説明

ジヒドロプテリジノンの製造方法

【課題】ジヒドロプテリジノンの改良された調製方法の提供。
【解決手段】以下の反応例で例示されるジヒドロプテリジノン誘導体の調整法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式(I)のジヒドロプテリジノンの調製方法に関する。
【化1】

(式中、L、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項及び本明細書で与える意味を有する。)
【背景技術】
【0002】
〔発明の背景〕
プテリジノン誘導体は、抗増殖活性を有する活性物質として先行技術から公知である。
WO 03/020722は、腫瘍性疾患の治療用ジヒドロプテリジノン誘導体の使用及びその調製方法を開示している。
本発明の目的は、本発明のジヒドロプテリジノンの改良された調製方法を提供することである。
【発明の概要】
【0003】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、WO 03/020722に開示されている方法との比較によって、収束方法を構成する後記合成法によって上記問題を解決する。
従って、本発明は、下記一般式(I):
【化2】

【0004】
(式中、
R1、R2は、同一又は異なってよく、水素又は任意に置換されていてもよいC1-C6-アルキルを表し、
或いは
R1とR2が一緒に、1〜2個のヘテロ原子を含んでよい2-員〜5-員アルキルブリッジを表し、 R3は、水素、又は任意に置換されていてもよいC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル及びC6-C14-アリールの中から選択される基を表し、或いは
任意に置換及び/又は架橋されていてもよいC3-C12-シクロアルキル、C3-C12-シクロアルケニル、C7-C12-ポリシクロアルキル、C7-C12-ポリシクロアルケニル、C5-C12-スピロシクロアルキル、C3-C12-ヘテロシクロアルキル(1〜2個のヘテロ原子を含む)、及びC3-C12-ヘテロシクロアルケニル(1〜2個のヘテロ原子を含む)の中から選択される基を表し、或いは
R1とR3又はR2とR3が一緒に、飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(任意に1個のヘテロ原子を含んでよい)を表し、
【0005】
R4は、水素、-CN、ヒドロキシ、-NR6R7及びハロゲンの中から選択される基、又は
任意に置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C5-アルキルオキシ、C2-C5-アルケニルオキシ、C2-C5-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキ
ルチオ、C1-C6-アルキルスルホキソ及びC1-C6-アルキルスルホニルの中から選択される基を表し、
Lは、任意に置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、任意に架橋されていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(任意に1又は2個の窒素原子を含んでよい)の中から選択されるリンカーを表し、
nは、0又は1を表し、
mは、1又は2を表し、
R5は、任意に置換されていてもよいモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニルカルボニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルフォリニル、スルホニルモルフォリニル、チオモルフォリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選択される基を表し、
【0006】
R6、R7は、同一又は異なってよく、水素又はC1-C4-アルキルを表し、
かつ
R8、R9は、R5における同一又は異なってよい無置換の窒素置換基を表し、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、
C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選択される基のいずれかを意味する)のジヒドロプテリジノンの調製方法であって、
下記式(II):
【0007】
【化3】

(式中、
R1〜R3は、前記定義どおりであり、かつAは脱離基である)の化合物を下記式(III):
【0008】
【化4】

(式中、
R4、R5、L及びm、nは、前記定義どおり)の化合物と反応させる方法に関する。
本発明は、さらに、上述したとおりの一般式(I)(式中、R5がモルフォリニル又はピペラジニル基を表し、アルキル又はシクロアルキル基、好ましくはシクロプロピルメチル又はジメチルで一置換又は二置換されていてもよい)のジヒドロプテリジノンの調製方法に関する。
本発明は、さらに、上述したとおりの一般式(I)(式中、該ジヒドロプテリジノンが、一般式(I)の以下のジヒドロプテリジノンの中から選択される)の調製方法に関する。
【0009】
【化5】

【0010】
【化6】

【0011】
【化7】

【0012】
(ここで、上表で使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は、それぞれ対応する基R1、R2、R3、R4及びLn-R5mに代えて、上表に列挙される一般式中の位置へのリンクを表す。)
好ましい方法では、無機酸及び有機酸のような酸触媒の存在下で反応を行う。
使用する酸触媒が有機スルホン酸、好ましくはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸である方法も好ましい。
添加する酸触媒の量が0.001〜2当量である方法が特に好ましい。
式(I)の化合物が、R5m-Ln基中に1個以上の塩基性基を含む場合、該塩基性基(複数の塩基性基)のプロトン化ひいては遮断の目的のため、触媒量の酸に加え、さらに等価の酸又は対応して等価より多くの酸を添加しなければならない。この場合、特に好ましい方法では、添加する酸触媒の量は1当量より多い。
【0013】
また、アミド、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はN-メチルピロリジノン、ウレア、例えば1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミドン(DMPU又はジメチルプロピルウレア)、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド又はスルホン、例えばスルホラン、一級アルコール、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール又は1-ペンタノール、二級アルコール、例えば2-プロパノール又は2-ブタノール、ペンタン若しくはヘキサンの異性二級アルコール、ブタン、ペンタン若しくはヘキサンの三級アルコール、アセトニトリル及び2-プロピルニトリルの中から選択される溶媒中で反応を行う方法が特に好ましい。二級アルコール、例えば2-プロパノール、2-ブタノール又は2-メチル-4-ペンタノールが特に好ましい。
反応温度が18℃〜180℃、好ましくは100℃〜150℃の方法が特に好ましい。
低沸点溶媒中、圧力下で反応を行うか、又はエネルギー源としてマイクロ波を用いて反応を行うこともできる。
常法、例えば、抽出精製工程又は沈殿法及び結晶化法によって反応を仕上げる。
本発明の化合物は、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物、ジアステレオマー又はラセミ化合物の形態、互変異性体の形態で存在してよく、また、遊離塩基又は薬理学的に許容しうる酸との対応する酸付加塩、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸、又は有機酸、例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸若しくはメタンスルホン酸との酸付加塩の形態でもよい。
【0014】
用語アルキル基(他の基の一部であるアルキル基を含む)は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びドデシルを表す。特に断らない限り、上記用語プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びドデシルは、すべての可能な異性形を包含する。例えば、用語プロピルは、2個の異性基n-プロピルとイソ-プロピルを含み、用語ブチルはn-ブチル、イソ-ブチル、sec.ブチル及びtert.-ブチルを含み、用語ペンチルは、イソ-ペンチルとネオペンチルを包含する。
上記アルキル基中、1個以上の水素原子は、任意に他の基と置き換わっていてもよい。
例えば、これらアルキル基はフッ素で置換されていてもよい。任意に、アルキル基のすべての水素原子が置き換わっていてもよい。
用語アルキルブリッジは、特に断らない限り、1〜5個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキル基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソ-ブチル、sec.ブチル及びtert.-ブチル等のブリッジを表す。メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンブリッジが特に好ましい。上記アルキルブリッジ中、1〜2個のC-原子は、任意に、酸素、窒素又はイオウの中から選択される1個以上のヘテロ原子と置き換わっていてもよい。
【0015】
用語アルケニル基(他の基の一部であるものを含む)は、少なくとも1個の二重結合を有することを条件として、2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子、最も好ましくは2〜3個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキレン基を表す。例として、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル等が挙げられる。特に断らない限り、上記用語プロペニル、ブテニル等はすべての可能な異性形も包含する。例えば、用語ブテニルは、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル及び1-エチル-1-エテニルを包含する。
上記アルケニル基中、特に断らない限り、1個以上の水素原子は、任意に他の基と置き換わっていてもよい。例えば、これらアルキル基は、ハロゲン原子フッ素で置換されていてもよい。任意に、アルケニル基のすべての水素原子が置き換わっていてもよい。
用語アルキニル基(他の基の一部であるものを含む)は、少なくとも1個の三重結合を有することを条件として、2〜10個の炭素原子を有する分岐及び不分岐アルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等、好ましくはエチニル又はプロピニルを表す。
上記アルキニル基中、特に断らない限り、1個以上の水素原子は、任意に他の基と置き換わっていてもよい。例えば、これらアルキニル基はフッ素で置換されていてもよい。任意に、アルキニル基のすべての水素原子が置き換わっていてもよい。
【0016】
用語アリールは、6〜14個の炭素原子、好ましくは6又は10個の炭素原子を有する芳香環系、好ましくはフェニルを表し、特に断らない限り、1個以上の以下の置換基、例えばOH、NO2、CN、OMe、-OCHF2、-OCF3、-NH2、ハロゲン、好ましくはフッ素若しくは塩素、C1-C10-アルキル、好ましくはC1-C5-アルキル、好ましくはC1-C3-アルキル、特に好ましくはメチル若しくはエチル、-O-C1-C3-アルキル、好ましくは-O-メチル若しくは-O-エチル、-COOH、-COO-C1-C4-アルキル、好ましくは-O-メチル若しくは-O-エチル、又は-CONH2を持っていてよい。
2個までのC原子が1又は2個の窒素原子と置き換わっているヘテロアリール基の例として、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジンが挙げられ、上記各ヘテロアリール環は、任意にベンゼン環に環付加していてもよく、好ましくはベンズイミダゾールであり、これらヘテロ環は、特に反対に述べていない限り、例えば1個以上の以下の置換基を持っていてよい:F、Cl、Br、OH、OMe、メチル、エチル、CN、CONH2、NH2、任意に置換されていてもよいフェニル、任意に置換されていてもよいヘテロアリール、好ましくは任意に置換されていてもよいピリジル。
シクロアルキル基の例は、3〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル、好ましくはシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、上記各シクロアルキル基は、任意に、1個以上の置換基、例えば、OH、NO2、CN、OMe、-OCHF2、-OCF3、-NH2又はハロゲン、好ましくはフッ素若しくは塩素、C1-C10-アルキル、好ましくはC1-C5-アルキル、好ましくはC1-C3-アルキル、特に好ましくはメチル若しくはエチル、-O-C1-C3-アルキル、好ましくは-O-メチル若しくは-O-エチル、-COOH、-COO-C1-C4-アルキル、好ましくは-COO-メチル若しくは-COO-エチル又は-CONH2を持っていてもよい。
シクロアルキル基の特に好ましい置換基は、=O、OH、NH2、メチル又はFである。
【0017】
シクロアルケニル基の例は、少なくとも1個の二重結合を有する、炭素原子数が3〜12のシクロアルキル基、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニル、好ましくはシクロプロペニル、シクロペンテニル又はシクロヘキセニルを表し、上記各シクロアルケニル基は、任意に1個以上の置換基を持っていてもよい。
“=O”は、二重結合で連結された酸素原子を表す。
ヘテロシクロアルキル基の例は、該定義で特に断らない限り、3-員〜12-員、好ましくは5-、6-又は7-員の、飽和若しくは不飽和ヘテロ環であり、ヘテロ原子として窒素、酸素又はイオウを含み、例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラノン、γ-ブチロラクトン、α-ピラン、γ-ピラン、ジオキソロン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジヒドロチオフェン、チオラン、ジチオラン、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、テトラゾール、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、テトラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ジアゼパン、オキサジン、テトラヒドロ-オキサジニル、イソチアゾール、ピラゾリジン、好ましくはモルフォリン、ピロリジン、ピペリジン又はピペラジンであり、該ヘテロ環式基は、任意に、置換基、例えばC1-C4-アルキル、好ましくはメチル、エチル又はプロピルを持っていてよい。
ポリシクロアルキル基の例は、任意に置換されていてもよい2-、3-、4-又は5環式シクロアルキル基、例えばピナン、2.2.2-オクタン、2.2.1-ヘプタン又はアダマンタンである。ポリシクロアルケニル基の例は、任意に架橋及び/又は置換されていてもよい8-員の2-、3-、4-又は5環式シクロアルケニル基、好ましくはビシクロアルケニル又はトリシクロアルケニル基であり、少なくとも1個の二重結合を含む場合、例えばノルボルネンである。スピロアルキル基の例は、任意に置換されていてもよいスピロ環式C5-C12アルキル基である。
用語ハロゲンは、一般的にフッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素、塩素又は臭素、特に好ましくは塩素を表す。
【0018】
脱離基Aは、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホニル、エタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル又はp-トルエンスルホニルのような脱離基、好ましくは塩素を表す。
文献公知の方法、例えばWO 03/020722に記載の合成方法と同様に中間体化合物(II)及び(III)を調製することができる。
トランス-ジアミノ-置換されたシクロヘキサンの場合、後述する方法によって中間体化合物(III)を調製することができる。
前述した方法と同様に、とりわけ下表1に列挙した式(I)の化合物が得られる。
表1で使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は、それぞれ対応する基R1、R2、R3、R4及びLn-R5mに代えて、表1で示される一般式中の位置へのリンクを表す。
【0019】
【化8】

【0020】
【化9】

【0021】
【化10】

【0022】
【化11】

【0023】
【化12】

【0024】
【化13】

【0025】
【化14】

【0026】
【化15】

【0027】
【化16】

【0028】
【化17】

【0029】
【化18】

【0030】
【化19】

【0031】
【化20】

【0032】
【化21】

【0033】
【化22】

【0034】
【化23】

【0035】
【化24】

【0036】
【化25】

【0037】
【化26】

【0038】
【化27】

【0039】
【化28】

【0040】
【化29】

【0041】
【化30】

【0042】
【化31】

【0043】
【化32】

【0044】
【化33】

【0045】
【化34】

【0046】
【化35】

【0047】
【化36】

【0048】
【化37】

【0049】
【化38】

【0050】
【化39】

【0051】
【化40】

【0052】
【化41】

【0053】
【化42】

【0054】
【化43】

【0055】
【化44】

【0056】
【化45】

【0057】
【化46】

【0058】
【化47】

【0059】
【化48】

【0060】
【化49】

【0061】
【化50】

【0062】
【化51】

【0063】
【化52】

【0064】
【化53】

【0065】
【化54】

【0066】
【化55】

【0067】
【化56】

【0068】
【化57】

【0069】
以下の合成例は、本発明をこれら内容に限定することなく、本発明をさらに実証するための手順の例として解釈すべきである。該合成をダイアグラム(1)〜(3)に示す。
実施例番号46の化合物の合成(合成ダイアグラム1):
【0070】
【化58】

【0071】
以下の手順によるアニリンフラグメント4の調製:
化合物3の調製:
【化59】

【0072】
変形1A:
1.2Lのジクロロメタン中の100g(0.507mol)の3-メトキシ-4-ニトロ安息香酸2、163g(0.508mol)のO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート及び192mL(1.1mol)のエチルジイソプロピルアミンの懸濁液を25℃で1時間撹拌する。生成溶液に58g(0.508mol)の1-メチル-4-アミノピペリジン1を加え、これを20℃で16時間撹拌する。この溶液をエバポレートして600mLとし、有機相を1モル濃度のアンモニア溶液80mLで5回洗浄する。有機相をエバポレーションで濃縮し、ジクロロメタン/メタノール/濃アンモニア(15:1:0.1)を用いて残留物をシリカゲルに通してクロマトグラフ処理する。生成物フラクションを混ぜ合わせ、溶媒を蒸発させ、酢酸エチル/メタノールから生成物を結晶させる。123gの生成物3が得られる。
変形1B:
4.00kg(20.3mol)の3-メトキシ-4-ニトロ安息香酸2を54Lのトルエンに入れる。16Lのトルエンを常圧で蒸留して除く。混合物を105℃に冷まし、2Lのトルエン中の40mlのジメチルホルムアミドを添加する。120℃のジャケット温度で、2.90kg(24.3mol)の塩化チオニルを30分以内で流し込み、混合物を4Lのトルエンですすぐ。還流温度で反応混合物を撹拌する。次に12Lのトルエンを常圧下で蒸留して除く。反応器の内容物を冷ます。2Lのトルエン中2.55kg(22.3mol)の1-メチル-4-アミノピペリジン1と2Lのトルエン中2.46kg(24.3mol)のトリエチルアミンの溶液を55〜65℃で流し込む。混合物を4Lのトルエンですすぐ。この懸濁液を1時間撹拌する。20Lの水を流し込み、35〜40℃で3.08kg(30.4mol)の濃塩酸(36%)を添加する。混合物を2Lの水ですすぐ。35〜40℃で2つの相が形成される。有機相を分別し、生成物を含む水相を反応器に戻す。これを4Lの水ですすぐ。減圧下50℃にて3.2Lの水を蒸留して除く。残存溶液に40℃にて4.87kg(60.9mol)の水酸化ナトリウム溶液(50%)を流し込む。これを4Lの水ですすぐ。生成物懸濁液を22℃に冷まし、この温度で30分撹拌する。懸濁液を吸引ろ過し、フィルターケークを40Lの水で洗浄する。真空乾燥カップボード内で40℃にて生成物を乾燥させる。5.65kgの生成物が得られる。
化合物4の調製:
【0073】
【化60】

変形2A:
2Lのメタノール中145g(0.494mol)の化合物3の溶液を2gのパラジウム(木炭上)(10%)の存在下、4バールで水素化する。触媒をろ別し、ろ液をエバポレーションで濃縮する。128gの生成物4が得られる。
変形2B:
5.00kg(17.0mol)の化合物3と600gの活性炭(工業グレード)に25Lの脱塩水を加える。次に2.05kg(34.1mol)の酢酸を添加する。22〜25℃で懸濁液を15分撹拌する。3Lの脱塩水に懸濁させた500gのパラジウム(木炭上)(10%)を加え、混合物を2Lの脱塩水ですすぐ。反応器の内容物を40℃に加熱し、この温度で水素の取込みが終了するまで水素化する。反応混合物をろ過し、フィルターケークを10Lの脱塩水で洗浄する。
結晶化のため、ろ液を反応器に移し、該輸送溶液を5Lの脱塩水ですすぐ。反応器の内容物を50℃に加熱する。5.45kg(68.2mol)の水酸化ナトリウム溶液(50%,工業グレード)と7Lの脱塩水の混合物を加える。混合物を45〜50℃で10分撹拌する。懸濁液を20℃に冷まし、この温度で1〜1.5時間撹拌する。生成物を吸引ろ過し、30Lの脱塩水で洗浄し、真空乾燥カップボード内で45℃にて乾燥させる。4.13kgの生成物4が得られる。
【0074】
以下の手順によるジヒドロプテリジノンフラグメント9の調製:
アミノ酸エステル6a〜6dの調製:
【化61】

【0075】
メチルエステル6a、エチルエステル6b及び2-プロピルエステル6cは、文献公知の方法により、例えばWO 03/020722 A1に従って調製される。tert.-ブチルエステル6dは、過塩素酸の存在下、酢酸tert.ブチルとのエステル交換によって調製される(J. Med. Chem., Vol 37, No 20, 1994, 3294-3302)。
アミノ酸は、次の求核置換反応において塩基の形態で、又は塩酸塩として用いられる。
アミノ酸アミド6e、6fの調製:
【化62】

【0076】
アミノ酸アミド6eは、周囲温度にて40%のメチルアミン水溶液によるメチルエステル6aのアミノ分解によって調製される。
アミノ酸アミド6fは、カップリング試薬としてO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートの存在下、5倍過剰の2モル濃度のジメチルアミン溶液(テトラヒドロフラン中)との遊離アミノ酸のアミド形成によって調製される。
アミノ酸アミド7の調製:
【0077】
【化63】

【0078】
メチルエステル7aの調製:
10Lのシクロヘキサン中の457g(2.06mol)のアミノ酸メチルエステル6aと693g(8.25mol)の粉末炭酸水素ナトリウムの懸濁液を周囲温度で15分撹拌する。440g(2.27mol)の2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン5と1.5Lのシクロヘキサンを加え、混合物を周囲温度で3日間撹拌する。反応をHPLCでモニターする。晶出したいずれの生成物も再び溶かすため、該懸濁液に4Lのジクロロメタンを加える。335gの硫酸マグネシウムの添加後、懸濁液を吸引ろ過し、無機のフィルターケークを再びジクロロメタンで洗浄する。減圧下でろ液を3.1kgにエバポレートし、得られた懸濁液を還流させる。溶液をゆっくり冷まし、10〜15℃で1時間撹拌する。懸濁液を吸引ろ過し、フィルターケークをシクロヘキサンで洗浄する。真空乾燥カップボード内で40℃にて生成物を乾燥させる。暗黄色固体として582gの化合物7a(X=OCH3)が得られる。
この方法と同様に化合物7b〜7fが調製される。アミノ酸アミド7e、7fの反応中、例えば酢酸エチル又はジクロロメタンのようなかなり極性の溶媒を添加して溶解度を高める。
化合物8の調製:
【0079】
【化64】

2.8Lの酢酸中560g(1.63mol)の化合物7aと185gのラネーニッケルの調製したての懸濁液を75℃で水素化する。水素の取込みが終了した後、触媒をろ別し、水素化溶液を減圧下でエバポレートする。残留物に4Lの脱塩水と4Lの酢酸エチルを加える。生成物を含む沈殿物が相間に形成される。水相を分別する。有機相に2Lの酢酸エチルを加え、沈殿物を吸引ろ過する。この沈殿物を600mLの脱塩水に懸濁させ、周囲温度で1時間撹拌し、吸引ろ過し、脱塩水で洗浄する。110gの湿潤生成物Aが得られる。
ろ液を塩化ナトリウム溶液で3回洗浄する。有機相をエバポレーションで濃縮する。380gの赤色がかった褐色残留物Bが得られ、湿潤生成物Aと混ぜ合わせる。混ぜ合わせた粗生成物A及びBを1.5Lのエタノールに還流温度で溶かす。溶液をろ過清掃し、ろ液を150mLのエタノールですすぐ。還流温度で溶液に550mLの脱塩水を加える。混合物を放置して冷まし、周囲温度で16時間及び0〜5℃で3時間撹拌する。沈殿物を吸引ろ過し、脱塩水/メタノール(1:1)、次いで脱塩水で洗浄する。生成物を真空乾燥カップボード内で50℃にて乾燥させる。266gの生成物8が固体として得られる。
化合物9の調製:
【0080】
【化65】

2Lのジメチルアセトアミド中の264g(0.94mol)の化合物8と161g(1.13mol)のヨウ化メチルの溶液に4〜10℃にて1時間以内で38g(0.95mol)の水素化ナトリウム(鉱油中60%の分散系)をバッチ形式で添加する。冷浴を除去し、混合物を2時間以内で20℃まで温度を上げる。
これを10℃に冷却してさらに0.38g(9.5mmol)の水素化ナトリウムを加える。混合物を10〜15℃で4時間撹拌する。反応溶液に100mLの酢酸エチルと1kgの氷を添加する。結果の懸濁液を3Lの脱塩水で希釈する。懸濁液を2時間撹拌し、沈殿物を吸引ろ過し、フィルターケークを脱塩水で洗浄する。真空乾燥カップボード内で50℃にて生成物を乾燥させる。273gの生成物9が無色結晶として得られる。
化合物4を化合物9と反応させることによる実施例番号46の化合物の調製:
【0081】
【化66】

800mLの2-メチル-4-ペンタノール中201g(1.06mol)のパラ-トルエンスルホン酸-水和物、209g(706mmol)の化合物9及び183g(695mmol)の化合物4の懸濁液を還流させる。100mLの溶媒を蒸留して除く。混合物を3時間還流させ、200mLの2-メチル-4-ペンタノールを加え、120mLの溶媒を蒸留して除く。還流温度で2時間加熱後、さらに280mLの溶媒を蒸留して除く。混合物を100℃に冷まし、反応溶液に1Lの脱塩水、次いで0.5Lの酢酸エチルを加える。有機相を分別し、水相を再び0.5Lの酢酸エチルで洗浄する。1.5Lのジクロロメタンと0.5Lの酢酸エチルを酸性の水相に添加する。6規定の水酸化ナトリウム溶液260mLで該水相のpH値をpH 9.2に調整する。水相を分別し、有機相をそれぞれ1規定の炭酸水素ナトリウム水溶液1Lで洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で溶媒を蒸発させる。406gの粗生成物が得られる。
この粗生成物を1.5Lの酢酸エチルに溶かす。50〜55℃の温度で2.5Lのメチル-tert.-ブチルエーテルを加える。混合物を45℃で接種し、16時間撹拌しながら周囲温度に冷ます。
この懸濁液を0〜5℃で3.5時間撹拌し、沈殿物を吸引ろ過する。フィルターケークを再びメチル-tert.-ブチルエーテル/酢酸エチル(2:1)及びメチル-tert.-ブチルエーテルで洗浄する。生成物を真空乾燥カップボード内で50℃にて乾燥させる。236gの実施例番号46の結晶性化合物が無水物(I)として得られる。
【0082】
結晶化:
46.5gの上記結晶性無水物(I)を310mLの1-プロパノールに溶かし、ろ過清掃する。混合物を70℃に加熱し、620mLの脱塩水を加える。溶液を周囲温度に冷まし、0〜10℃に冷却し、種晶を加える。結果の懸濁液を0〜10℃で3時間撹拌する。これを吸引ろ過し、冷1-プロパノール/脱塩水(1:2)及び脱塩水で洗浄する。生成物を真空乾燥カップボード内で50℃にて乾燥させる。40.5gの実施例番号46の結晶性化合物が一水和物として得られる。
1-プロパノール/脱塩水から直接結晶性一水和物として上記反応の粗生成物を結晶させることもできる。
実施例番号27、実施例番号110及び実施例番号234の化合物の合成(合成ダイアグラム2)
【0083】
【化67】

【0084】
化合物11の調製:
【化68】

【0085】
260g(1.32mol)の3-メトキシ-4-ニトロ安息香酸2を1.5Lのトルエンに入れる。300mLのトルエンを蒸留して除く。残留物に5mLのジメチルホルムアミドを加え、それに123mL(1.7mol)の塩化チオニルを滴加する。反応溶液を2時間還流させる。減圧下で回転エバポレーターを用いて蒸発により溶媒を濃縮する。残留物を500mLのテトラヒドロフランに溶かし、1.5Lのテトラヒドロフランと1.38Lの30%炭酸カリウム溶液中の202g(1.33mol)のトランス-4-アミノシクロヘキサノール10の懸濁液に、温度が5℃乃至13℃で維持されるように滴加する。混合物を20℃で1時間撹拌し、5Lの脱塩水を加える。沈殿物を吸引ろ過し、脱塩水で洗浄する。固体を循環空気乾燥器内で70℃にて乾燥させる。380g(理論の98%)の生成物11が得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール=9:1) Rf=0.47
化合物13の調製:
【0086】
【化69】

1.8Lのアセトニトリル中の185g(0.63mol)の化合物11と234gのN-メチルモルフォリン-N-オキシドに1gの微粉末ルテニウム(III)-クロリド水和物を加え、混合物を1時間還流させる。減圧下で1.6Lのアセトニトリルを蒸発させる。残留物に1.5Lの脱塩水を加え、該懸濁液を5℃に冷却する。沈殿物を吸引ろ過し、多量の脱塩水で洗浄する。固体を循環空気乾燥器内で70℃にて乾燥させる。168g(理論の91%)の生成物13が得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール=9:1) Rf=0.64
化合物14aの調製:
【0087】
【化70】

1.4Lのテトラヒドロフラン中の164g(0.51mol)の化合物13(90%)、80.1mL(0.65mol)のシス-2,6-ジメチルモルフォリン12及び60gの酢酸ナトリウムを1時間還流させる。この混合物を20℃に冷却し、温度が18℃〜22℃で維持されるように、120g(0.57mol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムをバッチ形式で添加する。混合物を20℃で16時間撹拌する。
減圧下で蒸発させて溶媒を濃縮する。残留物を2規定の塩酸に溶かす。この溶液に10gの活性炭を加えて吸引ろ過する。ろ液に300mLのジイソプロピルエーテルを加えてから、水相がアルカリ性になるまでアンモニア溶液を添加する。混合物を1時間撹拌し、該懸濁液を5℃に冷却する。懸濁液を吸引ろ過し、固体を脱塩水で洗浄する。1.2Lのイソプロパノールから粗生成物を結晶させる。吸引ろ過された結晶性生成物を循環空気乾燥器内で50℃にて乾燥させる。84g(理論の43%)の化合物14aが得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール=9:1) Rf=0.45
14bの調製:
【0088】
【化71】

600mLのトルエン中の65.3g(223mmol)の化合物13、23.6mL(268mmol)のモルフォリン12b及び0.4mLのメタンスルホン酸の懸濁液を、全てのエナミン形成が達成されるまで、水分離器を用いて還流させる。溶媒を減圧下で蒸留して除いて残留体積を100mLにする。この残留物を400mLのエタノールで80℃にて溶かし、0℃〜5℃に冷却する。この温度で10.1gの水素化ホウ素ナトリウムをバッチ形式で加えてから混合物を20℃で16時間撹拌する。この溶液に氷を加え、半濃塩酸を添加してpH=8〜9に調整する。減圧下で蒸発させて溶媒を濃縮する。残留物を塩化メチレンに懸濁させ、塩化メチレン/エタノール/アンモニア(49:1:0.25→19:1:0.25)の溶媒混合物でシリカゲル上クロマトグラフ処理する。まず、シス化合物[TLC(塩化メチレン/エタノール/アンモニア=19:1:0.25) Rf=0.23]が溶出される。トランス化合物[TLC(塩化メチレン/エタノール/アンモニア=19:1:0.25) Rf=0.12]を含有するフラクションを混ぜ合わせてエバポレーションで濃縮する。残留物を350mLのメタノールに沸騰温度で懸濁させる。約50℃で、2モル濃度相当のトリメチルクロロシランを添加後、500mLのtert.-ブチルメチルエーテルを加える。該懸濁液を吸引ろ過し、固体を乾燥させる。
24g(理論の27%)の化合物14bが塩酸塩として得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール/アンモニア=19:1:0.25) Rf=0.12
化合物14cの調製:
【0089】
【化72】

トルエン中の112g(383mmol)の化合物13、108g(770mmol)のN-(シクロプロピルメチル)ピペラジン12c及び4.5mLのメタンスルホン酸を、水分離器を用いて3時間還流させる(約76mLの水が分別される)。減圧下で900mLのトルエンを蒸発させ、残留物を1.2Lのエタノールに懸濁させる。この懸濁液に、15〜25℃の温度にて1時間以内に15gの水素化ホウ素ナトリウムをバッチ形式で加える。混合物を20℃で3時間撹拌し、さらに4gの水素化ホウ素ナトリウムを加える。混合物を20℃で16時間撹拌する。減圧下で650mLのエタノールを蒸発させる。2Lの純水と300mLのシクロヘキサンを加える。混合物を5℃に冷却し、懸濁液を吸引ろ過する。残留物を1規定の塩酸に溶かす。5gの活性炭を加え、混合物を吸引ろ過する。ろ液に400mLのtert.-ブチルメチルエーテルを加え、アンモニア溶液でアルカリ性にする。
これを4℃に冷却し、沈殿物を吸引ろ過し、脱塩水で洗浄する。残留物を400mLのtert.-ブチルメチルエーテル中で還流させる。これを冷却し、固体を吸引ろ過し、tert.-ブチルメチルエーテルで洗浄する。循環空気乾燥器内で60℃にて乾燥後、73g(理論の46%)の生成物14cが得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール=9:1) Rf=0.2
化合物15aの調製:
【0090】
【化73】

900mLの酢酸中の108.5g(277mmol)の化合物14aの溶液を10gのラネーニッケルの存在下、20℃の温度及び3.4×105Pa(50psi)の水素圧で水素化する。触媒をろ別し、減圧下でエバポレーションにより溶液を濃縮する。残留物を500mLのイソプロパノールに溶かし、アンモニア溶液を添加してアルカリ性にする。十分な氷水を加えて1.5Lの体積を得る。沈殿物を吸引ろ過し、400mLの脱塩水、160mLのイソプロパノール及び300mLのtert.-ブチルメチルエーテルで洗浄する。固体を循環空気乾燥器内で50℃にて乾燥させる。92g(理論の92%)の生成物15aが得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール=9:1) Rf=0.25
化合物15bの調製
【0091】
【化74】

200mLの脱塩水中の23g(57.5mmol)の化合物14bの塩酸塩の溶液を、5gのパラジウム(木炭上)(10%)の存在下、20℃の温度及び3.4×105Pa(50psi)の水素圧で水素化する。触媒をろ別し、1規定の水酸化ナトリウム溶液を添加してろ液を緩徐にpH=11に調整する。この懸濁液を20℃で2時間撹拌し、吸引ろ過し、固体を脱塩水で洗浄する。循環空気乾燥器内で乾燥後、17.5gの生成物15bが得られる。
化合物15cの調製:
【0092】
【化75】

700mLのメタノールと145mLのジメチルホルムアミド中の72.5g(174mmol)の化合物14cの溶液を、10gのラネーニッケルの存在下、20℃の温度及び3.4×105Pa(50psi)の水素圧で水素化する。触媒をろ別し、減圧下でメタノールを蒸発させる。残留物に500mLの脱塩水を加え、該懸濁液を5℃に冷却する。沈殿物を吸引ろ過し、脱塩水で洗浄する。循環空気乾燥器内で60℃にて乾燥後、60.5g(理論の90%)の生成物15cが得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール/アンモニア=9:1:0.1) Rf=0.58
化合物17a(実施例番号234の化合物に相当)の調製:
【0093】
【化76】

400mLの2-メチル-4-ペンタノール中の20.2g(55.9mmol)の化合物15a、16.5g(61.4のmmol)化合物16及び15.9g(83.6mmol)のパラ-トルエンスルホン酸水和物の溶液を9時間還流させ、全時間にわたって総量360mLの溶媒を蒸留で除去する。残留物を放置して冷まし、凝固した油を300mLの脱塩水に溶かす。水相を酢酸エチルで3回洗浄する。該水相に400mLの酢酸エチルを加え、十分な水酸化ナトリウム溶液を添加してpH=11〜12とする。有機相を脱塩水で2回洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残留物を82mLのジメチルアセトアミドに溶かし、1.4Lの脱塩水中の濃アンモニア溶液60mLに十分撹拌しながらゆっくり滴加する。混合物を20℃で4時間撹拌し、沈殿物を吸引ろ過し、多量の脱塩水で洗浄する。真空乾燥カップボード内、水酸化ナトリウムフレークの存在下で60℃にて乾燥後、30.3gの生成物17aが得られる。
このようにして得られた塩基は、アセトン/1規定の塩酸から約320℃の融点(分解,DSC:10K/分)の一塩酸塩として結晶化しうる。
化合物17b(実施例番号27の化合物に相当)の調製
【0094】
【化77】

250mLの2-メチル-4-ペンタノールと20mLのN-メチルピロリジノン中の16.2g(48.6mmol)の化合物15b、14.5g(54mmol)の化合物16及び13g(68.3mmol)のパラ-トルエンスルホン酸水和物の溶液を還流させる。1時間以内で180mLの溶媒を蒸留して除く。100mLの2-メチル-4-ペンタノールを加え、該溶液を5時間還流させる。これを放置して80℃に冷まして40mLのメタノールと12gのトリメチルシリルクロリドを加える。60℃にて400mLのアセトンを流し込む。懸濁液を還流させ、30℃に冷ます。沈殿物を吸引ろ過し、アセトン/メタノール(85:15)及びアセトンで洗浄する。真空乾燥カップボード内で50℃にて乾燥後、22.7g(理論の78%)の生成物17bが塩酸塩として得られる。
この塩酸塩を脱塩水に溶かして炭酸カリウムと塩化ナトリウムの水溶液に移した後、遊離塩基を塩化メチレンで抽出する。化合物17bの該塩基はアセトン/脱塩水(1:1)から結晶化する(融点=150℃,DSC:10K/分)。
化合物17c(実施例番号110の化合物に相当)の調製:
【0095】
【化78】

350mLの2-メチル-4-ペンタノール中の23g(59.5mmol)の化合物15c、16.8g(62.5mmol)の化合物16及び28.3g(149mmol)のパラ-トルエンスルホン酸水和物の溶液を水分離器で22時間還流させる。1gの化合物16の添加後、混合物をさらに2時間還流させる。300mLの溶媒を蒸留して除き、粘性油を60℃に冷ます。300mLの塩化メチレンと300mLの脱塩水を加え、10規定の水酸化ナトリウム溶液20mLを添加してpHを高めてpH=9とする。有機相を脱塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を減圧下で蒸留して除き、残留物を65℃で200mLの酢酸エチルに溶かす。混合物を放置して緩徐に20℃に冷まし、沈殿物を吸引ろ過し、冷酢酸エチルで洗浄する。真空乾燥カップボード内で60℃にて乾燥後、24.4gの生成物17cが得られる(融点=182℃,DSC:10K/分,DSCダイアグラムでは融解前に追加の吸熱作用)。
化合物14cは、二者択一的に以下の方法でも調製される(合成ダイアグラム3)。
【0096】
【化79】

【0097】
化合物19の調製:
【化80】

【0098】
175mLのトルエン中の22g(142mmol)の4-アセトアミド-シクロヘキサノン18、39.7g(283mmol)のN-シクロプロピルメチルピペラジン12c及び0.71mLのメタンスルホン酸を、水分離器を用いて水がそれ以上凝結しなくなるまで還流させる。混合物を放置して冷まし、50℃で175mLのエタノールを加え、結果の混合物を20℃に冷却する。5.37g(142mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを十分に撹拌しながらバッチ形式で加え、混合物を20℃で16時間撹拌する。該反応混合物に4規定の塩酸200mLを滴加する。減圧下で200mLの溶媒を蒸発させる。
残留物に100mLの飽和炭酸カリウム溶液と200mLのメチルイソブチルケトンを加える。2相の混合物を十分に撹拌しながら5℃に冷却する。生成物を吸引ろ過し、還流温度で90mLのメチルイソブチルケトンに溶かす。活性炭の添加後、これを熱ろ過する。混合物を放置して冷まし、沈殿物を吸引ろ過で除去する。乾燥後、16.2g(理論の41%)のトランス化合物19が得られる。
TLC(塩化メチレン/エタノール/アンモニア=9:1:0.1) Rf=0.39
化合物20の調製:
【0099】
【化81】

500mLの24%塩酸中の44g(157mmol)の化合物19の溶液を6時間還流させる。溶媒を減圧下で蒸発させて濃縮し、残留物を700mLのイソプロパノールから結晶させる。沈殿物を吸引ろ過し、tert.-ブチルメチルエーテルで洗浄し、真空乾燥カップボード内で60℃にて乾燥させる。54.7gの生成物20が三塩酸塩として得られる(5%の水を含む)。
化合物14cの調製:
【0100】
【化82】

33g(90.4mmol)の3-メトキシ-4-ニトロ安息香酸2を80mLのトルエンに懸濁させる。0.5mLのジメチルホルムアミドと16g(134mmol)の塩化チオニルを加える。混合物を1時間還流させる。該溶液を減圧下で蒸発させて濃縮し、この粗製酸塩化物を50mLのテトラヒドロフランに溶かす。この溶液を、150mLのテトラヒドロフラン中(氷浴で冷却しながら)の18.7g(94.9mmol,95%)の化合物20の三塩酸塩と49g(397mmol)のジイソプロピルエチルアミンの懸濁液に滴加する。TLCを用いて反応の完了をチェックする。反応終了後、該懸濁液に水を加え、水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを10に調整する。有機相を分別し、飽和食塩水で洗浄する。混ぜ合わせた水相をテトラヒドロフランで1回抽出する。混ぜ合わせた有機相を減圧下でエバポレーションにより濃縮する。残留物を300mLのtert.-ブチルメチルエーテル中で還流させる。混合物を放置して20℃に冷まし、沈殿物を吸引ろ過する。真空乾燥カップボード内で45℃にて乾燥後、31.3g(理論の83%)の化合物14cが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】

(式中、
R1、R2は、同一又は異なってよく、水素又は任意に置換されていてもよいC1-C6-アルキルを表し、
或いは
R1とR2が一緒に、1〜2個のヘテロ原子を含んでよい2-員〜5-員アルキルブリッジを表し、 R3は、水素、又は任意に置換されていてもよいC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル及びC6-C14-アリールの中から選択される基を表し、或いは
任意に置換及び/又は架橋されていてもよいC3-C12-シクロアルキル、C3-C12-シクロアルケニル、C7-C12-ポリシクロアルキル、C7-C12-ポリシクロアルケニル、C5-C12-スピロシクロアルキル、C3-C12-ヘテロシクロアルキル(1〜2個のヘテロ原子を含む)、及びC3-C12-ヘテロシクロアルケニル(1〜2個のヘテロ原子を含む)の中から選択される基を表し、或いは
R1とR3又はR2とR3が一緒に、飽和又は不飽和C3-C4-アルキルブリッジ(任意に1個のヘテロ原子を含んでよい)を表し、
R4は、水素、-CN、ヒドロキシ、-NR6R7及びハロゲンの中から選択される基、又は
任意に置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C5-アルキルオキシ、C2-C5-アルケニルオキシ、C2-C5-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキ
ルチオ、C1-C6-アルキルスルホキソ及びC1-C6-アルキルスルホニルの中から選択される基を表し、
Lは、任意に置換されていてもよいC2-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C6-C14-アリール、-C2-C4-アルキル-C6-C14-アリール、-C6-C14-アリール-C1-C4-アルキル、任意に架橋されていてもよいC3-C12-シクロアルキル及びヘテロアリール(任意に1又は2個の窒素原子を含んでよい)の中から選択されるリンカーを表し、
nは、0又は1を表し、
mは、1又は2を表し、
R5は、任意に置換されていてもよいモルフォリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピペラジニルカルボニル、ピロリジニル、トロペニル、R8-ジケトメチルピペラジニル、スルホキソモルフォリニル、スルホニルモルフォリニル、チオモルフォリニル、-NR8R9及びアザシクロヘプチルの中から選択される基を表し、
R6、R7は、同一又は異なってよく、水素又はC1-C4-アルキルを表し、
かつ
R8、R9は、R5における同一又は異なってよい無置換の窒素置換基を表し、水素又はC1-C6-アルキル、-C1-C4-アルキル-C3-C10-シクロアルキル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C14-アリール、-C1-C4-アルキル-C6-C14-アリール、ピラニル、ピリジニル、ピリミジニル、
C1-C4-アルキルオキシカルボニル、C6-C14-アリールカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニル、C6-C14-アリールメチルオキシカルボニル、C6-C14-アリールスルホニル、C1-C4-アルキルスルホニル及びC6-C14-アリール-C1-C4-アルキルスルホニルの中から選択される基のいずれかを意味する)のジヒドロプテリジノンの調製方法であって、
下記式(II):
【化2】

(式中、
R1〜R3は前記定義どおりであり、かつAは脱離基である)の化合物を下記式(III):
【化3】

(式中、
R4、R5、L及びm、nは前記定義どおり)の化合物と反応させることを特徴とする方法。
【請求項2】
R5がN-シクロプロピルメチルピペラジニル基を表すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ジヒドロプテリジノンが、下表に示される一般式(I)のジヒドロプテリジノンの中から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【化4】

【化5】

【化6】

(ここで、上の表で使用される略号X1、X2、X3、X4及びX5は、それぞれ対応する基R1、R2、R3、R4及びL-R5に代えて、上表に列挙される一般式中の位置へのリンクを表す。)
【請求項4】
前記反応を酸触媒の存在下で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
酸触媒として有機スルホン酸を使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記反応を、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミドン(DMPU)、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、2-プロパノール、2-ブタノール、ペンタン若しくはヘキサンの異性二級アルコール、ブタン、ペンタン若しくはヘキサンの三級アルコール、アセトニトリル又は2-プロピルニトリルのような溶媒中で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
反応温度が18℃〜180℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
下記式の化合物。
【化7】

【請求項9】
下記式の化合物。
【化8】

【請求項10】
下記式の化合物又はその塩。
【化9】

【請求項11】
下記式の化合物又はその塩。
【化10】

【請求項12】
下記式の化合物又はその塩。
【化11】

【請求項13】
下記式の化合物又はその塩。
【化12】

【請求項14】
下記式の化合物又はその塩。
【化13】

【請求項15】
下記式の化合物又はその塩。
【化14】

【請求項16】
下記式の化合物又はその塩。
【化15】


【公開番号】特開2012−232990(P2012−232990A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151594(P2012−151594)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2007−526358(P2007−526358)の分割
【原出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】