説明

ジベンゾイルメタン誘導体の光安定化

【課題】ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良したUV放射線に対する保護のための光安定的な化粧品組成物の提供。
【解決手段】ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを用いることによって、著しく改良さするとともに、ケイ皮酸エステルの安定化も、間接的に達成された、UV放射線に対する保護のための光安定的な化粧品組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良するための2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの使用、並びにUV放射線から保護するための対応する化粧品組成物、及びそのような組成物の製造に関する。
【0002】
ヒトの皮膚に対するUV光の損傷作用、例えば日焼け、光アレルギー反応、皮膚の成熟前の老化、及び皮膚癌を防ぐための、優れた局所用日焼け保護調製品への要求が増大している。現在の日焼け保護調製品の多くは、290〜320nmの波長範囲(UV−B範囲)内の紫外線放射に対しては、優れた保護を与える。近年の数多くの研究によって、320〜400nmの波長範囲(UV−A範囲)内の紫外線が、日光によって生じる皮膚損傷の一因に大いになることが示されたため、UVA放射線に対する適切な保護の必要性も増大している。さらに、高い日焼け止め指数(以下、SPFとも呼ぶ)を有する日焼け保護調製品が入手できることは、使用者が、日光中により長く留まることを可能としたが、その結果、増加した量のUVA放射線に曝されるという懸念を生じさせる。
【0003】
理想的には、UVフィルターは、その過程で、UVフィルター及びその保護作用が劣化したり、日焼け保護調製品の機能及び信頼性が損なわれたりすることなく、吸収されたUV放射線を無害な熱エネルギーへと、迅速かつ効率的に転化しなければならない。多数の選択肢が適切なUVBフィルターについては存在するが、優れたUVA吸収剤は、そのほとんどが低い活性、又は不適切な光安定性のために、希少である。特に、最も一般的なUVAフィルターである、ジベンゾイルメタン誘導体、例えば4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンは、例えばParsol 1789(Givaudan、スイス国)の名称で商業的に入手できるが、日光の作用下で比較的速やかに分解され、その結果、その保護作用を失う〔R.M. Sayre et al., Allured's Cosmetics & Toiletries, 114(5): 85-91, 1999〕。さらに、それ以外では、UVBフィルターとして活性を有する、光安定性のケイ皮酸エステル、例えば4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル(通常、メトキシケイ皮酸オクチルと呼ばれる)が、しばしばジベンゾイルメタンの組み合わせで使用され、例えばParsol MCX(LaRoche、スイス国)という商品名で入手できるが、ジベンゾイルメタン誘導体の光反応の後に、後者との環付加生成物を形成し、その結果、不安定化されることが知られている。
【0004】
ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良するために、EP-A-0 815 834は、特にN,N−ジエチル−メチルベンズアミド及びN−ブチル−N−アセチル−3−アミノプロピオン酸エチルエステルのような、特定のアミドを提案している。同じ目的で、EP-A-0 970 961は、ベンジリデンショウノウの官能基を有する、特定のケイ素化合物の添加を開示している。さらに、はじめての光安定性のUVAフィルター、すなわち、Mexoryl SX(Chimex、フランス国)の名称で入手できるテレフタリリデンジショウノウスルホン酸が開示されているが、それは、水溶性であり、345nmに強い最大吸光度を有する。
【0005】
DE-A-197 56 921も、少なくとも1種類の慣用のUVAフィルター物質及び/又は広スペクトルフィルター物質を含む、化粧若しくは皮膚科配合物のUVA保護性能を強化するための、合成蜜蝋の使用を提案していて、中でも、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン及び4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンを、それ以外の12種類の成分に加えて含むO/Wローションが、データなしに挙げられている。
【0006】
今や、Tinosorb S(Ciba Speciality Chemicals、スイス国)の名称で最近、市販されるようになった広スペクトルフィルターである、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンが、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンのようなジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を実質的に改良するのに適切なこと、そしてそれによって、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステルのようなケイ皮酸エステルの不安定化を極めて大幅に回避可能なことが、予期しなかったことに見出された。加えて、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンは、ジベンゾイルメタンのスペクトル範囲を補強し、その結果、そのような化合物を含む製品の保護作用にさらに寄与する。
【0007】
よって、本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良するための2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの使用に関する。特に、本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧品組成物の製造における、又は製造のための、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの使用であって、ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良することを目的とする使用に関する。この安定化は、原則として、有効量の2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを、ジベンゾイルメタン誘導体と接触させることによってか、又はそれらを組成物に組み込むことによって達成することができる。
【0008】
本発明は、UV放射線、特に日光から保護するために局所的に用いる化粧品組成物(特に、いわゆる日焼け保護調製品、又は光保護調製品)であって、化粧上許容され得る担体と、少なくとも1種類のジベンゾイルメタン誘導体と、少なくとも1種類のケイ皮酸エステルと、有効量の2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとを含む化粧品組成物にも関する。本発明によれば、そのような組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体、ケイ皮酸エステル及び2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを、化粧品上許容され得る担体に組み込むことによって製造することができる。
【0009】
2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンは、INCIの命名法によれば、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジンと呼ばれ、本発明の文脈中では、EHPTとも略するが、記載のとおり、公知の広スペクトルフィルターであって、Tinosorb S(Ciba Speciality Chemicals、スイス国)の名で商業的に入手可能である。本発明に従って得られる化粧品組成物は、典型的には、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン約0.1〜15重量%、好ましくは約0.5〜10重量%を含有することができる。
【0010】
本発明によれば、原則として、UVフィルターとしての活性を有するいかなるジベンゾイルメタン誘導体も、ジベンゾイルメタン誘導体として適切であり、特にアルキル−及び/又はアルコキシ−置換ジベンゾイルメタン、例えば2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4′−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4′−ジメトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4′−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン及び2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンである。好適に用いられるジベンゾイルメタン誘導体は、Eusolex 8020(Merck、ドイツ国)の名称で入手できる4−イソプロピルジベンゾイルメタン、及び特に、例えばParsol 1789(Givaudan、スイス国)の名称で入手できる4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンである。典型的には、本発明に従って得られる化粧品組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体約0.1〜10重量%を含有してよく、約0.5〜5重量%の量が通常、好ましい。
【0011】
4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンのようなジベンゾイルメタン誘導体は、UVB範囲内では低い吸光度を有するUVAフィルターであるため、ジベンゾイルメタン誘導体単独での使用は、あくまで低い(さらに、日光の作用下で急速に減衰する)日焼け止め指数とUVB吸光度に対するUVA吸光度の比率の比較的高い値(本発明の文脈中では、この比は、UVA/UVB比とも呼ばれる;R. Stokes, in: B. Gabard et al., Dermatopharmacology of Topical Preparations, Springer-Verlag Berlin, 2000, pp. 365-382を参照されたい)を生じさせる。UVBフィルターとして活性を有するケイ皮酸エステル、例えば4−メトキシケイ皮酸2−エチルエステル及び4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルを、ジベンゾイルメタン誘導体と併用することによって、当初は非常に高い日焼け止め指数と、ほぼ1又はそれ以下のUVA/UVB比とを達成することはできるが、この保護作用は、ジベンゾイルメタン誘導体の光不安定性、及びこの光不安定性によって生じるケイ皮酸エステルの不安定化の結果、急速に失われる。
【0012】
対照的に、ジベンゾイルメタン誘導体を、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンと併用することによって、長期間の高い日焼け止め指数、及び例えば約0.6〜1.5、特に約0.8〜1.1の安定的なUVA/UVB比、すなわちUVAとUVBとの両範囲での均一かつ持続的な保護を達成することができる。
【0013】
さらに、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを用いることによって、ジベンゾイルメタン誘導体の存在下でのケイ皮酸エステルの不安定化は実質的に回避されて、その結果、本発明は、ジベンゾイルメタン誘導体と組み合わせて(UVBフィルターとして活性を有する)ケイ皮酸エステルを含む、光安定的な化粧品組成物を可能にする。そのため、本発明の好適な態様によれば、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを、ジベンゾイルメタン誘導体及びケイ皮酸エステルを含む化粧品組成物の製造において、又は製造のために用いることができ、該化粧品組成物は、化粧品的に許容され得る担体と、少なくとも1種類のジベンゾイルメタン誘導体と、少なくとも1種類のケイ皮酸エステル、例えば4−メトキシケイ皮酸2−エチルエステル又は4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルと、有効量の2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとを含むことができる。本発明に従って得られる化粧品組成物中のケイ皮酸エステルの含有量は、典型的には、約0.1〜15重量%、好ましくは約0.5〜10重量%であることができる。
【0014】
本発明による2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとジベンゾイルメタン誘導体との組合せは、原則として、慣用のいかなる使用形態、特に皮膚及び/又は毛髪への塗布に適した液体若しくは半固体形態、例えば、水性、油性若しくはアルコール溶液、親水性(水性)若しくは親油性(油性)ゲル、O/W(水中油型エマルション)、W/O(油中水型エマルション)、W/O/W型若しくはO/W/O型のエマルション、さらにはクリーム若しくはローション、マイクロエマルション、ナノエマルション、混合ミセル溶液、リポソーム系、ナノサスペンション等のようなコロイド系、並びに親水性又は親油性サスペンションで用いるのにも適する。製造は、慣用の化粧品担体材料を用いて、それ自体は公知である方式で実施することができ、組成及び粘稠度に応じて、クリーム、ローション、乳液若しくはペースト、バルサム、スプレー、ゲル、スティック等の形態の化粧品を得ることができる。適切な指針は、例えばCosmetics & Toiletries 105: 91-94, 1990及び113: 83-98, 1998、並びに化粧品に関する教科書及び標準的著作にも見出されるはずである。
【0015】
本発明に従って得られる化粧品組成物は、好ましくは、エマルション、特にO/Wエマルション又はW/Oエマルションであることができる。特に好ましいのは、リン脂質含有エマルション、特にリン脂質含有O/Wエマルションであるが、それは、これを用いることによって、光安定性をさらに改良することができ、皮膚浸透力及び耐水性の改良も達成することができることが見出されたからである。
【0016】
好適な水中油型エマルションは、UVフィルターを含むことに加えて、典型的には、(a)水と、増粘剤若しくは粘度上昇剤(例えばカルボマー)、保湿剤若しくは水和剤(例えばソルビトール及び/又はグリセリン)、pH約4〜8、好ましくは約5.5〜7.0の範囲内の緩衝物質、若しくはそのような値にpHを調整する薬剤(例えばトロメタミン又はトリエタノールアミン)及び防腐剤(例えばメチルパラベン及び/又はプロピルパラベンのようなパラベン類)のような慣用の添加剤とを含む水相と、(b)乳化剤、典型的には界面活性剤、例えばポリソルベート20、ラウリン酸ソルビタン、セテアリルアルコール及び/又はアクリラート/(C10〜C30アルキル)アクリラート架橋重合体の混合物と、(c)植物油、動物油若しくは合成油(例えばシリコーン類)、及び/又は親油性溶剤、例えばマレイン酸ジカプリリル、ジメチコーン、安息香酸(C12〜C15アルキル)、及び/又はC8〜C18脂肪酸のトリグリセリド、パルミチン酸エチルヘキシル、並びにパラフィンとを含む。
【0017】
UVフィルターを含むことに加えて、好適な油中水型エマルションは、代表的には、(a)水と、乳酸ナトリウム及び乳酸、さらには防腐剤(例えばメチルパラベン及び/又はプロピルパラベン)のような慣用の添加剤とを含む水相と、(b)PEG−7−水素化ヒマシ油(平均して2molのエチレンオキシドを含有する、水素化されたヒマシ油のポリエチレングリコール誘導体)、メトキシ−PEG−22/ドデシルグリコール共重合体、及び/又は飽和脂肪酸のポリオキシエチレングリコールソルビタンエステルのような乳化剤と、(c)植物油、動物油若しくは合成油(例えばシリコーン類)、及び/又は親油性溶剤、例えば乳酸ミリスチル、C8〜C18脂肪酸のトリグリセリド、パラフィン及び/又はジメチコーンを含む親油相とを含む。
【0018】
リン脂質含有エマルションは、記載されたO/W又はW/Oエマルションと類似の組成を有することができるが、少なくとも1種類の乳化剤は、リン脂質、好ましくはレシチンである。リン脂質の添加は、親油相の特性を改質して、その結果、リポソーム性の構造を形成することができ、皮膚浸透力及び耐水性が改良される。好適なリン脂質含有水中油型エマルションは、UVフィルターを含むことに加えて、代表的には、(a)水と、増粘剤若しくは粘度上昇剤(例えばカルボマー)、保湿剤若しくは水和剤(例えばソルビトール及び/又はグリセリン)、約4〜8,好ましくは約5.5〜7.0のpH範囲内の緩衝物質、若しくはそのような値にpHを調整する薬剤(例えばトロメタミン)、及び防腐剤(例えばメチルパラベン及び/又はプロピルパラベンのようなパラベン類)のような慣用の添加剤とを含む水相と、(b)場合によりステアリン酸及び/又はトリセテアレス−4 ホスファートのような乳化剤とさらに組み合わせた、乳化剤、特にレシチンのような少なくとも1種類のリン脂質と、(c)植物油、動物油若しくは合成油(例えばシリコーン類)、及び/又は親油性溶剤、例えばマレイン酸ジカプリリル、ジメチコーン、安息香酸(C12〜C15アルキル)エステル、及び/又はC8〜C18脂肪酸のトリグリセリド、パルミチン酸エチルヘキシル、並びにパラフィンとを含む。例えば、そのような配合物は、水、エタノール、カルボマー、トリエタノールアミン若しくはトロメタミン20、アロエベラゲル、ソルビトール、リン酸セチル、セチルアルコール、マレイン酸ジカプリリル、レシチン、ジメチコーン、酢酸トコフェロール、メチルパラベン、プロピルパラベン、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル、及び所望であればその他のUVフィルターを含むことができる。
【0019】
この配合物、及びその他のリン脂質含有リポソーム性配合物は、それ自体は公知である方式で、例えばWO-A-89/11850及びUS-A-5 269 979に記載された方法によって製造することができる。しかし、一般的には、適切な配合物は、アルコール、好ましくはエタノール中のリン脂質の溶液を、親油相へ混合し、次いで、それ自体は公知である方式で、適切な装置を用いて水相とともに均質化することによって、エマルションを調製することによって、より簡単に得ることができる。
【0020】
本発明に従って得られる化粧品組成物は、その他のUVフィルター、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン)又は2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン5−スルホン酸(スリソベンゾン)のようなベンゾフェノン類;p−アミノ安息香酸または誘導体、例えば4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノ安息香酸エチルエステル、p−アミノ安息香酸オクチルジメチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル、ポリオキシエチレン4−アミノ安息香酸エチル若しくは4−ビス(ポリオキシエチレン)アミノ安息香酸ポリオキシエチルエステル;ショウノウ誘導体、例えば3−(4′−メチルベンジリデン)ショウノウ、3−ベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸若しくはテレフタリリデンジショウノウスルホン酸;水溶性であるベンズイミダゾール誘導体、例えば2−フェニルベンズイミダゾール5−スルホン酸;サリチル酸エステル、例えばサリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(ホモサラタム)、サリチル酸2−エチルヘキシルエステル(サリチル酸オクチル)若しくはサリチル酸4−イソプロピルベンジル;又は2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2′−エチルヘキシル−1′−オキシ)−1,3,5−トリアジン;3−(4′−トリメチルアンモニウム)ベンジリデン−ボルナン−2−オンメチルスルファート若しくは2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸(2−エチルヘキシルエステル)(オクトクリレン)を含むことができる。
【0021】
本発明に従って得られる化粧品組成物は、UVフィルターに加えて、所望であれば、いわゆるサンブロッカーのような、マイクロ顔料又はナノ顔料(微粉化された形態の顔料)も含むことができる。適切な材料、粒径及び方法は、例えばEP-A-0 433 086、及びM.W. AndersonらによるN.J. Lowe et al., Sunscreens: Development, Evaluation, and Regulatory Aspects, Marcel Dekker, Ind., New York, 1997, pp.353-397に記載されている。マイクロ顔料としては、好ましくは、<35μm、特に<10μmの粒径を有する二酸化チタン、及び/又は<50μm、特に<20μmの粒径を有する酸化亜鉛を列挙することができる。
【0022】
本発明に従って得られる化粧品組成物は、例えば、酸化防止剤、香油、皮膚手入れ剤、ビタミン類、薄膜形成剤及び/又は耐水性改良剤のような、化粧品製品に慣用されるその他の添加剤、例えばビオチン、デキスパンテノール、アロエベラゲル、酢酸トコフェロール、アクリラート/(C10〜C30アルキル)アクリラート架橋重合体、PVP−イコセン共重合体等を含むことができる。
【0023】
以下の実施例によって、本発明をさらに例示するが、成分に対して用いられる名称及び略称は、下記の意味を有する。
【0024】
カルボマーは、ペンタエリトリトールのアリルエーテル、スクロースのアリルエーテル、又はプロピレンのアリルエーテルで架橋させたアクリル酸単独重合体であり、例えばCarbopol 940(BF Goodrich、米国)の名称で商業的に入手できる。
【0025】
トロメタミン20%は、20重量%の2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールを含有する水溶液を意味する。
【0026】
ソルビトール70%は、70重量%のソルビトールを含有する水溶液を意味する。
【0027】
乳酸ナトリウム溶液は、50重量%の乳酸ナトリウムを含有する水溶液である。
【0028】
ポリソルベート20は、ソルビトールのラウリル酸エステルと無水ソルビトールとの混合物であって、主として、約20molのエチレンオキシドと縮合させたモノエステルからなり、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラートとしても知られている。
【0029】
ラウリン酸ソルビタンは、例えばトウィーン20(Uniqema Americas、米国)として、商業的に入手できる。
【0030】
セテアリルアルコールは、脂肪族アルコールの混合物であって、主として、セチルアルコール及びステアリルアルコールからなり、例えばHyfatol CS(Aarhus、デンマーク国)の名称で入手できる。
【0031】
トリセテアレス−4−ホスファートは、モノ−ジ−トリ(アルキルテトラグリコールエーテル)−O−リン酸エステルの混合物であって、アルキル基が、主として16〜18個の炭素原子を有し、Hostaphat KW 340 N(Clariant GmbH、ドイツ国)の名称で商業的に入手できる。
【0032】
PEG−7−水素化ヒマシ油は、ヒマシ油1molあたり平均して7molのエチレンオキシドを含有する、水素化されたヒマシ油のポリエチレングリコール誘導体を意味し、例えばArlacel 989(Uniqema Americas、米国)として入手できる。
【0033】
メトキシ−PEG−22/ドデシルグリコール共重合体は、式:CH3O(CH2CH2x〔CH2CH(C1021)O〕yH(式中、xは、22の平均値を有し、yは、7の平均値を有する)で示される重合体であって、例えばElfacos E 200(Akzo Nobel、オランダ国)の名称で商業的に入手できる。
【0034】
Arlacel 582(ICI、英国)は、飽和脂肪酸のポリオキシエチレングリセリンソルビタンエステルである。
【0035】
マレイン酸ジカプリリルは、カプリルアルコールとマレイン酸とのジエステルを意味する。
【0036】
レシチンは、例えばPhospholipon(Nattermann、ドイツ国)の名称で商業的に入手できる。
【0037】
ジメチコーンは、末端トリメチルシロキシ基を有する、完全にメチル化された直鎖ポリシロキサン重合体の混合物であって、例えばAEC Dimethicone (350 CS)(A & E Connock、英国)の名称で商業的に入手できる。
【0038】
安息香酸(C12〜C15アルキル)は、アルキル基中に12〜15個の炭素原子を有する安息香酸アルキルの混合物を意味し、例えばFinsolv TN(Finetex、米国)の名称で商業的に入手できる。
【0039】
中鎖長トリグリセリドとしては、Miglyol 812中性油(Condea Chemie、ドイツ国)のような、C8〜C12脂肪酸のトリグリセリドから主としてなる混合物を用いた。
【0040】
パラフィン(鉱油)は、ヨーロッパ薬局方による用語「流動パラフィン」に従って、炭化水素の混合物を意味する。
【0041】
メチルパラベンは、p−ヒドロキシ安息香酸メチルエステルを意味する。
【0042】
プロピルパラベンは、p−ヒドロキシ安息香酸プロピルエステルを意味する。
【0043】
AVB又はアボベンゾンは、UVAフィルターである、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンであり、例えばParsol 1789(LaRoche、スイス国)の名称で商業的に入手できる。
【0044】
OMC又はメトキシケイ皮酸オクチルは、UVBフィルターである、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステルであり、例えばParsol MCX(LaRoche、スイス国)の名称で商業的に入手できる。
【0045】
EHPT又はビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジンは、広スペクトルフィルターである、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンであり、Tinosorb S(Ciba Speciality Chemicals、スイス国)の名称で商業的に入手可能である。
【0046】
日焼け止め指数のin vitroでの測定は、Diffey及びRobsonの方法〔B.L. Diffey & J. Robson, J. Soc. Cosmet. Chem. 40: 127-133, 1989;B.L. Diffey et al., Eur. J. Dermatol. 7: 226-228, 1997〕に従い、Glen Spectra(英国)製の150Wキセノン灯及び35x35mm石英プレートを有するSPF測定システムによって、Transporeテープ(Minnesota Mining & Manufacturing、米国)を用いて実施した。それぞれの場合に、測定対象の日焼け保護製品を、2mg/cm2の量で2枚の石英プレートに塗布した。一方のプレートは、夏期の日光をシミュレートして光学的に濾過した、キセノン灯からのUV光を照射した(Multiport Solar UV Simulator Model 501, Solar Light, Philadelphia、米国)。他方のプレートは、対照として、未照射で放置した(30℃の温置キャビネット内に保管した)。UV照射強度は、5.5mW/cm2に設定した。
【0047】
30MED(1MED=25mJ/cm2=最小紅斑線量)での照射の後、照射サンプル及び非照射対照サンプルの分光透過率を測定した。
【0048】
加えて、UVB吸光度に対するUVA吸光度の比(本発明の文脈中では、UVA/UVB比とも呼ばれる)を、R. Stokes〔B. Gabard et al., Dermatopharmacology of Topical Preparations, Springer-Verlag Berlin, 2000, pp.365-382〕が記載した方法によって測定し、また、日焼け保護製品を、石英プレートから溶解し去った後、高圧液体クロマトグラフィーを用いて試験した。
【0049】
例1(O/Wエマルション)
表1に列挙されたO/Wエマルションを生成するため、それぞれのケースについて、場合にカルボマーを水中に分散させ、ソルビトール70%及びメチルパラベンを分散液に加え、得られた水相を80℃に加熱した。ポリソルベート20、ラウリル酸ソルビタン、セテアリルアルコール、マレイン酸ジカプリリル、ジメチコーン、安息香酸(C12〜C15アルキル)、プロピルパラベン、及びUVフィルターであるAVB、OMC及び/又はEHPTを、別個の容器内で混合し、80℃に加熱し、次いで、加熱した水相に加えた。混合物を、約2分間均質化し、次いで周囲温度まで冷却し、トロメタミン20%を加えることによってpH6.0〜6.5に調整し、再び約2分間均質化した。
【0050】
上記のin vitroの方法に従って、O/Wエマルションの保護特性及び安定性に対するUV光(30MEDでの30分の照射)の影響を調べた。測定された日焼け止め指数及びUVA/UVB比、並びにそれらの(初期値に対する)百分率での変化と、HPLCを用いて決定されたAVB及び/又はOMCの百分率での劣化とを表2に示す。示された値は、それぞれの場合で、3回の測定からの(分散値を含む)平均である。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
配合物1J及び1Kについての結果は、AVBの不適切な光安定性を確認した:すなわち、ほとんどのAVBが、試験条件下で劣化して、その結果、日焼け止め指数及びUVA/UVB比の顕著な低下を招いた。対照的に、配合物1A〜1Cは、EHPTをさらに含み、日焼け止め指数及びUVA/UVB比に関して、照射後にも有意な変化を全く示さず、EHPTの安定化作用を立証した。HPLCの結果も、まさに同様に、AVBの一定量の劣化を示したが、単独で用いたときのAVBの場合よりはるかに小さく、保護作用を明瞭に損なうことはなかった。加えて、劣化したAVBの比率は、AVB及び/又はEHPTの濃度が上昇するにつれて低下した。
【0054】
配合物1L及び1Mの結果は、OMCは、強力なUVBフィルターではあるが、ジベンゾイルメタンの存在下では、同様に不安定であることを示した。対照的に、OMCは、配合物1D〜1Fについての結果のとおり、EHPTの存在下では実質的に安定的であった。しかし、特にAVB及びOMCの組合せは、配合物1G〜1Iについての結果から認められるとおり、EHPTの存在によって明らかに安定化された。AVB及びOMCの劣化について、一定の、しかし明瞭に減少した量が、HPLC分析でも同様に見出されたが、日焼け止め指数及びUVA/UVB比に対する効果は、実質的に無視し得るほどであった。
【0055】
例2(リン脂質含有O/Wエマルション)
表3に列挙されたリン脂質含有O/Wエマルションを調製するため、それぞれのケースについて、カルボマーを水中に分散させ、ソルビトール70%及びメチルパラベンを分散液に加え、得られた水相を80℃に加熱した。トリセテアレス−4ホスファート、ステアリン酸、セチルアルコール、マレイン酸ジカプリリル、ジメチコーン、安息香酸(C12〜C15アルキル)、プロピルパラベンと、UVフィルターであるAVB、OMC及び/又はEHPT、並びにエタノール96%中のレシチンの溶液を、別個の容器内で混合し、80℃に加熱し、次いで、加熱した水相に加えた。混合物を、約2分間均質化し、次いで周囲温度まで冷却し、トロメタミン20%を加えることによってpH6.0〜6.5に調整し、再び約2分間均質化した。
【0056】
上記のin vitroの方法に従って、O/Wエマルションの保護特性及び安定性に対するUV光(30MEDでの30分の照射)の影響を調べた。測定された日焼け止め指数及びUVA/UVB比、並びにそれらの(初期値に対する)百分率での変化と、HPLCを用いて決定されたAVB及び/又はOMCの百分率での劣化とを表4に示す。示された値は、それぞれの場合で、3回の測定からの(分散値を含む)平均である。
【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
配合物2J及び2Kについての結果は、AVBの不適切な光安定性を確認した。すなわち、ほとんどのAVBが、試験条件下で劣化して、その結果、日焼け止め指数及びUVA/UVB比の顕著な低下を招いた。対照的に、さらにEHPTを含む配合物2A〜2Cは、日焼け止め指数及びUVA/UVB比に関して、照射後にも有意な変化を全く示さず、EHPTの安定化作用を立証した。HPLCの結果は、非常に僅かのAVBの劣化が生じたこと、及びこれが、リン脂質を含有しないO/Wエマルションの場合より低いことも示した(例1の配合物1A〜1Cを参照されたい)。
【0060】
配合物2L及び2Mの結果は、OMCは、強力なUVBフィルターではあるが、ジベンゾイルメタンの存在下では、同様に不安定であることを示した。対照的に、OMCは、配合物2D〜2Fについての結果が示すとおり、EHPTの存在下では実質的に安定的であった。しかし、特にAVB及びOMCの組合せは、配合物2G〜2Iについての結果から認められるとおり、EHPTの存在によって明らかに安定化された。AVB及びOMCの劣化について、一定の、しかし明瞭に減少した量が、HPLC分析でも同様に見出されたが、日焼け止め指数及びUVA/UVB比に対する効果は、実質的に無視し得るほどであった。加えて、リン脂質を含まない、対応するO/Wエマルションの場合よりも、劣化したAVB及びOMCの比率は、やはり低くなる傾向にあった(例1の配合物1G〜1Iを参照されたい)。
【0061】
例3(W/Oエマルション)
表5に列挙されたW/Oエマルションを調製するため、それぞれのケースについて、水、乳酸ナトリウム溶液及び乳酸を混合し、メチルパラベンを加え、得られた水相を80℃に加熱した。PEG−7−水素化ヒマシ油、メトキシ−PEG−22/ドデシルグリコール共重合体、Arlacel 582、乳酸ミリスチル、中鎖長トリグリセリド、パラフィン、ジメチコーン、プロピルパラベン、並びにUVフィルターであるAVB、OMC及び/又はEHPTを、別個の容器内で混合し、80℃に加熱し、次いで水相に加えた。混合物を、約2分間均質化し、次いで雰囲気温度まで冷却し、ベンジルアルコールを加え、均質化を、再び約2分間実施した。
【0062】
上記のin vitroの方法に従って、O/Wエマルションの保護特性及び安定性に対するUV光(30MEDでの30分の照射)の影響を調べた。測定された日焼け止め指数及びUVA/UVB比、並びにそれらの(初期値に対する)百分率での変化と、HPLCを用いて決定されたAVB及び/又はOMCの百分率での劣化とを表6に示す。示された値は、それぞれの場合で、3回の測定からの(分散値を含む)平均である。
【0063】
【表5】

【0064】
【表6】

【0065】
配合物3G及び3Hについての結果は、AVBの不適切な光安定性を確認した。すなわち、ほとんどのAVBが、試験条件下で劣化して、その結果、日焼け止め指数及びUVA/UVB比の顕著な低下を招いた。対照的に、さらにEHPTを含む配合物3A〜3Cは、日焼け止め指数及びUVA/UVB比に関して、照射後にも有意な変化を全く示さず、EHPTの安定化作用を立証した。HPLCの結果も、まさに同様に、AVBの一定量の劣化を示したが、単独で用いたときのAVBの場合よりはるかに軽く、保護作用を明瞭に損なうことはなかった。加えて、劣化したAVBの比率は、AVB及び/又はEHPTの濃度の上昇とともに低下するようにみえた。
【0066】
配合物3I及び3Jの結果は、OMCは、強力なUVBフィルターではあるが、ジベンゾイルメタンの存在下では、同様に不安定であることを示した。しかし、AVB及びOMCの併用は、配合物3D〜3Fについての結果から認められるとおり、EHPTの存在によって明らかに安定化される。AVB及びOMCの劣化について、一定の、しかし明瞭に減少した量が、HPLC分析でも同様に見出されたが、日焼け止め指数及びUVA/UVB比に対する効果は、実質的に無視し得るほどであった。加えて、EHPT濃度が増加した場合、劣化したAVB及びOMCの比率が、低くなる傾向が、やはり立証された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良するための、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの使用。
【請求項2】
ジベンゾイルメタン誘導体を含む化粧品組成物の製造における、又は製造のための、該ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改良することを目的とする、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの使用。
【請求項3】
ジベンゾイルメタン誘導体が、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタンである、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
化粧品組成物が、0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.1のUVB吸光度に対するUVA吸光度の比を有する、請求項2又は3記載の使用。
【請求項5】
2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを、化粧品組成物を基準にして、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の量で用いる、請求項2〜4のいずれか一項記載の使用。
【請求項6】
化粧品組成物が、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%のジベンゾイルメタン誘導体を含有する、請求項2〜5のいずれか一項記載の使用。
【請求項7】
化粧品組成物が、ケイ皮酸エステル、好ましくは4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル又は4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルをさらに含有する、請求項2〜6のいずれか一項記載の使用。
【請求項8】
化粧品組成物が、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%のケイ皮酸エステルを含有する、請求項7記載の使用。
【請求項9】
化粧品組成物が、エマルション、好ましくは水中油型エマルション又は油中水型エマルションである、請求項2〜8のいずれか一項記載の使用。
【請求項10】
エマルションが、リン脂質、好ましくはレシチンを含む、請求項9記載の使用。
【請求項11】
UV放射線、特に日光から保護するために局所的に用いる化粧品組成物であって、化粧品的に許容され得る担体と、少なくとも1種類のジベンゾイルメタン誘導体と、少なくとも1種類のケイ皮酸エステルと、有効量の2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとを含む化粧品組成物。
【請求項12】
ジベンゾイルメタン誘導体と、ケイ皮酸エステルと、2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとを、化粧品的に許容され得る担体に組み込む、化粧品的に許容され得る担体と、少なくとも1種類のジベンゾイルメタン誘導体と、少なくとも1種類のケイ皮酸エステルと、有効量の2,4−ビス〔〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンとを含む、UV放射線から保護するために局所的に用いる化粧品組成物を製造する方法。

【公開番号】特開2012−188445(P2012−188445A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−129059(P2012−129059)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【分割の表示】特願2001−581778(P2001−581778)の分割
【原出願日】平成13年5月3日(2001.5.3)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】