり、R’’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基である]
【0153】
化合物(12j)は、化合物(12i)を溶媒中、塩基存在下に反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としてはメタノール、エタノール等があげられ、塩基の具体例としては0.1〜6mol/L水酸化ナトリウム、好ましくは1mol/L水酸化ナトリウム等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0154】
化合物(12k)は、化合物(12j)を溶媒中、縮合剤存在下、各種アミンと反応させることで合成することができる。アミンの具体例としては、ジメチルアミン、ベンジルアミン等が挙げられる。縮合剤の具体例としては、WSC(水溶性カルボジイミド)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン、またはオキサリル クロリド等があげられる。溶媒の具体例としてはN,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等があげられる。
【0155】
化合物(12l)は化合物(12j)を溶媒中、縮合剤存在下、各種アルコールと反応させることで合成することができる。アルコールの具体例としては、エタノール等が挙げられる。縮合剤の具体例としては、オキサリルクロリド等があげられる。溶媒の具体例としてはN,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0156】
化合物(13g)は、化合物(12k)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0157】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0158】
化合物(13h)は、化合物(12l)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0159】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0160】
[製造法1−7]
化合物(13−i)はScheme 1−7記載の方法で合成することができる。
【化31】

[スキーム中、R’’’は、置換されていてもよいC1−C8アルキル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、Ra’、Rb、R’’およびR’’は前述の通りである]
【0161】
化合物(12n)は、化合物(12j)を溶媒中、塩基存在下、R’’’C(=O)X’で表されるカルボン酸誘導体と反応させることにより合成することができる。R’’’C(=O)X’のX’は、ハロゲン原子であり、具体的には、塩素原子が挙げられる。R’’’C(=O)X’で表されるカルボン酸誘導体の具体例としては、イソブチル クロロカルボネート等があげられる。塩基の具体例としては、N−メチルモルホリン等があげられ、溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン等があげられる。
【0162】
化合物(12o)は、化合物(12n)を溶媒中、還元剤存在下に反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等があげられ、還元剤の具体例としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0163】
化合物(12p)は、化合物(12o)を溶媒中、酸化剤と反応させることで合成することができる。酸化剤の具体例としては、デス・マーチンペルヨージナンなどがあげられる。溶媒の具体例としてはジクロロメタン等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0164】
化合物(12q)は、化合物(12p)を溶媒中、還元剤存在下アミンと反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン等があげられ、アミンの具体例としてはN−メチルベンジルアミン等があげられ、還元剤の具体例としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0165】
化合物(13i)は、化合物(12q)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0166】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0167】
[製造法1−8]
化合物(13−j)はScheme 1−8記載の方法で合成することができる。
【化32】

[スキーム中、PGは保護基を表し、Ra’’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいアミノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基または置換されていてもよい複素環基であり、R15’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基または置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基であり、Rbは前述の通りである]
【0168】
化合物(12s)は、PGがベンジル基またはベンジルオキシカルボニル基のとき、化合物(12r)を溶媒中、Pd−C存在下、水素雰囲気下反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0169】
化合物(12s)は、PGが2−ニトロフェニルスルホニル基のとき、化合物(12r)を溶媒中、塩基存在下、チオフェノールと反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられ、塩基の具体例としては炭酸カリウム等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。
【0170】
化合物(12t)は、化合物(12s)を溶媒中、アルキルハライドと反応させることで合成することができる。
アルキルハライドの具体例としては、ヨードメタン等があげられる。
【0171】
化合物(13j)は、化合物(12t)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。
【0172】
溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0173】
[製造例1−9]
化合物(13−k)はScheme 1−9記載の方法で合成することができる。
【化33】

[スキーム中、R5’’’’は置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、Ra’およびRbは前述の通りである]
【0174】
化合物(12u)は、化合物(12e)を溶媒中、塩基存在下アルキルハライドと反応させることで、または光延条件でフェノールと反応させることで合成することができる。
溶媒の具体例はテトラヒドロフラン等があげられ、アルキルハライドの具体例としてはヨードメタン等があげられる。塩基の具体例としては水素化ナトリウム等があげられ、反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。光延条件の具体例は、アゾジカルボン酸ジエチルおよびトリフェニルホスフィンの組み合わせがあげられる。
【0175】
化合物(13k)は、化合物(12u)を溶媒中、酸存在下に反応させることで合成することができる。溶媒の具体例としてはアセトン等があげられ、酸の具体例としては0.1〜6mol/L塩酸、好ましくは1mol/L塩酸等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0176】
[製造法2−1]
化合物(18)、(19)、(19a)、(19b)、(22)、(23)、(23a)、(23b)は、Scheme 2−1記載の方法で合成できる。
【化34】

[スキーム中、Ra,Rb,RおよびRは前述の通りである]
【0177】
化合物(16)および化合物(20)は、化合物(13a)ないし(13k)[以下、化合物(13)]を溶媒中、マロノニトリル、硫黄、塩基と反応させることで合成することができる。
【0178】
溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、エタノール等が挙げられる。塩基の具体例としては、モルホリン、ジメチルアミン等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は10分〜24時間である。
【0179】
化合物(16)と化合物(20)は精製することによって分離することができる。
化合物(17)は化合物(16)を濃硫酸中、反応させることで合成することができる。同様に、化合物(21)は化合物(20)を濃硫酸中、反応させることで合成することができる。
【0180】
本反応は無溶媒で行うことができ、反応温度は室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜4日である。
【0181】
化合物(17)と化合物(21)は精製することによって分離することができる。
化合物(18)は化合物(17)を溶媒中、酸存在下、ナトリウム シアネートまたはカリウム シアネートと反応させることで合成することができる。
【0182】
同様に、化合物(22)は化合物(21)を溶媒中、酸存在下、ナトリウム シアネートまたはカリウム シアネートと反応させることで合成することができる。
【0183】
溶媒の具体例としては酢酸、水、トルエンなどがあげられ、酸の具体例としては、酢酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
【0184】
化合物(19a)は溶媒に酢酸を使用したときに化合物(18)とともに生成し、精製することによって化合物(18)と分離することができる。同様に、化合物(23a)は溶媒に酢酸を使用したときに化合物(22)とともに生成し、精製することによって化合物(22)と分離することができる。
【0185】
化合物(19b)はRおよびRが水素原子のとき、溶媒にトルエンを使用したときに化合物(18)とともに生成し、精製することによって化合物(18)と分離することができる。同様に、化合物(23b)は溶媒にトルエンを使用したときに化合物(22)とともに生成し、精製することによって化合物(22)と分離することができる。
化合物(18)と化合物(22)は精製することによって分離することができる。
【0186】
[製造法2−2]
化合物(18c)および化合物(22c)はScheme 2−2 記載の方法で合成することができる。
【化35】

[スキーム中、PGは保護基を表し、Ra’,Rb,R’’、R’’,RおよびRは前述の通りである]
【0187】
化合物(22b)は化合物(22a)を溶媒中、チオフェノールおよび塩基存在下、脱保護したのち、アルキルハライドと反応することにより合成することができる。
【0188】
溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられれ、塩基の具体例としては、炭酸カリウム等があげられる。
【0189】
アルキルハライドの具体例としては、(2−ブロモエチル)ベンゼン、2−メトキシベンジル クロリド、2−メチルベンジル クロリド、2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イル)エチル ブロミド等があげられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
【0190】
[製造法2−3]
化合物(18e)および化合物(22e)はScheme 2−3 記載の方法で合成することができる。
【化36】

[スキーム中、Ra’、Rb、R’’,RおよびRは前述の通りである]
【0191】
化合物(22e)および化合物(18e)は、化合物(22d)および化合物(18d)を溶媒中、塩基存在下に反応させることで合成することができる。
【0192】
溶媒の具体例としてはメタノール、エタノール等があげられ、塩基の具体例としては0.1〜6mol/L水酸化ナトリウム、好ましくは1mol/L水酸化ナトリウム等が挙げられる。反応温度は室温から溶媒の沸点である。
【0193】
[製造法3]
化合物(24)または化合物(25)はScheme 3 記載の方法で合成することができる。
【化37】

[スキーム中、Ra,Rb,RおよびRは前述の通りであり、R’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基または置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基である]
【0194】
化合物(24)は化合物(17)を溶媒中、R’COY’で表されるカルボン酸誘導体と反応させることにより合成することができる。同様に、化合物(25)は化合物(21)を溶媒中、カルボン酸誘導体と反応させることにより合成することができる。
【0195】
溶媒の具体例としてはピリジンがあげられ、R’COY’のY’は、ハロゲン原子、置換されていてもよいアシロキシ基であり、具体的には、塩素原子、アセトキシ基またはベンゾキシ基があげられ、R’COY’で表されるカルボン酸誘導体の具体例としてはベンゾイルクロリド、無水酢酸が挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
【0196】
[製造法4]化合物(26)〜(28)はScheme 4 記載の方法で合成することができる。
【化38】

[スキーム中、Rb,RおよびRは前述の通りであり、R’は置換されていてもよいC1−C8アルキル基または置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基である]
【0197】
化合物(26)は化合物(16’)または化合物(20’)を溶媒中、R7’COZ’で表されるカルボン酸誘導体と反応させることにより合成することができる。
【0198】
溶媒の具体例としてはピリジンがあげられ、R7’COZ’のZ’はハロゲン原子、置換されていてもよいアシロキシ基であり、具体的には、塩素原子、アセトキシ基が挙げられる。R7’COZ’で表されるカルボン酸誘導体の具体例としてはベンゾイルクロリド、無水酢酸があげられ、好ましくは化合物(16’)または化合物(20’)に対して2等量以上用いる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜3日間である。
【0199】
化合物(28)は化合物(26)を溶媒中、塩基存在下反応させることにより合成することができる。
【0200】
塩基の具体例としては、好ましくは1mol/L水酸化ナトリウムがあげられ、溶媒の具体例としては、メタノールが挙げられる。
【0201】
化合物(27)は化合物(16’)または化合物(20’)を溶媒中、R7’COZ’で表されるカルボン酸誘導体と反応させることにより合成することができる。
【0202】
溶媒の具体例としては酢酸エチルまたはテトラヒドロフランがあげられ、R7’COZ’のZはハロゲン原子、置換されていてもよいアシロキシ基であり、具体的には、塩素原子、アセトキシ基が挙げられる。
【0203】
7’COZ’で表されるカルボン酸誘導体の具体例としてはアセチルクロリドがあげられ、好ましくは化合物(16’)または化合物(20’)に対して1等量〜2等量用いる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
【0204】
[製造法5]
【化39】

[スキーム中、Ra’’’は置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基である]
【0205】
化合物(31)はHeterocycles,Vol.32,No.1,1991,41−72を参照して合成することができる。
【0206】
化合物(32)は化合物(31)を溶媒中、オキシ塩化リンおよびN,N−ジメチルホルムアミドと反応させることで合成することができる。
【0207】
溶媒の具体例としてはジクロロメタンが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
【0208】
化合物(33)は化合物(32)を溶媒中、塩基存在下、ヒドロキシルアミン1塩酸塩と反応させることで合成することができる。
【0209】
溶媒の具体例は、エタノールがあげられ、塩基の具体例としては、酢酸ナトリウムが挙げられる。反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
化合物(34)は化合物(33)を無水酢酸およびピリジン中で反応させることで合成することができる。
【0210】
反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。
【0211】
化合物(35)は化合物(34)を溶媒中、塩基存在下、2−メルカプトアセトアミドと反応させることで合成することができる。
【0212】
溶媒の具体例としては、エタノールがあげられ、塩基の具体例としては、ナトリウムメチラートが挙げられる。
【0213】
反応温度は−78℃から溶媒の沸点、好ましくは室温から溶媒の沸点である。反応時間は1時間〜24時間である。マイクロウエーブ反応装置を利用しても合成することができる。
【実施例】
【0214】
(製造例1)
(Z)−7−(ヒドロキシメチレン)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン (1−a)
【化40】

【0215】
メチルホルメート (4.6g) のテトラヒドロフラン (10 mL)、メタノール (50 mL) 混合溶液に、0℃で水素化ナトリウム 60% (1.84 g) を加えて30分攪拌した。これに、1,4−シクロヘキサンジオン モノエチレン ケタール (6.2 g) のテトラヒドロフラン (20 mL) 溶液を加え、室温で1時間、さらに1.5 時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮した後、10 % 水酸化ナトリウム水溶液を加え、ジイソプロピルエーテルで洗浄した。水層に1mol/L塩酸を加えてpH 4に調整し、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮したのち、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標題化合物を5.8 g得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ14.40 (brs, 1H), 8.52 (s, 1H), 4.00 (s, 4H), 2.00-3.00 (m, 4H), 1.87 (t, J = 6.9 Hz, 2 H).
【0216】
(製造例2)
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (2−a)
【化41】

【0217】
(Z)−7−(ヒドロキシメチレン)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(1−a) (5.8 g) の メタノール (30 mL) 溶液に、氷冷下ヒドラジン1水和物 (1.0 g) を加えて1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標題化合物を2.48 g得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30 (s, 1H), 4.04-4.01 (m, 4H), 2.87 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 2.79 (s, 2H), 1.99 (t, J = 6.6 Hz, 2 H).
【0218】
(製造例3)
1−メチル−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
2−メチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (3−a)
【化42】

【0219】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (2−a)(2.15 g) のN,N−ジメチルホルムアミド (5mL) 溶液に、0℃にて水素化ナトリウム 60% (570 mg) を加え、30 分 攪拌した。これにヨウ化メチル (2.02 g) を加え、室温にて12時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して、標題化合物を位置異性体混合物として3.2 g得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.04 (s, 1H), 4.02-3.97 (m, 4H), 3.79 (s, 3H), 2.76-2.71 (m, 4H), 2.00-1.93 (m, 2H).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.19 (s, 1H), 4.02-3.97 (m, 4H), 3.70 (s, 3H), 2.84 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.72 (s, 2H), 2.00-1.93 (m, 2H).
【0220】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール(2−a)およびヨウ化メチルの代わりに下記の原料を用いて、製造例3と同様に以下の化合物を合成した。
【0221】
【表1】


【0222】
(製造例4)
1−(4−フルオロベンジル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
2−(4−フルオロベンジル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
(4−a)
【0223】
【化43】

【0224】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (2−a) (760 mg) のアセトニトリル (5mL) 溶液に、4−フルオロベンジル ブロミド (1.2 g) および、炭酸セシウム(2.74 g) を加え、80℃で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウム乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにて精製して、標題化合物を位置異性体混合物として1.02 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.29 (s, 1H), 7.23-6.97 (m, 4H), 5.16 (s, 2H), 4.02 (s, 4H), 2.76 (s, 2H), 2.66 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 1.94 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.26 (s, 1H), 7.23-6.97 (m, 4H), 5.16 (s, 2H), 4.02 (s, 4H), 2.88 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.76 (s, 2H), 1.98 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
【0225】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールおよび4−フルオロベンジル ブロミドの代わりに下記の原料を用いて、製造例4と同様に以下の化合物を合成した。
【表2】












【0226】
(製造例5)
2−(4−アミノベンジル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
1−(4−アミノベンジル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
(5−a)
【化44】

【0227】
2−(4−ニトロベンジル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールおよび1−(4−ニトロベンジル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールの混合物(4−c) (1.33 g) のエタノール (15 mL)、酢酸エチル(5 mL)溶液に、10% Pd-C (120 mg) を加え、水素雰囲気下2時間撹拌した。Pd-C をセライトろ過で濾別したのち、濾液を減圧濃縮して、標題化合物を位置異性体混合物として1.21 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.30-6.90 (m, 3H), 6.65 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.04-3.98 (m, 4H), 2.88 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.74 (s, 2H), 1.97 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.30-6.90 (m, 3H), 6.62 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 5.08 (s, 2H), 4.05-3.98 (m, 4H), 2.74 (s, 2H), 2.67 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.92 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
【0228】
(製造例6)
2−(4−ジメチルアミノベンジル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
1−(4−ジメチルアミノベンジル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
(6−a)
【化45】

【0229】
2−(4−アミノベンジル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールおよび1−(4−アミノベンジル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールの混合物(5−a) (740 mg) のテトラヒドロフラン (6 mL) 溶液に、37% ホルムアルデヒド (0.9 mL) および、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム (1.57 g) を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて,酢酸エチルで抽出した。有機層を水,飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60(商品名)、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、標題化合物を位置異性体混合物として350 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.16 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 6.99 (s, 1H), 6.68 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 5.09 (s, 2H), 4.03-3.96 (m, 4H), 2.94 (s, 6H), 2.88 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.74 (s, 2H), 1.96 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.25 (s, 1H), 7.07 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 6.66 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 5.10 (s, 2H), 4.03-3.96 (m, 4H), 2.91 (s, 6H), 2.72 (s, 2H), 2.68 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 1.92 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
【0230】
(製造例7)
7−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン (7−a)
【化46】

【0231】
アルゴン雰囲気、氷冷下、1,4−シクロヘキサンジオン モノエチレンケタール (4.1 g) のテトラヒドロフラン (30 mL) 溶液に、ヘキサメチルジシラザンリチウム塩 1.08 mol/Lテトラヒドロフラン溶液 (26.3 mL) を加えた。15 分後、ヨウ化メチル (1.77 mL) のテトラヒドロフラン (5 mL) 溶液を加えて更に1時間撹拌した。 反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 2.87 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.07-4.01 (m, 4H), 2,77-2.61 (m, 2H), 2.37 (dq, J = 14.2 Hz, 2.4 Hz, 1H), 2.10-1.89 (m, 3H), 1.75 (t, J = 12.0 Hz, 1H).
【0232】
(製造例8)
9−メチル−8−トリメチルシラニルオキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン (8−a)
【化47】

【0233】
アルゴン雰囲気下、7−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(7−a) (1.16 g) のテトラヒドロフラン (15 mL) 溶液に、−78℃でヘキサメチルジシラザンリチウム塩 1.6 mol/Lテトラヒドロフラン溶液 (5.11 mL) を加えた。10 分後、トリメチルシリル クロリド (8.89 mg) 加えて更に2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ペンタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 1.39 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.67 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 4.01-3.92 (m, 4H), 2.50-2.34 (m, 2H), 2.22-2.14 (m, 1H), 1.93-1.86 (m, 1H), 1.60-1.52 (m, 1H), 1.06 (s, 3H), 0.19 (s, 9H).
【0234】
(製造例9)
(Z)−7−(1−ヒドロキシエチリデン)−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン (9−a)
【化48】

【0235】
アルゴン雰囲気下9−メチル−8−トリメチルシラニルオキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン(8−a) (202 mg) のテトラヒドロフラン (4 mL) 溶液に、−78℃でメチルリチウム 1.07 mol/L ジエチルエーテル 溶液(0.856 mL) を滴下した。10 分後、アセチル クロリド (88.9 mg)を加えた。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を54 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.08-3.98 (m, 4H), 2.80-2.73 (m, 1H), 2.66-2.48 (m, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.10-1.92 (m, 2H), 1.65 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 1.24 (d, J = 12.0 Hz, 3H).
【0236】
(製造例10)
3,7−ジメチル−6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (10−a)
【化49】

【0237】
(Z)−7−ヒドロキシエチリデン−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(9−a) (54.3 mg) のメタノール (2 mL) 溶液に、ヒドラジン1水和物 (0.5 mL) を加えた。反応液を70℃ で20 分 撹拌した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 38 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.20-8.00 (bs, 1H), 4.09- 3.97 (m, 4H), 3.13-3.04 (m, 1H), 2.66 (s, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.01 (dd, J = 12.2 Hz, 5.6 Hz, 1H), 1.67 (t, J = 12.2 Hz, 1H), 1.33 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
【0238】
(製造例11)
7,7−ジメチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン (11−a)
【化50】

【0239】
アルゴン雰囲気下、ナトリウムアミド (4.12 g) のテトラヒドロフラン(20 mL) 溶液に、室温にて1,4−シクロヘキサンジオン モノエチレンケタール (4 g) のテトラヒドロフラン (20 mL) 溶液を加え、30 分後、0℃にてヨウ化メチル (7.5 g) を加えて更に1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 1.02 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ4.00 (s, 4H), 2.58 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.00 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.89 (s, 2H), 1.17 (s, 6H).
【0240】
(製造例12)
9,9−ジメチル−8−トリメチルシラニルオキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン (12−a)
【化51】

【0241】
アルゴン雰囲気下7,7−ジメチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(11−a) (940 mg) のテトラヒドロフラン (10 mL) 溶液に、−78℃でヘキサメチルジシラザン リチウム塩 1.6 mol/Lテトラヒドロフラン溶液 (3.83 mL) を加え、10 分後、トリメチルシリル クロリド (665 mg) 加えて更に2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ペンタンで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 1.20 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.55 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 3.95 (s, 4H), 2.29 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 1.73 (s, 2H), 1.09 (s, 6H), 0.19 (s, 9H).
【0242】
(製造例13)
9,9−ジメチル−(Z)−7−(1−ヒドロキシエチリデン)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン (13−a)
【化52】

【0243】
アルゴン雰囲気下9,9−ジメチル−8−トリメチルシラニルオキシ−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン(12−a)(1.20 g) のテトラヒドロフラン (20 mL) 溶液に、−78℃でメチルリチウム 1.5 mol/Lジエチルエーテル溶液 (3.45 mL) を滴下し、10 分後、アセチル クロリド (0.336 mL) を加えた。反応終了後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を228 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ4.03-3.98 (m, 4H), 2.59 (s, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.05 (s, 1H), 1.79 (s, 2H), 1.28 (s, 6H).
【0244】
(製造例14)
3,7,7−トリメチル−6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (14−a)
【化53】

【0245】
7,7−ジメチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(13−a) (228 mg) のメタノール (4 mL) 溶液に、ヒドラジン1水和物 (1 mL) を加えた。反応液を70℃ で20 分 撹拌した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 38 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ9.68-8.11 (bs, 1H), 4.01 (s, 4H), 2.66 (s, 2H), 2.16 (s, 3H), 1.85 (s, 2H), 1.35 (s, 6H).
【0246】
(製造例15)
3−エチル−6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール (15−a)
【化54】

【0247】
1,4−シクロヘキサンジオン モノエチレン ケタール (800 mg) のトルエン (10 mL) 溶液に、氷冷下ヘキサメチルジシラザンリチウム塩 1.6 mol/L テトラヒドロフラン溶液 (3.4 mL) を加え、5 分後、プロピオニル クロリド (370 mg) のトルエン (3 mL) 溶液を加えて更に10 分 撹拌した。 反応液に酢酸 (3mL) を加えた後、テトラヒドロフラン (5 mL)、エタノール (5 mL) で希釈し、ヒドラジン1水和物 (3 mL) を加えた。反応液を80℃ で30 分撹拌した後、1mol/L水酸化ナトリウムを加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した,溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を 460 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ4.07-4.00 (m, 4H), 2.83 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 2.70 (s, 2H), 2.58 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.97 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.22 (t, J = 7.6 Hz, 3 H).
【0248】
プロピオニル クロリドの代わりに下記の原料を用いて、製造例15と同様に以下の化合物を合成した。
【0249】
【表3】






【0250】
(製造例16)
1−(2−ヒドロキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
2−(2−ヒドロキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
(16−a)
【化55】

【0251】
(Z)−7−(ヒドロキシメチレン)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(1−a) (21.6 g) のエタノール (400 mL) 溶液に、0℃で2−ヒドロキシエチルヒドラジン (10 g) を加えて室温で12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、残渣に飽和食塩水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標題化合物を位置異性体混合物として19.4 g得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.25 (s, 1H), 4.16-3.90 (m, 8H), 2.80-2.73 (m, 4H), 2.01-1.95 (m, 2H).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.14 (s, 1H), 4.16-4.11 (m, 2H), 4.02 (s, 4H), 3.97-3.90 (m, 2H), 2.85 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.77 (s, 2H), 1.98 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
【0252】
(製造例17)
1−(2−メチルスルホニルオキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
2−(2−メチルスルホニルオキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
(17−a)
【化56】

【0253】
1−(2−ヒドロキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールおよび2−(2−ヒドロキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールの混合物(16−a) (1.62 g) のジクロロメタン (75 mL) 溶液に、氷冷下、メタンスルホニル クロリド (0.62 mL) およびトリエチルアミン (1.51 mL) を加えたのち、室温で3 時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出したのち、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標題化合物を位置異性体混合物として1.91 g得た。
Major isomer: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.18 (s, 1H), 4.55 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.34 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.02 (s, 4H), 2.86 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.85 (s, 3H), 2.77 (s, 2H), 1.98 (t, J = 6.8 Hz, 2H).
Minor isomer: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.30 (s, 1H), 4.58 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.28 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.01 (s, 4H), 2.80 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.73 (s, 2H), 2.72 (s, 3H), 2.00 (t, J = 6.4 Hz, 2H).
【0254】
(製造例18)
1−[2−(1−ピロリジニル)エチル]−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
2−[2−(1−ピロリジニル)エチル]−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール
(18−a)
【化57】

【0255】
1−(2−メチルスルホニルオキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールおよび2−(2−メチルスルホニルオキシ)エチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールの混合物(17−a) (509 mg) のN,N−ジメチルホルムアミド (25 mL) 溶液に、ピロリジン (0.56 mL) およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン (0.76 mL) を加え、60℃で19時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標題化合物を位置異性体混合物として571 mg 得た。
Major isomer: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.16 (s, 1H), 4.16 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.05-4.01 (m, 4H), 2.90 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.91-2.85 (m, 2H), 2.77 (s, 2H), 2.60-2.48 (m, 4H), 1.98 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.83-1.71 (m, 4H).
Minor isomer: 1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.24 (s, 1H), 4.11 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 4.05-4.01 (m, 4H), 2.87 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.82-2.75 (m, 2H), 2.74 (s, 2H), 2.60-2.48 (m, 4H), 1.99 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.83-1.71 (m, 4H).
17−aおよびピロリジンの代わりに下記の原料を用いて、製造例18と同様に以下の化合物を合成した。
【0256】
【表4】



【0257】
(製造例19)
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン (19−a)
【化58】

【0258】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタール(2−a) (2.48 g) の アセトン (30 mL) 溶液に、1mol/L塩酸 (30 mL) を加えて 70 ℃ で1時間攪拌した。 反応液を減圧下濃縮し、炭酸ナトリウムで中和した後、飽和食塩水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して、標題化合物を1.75 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.39 (s, 1H), 3.47 (s, 2H), 3.10 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.72 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
【0259】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン エチレン アセタールの代わりに下記の原料を用いて、製造例19と同様に以下の化合物を合成した。
【0260】
【表5】






















【0261】
(製造例20)
1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オン
2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン (20−a)
【化59】

【0262】
(Z)−7−(ヒドロキシメチレン)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(1−a) (2.0 g) の メタノール (20 mL) 溶液に、0℃ で2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジン 70% 水溶液 (1.05 mL) を加えて室温で12時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残留物をアセトン (20 mL) に溶かし、1mol/L塩酸 (10 mL) を加えて 70 ℃ で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、炭酸ナトリウム を加えて中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水洗,無水硫酸ナトリウム乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60(商品名)、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて精製して、標題化合物を位置異性体混合物として1.6 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (s, 1H), 4.69-4.60 (m, 2H), 3.42 (s, 2H), 3.03 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.72 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.29 (s, 1H), 4.69-4.60 (m, 2H), 3.45 (s, 2H), 3.08 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.71 (t, J = 6.8 Hz, 2 H).
【0263】
1−aおよび2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジンの代わりに下記の原料を用いて、製造例20と同様に以下の化合物を合成した。
【0264】
【表6】


【0265】
(製造例21)
2−エチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン (21−a)
【化60】

【0266】
(Z)−7−(ヒドロキシメチレン)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(1−a) (1.5 g) の メタノール (15 mL) 溶液に、0℃でエチル ヒドラジン (535 mg) を加えて室温で12時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をアセトン (20 mL) に溶かし、1mol/L塩酸 (10 mL) を加えて 70℃で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、炭酸ナトリウムを加えて中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮したのち、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60(商品名)、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて精製して、標題化合物を 1.05 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.18 (s, 1H), 4.13 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.43 (s, 2H), 3.06 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.69 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 1.48 (t, J = 7.3 Hz, 3 H).
【0267】
1−aおよびエチル ヒドラジンの代わりに下記の原料を用いて、製造例21と同様に以下の化合物を合成した。
【0268】
【表7】

【0269】
(製造例22)
7−アミノ−2−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル (22−a)
【化61】

【0270】
2−(2−クロロベンジル)−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オンおよび1−(2−クロロベンジル)−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オンの2:1混合物(19−m) (3.03 g)、マロノニトリル (0.84 g)、硫黄 (0.41 g) のエタノール (30 mL)、テトラヒドロフラン (30 mL) 溶液に、モルホリン (1.11g) を加え、室温で12時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、エタノールを加え、析出した固体を濾取した。濾液を減圧下濃縮した後、再度固体を濾取した。濾取した固体は7−アミノ−2−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリルとして2.41 g 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.69 (s, 1H), 7.52-7.45 (m, 1H), 7.38-7.30 (m, 2H), 7.21 (s, 2H), 7.07-7.02 (m, 1H), 5.32 (s, 2H), 2.78 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.69 (t, J = 7.2 Hz, 2H).
19−mの代わりに下記の原料を用いて、製造例22と同様に以下の化合物を合成した。
【0271】
【表8】









【0272】
(製造例23)
7−アミノ−3−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル (23−a)
【化62】

【0273】
製造例22における、7−アミノ−2−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(22−a)を濾取したあとの濾液を、減圧下に濃縮し、7−アミノ−3−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリルを0.84 g得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.51-7.45 (m, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.38-7.23 (m, 2H), 7.16 (brs, 2H), 6.82 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.37 (s, 2H), 2.89 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 2.73 (t, J = 8.4 Hz, 2H).
【0274】
(製造例24)
7−アミノ−2−エチル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル (24−a)
【化63】

【0275】
2−エチル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オン(21−a) (1.05 g)、マロノニトリル (387 mg) および硫黄 (188 mg) のエタノール (15 mL) 懸濁液に、モルホリン (510 mg) を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウム乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60(商品名)、酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて精製して、標題化合物を 880 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.57 (s, 1H), 7.16 (brs, 2H), 4.01 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.90 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.71 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.34 (t, J = 7.3 Hz, 3 H).
【0276】
(製造例25)
7−アミノ−2−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (25−a)
【化64】

【0277】
7−アミノ−2−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(22−a) (155 mg) を濃硫酸 (2 mL)に溶かし、室温下14時間静置した。反応液を氷水に注ぎ、炭酸セシウムで中和し、酢酸エチル・エタノール混合液で抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して標題化合物を 161 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.62 (s, 1H), 7.51-7.45 (m, 1H), 7.38-7.29 (m, 2H), 7.05-6.98 (m, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.81-6.71 (bs, 2H), 5.32 (s, 2H), 2.92 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.73 (t, J = 7.5 Hz, 2H).
22−aの代わりに下記の原料を用いて、製造例25と同様に以下の化合物を合成した。
【0278】
【表9】









【0279】
(製造例26)
7−アミノ−2−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル
7−アミノ−3−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル
(26−a)
【化65】

【0280】
1−n−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−インダゾール−5(4H)−オンおよび2−n−プロピル−6,7−ジヒドロ−2H−インダゾール−5(4H)−オンの混合物(19−c) (660 mg)、マロノニトリル (243 mg) および硫黄 (118 mg) のエタノール (5 mL) 溶液に、モルホリン (321 mg) を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60(商品名)、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して、標題化合物を位置異性体混合物として525 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.56 (s, 1H), 7.17 (brs, 2H), 3.93 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.76 (t, J = 8.3 Hz, 2 H), 2.67 (t, J = 8.3 Hz, 2 H), 1.80-1.70 (m, 2 H), 0.82 (t, J = 7.3 Hz, 3 H).
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.29 (s, 1H), 7.10 (brs, 2H), 3.96 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.89 (t, J = 8.3 Hz, 2 H), 2.73 (t, J = 8.3 Hz, 2 H), 1.78-1.65 (m, 2 H), 0.81 (t, J = 7.3 Hz, 3 H).
【0281】
19−cの代わりに下記の原料を用いて、製造例26と同様に以下の化合物を合成した。
【表10】




【0282】
(製造例27)
7−アミノ−2−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド
7−アミノ−3−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド
(27−a)
【化66】

【0283】
7−アミノ−2−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリルおよび7−アミノ−3−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(26−a) (525 mg) に 濃硫酸 (3 mL) を加え、室温で 4 日間静置した。反応液を氷水に注ぎ、炭酸ナトリウムで中和した後、酢酸エチル・エタノール 混合溶液で抽出した。有機層を、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して、標題化合物を位置異性体混合物として552 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.50 (s, 0.5H), 7.26 (s, 0.5H), 6.82-6.70 (brm, 4H), 4.07-3.90 (m, 2H), 3.00-2.82 (m, 3H), 2.72 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 1.80-1.68 (m, 2H), 0.86-0.79 (m, 3H).
【0284】
26−aの代わりに下記の原料を用いて、製造例27と同様に以下の化合物を合成した。
【表11】



【0285】
(製造例28)
7−アミノ−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (28−a)
7−アミノ−2−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (28−b)
【化67】

【0286】
7−アミノ−3−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリルおよび7−アミノ−2−(1−ベンジルピロリジン−3−イル)−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(3:2混合物)(26−g) (777 mg) を濃硫酸 (4 mL) に溶かし、室温にて16時間静置した。反応液を氷水に注ぎ、炭酸ナトリウムで中和し、酢酸エチル・エタノール混合液で抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣にエタノールを加え析出した結晶を濾取して28−aを117 mg 得た。濾液を減圧濃縮して28−bを621 mg 得た。
28−b:1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.56 (s, 1H), 7.34-7.23 (m, 5H), 6.80 (bs, 4H), 4.80-4.74 (m, 1H), 4.36-4.34 (m, 2H), 2.93-2.86 (m, 3H), 2.75- 2.55(m, 5H), 2.33-2.04 (m, 2H).
28−a:1H-NMR (DMSO-d6) δ: 7.30-7.21 (m, 6H), 6.73 (bs, 4H), 4.94-4.82 (m, 1H), 3.67-3.59 (m, 2H), 2.99-2.58 (m, 8H), 2.28-2.13 (m, 2H).
【0287】
(実施例1)
7−アミノ−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル (1−1)
【化68】

【0288】
6,7−ジヒドロインダゾール−5(4H)−オン(19−a) (765 mg), マロノニトリル (369 mg) および硫黄 (179 mg) のエタノール (4 mL) 溶液に、モルホリン(485 mg) を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して標題化合物を440 mg得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.34 (brs, 1H), 7.56 (brs, 1H), 7.14 (brs, 2H), 2.85-2.74 (m, 2H), 2.71-2.61 (m, 2H).
【0289】
19−aの代わりに下記の原料を用いて、実施例1と同様に以下の化合物を合成した。
【表12】





【0290】
(実施例2)
7−アミノ−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (2−1)
【化69】

【0291】
7−アミノ−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(1−1) (440 mg) に 濃硫酸 (3 mL) を加え、室温で3日間静置した。反応液を氷水に注ぎ、炭酸ナトリウム で中和した後、クロロホルム・エタノール 混合液で抽出した。有機層を、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して、標題化合物を110 mg得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.26 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.12 (brs, 2H), 2.95-2.88 (m, 2H), 2.76-2.73 (m, 2H).
【0292】
1−1の代わりに下記の原料を用いて、実施例2と同様に以下の化合物を合成した。
【表13】

【0293】
(実施例3)
7−ウレイド−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (3−1)
【化70】

【0294】
7−アミノ−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(2−1) (110 mg) の酢酸 (3 mL) 溶液に、ナトリウム シアナート (61 mg) および水 (1.0 mL) を加え、室温で2時間攪拌した。 反応液に水を加え、析出した固体をろ取し、減圧下乾燥して、標題化合物を110 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ10.08 (s, 0.5H), 10.05 (s, 0.5H), 8.13 (s, 0.5H), 7.78 (s, 0.5H), 7.65 (brs, 2H), 6.82 (brs, 2H), 3.20-2.90 (m, 2H), 2.88-2.84 (m, 2H).
【0295】
2−1の代わりに下記の原料を用いて、実施例3と同様に以下の化合物を合成した。
【表14】









【0296】
(実施例4)
3−(2−クロロベンジル)−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (4−1)
【化71】

【0297】
7−アミノ−3−(2−クロロベンジル)−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(25−b) (0.20 g) のトルエン (10 mL) 溶液に、カリウム シアナート (0.18 g) およびトリフルオロ酢酸 (0.13 mL) を加え、70℃にて2時間攪拌した。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得た (40 mg)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ10.00 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.49 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.36-7.25 (m, 2H), 7.20-7.00 (brs, 2H), 6.83 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.77 (brs, 2H), 5.40 (s, 2H), 2.98 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.88 (t, J = 7.6 Hz, 2H).
【0298】
25−bの代わりに下記の原料を用いて、実施例4と同様に以下の化合物を合成した。
【表15】
















【0299】
(実施例5)
2−n−プロピル−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (5−1)
3−n−プロピル−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(5−2)
【化72】

【0300】
7−アミノ−2−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミドおよび7−アミノ−3−n−プロピル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(27−a) (550 mg) の酢酸 (3 mL) 溶液に、ナトリウム シアネート (260 mg) および水 (1.0 mL) を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、析出した固体をろ取、乾燥した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Chromatorex(登録商標)NH、酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=10:1)にて精製して、標題化合物 5−1を低極性の画分から70 mg、5−2を高極性の画分から 80 mg 得た。
5−1 : 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ10.01 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 6.74 (brs, 2H), 3.96 (t, J = 7.0 Hz, 2 H), 2.93 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.74 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.80-1.70 (m, 2 H), 0.84 (t, J = 7.3 Hz, 3 H).
5−2 : 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ9.99 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 6.74 (brs, 2H), 4.01 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.98 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.88 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.78-1.70 (m, 2 H), 0.83 (t, J = 7.3 Hz, 3 H).
【0301】
27−aの代わりに下記の原料を用い、精製条件は下記のいずれかを用いて、実施例5と同様に以下の化合物を合成した。
精製条件5−A−1:ChromatorexNH,酢酸エチル
精製条件5−A−2:ChromatorexNH,酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=10:1
精製条件5−A−3:ChromatorexNH,酢酸エチル:メタノール=10:1
精製条件5−A−4:ChromatorexNH,酢酸エチル:エタノール=1:0→50:1
精製条件5−A−5:ChromatorexNH,酢酸エチル:エタノール=1:0→20:1
精製条件5−A−6:ChromatorexNH,クロロホルム:メタノール=1:0→10:1
精製条件5−A−7:ChromatorexNH,クロロホルム:メタノール=30:1
精製条件5−B−1:Merckシリカゲル60,クロロホルム:メタノール=20:1
精製条件5−C−1:関東化学シリカゲル60N,酢酸エチル
精製条件5−C−2:関東化学シリカゲル60N、酢酸エチル:メタノール=10:1
精製条件5−C−3:関東化学シリカゲル60N、酢酸エチル:メタノール=5:1
【0302】
【表16】









【0303】
(実施例6)
2−イソプロピル−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (6−1)
【化73】

【0304】
7−アミノ−2−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミドおよび7−アミノ−3−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミドの混合物(27−f) (980 mg) のトルエン (30 mL) 溶液に、カリウム シアネート (1.15 g) およびトリフルオロ酢酸 (0.8 mL) を加え、70℃で4時間攪拌した。反応液に水を加え、テトラヒドロフランで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を乾燥、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Chromatorex(登録商標)NH,酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=50:1)にて精製し、標題化合物を低極性の画分から 250 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ10.02 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.50-6.95 (br, 2H), 6.76 (brs, 2H), 4.39 (septet, J = 6.8 Hz, 1H), 2.94 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.39 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
【0305】
27−fの代わりに下記の原料を用い、精製条件は下記のいずれかを用いて、実施例6と同様に以下の化合物を合成した。
精製条件6−A−1:ChromatorexNH,酢酸エチル
精製条件6−A−2:ChromatorexNH,酢酸エチル:メタノール=20:1
精製条件6−A−3:ChromatorexNH,酢酸エチル:メタノール=10:1
精製条件6−B−1:Merckシリカゲル60,酢酸エチル:メタノール=10:1
精製条件6−B−2:Merckシリカゲル60,酢酸エチル:メタノール=5:1
精製条件6−B−3:Merckシリカゲル60,酢酸エチル:メタノール=2:1
精製条件6−C−1:関東化学シリカゲル60N,酢酸エチル
【0306】
【表17】




【0307】
(実施例7)
3−アセチル−7−アミノ−1−メチル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル
2−アセチル−7−アミノ−1−メチル−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル
(7−1)
【化74】

【0308】
7−アミノ−1−メチル−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(1−2)(180 mg) の酢酸エチル (5 mL)、テトラヒドロフラン (5 mL) 溶液に、トリエチルアミン (118 mg) およびアセチルクロリド (74 mg) を加え、室温で 30 分 攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、析出した固体を濾取して標題化合物を 90 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ7.34 (brs, 2H), 3.29 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 2.78 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 2.57 (s, 3H), 2.26 (s, 3H).
【0309】
(実施例8)
N−[6−シアノ−1−(3−チエニル)−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−7−イル]アセトアミド (8−1)
【化75】

【0310】
7−アミノ−1−(3−チエニル)−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(1−15) (140 mg) のN,N−ジメチルホルムアミド (2 mL) 溶液に、ピリジン (2 mL) および無水酢酸 (2 mL) を加えて室温で12時間撹拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮した。残渣をメタノール (5 mL) に溶かし、1mol/L水酸化ナトリウム (1.0 mL) を加えて10 分撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、1mol/L塩酸を加え、酢酸エチル・テトラヒドロフラン混合液で抽出した。有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標題化合物を95 mg得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.80 (brs, 1H), 11.66 (brs, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.80-7.76 (m, 1H), 7.42-7.39 (m, 1H), 2.88-2.84 (m, 4H), 2.18 (s, 3H).
【0311】
(実施例9)
N−[6−シアノ−1−メチル−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−7−イル]アセトアミド (9−1)
【化76】

【0312】
7−アミノ−1−メチル−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(1−2) (370 mg) のピリジン (5 mL) 溶液に、無水酢酸 (5 mL) を加え、室温で3日間撹拌した。反応液に1mol/L塩酸を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して7−アセトアミド−3−アセチル−1−メチル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリルを 110 mg 得た。
【0313】
7−アセトアミド−3−アセチル−1−メチル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル (110 mg) のメタノール (5 mL) 溶液に1mol/L水酸化ナトリウム を加えて10分撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチル・テトラヒドロフラン混合液で抽出した。有機層を、水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して標題化合物を 75 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.31 (brs, 1H), 11.75-11.50 (br, 1H), 2.85-2.76 (brm, 4H), 2.31 (s, 3H), 2.20 (s, 3H).
【0314】
(実施例10)
7−アセトアミド−1−メチル−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (10−1)
【化77】

【0315】
N−[6−シアノ−1−メチル−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−7−イル]アセトアミド(9−1) (255 mg) に 濃硫酸 (1.5 mL) を加え、17時間放置した。反応液を氷水に注ぎ、炭酸ナトリウムで中和した後、酢酸エチル・エタノール混合液で抽出した。有機層を、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、析出した固体を濾取した。固体をN,N−ジメチルホルムアミド (3mL) に溶かし、ピリジン (3 mL) および無水酢酸 (3 mL) を加えて1時間撹拌した。反応液に水を加え、析出する結晶をろ取した。濾取した固体をメタノール (5 mL) に溶解させ、1mol/L水酸化ナトリウム (0.5 mL) を加えて10分撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥して標題化合物を150 mg得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.20 (brs, 1H), 10.97 (brs, 1H), 2.93 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.77-2.69 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.15 (s, 3H).
【0316】
(実施例11)
N−[6−シアノ−1−メチル−4,5−ジヒドロチエノ[2,3−e]インダゾール−7−イル]ベンズアミド (11−1)
【化78】

【0317】
3−アセチル−7−アミノ−1−メチル−4,5−ジヒドロ−3H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボニトリル(7−1) (140 mg) の (3 mL) 溶液にベンゾイル クロリド (145 mg) を加えて1時間撹拌した。反応液に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチル・エタノール混合液で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,水および飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル・ヘキサンを加え、析出した固体をメタノール (5 mL) に溶かし、1mol/L水酸化ナトリウム (0.5 mL) を加えて10分撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、1mol/L塩酸を加え、酢酸エチル・テトラヒドロフラン混合液で抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して標題化合物を165 mg得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.34 (brs, 1H), 11.88 (brs, 1H), 7.99-7.92 (m, 2H), 7.69-7.54 (m, 3H), 2.89-2.83 (m, 4H), 2.35 (s, 3H).
【0318】
(実施例12)
2−(2−ピペリジノエチル)−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド ヒドロクロリド(12−1)
【化79】

【0319】
2−(2−ピペリジノエチル)−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(4−3)をメタノール (2 mL) およびクロロホルム (5 mL) 混合溶液に溶解させ、これを氷冷し、4mol/L塩化水素ジオキサン溶液 (58 μL) を加えたのち、室温で1 時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた固体を濾取し、ジイソプロピルエーテルおよびヘキサンで順次洗浄し、標題化合物を87.2 mg得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.02 (s, 1H), 9.64 (brs, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.41 (brs, 1H), 7.10 (brs, 1H), 6.78 (brs, 2H), 4.47 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.65-3.30 (m, 4H), 2.96 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.94-2.85 (m, 2H), 2.77 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.86-1.75 (m, 2H), 1.75-1.60 (m, 3H), 1.44-1.29 (m, 1H).
【0320】
4−3の代わりに下記の原料を用いて、実施例12と同様に以下の化合物を合成した。
【表18】



【0321】
(実施例13)
2−[2−(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)エチル]−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (13−1)
【化80】

【0322】
7−アミノ−2−[2−(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)エチル]−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド (1.50 g) のトルエン (50 mL) 溶液に,カリウム シアナート (1.03 g) およびトリフルオロ酢酸 (0.70 mL) を加え,60℃にて12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し,得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ChromatorexNH, テトラヒドロフラン→酢酸エチル:メタノール=10:1)にて精製し,標題化合物を位置異性体混合物として得た (0.93 g)。このものに酢酸エチル(35 mL)を加え,5分間加熱還流した後,室温下で30分間攪拌した。析出した結晶を濾取し,標題化合物を412 mg得た。
H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.02 (s, 1H), 7.96-7.90 (m, 2H), 7.86-7.77 (m, 2H), 7.65 (s, 1H), 7.42 (br, 1H), 7.10 (br, 1H), 6.78 (brs, 2H), 4.24 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.62 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.93 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.72 (t, J = 7.6 Hz, 2H).
【0323】
(実施例14)
2−[2−(N−メチルアミノ)エチル]−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(14−1)
【化81】

【0324】
2−[2−(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)エチル]−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(13−1)(310 mg) のN,N−ジメチルホルムアミド (1 mL) 溶液に,炭酸カリウム (124 mg) およびチオフェノール (80 mL) を加え,50℃にて1時間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加え,酢酸エチル:メタノール=5:1で抽出した。有機層を減圧濃縮し,得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ChromatorexNH,酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=10:1→酢酸エチル:メタノール=5:1)にて精製し,標題化合物を27 mg得た。
H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.02 (brs, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.39 (br, 1H), 7.09 (br, 1H), 6.77 (brs, 2H), 4.12 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.96-2.92 (m, 4H), 2.75 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H).
【0325】
(実施例15)
2−[2−(N−メチル−N−フェネチルアミノ)エチル]−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(15−1)
【化82】

【0326】
2−[2−(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)エチル]−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(13−1)(96 mg) のN,N−ジメチルホルムアミド (0.5 mL) 溶液に,炭酸カリウム (75 mg) およびチオフェノール (8 mL) を加え,50℃にて1時間攪拌した。反応液に(2−ブロモエチル)ベンゼン (49 mg) を加え,50℃にて1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (2 mL) を加え,酢酸エチル:メタノール=5:1で抽出した.有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し,減圧濃縮し,得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60,クロロホルム→クロロホルム:メタノール:アンモニア水=10:1:0.1)にて精製し,標題化合物を25 mg得た。
H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 10.02 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.26-7.14 (m, 5H), 6.76 (brs, 2H), 4.08 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.93 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.78-2.71 (m, 4H), 2.69-2.65 (m, 2H), 2.59-2.54 (m, 2H), 2.26 (s, 3H).
【0327】
(2−ブロモエチル)ベンゼンの代わりに下記の原料を用いて、実施例15と同様に以下の化合物を合成した。
【表19】


【0328】
(製造例16)
2−(2−カルボキシフェニル)−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(16−1)
【化83】

【0329】
2−(2−エトキシカルボニルフェニル)−7−ウレイド−4,5−ジヒドロ−2H−チエノ[2,3−e]インダゾール−6−カルボキサミド(6−2) のメタノール (5 mL) 溶液に,1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液 (3 mL) を加えて,70 ℃ で3 時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後,1N HCl水溶液を加え(pH 3),酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合液で抽出した。有機層を飽和食塩水洗,無水硫酸ナトリウム乾燥,ろ過後,減圧濃縮して,標題化合物を 70 mg 得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) d 11.97 (s, 1H), 11.15 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.73-7.43 (m, 4H), 3.21 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 8.0 Hz, 2H).
【0330】
試験例1 IKK-β阻害活性の測定
0.2μM biotin標識IkB-peptide ( Bio-GLKKERLLDRHDSGLDSMKD-OH)溶液をAvidine コートした96穴ウェルプレートに100μLずつ添加し、25℃で60分間静置して固層化した。ブランクとなるウェルには、Phosphate Buffered Saline(以下PBSと表す)のみを100μL添加した。300 μLのPBS-0.05%Tween20(商品名)(以下PBS-Tと表す)で3回洗浄した後、200 μLの3% BSA溶液含有PBSを各ウェルに添加し、25℃にて600rpmで1時間、振盪した。再度、300 μLのPBS-Tで3回洗浄した。次いで、ヒト型IKK-β(upstate社)含有キナーゼアッセイ緩衝液 (25 mM Tris (pH 7.4)、2 mM ジチオスレイトール (以下DTTと表す)、0.01 % Tween-20(商品名))を90 μLずつ各ウェルに添加した(IKK-β最終濃度150 ng/well)。ブランクのウェルと0% IKK活性のウェルには、キナーゼアッセイ緩衝液のみを90 μL添加した。ここに、各濃度の1% DMSOに溶解した試験化合物溶液5 μLを添加した。100% IKK活性のwellには、5 μLの1% DMSOを添加した。各試料の添加後、25℃、600 rpmで10分間振盪した。10分間の前処理後、60 μM ATP/200 mM MgCl2溶液 5 μLを各ウェルに添加し、リン酸化反応を開始した(最終濃度3mM ATP、10mM MgCl2)。25℃において60分間600 rpmで振盪して反応を行った。反応終了後は、直ちに300 μLのPBS-Tで3回洗浄して反応を終了させた。2000倍希釈したanti phospho-IκB antibody溶液(cell signaling 社)、100 μLを全てのウェルに添加し、4℃で一晩 300rpmで振盪した。300 μLのPBS-Tで4回洗浄し、7000倍希釈したanti mouse IgG-HRP antibody溶液(GEヘルスケア バイオサイエンス社)を100 μLずつ各ウェルに添加した。その後、25℃で1時間 600rpmで振盪した。300μLのPBS-Tで4回洗浄後、100 μLのTMB試薬(BioFX社)を各ウェルに添加し、25℃で10分間 600 rpmで振盪した。ここに100 μLの1N HClを添加して発色を停止させ、450 nmにおいて吸光度を測定した。全ての測定値から、0% IKK活性の吸光度値(IKK未添加 ウェルの吸光度値)をバック値として差し引いた。100%のIKK活性値は、溶媒である1%DMSOを添加したウェルの吸光度値とした。各試験物質の活性は、以下の式によって阻害活性を求めることで評価した。
【0331】
【数1】

【0332】
IKK-β阻害活性IC50値の算出は、下記のように行った。DMSO処理した培養上清の吸光度値を100% IKK阻害活性として、試験化合物の各濃度におけるIKK-β阻害活性を求めた。50%産生率を示す挟む2点間の濃度から、1次直線を求め、IC50値を算出した。
y-y1=(y2-y1)/(Log(x2)-Log(x1))*(Log(x)-Log(x1))
y1:50%以下の抑制率を示した時の抑制率 x1:その時の濃度
y2:50%以上の抑制率を示した時の抑制率 x2:その時の濃度
【0333】
試験例2 TNF-α阻害活性の測定
10% 非働化牛胎児血清、およびペニシリン(100単位/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)(インビトロジェン)を含むRPMI1640培地(シグマ社)で希釈したTHP-1細胞(ATCC)198μLを96穴ウェルプレートへ2x105cells/wellとなるように播種した。各96ウェルプレートに試験化合物を2μL添加し、37℃で、1時間、炭酸ガスインキュベーター中で培養した後、LPS(シグマ社)を最終濃度1μg/mLとなるように添加した。得られる混合物を37℃で、6時間、炭酸ガスインキュベーター中で培養した後、3000rpmで3分間遠心分離した。得られる上清中のTNF-α濃度をELISA法を用いて測定した。
【0334】
DMSO処理した培養上清のTNF-α濃度をTNF-α産生率100%(抑制率0%)として、試験化合物の各濃度におけるTNF-α抑制率を求めた。濃度依存的なTNF-α産生抑制作用が認められた場合は、50%抑制率を示す挟む2点間の濃度から、1次直線を求め、IC50値を算出した。
y-y1=(y2-y1)/(Log(x2)-Log(x1))*(Log(x)-Log(x1))
y1:50%以下の抑制率を示した時の抑制率 x1:その時の濃度
y2:50%以上の抑制率を示した時の抑制率 x2:その時の濃度
【0335】
試験例3 in vivo 血中TNFα阻害活性の測定
6-7週齢の雌DBA/2マウスにLPS投与60分前に、試験化合物を経口投与した。60分後、LPS、1μgを腹腔内投与した。LPS 投与90分後に尾静脈から採血(50-100μL)した。採った血液を6000rpmで5分間遠心し、得られた上清中のTNF-α濃度をELISAキット(バイオソース社)を用いて測定した。溶媒投与群から得られたTNF-α濃度をTNF-α産生率100%(抑制率0%)として、試験化合物群の各用量におけるTNF-α抑制率を求めた。
【0336】
試験例4 ラットDSS誘発大腸炎モデルにおける大腸障害面積抑制効果の測定
7-8週齢の雄SDラットに3% DSS溶液を10-11日間、飲水させた。その後7日間水を飲水させた後に群分けし、再び3% DSS溶液の飲水に切り替えて7日間飼育した。群分けは媒体投与群と試験化合物投与群とした。試験化合物の投与は、2度目の3% DSS溶液の飲水の開始日から行い、1日1回7日間連続投与した。投与終了の翌日に各投与群の大腸を摘出し、ホルマリン固定した。その後大腸組織をアルシアンブルーにより染色して、大腸障害面積を測定した。媒体投与群の大腸障害面積を大腸障害面積率100%(抑制率0%)として、試験化合物群の大腸障害面積抑制率を求めた。
【0337】
ファルマシア社(特願2004−009582)実施例8の化合物:
2−ウレイド−4,5−ジヒドロナフト[1,2−b]チオフェン−3−カルボキサミド
【化84】

を対照化合物として,実施例記載化合物との薬理活性を比較した.
【0338】
【表20】


【0339】
【表21】


対照化合物よりもIKK-β阻害活性およびTNF-α産生抑制が強い化合物が見いだされた。
【0340】
【表22】

本化合物群は、生体内でも強いTNF-α産生抑制が認められた。
【0341】
【表23】

【0342】
本化合物群は、既存薬サラゾスルファピリジンよりも低用量で大腸障害面積を有意に抑制した。
【0343】
製剤例1(カプセルの製造)
1)実施例1の化合物 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
【0344】
製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例1の化合物 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの
4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例1の化合物
30mgを含有する錠剤1000錠を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、
- - - - -は、単結合または二重結合を表し、
は、シアノ基、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)NHC(=NH)R、−C(=O)NHC(=NH)NR、−C(=O)NHC(=O)R、−C(=O)NHC(=O)NR、−C(=S)NR、−SO−R、−S(=O)R、−SO、−SONR,−P(=O)(OR)OR、−NR、−NHC(=O)NR、−NHC(=O)R、−NHC(=S)NR、−NHC(=S)Rまたは−NHC(=NR)NRであり、
はRがシアノ基、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)NHC(=NH)R、−C(=O)NHC(=NH)NR、−C(=O)NHC(=O)R、−C(=O)NHC(=O)NR、−C(=S)NR、−SO−R、−S(=O)R、−SO、−SONRまたは−P(=O)(OR)ORのとき、−NR1718、−NHC(=O)NR1718、−NHC(=O)R、−NHC(=S)NR1718、−NHC(=S)R17または−NHC(=NR)NR1718であり、
また、RはRが−NR、−NHC(=O)NR、−NHC(=O)R、−NHC(=S)NR、−NHC(=S)Rまたは−NHC(=NR)NRのとき、シアノ基、−C(=O)R17、−CO17、−C(=O)NR1718、−C(=O)NHC(=NH)R17、−C(=O)NHC(=NH)NR1718、−C(=O)NHC(=O)R17、−C(=O)NHC(=O)NR1718、−C(=S)NR1718、−SO−R17、−S(=O)R17、−SO17、−SONR1718または−P(=O)(OR17)OR18であり、
また、チオフェン環とRおよびRは、一緒になって下図のような環を形成していてもよく、
【化2】

、R、R17およびR18は同一または異なって、水素原子、フェニル基、複素環基またはC1−C8アルキル基であり、
は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、
は、水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基またはメタンスルホニル基であり、
V、WおよびZは、同一または異なって、窒素原子、または−CR=であり、
は水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基またはメチルスルホニル基であり、
−X- - -Y−は、−CR=CR−または−CR−CR’’R’’−であり、R、R、R’’およびR’’は、同一または異なって、水素原子または置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、
Raは、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、Rf、Rh、Rj、RlまたはRpであり、
Rfは水素原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基であり、
Rhは、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環C1−C6アルキル基であり、
Rpは、置換されていてもよい非芳香族複素環または置換されていてもよい非芳香族複素環C1−C6アルキル基であり、
Rjは置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよい芳香族複素環基であり、
Rlは−Zb−NR1314で表される置換されていてもよいアミノC2−C6アルキル基であり、Zbは炭素数2または3のアルキレン基であり、
Rbは、水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいフェニルオキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、
13およびR14は、同一または異なって、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいフェニルスルホニル基である。]
で表される化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
一般式(2)
【化3】

[式中、
- - - - -は、単結合または二重結合を表し、
10はシアノ基、−C(=O)NR、−C(=S)NR、−NR、−NHC(=O)NR、または−NHC(=O)Rであり、
11はR10がシアノ基、−C(=O)NRまたは−C(=S)NRのとき、−NR1718、−NHC(=O)NR1718または−NHC(=O)Rであり、R10が、−NR1718、−NHC(=O)NR1718または−NHC(=O)Rのとき、シアノ基、−C(=O)NR1718または−C(=S)NR1718であり、
、R、R17およびR18は同一または異なって、水素原子またはC1−C8アルキル基であり、
は置換されていてもよいC1−C8アルキル基であり、
Ra、Rb、XおよびYは、前記定義と同じである。]
で表される請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
一般式(3)
【化4】

[式中Ra,Rb,XおよびYは前記定義と同じである。]
で表される請求項2記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項4】
一般式(4)
【化5】

[式中、
Rcは水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフリル基、置換されていてもよいチエニル基、置換されていてもよいイミダゾリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよいベンゾフラニル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニル基、または置換されていてもよいベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよいピロリジニル基、置換されていてもよいピロリニル基、置換されていてもよいイミダゾリニル基、置換されていてもよいイミダゾリジニル基、置換されていてもよいピラゾリジニル基、置換されていてもよいモルホリニル基、置換されていてもよいチオモルホリニル基、置換されていてもよいピラゾリニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、置換されていてもよいインドリニル基、置換されていてもよいイソインドリニル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリジルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリミジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリダジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[c]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチオモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピペリジルC1−C6アルキル、置換されていてもよいピペラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソインドリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいアミノC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、
Rdは水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフリル基、置換されていてもよいチエニル基、置換されていてもよいイミダゾリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよいベンゾフラニル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよいベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよいピロリジニル基、置換されていてもよいピロリニル基、置換されていてもよいイミダゾリニル基、置換されていてもよいイミダゾリジニル基、置換されていてもよいピラゾリジニル基、置換されていてもよいモルホリニル基、置換されていてもよいチオモルホリニル基、置換されていてもよいピラゾリニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、置換されていてもよいインドリニル基、置換されていてもよいイソインドリニル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、
置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリジルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフリル−C6アルキル基、置換されていてもよいチエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソチアゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソオキサゾリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリミジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピリダジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいキノリルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソベンゾフラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいベンゾ[c]チエニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリジニル基C1−C6アルキル基、置換されていてもよいピロリニル基C1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイミダゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいチオモルホリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピラゾリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいピペリジル基C1−C6アルキル、置換されていてもよいピペラジニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいインドリニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいイソインドリニルC1−C6アルキル基、テトラヒドロピラニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよい(C2−C6)アルケニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基である]
で表される請求項3記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項5】
一般式(5)
【化6】

[式中、RcおよびRdは前記定義と同じである。]
で表される請求項4記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項6】
一般式(6)
【化7】

[式中、RcおよびRdは前記定義と同じである。]
で表される請求項4記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項7】
一般式(7)
【化8】

[式中、
Rf’は水素原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいハロゲノC1−C6アルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルオキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニルC1−C6アルキル基、または置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基であり、
置換されていてもよいC1−C8アルキル基の置換基は、ヒドロキシ基またはトリメチルシリル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項8】
一般式(8)
【化9】

[式中、
Rgは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基またはトリメチルシリルメチル基、2−メトキシエチル基、2−フェニルオキシエチル基、2−フェニルスルホニルエチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロブチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、1−ピロリジニルカルボニルメチル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイルメチル基、N−エチルカルバモイルメチル基、1−(N−ベンジルカルバモイル)−1−メチルエチル基または(1−エトキシカルボニル−1−メチル)エチル基であり、Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項7記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項9】
一般式(9)
【化10】

[式中、
Rh’は−Za−Arであり、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい2−フリル基、置換されていてもよい3−フリル基、置換されていてもよい2−チエニル基、置換されていてもよい3−チエニル基、置換されていてもよい1−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−イミダゾリル基、置換されていてもよい4−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−ピリジル基、置換されていてもよい3−ピリジル基、置換されていてもよい4−ピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよい2−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい3−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい6−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい7−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい1−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい2−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい3−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい5−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい6−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい7−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい1−ベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよい5−ベンゾ[c]チエニル基であり、
Zaは炭素数1〜3のアルキレン基であり、アルキレン基はハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいアミノ基で1〜4個置換されていてもよく、
Arの置換基が、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、ヒドロキシ基、トリメチルシリル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいフェニルオキシ基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいアミノC2−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニルスルホニルC2−C6アルキル基、置換されていてもよいカルバモイルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項10】
一般式(10)
【化11】

[式中、Riはベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2,3−ジフルオロベンジル基、2,4−ジフルオロベンジル基、2,5−ジフルオロベンジル基、2,6−ジフルオロベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、3,5−ジフルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,6−ジクロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−クロロ−4−フルオロベンジル基、2−クロロ−5−フルオロベンジル基、2−クロロ−6−フルオロベンジル基、4−クロロ−2−フルオロベンジル基、2−ヨードベンジル基、2−ブロモベンジル基、4−フルオロフェネチル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−ジメチルアミノベンジル基、3−ジメチルアミノベンジル基、4−ジメチルアミノベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、2−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、2−カルバモイルベンジル基、4−カルバモイルベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、3−(2−クロロ)ピリジルメチル基、3−(4−クロロ)ピリジルメチル基、2−メチルチアゾール−4−イルメチル基、5−メチルイソオキサゾール−3−イルメチル基、1−メチルイミダゾール−5−イルメチル基、1−ベンジルイミダゾール−2−イルメチル基または2−(ピラゾール−1−イル)エチル基であり、Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項9記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項11】
一般式(11)
【化12】

[式中、
Rj’は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい2−フリル基、置換されていてもよい3−フリル基、置換されていてもよい2−チエニル基、置換されていてもよい3−チエニル基、置換されていてもよい1−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−イミダゾリル基、置換されていてもよい4−イミダゾリル基、置換されていてもよい2−ピリジル基、置換されていてもよい3−ピリジル基、置換されていてもよい4−ピリジル基、置換されていてもよいピラニル基、置換されていてもよいピロリル基、置換されていてもよいピラゾリル基、置換されていてもよいチアゾリル基、置換されていてもよいイソチアゾリル基、置換されていてもよいオキサゾリル基、置換されていてもよいイソオキサゾリル基、置換されていてもよいピラジニル基、置換されていてもよいピリミジニル基、置換されていてもよいピリダジニル基、置換されていてもよいインドリル基、置換されていてもよいキノリジニル基、置換されていてもよいキノリル基、置換されていてもよい2−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい3−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい6−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい7−ベンゾフラニル基、置換されていてもよい1−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい4−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい5−イソベンゾフラニル基、置換されていてもよい2−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい3−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい5−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい6−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい7−ベンゾ[b]チエニル基、置換されていてもよい1−ベンゾ[c]チエニル基、置換されていてもよい4−ベンゾ[c]チエニル基または置換されていてもよい5−ベンゾ[c]チエニル基を表し、
置換基としては、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいフェニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいスルファモイル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項12】
一般式(12)
【化13】

[式中、
Rkは2−ブロモフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メチルフェニル、2,6−ジクロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2−エチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、2−エトキシカルボニルフェニル基、2−カルボキシフェニル基、2−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニル基、2−ニトロフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、ピラジニル基、3−メチルピリジン−2−イル基、5−(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニルピリジン−2−イル基、または1−メチル−4−ニトロイミダゾール−5−イル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項11記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項13】
一般式(13)
【化14】

[式中、
Rl’は−Zb−NR1314であり、
13およびR14は、同一または異なって、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3−C6シクロアルキル)C1−C6アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、水素原子、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい複素環C1−C6アルキル基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基または置換されていてもよいフェニルスルホニル基であり、
Zbは炭素数2または3のアルキレン基であり、アルキレン基はハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいアミノ基で1〜4個置換されていてもよく、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項14】
一般式(14)
【化15】

[式中、
Roは2−ジメチルアミノエチル基、2−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)エチル基、2−(N−メチル−N−フェニルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エチル基、2−[N−(2−メトキシエチル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1,1−ジメチルエチル基、2−(N,N−ジベンジルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−エチルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2−メチルプロピル基、2−(N−ベンジル−N−n−プロピルアミノ)エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−2,2−ジメチルエチル基、2−(N−ベンジル−N−イソプロピルアミノ)エチル基、2−[N−(4−クロロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−[N−メチル−N−(2−ピリジルメチル)アミノ]エチル基、2−(N−シクロヘキシルメチル−N−メチルアミノ)エチル基、2−[N−(4−フルオロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−(N−メチルベンゼンスルホンアミド)エチル基、2−(N−メチル−4−フルオロベンゼンスルホンアミド)エチル基、2−(N−メチル−N−フェネチルアミノ)エチル基、2−(N−n−ブチル−N−メチルアミノ)エチル基、2−[N−(2,4−ジフルオロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−(N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド)エチル基、2−[N−(2−フルオロベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチルアミノ]エチル基、2−[N−メチル−N−(2−メチルベンジル)アミノ]エチル基、2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)プロピル基、2−(N−メチルアミノ)エチル基、または2−[N−メチル−N−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イル)エチル]アミノ]エチル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項13記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項15】
一般式(15)
【化16】

[式中、
Rp’は式(15’)
【化17】

[環Aは、置換されていてもよいピロリジニル基、置換されていてもよいピロリニル基、置換されていてもよいイミダゾリニル基、置換されていてもよいイミダゾリジニル基、置換されていてもよいピラゾリジニル基、置換されていてもよいモルホリニル基、置換されていてもよいチオモルホリニル基、置換されていてもよいピラゾリニル基、置換されていてもよいピペリジル基、置換されていてもよいピペラジニル基、置換されていてもよいテトラヒドロピラニル基、置換されていてもよいイソインドリニル基または置換されていてもよいインドリニル基を表し、
15およびR16は、同一または異なって、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいフェニルC1−C6アルキル基、ハロゲン原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、オキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換されていてもよいフェニルオキシカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいスルファモイル基を表し、
Zcは単結合または炭素数1ないし3のアルキレン基であり、アルキレン基はハロゲン原子、置換されていてもよいC1−C8アルキル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−C6アルキルカルボニル基、置換されていてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよいアミノ基、で1〜4個置換されていてもよく、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項5記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項16】
一般式(16)
【化18】

[式中、Rqは、2−モルホリノエチル基、2−ピペリジノエチル基、3−ピペリジノプロピル基、2−(1−ピロリジニル)エチル基、4−テトラヒドロピラニルメチル基、2−(3−ピロリン−1−イル)エチル基、2−(1−インドリニル)エチル基、2−(2−イソインドリニル)エチル基、1−メチルピペリジン−4−イルメチル基、2−(4−メチルピペリジノ)エチル基、2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル基、2−(4−ジメチルアミノピペリジノ)エチル基、1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、1−ネオペンチル−2−ピロリジニルメチル基、(R)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、(S)−1−ベンジル−2−ピロリジニルメチル基、1−(2−クロロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(4−クロロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−メチル−2−ピロリジニルメチル基、1−ベンジルピロリジン−3−イル基、1−イソプロピル−2−ピロリジニルメチル基、1−n−ブチル−2−ピロリジニルメチル基、1−(4−フルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−(2−フルオロベンジル)−2−ピロリジニルメチル基、1−ベンジルピペリジン−4−イルメチル基、1−(2,4−ジフルオロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−n−プロピルピペリジン−4−イル基、1−イソプロピルピペリジン−4−イル基、1−(4−フルオロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−(2−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル基、1−ベンジルピペリジン−4−イル基または1−ベンジルピペリジン−3−イル基であり、
Rdは前記定義と同じである。]
で表される請求項15記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項17】
一般式(17)
【化19】

[式中、
Rrは、水素原子であり、
Rsは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシメチル基、シクロプロピル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、2−メチル−1−プロペニル基、スチリル基、2−フリル基、3−フリル基、5−フェニル−2−フリル基、2,5−ジメチル−3−フリル基、2−メチル−3−フリル基、4,5−ジメチル−2−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2,5−ジクロロ−3−チエニル基、2,5−ジメチル−4−オキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、5−メチル−4−イソオキサゾリル基、5−フェニル−4−イソオキサゾリル基、5−メチル−3−イソオキサゾリル基、1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル基、2−ベンゾフラニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、エトキシカルボニル基または2,5−ジクロロ−3−フリル基である。]
で表される請求項2記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項18】
【化20】






からなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含む医薬組成物。
【請求項20】
IKK阻害剤である請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
抗炎症剤、潰瘍性大腸炎の予防および/または治療薬である、請求項20記載の医薬組成物。
【請求項22】
有効成分が請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩である炎症性疾患治療薬。
【請求項23】
炎症性疾患治療薬製造のための請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする炎症性疾患の治療方法。

【公開番号】特開2010−6717(P2010−6717A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165023(P2008−165023)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】