説明

ジャイロセンサーオフセット自動補正回路、ジャイロセンサーシステム及びジャイロセンサーオフセット自動補正方法

【課題】本発明は、ジャイロセンサーオフセット自動補正回路、ジャイロセンサーシステム及びジャイロセンサーオフセット自動補正方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施例によると、各センサー電極の出力信号を受けて増幅し、可変抵抗調節によって各出力信号に含まれた駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部を除去する信号利得調節部と、信号利得調節部の出力信号を検出し、信号利得調節部の出力信号が予め設定された範囲内に維持するように可変抵抗を調節する振幅検出部と、を含んでなるジャイロセンサーオフセット自動補正回路が提案される。また、それを含むジャイロセンサーシステム及びジャイロセンサーオフセット自動補正方法が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャイロセンサーオフセット自動補正回路、ジャイロセンサーシステム及びジャイロセンサーオフセット自動補正方法に関する。具体的には、センサー出力信号の利得を調節して駆動信号成分によるオフセットを最小化するジャイロセンサーオフセット自動補正回路、ジャイロセンサーシステム及びジャイロセンサーオフセット自動補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロセンサーは、角速度を検出するセンサーであって、航空機及びロケット、ロボットなどの姿勢制御及びカメラ、双眼鏡などの手ぶれ補正、自動車の滑り及び回転防止システム、ナビゲーションなどに広く使用されており、最近、スマートフォンにも装着されて活用度が非常に大きい。
【0003】
ジャイロセンサーには様々なタイプがあるが、回転型、振動型、流体式、光学式などがあり、モバイル製品としては、振動型が現在広く使用されている。振動型センサーは、圧電方式と静電容量方式の二つに大別される。現在使用されている振動型センサーとしては、コム(Comb)構造を有する静電容量方式が大部分を占め、圧電方式も一部活用されている。振動型ジャイロセンサーは、一般的に、コリオリの力によって角速度の大きさを検知する。
【0004】
ジャイロセンサーの出力信号において駆動信号成分は同相信号であり、ジャイロ信号成分は差動信号であるため、理想的には、差動増幅器を通過すると、ジャイロ信号のみが残るべきである。しかし、通常、ジャイロセンサーは、一般的にMEMS(Micro Electro Mechenical)工程を用いて製造されるが、いくら精密に製造しても、若干の偏差は存在し、このような偏差は出力信号のオフセットを発生させる。
【0005】
この際、差動増幅器の利得(Gain)を大きくすると、ACオフセットによって信号が飽和されるという問題が生じ得る。また、飽和問題のため利得を小さくすると、感度などが低下される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−279101号公報
【特許文献2】特開2010−071909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題を解決するためのものであって、センサーの出力信号の増幅による飽和が生じないようにするために、駆動信号の大きさができるだけ類似するように調整して、センサー出力に含まれた駆動信号成分を除去したり最小化するオフセット自動補正技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記問題を解決するために、本発明の第1実施例により、各センサー電極の出力信号を受けて増幅し、可変抵抗調節によって各出力信号に含まれた駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部を除去する信号利得調節部と、信号利得調節部の出力信号を検出して、信号利得調節部の出力信号が予め設定された範囲内に維持するように可変抵抗を調節する振幅検出部と、を含んでなるジャイロセンサーオフセット自動補正回路が提案される。
【0009】
本発明の他の例において、信号利得調節部は、各センサー電極の出力信号を受けて可変抵抗調節によって調整された利得を有するように増幅する利得調整部と、利得調整部の出力を受信して駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように差動増幅を行う差動増幅部と、を含むことができる。
【0010】
この際、一例において、利得調整部は、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器を含み、第1及び第2の利得増幅器は、非反転端子に連結された可変抵抗によってセンサー電極の出力信号に対する非反転増幅を行うことができる。
【0011】
また、一例において、利得調整部は、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器を含み、第1及び第2の利得増幅器は、センサー電極の出力信号に対する非反転増幅を行い、第1及び第2の利得増幅器のうち何れか一つの非反転端子に可変抵抗が連結されている。
【0012】
また、本発明の他の例において、可変抵抗はデジタルトリミングが可能なスィッチを用いた可変抵抗であってもよい。
【0013】
また、一例において、振幅検出部は、比較器を備え、信号利得調節部の出力信号が予め設定された第1レベル以上または予め設定された第2レベル以下である場合、予め設定された範囲内で信号利得調節部の出力信号が維持されるように可変抵抗を調節するための信号を発生させることができる。
【0014】
この際、一例において、振幅検出部は、信号利得調節部の出力信号と第1レベル又は第2レベルと比較する比較器と、比較器の出力に応じて可変抵抗を調節するための信号を発生させる可変抵抗調節部と、を含むことができる。
【0015】
他の例によると、センサー電極は、圧電方式又は静電容量式の振動型ジャイロセンサーの電極であってもよい。
【0016】
また、一例において、信号利得調節部は、ジャイロ信号成分を分離し、駆動信号成分を除去するアナログ信号処理部に増幅された信号を伝送することができる。
【0017】
次に、前記問題を解決するために、本発明の第2実施例によって、駆動信号の入力を受けて対象物の運動によるセンサー信号を複数のセンサー電極を介して出力するジャイロセンサーと、ジャイロセンサーの各センサー電極の出力信号を受けて増幅し、予め設定された範囲内で出力されるようにする前記第1実施例のうち何れか一つによるジャイロセンサーオフセット自動補正回路と、オフセット自動補正回路の信号利得調節部の出力信号を受けてジャイロ信号成分を分離し、駆動信号成分を除去するアナログ信号処理部と、アナログ信号処理部で分離されたジャイロ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、を含むジャイロセンサーシステムが提案される。
【0018】
第2実施例の他の例において、アナログ信号処理部とアナログ−デジタル変換部との間に、アナログ信号処理部で分離されたジャイロ信号成分を増幅する増幅部をさらに含むことができる。
【0019】
また、一例において、アナログ信号処理部は、オフセット自動補正回路の信号利得調節部の出力信号を受けて駆動信号成分とジャイロ信号成分とを分離するデモジュレータと、デモジュレータで分離された駆動信号成分を除去するローパスフィルターと、を含むことができる。
【0020】
他の例によると、アナログ信号処理部でジャイロ信号を分離するための復調信号をアナログ信号処理部に印加する復調信号印加部をさらに含むことができる。
【0021】
次に、前記問題を解決するために、本発明の第3実施例によって、各センサー電極の出力信号を受けて増幅し、可変抵抗調節によって各出力信号に含まれた駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように信号利得を調節する段階と、信号利得を調節する段階で増幅されて出力される信号を検出し、検出される出力信号が予め設定された範囲内に維持するように可変抵抗を調節する段階と、を含んでなるジャイロセンサーオフセット自動補正方法が提案される。
【0022】
本第3実施例の他の例において、信号利得を調節する段階は、各センサー電極の出力信号を受けて可変抵抗調節によって調整された利得を有するように利得増幅を行う段階と、利得増幅を行う段階で増幅された信号の入力を受けて駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように差動増幅を行う段階と、を含むことができる。
【0023】
この際、一例において、利得増幅を行う段階では、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器により、非反転端子に連結された可変抵抗によってセンサー電極の出力信号に対する非反転増幅が行われることができる。
【0024】
また、一例によると、利得増幅を行う段階では、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器によってセンサー電極の出力信号に対する非反転増幅が行われ、第1及び第2の利得増幅器のうち何れか一つの非反転端子に可変抵抗が連結されている。
【0025】
また、一例において、可変抵抗を調節する段階では、比較器で信号利得を調節する段階からの出力信号が予め設定された第1レベル以上であるか、予め設定された第2レベル以下であるかを判断し、判断された結果に応じて予め設定された範囲内で信号利得を調節する段階からの出力信号が維持されるように可変抵抗を調節するための信号を発生させることができる。
【0026】
他の例によると、信号利得を調節する段階で増幅された信号からジャイロ信号成分を分離し、駆動信号成分を除去する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例により、センサーの出力信号の増幅による飽和が生じないようにするために、駆動信号の大きさができるだけ類似するように調整して、センサー出力に含まれた駆動信号成分を除去したり最小化させることができる。
【0028】
また、本発明の実施例により、可変抵抗調節によってジャイロセンサーシステムの前段で増幅比を高く具現することができ、後段で増幅するよりSNRをさらに高く具現することができる。それによって感度(Sensitivity)を高めることができる。
【0029】
さらに、本発明の実施例により、ジャイロセンサーシステムの前段でACオフセット成分を大きく減少させるため、後段でDCオフセット処理を最大限に減少させることができ、それによってIDACによる電流消費を大幅に低減することができる。
【0030】
本発明の様々な実施例により、直接言及されていない様々な効果が、本発明の実施例による様々な構成から、当該技術分野において通常の知識を有した者によって導き出されることができるのは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を概略的に示す回路図である。
【図3】本発明の他の実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を概略的に示す回路図である。
【図4】本発明の一実施例によるジャイロセンサーシステムを概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例によるジャイロセンサーシステムを概略的に示すブロック図である。
【図6】ジャイロセンサーのオフセットによる信号を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正方法を概略的に示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して前記課題を達成するための本発明の実施例について説明する。本説明において、同一符号は同一の構成を意味し、当該分野において通常の知識を有した者が本発明を容易に理解をできるようにするために付加的な説明は省略することができる。
【0033】
本明細書において一つの構成要素が他の構成要素と連結、結合又は配置される関係において「直接」という限定がない限り、「直接連結、結合又は配置」される形態だけでなくそれらの間にまた他の構成要素を介することによって連結、結合又は配置される形態でも存在することができる。また、「上部に」、「上に」、「下部に」、「下に」などの「接触」の意味を内包する用語が含まれた場合も同様である。方向を示す用語は基準となる要素が逆転したりその方向が変わる場合、それによる対応する相対的な方向概念を内包するものと解釈されることができる。
【0034】
本明細書に単数的表現が記載されていても、発明の概念に反したり明らかに相違したり、矛盾して解釈されない限り、複数の構成全体を代表する概念として使用され得ると留意しなければならない。本明細書における「含む」、「有する」、「備える」、「含んでなる」などの記載は、一つ又はそれ以上の他の構成要素又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性があると理解しなければならない。
【0035】
先ず、本発明の第1実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を図面を参照して具体的に説明する。この際、参照される図面に記載されていない図面符号は同一の構成を示す他の図面での図面符号であることができる。
【0036】
図1は、本発明の一実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を概略的に示すブロック図であり、図2は、本発明の一実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を概略的に示す回路図であり、図3は、本発明の他の実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路を概略的に示す回路図である。図6は、ジャイロセンサーのオフセットによる信号を示すグラフである。
【0037】
図1を参照すると、本発明の第1実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路は、信号利得調節部100及び振幅検出部200を含んでなる。
【0038】
先ず、図1から図3を参照して信号利得調節部100について説明する。図1の信号利得調節部100は、各センサー電極の出力信号を受けて増幅する。この際、信号利得調節部100は、可変抵抗調節によって各出力信号に含まれた駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように増幅する。即ち、信号利得調節部100で増幅されて出力される信号が飽和されないように駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるようにする。
【0039】
本実施例のようにセンサーの出力信号に含まれた駆動信号成分によるオフセットを除去または減少しなければならない理由について説明する。
【0040】
ジャイロセンサー20の駆動信号は、センサーの出力の相当部分を占めている。振動型ジャイロセンサー20において、駆動信号は一般的に90゜位相が遅れてセンサー出力で示され、ジャイロ信号は、ジャイロ固有の周波数と駆動信号とを乗じた値で示される。図6において、駆動信号より差動増幅器(Differential Amp)130(図2及び図3)の入力信号の位相が90゜遅れて示されているのが図示されている。図6に図示された差動増幅器(Differential Amp)の入力信号は、駆動信号成分による信号を示している。センサー出力信号ではジャイロ信号より駆動信号の大きさがはるかに大きいため、駆動信号を除去してジャイロ信号のみが残るようにする必要がある。万が一、センサーが理想的な場合、駆動信号は同相信号であり、ジャイロ信号は差動信号であるため、差動増幅器130を通過すると、ジャイロ信号のみが残らなければならない。しかし、センサーのキャパシタ成分Csは、センサー毎に同一でなく、多くは10%以上の誤差を有するため、差動増幅器130を通過すると、ACオフセットが発生する。図6を参照すると、差動増幅器(Differential Amp)の入力信号の駆動信号成分によるオフセットが図示されている。この際、図6に図示したように、駆動信号成分によるオフセットが差動増幅器(Differential Amp)130(図2及び図3)で増幅利得を有し、ACオフセット−ゲイン(Offset−Gain)で示されている。万が一、差動増幅器130の利得(Gain)を大きくすると、ACオフセットによって信号、図6における差動増幅器130(図2及び図3)のACオフセット−ゲイン(Offset−Gain)出力信号が飽和され得る。この際、出力信号の増幅による信号が飽和されないようにするためには、差動増幅器130を通過する前に、駆動信号の大きさをできるだけ類似するようにしなければならない。本実施例では、出力信号の増幅による飽和が生じないようにするために、可変抵抗調節によって駆動信号の大きさができるだけ類似するようにしている。
【0041】
この際、万が一センサーの信号利得を調節する方式によりキャパシタを連結してトリミングする方式を使用すると、連結されたキャパシタが相違するように調節して、駆動信号の大きさを類似するように合わせることができるが、キャパシタ値及び連結されたキャパシタによって伝達される信号の位相が変化するため、位相が互いにずれる現象が生ずる。これによってジャイロ信号の位相もまたずれる恐れがある。
【0042】
従って、本実施例では、可変抵抗を用いてセンサーの利得を調節し、センサー出力の駆動信号の大きさをできるだけ類似するようにしている。
【0043】
一例によると、センサー電極は、圧電方式又は静電容量式の振動型ジャイロセンサー20の電極であってもよい。
【0044】
また、一例として、可変抵抗101、102は、デジタルトリミングが可能なスィッチを用いた可変抵抗であってもよい。
【0045】
図2及び/又は図3を参照すると、一例として、信号利得調節部100は、利得調整部110及び差動増幅器130を含んでなることができる。
【0046】
図2及び/又は図3を参照すると、信号利得調節部100の利得調整部110は、各センサー電極の出力信号を受けて可変抵抗101、102の調節によって調整された利得を有するように増幅する。可変抵抗101、102の調節による調整された利得を有するようにして、駆動信号成分の大きさを同一あるいはほぼ同一に調整することにより、以降に差動増幅過程を経て駆動信号成分の大きさを最小化することができる。即ち、各センサー素子のキャパシタ値の差による駆動信号成分のオフセットを可変抵抗101、102の調節により利得を調整することで、以降に差動増幅過程を経て除去或いは減少させることができる。
【0047】
図2及び/又は図3を参照すると、一例として、利得調整部110は、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器111、112を含むことができる。この際、第1及び第2の利得増幅器111、112は、可変抵抗101、102による利得を互いに異なるように取得するか又は一方のみが可変抵抗101による利得を取得するようにして、駆動信号成分の大きさが実質的に同一になるようにすることができる。可変抵抗101、102によって利得を調整する方式は、キャパシタを連結し、トリミングしてセンサーの自体キャパシタの差によるオフセットを低減する方式と異なり、キャパシタを使用しないため、位相がずれる恐れがない。一方、可変抵抗101、102をスィッチを用いて具現することにより、スイチングによるデジタルトリミング(Trimming)が可能となる。
【0048】
例えば、一例として、図2を参照すると、第1及び第2の利得増幅器111、112は、非反転端子に連結された可変抵抗101、102によってセンサー電極の出力信号に対する非反転増幅を行うことができる。この際、第1及び第2の利得増幅器111、112それぞれの非反転端子に、可変抵抗R1及びR2 101、102それぞれが連結されている。可変抵抗R1及びR2 101、102それぞれを調節するか何れか一つの可変抵抗101、102を調節することにより、利得を調整することができる。利得調整によって駆動信号成分の大きさを同一あるいはほぼ同一にすることにより、以降の差動増幅過程によって駆動信号成分を実質的に除去または最小化することができ、それによって増幅利得を大きくすることができる。
【0049】
図2において、第1利得増幅器111を参照すると、非反転増幅であるため利得は1+R3/R1になり、例えば、可変抵抗R1 101を構成するスィッチを全てオフしても、基本利得である1程度の信号を得ることができる。この際、第1利得増幅器111と第2利得増幅器112の出力のうち大きい方の信号を固定させ、小さい方の利得を増加させ、振幅の大きさを同一あるいはほぼ同一に合わせることができる。
【0050】
また、図3を参照すると、他の例として、第1及び第2の利得増幅器111、112は、センサー電極の出力信号に対する非反転増幅を行い、第1及び第2の利得増幅器111、112のうち少なくとも何れか一つの非反転端子に可変抵抗101が連結されている。図3では、第1利得増幅器111の非反転端子に連結された可変抵抗R1 101を調節して第1利得増幅器111と第2利得増幅器112の出力信号の振幅の大きさを同一あるいはほぼ同一に合わせることができる。
【0051】
図2及び図3において抵抗R3とR4、R5とR6、そしてR7とR8は、それぞれ同一の大きさの抵抗であってもよい。
【0052】
また、図2及び/又は図3を参照すると、差動増幅部130は、利得調整部110の出力を受信して駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように差動増幅を行う。先ず、信号利得調節部100で可変抵抗101、102の調節によってセンサー出力の駆動信号の大きさをできるだけ類似するようにすることにより、差動増幅器130で駆動信号を除去したり最小化することができる。これによって、差動増幅器130の増幅利得を大きくすることができ、それによってジャイロセンサーシステムの後段で増幅するよりSNRをさらに高く具現し、感度(Sensitivity)を高めることができる。また、予めACオフセット成分を大きく減少させることにより、ジャイロセンサーシステムの後段でDCオフセット処理を最大限に低減することができ、IDAC(Current Controlled Digital to Analog Converter)による電流消費を大きく減少させることができる。
【0053】
また、図4及び/又は図5を参照すると、一例として、信号利得調節部100は、増幅された信号をアナログ信号処理部30に伝送することができる。この際、アナログ信号処理部30は、信号利得調節部100から出力される信号からジャイロ信号成分と駆動信号成分を分離し、駆動信号成分を除去することができる。例えば、信号利得調節部100で可変抵抗101、102調節によってオフセットが最小化した残りの駆動信号は、アナログ信号処理部30、例えば図4及び/又は5における復調部(デモジュレータ)31とフィルターを通過しながら除去されてジャイロ信号のみが残るため、最終の出力信号が飽和されないように調節することができる。
【0054】
本実施例において、ジャイロセンサーシステムのアナログ信号処理部30で駆動信号成分を除去する前に、駆動信号のオフセットを予め最大限に減少させることにより、SNR及び/又は感度(Sensitivity)を高めることができ、電流消費を減少させることができる。
【0055】
次に、図1の振幅検出部200について説明する。図1の振幅検出部200は、信号利得調節部100の出力信号を検出し、信号利得調節部100の出力信号が予め設定された範囲内に維持するように可変抵抗101、102を調節する。この際、予め設定された範囲は、信号が飽和されないレベルに設定されることができる。即ち、差動増幅器130の線形出力電圧範囲(Linear Output Voltage Range)内に出力されるように範囲を設定することができる。万が一、振幅検出部200から検出された値が許容範囲を超えると、例えば、デジタル値を順に増加させてスィッチで構成される可変抵抗101、102を調節して出力信号が許容範囲内に入るようにスイープ(Sweep)することができる。
【0056】
また、図示されてはいないが、一例によると、振幅検出部200は、比較器(不図示)を備えることができる。振幅検出部200は、比較器により信号利得調節部100の出力信号が予め設定された第1レベル以上または予め設定された第2レベル以下である場合、予め設定された範囲内で信号利得調節部100の出力信号が維持されるように可変抵抗101、102を調節するための信号を発生させることができる。即ち、出力信号が飽和されないように可変抵抗101、102を調節する。
【0057】
この際、一例として、振幅検出部200は、信号利得調節部100の出力信号と第1レベル又は第2レベルとを比較する比較器(不図示)及び比較器の出力によって可変抵抗101、102を調節するための信号を発生させる可変抵抗調節部(不図示)を含むことができる。この際、可変抵抗101、102はデジタルトリミングが可能になるようにスィッチを用いて具現されることができる。
【0058】
本実施例でのようなゲイントリミング(Gain Trimming)方式は、ジャイロセンサーシステムの前段で増幅比を高く具現することができ、後段で増幅するよりSNRをさらに高く具現することができる。また、それによって感度(Sensitivity)を高めることができる。また、ジャイロセンサーシステムの前段でACオフセット成分を大きく減少させるため、後段でDCオフセット処理を最大限に減らすことができ、それによってIDACによる電流消費を大きく減らすことができる。
【0059】
次に、本発明の第2実施例によるジャイロセンサーシステムを図面を参照して具体的に説明する。本実施例を説明するにあたり、図4及び図5のみならず前記第1実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路及び図1から図3を参照し、それによって重複する説明は省略することができる。
【0060】
図4は、本発明の一実施例によるジャイロセンサーシステムを概略的に示すブロック図であり、図5は、本発明の他の実施例によるジャイロセンサーシステムを概略的に示すブロック図である。
【0061】
図4を参照すると、本発明の第2実施例によるジャイロセンサーシステムは、ジャイロセンサー20、ジャイロセンサーオフセット自動補正回路10、アナログ信号処理部30及びアナログ−デジタル変換部50を含んでなる。図5を参照すると、ジャイロセンサーシステムは、アナログ信号処理部30とアナログ−デジタル変換部50との間に増幅部60をさらに含むことができ、また、ジャイロセンサーシステムは、アナログ信号処理部30に復調信号を印加する復調信号印加部70をさらに含むことができる。
【0062】
より具体的に説明すると、図4及び/又は5のジャイロセンサー20は、駆動信号の入力を受けて対象物の運動によるセンサー信号を複数のセンサー電極を介して出力する。ジャイロセンサー20は、駆動信号を受けて駆動信号とジャイロ信号とが混合された信号を出力する。センサー出力信号ではジャイロ信号より駆動信号の大きさがはるかに大きいため、駆動信号を除去してジャイロ信号のみ残すと増幅利得を大きくすることができ、センサーの感度を高めることができる。そのため、飽和されないとともに増幅利得を大きくするために、駆動信号の大きさをできるだけ類似するようにし、差動増幅器130を通過しながら駆動信号によるオフセットが最小化されるようにすることができる。このために、以下のジャイロセンサーオフセット自動補正回路10を備える。
【0063】
次に、図4及び/又は図5において、ジャイロセンサーオフセット自動補正回路10は、ジャイロセンサー20の各センサー電極の出力信号を受けて増幅し、予め設定された範囲内で出力されるようにする。この際、ジャイロセンサーオフセット自動補正回路10は、前記第1実施例のうち何れか一つによるものであってもよい。図1、2及び/又は図3によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路10が図4及び/又は図5に適用されることができる。ジャイロセンサーオフセット自動補正回路10に対する説明は前記第1実施例を参照する。
【0064】
さらに、図4及び/又は図5を参照すると、アナログ信号処理部30は、オフセット自動補正回路10の信号利得調節部100の出力信号を受けてジャイロ信号成分を分離し、駆動信号成分を除去することができる。ジャイロセンサー20の出力信号は、駆動信号とジャイロ信号が混合された信号であり、ジャイロセンサーオフセット自動補正回路10の信号利得調節部100を通過しながら駆動信号の大きさをできるだけ類似するようにして差動増幅を行うことにより、駆動信号成分を最小化したが、残りの駆動信号成分を除去する必要がある。この際、アナログ信号処理部30で残存する駆動信号成分を除去する。
【0065】
より具体的に、図4及び/又は図5について説明すると、一例として、アナログ信号処理部30は、デモジュレータ31及びローパスフィルター33を含むことができる。ジャイロセンサー20自体はモジュレーターの機能を行って駆動信号とジャイロ信号が混合された信号を出力する。この際、出力信号から駆動信号とジャイロ信号を分離するデモジュレータ31が要求される。
【0066】
この際、デモジュレータ31は、オフセット自動補正回路10の信号利得調節部100の出力信号を受けて駆動信号成分とジャイロ信号成分とを分離する。信号利得調節部100で駆動信号の大きさをできるだけ類似するようにして差動増幅を行うことにより駆動信号成分を最小化したが、駆動信号成分が残っている可能性があるため、これを除去するために、駆動信号成分とジャイロ信号成分をデモジュレータ31で分離する。
【0067】
駆動信号成分とジャイロ信号成分の分離過程について説明する。デモジュレータ31に印加される信号は、ジャイロセンサー20の出力信号であって、駆動信号成分とジャイロ信号成分が混合されているが、通常、ジャイロ信号成分は、駆動信号成分に比べて位相が90゜早い。この際、ジャイロ信号線分と同一の位相を有するパルス信号をデモジュレーション信号に印加すると、駆動信号成分は、デモジュレーション信号によって復調され、平均化させると、基準電圧Vrefに平均化される。一方、ジャイロ信号成分は、デモジュレーション信号によって復調され、平均化させると、基準電圧Vrefから若干離隔された特定値を有する。この際、ローパスフィルター33により駆動信号成分を除去することができる。この際、デモジュレーション信号は、センサー出力の駆動信号成分より90゜早い位相を有する。
【0068】
図4及び/又は図5を参照すると、ローパスフィルター33は、デモジュレータ31で分離された駆動信号成分を除去する。それによって、最終的に駆動信号は除去され、ジャイロ信号のみが残る。
【0069】
一方、図5を参照すると、他の例として、ジャイロセンサーシステムは増幅部60をさらに含むことができる。この際、増幅部60は、アナログ信号処理部30とアナログ−デジタル変換部50との間に配置され、アナログ信号処理部30で分離されたジャイロ信号成分を増幅する。
【0070】
また、図5を参照すると、一例として、ジャイロセンサーシステムは復調信号印加部70をさらに含むことができる。図5において、復調信号印加部70は、アナログ信号処理部30でジャイロ信号を分離するための復調信号をアナログ信号処理部30に印加する。前記で説明したように、この際、復調信号印加部70で印加される復調信号、即ち、デモジュレーション信号は、センサー出力の駆動信号成分より90゜早い位相を有する。一方、センサー出力の駆動信号成分は、ジャイロセンサー20に印加される駆動信号の位相が90゜遅れるため、復調信号印加部70で印加される復調信号、即ち、デモジュレーション信号は、ジャイロセンサー20に印加される駆動信号と同一位相の信号であることができる。
【0071】
次に、図4及び/又は図5のアナログ−デジタル変換部50は、アナログ信号処理部30で分離されたジャイロ信号をデジタル信号に変換する。
【0072】
次に、本発明の第3実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正方法を図面を参照して具体的に説明する。本実施例を説明するにあたり、図7及び図8のみならず前記第1実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正回路及び図1から図3を参照し、それによって重複する説明は省略することができる。
【0073】
図7は、本発明の一実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正方法を概略的に示すフローチャートであり、図8は、本発明の他の実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正方法を概略的に示すフローチャートである。
【0074】
図7を参照すると、本発明の第3実施例によるジャイロセンサーオフセット自動補正方法は、信号利得を調節する段階(S100)及び可変抵抗を調節する段階(S200)を含んでなることができる。
【0075】
図7を参照すると、信号利得を調節する段階(S100)では、各センサー電極の出力信号の入力を受けて増幅させる。この際、可変抵抗101、102の調節によって各出力信号に含まれた駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように信号利得を調節する。
【0076】
図8を参照してより具体的に説明すると、他の例として、信号利得を調節する段階(S100)は、利得増幅を行う段階(S110)及び差動増幅を行う段階(S120)を含むことができる。
【0077】
図8を参照すると、利得増幅を行う段階(S110)では、各センサー電極の出力信号を受けて可変抵抗101、102の調節によって調整された利得を有するように利得増幅を行う。
【0078】
この際、図2を参照すると、一例として、利得増幅を行う段階(S110)では、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器111、112により、非反転端子に連結された可変抵抗101、102によってセンサー電極の出力信号に対する非反転増幅が行われることができる。
【0079】
また、図3を参照して他の例について説明すると、利得増幅を行う段階(S110)では、それぞれセンサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器111、112によってセンサー電極の出力信号に対する非反転増幅が行われるが、第1及び第2の利得増幅器111、112のうち何れか一つの非反転端子に可変抵抗101が連結されている。
【0080】
また、図8を参照すると、差動増幅を行う段階(S120)では、利得増幅を行う段階(S110)で増幅された信号の入力を受けて駆動信号成分によるオフセットの少なくとも一部が除去されるように差動増幅を行う。
【0081】
図示されてはいないが、図4及び/又は図5のアナログ信号処理部30を参照すると、一例として、信号利得を調節する段階(S100)で増幅された信号からジャイロ信号成分を分離し、駆動信号成分を除去する段階(不図示)をさらに含むことができる。
【0082】
図7の可変抵抗を調節する段階(S200)では、信号利得を調節する段階(S100)で増幅されて出力される信号を検出し、検出される出力信号が予め設定された範囲内に維持するように可変抵抗101、102を調節する。
【0083】
図8を参照してより具体的に説明する。
【0084】
図8を参照すると、一例として、可変抵抗を調節する段階(S220)では、比較器(不図示)で信号利得を調節する段階(S100)からの出力信号が予め設定された第1レベル以上であるか、予め設定された第2レベル以下であるかを判断し(S210)、判断された結果に応じて予め設定された範囲内で信号利得を調節する段階(S100)からの出力信号が維持されるように、可変抵抗101、102を調節するための信号を発生させることができる(S220)。
【0085】
以上、前記実施例及び添付された図面は本発明の範疇を制限するものではなく、本発明に対する当該技術分野において通常の知識を有した者が容易に理解するための例示に過ぎない。また、前記構成の様々な組み合わせによる実施例が前記具体的な説明から当業者によって自明に具現されることができる。従って、本発明の様々な実施例は、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された発明によって解釈されなければならず、当該技術分野において通常の知識を有した者による様々な変更、代案、均等物を含んでいる。
【符号の説明】
【0086】
10 オフセット自動補正回路
20 ジャイロセンサー
30 アナログ信号処理部
31 復調部又はデモジュレータ
33 ローパスフィルター(LPF)
50 アナログ−デジタル変換部(ADC)
60 増幅部
70 復調信号印加部
100 信号利得調節部
101、102 可変抵抗
110 利得調整部
111 第1利得増幅器
112 第2利得増幅器
130 差動増幅部
200 振幅検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各センサー電極の出力信号を受けて、前記出力信号の各々を増幅して、可変抵抗の調節によって前記出力信号の各々に含まれた駆動信号成分に応じたオフセットの少なくとも一部を除去して信号を出力する信号利得調節部と、
前記信号利得調節部から出力された信号を検出し、前記信号利得調節部から出力された信号が予め設定された範囲内に維持されるように前記可変抵抗を調節する振幅検出部と
を含んでなるジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項2】
前記信号利得調節部は、
前記各センサー電極の出力信号を受けて、前記可変抵抗の調節によって、調整された利得を有するように前記出力信号の各々を増幅して出力する利得調整部と、
前記利得調整部の出力を受信して、前記駆動信号成分に応じたオフセットの少なくとも一部が除去されるように差動増幅を行う差動増幅部と、を含む、請求項1に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項3】
前記利得調整部は、それぞれ前記各センサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器を含み、
前記第1及び第2の利得増幅器は、非反転端子に連結された前記可変抵抗によって前記各センサー電極の出力信号に対する非反転増幅を行う、請求項2に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項4】
前記利得調整部は、それぞれ前記各センサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器を含み、
前記第1及び第2の利得増幅器は、前記各センサー電極の出力信号に対する非反転増幅を行い、前記第1及び第2の利得増幅器のうち何れか一つの非反転端子に前記可変抵抗が連結される、請求項2に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項5】
前記可変抵抗は、デジタルトリミングが可能なスィッチを用いる可変抵抗である、請求項1から4の何れか1項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項6】
前記振幅検出部は、前記信号利得調節部の出力信号が予め設定された第1レベル以上または予め設定された第2レベル以下である場合、前記予め設定された範囲内で前記信号利得調節部から出力された信号が維持されるように前記可変抵抗を調節するための信号を発生させる、請求項1から5の何れか1項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項7】
前記振幅検出部は、
前記信号利得調節部の出力信号と前記第1レベル又は第2レベルとを比較して比較結果を出力する比較器と、
前記比較器の出力によって前記可変抵抗を調節するための信号を発生させる可変抵抗調節部と、を含む、請求項6に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項8】
前記各センサー電極は、圧電方式又は静電容量式の振動型ジャイロセンサーの電極である、請求項1から7の何れか1項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項9】
前記信号利得調節部は、駆動信号成分を除去してジャイロ信号成分を分離するアナログ信号処理部に信号を伝送する、請求項1〜8の何れか一項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路。
【請求項10】
駆動信号の入力を受けて対象物の運動に応じたセンサー信号を複数のセンサー電極を介して出力するジャイロセンサーと、
前記複数のセンサー電極の各々の出力信号を受けて増幅して、予め設定された範囲内で出力する請求項1〜7の何れか一項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正回路と、
前記オフセット自動補正回路の信号利得調節部の出力信号を受けて、駆動信号成分を除去してジャイロ信号成分を分離するアナログ信号処理部と、
前記アナログ信号処理部で分離されたジャイロ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と
を含むジャイロセンサーシステム。
【請求項11】
前記アナログ信号処理部と前記アナログ−デジタル変換部との間に、前記アナログ信号処理部で分離されたジャイロ信号成分を増幅する増幅部をさらに含む、請求項10に記載のジャイロセンサーシステム。
【請求項12】
前記アナログ信号処理部は、
前記オフセット自動補正回路の信号利得調節部の出力信号を受けて前記駆動信号成分と前記ジャイロ信号成分とを分離するデモジュレータと、
前記デモジュレータで分離された駆動信号成分を除去するローパスフィルターと、を含む、請求項10に記載のジャイロセンサーシステム。
【請求項13】
前記アナログ信号処理部でジャイロ信号を分離するための復調信号を前記アナログ信号処理部に印加する復調信号印加部をさらに含む、請求項10に記載のジャイロセンサーシステム。
【請求項14】
各センサー電極の出力信号を受けて、前記出力信号の各々を増幅して、前可変抵抗の調節によって記出力信号の各々に含まれた駆動信号成分に応じたオフセットの少なくとも一部が除去されるように信号利得を調節する段階と、
前記信号利得を調節する段階で増幅された信号を検出し、検出された信号が予め設定された範囲内に維持するように前記可変抵抗を調節する段階と
を含んでなるジャイロセンサーオフセット自動補正方法。
【請求項15】
前記信号利得を調節する段階は、
前記各センサー電極の出力信号を受けて、前記可変抵抗の調節によって調整された利得を有するように利得増幅を行う段階と、
前記利得増幅を行う段階で増幅された信号の入力を受けて前記駆動信号成分に応じたオフセットの少なくとも一部が除去されるように差動増幅を行う段階と、を含む、請求項14に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正方法。
【請求項16】
前記利得増幅を行う段階では、それぞれ前記各センサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器により、非反転端子に連結された前記可変抵抗によって前記各センサー電極の出力信号に対する非反転増幅が行われる、請求項15に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正方法。
【請求項17】
前記利得増幅を行う段階では、それぞれ前記各センサー電極の出力信号を反転端子を介して入力される第1及び第2の利得増幅器によって前記各センサー電極の出力信号に対する非反転増幅が行われ、前記第1及び第2の利得増幅器のうち何れか一つの非反転端子に前記可変抵抗が連結された、請求項15に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正方法。
【請求項18】
前記可変抵抗を調節する段階では、比較器で前記信号利得を調節する段階からの出力信号が、予め設定された第1レベル以上であるか、予め設定された第2レベル以下であるかを判断し、判断された結果に応じて前記予め設定された範囲内で前記信号利得を調節する段階において出力された信号が維持されるように前記可変抵抗を調節するための信号を発生させる、請求項14から17の何れか1項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正方法。
【請求項19】
前記信号利得を調節する段階で増幅された信号から、駆動信号成分を除去してジャイロ信号成分を分離する段階をさらに含む、請求項14〜18の何れか一項に記載のジャイロセンサーオフセット自動補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−113851(P2013−113851A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−258236(P2012−258236)
【出願日】平成24年11月27日(2012.11.27)
【出願人】(512255804)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (21)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electro−Mechanics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】150, Maeyeong−ro, Yeongtong−gu, Suwon−si, Gyeonggi−do, Republic of Korea
【Fターム(参考)】