説明

ジャッキアップ部構造

【課題】大幅な重量増加をともなうことなく、ジャッキアップ時の荷重を確実に支持する。
【解決手段】リヤフロアパネル10に形成したスペアタイヤハウス部16の車両前方に配置されたクロスメンバ20は車両後方側に形成された開口部側がリヤフロアパネル10に結合されている。ジャッキアップブラケット28のフランジ28Bがクロスメンバ20の前壁部20Aに結合されており、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Gがスペアタイヤハウス部16の底壁部16Aの下面に結合されている。ジャッキアップブラケット28の車両上方側であって車幅方向中間部に配置された補強ブラケット30と、クロスメンバ20とで補強閉断面40が形成されており、ジャッキアップブラケット28のジャッキアップポイントQの入力F1によって、クロスメンバ20が受ける力F2に対して、補強閉断面40の剪断中心P1が力F2の車両後方側となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のジャッキアップ部構造に係り、特に、フロアパネルに形成したフロア凹部の近傍がジャッキアップポイントとなるジャッキアップ部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フロアパネルに形成したフロア凹部の近傍がジャッキアップポイントとなるジャッキアップ部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、フロアパネルに設けたスペアタイヤハウス部の後部にジャッキアップポイント用のブラケットを設けている。
【特許文献1】特公昭62−38189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のジャッキアップ部構造では、ジャッキアップ用のブラケットにジャッキを当て、車両をジャッキアップした場合に、スペアタイヤハウス部に大きな力が加わる。この結果、ジャッキアップ時の荷重を確実に支持するためには、フロアパネルの板厚を厚くする等の対策が必要になり、重量が大幅に増加する。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、大幅な重量増加をともなうことなく、ジャッキアップ時の荷重を確実に支持できるジャッキアップ部構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のジャッキアップ部構造は、車両のフロアパネルに形成され車両下方へ向かって凹んだフロア凹部と、前記フロアパネルにおける前記フロア凹部の車両前方に長手方向を車幅方向に沿って配置され、開口部側が前記フロアパネルに結合された車幅方向骨格部材と、前部が車幅方向骨格部材に結合され、後部が前記フロア凹部の底部に結合され、ジャッキアップポイントが設けられたジャッキアップブラケットと、前記ジャッキアップブラケットの車両上方側に設けられ、前記車幅方向骨格部材の開口部を閉塞することで補強閉断面を形成する補強部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
フロアパネルに形成され車両下方へ向かって凹んだフロア凹部の車両前方に長手方向を車幅方向に沿って配置された車幅方向骨格部材は、開口部側がフロアパネルに結合されている。また、ジャッキアップブラケットの前部が車幅方向骨格部材に結合されており、後部がフロア凹部の底部に結合されている。
【0007】
従って、ジャッキアップブラケットに設けられたジャッキアップポイントにおいてジャッキによって車両をジャッキアップすると、ジャッキアップポイントに作用する力によって、ジャッキアップポイントの前方となるジャッキアップブラケットの前部が結合された車幅方向骨格部材に力が作用する。
【0008】
この時、ジャッキアップポイントと車幅方向骨格部材の剪断中心が車両前方側に離れていると、車幅方向骨格部材の捩れ変形が大きくなり、車幅方向骨格部材が大きく捩れ変形する。このため、ジャッキアップポイントの後部が結合されたフロア凹部の底部が車両上方に押し上げられることでフロアパネルが変形する。
【0009】
これに対して、本発明では、ジャッキアップブラケットの上方に設けられた補強部材と車幅方向骨格部材とで、車幅方向骨格部材の車両後方側に補強閉断面を形成している。このため、車幅方向骨格部材の剪断中心に対して、補強部材と車幅方向骨格部材とで形成された補強閉断面の剪断中心が車両後方側へ移動し、剪断中心をジャッキアップポイントに近づけることができる。この結果、ジャッキアップ時にフロア凹部の底部に作用する車両上方への押し上げ力を抑制することができ、フロアパネルの変形を防止できる。また、補強部材をジャッキアップブラケットの車両上方側に設けらればよいため、大幅な重量増加をともなわない。
【0010】
請求項2記載の本発明は請求項1に記載のジャッキアップ部構造において、前記補強部材は前記車幅方向骨格部材と前記フロアパネルとで形成される車幅方向閉断面内に設けられていることを特徴とする。
【0011】
補強部材が車幅方向骨格部材とフロアパネルとで形成される車幅方向閉断面内に設けられているため、フロアパネルの上面に補強部材が露出することがない。この結果、補強部材によってフロアパネルの外観品質が低下することがない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の本発明は、大幅な重量増加をともなうことなく、ジャッキアップ時の荷重を確実に支持できる。
【0013】
請求項2記載の本発明は、フロアパネルの外観品質を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明におけるジャッキアップ部構造の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0015】
なお、図中矢印UPは車両上方方向を示し、図中矢印FRは車両前方方向を示している。
【0016】
図2には、本発明の一実施形態に係るジャッキアップ部構造が車両斜め後方から見た斜視図で示されており、図3には、本発明の一実施形態に係るジャッキアップ部構造が車両斜め後方から見た分解斜視図で示されている。
【0017】
なお、図2においては、構成を明確にするためリヤフロアパネル10とセンタフロアパネル12を二点鎖線で示している。
【0018】
図2および図3に示される如く、リヤフロアパネル10は自動車車体の床部の車両前後方向の後部を構成しており、センタフロアパネル12は自動車車体の床部の車両前後方向の中間部を構成している。また、リヤフロアパネル10の車幅方向中央部には、フロア凹部としてのスペアタイヤを収納するためのスペアタイヤハウス部16が形成されている。
【0019】
図1には、図2の1−1断面線に沿った拡大断面図が示されている。
【0020】
図1に示される如く、スペアタイヤハウス部16は、リヤフロアパネル10の一般面10Aに対して車両下方側へ凹んでおり、底壁部16Aの上にスペアタイヤSを倒した状態(図1に二点鎖線で示す状態)で収納できるようになっている。スペアタイヤハウス部16の前壁部16Bは、底壁部16Aの前端から車両前方上側に向かって傾斜しており、上端がリヤフロアパネル10の一般面10Aに連結されている。
【0021】
リヤフロアパネル10におけるスペアタイヤハウス部16の車両前方、即ち、スペアタイヤハウス部16における前壁部16Bの上部16Cの車両前方側には、車幅方向骨格部材とクロスメンバ20が配置されている。
【0022】
図2に示される如く、クロスメンバ20は長手方向を車幅方向に沿って配置されている。また、図示を省略したが、クロスメンバ20の車幅方向両端部は、車体の骨格を構成する左右一対のリヤサイドメンバに結合されている。
【0023】
クロスメンバ20の車幅方向(長手方向)から見た断面形状は前壁部20Aと、前壁部20Aの下端から車両後方へ向かって伸びる下壁部20Bとを有しており、開口部を車両後方上側に向けたL字状となっている。クロスメンバ20の前壁部20Aの上端には車両前方へ向かってフランジ20Cが形成されており、クロスメンバ20の下壁部20Bの後端には車両斜め後方下側へ向かってフランジ20Dが形成されている。また、クロスメンバ20のフランジ20Bはリヤフロアパネル10の一般面10Aの下面に溶接等によって結合されており、クロスメンバ20のフランジ20Dはスペアタイヤハウス部16の前壁部16Bの前面に溶接等によって結合されている。従って、クロスメンバ20はリヤフロアパネル10とで、車幅方向に伸びる車幅方向閉断面としての閉断面24を形成している。
【0024】
また、クロスメンバ20の車幅方向中央部の車両下方側には、ジャッキアップブラケット28が取り付けられている。
【0025】
図3に示される如く、ジャッキアップブラケット28は、上部と、後部の一部(上部)とが開口された、車両上下方向を長手方向とする箱形状となっている。また、ジャッキアップブラケット28の前壁部28Aは車両下側後方から車両上側前方に向かって伸びており、前壁部28Aの上端はフランジ28Bとなっている。また、ジャッキアップブラケット28の左右の側壁部28Cの上端には、それぞれ車幅方向外側に向かってフランジ28Dが形成されており、左右の側壁部28Cの後端には、それぞれ車幅方向外側に向かってフランジ28Eが形成されている。また、ジャッキアップブラケット28の後壁部28Fは車両下側前方から車両上側後方に向かって伸びており、後壁部28Fの上端には、車両後方へ向かってフランジ28Gが形成されている。なお、ジャッキアップブラケット28の底壁部28Hは矩形の水平壁部となっており、この底壁部28Hの下面にガレージジャッキJ(図1参照)を当てるようになっている。
【0026】
図1に示される如く、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Bは、クロスメンバ20の前壁部20Aの前面に溶接等によって結合されており、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Dは、クロスメンバ20の下壁部20Bの下面に溶接等によって結合されている。また、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Eは、スペアタイヤハウス部16の前壁部16Bの前面に溶接等によって結合されており、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Gは、スペアタイヤハウス部16の底壁部16Aの下面に溶接等によって結合されている。
【0027】
図2に示される如く、ジャッキアップブラケット28の車両上方側であって車幅方向中間部には補強部材としての補強ブラケット30が設けられている。また、補強ブラケット30は、クロスメンバ20とリヤフロアパネル10とで形成される閉断面24の内側に設けられている。従って、リヤフロアパネル10の上面に補強ブラケット30が露出することがないため、補強ブラケット30によってフロアの外観品質が低下することがないようになっている。
【0028】
なお、リヤフロアパネル10、センタフロアパネル12の板厚は、クロスメンバ20、、ジャッキアップブラケット28、補強ブラケット30の板厚に比べて極薄板となっている。また、図1の符号44は燃料タンクを示している。
【0029】
図3に示される如く、補強ブラケット30は、下部と前部とが開口された矩形の箱形状となっている。補強ブラケット30の上壁部30Aは車両前後方向に伸びており、前端はフランジ30Bとなっている。また、補強ブラケット30の左右の側壁部30Cの前端には、それぞれ車幅方向外側に向かってフランジ30Dが形成されており、左右の側壁部30Cの下端には、それぞれ車幅方向外側に向かってフランジ30Eが形成されている。
【0030】
補強ブラケット30の後壁部30Fは、上壁部30Aの後端から車両斜め後方下側へ向かって伸びており、後壁部30Fの下端はフランジ30Gとなっている。さらに、補強ブラケット30のフランジ30Gの車幅方向外側端部には、それぞれ車幅方向外側に向かってフランジ30Hが形成されている。
【0031】
図1に示される如く、補強ブラケット30の上壁部30Aとフランジ30Bはリヤフロアパネル10の一般面10Aの下面に溶接等によって結合されており、補強ブラケット30の後壁部30Fとフランジ30Gはスペアタイヤハウス部16の前壁部16Bの前面に溶接等によって結合されている。また、補強ブラケット30のフランジ30Bは、クロスメンバ20のフランジ20Cの上面にセンタフロアパネル12の後端部12Aを挟んで溶接等によって結合されており、補強ブラケット30のフランジ30Gは、クロスメンバ20のフランジ20Dの後面に溶接等によって結合されている。
【0032】
また、補強ブラケット30のフランジ30Dはクロスメンバ20の前壁部20Aの後面に溶接等によって結合されており、補強ブラケット30のフランジ30Eは、クロスメンバ20の下壁部20Bの上面に溶接等によって結合されている。
【0033】
図2に示される如く、クロスメンバ20のフランジ30Hは、クロスメンバ20のフランジ20Dの後面に溶接等によって結合されている。
【0034】
従って、補強ブラケット30とクロスメンバ20とで補強閉断面40が形成されており、この補強閉断面40がジャッキアップブラケット28の車両上方にある。この結果、ジャッキアップ時にジャッキアップブラケット28の底壁部28Hに作用するガレージジャッキJからの入力(図1の矢印F1)によって、クロスメンバ20が受ける車両斜め前方上側に向かう力(図1の矢印F2)に対して、補強閉断面40の剪断中心P1が、力F2の車両後方側となるようになっている。
【0035】
即ち、補強ブラケット30を設けない場合には、リヤフロアパネル10の板厚が補強ブラケット30の板厚に比べて極薄板のため、クロスメンバ20はL字状の開放断面とみなされ、開放断面のクロスメンバ20で力F2を受けることになる。この場合、ジャッキアップ時にジャッキアップブラケット28の底壁部28Hに作用するガレージジャッキJからの入力F1によって、クロスメンバ20が受ける力(図1の矢印F2)に対して、図1に想像線(二点鎖線)で示すようにクロスメンバ20の剪断中心P2が、力F2の車両前方側に離間する。この結果、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Gとスペアタイヤハウス部16の底壁部16Aとの結合部G1に発生する車両上方(図1の矢印A方向)への回転モーメントが大きくなり、スペアタイヤハウス部16の底壁部16Aが変形する。
【0036】
このため、本実施形態では、補強ブラケット30を設けることで、補強閉断面40の剪断中心P1を、力F2の車両後方側とし、力F2によって、結合部G1に、剪断中心P1を中心に時計回転方向の回転力(図1の矢印F3)が作用するようにした。この結果、本実施形態では、結合部G1において回転力F3をスペアタイヤハウス部16の底壁部16Aの引っ張り力で受けることができるようになっている。このため、ジャッキアップ時の結合部G1に発生する車両上方(図1の矢印A方向)への回転モーメントが抑制され、スペアタイヤハウス部16の底壁部16Aが変形するのを抑制できるようになっている。
【0037】
また、本実施形態では、補強ブラケット30をジャッキアップブラケット28の車両上方側であって車幅方向中間部に設けらればよいため、大幅な重量増加および大幅なコストアップをともなわないようになっている。
【0038】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0039】
本実施形態では、リヤフロアパネル10に形成され車両下方へ向かって凹んだスペアタイヤハウス部16の車両前方に、クロスメンバ20が長手方向を車幅方向に沿って配置されており、クロスメンバ20は車両後方側に形成された開口部側がリヤフロアパネル10に結合されている。また、ジャッキアップブラケット28におけるジャッキアップポイントQの車両前方側に設けたフランジ28Bが、クロスメンバ20における車幅方向中央部の前壁部20Aに結合されており、ジャッキアップブラケット28におけるジャッキアップポイントQの車両後方側に設けたフランジ28Gがスペアタイヤハウス部16の底壁部16Aの下面に結合されている。
【0040】
従って、ジャッキアップブラケット28の前後方向中間部となる底壁部28Hの中央部に設けられたジャッキアップポイントQにおいてガレージジャッキJによって車両をジャッキアップすると、ジャッキアップポイントQに作用する力F1によって、ジャッキアップポイントQの車両前方となるジャッキアップブラケット28の前部が結合されたクロスメンバ20に車両斜め前方上側に向かう力F2が作用する。
【0041】
この時、本実施形態では、補強ブラケット30とクロスメンバ20とで補強閉断面40が形成されており、この補強閉断面40がジャッキアップブラケット28の車両上方にある。この結果、ジャッキアップ時にジャッキアップブラケット28の底壁部28Hに作用するガレージジャッキJからの入力(図1の矢印F1)によって、クロスメンバ20が受ける力(図1の矢印F2)に対して、補強閉断面40の剪断中心P1が、力F2の車両後方側となるようになっている。
【0042】
一方、補強ブラケット30を設けない場合には、リヤフロアパネル10の板厚が補強ブラケット30の板厚に比べて極薄板のため、クロスメンバ20はL字状の開放断面とみなされ、開放断面のクロスメンバ20で力F2を受けることになる。この場合、ジャッキアップ時にジャッキアップブラケット28の底壁部28Hに作用するガレージジャッキJからの入力F1によって、クロスメンバ20が受ける力(図1の矢印F2)に対して、図1に想像線(二点鎖線)で示すようにクロスメンバ20の剪断中心P2が、力F2の車両前方側に離間する。この結果、ジャッキアップブラケット28のフランジ28Gとスペアタイヤハウス部16の底壁部16Aとの結合部G1に発生する車両上方(図1の矢印A方向)への回転モーメントが大きくなり、スペアタイヤハウス部16の底壁部16Aが変形する。
【0043】
このため、本実施形態では、補強ブラケット30を設けることで、補強閉断面40の剪断中心P1を、力F2の車両後方側とし、力F2によって、結合部G1に、剪断中心P1を中心に時計回転方向の回転力(図1の矢印F3)が作用するようにした。この結果、本実施形態では、結合部G1において回転力F3をスペアタイヤハウス部16の底壁部16Aの引っ張り力で受けることができる。このため、ジャッキアップ時の結合部G1に発生する車両上方(図1の矢印A方向)への回転モーメントが抑制され、スペアタイヤハウス部16の底壁部16Aが変形するのを抑制できる。即ち、ジャッキアップ時の荷重を確実に支持できる。
【0044】
また、本実施形態では、補強ブラケット30をジャッキアップブラケット28の車両上方側であって車幅方向中間部に設けらればよいため、大幅な重量増加および大幅なコストアップをともなわない。
【0045】
また、本実施形態では、補強ブラケット30がクロスメンバ20とリヤフロアパネル10とで形成される閉断面24の内側に設けられているため、リヤフロアパネル10の上面に補強ブラケット30が露出することがない。この結果、補強ブラケット30によってフロアの外観品質が低下することがない。
【0046】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、リヤフロアパネル10とセンタフロアパネル12とを別部材としたが、リヤフロアパネル10とセンタフロアパネル12とを連続した一部材としてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、リヤフロアパネル10に、フロア凹部としてのスペアタイヤハウス部16を形成したが、フロア凹部はスペアタイヤハウス部に限定されず、車両のフロアパネルに形成され車両下方へ向かって凹んだ他のフロア凹部であってもよい。
【0048】
また、車幅方向骨格部材としてのクロスメンバ20の断面形状は上記実施形態の形状に限定されず、リヤフロアパネル10におけるスペアタイヤハウス部16の車両前方に長手方向を車幅方向に沿って配置され、開口部側がリヤフロアパネル10に結合された構成であれば、他の形状であってもよい。
【0049】
また、ジャッキアップブラケット28の形状は上記実施形態の形状に限定されず、前部が車幅方向骨格部材に結合され、後部がフロア凹部の底部に結合され、ジャッキアップポイントが設けられた構成であれば、他の形状であってもよい。
【0050】
また、補強部材としての補強ブラケット30の形状は上記実施形態の形状に限定されず、ジャッキアップブラケット28の車両上方側に設けられ、クロスメンバ20の開口部を閉塞することで補強閉断面40を形成する構成であれば、他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図2の1−1断面線に沿った拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るジャッキアップ部構造を示す車両斜め後方から見た斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るジャッキアップ部構造を示す車両斜め後方から見た分解斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
10 リヤフロアパネル
16 スペアタイヤハウス部(フロア凹部)
16A スペアタイヤハウス部の底壁部
16B スペアタイヤハウス部の前壁部
16C スペアタイヤハウス部の前壁部の上部
20 クロスメンバ(車幅方向骨格部材)
24 閉断面(車幅方向閉断面)
28 ジャッキアップブラケット
30 補強ブラケット(補強部材)
40 補強閉断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロアパネルに形成され車両下方へ向かって凹んだフロア凹部と、
前記フロアパネルにおける前記フロア凹部の車両前方に長手方向を車幅方向に沿って配置され、開口部側が前記フロアパネルに結合された車幅方向骨格部材と、
前部が車幅方向骨格部材に結合され、後部が前記フロア凹部の底部に結合され、ジャッキアップポイントが設けられたジャッキアップブラケットと、
前記ジャッキアップブラケットの車両上方側に設けられ、前記車幅方向骨格部材の開口部を閉塞することで補強閉断面を形成する補強部材と、
を有することを特徴とするジャッキアップ部構造。
【請求項2】
前記補強部材は前記車幅方向骨格部材と前記フロアパネルとで形成される車幅方向閉断面内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のジャッキアップ部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−74358(P2008−74358A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259392(P2006−259392)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】