説明

ジブロモマロンアミドの組成物および殺生剤としてのその使用

2,2−ジブロモマロンアミドおよびアルデヒド系殺生物化合物を含む殺生物組成物、ならびに水性系および水含有系における微生物の制御のためのその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件は、米国仮出願整理番号第61/246,186号(2009年9月28日出願)(その全部を参照により本明細書に組入れる)の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、殺生物組成物、ならびに水性系および水含有系における微生物を制御するためのその使用方法に関する。該組成物は、2,2−ジブロモマロンアミドおよびアルデヒド系殺生物化合物を含む。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
水系は、繁殖に好適な場所を藻類、バクテリア、ウイルス、および菌類(これらの幾つかは病原体である可能性がある)に対して与える。微生物汚染は種々の問題(例えば美観的な不快さ,例えばスライムがある緑色の水、深刻な健康リスク,例えば菌類、バクテリアまたはウイルスの感染、ならびに機械的な問題,例えば詰まり、設備の腐食、および伝熱の低下)を起こす可能性がある。
【0004】
殺生剤は、水性系および水含有系における消毒、および微生物の生育の制御のために一般的に用いる。しかし、全ての殺生剤が広範囲の微生物および/または温度に対して有効であるわけではなく、幾つかは他の化学処理添加剤と非親和性である。加えて、幾つかの殺生剤は長い十分な期間の微生物制御を与えない。
【0005】
これらの欠点の幾つかは、より大量の殺生剤の使用により解決可能であるが、この選択肢はそれ自体の問題をもたらす。例えば増大するコスト、増大する廃棄物、および殺生剤が処理される媒体の所望の特性と干渉することの増大する可能性である。加えて、より大量の殺生剤を用いても、多くの商業用殺生物化合物は、有効な制御を与えることができない。これは、特定種の微生物に対する活性の弱さ、またはこれらの化合物に対する微生物の耐性に起因する。
【0006】
水系の処理のために殺生剤組成物を与えることは当該分野で顕著に有利であり、これは以下の利点の1つ以上をもたらす:より低濃度での増大する効果、処理される媒体中での物理的条件および他の添加剤との親和性、広いスペクトルの微生物に対する有効性、ならびに/または、短期間および長期間の両者の微生物の制御を与える能力。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の簡単な要約
一側面において、本発明は、殺生物組成物を提供する。該組成物は、水性系または水含有系における微生物を制御するために有用である。該組成物は:2,2−ジブロモマロンアミド、ならびに、グルタルアルデヒド、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、および1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンからなる群から選択されるアルデヒド系殺生物化合物を含む。
【0008】
第2の側面において、本発明は、水性系または水含有系における微生物を制御する方法を提供する。該方法は、系を、有効量の本開示で記載する殺生物組成物で処理することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
上記の通り、本発明は、殺生物組成物および微生物の制御においてこれを用いる方法を提供する。該組成物は:2,2−ジブロモマロンアミド、ならびに、グルタルアルデヒド、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、および1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンからなる群から選択されるアルデヒド系(すなわち、アルデヒド含有またはアルデヒド放出)殺生物化合物を含む。驚くべきことに、本開示で記載する2,2−ジブロモマロンアミドとアルデヒド系殺生物化合物との特定質量比での組合せが、水性媒体または水含有媒体における微生物制御に用いる場合に相乗的であることを見出した。すなわち、組合せ物質は、その個別の性能に基づいて予測されるのと比べて改善された殺生物特性をもたらす。相乗性は、所望の殺生物特性を実現するために用いるべき物質の量の低減、よって工業プロセス水における微生物の生育に起因する問題の低減を、環境的な影響および材料コストの潜在的な低減とともに可能にする。
【0010】
本明細書の目的について、「微生物」の意味としては、これらに限定するものではないが、バクテリア、菌類、藻類、およびウイルスが挙げられる。語句「制御」および「制御する」は、その意味を、微生物の生育または増殖の阻害、殺微生物、消毒および/または防腐を包含しこれらに限定ないように広く解釈すべきである。幾つかの好ましい態様において、「制御」および「制御する」は、微生物の生育または増殖を阻害することを意味する。更なる態様において、「制御」および「制御する」は、殺微生物を意味する。
【0011】
用語「2,2−ジブロモマロンアミド」は、下記化学式:
【0012】
【化1】

【0013】
で表される化合物を意味する。
【0014】
本発明の2,2−ジブロモマロンアミドおよびアルデヒド系殺生物化合物は市販で入手可能であり、および/または当業者によって周知技術を用いて容易に調製できる。1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド化合物は、シス異性体、トランス異性体、またはシス異性体とトランス異性体との混合物であることができる。好ましくは、シス異性体、またはシス異性体とトランス異性体との混合物である。
【0015】
本発明の幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのアルデヒド系殺生物化合物に対する質量比は約100:1〜約1:1500である。
【0016】
本発明の幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのアルデヒド系殺生物化合物に対する質量比は約100:1〜約1:400である。
【0017】
幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのアルデヒド系殺生物化合物に対する質量比は約50:1〜約1:350である。
【0018】
幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのアルデヒド系殺生物化合物に対する質量比は約9:1〜約1:320である。
【0019】
幾つかの態様において、アルデヒド系殺生物化合物はグルタルアルデヒドであり、そして2,2−ジブロモマロンアミドのグルタルアルデヒドに対する質量比は、約20:1〜約1:20、代替として約9:1〜約1:9、または代替として約9:1〜約1:1である。幾つかの態様において、質量比は約2:1〜約1:350、代替として約1:1〜約1:330、または代替として約1:5〜約1:320である。幾つかの態様において、質量比は約20:1〜約1:400、代替として約10:1〜約1:350、または代替として約9:1〜約1:320である。
【0020】
幾つかの態様において、アルデヒド系殺生物化合物は、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンであり、そして2,2−ジブロモマロンアミドのトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンに対する質量比は、約1:1〜約1:50、代替として約1:2〜約1:40、または代替として約1:2.5〜約1:40である。
【0021】
幾つかの態様において、アルデヒド系殺生物化合物は、7−エチルビシクロオキサゾリジンであり、そして2,2−ジブロモマロンアミドの7−エチルビシクロオキサゾリジンに対する質量比は、約5:1〜約1:1500、代替として約1:1〜約1:1300、または代替として約1:1〜約1:1280、または代替として約1:1.2〜約1:1280である。
【0022】
幾つかの態様において、アルデヒド系殺生物化合物は、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリドであり、そして2,2−ジブロモマロンアミドの1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリドに対する質量比は、約10:1〜約1:350、代替として約4:1〜約1:320、または代替として約3.2:1〜約1:320である。
【0023】
幾つかの態様において、アルデヒド系殺生物化合物は、4,4−ジメチルオキサゾリジンであり、そして、2,2−ジブロモマロンアミドの4,4−ジメチルオキサゾリジンに対する質量比は、約5:1〜約1:5、代替として約1:2〜約1:3、または代替として約1:2.5である。
【0024】
幾つかの態様において、アルデヒド系殺生物化合物は、1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンであり、そして2,2−ジブロモマロンアミドの1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンに対する質量比は、約10:1〜約1:30、代替として約4:1〜約1:20、または代替として約2:1〜約1:16である。
【0025】
本発明の組成物は種々の水性系および水含有系における微生物を制御するために有用である。このような系の例としては、これらに限定するものではないが、塗料およびコーティング、水性エマルション、ラテックス、接着剤、インク、顔料分散体、家庭用または工業用の洗浄剤、洗剤、食器用洗剤、ミネラルスラリーポリマーエマルション、コーキングおよび接着剤、テープジョイントコンパウンド、消毒剤、殺菌剤、金属作動流体、構造物、パーソナルケア製品、テキスタイル流体(例えばスピン仕上)、工業プロセス水(例えば、油田水、パルプおよび紙の水、冷却水)、油田機能性流体(例えば、掘削泥水および破砕流体)、燃料、エアウオッシャー、廃水、バラスト水、濾過系、ならびに水泳プール水およびスパ水が挙げられる。好ましい水性系は、金属作動流体、パーソナルケア、家庭用および工業用の洗浄剤、工業プロセス水、ならびに塗料およびコーティングである。特に好ましくは、工業プロセス水、塗料およびコーティング、金属作動流体、およびテキスタイル流体(例えばスピン仕上)である。
【0026】
当業者は過度の実験なく、微生物制御を与えるための任意の特定用途において用いるべき組成物の有効量を容易に決定できる。例として、好適な活性物質濃度(2,2−ジブロモマロンアミドおよびアルデヒド系殺生物化合物の両者の合計)は、典型的には、少なくとも約1ppm、代替として少なくとも約3ppm、代替として少なくとも約7ppm、代替として少なくとも約10ppm、または代替として少なくとも約100ppm(水性系または水含有系の総質量基準)である。幾つかの態様において、活性物質濃度の好適な上限は、約1000ppm、代替として約500ppm、代替として約100ppm、代替として約50ppm、代替として約30ppm、代替として約15ppm、代替として約10ppm、または代替として約7ppm(水性系または水含有系の総質量基準)である。
【0027】
組成物の成分は、水性系または水含有系に別個に添加でき、または添加前に前もってブレンドできる。当業者は、適切な添加方法を容易に決定できる。組成物は、他の添加剤,例えば、これらに限定するものではないが界面活性剤、イオン性/ノニオン性のポリマー、ならびにスケールおよび腐食の防止剤、酸素捕捉剤、ならびに/または追加の殺生剤、とともに系中で使用できる。
【0028】
以下の例は、本発明を例示するが、その範囲の限定を意図しない。特記がない限り、本開示で用いる比、パーセント、部等は質量基準である。
【0029】

例で与えられる結果は、生育阻害アッセイまたは殺アッセイを用いて得られるものである。各アッセイの詳細を以下に与える。
【0030】
殺アッセイ. このアッセイは、活性物質間の相乗性の予備評価として用いる。手順は以下の通りである。ミネラル塩溶液(0.2203gのCaCl2,0.1847gのMgS04,および0.2033gのNaHCO3(1L水中、約pH8)に、等量(約107CFU/ml)の、Pseudomonas aeruginosa ATCC 10145とStaphylococcus aureus ATCC 6538との混合物を接種する。次いで、細胞懸濁液のアリコートを2,2−ジブロモマロンアミド(「DBMAL」)、アルデヒド系殺生物化合物、および種々の濃度レベルでのこれらの組合せ、で処理する。37℃で2時間の培養後、殺生物効果を、アリコート中のバクテリア細胞を完全に殺すのに必要な最小殺生剤濃度(MBC)基準で評価する。次いでMBC値を用いて相乗指数(SI)値を算出する。
【0031】
殺アッセイ結果の纏めを個別の例にて示す。各表において、試験した各殺生剤およびブレンド物についてのMBC値を示す。同様に、組合せについての相乗指数(「SI」)値を列挙する。SIは下記等式に従って算出する:
相乗指数=Ca/CA+Mb/CB
式中、
a:殺生剤Bとの組合せで用いた場合に完全な殺バクテリアに必要な殺生剤Aの濃度
A:単独で用いた場合に完全な殺バクテリアに必要な殺生剤Aの濃度
b:殺生剤Aとの組合せで用いた場合に完全な殺バクテリアに必要な殺生剤Bの濃度
B:単独で用いた場合に完全な殺バクテリアに必要な殺生剤Bの濃度
【0032】
SI値は以下のように解釈する:
SI<1:相乗的
SI=1:相加的
SI>1:拮抗的
【0033】
生育阻害アッセイ. 例で用いる生育阻害アッセイは、バクテリア集団の生育の阻害(またはその不足)を測定する。生育の阻害は、殺細胞(よって生育は起きない)、再増殖が長時間を必要とするような細胞の集団の相当部分の殺生物、または殺生物を伴わない生育の阻害(スタシス)の結果であることができる。作用機序に関わらず、殺生剤(または殺生剤の組合せ)の影響を、群のサイズの増大を基準として経時的に測定できる。
【0034】
アッセイは、希薄ミネラル塩媒体中でのバクテリアの集団の生育の防止における1種以上の殺生剤の効果を測定する。媒体は(mg/l単位で)以下の成分を含有する:FeCl3.6H20(1);CaCl2・2H20(10);MgS04・7H20(22.5);(NH42S04(40);KH2P04(10);K2HP04(25.5);酵母抽出物(10);およびグルコース(100)。全成分を脱イオン水に添加した後、媒体のpHを7.5に調整する。フィルター滅菌後、アリコートを100μl量で滅菌マイクロタイタープレートウエルに分配する。次いで、DBMALおよび/または「殺生剤B」の希釈物を、マイクロタイタープレートに添加する。下記に示す活性成分の組合せを準備した後、各ウエルに100μlの細胞懸濁液(約1×106細胞毎ミリリットルのPseudomonas aeruginosa,Klebsiella pneumoniae,Staphylococcus aureus,およびBacillus subtilisの混合物を含有する)を接種する。各ウエルにおける媒体の最終的な総体積は300μlである。本開示で記載するように準備したら、各活性物質の濃度は25ppm〜0.19ppmである(表1に示す通り)。得られるマトリクスは、各活性物質の8つの濃度および(活性物質の)比における活性物質の64の組合せの試験を可能にする。
【0035】
【表1】

【0036】
対照(示さず)は、殺生剤添加なしの媒体を含有する。上記に示した活性物質の組合せの調製後、各ウエルに100μlの細胞懸濁液(約1×106細胞毎ミリリットルのPseudomonas aeruginosa,Klebsiella pneumoniae,Staphylococcus aureus,およびBacillus subtilisの混合物を含有する)を接種する。各ウエルにおける媒体の最終的な総体積は300μlである。
【0037】
マイクロタイタープレートを準備した直後、各ウエルについての光学密度(OD)読みを580nmにて測定し、次いでプレートを37℃で24時間インキュベートする。インキュベート時間後、プレートを穏やかに撹拌した後、OD580値を収集する。T0でのOD580値をT24値から差し引いて、生じた生育(またはその不足)の総量を決定する。これらの値を用いて、各殺生剤および64の組合せの各々の存在に起因する生育の阻害%を算出する。生育の90%阻害を、下記等式での相乗指数(SI)値算出のための閾値として用いる。
【0038】
相乗指数=MDBMAL/CDBMAL+MB/CB
式中、
DBMAL:単独で使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要なDBMALの濃度
B:単独で使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要な殺生剤(B)の濃度
DBMAL:殺生剤(B)との組合せで使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要なDBMALの濃度
B:DBMALとの組合せで使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要な殺生剤(B)の濃度
【0039】
SI値は以下のように解釈する:
SI<1:相乗的な組合せ
SI=1:相加的な組合せ
SI>1:拮抗的な組合せ
【0040】
下記例において、溶液中の殺生剤の量は、溶液1リットル当たりのmg(mg/l)で測定する。溶液密度は約1.00であるため、mg/l測定値は質量ppmに対応する。従って両単位は例において互換的に使用できる。
【0041】
例1
DBMALおよびグルタルアルデヒド
殺アッセイ結果. DBMALおよびグルタルアルデヒド(Glut)の組合せの殺アッセイ結果を表2に示す。このアッセイでは、単独で試験する場合、試験株の完全な殺生物の実現に必要なDBMALおよびグルタルアルデヒドの濃度は、それぞれ66.7mg/1および29.6mg/1である。しかし、1:1ブレンドで共に試験する場合、14.8mg/1の各活性物質が必要であったのみである。対応するSIは0.72である。DBMALおよびglutの他の組合せは相乗性を示す。
【0042】
【表2】

【0043】
生育阻害アッセイ結果. 表3は、DBMAL、グルタルアルデヒド、および組合せについてのアッセイ結果を示す。微生物集団の生育の少なくとも90%の阻害を与えるのに必要なグルタルアルデヒドの濃度は125mg/lであり、DBMALについては12.5mg/lである。
【0044】
【表3】

【0045】
表4は、生育阻害アッセイで相乗性であることが見出されるDBMALおよびグルタルアルデヒドの比を示す。
【0046】
【表4】

【0047】
例2
DBMALおよびCTAC
生育阻害アッセイ結果. 表5は、DBMAL、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド(「CTAC」)、および組合せについての生育阻害アッセイ結果を示す。
【0048】
【表5】

【0049】
表7は、生育阻害アッセイで相乗性であることが見出されるDBMALおよびCTACの比を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0050】
【表6】

【0051】
例3
DBMALおよびTN
生育阻害アッセイ結果.表8は、DBMAL、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン(「TN」)、およびこれらの組合せについての生育阻害アッセイ結果を示す。
【0052】
【表7】

【0053】
表9は、相乗的であることが見出されるDBMALおよびTNの濃度を示す。比は2つの活性物質の濃度(mg/lにて)を基準とする。
【0054】
【表8】

【0055】
例4
DBMALおよびEBO
生育阻害アッセイ結果. 表10は、DBMAL、7−エチルビシクロオキサゾリジン(「EBO」)およびこれらの組合せについての生育阻害アッセイ結果を示す。
【0056】
【表9】

【0057】
表11は、相乗的であることが見出されるDBMALおよびEBOの濃度を示す。比は2つの活性物質の濃度(mg/lにて)を基準とする。
【0058】
【表10】

【0059】
例5
DBMALおよび4,4−ジメチルオキサゾリジン
生育阻害アッセイ結果. 表12は、DBMAL、4,4,−ジメチルオキサゾリジン(「4,4−D」)およびこれらの組合せについての生育阻害アッセイ結果を示す。
【0060】
【表11】

【0061】
表13は、相乗的であることが見出されるDBMALおよび4,4,−ジメチルオキサゾリジン(「4,4−D」)の濃度を示す。比は2つの活性物質の濃度(mg/lにて)を基準とする。
【0062】
【表12】

【0063】
例6
DBMALおよび1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジン
生育阻害アッセイ結果. 表12は、DBMAL、1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジン(「TEHT」)およびこれらの組合せについての生育阻害アッセイ結果を示す。
【0064】
【表13】

【0065】
表13は、相乗的であることが見出されるDBMALおよび1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジン(「TEHT」)の濃度を示す。比は2つの活性物質の濃度(mg/lにて)を基準とする。
【0066】
【表14】

【0067】
本発明をその好ましい態様に関して説明してきたが、これは本開示の精神および範囲の中で改変可能である。従って本件は、本開示の一般原理を用いる本発明の任意の変更、使用または適合を網羅することを意図する。更に、本件は、本発明が属する分野における公知または慣用の実施の範囲内となり、特許請求の範囲の限定の範囲内となるような本開示からの逸脱を網羅することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性系または水含有系において微生物を制御するための殺生物組成物であって、2,2−ジブロモマロンアミド、ならびに、グルタルアルデヒド、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、および1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンからなる群から選択されるアルデヒド系殺生物化合物を含む、組成物。
【請求項2】
2,2−ジブロモマロンアミドのアルデヒド系殺生物化合物に対する質量比が、約100:1〜約1:1500である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルデヒド系殺生物化合物がグルタルアルデヒドであり、2,2−ジブロモマロンアミドのグルタルアルデヒドに対する質量比が約9:1〜約1:320である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
アルデヒド系殺生物化合物がトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンであり、2,2−ジブロモマロンアミドのトリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタンに対する質量比が約1:2〜約1:40である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
アルデヒド系殺生物化合物が7−エチルビシクロオキサゾリジンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの7−エチルビシクロオキサゾリジンに対する質量比が約1:1〜約1:1280である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
アルデヒド系殺生物化合物が1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリドであり、2,2−ジブロモマロンアミドの1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリドに対する質量比が約4:1〜約1:320である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
アルデヒド系殺生物化合物が4,4−ジメチルオキサゾリジンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの4,4−ジメチルオキサゾリジンに対する質量比が約1:2〜約1:3である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
アルデヒド系殺生物化合物が1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの1,3,5−トリエチルヘキサヒドロ−s−トリアジンに対する質量比が約2:1〜約1:16である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
塗料、コーティング、水性エマルション、ラテックス、接着剤、インク、顔料分散体、家庭用または工業用の洗浄剤、洗剤、食器用洗剤、ミネラルスラリーポリマーエマルション、コーキング、接着剤、テープジョイントコンパウンド、消毒剤、殺菌剤、金属作動流体、構造物、パーソナルケア製品、テキスタイル流体、スピン仕上、工業プロセス水、油田機能性流体、燃料、エアウオッシャー、廃水、バラスト水、濾過系、または水泳プール水およびスパ水である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
水性系または水含有系における微生物の生育を制御する方法であって、水性系または水含有系を有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物で処理することを含む、方法。
【請求項11】
水性系または水含有系が、塗料、コーティング、水性エマルション、ラテックス、接着剤、インク、顔料分散体、家庭用または工業用の洗浄剤、洗剤、食器用洗剤、ミネラルスラリーポリマーエマルション、コーキング、接着剤、テープジョイントコンパウンド、消毒剤、殺菌剤、金属作動流体、構造物、パーソナルケア製品、テキスタイル流体、スピン仕上、工業プロセス水、油田機能性流体、燃料、エアウオッシャー、廃水、バラスト水、濾過系、または水泳プール水およびスパ水である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、水性系または水含有系における微生物の生育を阻害する、請求項10〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
組成物が、水性系または水含有系における微生物を殺す、請求項10〜11のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−505957(P2013−505957A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531093(P2012−531093)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/050345
【国際公開番号】WO2011/038319
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】