説明

ジヒドロピリミジン化合物、ならびにウイルス性疾患の治療用および予防用の薬剤を調製するための、その化合物の使用

【課題】新規なジヒドロピリミジン化合物を提供する。
【解決手段】本発明は、一般式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩または水和物と、一般式(I)の化合物を調製する方法と、一般式(I)の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩もしくは水和物の、薬剤として特にB型肝炎の治療と予防のための薬剤としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)のジヒドロピリミジン化合物と、その化合物を調製する方法と、その化合物を含む医薬組成物と、その化合物またはその薬理学的に許容可能な塩もしくは水和物の、薬剤として特にB型肝炎(HB)の治療用および予防用の薬剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって起こる世界中に蔓延している深刻な感染性疾患であり、肝硬変と肝臓がんの発生に密接に関係している。中国はHBのリスクが大きい地域である。1992年〜1995年にかけて中国で行なわれたウイルス性肝炎の血清疫学調査の結果から、B型肝炎ウイルスの表面抗原(HBsAg)を持つ人が中国の人口の9.7%にのぼることがわかった。そこから約1.3億人がHBVのキャリアであると推定された。中国におけるウイルス性肝炎の疫学的状況の研究によると、HBの年間発生数が1990年の21.9/10万人から2003年の53.3/10万人へと増加しており、明らかな増加傾向を示している(Wang Xiaojun、Zhang Rongzhen、Hu Yuansheng他、Monitoring of Diseases、2004年、第19巻(8)、290〜292ページ)。慢性HBは人の健康に大きな影響を与えるだけでなく、家族および社会にとって大きな経済的負担となる。したがって慢性HBは、中国における公衆衛生に関する大きな懸念事項の1つになっている。
【0003】
慢性HBの治療に役立つ薬として主に2つのタイプがあり、それは、免疫調節剤と、DNAポリメラーゼのヌクレオシド阻害剤である(Loomba R.、Liang T.J.、Antivir. Ther.、2006年、第11巻(1)、1〜15ページ)。前者には、インターフェロン−α2b(IFN−α2b、Intron A(登録商標))とペグ化インターフェロン−α2a(ペグ−IFN−α2a、Pegasys(登録商標))などがあり、後者には、ラミブジン(Epivir−HBV(登録商標))、アデフォビル・ジピボキシル(Hepsera(登録商標))、エンテカビル(Baraclude(登録商標))などがある。相対的には、臨床においてHBの治療に利用できる薬の数とタイプは、他の薬と比較してまだ限られている。したがって、安全かつ有効な新しい抗ウイルス薬の研究と開発、特にまったく新しい作用メカニズムを持つ薬の研究と開発を継続することが極めて重要である。
【0004】
Deresらは、Bay41−4109およびBay39−5493で表わされる複素芳香族環置換されたジヒドロピリミジン(HAP)化合物を報告している。これらの化合物は、ヌクレオキャプシドの正常な形成を阻止することによってHBVの複製を抑制することができた。臨床前データから、Bay41−4109が相対的に優れた薬代謝パラメータを有することがわかった(Deres K.、Schroder C.H.、Paessens A.他、Science、2003年、第299巻(5608号)、893〜896ページ)。HAPの作用メカニズムに関する研究により、HAPがヌクレオキャプシドを形成する二量体の間の角度を変化させ、その結果として膨張した不安定なヌクレオキャプシドが形成され、コア・タンパク質のアミノ酸残基113〜143との相互作用によりコア・タンパク質の分解が加速されることがわかった(Hacker H.J.、Deres K.、Mildenberger M.他、Biochem. Pharmacol.、2003年、第66巻(12)、2273〜2279ページ)。WO 99/54326とWO 99/54329には、2−ピリジル置換されたジヒドロピリミジン化合物と2−チアゾリル置換されたジヒドロピリミジン化合物がそれぞれ開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般式(I)の新規なジヒドロピリミジン化合物:
【化1】

またはその薬理学的に許容可能な塩もしくは水和物に関する。一般式(I)において、
1は、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C2〜C4)−アルケニル、(C2〜C6)−アシル、またはベンゾイルを表わし、
2は、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ベンジル、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルキルチオ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)−アシルオキシ、アミノ、(C1〜C6)−アルキルアミノ、(C1〜C6)−ジアルキルアミノ、(C1〜C6)−アシルアミノの中からなされ、
3は、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)−アルキルの中からなされ(そのアルキルは、6〜10個の炭素原子を有するアリール、ハロゲン、一般式−S−R6で表わされる基、一般式NR78で表わされる基、一般式CO−NR910で表わされる基、または一般式−A−CH2−R11で表わされる基で置換されていてもよく、これらの一般式において、
6は、ハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表わし、
7、R8、R9、R10は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、フェニル、ヒドロキシル置換されたフェニル、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アシル、または(C1〜C6)−アルキル(このアルキルは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、フェニル、またはヒドロキシル置換されたフェニルで置換されていてもよい)を表わし、
Aは、O、S、SO、またはSO2を表わし、
11は、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、(C1〜C6)−アルキル、または(C1〜C6)−アルコキシから選択された同じ基または異なる基で一置換または多置換されていてもよいフェニルを表わす)、
4は、一般式−XR12または−NR1314によって表わされる基を表わし(これらの一般式において、
Xは酸素または結合を表わし、
12は、水素、直鎖もしくは分岐鎖の(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、または直鎖もしくは分岐鎖もしくは環式で飽和もしくは不飽和の(C1〜C8)−ヒドロカルビルを表わし(そのヒドロカルビルは、O、CO、NH、−NH(C1〜C4)−アルキル、−N((C1〜C4)−アルキル)2、S、およびSO2からなるグループの中から選択された1個または2個の同じヘテロ鎖単位または異なるヘテロ鎖単位を含んでいてもよく、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、6〜10個の炭素原子を有するアリール、アラルキル、ヘテロアリール、または一般式−NR1516で表わされる基によって置換されていてもよく、
15とR16は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、または(C1〜C6)−アルキルを表わす)、
13とR14は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、(C1〜C6)−アルキル、または3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表わす)、
5は、水素、ベンジル、または(C1〜C6)−アルキルを表わす(そのアルキルは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、フェニル、または置換されたフェニルで置換されていてもよい)。
【0006】
この明細書では、“(C2〜C6)−アルケニル”という用語は、2〜6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルケニルを意味するが、3〜5個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルケニルであることが好ましい。例として、ビニル、プロペニル、n−ペンテニル、n−ヘキセニルなどがある。
【0007】
この明細書では、“(C2〜C6)−アシル”という用語は、2〜6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアシルを意味するが、2〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアシルであることが好ましい。
【0008】
この明細書では、“アリール”という用語は、通常は、置換された、または置換されていない5〜14員のアリール環系を意味するか、縮合した2環または3環を含むアリール環系を意味する。例として、フェニル、ナフチルなどがある。
【0009】
この明細書では、“(C1〜C6)−アルキル”という用語は、1〜6個の炭素原子を持つ直線状の基または分岐した基を意味する。例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどがある。
【0010】
この明細書では、“(C1〜C6)−アルコキシ”という用語は、1〜6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルコキシを意味するが、1〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルコキシであることが好ましい。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシなどがある。
【0011】
この明細書では、“(C1〜C6)−アルキルチオ”という用語は、1〜6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキルチオを意味するが、1〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルキルチオであることが好ましい。
【0012】
この明細書では、“(C1〜C6)−アルコキシカルボニル”という用語は、1〜6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルコキシカルボニルを意味するが、1〜4個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖のアルコキシカルボニルであることが好ましい。例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルなどがある。
【0013】
本発明の化合物には、一般式(I)の化合物とその異性体(Ia)、ならびにこれらの混合物が含まれる。R1が水素である場合には、異性体(I)と(Ia)は、互変異性体が平衡した状態で存在する。
【0014】
【化2】

【0015】
本発明の化合物は立体異性体の形態で存在することができ、その立体異性体の形態は、鏡像異性体またはジアステレオマーの関係にある。本発明は、これらの鏡像異性体またはジアステレオマー、またはこれらの混合物に関する。ジアステレオマーと同様、ラセミ化合物を公知の方法を利用して分割し、単一のステレオマーにすることができる。
【0016】
本発明の化合物は、塩の形態にすることもできる。本発明の化合物の薬理学的に許容可能な塩が好ましい。
【0017】
薬理学的に許容可能な塩として、さまざまな無機酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、臭化水素酸、硝酸)を用いて形成される塩と、さまざまな有機酸(例えばマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、乳酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、パルミチン酸など)を用いて形成される塩などが挙げられる。
【0018】
薬理学的に許容可能な塩としてはさらに、本発明の化合物の金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)、アンモニアまたは有機アミン(例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、アルギニン、リシン、エチレンジアミン、2−フェニルエチルアミンなど)を用いて形成されるアンモニウム塩などが挙げられる。
【0019】
本発明のいくつかの化合物は、水やさまざまな有機溶媒を用いて結晶化または再結晶化させることができ、その場合にはさまざまな溶媒和物を形成することができる。本発明には、これらの化学量論的な溶媒和物、水和物が含まれるほか、凍結乾燥を利用して調製した場合にはさまざまな量の水を含む化合物も含まれる。
【0020】
以下に示す一般式(I)の化合物、すなわち一般式(I)において、
1が、水素、メチル、ベンゾイル、またはアセチルを表わし、
2が、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ベンジル、(C1〜C4)−アルキル、(C1〜C4)−アルコキシ、アミノ、(C1〜C4)−アシルアミノの中からなされ、
3が、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシル、メトキシカルボニル、−CONHCH2C(CH33、−CONH(CH22OH、−CONHCH265、−CONHC65、−OCH265、−S−pCl−C64の中からなされ、
4が、一般式−XR12または−NR1314によって表わされる基を表わし(これらの一般式において、
Xは酸素または結合を表わし
12は、水素、(C1〜C4)−アルケニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、または(C1〜C4)−アルキルを表わしていて、この基は、ピリジル、シアノ、フェノキシ、ヒドロキシル、トリフルオロエチル、ベンジル、または一般式−NR1516で表わされる基で置換されていてもよく、
15とR16は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、または(C1〜C4)−アルキルを表わし、
13とR14は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、(C1〜C4)−アルキル、またはシクロプロピルを表わす)、
5が、水素、ベンジル、または(C1〜C6)−アルキルを表わす(このアルキルは、ヒドロキシル、クロロ、フルオロ、(C1〜C3)−アルコキシカルボニル、フェニル、または置換されたフェニルで置換されていてもよい)化合物と、その塩または水和物が好ましい。
【0021】
以下に示す一般式(I)の化合物、すなわち一般式(I)において、
1が、水素、メチル、ベンゾイル、またはアセチルを表わし、
2が、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ベンジル、(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C3)−アルコキシ、アミノ、(C1〜C3)−アシルアミノの中からなされ、
3が、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、メトキシカルボニル、−CONHCH2C(CH33、−CONH(CH22OH、−CONHCH265、−CONHC65、−OCH265、−S−pCl−C64の中からなされ、
4が、一般式−XR12または−NR1314によって表わされる基を表わし(これらの一般式において、
Xは酸素または結合を表わし、
12は、水素、(C1〜C3)−アルケニル、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、または(C1〜C4)−アルキルを表わしていて、この基は、ピリジル、シアノ、フェノキシ、ヒドロキシル、トリフルオロエチル、ベンジル、または一般式−NR1516で表わされる基で置換されていてもよく、
15とR16は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、またはメチルを表わし、
13とR14は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、(C1〜C3)−アルキル、またはシクロプロピルを表わす)、
5が、水素、ベンジル、または(C1〜C3)−アルキルを表わす(このアルキルは、ヒドロキシル、クロロ、フルオロ、メトキシカルボニル、またはエトキシカルボニルで置換されていてもよい)化合物と、その塩または水和物が好ましい。
【0022】
以下に示す一般式(I)の化合物、すなわち一般式(I)において、
1が、水素またはアセチルを表わし、
2が、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、アミノ、アセチルアミノの中からなされ、
3が、一置換または多置換の同じ置換基または異なる置換基を表わし、その置換基の選択は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシル、ニトロ、メトキシ、メチルの中からなされ、
4が、一般式−XR12または−NR1314によって表わされる基を表わし(これらの一般式において、
Xは酸素を表わし、
12は、炭素原子が3個までの直鎖または分岐鎖のアルキルを表わし、
13とR14は、それぞれ、水素またはα−メチルベンジルを表わす)、
5が、水素、メチル、またはベンジルを表わす化合物と、その塩または水和物が特に好ましい。
【0023】
本発明による一般式(I)の特に好ましい化合物の選択は、
(1)2−(チアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(2)2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(3)2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(4)2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(5)2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(6)2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(7)1−アセチル−2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(8)2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(9)2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(10)2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(11)2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(12)2−(チアゾル−4−イル)−4−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(13)2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(14)2−(チアゾル−4−イル)−4−フェニル−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(15)2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(16)2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(17)2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(18)2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(19)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(20)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(21)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(22)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(23)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(24)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(25)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−フェニル−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(26)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(27)1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(28)2−(チアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(29)2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(30)2−(2−アセチルアミノチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(31)2−(2−アミノチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(32)2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(33)2−(2−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(34)2−(2−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(35)2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(36)2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(37)2−(4−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(38)2−(4−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(39)2−(2,4−ジメチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(40)2−(2,4−ジメチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(41)2−(2−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(42)2−(チアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(43)2−(2−アセチルアミノチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(44)2−(2−アミノチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(45)2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(46)2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(47)2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(48)2−(1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(49)2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(50)2−(N−ベンジル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(51)2−(N−ベンジル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(52)2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(53)2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(54)2−(1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(55)2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(56)2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(57)2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸イソプロピル;
(58)2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(59)2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(60)R,R−N−(1−フェニルエチル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボキサミド;
(61)R,R−N−(1−フェニルエチル)−N−1−アセチル−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボキサミド;および
(62)4−R−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルからなるグループからなされ、またはその薬理学的に許容可能な塩もしくは水和物の中からなされる。
【0024】
本発明による一般式(I)の化合物は、
A)適切な不活性溶媒の中で、塩基または酸を添加する条件または添加しない条件にて、一般式(II)のアミジン:
【化3】

(Rは上に定義したのと同じである)またはその塩を、一般式(III)のアルデヒド:
【化4】

(R3は上に定義したのと同じである)および一般式(IV)の化合物:CH3CO−CH2−CO−R4(IV)(R4は上に定義したのと同じである)と反応させるステップ、または
B)適切な不活性溶媒の中で、塩基または酸を添加する条件または添加しない条件にて、20〜150℃の温度で、一般式(V)または(VI)の化合物:
【化5】

(R3とR4は上に定義したのと同じである)を一般式(II)の化合物と反応させるステップ、または
C)一般式(III)のアルデヒド:
【化6】

(R3は上に定義したのと同じである)を一般式(VII)の化合物:
【化7】

(R4は上に定義したのと同じである)および一般式(II)のアミジンと反応させるステップ、または
D)アンモニウム塩の存在下で、一般式(III)のアルデヒドを一般式(IV)の化合物および一般式(VIII)のイミノエーテル:
【化8】

(Rは上に定義したのと同じであり、R’はC1〜C4アルキルである)と反応させるステップを含む方法によって調製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1がアセチルである化合物は、不活性溶媒の中で、無機塩基または有機塩基の存在下にて、20〜150℃の温度で、上記の方法に従って得られた化合物を塩化アセチルまたは無水酢酸と反応させることによって調製できる。
【0026】
本発明の方法の例は、以下の反応スキームを用いて示される。
【0027】
【化9】

【0028】
【化10】

【0029】
【化11】

【0030】
反応スキームA、B、Cのすべてに関し、適切な溶媒は、不活性な任意の有機溶媒である。そのような溶媒で好ましいものとして、アルコール(例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール)、エーテル(例えばジオキサン、エチルエーテル、THF、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル)、氷酢酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、ヘキサメチルホスファミドなどがある。
【0031】
反応温度は比較的広い範囲で変えることができる。通常は20〜150℃の温度で反応させるが、溶媒の沸点で反応させることが好ましい。
【0032】
反応は大気圧下または加圧下で実施することができる。通常は、大気圧下で反応させる。
【0033】
反応は、塩基または酸を添加した条件下で実施するか、塩基または酸なしの条件下で実施できるが、比較的弱い酸(例えば酢酸、ギ酸)の存在下で実施することが好ましい。
【0034】
出発物質としての一般式(II)のアミジンは公知の場合もあるし、文献に記載されている公知の方法に従って対応するシアノ化合物から調製することもできる(参考:Diana, G.D.、Yarinsky, A.、Zalay, E.S.他、J. Med. Chem.、1969年、第12巻(9)、791〜793ページ;Garigipati, R.S.、Tetrahedron Lett.、1990年、第31巻(14)、1969〜1972ページ;Boere, R.J.、Oakley, R.T.、Read, R.V.、J. Organometal. Chem.、1987年、第331巻、161〜167ページ;Judkins, B.D.、Allen, D.G.、Cook, T.A.、Synth. Commun.、1996年、第26巻(23)、4351〜4367ページ;Tommasi, R.A.、Macchia, W.M.、Parker, D.T.、Tetrahedron Lett.、1998年、第39巻、5947〜5950ページ)。
【0035】
出発物質としての一般式(III)のアルデヒドは公知であるか、文献に記載されている公知の方法に従って調製することができる(参考:T.D. HarrisとG.P. Roth、J. Org. Chem.、1979年、第44巻、146ページ;ドイツ国特許第2165260号、1972年7月;ドイツ国特許第2401665号、1974年7月;Mijano他、CA、1963年、第59巻、13929c;E. Adler、H.D. Becker、Chem. Scand.、1961年、第15巻、849ページ;E.P. Papadopoulos、M. Mardin、Ch. Issidoridis、J. Org. Chem. Soc.、1956年、第78巻、2543ページ)。
【0036】
出発物質としての一般式(IV)のβ−ケトカルボキシレートは公知であるか、文献に記載されている公知の方法に従って調製することができる(参考:D. Berman、「ジケテンとアルコール、フェノール、チオールの反応」、フーベン−ヴァイル社、『有機化学の方法』、第VII巻、230ページ〜、1968年;Y. Oikawa、K. Sugano、O. Yonemitsu、J. Org. Chem.、1978年、第43巻、2087ページ)。
【0037】
出発物質としての一般式(V)または一般式(VI)のスチビレン−β−ケトンエステルは、文献に記載されている公知の方法に従って調製することができる(参考:G. Jones、「クネベナーゲル縮合」、『有機反応』、第XV巻、204ページ〜、1967年)。
【0038】
出発物質としての一般式(VII)のエナミノカルボキシレートと一般式(VIII)のイミノエーテルは公知であるか、文献に記載されている公知の方法に従って調製することができる(参考:S.A. Glckman、A.C. Cope、J. Am. Chem. Soc.、1945年、第67巻、1017ページ)。
【0039】
本発明による一般式(I)の化合物は、従来法に従って個別に合成するか、コンビナトリアル化学の混合−分割法または並列合成法に従って複数のライブラリ(各ライブラリには少なくとも2種類、または5〜1,000種類の化合物が含まれていて、最適な数は10〜100種類である)により合成することができる。すなわちこの化合物は、液相法または固相法に従って合成することができる。
【0040】
一般式(I)の化合物の調製に関するより詳細な情報に関しては実施例を参照されたい。
【0041】
本発明による化合物の抗ウイルス効果は、Sellsらが記載している方法(M.A. Sells、M.L. Chen、G. Proc. Natl. Acad. Sci.、1987年、第84巻、1005〜1009ページ)とKorbaらが記載している方法(B.E. Korba、J.L. Gerin、Antiviral Research、1992年、第19巻、55〜70ページ)に従って調べることができる。
【0042】
抗ウイルス試験は、96セルの微量滴定プレートで実施した。プレートの第1列には、対照として培地とHepG2.2.15細胞だけが含まれていた。
【0043】
最初に、試験化合物の貯蔵溶液(50ミリモル)をDMSOに溶かし、HepG2.2.15細胞を増殖させるための培地を用いてさらに希釈した。通常は、本発明の化合物を100μg/mlの試験濃度(第1試験濃度)にて微量滴定プレートの第2列の各細胞に吸引によって移した後、増殖培地+2%ウシ胎仔血清(25μl)を用いて1回ごとに2倍に希釈し、最大で210倍にした。
【0044】
次に、増殖培地+2%ウシ胎仔血清の中にHepG2.2.15細胞(5×104細胞/ml)を懸濁させた懸濁液225μlを96セルの微量滴定プレートの各セルに添加した。
【0045】
この試験混合物を37℃、5%CO2の条件下で4日間にわたってインキュベートした。次に、上清を吸引によって除去した後、各セルに新たに調製した増殖培地を225μl添加した。本発明の化合物を25μlの溶液として再び添加した。得られた混合物をさらに4日間にわたってインキュベートした。
【0046】
抗ウイルス効果を調べるために上清を回収する前に、光学顕微鏡法または生化学的検出法(例えばアラマー・ブルー染色またはトリパン・ブルー染色)を利用してHepG2.2.15細胞の細胞毒性の変化を調べた。
【0047】
その後、上清を回収し、真空中で吸引して、(製造者から提供された利用の手引きに従って用いた)ナイロン膜で覆われた96セルのドット・ブロット・チェンバーに入れた。
【0048】
細胞毒性の測定
HepG2.2.15細胞の細胞毒性または細胞の抑制における、物質によって誘導される変化は、例えば光学顕微鏡法を利用して明らかにすることができ、その変化は細胞の形状の変化に現われる。物質によって誘導されるHepG2.2.15細胞におけるこのような変化(例えば細胞の溶解、キャビティの形成、細胞の形状の変化)は、処理していない細胞と比べて明らかであった。観察される細胞の病的変化を指標として、細胞の病的変化を8日後に顕微鏡で観察したときに完全な破壊を示すものを4とし、75%の破壊を示すものを3とし、50%の破壊を示すものを2とし、25%の破壊を示すものを1とし、病的変化のないものを0とした。さまざまな濃度について細胞の病的変化の平均値と抑制率を計算した。ReedとMuenchの方法に従い、半数毒性濃度(TC50)と最大非毒性濃度(TC0)を計算した。
【0049】
TC50は、50%の細胞が対照としての対応する細胞と同様の形状であるときの本発明の化合物の濃度を意味する。
【0050】
抗ウイルス活性の測定
上清をドット・ブロット装置のナイロン膜の上に移した(上記の説明を参照)後、HepG2.2.15細胞の上清を変性させ(1.5MのNaCl/0.5MのNaOH)、中和し(3MのNaCl/0.5MのトリスHCl、pH7.5)、洗浄した(2×SSC)。次に、この濾過膜を2〜4時間にわたって120℃に維持することにより、DNAを濾過膜上で加熱した。
【0051】
DNAハイブリダイゼーション
通常は、ナイロン膜の上で処理したHepG2.2.15細胞のウイルスDNAを、非放射性のジゴキシゲニンで標識したHB特異的DNAプローブを用いて検出した。そのとき、製造者から与えられた利用法に従って1回ごとにプローブにジゴキシゲニンを標識し、精製し、ハイブリダイズさせた。
【0052】
簡単に説明すると、5×SSCと、1×遮断剤と、0.1%のN−ラウロイルサルコシンと、0.02%のSDSと、100μgの黒コイの精子DNAを用いて予備ハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーションを実施した。60℃にて30分間にわたって予備ハイブリダイゼーションを行なった後、20〜40ng/mlのジゴキシゲニンで標識した変性したHBV特異的DNAを用いて特異的ハイブリダイゼーション(60℃にて14時間)を実施した。次に、膜を洗浄した後、ジゴキシゲニン抗体を用いてHBVのDNAを検出した。
【0053】
ジゴキシゲニンで標識したDNAの免疫学的検出を、製造者から与えられた利用法に従って実施した。
【0054】
簡単に説明すると、膜を洗浄し、(製造者から与えられた利用法に従って)遮断剤とあらかじめハイブリダイズさせ、次いでアルカリホスファターゼにあらかじめ結合させておいた抗DIG抗体と30分間にわたってハイブリダイズさせた。洗浄後、アルカリホスファターゼの基質であるCSPDを添加し、フィルタとともに5分間にわたって培養した後、プラスチック膜で覆い、37℃にてさらに15分間にわたって培養した。フィルタにX線を照射し、膜上のHB特異的DNAの化学発光信号(信号強度に応じて10分間〜2時間にわたって培養する)を検出し、それをもとにして半数抑制濃度(IC50)を計算した。
【0055】
半数抑制濃度(IC50)は、処理していないサンプルと比べてHB特異的バンドを50%減らす本発明の化合物の濃度を意味する。
【0056】
本発明の化合物は、比較的強い抗ウイルス効果を示す。このタイプの化合物は、HBVに対する予想外の抗ウイルス活性を有するため、ウイルスによって起こるさまざまな疾患、その中でも特にHBVウイルスの感染によって起こる急性と慢性の疾患の治療に使用できる。HBVによって起こる慢性ウイルス疾患の結果として、さまざまな重篤度のさまざまな症状が生じる可能性がある。よく知られているように、慢性のHBV感染がもとになって肝硬変および/または肝細胞がんになる可能性がある。
【0057】
本発明の化合物によって治療できる適応症の例として、感染性肝炎につながる可能性のある急性および慢性のウイルス感染症(例えばHBウイルス感染であり、その中でも特に慢性HBウイルス感染と急性HBウイルス感染が好ましい)などがある。
【0058】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、以下の任意の経路で投与することができる:経口、スプレーによる吸入、直腸、鼻腔、膣、局所、非経口(例えば皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、くも膜下腔内(髄腔内)、脳室内もしくは心室内、胸骨内、頭蓋内への注入または輸液)。あるいは本発明の化合物を含む医薬組成物は、外植したリザーバの助けを借りて投与することができる。その場合、経口、筋肉内、腹腔内、静脈内といった投与経路からの注入が好ましい。
【0059】
本発明の化合物、または本発明の化合物を含む医薬組成物は、単位剤形にして投与することができる。剤形は、液体形態または固体形態が可能である。液体形態には、真の溶液、コロイド、粒子、エマルジョン、懸濁液が含まれる。他の剤形として、錠剤、カプセル、小錠(滴丸)、エーロゾル、丸剤、粉末、溶液、懸濁液、エマルジョン、顆粒、坐薬、注射用に凍結乾燥させた粉末、包接体、インプラント、パッチ、リニメントなどがある。
【0060】
本発明の医薬組成物は、一般に用いられるキャリアをさらに含むことができる。そのようなキャリアとして、イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えばヒト血清タンパク質)、緩衝物質(例えばリン酸塩)、グリセリン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和した植物脂肪酸の部分グリセリンエステルの混合物、水、塩または電解質(例えば硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蜜蝋、ラノリンなどがある。医薬組成物に含まれるキャリアの量は1〜98質量%が可能であり、通常は約80質量%である。便宜上、局所麻酔剤、防腐剤、緩衝剤などは、キャリアに直接溶かすことができる。
【0061】
経口錠剤とカプセルは、賦形剤を含むことができる。それは例えば、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ソルビトール、トラガント、ポリビニルピロリドンなど)、充填剤(ラクトース、スクロース、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、アミノ酢酸など)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、サポナイト、ポリエチレングリコール、シリカなど)、崩壊剤(ジャガイモのデンプンなど)、許容可能な湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)である。錠剤は、薬剤学で知られている方法を利用して被覆してもよい。
【0062】
経口溶液は、水と油の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ、エリキシルとして製造すること、または使用前に水その他の媒体を添加する乾燥製品として製造することができる。この液体調製物は、従来からある添加剤を含むことができる。それは例えば、懸濁剤(ソルビトール、セルロースメチルエーテル、グルコース・シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウム・ゲル、水素添加食用油脂など);乳化剤(レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アラビアゴムなど);(食用油も含みうる)非水性キャリア(アーモンド油、油脂(グリセリンなど)、エチレングリコール、エタノールなど);防腐剤(p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸など)などである。望むのであれば、着香剤や着色剤も添加することができる。
【0063】
坐薬は、従来からある坐薬用基質(例えばカカオバターやそれ以外のグリセリド)を含むことができる。
【0064】
胃以外に投与するため、通常は、本発明の化合物と殺菌したキャリアとで液体剤形が作られる。好ましいキャリアは水である。選択したキャリアと薬の濃度に応じ、化合物は、キャリアに溶かすか、懸濁液にすることができる。注射溶液を作る場合には、化合物を最初に水に溶かした後、濾過し、殺菌してから密閉した瓶またはアンプルに詰める。
【0065】
皮膚への局所塗布のため、本発明の化合物を適切な軟膏、ローション、クリームの形態にすることができる。その場合、活性成分は1種類以上のキャリアに懸濁するか溶かす。軟膏で使用するキャリアは、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化したワックス、水などである。ローションとクリームで使用するキャリアは、鉱油、モノステアリン酸ソルビタンエステル、Tween60、セチルエステルワックス、ヘキサデシレン芳香族アルコール、2−オクチルドデカノール、ベンザノール、水などである。
【0066】
上記の調製物において、一般式(I)の活性化合物は、混合物の全質量を基準にして約0.1〜99.5質量%の濃度で存在している。この濃度は、約0.5〜95質量%であることが好ましい。
【0067】
上記の調製物は、一般式(I)の化合物に加え、薬理学的に活性な他の化合物をさらに含むことができる。
【0068】
一般に、ヒトの医学であれ獣医学であれ、本発明の活性化合物の合計用量は、24時間ごとに体重1kg当たり約0.5〜500mgが望ましく1〜100mgが好ましいことが証明されている。適切な場合には、その薬の単一の用量を複数回投与することによって望む効果を実現する。単一の用量に含まれる活性化合物の量は、体重1kg当たり約1〜80mgが好ましく、1〜50mgがより好ましい。しかし用量は、治療する対象のタイプと体重、疾患の種類と重篤度、調製物のタイプ、薬の投与法、投与期間または投与間隔によって異なっていてもよい。
【0069】
本発明の具体的な実施態様
以下の実施例は本発明の好ましい実施態様であり、いかなる形式であれ本発明を制限すると理解してはならない。
【0070】
化合物の融点は、RY−1融点装置を用いて測定し、温度計は較正しなかった。質量スペクトルは、Micromass ZabSpec高分解能質量分析器(分解能1000)を用いて測定した。1H−NMRは、JNM−ECA−400超伝導NMR分光器を用いて測定した。動作周波数は、1H−NMRでは400MHz、13C−NMRでは100MHzである。
【実施例】
【0071】
例1
2−(チアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0072】
【化12】

【0073】
2ミリモルの4−チアゾリルホルムアミジン(Diana, G.D.、Yarinsky, A.、Zalay, E.S.他、J. Med. Chem.、1969年、第12巻(9)、791〜793ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が140〜142℃の黄色の結晶が0.28g得られた(収率37%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.05 (3H, m);2.49 (3H, s);3.92〜3.95 (2H, m);5.99 (1H, s);7.36〜7.39 (3H, m);8.15 (1H, d, J=1.96Hz);9.18 (1H, d, J=1.96Hz);9.47 (1H, s);MS (FAB) 380.2 (M+1)。
【0074】
例2
2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0075】
【化13】

【0076】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が118〜120℃の黄色っぽい顆粒が0.22g得られた(収率32%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.15 (3H, m);2.49 (3H, s);4.03〜4.05 (2H, m);5.63 (1H, br);7.02〜7.34 (4H, m);8.31 (1H, br);9.21 (1H, d);9.54 (1H, br);MS (FAB) 346.3 (M+1)。
【0077】
例3
2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0078】
【化14】

【0079】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が118〜120℃の黄色っぽい結晶が0.27g得られた(収率39%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.15 (3H, m);2.49 (3H, s);4.01〜4.03 (2H, m);5.59 (1H, d, J=3.36);7.11〜7.31 (4H, m);8.25〜8.40 (1H, d, J=1.96);9.21〜9.22 (1H, d, J=1.96);9.35〜9.50 (1H, d, J=3.36);MS (FAB) 346.2 (M+1)。
【0080】
例4
2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0081】
【化15】

【0082】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−メチルベンズアルデヒドを用いることで、融点が133〜134℃の黄色のごつごつした結晶が0.24g得られた(収率35%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.15 (3H, m);2.25 (3H, s);2.49 (3H, s);4.00〜4.02 (2H, m);5.47〜5.55 (1H, br);7.01〜7.17 (4H, m);8.24〜8.39 (1H, br);9.20 (1H, d);9.40 (1H, br);MS (FAB) 342.1 (M+1)。
【0083】
例5
2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0084】
【化16】

【0085】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−メチルベンズアルデヒドを用いることで、アモルファスな固体が0.22g得られた(収率33%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.15 (3H, m);2.24 (3H, s);2.38〜2.49 (3H, br);4.00〜4.04 (2H, m);5.44〜5.54 (1H, br);7.1〜7.17 (4H, m);8.23〜8.37 (1H, br);9.20 (1H, s);9.25〜9.41 (1H, br);MS (FAB) 342.1 (M+1)。
【0086】
例6
2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0087】
【化17】

【0088】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−メトキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が140〜142℃の黄色い顆粒が0.26g得られた(収率36%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.13〜1.15 (3H, m);2.35〜2.49 (3H, d);3.70 (3H, s);4.01〜4.03 (2H, m);5.46〜5.58 (1H, ds, J=3.36);6.81〜6.87 (3H, m);7.20〜7.22 (1H, m);8.26〜8.39 (1H, dd, J=1.96);9.21〜9.22 (1H, dd, J=1.96);9.30〜9.47 (1H, ds, J=3.36);MS (FAB) 358.2 (M+1)。
【0089】
例7
1−アセチル−2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0090】
【化18】

【0091】
0.25gの2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル(例6)を無水酢酸と還流下にて1時間にわたって反応させた後、得られた生成物を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が130〜131℃の黄色っぽい細い針状の結晶が0.21g得られた(収率75%)。1H−NMR (400MHz, CDCL3)δ1.26〜1.29 (3H, t);1.97 (3H, s);2.58 (3H, s);3.73 (3H, s);4.23〜4.24 (2H, m);6.63 (1H, s);6.73〜6.75 (1H, m);6.91〜6.96 (2H, m);7.13〜7.17 (1H, t);8.0 (1H, s);8.81〜8.82 (1H, d);MS (FAB) 400.1 (M+1)。
【0092】
例8
2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0093】
【化19】

【0094】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−メトキシベンズアルデヒドを用いることで、アモルファスな固体が0.15g得られた(収率20%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.12〜1.15 (3H, m);2.38 (3H, s);3.70 (3H, s);4.01〜4.04 (2H, m);5.43〜5.53 (1H, br);6.84〜6.86 (2H, m);7.19〜7.21 (2H, m);8.23〜8.37 (1H, br);9.20〜9.41 (2H, br);MS (FAB) 358.2 (M+1)。
【0095】
例9
2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0096】
【化20】

【0097】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が180〜183℃の黄色い顆粒が0.21g得られた(収率30%)。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.14〜1.17 (3H, m);2.34〜2.38 (3H, d);4.02〜4.04 (2H, m);5.41〜5.52 (1H, m);6.56〜6.61 (1H, m);6.70〜6.73 (2H, m);7.05〜7.07 (1H, m);8.24〜8.38 (1H, m);9.20〜9.42 (3H, m);MS (FAB) 343.9 (M+1)。
【0098】
例10
2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0099】
【化21】

【0100】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が213〜216℃の黄色い顆粒が0.25g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.12〜1.15 (3H, m);2.34〜2.38 (3H, d);3.99〜4.02 (2H, m);5.37〜5.47 (1H, m);6.64〜6.67 (2H, m);7.06〜7.09 (2H, m);8.22〜8.37 (1H, m);9.19〜9.36 (3H, m);MS (FAB) 344.1 (M+1)。
【0101】
例11
2−(チアゾル−4−イル)−4−(3−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0102】
【化22】

【0103】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−クロロベンズアルデヒドを用いることで、融点が105〜108℃の黄色い固体が0.27g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.12〜1.15 (3H, m);2.36〜2.40 (3H, s);4.02〜4.05 (2H, m);5.61 (1H, br);7.27〜7.29 (4H, m);8.29 (1H, br);9.22 (1H, s);9.36〜9.56 (1H, br);MS (FAB) 361.9 (M+1)。
【0104】
例12
2−(チアゾル−4−イル)−4−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0105】
【化23】

【0106】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに2−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が126〜128℃の黄色い顆粒が0.26g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.04〜1.08 (3H, m);2.42 (3H, br);3.94〜3.96 (2H, m);5.89 (1H, br);7.11〜7.15 (4H, m);8.20 (1H, br);9.19 (1H, d);9.44 (1H, br);MS (FAB) 346.1 (M+1)。
【0107】
例13
2−(チアゾル−4−イル)−4−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0108】
【化24】

【0109】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−クロロベンズアルデヒドを用いることで、アモルファスな固体が0.30g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.15 (3H, m);2.36〜2.39 (3H, d);3.99〜4.04 (2H, m);5.45〜5.60 (1H, d);7.28〜7.38 (4H, m);8.26〜8.40 (1H, d);9.21 (1H, s);9.36〜9.52 (1H, d);MS (FAB) 361.9 (M+1)。
【0110】
例14
2−(チアゾル−4−イル)−4−フェニル−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0111】
【化25】

【0112】
例1の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりにベンズアルデヒドを用いることで、アモルファスな固体が0.24g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.15 (3H, m);2.38 (3H, d);4.01〜4.03 (2H, m);5.57 (1H, br);7.19〜7.39 (5H, m);8.28 (1H, br);9.21 (1H, s);9.31〜9.45 (1H, br);MS (FAB) 361.9 (M+1)。
【0113】
例15
2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0114】
【化26】

【0115】
2ミリモルの2−メチルチアゾリル−4−ホルムアミジン(Diana, G.D.、Yarinsky, A.、Zalay, E.S.他、J. Med. Chem.、1969年、第12巻(9)、791〜793ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が123〜125℃の黄色の結晶が0.28g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.05 (3H, m);2.37〜2.43 (3H, d);2.66〜2.69 (3H, d);3.92〜3.95 (2H, m);5.89〜5.97 (1H, m);7.14〜7.19 (1H, m);7.33〜7.39 (2H, m);7.91〜8.18 (1H, d);8.91〜9.27 (1H, d);MS (FAB) 394.1 (M+1)。
【0116】
例16
2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0117】
【化27】

【0118】
例15の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が175〜178℃の無色の結晶が0.24g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.13〜1.17 (3H, m);2.33〜2.37 (3H, d);2.69〜2.72 (3H, d);4.00〜4.03 (2H, m);5.34〜5.50 (1H, m);6.56〜6.61 (1H, m);6.68〜6.72 (2H, m);7.03〜7.09 (1H, m);8.01〜8.16 (1H, d);9.09〜9.32 (2H, m);MS (FAB) 358.2 (M+1)。
【0119】
例17
2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0120】
【化28】

【0121】
例15の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が208〜210℃の黄色の円柱状結晶が0.29g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.12〜1.16 (3H, m);2.33〜2.36 (3H, d);2.68〜2.71 (3H, d);3.99〜4.02 (2H, m);5.34〜5.45 (1H, d, br);6.65〜6.67 (2H, m);7.05〜7.07 (2H, m);8.0〜8.14 (1H, d, br);9.05〜9.33 (2H, m);MS (FAB) 358.2 (M+1)。
【0122】
例18
2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0123】
【化29】

【0124】
例15の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−クロロベンズアルデヒドを用いることで、融点が143〜144℃の無色の針状結晶が0.23g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.11〜1.14 (3H, m);2.36〜2.39 (3H, d);2.69〜2.72 (3H, d);4.01〜4.05 (2H, m);5.46〜5.59 (1H, d);7.23〜7.36 (4H, m);8.04〜8.19 (1H, d);9.26〜9.41 (1H, m);MS (FAB) 376.2 (M+1)。
【0125】
例19
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0126】
【化30】

【0127】
例15の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、油状の物質が得られた。その油状物質を例7の方法を利用してさらに反応させると、融点が127〜130℃の黄色い結晶が0.18g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.20〜1.23 (3H, t);1.90 (3H, s);2.46 (3H, d);2.68 (3H, s);4.20〜4.23 (2H, m);6.45 (1H, s);7.04〜7.11 (3H, m);7.32〜7.37 (1H, m);8.25 (1H, s);MS (FAB) 402.1 (M+1)。
【0128】
例20
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0129】
【化31】

【0130】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が140〜142℃の黄色い結晶が0.20g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.18〜1.22 (3H, t);1.88 (3H, s);2.46 (3H, s);2.66 (3H, s);4.17〜4.20 (2H, m);6.43 (1H, s);7.10〜7.15 (2H, m);7.25〜7.29 (2H, m);8.22 (1H, s);MS (FAB) 402.0 (M+1)。
【0131】
例21
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0132】
【化32】

【0133】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−メチルベンズアルデヒドを用いることで、融点が113〜114℃の黄色のごつごつした結晶が0.17g得られた。1H−NMR (400MHz, CDCl3)δ1.23〜1.27 (3H, t);1.97 (3H, s);2.26 (3H, s);2.61 (3H, s);2.73 (3H, s);4.17〜4.24 (2H, m);6.63 (1H, s);7.01〜7.03 (1H, m);7.12〜7.14 (3H, m);7.48 (1H, br);MS (FAB) 398.1 (M+1)。
【0134】
例22
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−メチルフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0135】
【化33】

【0136】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−メチルベンズアルデヒドを用いることで、融点が187〜188℃の黄色の角柱状結晶が0.21g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.18〜1.21 (3H, t);1.89 (3H, s);2.21 (3H, s);2.44 (3H, s);2.66 (3H, s);4.15〜4.18 (2H, m);6.42 (1H, s);7.06〜7.13 (4H, m);8.18 (1H, s);MS (FAB) 398.1 (M+1)。
【0137】
例23
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(3−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0138】
【化34】

【0139】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに3−メトキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が114〜116℃の黄色の角柱状結晶が0.18g得られた。1H−NMR (400MHz, CDCl3)δ1.25〜1.28 (3H, t);1.98 (3H, s);2.60 (3H, s);2.72 (3H, s);3.74 (3H, s);4.22〜4.24 (2H, m);6.63 (1H, s);6.73〜6.76 (1H, q);6.88〜6.90 (1H, d);6.94〜6.95 (1H, d);7.13〜7.16 (1H, t);7.63 (1H, br);MS (FAB) 414.2 (M+1)。
【0140】
例24
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0141】
【化35】

【0142】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−メトキシベンズアルデヒドを用いることで、融点が138〜140℃の黄色の円柱状結晶が0.17g得られた。1H−NMR (400MHz, CDCl3)δ1.22〜1.25 (3H, t);1.95 (3H, s);2.60 (3H, s);2.72 (3H, s);3.74 (3H, s);4.16〜4.19 (2H, m);6.60 (1H, s);6.74〜6.77 (2H, m);7.24〜7.26 (2H, m);7.42 (1H, br);MS (FAB) 414.1 (M+1)。
【0143】
例25
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−フェニル−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0144】
【化36】

【0145】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりにベンズアルデヒドを用いることで、融点が140〜142℃の黄色の円柱状結晶が0.20g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.19〜1.22 (3H, t);1.89 (3H, s);2.45 (3H, s);2.67 (3H, s);4.18〜4.20 (2H, m);6.46 (1H, s);7.21〜7.30 (5H, m);8.21 (1H, s);MS (FAB) 384.1 (M+1)。
【0146】
例26
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(4−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0147】
【化37】

【0148】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−クロロベンズアルデヒドを用いることで、融点が169〜171℃の黄色の角柱状結晶が0.19g得られた。1H−NMR (400MHz, CDCl3)δ1.23〜1.26 (3H, t);1.96 (3H, s);2.60 (3H, s);2.72 (3H, s);4.17〜4.23 (2H, m);6.60 (1H, s);7.20〜7.29 (4H, m);MS (FAB) 418.0 (M+1)。
【0149】
例27
1−アセチル−2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0150】
【化38】

【0151】
例19の方法を利用するが、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が164〜166℃の黄色の細い針状結晶が0.18g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.14〜1.18 (3H, t);1.85 (3H, s);2.48 (3H, s);2.62 (3H, s);4.08〜4.13 (2H, m);6.83 (1H, s);7.07〜7.09 (2H, m);7.44〜7.46 (1H, m);8.09 (1H, s)。
【0152】
例28
2−(チアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0153】
【化39】

【0154】
例1の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用いることで、融点が144〜147℃の黄色のごつごつした結晶が0.28g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.39〜2.46 (3H, d);3.49〜3.51 (3H, d);5.98 (1H, s);7.17〜7.20 (1H, m);7.33〜7.40 (2H, m);8.16 (1H, s);9.19 (1H, s);9.55 (1H, s);MS (EI) 365.1 (M+)。
【0155】
例29
2−(2−メチルチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0156】
【化40】

【0157】
例15の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用いることで、融点が128〜130℃の黄色っぽい結晶が0.25g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.37〜2.45 (3H, d);2.67〜2.70 (3H, d);3.48〜3.50 (3H, d);5.88〜5.96 (1H, m);7.14〜7.39 (3H, m);7.14〜7.19 (1H, m);7.92〜8.19 (1H, d);9.0〜9.4 (1H, d);MS (EI) 393.1 (M+)。
【0158】
例30
2−(2−アセチルアミノチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0159】
【化41】

【0160】
ステップ1 2−アミノチアゾール−4−カルボン酸エチルの調製
7.8g(40ミリモル)のブロモピルビン酸エチルと、3.1g(40ミリモル)のチオ尿素を40mlのエタノールに溶かし、室温で反応させると、白色の固形物が沈澱した。それを濾過し、洗浄し、乾燥させると、融点が177〜181℃の2−アミノチアゾール−4−カルボン酸エチルが7.5g得られた(収率74%)。
【0161】
ステップ2 2−アミノチアゾール−4−カルボキサミドの調製
3.0gの2−アミノチアゾール−4−カルボン酸エチルを100mlのアンモニア水に溶かし、2時間にわたって反応させ、濃縮し、放置すると、針状の結晶が沈澱した、それを濾過し、水で洗浄し、乾燥させると、融点が208〜211℃の2−アミノチアゾール−4−カルボキサミドが1.9g得られた(収率76%)。
【0162】
ステップ3 2−アセチルアミノチアゾール−4−カルボキサミドの調製
4.0g(28ミリモル)の2−アミノチアゾール−4−カルボキサミドを40mlの氷酢酸に溶かし、そこに2.8ml(29.6ミリモル)の無水酢酸を添加した後、還流下で2時間にわたって反応させ、自然に冷やすと、大量の固形物が沈澱した。それを濾過し、洗浄し、乾燥させると、融点が250℃を超える2−アセチルアミノチアゾール−4−カルボキサミドが4.7g得られた(収率92%)。
【0163】
ステップ4 2−アセチルアミノ−4−シアノチアゾールの調製
5.1g(27.5ミリモル)の2−アセチルアミノチアゾール−4−カルボキサミドを27mlのピリジンに分散させ、10.5g(55ミリモル)のp−トリルスルホニルクロリドを添加し、室温にて10時間にわたって反応させた後、150mlの酢酸エチルと100mlの水を添加すると、層が分離した。得られた有機相を、水相が酸性になるまで希HClで洗浄した後、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、融点が185〜188℃(酢酸エチル)の2−アセチルアミノ−4−シアノチアゾールが3.45g得られた(収率75%)。1H−NMR (DMSO−d6) 2.18 (3H, s);8.33 (1H, s);12.55 (1H, s)。
【0164】
ステップ5 2−アセチルアミノ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドの調製
10ミリモルの2−アセチルアミノ−4−シアノチアゾールを10mlの無水メタノールに溶かし、10ミリモルのナトリウムメトキシドを添加した。これら出発材料の反応が終了したら、20ミリモルの塩化アンモニウムを添加し、密封状態で12時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過して無機塩を除去した後、得られた濾液を濃縮すると、2−アセチルアミノ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドが得られた。
【0165】
ステップ6 2−(2−アセチルアミノチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
2ミリモルの2−アセチルアミノ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを10mlの無水エタノールの中で還流下にて20時間にわたって反応させ、濃縮した後、酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が220〜223℃の無色の結晶が0.31g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.04 (3H, m);2.13 (3H, s);2.40〜2.42 (3H, d);3.91〜3.97 (2H, m);5.97 (1H, s);7.15〜7.39 (3H, m);7.64〜7.83 (1H, d);8.33〜8.98 (1H, d);12.33 (1H, s);MS (EI) 436.0 (M+)。
【0166】
例31
2−(2−アミノチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0167】
【化42】

【0168】
0.35gの2−(2−アセチルアミノチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル(例30)を6モル/リットルの塩酸溶液2mlと50℃にて2時間にわたって反応させた。反応生成物を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が95〜110℃のアモルファスな黄色い固体が0.25g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.04 (3H, m);2.39 (3H, s);3.89〜3.95 (2H, m);5.91 (1H, br);7.02〜7.38 (6H, m, br);8.83 (1H, br);MS (EI) 394.0 (M+)。
【0169】
例32
2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0170】
【化43】

【0171】
ステップ1 5−クロロチアゾール−4−カルボン酸エチルの調製
21g(123ミリモル)の2−アミノチアゾール−4−カルボン酸エチル(例30、ステップ1)を150mlのアセトニトリルに添加し、18.4g(137ミリモル)のNCSを何回かに分けて添加し、室温にて一晩にわたって反応させ、次いで19ml(137ミリモル)の亜硝酸イソアミルを一滴ずつ素早く添加した後、添加が終了するまでさらに2時間にわたって反応を続けさせた。得られた反応混合物を濃縮した後、酢酸エチルと水を添加し、濾過によって不溶性固形物を除去した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、5−クロロチアゾール−4−カルボン酸エチルが20g得られた。1H−NMR (CDCl3) 1.42〜1.45 (3H, t, J=7.0Hz);4.43〜4.46 (2H, m, J=7.0Hz);8.68 (1H, s);MS (EI) 191.0 (M+)。
【0172】
ステップ2 5−クロロチアゾール−4−カルボキサミドの調製
20gの5−クロロチアゾール−4−カルボン酸エチルを150mlのアンモニア水に添加し、撹拌しながら室温にて5時間にわたって反応させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、粗生成物が9.5g得られた。それを酢酸エチルから再結晶させると、融点が213〜216℃の針状の結晶が5.8g得られた(収率30%)。1H−NMR (DMSO−d6) 7.69 (1H, s);7.83 (1H, s);9.05 (1H, s)。
【0173】
ステップ3 4−シアノ−5−クロロチアゾールの調製
5.8g(35.7ミリモル)の5−クロロチアゾール−4−カルボキサミドを35mlのピリジンに溶かし、13.6g(71.4ミリモル)のp−トリルスルホニルクロリドを添加し、一晩にわたって反応させた後、酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。得られた有機相を、水相が酸性になるまで希HClで洗浄した後、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、5−クロロ−4−シアノチアゾールが3.1g得られた(収率60%)。それを放置すると融点が36〜39℃の針状結晶が沈澱した。13C−NMR (CDCl3, ppm) 111.72、126.65、138.96、152.55。
【0174】
ステップ4 5−クロロ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドの調製
10ミリモルの5−クロロ−4−シアノチアゾールを10mlの無水メタノールに溶かし、10ミリモルのナトリウムメトキシドを添加した。これら出発材料の反応が終了したら、20ミリモルの塩化アンモニウムを添加し、密封状態で12時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過して無機塩を除去した後、得られた濾液を濃縮すると、5−クロロ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドが得られた。
【0175】
ステップ5 2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
2ミリモルの5−クロロ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が149〜152℃の黄色っぽい固体が0.29g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.02〜1.06 (3H, m);2.42 (3H, s);3.92〜3.97 (2H, m);6.01 (1H, br);7.16〜7.41 (3H, m);9.08 (1H, s);9.58 (1H, s);MS (EI) 413.1 (M+)。
【0176】
例33
2−(2−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0177】
【化44】

【0178】
ステップ1 2−クロロチアゾール−4−カルボン酸エチルの調製
17g(100ミリモル)の2−アミノチアゾール−4−カルボン酸エチル(例30、ステップ1)を150mlのアセトニトリルに添加し、18.5g(110ミリモル)の塩化第二銅二水和物を添加し、機械で撹拌しながら18.5ml(130ミリモル)の亜硝酸イソアミルを一滴ずつゆっくりと添加し、添加が終了した後4時間にわたって反応を続けさせた。得られた反応混合物に酢酸エチルと水を添加し、濾過によって不溶性固形物を除去すると、層が分離した。水相をさらに酢酸エチルで抽出し、得られた有機相を1つにまとめ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、油状の液体が16g得られた。1H−NMR (CDCl3) 1.39〜1.43 (3H, t, J=7.0Hz);4.40〜4.44 (2H, m, J=7.0Hz);8.08 (1H, s)。
【0179】
ステップ2 2−クロロチアゾール−4−カルボキサミドの調製
16gの2−クロロチアゾール−4−カルボン酸エチルを120mlのアンモニア水に添加し、3時間にわたって反応させた。得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、無色の細い針状結晶が5.6g得られた(収率34%)。1H−NMR (DMSO−d6) 7.66 (1H, s);7.85 (1H, s);8.24 (1H, s);13C−NMR (DMSO−d6, ppm) 127.35、148.47、150.46、161.06。
【0180】
ステップ3 2−クロロ−4−シアノチアゾールの調製
5.6g(34.4ミリモル)の2−クロロチアゾール−4−カルボキサミドを35mlのピリジンに溶かし、13.1g(68.8ミリモル)のp−トリルスルホニルクロリドを添加し、一晩にわたって反応させた後、150mlの酢酸エチルと100mlの水を添加すると、層が分離した。得られた有機相を、水相が酸性になるまで希HClで洗浄した後、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が75〜78℃の2−クロロ−4−シアノチアゾールが3.7g得られた(収率75%)。13C−NMR (CDCl3, ppm) 112.73、125.62、132.38、154.04;MS (EI) 144.0 (M+)。
【0181】
ステップ4 2−クロロチアゾール−4−ホルムアミジンヒドロクロリドの調製
10ミリモルの2−クロロ−4−シアノチアゾールを10mlの無水メタノールに溶かし、10ミリモルのナトリウムメトキシドを添加した。これら出発材料の反応が終了したら、20ミリモルの塩化アンモニウムを添加し、密封状態で12時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過して無機塩を除去した後、得られた濾液を濃縮すると、2−クロロ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドが得られた。
【0182】
ステップ5 2−(2−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
2ミリモルの2−クロロ−4−チアゾールホルムアミジンヒドロクロリドと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が141〜143℃の黄色っぽい結晶が0.28g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.05 (3H, m);2.42 (3H, s);3.92〜3.95 (2H, m);5.97 (1H, br);7.16〜7.40 (3H, m);8.09 (1H, s);9.52 (1H, s);MS (EI) 413.0 (M+)。
【0183】
例34
2−(2−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0184】
【化45】

【0185】
例33の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用いることで、融点が160〜162℃の黄色い固体が0.27g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.36〜2.44 (3H, d);3.48〜3.50 (3H, d);5.87〜5.95 (1H, d);7.15〜7.40 (3H, m);8.08〜8.32 (1H, d);9.2〜9.57 (1H, d);MS (EI) 399.0 (M+)。
【0186】
例35
2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0187】
【化46】

【0188】
例32の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用いることで、融点が98〜100℃の黄色っぽい固体が0.25g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.24〜2.43 (3H, m);3.49〜3.50 (3H, d);6.01 (1H, s);7.16〜7.42 (3H, m);9.08 (1H, s);9.66 (1H, s);MS (EI) 398.9 (M+)。
【0189】
例36
2−(5−クロロチアゾル−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0190】
【化47】

【0191】
例32の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用い、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が118〜122℃の無色の固体が0.24g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.36 (3H, s);3.58 (3H, s);5.45〜5.65 (1H, m);7.10〜7.17 (2H, m);7.31〜7.35 (2H, m);9.09〜9.64 (2H, m);MS (EI) 365.0 (M+)。
【0192】
例37
2−(4−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0193】
【化48】

【0194】
ステップ1 4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの調製
3.3g(20ミリモル)のクロロアセト酢酸エチルと1.8g(30ミリモル)のチオホルムアミドを40mlのエタノールに溶かし、還流下で8時間にわたって反応させた後、回転乾燥によって溶媒を除去し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。得られた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、赤い油状の液体が得られた。精製していないその赤い油状の液体に60mlのアンモニア水を直接添加し、密封状態で24時間にわたって反応させた。反応生成物を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、濃縮すると、固体が2.3g得られた(収率82%)。
【0195】
ステップ2 4−メチル−5−シアノチアゾールの調製
7.0g(50ミリモル)の4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドを50mlのピリジンに溶かし、19g(100ミリモル)のp−トリルスルホニルクロリドを添加し、一晩にわたって反応させた後、500mlの酢酸エチルと150mlの水を添加すると、層が分離した。得られた有機相を、水相が酸性になるまで希HClで洗浄した後、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、融点が32〜34℃の4−メチル−5−シアノチアゾールが2.2g得られた(収率55%)。1H−NMR (CDCl3) 2.65 (3H, s);8.88 (1H, s)。
【0196】
ステップ3 酢酸4−メチル−5−チアゾールホルムアミジンの調製
1.6g(12.9ミリモル)の4−メチル−5−シアノチアゾールを30mlの無水メタノールに溶かし、得られた溶液を一滴ずつ、2.7g(38.8ミリモル)の塩酸ヒドロキシルアミンを溶かした無水メタノール溶液に添加し、室温にて5時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過して不溶性物質を除去し、得られた濾液を濃縮すると、油状物質が得られた。その油状物質を水に分散させると固体が沈澱した。それを濾過すると、融点が153〜154℃の細い針状の結晶が1.2g得られた(収率60%)。1H−NMR (DMSO−d6) 5.87 (2H, s)、8.91 (1H, s)、9.80 (1H,s);(D2O) 2.36 (3H, s)、8.78 (1H, s);MS (FAB) 158.1 (M+1)。
【0197】
0.83g(5.3ミリモル)のアミドキシムを25mlの氷酢酸に溶かし、0.73ml(7.7ミリモル)の無水酢酸を添加し、15分間にわたって反応させた。これらの材料の反応が終了した後、10%Pd/Cを100mg添加し、水素を充填し、大気圧下で4時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過し、得られた濾液を濃縮してほぼ乾燥状態にした後、アセトンを添加すると、無色の結晶が沈澱した。それを濾過すると、融点が182〜184℃の酢酸4−メチル−5−チアゾールホルムアミジンが0.7g得られた(66%)。1H−NMR (DMSO−d6) 1.74 (3H, s);2.53 (3H, s);9.17 (1H, s);10.04 (3H, br)。
【0198】
ステップ4 2−(4−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
2ミリモルの酢酸4−メチル−5−チアゾールホルムアミジンと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸メチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が145〜147℃の無色の結晶が0.24g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.34 (3H, s);2.38 (3H, s);3.50 (3H, s);5.95 (1H, s);7.12〜7.49 (3H, m);9.08 (1H, s);9.61 (1H, s);MS (EI) 379.0 (M+)。
【0199】
例38
2−(4−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0200】
【化49】

【0201】
例37の方法を利用するが、アセト酢酸メチルの代わりにアセト酢酸エチルを用いることで、融点が134〜139℃の無色の結晶が0.26g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.02〜1.05 (3H, m);2.34 (3H, s);2.38 (3H, s);3.93〜3.96 (2H, m);5.96 (1H, s);7.19〜7.42 (3H, m);9.01 (1H, s);9.57 (1H, s);MS (EI) 393.0 (M+)。
【0202】
例39
2−(2,4−ジメチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0203】
【化50】

【0204】
例37の方法を利用するが、チオホルムアミドの代わりにチオアセトアミドを用いることで、融点が116〜118℃の無色の結晶が0.29g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.26 (3H, s);2.37 (3H, s);2.58 (3H, s);3.49 (3H, s);5.95 (1H, s);7.16〜7.41 (3H, m);9.51 (1H, s);MS (EI) 393.0 (M+)。
【0205】
例40
2−(2,4−ジメチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0206】
【化51】

【0207】
例37の方法を利用するが、チオホルムアミドの代わりにチオアセトアミドを用い、アセト酢酸メチルの代わりにアセト酢酸エチルを用いることで、融点が117〜119℃の無色の結晶が0.31g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.05 (3H, m);2.27 (3H, s);2.37 (3H, s);2.58 (3H, s);3.92〜3.96 (2H, m);5.94 (1H, s);7.17〜7.41 (3H, m);9.47 (1H, s);MS (EI) 407.0 (M+)。
【0208】
例41
2−(2−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0209】
【化52】

【0210】
ステップ1 2−メチルチアゾール−5−カルボン酸メチルの調製
2.0g(14.6ミリモル)のホルミルクロロ酢酸メチル(A. Gangjee、A. Vidwans、E. Elzein他、 J. Med. Chem.、2001年、第44巻、1993〜2003ページ)と、1.6g(21.3ミリモル)のチオアセトアミドを10mlの水に溶かし、加熱し、5時間にわたって95℃にて反応させた。反応生成物を酢酸エチルで3回抽出し、酢酸エチル相を1つにまとめ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、2−メチルチアゾール−5−カルボン酸メチルが1.0g得られた(収率43%)。1H−NMR (CDCl3) 2.76 (3H, s)、3.89 (3H, s)、8.25 (1H, s)。
【0211】
ステップ2 2−メチル−5−チアゾールアミドの調製
1.4gの2−メチルチアゾール−5−カルボン酸メチルを25mlのアンモニア水に添加し、室温にて3時間にわたって反応させた。反応生成物を冷却し、濾過し、水で洗浄すると、融点が202〜205℃の白色の粉末状の固体が0.95g得られた(73%)。
【0212】
ステップ3 2−メチル−5−シアノチアゾールの調製
3.95g(27.8ミリモル)の2−メチル−5−チアゾールアミドを22mlのピリジンに溶かし、10.6g(55.6ミリモル)のp−トリルスルホニルクロリドを添加し、50℃にて2時間にわたって反応させた後、250mlの酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。得られた有機相を、水相が酸性になるまで希HClで洗浄した後、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、2−メチル−5−シアノチアゾールが2.2g得られた(収率65%)。1H−NMR (CDCl3) 2.80 (3H, s);8.14 (1H, s)。
【0213】
ステップ4 酢酸2−メチルチアゾール−5−ホルムアミジンの調製
4.2g(33.9ミリモル)の2−メチル−5−シアノチアゾールを30mlの無水メタノールに溶かし、得られた溶液を一滴ずつ、2.6g(37.4ミリモル)の塩酸ヒドロキシルアミンを溶かした無水メタノール溶液に添加し、室温にて5時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過して不溶性物質を除去し、得られた濾液を濃縮すると、油状物質が得られた。その油状物質にエチルエーテルを添加すると固体が沈澱した。それを濾過すると、アミドキシムが2.6g得られた(収率48%)。
【0214】
2.6g(16.5ミリモル)のアミドキシムを50mlの氷酢酸に溶かし、2.3ml(24ミリモル)の無水酢酸を添加し、15分間にわたって反応させた。これらの材料の反応が終了した後、10%Pd/Cを0.52g添加し、水素を充填し、大気圧下で4時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過し、得られた濾液を濃縮してほぼ乾燥状態にした後、アセトンを添加すると、固体が沈澱した。それを濾過すると、酢酸2−メチルチアゾール−5−ホルムアミジンが2.7g得られた(81%)。1H−NMR (DMSO−d6) 1.76 (3H, s);2.71 (3H, s);8.27 (1H, s);9.65 (3H, br);MS (EI) 141 (M+)。
【0215】
ステップ5 2−(2−メチルチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
2ミリモルの酢酸2−メチルチアゾール−5−ホルムアミジンと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が107〜111℃の黄色っぽい固体が0.24g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.0〜1.04 (3H, m);2.43 (3H, s);2.59 (3H, s);3.89〜3.93 (2H, m);5.90 (1H, s);7.14〜7.43 (3H, m);9.52 (1H, s);MS (EI) 393.0 (M+)。
【0216】
例42
2−(チアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0217】
【化53】

【0218】
例41の方法を利用するが、チオアセトアミドの代わりにチオホルムアミドを用いることで、融点が121〜125℃の黄色っぽい結晶が0.26g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.0〜1.06 (3H, m);2.44 (3H, s);3.92〜3.94 (2H, m);5.93 (1H, s);7.15〜7.44 (3H, m);8.54 (1H, d, J=0.56);9.11 (1H, d, J=0.56);9.6 (1H, s);MS (EI) 379.0 (M+)。
【0219】
例43
2−(2−アセチルアミノチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0220】
【化54】

【0221】
ステップ1 2−アミノ−5−シアノチアゾールの調製
14g(135ミリモル)のホルミルクロロアセトニトリル(A. Gangjee、A. Vidwans、E. Elzein他、J. Med. Chem.、2001年、第44巻、1993〜2003ページ)と10.3g(135ミリモル)のチオ尿素を75mlの水の中で150℃にて5時間にわたって反応させた。反応生成物を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、固体が3.5g得られた(収率21%)。1H−NMR (DMSO−d6) 7.83 (1H, s)、8.14 (2H, s)。
【0222】
ステップ2 2−アセチルアミノ−5−シアノチアゾールの調製
2.14gの2−アミノ−5−シアノチアゾールを10mlの酢酸に溶かし、1.8mlの無水酢酸を添加し、100℃にて30分間にわたって反応させた。反応生成物を冷却し、濾過すると、金属光沢のある粘土−固体が2.5g得られた(収率80%)。1H−NMR (DMSO−d6) 2.22 (3H, s)、8.36 (1H, s)、12.95 (1H, s)。
【0223】
ステップ3 酢酸2−アセチルアミノチアゾール−5−ホルムアミジンの調製
1.25gの2−アセチルアミノ−5−シアノチアゾールを60mlのメタノールに分散させ、0.95gの塩酸ヒドロキシルアミンを添加し、室温にて24時間にわたって反応させた。反応生成物を濾過し、得られた固体材料を水に分散させた後、濾過し、水で洗浄すると、粉末状のアミドキシムが1.3g得られた。1H−NMR (DMSO−d6) 2.14 (3H, s)、5.94 (2H, s)、7.79 (1H, s)、9.63 (1H, s)、12.11 (1H, s)。
【0224】
1.14gのアミドキシムを30mlの酢酸に分散させ、0.52mlの無水酢酸を添加し、室温にて1.5時間にわたって反応させた。これらの材料の反応が終了した後、10%Pd/Cを0.23g添加し、水素を充填し、室温にて一晩にわたって反応させた。反応生成物を濾過し、得られた濾液を濃縮すると、粉末状の固体になった酢酸2−アセチルアミノチアゾール−5−ホルムアミジンが1.1g得られた。
【0225】
ステップ4 2−(2−アセチルアミノチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
2ミリモルの酢酸2−アセチルアミノチアゾール−5−ホルムアミジンと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が250℃を超える黄色っぽい固体が0.32g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.0〜1.05 (3H, m);2.14 (3H, s);2.43 (3H, s);2.59 (3H, s);3.89〜3.94 (2H, m);5.89 (1H, s);7.14〜7.39 (3H, m);8.11 (1H, s);9.43 (1H, s);12.22 (1H, br);MS (EI) 436.0 (M+)。
【0226】
例44
2−(2−アミノチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0227】
【化55】

【0228】
2−(2−アセチルアミノチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル(例43)を、6モル/リットルのHClを含むエタノールとともに還流させると、融点が132〜135℃の黄色っぽい固体が0.15g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.0〜1.05 (3H, m);2.50 (3H, s);3.90〜3.93 (2H, m);5.82 (1H, s);7.13〜7.50 (5H, m);7.69 (1H, s);9.19 (1H, s);MS (EI) 394.0 (M+)。
【0229】
例45
2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0230】
【化56】

【0231】
ステップ1 2−クロロ−5−シアノチアゾールの調製
3.4g(27ミリモル)の2−アミノ−5−シアノチアゾール(例43)と5.1g(30ミリモル)の塩化第二銅二水和物を100mlのアセトニトリルに分散させた。この混合物を強く撹拌している中に、亜硝酸イソアミルをアセトニトリルに溶かした溶液5.7mlを30分間かけて一滴ずつ素早く添加した後、10時間にわたって反応を継続させた。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルに溶かし、濾過して不溶性物質を除去した。有機相を濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、液体が2.6g得られた(収率67%)。それを放置すると、融点が54〜57℃の針状の結晶が沈澱した。13C−NMR (CDCl3, ppm) 108.16、110.41、150.59、157.36;MS (EI) 144.1 (M+)。
【0232】
ステップ2 2−クロロチアゾール−5−ホルムアミジンヒドロクロリドの調製
0.43gの2−クロロ−5−シアノチアゾールを8mlの無水メタノールに溶かし、0.16gのナトリウムメトキシドを添加し、撹拌しながら15分間にわたって反応させた後、0.48gの塩化アンモニウムを添加し、密封状態でさらに24時間にわたって反応させた。最後に、反応生成物を濾過して不溶性物質を除去し、得られた濾液を濃縮し、イソプロパノールから再結晶させると、黄色っぽい結晶性の固体が0.47g得られた(収率79%)。
【0233】
ステップ3 2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
2ミリモルの2−クロロチアゾール−5−ホルムアミジンヒドロクロリドと、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が159〜162℃の黄色っぽい結晶が0.29g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.0〜1.03 (3H, m);2.43 (3H, s);3.92〜3.95 (2H, m);5.91 (1H, s);7.16〜7.41 (3H, m);8.31 (1H, s);9.69 (1H, s);MS (EI) 413.0 (M+)。
【0234】
例46
2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0235】
【化57】

【0236】
例45の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用いることで、融点が230℃を超える黄色っぽい固体が0.26g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.44 (3H, s);3.48 (3H, s);5.89 (1H, s);7.15〜7.41 (3H, m);8.31 (1H, s);9.73 (1H, s);MS (EI) 399.0 (M+)。
【0237】
例47
2−(2−クロロチアゾル−5−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0238】
【化58】

【0239】
例45の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用い、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が175〜178℃の黄色っぽい細い針状の結晶が0.23g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.38 (3H, s);3.56 (3H, s);5.53 (1H, s);7.12〜7.28 (4H, m);8.33 (1H, s);9.73 (1H, s);MS (EI) 365.0 (M+)。
【0240】
例48
2−(1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0241】
【化59】

【0242】
2ミリモルのメタンスルホン酸1H−イミダゾール−2−ホルムアミジン(Tommasi, R.A.、Macchia, W.M.、Parker, D.T.、Tetrahedron Lett.、1998年、第39巻、5947〜5950ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が157〜162℃の無色の細い針状の結晶が0.19g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.02〜1.06 (3H, t, J=7Hz);2.43 (3H, s);3.91〜3.93 (2H, m, J=7Hz);5.99 (1H, s);7.04〜7.42 (5H, m);9.59 (1H, s);12.69 (1H, s);MS (EI) 362.1 (M+)。
【0243】
例49
2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0244】
【化60】

【0245】
2ミリモルのメタンスルホン酸N−メチル−1H−イミダゾール−2−ホルムアミジン(Tommasi, R.A.、Macchia, W.M.、Parker, D.T.、Tetrahedron Lett.、1998年、第39巻、5947〜5950ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が166〜167℃の黄色っぽい円柱状の結晶が0.23g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.03〜1.06 (3H, m);2.48 (3H, s);3.81 (1H, s);3.93〜3.99 (2H, m);6.00 (1H, s);6.99〜7.42 (5H, m);9.57 (1H, s);MS (EI) 376.1 (M+)。
【0246】
例50
2−(N−ベンジル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0247】
【化61】

【0248】
2ミリモルのメタンスルホン酸N−ベンジル−1H−イミダゾール−2−ホルムアミジン(Tommasi, R.A.、Macchia, W.M.、Parker, D.T.、Tetrahedron Lett.、1998年、第39巻、5947〜5950ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸エチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が114〜117℃の無色の顆粒が0.31g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.0〜1.05 (3H, m, J=7.0Hz);2.46 (3H, s);3.91〜3.96 (2H, m, J=7.0Hz);5.43〜5.46 (1H, d, J=14.3Hz);5.81〜5.85 (1H, d, J=14.3Hz);6.00 (1H, s);6.92〜7.5 (10H, m);9.57 (1H, s);MS (EI) 452.1 (M+)。
【0249】
例51
2−(N−ベンジル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0250】
【化62】

【0251】
例50の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が162〜164℃の無色の細い針状の結晶が0.26g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.10〜1.13 (3H, m, J=7.28Hz);2.40 (3H, s);4.0〜4.03 (2H, m, J=7.28Hz);5.52〜5.56 (1H, d, J=14.56Hz);5.62 (1H, s);5.81〜5.84 (1H, d, J=14.56Hz);6.99〜7.56 (11H, m);9.54 (1H, s);MS (EI) 418.2 (M+)。
【0252】
例52
2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0253】
【化63】

【0254】
例49の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに2−クロロベンズアルデヒドを用いることで、融点が124〜127℃の黄色っぽい結晶が0.27g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.02〜1.06 (3H, t);2.47 (3H, s);3.81 (3H, s);3.93〜3.96 (2H, m);6.03 (1H, s);6.98 (1H, m);7.22〜7.45 (5H, m);9.53 (1H, s);MS (EI) 358.0 (M+)。
【0255】
例53
2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0256】
【化64】

【0257】
例49の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いることで、融点が134〜136℃の黄色っぽい結晶が0.24g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.12〜1.16 (3H, m);2.39 (3H, s);3.86 (3H, s);4.00〜4.05 (2H, m);5.67 (1H, s);7.02〜7.16 (3H, m);7.29〜7.40 (3H, m);9.52 (1H, s);MS (EI) 342.3 (M+)。
【0258】
例54
2−(1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0259】
【化65】

【0260】
例48の方法を利用するが、2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに2−クロロベンズアルデヒドを用いることで、融点が121〜125℃の無色の固体が0.22g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.01〜1.05 (3H, t, J=7Hz);2.43 (3H, s);3.91〜3.94 (2H, m, J=7Hz);6.03 (1H, s);7.04〜7.38 (6H, m);9.54 (1H, s);12.67 (1H, s);MS (EI) 344.2 (M+)。
【0261】
例55
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0262】
【化66】

【0263】
2ミリモルの2,6−ジフルオロベンズアミジンヒドロクロリド(Boere, R.J.、Oakley, R.T.、Read, R.V.、J. Organometal. Chem.、1987年、第331巻、161〜167ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸メチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が126〜128℃の無色の細い針状の結晶が0.21g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.87 (3H, s);3.45 (3H, s);5.92 (1H, s);7.10〜7.38 (6H, m);9.87 (1H, s);MS (EI) 394.0 (M+)。
【0264】
例56
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0265】
【化67】

【0266】
例55の方法を利用するが、アセト酢酸メチルの代わりにアセト酢酸エチルを用いることで、融点が163〜165℃の無色の細い針状の結晶が0.19g得られた。1H−NMR (400MHz, CDCl3)δ1.13〜1.16 (3H, t, J=7.0Hz);2.44 (3H, s);4.04〜4.06 (2H, m, J=7.0Hz);6.17 (1H, s);6.88〜7.13 (4H, m);7.31〜7.46 (3H, m);MS (FAB) 409 (M+1)。
【0267】
例57
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸イソプロピルの調製
【0268】
【化68】

【0269】
例55の方法を利用するが、アセト酢酸メチルの代わりにアセト酢酸イソプロピルを用いることで、融点が155〜158℃の白色の毛房状の固体が0.14g得られた。1H−NMR (400MHz, CDCl3)δ0.95〜0.97 (3H, d, J=6.2Hz);1.21〜1.22 (3H, d, J=6.2Hz);2.45 (3H, s);4.92〜4.95 (1H, m, J=6.2Hz);6.17 (1H, s);6.88〜7.01 (3H, m);7.10〜7.12 (1H, m);7.33〜7.47 (2H, m);MS (FAB) 423.1 (M+1)。
【0270】
例58
2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0271】
【化69】

【0272】
2ミリモルの酢酸2,4,6−トリフルオロベンズアミジン(Judkins, B.D.、Allen, D.G.、Cook, T.A.、Synth. Commun.、1996年、第26巻(23)、4351〜4367ページ)と、2ミリモルの2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと、2ミリモルのアセト酢酸メチルと、2.2ミリモルの酢酸ナトリウムを、10mlの無水エタノールの中で、還流下にて20時間にわたって反応させた後、濃縮し、次いで酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、融点が184〜186℃の無色の細い針状の結晶が0.29g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.02〜1.05 (3H, t, J=7.3Hz);2.32 (3H, s);3.92〜3.95 (2H, m, J=7.3Hz);5.97 (1H, s);7.21〜7.45 (5H, m);MS (EI) 426 (M+)。
【0273】
例59
2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチルの調製
【0274】
【化70】

【0275】
例58の方法を利用するが、アセト酢酸エチルの代わりにアセト酢酸メチルを用いることで、融点が112〜114℃の無色の結晶が0.27g得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ2.33 (3H, s);3.51 (3H, s);5.96 (1H, s);7.20〜7.43 (5H, m);9.9 (1H, s);MS (EI) 412 (M+)。
【0276】
例60
R,R−N−(1−フェニルエチル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0277】
【化71】

【0278】
1.58g(10ミリモル)の2−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドと2.04g(10ミリモル)のR−N−(1−フェニルエチル)アセチルアセトアミドを40mlのエタノールに溶かし、室温にて2日間にわたって撹拌した後、2.34g(10ミリモル)の酢酸2,4,6−トリフルオロベンズアミジンを添加し、還流下で一晩にわたって反応させた。蒸発によって溶媒を除去した後、酢酸エチルと水を添加すると、層が分離した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラム・クロマトグラフィによって分離すると、混合物が4.7g得られた。この混合物を酢酸エチルに溶かすと固体が沈澱した。それを50%エタノールから再結晶させると、無色の針状の結晶が得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.3〜1.33 (3H, m);1.97 (3H, s);4.81〜4.88 (1H, m);5.96 (1H, s);7.04〜7.39 (9H, m);7.57〜7.61 (1H, m);8.11〜8.13 (1H, d);9.25 (1H, s);MS (EI) 501 (M+)。
【0279】
例61
R,R−N−(1−フェニルエチル)−N−1−アセチル−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0280】
【化72】

【0281】
例7の方法を利用し、例60の化合物から無色の細い針状の結晶を得た。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.39〜1.41 (3H, d, J=7.0);2.07 (3H, s);2.10 (3H, s);4.95〜4.99 (1H, m);6.47 (1H, s);7.08〜7.30 (8H, m);7.45〜7.51 (2H, m);8.70〜8.72 (1H, d, J=8.12);MS (EI) 543 (M+)。
【0282】
例62
4−R−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチルの調製
【0283】
【化73】

【0284】
例58の化合物の(−)−鏡像異性体がキラル分離によって無色の針状の結晶として得られた。1H−NMR (400MHz, DMSO−d6)δ1.02〜1.05 (3H, t, J=7.0Hz);2.32 (3H, s);3.92〜3.96 (2H, m, J=7.0Hz);5.97 (1H, s);7.21〜7.45 (5H, m);9.86 (1H, s);MS (EI) 426 (M+);[α]D=−92.38(メタノール)。
【0285】
例63
選択された化合物の細胞毒性と抗ウイルス活性の測定
本発明の化合物の細胞毒性と抗ウイルス活性を上に説明した方法に従って測定した。結果を表1に示してある。
【0286】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物:
【化1】

またはその薬理学的に許容可能な塩(一般式(I)において、
1は、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C2〜C4)−アルケニル、(C2〜C6)−アシル、またはベンゾイルを表わし、
2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ベンジル、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルキルチオ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)−アシルオキシ、アミノ、(C1〜C6)−アルキルアミノ、(C1〜C6)−ジアルキルアミノ、および(C1〜C6)−アシルアミノの中から独立して選択される1または複数の置換基を表わし、
3は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、および(C1〜C6)−アルキルの中から独立して選択される1または複数の置換基を表わし(そのアルキルは、6〜10個の炭素原子を有するアリール、ハロゲン、一般式−S−R6で表わされる基、一般式NR78で表わされる基、一般式CO−NR910で表わされる基、または一般式−A−CH2−R11で表わされる基で置換されていてもよく、これらの一般式において、
6は、ハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表わし、
7、R8、R9、およびR10は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、フェニル、ヒドロキシル置換されたフェニル、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アシル、または(C1〜C6)−アルキル(このアルキルは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、フェニル、またはヒドロキシル置換されたフェニルで置換されていてもよい)を表わし、
Aは、O、S、SO、またはSO2を表わし、
11は、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、(C1〜C6)−アルキル、および(C1〜C6)−アルコキシの中から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいフェニルを表わす)、
4は、一般式−XR12または−NR1314によって表わされる基を表わし(これらの一般式において、
Xは酸素または結合を表わし
12は、水素、直鎖もしくは分岐鎖の(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、または直鎖もしくは分岐鎖もしくは環式で飽和もしくは不飽和の(C1〜C8)−ヒドロカルビルを表わし(そのヒドロカルビルは、O、CO、NH、−NH(C1〜C4)−アルキル、−N((C1〜C4)−アルキル)2、S、およびSO2からなるグループの中から選択された1個または2個の同じヘテロ鎖単位または異なるヘテロ鎖単位を含んでいてもよく、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、6〜10個の炭素原子を有するアリール、アラルキル、ヘテロアリール、または一般式−NR1516で表わされる基によって置換されていてもよく、
15とR16は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、または(C1〜C6)−アルキルを表わす)、
13とR14は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、(C1〜C6)−アルキル、または3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表わす)、
5は、水素、ベンジル、または(C1〜C6)−アルキルを表わす(そのアルキルは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、フェニル、または置換されたフェニルで置換されていてもよい))。
【請求項2】
(1)2−(1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(2)2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(3)2−(N−ベンジル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(4)2−(N−ベンジル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(5)2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(6)2−(N−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;および
(7)2−(1H−イミダゾル−2−イル)−4−(2−クロロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル
からなるグループから選択される、請求項1に記載の一般式(I)の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項3】
一般式(I)の化合物:
【化2】

またはその薬理学的に許容可能な塩(一般式(I)において、
1は、水素、(C1〜C4)−アルキル、(C2〜C4)−アルケニル、(C2〜C6)−アシル、またはベンゾイルを表わし、
2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、ニトロ、ベンジル、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルキルチオ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)−アシルオキシ、アミノ、(C1〜C6)−アルキルアミノ、(C1〜C6)−ジアルキルアミノ、および(C1〜C6)−アシルアミノの中から独立して選択される1または複数の置換基を表わし、
3は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルホニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、および(C1〜C6)−アルキルの中から独立して選択される1または複数の置換基を表わし(そのアルキルは、6〜10個の炭素原子を有するアリール、ハロゲン、一般式−S−R6で表わされる基、一般式NR78で表わされる基、一般式CO−NR910で表わされる基、または一般式−A−CH2−R11で表わされる基で置換されていてもよく、これらの一般式において、
6は、ハロゲンで置換されていてもよいフェニルを表わし、
7、R8、R9、およびR10は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、フェニル、ヒドロキシル置換されたフェニル、ヒドロキシル、(C1〜C6)−アシル、または(C1〜C6)−アルキル(このアルキルは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、フェニル、またはヒドロキシル置換されたフェニルで置換されていてもよい)を表わし、
Aは、O、S、SO、またはSO2を表わし、
11は、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、(C1〜C6)−アルキル、および(C1〜C6)−アルコキシの中から独立して選択される1または複数の基で置換されていてもよいフェニルを表わす)、
4は、一般式−XR12または−NR1314によって表わされる基を表わす(これらの一般式において、
Xは酸素または結合を表わし
12は、水素、直鎖もしくは分岐鎖の(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、または直鎖もしくは分岐鎖もしくは環式で飽和もしくは不飽和の(C1〜C8)−ヒドロカルビルを表わし(そのヒドロカルビルは、O、CO、NH、−NH(C1〜C4)−アルキル、−N((C1〜C4)−アルキル)2、S、およびSO2からなるグループの中から選択された1個または2個の同じヘテロ鎖単位または異なるヘテロ鎖単位を含んでいてもよく、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、6〜10個の炭素原子を有するアリール、アラルキル、ヘテロアリール、または一般式−NR1516で表わされる基によって置換されていてもよく、
15とR16は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、または(C1〜C6)−アルキルを表わす)、
13とR14は、同じでも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ベンジル、(C1〜C6)−アルキル、または3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表わす))。
【請求項4】
(1)2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル;
(2)2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
(3)R,R−N−(1−フェニルエチル)−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボキサミド;
(4)R,R−N−(1−フェニルエチル)−N−1−アセチル−4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボキサミド;および
(5)4−R−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−2−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−6−メチル−1,4−ジヒドロ−ピリミジン−5−カルボン酸エチル
からなるグループから選択される、請求項3に記載の一般式(I)の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩と、少なくとも1種類の薬理学的に許容可能なキャリアとを含む医薬組成物。
【請求項6】
B型肝炎ウイルスの感染によって起こる急性または慢性の疾患の治療用の薬剤を調製するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩の使用。

【公開番号】特開2012−121926(P2012−121926A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56691(P2012−56691)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【分割の表示】特願2009−518702(P2009−518702)の分割
【原出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(509011592)ベイジン モリキュール サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミティド (2)
【Fターム(参考)】