説明

ジフェニルUraIMPDHインヒビターおよびアポトーシス誘導性抗癌剤を含む組成物

本発明は、アポトーシス誘導性抗癌剤およびIMPDHインヒビターを含む組成物に関する。本発明はまた、哺乳動物において、アポトーシスを誘導するため、ならびに腫瘍および癌を処置するための方法に関する。本発明の方法は、リンパ腫、白血病および関連する障害、骨髄異形成症候群、転移性耳下腺炎、ならびに癌の他の形態を処置または予防するために有用である。本発明の組成物において使用されるアポトーシス誘導性抗癌剤は、代謝拮抗物質であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、アポトーシス誘導性抗癌剤およびIMPDHインヒビターを含む組成物に関する。本発明はまた、アポトーシスを誘導するための方法ならびに腫瘍および癌を処置するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
生物におけるヌクレオチドの合成は、それらの生物における細胞が、分裂および複製するために必要である。哺乳動物におけるヌクレオチド合成は、2つの経路:デノボ合成経路またはサルベージ経路のうちの1つを通って達成され得る。種々の細胞型は、種々の程度で、これらの経路を使用する。
【0003】
イノシン−5’−一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH;EC 1.1.1.205)は、グアニンヌクレオチドのデノボ合成に関与する酵素である。IMPDHは、イノシン−5’−一リン酸(IMP)の、キサントシン−5’−一リン酸(XMP)へのNAD依存性酸化を触媒する[Jackson R.C.ら、Nature,256,pp.331−333,(1975)]。
【0004】
IMPDHは、真核生物、細菌および原生動物において遍在する[Y.NatsumedaおよびS.F.Carr,Ann.N.Y.Acad.,696,pp.88−93(1993)]。この原核生物の形態は、ヒトの酵素と30〜40%の配列同一性を共有する。タイプIおよびタイプIIと命名された、ヒトのIMPDHの2つのアイソフォームは、同定されおよび配列が決定されている[F.R.CollartおよびE.Huberman,J.Biol.Chem.,263,pp.15769−15772,(1988);Y.Natsumedaら、J.Biol.Chem.,265,pp.5292−5295,(1990)]。それぞれは、514アミノ酸であり、およびそれらは、84%の配列同一性を共有する。IMPDHタイプIおよびタイプIIの両方は、溶液中で、56kDaのサブユニットの分子量を有する、活性なテトラマーを形成する[Y.Yamadaら、Biochemistry,27,pp.2737−2745(1988)]。
【0005】
グアノシンヌクレオチドのデノボ合成およびこのようなIMPDHの活性は、Bリンパ球およびTリンパ球において、特に重要である。これらの細胞は、マイトジェンまたは抗原に対する増殖応答を開始するために必要な十分なレベルのヌクレオチドを生じるために、サルベージ経路よりもむしろデノボ経路に依存する[A.C.Allisonら、Lancet II,1179,(1975)およびA.C.Allisonら、Ciba Found.Symp.,48,207,(1977)]。従って、IMPDHは、他の細胞の増殖は抑制せずに、免疫系を選択的に抑制するために、魅力的な標的である。
【0006】
IMPDHのインヒビターはまた公知である。米国特許第5,380,879号および同第5,444,072号およびPCT公開番号WO94/01105号および同WO94/12184号は、効力があり、競合しない、可逆的である、ヒトのIMPDHタイプI(K=33nM)およびタイプII(K=9nM)のインヒビターとして、マイコフェノール酸(MPA)およびその誘導体のいくつかを記載する。MPAは、マイトジェンまたは抗原に対するB細胞およびT細胞の応答を阻害することが立証されている[A.C.Allisonら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,696,63,(1993)]。種々の階級のIMPDHインヒビターは、PCT公開番号WO97/40028および同WO98/40381において記載されている。
【0007】
IMPDHは、他の代謝現象において役割を担うことが、また公知である。増加したIMPDH活性が、速く増殖するヒト白血病細胞株および他の腫瘍細胞株において観察されており、そのことは、抗癌剤および免疫抑制性化学療法のための標的としてのIMPDHを示す[M.Nagaiら、Cancer Res.,51,pp.3886−3890,(1991)]。
【0008】
WO00/56331は、とりわけ、腫瘍および癌を処置するためのIMPDHインヒビターおよびその組成物を開示し、IMPDHインヒビターおよびさらなる抗癌剤を含む組成物を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、改良された薬理学的性質を有する、IMPDHインヒビターを含む、効力のある組成物に対する必要性が残っている。そのようなインヒビターは、抗癌剤として、治療的可能性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、アポトーシス誘導性抗癌剤、IMPDHインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。本発明はまた、本発明の組成物を使用して、哺乳動物においてアポトーシスを誘導する方法を提供する。本発明はまた、本発明の組成物を使用して、哺乳動物において腫瘍および癌を処置するための方法を提供する。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本明細書に記載の本発明が、より十分に理解され得るために、以下の詳細な説明が述べられる。この説明において、以下の略語が使用される:
命名 試薬またはフラグメント
Ac アセチル
Me メチル
Et エチル
Bn ベンジル
CDI カルボニルジイミダゾール
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク
−7−エン
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPA ジフェニルホスホリル酸
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−
エチルカルボジイミドヒドロクロライド
EtOAc 酢酸エチル
IPA イソプロピルアルコール
MeCN アセトニトリル
THF テトラヒドロフラン
TEA トリエチルアミン
t−Bu tert−ブチル
BOC ブチルオキシカルボニル
以下の用語が、本明細書中で使用される:
明確に反対のものを言及されない限り、本明細書で使用される場合、用語「−SO−」および「−S(O)−」は、スルホンまたはスルホン誘導体(すなわち、Sと結合した基を両方付与される)をいい、そしてスルフィン酸エステルをいわない。
【0012】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素の基をいう。
【0013】
IMPDH媒介型疾患とは、このIMPDH酵素が、この疾患の代謝経路において調節の役割を担う、任意の疾患状態をいう。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「処置する」とは、患者における特定の障害の症状の軽減、または特定の障害に関連した確かめられる測定の改良を称する。本明細書で使用される場合、用語「患者」とは、ヒトを含む哺乳動物を称する。
【0015】
1つの実施形態では、本発明は、
1)アポトーシス誘導性抗癌剤;
2)IMPDHインヒビター;および
3)薬学的に受容可能なキャリア;
を含む組成物を提供する。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「アポトーシス誘導性抗癌剤」とは、代謝拮抗物質として作用し、アポトーシスを誘導し、かつ癌の処置に有用である薬剤を意味する。例えば、「Induction of Apoptosis by Cancer Chemotherapy」 Kaufmann,S.H.およびEarnshaw,W.C.,Exptal.Cell Res.,256,42−49(2000)を参照のこと。そのような代謝拮抗物質の例としては、シタラビン、フルダラビン、5−フルオ(fluro)−2’−デオキシウリジン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、およびメトトレキサートが挙げられる。同書、表1、p.43を参照のこと。
【0017】
別の実施形態によれば、本発明は、
1)アポトーシス誘導性抗癌剤;
2)式Aの化合物であって、
【0018】
【化5】

ここで、RおよびRの各々は、水素;−CF;−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−(C〜C)−分岐アルキル;−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは−(C〜C)−分岐アルケニルもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル;−(C〜C)−直鎖アルキル−Rまたは−(C〜C)−分岐アルキル−R;−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−Rあるいは−Rから独立して選択され;そして、RまたはRのうちの少なくとも1個は、−(C〜C)−直鎖アルキル−Rまたは−(C〜C)−分岐アルキル−R;−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−Rあるいは−Rであり、
ここで、該アルキル、アルケニル、またはアルキニルのいずれかにおける4個までの水素原子は、必要に応じておよび独立してRによって置き換えられ;あるいは、
ここで、RおよびRは、一緒になって、テトラヒドロフラニルを形成し、ここで、Rが、水素、(R)−メチル、(R)−エチルまたは(R)−ヒドロキシメチルである場合、該テトラヒドロフランの中の1個の水素原子は、−ORまたは−Rによって置き換えられ、そしてここで、Rが、(S)−メチル、(S)−エチルまたは(S)−ヒドロキシメチルである場合、該テトラヒドロフランの中の1個の水素原子は、必要に応じて−ORまたは−Rによって置き換えられ;
ここで、Rが水素、(R)−メチル、(R)−エチルまたは(R)−ヒドロキシメチルであり、そしてRおよびRの各々が、独立して、水素、非置換−(C〜C)−直鎖アルキルまたは非置換−(C〜C)−分岐アルキル、あるいは非置換−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは非置換−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは非置換−(C〜C)−分岐アルケニルまたは非置換−(C〜C)−分岐アルキニルである場合、−CH(R)Rによって表される化合物の部分は、C〜C12直鎖アルキル、C〜C12直鎖アルケニル、もしくはC〜C12直鎖アルキニルまたはC〜C12分岐アルキル、C〜C12分岐アルケニル、もしくはC〜C12分岐アルキニルであり;
各Rは、独立して、ハロ、CN、−OR、または−N(Rから選択され;
は、水素、−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−(C〜C)−分岐アルキル、−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは−(C〜C)−分岐アルケニルもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−R、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−R、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキル]または−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキル]、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキニル]または−C(O)−[(C〜C)−分岐アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキニル]、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキル]−N(Rまたは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキル]−N(R、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−N(Rもしくは−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−N(Rまたは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルケニル]−N(Rもしくは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキニル]−N(R、−P(O)(OR、−P(O)(OR)(R)、−C(O)−R、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−CN、−S(O)N(R、あるいは−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−CNから選択され;
各Rは、独立して、水素、−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−(C〜C)−分岐アルキル、−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは−(C〜C)−分岐アルケニルもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−R、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−R、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−CN、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−CN、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−ORまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−OR、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−ORもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−ORまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−ORもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−OR、−C(O)−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−C(O)−(C〜C)−分岐アルキル、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキニル]または−C(O)−[(C〜C)−分岐アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキニル]、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)O−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−C(O)O−(C〜C)−分岐アルキル、−C(O)O−[(C〜C)−直鎖アルケニル]もしくは−C(O)O−[(C〜C)−直鎖アルキニル]または−C(O)O−[(C〜C)−分岐アルケニル]もしくは−C(O)O−[(C〜C)−分岐アルキニル]、−S(O)−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−S(O)−(C〜C)−分岐アルキル、あるいは−S(O)−Rから選択され;あるいは、2個のR部分は、同一の窒素原子に結合する場合、該窒素原子と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、該複素環は、必要に応じて、N、O、S、S(O)またはS(O)から選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を含み;
は、−C(O)−CH、−CH−C(O)−OH、−CH−C(O)−O−tBu、−CH−CN、または−CH−C≡CHが選択され;
それぞれのRは、単環式環系または二環式環系であり、ここで該環系において;
i.各環は、C、N、OまたはSから独立に選択される3〜7個の環原子を含み
ii.4個以下の環原子が、N、O、またはSから選択され;
iii.任意のCHは、必要に応じて、C(O)で置き換えられ;
iv.任意のSは、必要に応じて、S(O)またはS(O)で置き換えられ;
各Rは、水素または−[C〜C]−直鎖アルキルまたは−[C〜C]−分岐アルキルから独立して選択され;
ここで、該化合物中の任意の環系において、該環原子に結合した3個までの水素原子は、必要に応じて、および独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、(C〜C)−直鎖アルキルまたは(C〜C)−分岐アルキル;O−(C〜C)−直鎖アルキルまたはO−(C〜C)−分岐アルキル、(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−直鎖アルキニルまたは(C〜C)−分岐アルケニルもしくは(C〜C)−分岐アルキニル、あるいはO−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくはO−(C〜C)−直鎖アルキニルまたはO−(C〜C)−分岐アルケニルもしくはO−(C〜C)−分岐アルキニルで置き換えられ;そして
ここで、任意の環系は、必要に応じてベンゾ縮合され;
は、水素、(R)−メチル、(S)−メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、(R)−ヒドロキシメチルまたは(S)−ヒドロキシメチルから選択され;
10は、−C≡Nまたは5−オキサゾリルから選択され;そして
11は、ハロ、−O−(C〜C)直鎖アルキル、または−O−(C〜C)直鎖アルケニルもしくはアルキニルから選択される、化合物;ならびに
3)薬学的に受容可能なキャリア
を含む、組成物を提供する。
【0019】
またはRのいずれかまたは両方をエステル化することによって形成されるプロドラッグもまた、式(A)の範囲に入る。そのようなプロドラッグの例は、以下に示す表1の化合物143〜156である。
【0020】
好ましい実施形態によれば、このアポトーシス誘導性抗癌剤は、シタラビン、フルダラビン、5−フルロ−2’−デオキシウリジンまたはゲムシタビンである。より好ましくは、それは、シタラビン、フルダラビン、5−フルロ−2’−デオキシウリジンである。さらにより好ましくは、それは、フルダビンまたはシタラビンである。最も好ましくは、それは、フルダビンである。
【0021】
別の好ましい実施形態によれば、このアポトーシス誘導性抗癌剤は、ヒドロキシ尿素またはメトトレキサートである。より好ましくは、それは、ヒドロキシ尿素である。代替のより好ましい実施形態によれば、それは、メトトキレサートである。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「単環式環系」とは、飽和環構造、部分的な不飽和環構造、および完全な不飽和環構造を包含する。本明細書で使用される場合、用語「二環式環系」とは、各環が独立して、飽和、部分的に不飽和、および完全に不飽和である環を包含する。本発明の化合物において有用な単環式環系および二環式環系の例としては、シクロペンタン、シクロペンテン、インダン、インデン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、ナフタレン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、キノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,5−ナフチリジン、1,6−ナフチリジン、1,7−ナフチリジン、1,8−ナフチリジン、2,6−ナフチリジン、2,7−ナフチリジン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、1,10−フェナントロリン(phenatroline)、ジベンゾピラン、1−ベンゾピラン、フェノチアジン、フェノキサジン、チアントレン、ジベンゾ−p−ジオキシン、フェノキサチイン、フェノキチオニン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロピラン、ピラン、ベンゾピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジヒドロピリジン、ジヒドロピラン、1−ピリンジン(pyrindine)、キヌクリジン、トリアゾロピリジン、β−カルボリン、インドリジン、キノリジジン、テトラヒドロナフテリジン、ジアザフェナントレン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、ベンゾジオキサン、フラン、ベンゾフラン、テトラヒドロフラン、ピロール、インドール、チオフェン、ベンゾチオフェン(benzothiopene)、カルバゾール、ピロリジン、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、テトラゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、およびプリンが挙げられるが、これらに限定されない。上述の記載内に入る、さらなる単環式構造およびさらなる二環式構造は、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees編「Comprehensive Heterocyclic Chemistry:Structure,Reactions,Synthesis and Use of Heterocyclic Compounds,Vol.1−8」 Pergamon Press,NY(1984)において見出され得、この開示は、本明細書に参考として援用される。
【0023】
複素環は、安定な構造の創造をもたらす複素環の任意の原子によって、この化合物の残部へ付与され得ることが理解されるべきである。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「環原子」とは、この環を構成する骨格原子をいう。そのような環原子は、C、N、OまたはSから選択され、および2個または3個の他のそのような環原子(二環式系中にある、ある環原子の場合、3個)へ結合される。用語「環原子」は、水素を含まない。
【0025】
用語「−[(C〜C)−直鎖アルキル]−Xまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−X」および「−(C〜C)−直鎖アルケニル]−Xもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニル]−Xまたは−(C〜C)−分岐アルケニル]−Xもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル]−X」(Xは、アルキル、アルケニルまたはアルニキルと結合されることを示された任意のもの)は、1個以上のX基が、任意の末端においてアルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖へ結合され得ることを意味する。
【0026】
本発明は、発明の名称「Inhibitors of IMPDH Enzyme」の、国際PCT出願番号WO00/56331(本明細書中、以下「WO00/56331」)より優れた精選であり、その開示は、本明細書中で参考として援用される。出願人は、WO00/56331に記載されたIMPDHインヒビターのような、IMPDHインヒビターが、フラダラビンのようなアポトーシス誘導性抗癌剤と組み合わされる場合、生じる組成物は、アポトーシスを誘導する際に強力な相乗効果を示すことを発見した。この強力な相乗効果は、本発明の組成物を、アポトーシスを誘導し、そして哺乳動物において腫瘍および癌を処置する点において治療的に有用にさせる。
【0027】
1つの好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、式(I)の化合物を含み:
【0028】
【化6】

ここで、RおよびRは上述で定義された通りである。
【0029】
別の好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、式(IA)の化合物を含み:
【0030】
【化7】

ここで、Rは、(R)−メチル、(S)−メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、(R)−ヒドロキシメチルまたは(S)−ヒドロキシメチルから選択され;そして
、R、R10およびR11は、上述で定義された通りである。
【0031】
式(IA)のより好ましい実施形態によれば、Rは、(S)−メチル、(S)−エチル、または(S)−ヒドロキシメチルメチルから選択される。最も好ましくは、Rは、(S)−メチルである。Rが、(S)−メチル、(S)−エチル、または(S)−ヒドロキシメチルメチルから選択され、かつ−CH(R)Rによって表される化合物の部分が、C〜C直鎖アルキルまたはC〜C分岐アルキル、あるいは、C〜C直鎖アルケニルもしくはC〜C直鎖アルキニルまたはC〜C分岐アルケニルもしくはC〜C分岐アルキニルである化合物は、WO97/40028に記載の化合物類の範囲内に入る。しかし、出願者は、Rにおける(S)配向部分の存在が、驚くようなおよび予想外に増加したIMPDHインヒビター活性を与えることを発見した。
【0032】
式(IA)の別の好ましい実施形態によれば、R11は、O−メチル、O−エチル、またはO−イソプロピルから選択される。
【0033】
式(I)および(IA)のより好ましい実施形態によれば、RまたはRのうちの少なくとも1個が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、フェニル、ピリジル、
【0034】
【化8】

から選択され、ここで、nは0または1である。
【0035】
式(IA)のさらに好ましい実施形態によれば、RまたはRのうちの1個が、水素、エチル、またはフェニルから選択され;そしてRまたはRのうちの他方は、−CHOH、−CHCN、−CHCHCNまたはCHN(CHCHから選択され;あるいは、RおよびRは、一緒になって、3−テトラヒドロフラニル部分を形成する。
【0036】
式(I)の代替の好ましい実施形態によれば、RおよびRは、一緒になって、−ORによって置換された、3−テトラヒドロフラニル部分を形成する。
【0037】
別の好ましい実施形態によれば、式Aの化合物は、以下の表1で示される任意の化合物から選択される。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
【表5】

【0043】
【表6】

【0044】
【表7】

【0045】
【表8】

【0046】
【表9】

【0047】
【表10】

【0048】
【表11】

【0049】
【表12】

【0050】
【表13】

【0051】
【表14】

【0052】
【表15】

【0053】
【表16】

【0054】
【表17】

【0055】
【表18】

【0056】
【表19】

【0057】
【表20】

【0058】
【表21】

【0059】
【表22】

【0060】
【表23】

【0061】
【表24】

【0062】
【表25】

【0063】
【表26】

【0064】
【表27】

【0065】
【表28】

【0066】
【表29】

【0067】
【表30】

【0068】
【表31】

【0069】
【表32】

上の表では、ある化合物は、塩として示される。この表の中の与えられた任意のエントリーに示される化合物の範囲は、示される塩のみでなく、この図示された化合物の全ての形態を包含することが理解されるべきである。
【0070】
より好ましい実施形態によれば、本発明は、
1.フルダラビン
2.化合物番号181;および
3.薬学的に受容可能なキャリア;
を含有する組成物を提供する。
【0071】
より好ましい実施形態によれば、本発明は、
1.フルダラビン;
2.化合物番号169;および
3.薬学的に受容可能なキャリア;
を含有する組成物を提供する。
【0072】
立体化学が特に示されない場合、本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含み得、従ってラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じ得る。他に示されない限り、これらの化合物の全てのそのような異性体形態は、明確に本発明中に含まれる。各立体形成(stereogenic)炭素は、R立体配置またはS立体配置であり得る。
【0073】
本発明によって構想される置換基および変数の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらす組み合わせのみである。本明細書で使用される場合、用語「安定な」は、本明細書で詳細に述べられる目的(例えば、哺乳動物への治療的投与または予防的投与あるいはアフィニティークロマトグラフィーの適用における使用)のために有用であるべき十分な時間にわたる完全性の製造および維持を可能にするために十分な安定性を保有する化合物をいう。代表的に、そのような化合物は、少なくとも一週間、水分の非存在下または他の化学的反応性条件において、40℃以下の温度において安定である。
【0074】
本明細書で使用される場合、本発明の組成物内の化合物は、薬学的に受容可能な誘導体またはそのプロドラッグを含むように定義される。「薬学的に受容可能な誘導体またはプロドラッグ」は、受容者への投与において、本発明の化合物を(直接的または間接的に)提供し得る本発明の化合物の任意の薬学的に受容可能な塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。特に好ましい誘導体およびプロドラッグは、そのような化合物が、(例えば、経口投与される化合物が血液へより速く吸収されることを可能にすることによって)哺乳動物へ投与される場合、本発明の化合物の生物学的利用能を増加させるか、または親化合物の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を親の種に対して高める、誘導体およびプロドラッグである。好ましいプロドラッグとしては、水溶性または腸膜を通しての能動的な運搬を高める基が、本発明の化合物の構造に付与される誘導体が挙げられる。
【0075】
本発明の組成物内の化合物の薬学的に受容可能な塩は、薬学的に受容可能な無機酸および無機塩基ならびに薬学的に受容可能な有機酸および有機塩基から誘導される塩を含む。適切な酸由来の塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩(digluconate)、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酢酸、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられる。塩基由来の塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基との塩(例えば、ジシクロへキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン)およびアミノ酸との塩(例えば、アルギニン、リジン)などが挙げられる。
【0076】
また、この塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物);ジアルキル硫酸塩(例えば、ジメチル硫酸塩、ジエチル硫酸塩、ジブチル硫酸塩、およびジアミル硫酸塩);長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などのような薬剤を用いて、4級化され得る。水溶性もしくは水分散性または油溶性もしくは分散性の生成物は、それらによって得られる。
【0077】
本発明の組成物内の化合物は、慣用の技術を使用して合成され得る。有利には、これらの化合物は、容易に利用可能である出発物質から便利に合成される。これらの化合物への合成経路、および表1の中の特定の化合物の合成は、国際PCT出願番号WO00/56331に開示されており、その公開は、本明細書中で参考として援用される。
【0078】
本発明の組成物内の化合物は、選択的な生物学的性質を高めるための適切な官能基を付加することによって修飾され得る。そのような修飾は、当該分野で公知であり、および与えられた生物学的区画(例えば、血液、リンパ系および中枢神経系)への生物学的浸透を増加させ、経口の有効性を増加させ、注射による投与を可能にする溶解度を増加させ、代謝産物を変化させ、および排出の速度を変化させる修飾を包含する。
【0079】
用語「薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバント」は、本発明の化合物と共に患者へ投与され得、およびそれらの薬理学的活性を破壊せず、そして化合物の治療的用量を送達するための十分な投与量で投与される場合、非毒性であるキャリアまたはアジュバントを称する。
【0080】
本発明の薬学的組成物において使用され得る、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントおよびビヒクルとしては、イオン交換剤(ion exchanger)、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達系(SEDDS)(例えば、dα−トコフェロールコハク酸ポリエチレングリコール1000)、薬学的投薬形態において使用される界面活性剤(例えば、Tweenまたは他の同様のポリマー送達マトリックス)、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的なグリセリド混合物)、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛の塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。シクロデキストリン(例えば、α−、β−およびγ−シクロデキストリン)またはヒドロキシアルキルシクロデキストリン(例えば、2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、または他の可溶化された誘導体が挙げられる)のような化学修飾された誘導体は、有利に、本発明の化合物の送達を高めるためにまた使用され得る。
【0081】
本発明の薬学的組成物は、経口投与、非経口投与、吸入スプレーによる投与、局所投与、直腸投与、鼻腔投与、頬投与、膣投与、または移植されたリザーバーを通して投与され得る。本発明者らは、経口投与または注射による投与を好む。本発明の薬学的組成物は、任意の慣用の非毒性の薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含み得る。いくつかの場合、処方物のpHは、処方される化合物またはその送達形態の安定性を高めるために、薬学的に受容可能な酸、塩基または緩衝剤を用いて調整され得る。本明細書で使用される用語「非経口」としては、皮下、皮膚内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液内、胸骨内、包膜内、損傷内、および頭蓋内への注射または注入技術が挙げられる。
【0082】
この薬学的組成物は、滅菌した注射可能調製物(例えば、滅菌した注射可能な水溶性懸濁剤または油性懸濁剤)の形態であり得る。この懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween80)および懸濁剤を使用して、当該分野で公知の技術によって処方され得る。この滅菌した注射可能調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口に受容可能な希釈剤または溶媒中の、滅菌した注射可能な溶液または懸濁液であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒のうちでもとりわけ、マンニトール、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用される。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の刺激の弱い不揮発性油が、使用され得る。オレイン酸のような脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、注入可能物の調製において、天然の薬学的に受容可能な油(例えば、オリーブ油またはヒマシ油)と同様に、特にそれらのポリオキシエチル化形態において有用である。これらの油溶液または油懸濁液はまた、Pharmacopeia Helvetica,Ph.Helv.に記載されているような長鎖のアルコール希釈剤もしくは長鎖のアルコール分散剤または同様のアルコール、あるいはカルボキシメチルセルロースまたは薬学的に受容可能な投薬形態(例えば、エマルジョンおよび/または懸濁剤)の処方において慣用的に使用される同様の分散剤を含有し得る。TweenもしくはSpanおよび/または他の同様の乳化剤のような慣用に使用される他の界面活性剤、あるいは薬学的に受容可能な固体、液体、もしくは他の投薬形態の製造において慣用に使用される生物学的利用能を高めるものはまた、処方の目的のために使用され得る。
【0083】
本発明の薬学的組成物は、経口により受容可能な任意の投薬形態(カプセル、錠剤、エマルジョン、および水性の懸濁剤、分散剤および溶液が挙げられるが、これらに限定されない)において経口投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、慣用に使用されるキャリアは、ラクトースおよびコーンスターチを含む。また、典型的に、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)が加えられる。カプセル形態における経口投与のために、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥させたコーンスターチを含む。水性懸濁剤および/または水性エマルジョンが、経口投与される場合、この活性成分は、油相中で懸濁または分散され得、そして乳化剤および/または懸濁剤と結合され得る。所望の場合、ある甘味剤および/または矯味矯臭剤および/または着色剤が添加され得る。
【0084】
本発明の薬学的組成物はまた、直腸投与のための坐剤の形態において投与され得る。これらの組成物は、本発明の化合物を、室温では固体だが直腸温度では液体になる適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製され得、それゆえ、直腸で融解して、この活性成分が放出される。そのような材料としては、ココアバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
本発明の薬学的組成物の局所投与は、所望の処置が、局所適用により容易に接近可能である場所または器官に関与する場合、特に有用である。肌への局所適用については、薬学的組成物は、キャリアの中に懸濁または溶解される活性成分を含む、適切な軟膏を用いて処方されるべきである。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、鉱油、液化石油(liquid petroleum)、ホワイトペトロリアム(white petroleum)、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化するろうおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、この薬学的組成物は、適切な乳化剤と一緒にキャリアの中に懸濁または溶解された活性化合物を含む、適切なローション剤またはクリームを用いて処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレート(sorbitan monostearate)、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリールアルコール(cetearyl alcohol)、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的組成物はまた、直腸の坐剤処方によって、または適切な浣腸処方において、低い腸管へ局所適用され得る。局所経皮パッチはまた、本発明の中に含まれる。
【0086】
本発明の薬学的組成物は、鼻腔エアロゾルまたは鼻腔吸入薬によって投与され得る。そのような組成物は、薬学的処方物の分野で周知の技術に従って調製され、そして、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐薬、生物学的利用能を高めるための吸収助触媒、フッ化炭素および/あるいは当該分野で公知の他の可溶化剤または分散剤を使用して、生理食塩水の中の溶体として調製され得る。
【0087】
1日につき約0.01mg/kg体重と約100mg/kg体重との間、好ましくは、1日につき約0.5mg/kg体重と約75mg/kg体重との間の投薬量のレベルで、本明細書に記載のフルダラビンおよびIMPDH抑制性化合物のそれぞれは、IMPDH媒介型疾患の予防および処置のための単一治療および/または組み合わせ治療において有用である。代表的に、本発明の薬学的組成物は、1日につき約1〜約5回、あるいは、連続注入として投与される。そのような投与は、慢性の治療または急性の治療として使用され得る。単一の投薬形態を生成するためのキャリア材料と結合され得る活性成分の量は、処置される宿主および投与の特定の様式に依存して変動する。代表的な調製物は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含む。好ましくは、そのような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含む。
【0088】
本発明の組成物では、IMPDHインヒビターおよびフルダラビンの両方は、単一の治療のレジメンにおいて通常に投与される、約10%〜約100%の間の投薬量のレベル、およびより好ましくは約10%〜約80%の間の投薬量レベルにおいて存在するべきである。フルダラビンは、複数の投与のレジメンの一部として、IMPDH抑制性化合物とは別々に投与され得る。あるいは、フルダラビンは、単一の組成物中の本発明の化合物と共に混合された、単一の投薬形態の一部であり得る。
【0089】
患者の状態の改善において、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持投薬量は、必要な場合、投与され得る。その後、投与の量もしくは頻度または両方は、この症状の変化に従って、その改善された状態が保持されるレベルまで減少され得、その症状が所望のレベルまで軽減されている場合、処置はやめるべきである。しかし、患者は、疾患症状のあらゆる回復に対して、長期間を基礎においた間欠性処置を要求し得る。
【0090】
当業者が理解するように、上述に記載の量よりも、より低い投与量またはより高い投与量が要求され得る。任意の特定の患者に対する特定の投与量および処置のレジメンは、種々の要因に依存し、それらとしては、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、疾患の重症度および疾患の経過、患者の疾患に対する性質および処置する内科医の判断が挙げられる。
【0091】
代替の実施形態では、本発明は、上述に記載の任意の薬学的組成物を哺乳動物へ投与する工程を含む、この哺乳動物におけるIMPDH媒介型疾患を処置する方法を提供する。そのような方法は、抗炎症性剤、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス薬剤、または抗血管過剰増殖化合物から選択される薬剤を、上記哺乳動物へ投与するさらなる工程を含み得る。そのようなさらなる薬剤は、本発明の組成物の投与の前に、投与と同時に、または投与の後に、哺乳動物へ投与され得る。
【0092】
好ましい実施形態では、これらの方法は、哺乳動物における免疫応答を抑制する際に有用である。そのような方法は、疾患を処置または予防する際に有用であり、その疾患としては、移植片拒絶反応(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(島細胞)、骨髄、角膜、小腸および皮膚の同種移植片および心臓弁異種移植片)、対宿主性移植片病、ならびに自己免疫疾患(例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、若年性糖尿病、ぜん息、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、狼瘡、糖尿病、メリタス(mellitus)重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、湿疹、脂漏症、肺炎症、眼ブドウ膜炎(eye uveitis)、グレーヴス病、橋本甲状腺炎、ベーチェット症候群またはシューグレン症候群(眼乾燥/口乾燥)、悪性貧血症または免疫溶血性貧血症、特発腎傍不全、多腺自己免疫症候群、糸球体腎炎、強皮症、扁平苔癬、白斑(皮膚の脱色)、自己免疫甲状腺炎、および肺胞炎)が挙げられる。
【0093】
別の代替の好ましい実施形態では、これらの方法は、哺乳動物における腫瘍および癌を処置するために有用である。そのような方法は、疾患を処置または予防する際に有用であり、その疾患としては、液体腫瘍および固体腫瘍ならびに悪性腫瘍(例えば、リンパ腫、白血病および関連する疾患、骨髄異形成症候群、転移性メラノーマ、ならびに癌の他の形態(例えば、乳癌、結腸癌、膵臓癌、および前立腺癌)が挙げられる。
【0094】
別の実施形態によれば、本発明の化合物および本発明の組成物は、乳癌または骨髄腫、好ましくは、多発性骨髄腫を処置する際に有用である。より好ましい実施形態によれば、本発明は、(必要に応じてフルダラビンと結合される)化合物番号181または化合物番号169を、多発性骨髄腫の処置を必要とする患者へ投与する工程を含む、多発性骨髄腫を処置する方法を提供する。より好ましくは、多発性骨髄腫を処置する上記方法は、化合物番号181を上記患者へ投与する工程を含む。別のより好ましい実施形態では、本発明は、(必要に応じてフルダラビンと結合される)化合物番号181または化合物番号169を、乳癌の処置を必要とする患者へ投与する工程を含む、乳癌を処置する方法を提供する。より好ましくは、乳癌を処置する上記方法は、化合物番号181を、上記患者へ投与する工程を含む。
【0095】
これらの方法は、本発明の組成物を、哺乳動物へ投与する工程を包含する。好ましい実施形態では、この特定の方法は、上記組成物がフルダラビンまたはその誘導体またはそのアナログを含む本発明の組成物を、上記哺乳動物へ投与するさらなる工程を包含する。
【0096】
上述の方法のより好ましい実施形態は、上述に記載のような好ましい組成物を使用する実施形態である。
【0097】
本発明がより十分に理解されるために、次の実施例が示される。これらの実施例は、例証の目的のためだけであり、および本発明の範囲をいかなる様式でも限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0098】
(実施例1)
(アポトーシスアッセイ)
(目的)
Guava Personal Cytometer技術を用いて、化合物181の存在下または非存在下において、AnnexinV陽性細胞を測定することによって、細胞のアポトーシスを評価すること。
【0099】
(試薬)
1.培地:10%FBS(IRVINE Scientific,CA)、50U/ml ペニシリン+50μg/ml ストレプトマイシン(Gibco)、300μg/ml L−グルタミン(Gibco)、10mM HEPES(Gibco);4.5g/L グルコースを補充された、RPMI1640(JRH #51501−79P)。
2.Nexin Kit(Guava カタログ番号 4700−0010)。
3.Guava Technologies Personal Cytometer。
4.Daudi細胞株(ATCC)。
5.2−フルオロアデニン−9−b−D−アラビノフラノシド(F−ara−A、フルダラビン デス−ホスフェート)、Sigma カタログ#F2773。
【0100】
(手順)
(0日目)
1.培地中に2〜2.5×10/mlの細胞を希釈する。
2.96ウェルプレートの各ウェルに、培地中の100μlの細胞懸濁液、24ウェルプレートの各ウェルに培地中の1mlの細胞懸濁液、または12ウェルプレートの各ウェルに培地中の1.2mlの細胞懸濁液を播種する。
3.培地中で化合物溶液を調製する。
4.96ウェルプレートの各ウェルへ、100μlの試験薬物溶液、または24ウェルプレートの各ウェルに1mlの試験薬物溶液を加える。DMSOの濃度は全てのウェルに対して0.1〜0.2%である。
5.プレートをインキュベートする(37℃、5%CO)。
【0101】
(3日目)
1.Guava Nexin Kitを用いて、製造者によって提供された、細胞を染色するための手順に従う。
2.製造者の説明書に従って、Guava Personal Cytometerを用いてサンプルを分析する。
3.Biosoft−CalcuSyn Programを用いて、相乗効果に対する結果を分析する。
【0102】
図1は、化合物181単独、フルダラビン単独、および両方の組み合わせの濃度に対しての%アポトーシスを示す。図1から明らかなように、化合物181およびフルダラビンの組み合わせは、それらの間の相乗効果により、%アポトーシスをより増大させる結果を生じる。
【0103】
図2は、この効果に対する組み合わせ指数を示す。
【0104】
ED50、ED75、およびED90における化合物番号181およびフルダラビン(1:1)に対する組み合わせ指数の値は、各々、0.21、0.079、および0.03であり、従って、このことは強い相乗効果を立証する。
【0105】
本発明者らは、上述で本発明の多くの実施形態を提供したが、本発明者らの基本構成が、本発明の方法を利用する他の実施形態を提供するために変更され得ることは、明白である。それゆえ、本発明の範囲は、例として上述で提供されている特定の実施形態よりむしろ、本明細書に添付された特許請求の範囲によって規定されるべきであることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、以下:
(a)アポトーシス誘導性抗癌剤;
(b)以下の式(A)の化合物であって、
【化1】

ここで、RおよびRの各々は、水素;−CF;−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−(C〜C)−分岐アルキル;−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは−(C〜C)−分岐アルケニルもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル;−(C〜C)−直鎖アルキル−Rまたは−(C〜C)−分岐アルキル−R;−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−Rあるいは−Rから独立して選択され;そして、RまたはRのうちの少なくとも1個は、−(C〜C)−直鎖アルキル−Rまたは−(C〜C)−分岐アルキル−R;−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−Rあるいは−Rから独立して選択され、
ここで、該アルキル、アルケニル、またはアルキニルのいずれかにおける4個までの水素原子は、必要に応じておよび独立してRによって置き換えられ;そして
またはRの1個または両方は、必要に応じてエステル化されてプロドラッグを形成するか;あるいは、
およびRは、一緒になって、テトラヒドロフラニルを形成し、ここで、Rが、水素、(R)−メチル、(R)−エチルまたは(R)−ヒドロキシメチルである場合、該テトラヒドロフランの中の1個の水素原子は、−ORまたは−Rによって置き換えられ、そしてここで、Rが、(S)−メチル、(S)−エチルまたは(S)−ヒドロキシメチルである場合、該テトラヒドロフランの中の1個の水素原子は、必要に応じて−ORまたは−Rによって置き換えられ;
ここで、Rが水素、(R)−メチル、(R)−エチルまたは(R)−ヒドロキシメチルであり、そしてRおよびRの各々が、独立して、水素、非置換−(C〜C)−直鎖アルキルまたは非置換−(C〜C)−分岐アルキル、あるいは非置換−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは非置換−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは非置換−(C〜C)−分岐アルケニルまたは−(C〜C)−分岐アルキニルである場合、−CH(R)Rによって表される該化合物の部分は、C〜C12直鎖アルキル、C〜C12直鎖アルケニル、もしくはC〜C12直鎖アルキニルまたはC〜C12分岐アルキル、C〜C12分岐アルケニル、もしくはC〜C12分岐アルキニルであり;
各Rは、独立して、ハロ、CN、−OR、または−N(Rから選択され;
は、水素、−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−(C〜C)−分岐アルキル、−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは−(C〜C)−分岐アルケニルもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−R、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−R、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキル]または−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキル]、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキニル]または−C(O)−[(C〜C)−分岐アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキニル]、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキル]−N(Rまたは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキル]−N(R、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−N(Rもしくは−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−N(Rまたは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルケニル]−N(Rもしくは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキニル]−N(R、−P(O)(OR、−P(O)(OR)(R)、−C(O)−R、−S(O)N(R、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−CN、あるいは−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−CNから選択され;
各Rは、独立して、水素、−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−(C〜C)−分岐アルキル、−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは−(C〜C)−直鎖アルキニルまたは−(C〜C)−分岐アルケニルもしくは−(C〜C)−分岐アルキニル、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−R、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−Rまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−Rもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−R、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−CN、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−CNまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−CNもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−CN、−[(C〜C)−直鎖アルキル]−ORまたは−[(C〜C)−分岐アルキル]−OR、−[(C〜C)−直鎖アルケニル]−ORもしくは−[(C〜C)−直鎖アルキニル]−ORまたは−[(C〜C)−分岐アルケニル]−ORもしくは−[(C〜C)−分岐アルキニル]−OR、−C(O)−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−C(O)−(C〜C)−分岐アルキル、−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−直鎖アルキニル]または−C(O)−[(C〜C)−分岐アルケニル]もしくは−C(O)−[(C〜C)−分岐アルキニル]、−C(O)−R、−C(O)O−R、−C(O)O−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−C(O)O−(C〜C)−分岐アルキル、−C(O)O−[(C〜C)−直鎖アルケニル]もしくは−C(O)O−[(C〜C)−直鎖アルキニル]または−C(O)O−[(C〜C)−分岐アルケニル]もしくは−C(O)O−[(C〜C)−分岐アルキニル]、−S(O)−(C〜C)−直鎖アルキルまたは−S(O)−(C〜C)−分岐アルキル、あるいは−S(O)−Rから選択され;あるいは、2個のR部分は、同一の窒素原子に結合する場合、該窒素原子と一緒になって、3〜7員の複素環を形成し、ここで、該複素環は、必要に応じてN、O、S、S(O)またはS(O)から独立して選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を含み;
は、−C(O)−CH、−CH−C(O)−OH、−CH−C(O)−O−tBu、−CH−CN、または−CH−C≡CHから選択され;
各Rは、単環式環系または二環式環系であり、ここで該環系において;
i.各環は、C、N、OまたはSから独立して選択される3〜7個の環原子を含み
ii.4個以下の環原子が、N、O、またはSから選択され;
iii.任意のCHは、必要に応じて、C(O)で置き換えられ;
iv.任意のSは、必要に応じて、S(O)またはS(O)で置き換えられ;
各Rは、水素または−[C〜C]−直鎖アルキルまたは−[C〜C]−分岐アルキルから独立して選択され;
ここで、該化合物中の任意の環系において、該環原子に結合した3個までの水素原子は、必要に応じて、および独立して、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、(C〜C)−直鎖アルキルまたは(C〜C)−分岐アルキル;O−(C〜C)−直鎖アルキルまたはO−(C〜C)−分岐アルキル、(C〜C)−直鎖アルケニルもしくは(C〜C)−直鎖アルキニルまたは(C〜C)−分岐アルケニルもしくは(C〜C)−分岐アルキニル、あるいはO−(C〜C)−直鎖アルケニルもしくはO−(C〜C)−直鎖アルキニルまたはO−(C〜C)−分岐アルケニルもしくはO−(C〜C)−分岐アルキニルで置き換えられ;ならびに
ここで、任意の環系は、必要に応じてベンゾ縮合され;
は、水素、(R)−メチル、(S)−メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、(R)−ヒドロキシメチルまたは(S)−ヒドロキシメチルから選択され;
10は、−C≡Nまたは5−オキサゾリルから選択され;および
11は、ハロ、−O−(C〜C)直鎖アルキル、または−O−(C〜C)直鎖アルケニルもしくはアルキニルから選択される、化合物;
(c)薬学的に受容可能なキャリア
を含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、該化合物は、以下の式(I)を有し、
【化2】

ここで、RおよびRは、請求項1において定義されているとおりである、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物であって、該化合物は、以下の式(IA)を有し:
【化3】

ここで、Rは、(R)−メチル、(S)−メチル、(R)−エチル、(S)−エチル、(R)−ヒドロキシメチルまたは(S)−ヒドロキシメチルから選択され;そして
およびRは、請求項1において定義されているとおりである、組成物。
【請求項4】
が、(S)−メチル、(S)−エチル、または(S)−ヒドロキシメチルメチルから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
が、(S)−メチルである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
11は、O−メチル、O−エチルまたはO−イソプロピルから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物であって、
ここで:
またはRの少なくとも1個が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tーブチル、n−ペンチル、フェニル、ピリジル、
【化4】

から選択され、ここで、nは0または1である、組成物。
【請求項8】
およびRが、一緒になって、5位が−ORによって置換された3−テトラヒドロフラニル部分を形成する、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
またはRのうちの1個が、水素、エチル、またはフェニルから選択され;そしてRまたはRのうちの他方が、−CHOH、−CHCN、−CHCHCNまたはCHN(CHCHから選択され;あるいはここで、RおよびRが、一緒になって、3−テトラヒドロフラニル部分を形成する、請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
前記化合物が、表1の化合物1〜187の任意の1個から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記化合物が、表1の化合物1、23、26、27、29、32、76、80、87、89、98、101、103、104、106、108、110、157、163、169、171、181、185、186または187のうちの任意の1個から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記アポトーシス誘導性抗癌剤が、代謝拮抗物質である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記代謝拮抗物質が、シタラビン、フルダラビン、5−フルロ(fluro)−2’−デオキシウリジン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、またはメトトレキサートから選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記代謝拮抗物質が、シタラビン、フルダラビン、または5−フルロ−2’−デオキシウリジンから選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記代謝拮抗物質が、フルダラビンまたはシタラビンから選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記代謝拮抗物質が、フルダラビンである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記代謝拮抗物質が、ヒドロキシ尿素またはメトトレキサートである、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記代謝拮抗物質が、メトトレキサートである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記化合物が、化合物番号169および181から選択される、請求項12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
哺乳動物において、腫瘍および癌を抑制するための方法であって、該哺乳動物に、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項21】
前記方法が、リンパ腫、白血病および関連する障害、骨髄異形成症候群、転移性耳下腺炎、ならびに癌の他の形態を処置または予防するために有用である、請求項20に記載の方法。

【公表番号】特表2006−524186(P2006−524186A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508461(P2005−508461)
【出願日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2003/038523
【国際公開番号】WO2004/052349
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】