ジペプトイドプロドラッグおよびそれらの使用
本発明は、式(I){式中、RPDは式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id)の基であり、ここで、#は各々のO原子への結合部位を意味する}のジペプチド様プロドラッグ誘導体、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに、疾患、特に心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
RPDは、式
【化2】
{式中、
#は、各々のO原子への結合点を意味し、
L1は、直鎖の(C2−C4)−アルカンジイルであり、
L2は、直鎖の(C1−C3)−アルカンジイルであり、
R1およびR3は、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、水素または天然αアミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基であり、
R2およびR4は、相互に独立して、水素またはメチルであるか、
または、
R1およびR2またはR3およびR4は、各場合で相互に結合し、それらが両方とも結合している炭素原子と一体となって、3員ないし6員の飽和炭素環を形成し、
R5は、水素または(C1−C4)−アルキルであるか、
または、
R5は、R1に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
R6およびR7は、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、水素または(C1−C4)−アルキルであり、これは、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノまたはジ−(C1−C4)−アルキルアミノにより置換されていてもよいか、
または、
R6およびR7は、相互に結合し、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の飽和複素環を形成し、これは、NおよびOからなる群からさらなる環内ヘテロ原子を含んでもよく、同一であるかまたは異なる1個または2個の(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび/または(C1−C4)−アルコキシにより置換されていてもよいか、
または、
R6は、R3に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
そして、
R8は、水素またはカルボキシルである}
の基である]
の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
RPDが、式
【化3】
{式中、
#は、各々のO原子への結合点を意味し、
L1は、エタン−1,2−ジイルであり、
L2は、メタンジイルまたはエタン−1,2−ジイルであり、
R1は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、ベンジル、p−ヒドロキシベンジル、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシエチルであり、
R2は、水素であり、
R3は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、ベンジル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イル、2−アミノエチル、アミノメチルまたは3−グアニジノプロパン−1−イルであり、
R4は、水素であり、
R5は、水素またはメチルであるか、
または、
R5は、R1に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R6は、水素またはメチルであるか、
または、
R6は、R3に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R7は、水素またはメチルであり、
そして、
R8は、水素またはカルボキシルである}
の基である、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
RPDが、式
【化4】
{式中、
#は、各々のO原子への結合点を意味し、
L1は、エタン−1,2−ジイルであり、
L2は、メタンジイルであり、
R1は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシエチルであり、
R2は、水素であり、
R3は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イルまたは2−アミノエチルであり、
R4は、水素であり、
R5は、水素であり、
R6は、水素またはメチルであるか、
または、
R6は、R3に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R7は、水素であり、
そして、
R8は、水素である}
の基である、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項4】
2個の基RPDが同一である、請求項1、請求項2または請求項3に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項5】
式(I−A)
【化5】
を有する、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項6】
2個の基RPDが各々同一である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、化合物(A)
【化6】
を、
[A]不活性溶媒中、縮合剤の存在下で、まず2当量以上の式(II)または(III)
【化7】
(式中、L1、R1、R2およびR5は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の意味を有し、そして、
PGは、tert−ブトキシカルボニルなどの一時的なアミノ保護基である)
のアミノ酸を用いてエステル化し、式(IV)または(V)
【化8】
【化9】
(式中、L1、PG、R1、R2およびR5は、上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、保護基PGの除去後、該化合物(A)を、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、2当量以上の式(VI)または(VII)
【化10】
(式中、L2、R3、R4およびR8は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の意味を有し、そして、
R6aおよびR7aは、同一であるかまたは異なり、請求項1ないし請求項5のいずれかで示したR6およびR7の意味を各々有するか、または、一時的なアミノ保護基である)
のアミノ酸とカップリングし、式(VIII)、(IX)、(X)または(XI)
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
(式中、L1、L2、R1、R2、R3、R4、R5、R6a、R7aおよびR8は、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、続いて、必要に応じて存在する保護基を再度除去するか、
または、
[B]不活性溶媒中、縮合剤の存在下、2当量以上の式(XII)、(XIII)、(XIV)または(XV)
【化15】
【化16】
(式中、L1、L2、R1、R2、R3、R4、R5およびR8は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の意味を有し、そして、
R6aおよびR7aは、同一であるかまたは異なり、R6およびR7について請求項1ないし請求項5のいずれかで示した意味を各々有するか、または、一時的なアミノ保護基である)
のカルボン酸とカップリングし、方法[A]で示した化合物(VIII)、(IX)、(X)または(XI)の1つを得、続いて必要に応じて存在する保護基を再度除去し、
各場合で得られる式(I)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)酸または塩基を用いて、溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項7】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
心血管障害の処置および/または予防方法において使用するための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項10】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物を、必要に応じて1種またはそれ以上の不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項11】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物を、1種またはそれ以上のさらなる有効成分と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
心血管障害の処置および/または予防用の請求項10または請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物または請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の医薬を使用することによる、ヒトおよび動物における心血管障害の処置および/または予防方法。
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
RPDは、式
【化2】
{式中、
#は、各々のO原子への結合点を意味し、
L1は、直鎖の(C2−C4)−アルカンジイルであり、
L2は、直鎖の(C1−C3)−アルカンジイルであり、
R1およびR3は、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、水素または天然αアミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基であり、
R2およびR4は、相互に独立して、水素またはメチルであるか、
または、
R1およびR2またはR3およびR4は、各場合で相互に結合し、それらが両方とも結合している炭素原子と一体となって、3員ないし6員の飽和炭素環を形成し、
R5は、水素または(C1−C4)−アルキルであるか、
または、
R5は、R1に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
R6およびR7は、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、水素または(C1−C4)−アルキルであり、これは、ヒドロキシル、(C1−C4)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノまたはジ−(C1−C4)−アルキルアミノにより置換されていてもよいか、
または、
R6およびR7は、相互に結合し、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の飽和複素環を形成し、これは、NおよびOからなる群からさらなる環内ヘテロ原子を含んでもよく、同一であるかまたは異なる1個または2個の(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび/または(C1−C4)−アルコキシにより置換されていてもよいか、
または、
R6は、R3に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
そして、
R8は、水素またはカルボキシルである}
の基である]
の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
RPDが、式
【化3】
{式中、
#は、各々のO原子への結合点を意味し、
L1は、エタン−1,2−ジイルであり、
L2は、メタンジイルまたはエタン−1,2−ジイルであり、
R1は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、ベンジル、p−ヒドロキシベンジル、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシエチルであり、
R2は、水素であり、
R3は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、ベンジル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イル、2−アミノエチル、アミノメチルまたは3−グアニジノプロパン−1−イルであり、
R4は、水素であり、
R5は、水素またはメチルであるか、
または、
R5は、R1に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R6は、水素またはメチルであるか、
または、
R6は、R3に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R7は、水素またはメチルであり、
そして、
R8は、水素またはカルボキシルである}
の基である、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
RPDが、式
【化4】
{式中、
#は、各々のO原子への結合点を意味し、
L1は、エタン−1,2−ジイルであり、
L2は、メタンジイルであり、
R1は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシエチルであり、
R2は、水素であり、
R3は、水素、メチル、プロパン−2−イル、1−メチルプロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イルまたは2−アミノエチルであり、
R4は、水素であり、
R5は、水素であり、
R6は、水素またはメチルであるか、
または、
R6は、R3に結合し、両方ともが、それらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R7は、水素であり、
そして、
R8は、水素である}
の基である、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項4】
2個の基RPDが同一である、請求項1、請求項2または請求項3に記載の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項5】
式(I−A)
【化5】
を有する、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項6】
2個の基RPDが各々同一である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、化合物(A)
【化6】
を、
[A]不活性溶媒中、縮合剤の存在下で、まず2当量以上の式(II)または(III)
【化7】
(式中、L1、R1、R2およびR5は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の意味を有し、そして、
PGは、tert−ブトキシカルボニルなどの一時的なアミノ保護基である)
のアミノ酸を用いてエステル化し、式(IV)または(V)
【化8】
【化9】
(式中、L1、PG、R1、R2およびR5は、上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、保護基PGの除去後、該化合物(A)を、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、2当量以上の式(VI)または(VII)
【化10】
(式中、L2、R3、R4およびR8は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の意味を有し、そして、
R6aおよびR7aは、同一であるかまたは異なり、請求項1ないし請求項5のいずれかで示したR6およびR7の意味を各々有するか、または、一時的なアミノ保護基である)
のアミノ酸とカップリングし、式(VIII)、(IX)、(X)または(XI)
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
(式中、L1、L2、R1、R2、R3、R4、R5、R6a、R7aおよびR8は、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、続いて、必要に応じて存在する保護基を再度除去するか、
または、
[B]不活性溶媒中、縮合剤の存在下、2当量以上の式(XII)、(XIII)、(XIV)または(XV)
【化15】
【化16】
(式中、L1、L2、R1、R2、R3、R4、R5およびR8は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の意味を有し、そして、
R6aおよびR7aは、同一であるかまたは異なり、R6およびR7について請求項1ないし請求項5のいずれかで示した意味を各々有するか、または、一時的なアミノ保護基である)
のカルボン酸とカップリングし、方法[A]で示した化合物(VIII)、(IX)、(X)または(XI)の1つを得、続いて必要に応じて存在する保護基を再度除去し、
各場合で得られる式(I)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)酸または塩基を用いて、溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項7】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
心血管障害の処置および/または予防方法において使用するための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項10】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物を、必要に応じて1種またはそれ以上の不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項11】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物を、1種またはそれ以上のさらなる有効成分と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
心血管障害の処置および/または予防用の請求項10または請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化合物または請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の医薬を使用することによる、ヒトおよび動物における心血管障害の処置および/または予防方法。
【公表番号】特表2012−512202(P2012−512202A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541147(P2011−541147)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008617
【国際公開番号】WO2010/072314
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008617
【国際公開番号】WO2010/072314
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】
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