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ジャトロファメチルエステルおよび副産物の生成のための統合的な方法
説明

ジャトロファメチルエステルおよび副産物の生成のための統合的な方法

本発明は、種子の殻、脱油ケーキ、および粗グリセロール共生成物ストリームの価値付加と統合された、天日乾燥されたジャトロファクルカスの種子鞘全体からの脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)の調製のためのより単純で、よりエネルギー効率の良い方法を提供する。より具体的には、本発明は、蒸留による過剰なメタノールの回収の必要性なく実施する方法、メチルエステルの精製のための対費用効果の高い樹脂処理、ならびに効率的で対費用効果の高い方法での高密度エネルギーブリケットおよびポリヒドロキシアルカノエート生分解性ポリマーの調製のための共ストリームの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
技術分野
本発明は、種子鞘全体からのジャトロファメチルエステルの調製の改良された、統合的な方法に関する。より具体的には、本発明は、蒸留による過剰なメタノールの回収の必要性なく実施する方法、メチルエステルの精製のための対費用効果の高い樹脂処理、ならびに効率的で対費用効果の高い方法での高密度エネルギーブリケットおよびポリヒドロキシアルカノエート生分解性ポリマーの調製のための共ストリームの使用に関する。
【0002】
背景技術
ガソリンおよびディーゼルエンジンでの使用のためのジャトロファクルカス油に関するオーストラリア特許第AU−A−15448/83号(有宏化学工業株式会社に譲渡された)を参照することができる。この先駆的な取り組みは、ジャトロファ油の利点を明らかにしたが、粗油の粘性が高すぎるために、今日のディーゼルエンジンにおいて大幅な割合で使用できないことは、当業者によく知られている。
【0003】
酸によって触媒されるエステル化法およびアルカリによって触媒されるエステル交換法の組合せにより脂肪酸アルキルエステルを生成する関連方法を開示している、Haasらによる米国特許第6,399,800号およびBrunnerらによる米国特許出願第2004/0102640A1号を参照することができる。本出願の主題である発明のいずれについても、言及されていない。
【0004】
硫酸触媒とパラトルエンスルホン酸触媒とを使用して、動物性脂肪を含む種々のトリグリセリドからメチルエステルを得る、ドイツ特許出願第DE102,43,700A1号も、参照することができる。本出願の主題について、言及されていない。
【0005】
種子全体からのジャトロファメチルエステルの生成の統合的な方法が、副産物の回収と統合されて、開示されている、Ghoshらによる特許出願(米国特許出願第11/00239号;PCT/IN04/00329および添付の国内段階出願)を参照することができる。種子全体から排出される粗油を、NaOHによって中和して、遊離脂肪酸含有量を減らし、次に、トリグリセリド1モルにつきメタノール3モルという理論上の必要量に対して、トリグリセリド油1モルにつきメタノール5.0〜5.5モルによって、KOHメタノール溶液でエステル交換する。その後で、メチルエステルを、純グリセロール(メチルエステル100kgにつき4〜5kg)による洗浄を通じて精製し、次いで水で洗浄して、純度>98%で、EN14214およびASTM規格による全ての要求を満たす生成物を得る。粗グリセロール層を蒸留してメタノールを回収し、次に、酸性化してK2SO4および石鹸様の物質を回収し、その後で、もう一度、蒸留させて、廃棄物として少量の底部残留物を残して、純粋な形態でグリセロールを回収する。この方法の1つ弱点は、油の全てがメチルエステルの形態で回収されるわけではなく、わずかな部分が、遊離脂肪酸含有量に比例して形成される石鹸に変換されることであり、したがって、油の遊離脂肪酸含有量をできるだけ低く維持することが不可避である。原料としての種子鞘全体の使用についても、メチルエステルを精製する水を必要としないいかなる方法についても、粗グリセロールからのポリヒドロキシアルカノエートの生成のためのいかなる方法についても、言及されていない。
【0006】
上に引用された参考文献において、Ghoshらによって開示された方法により調製された、そのままのメチルエステルによって運転されたCクラスのメルセデス車の性能を述べている、S.Mandpe、S.Kadlaskar、W.DegenおよびS.Keppelerによる「On Road Testing of Advanced Common Rail Diesel Vehicles with Biodiesel from the Jatropha curcas Plant」と題された論文(SAEINDIA会議2005の予稿集、2005−25−356)を参照することができる。
【0007】
同一のまたは異なる原料を使用して、様々な機関によって調製された世界中のメチルエステルについて評価した、「Local and Innovative Biodiesel」と題されたヨーロッパのプロジェクト(Altener Contract No.4.1030/C/02−022;http//www.fedarene.org/publications/projects/contract/biodiesel/home.htm;Coordinator−EREN;Report courtesy Austrian Biofuels Institute E.V.−Co−contractor)を参照することができる。Ghoshらの発明(PCT/IN04/00329、米国特許出願第11/00239号)の方法により調製されたジャトロファメチルエステル(JME−05−728)は、引き出されるパワー、燃費、および長期性能に関して、最高のエンジン性能を示した。
【0008】
ジャトロファクルカスがバイオディーゼルの適切な供給源として保持する有望性について述べている、D.Fairlessによる「Biofuel−The little shrub that could−may be」(Nature、449号、2007、652〜655頁)を参照することができる。
【0009】
燃料供給源としてのバイオマスペレットの将来性および所望の規格を詳細に説明している、IEA Bioenergy Task40のリポート(http://www.city.northbay.on.ca/business/presentations/woodPellets/Global%20wood%20pellets%20market%20and%20industry%20Nov%2007%20report.pdf)を参照することができる。
【0010】
種子の分離後に、ジャトロファクルカスの種子鞘全体からブリケットを作る可能性を述べている、Ghoshらによる「Prospects for Jatropha Methyl Ester(Biodiesel) in India」と題された論文(Int.J.Environ.Stud.(Taylor & Francis、U.K.)−special issue on India’s future energy options、2007、64号、659〜674頁)も、参照することができる。しかし、このようなブリケットを作るいかなる方法についての言及も、それらの規格についての言及もない。
【0011】
バイオディーゼルの精製の様々な方法が記載されている、M.BerriosおよびR.L.Skeltonによる「Comparison of purification methods for biodiesel」と題された論文(Chemical Engineering Journal、2008、459〜465頁)を参照することができる。特に、相対評価が、水洗浄、イオン交換樹脂の使用、および吸着剤としてのケイ酸マグネシウムの使用について行われた。
【0012】
水を必要としない方法とする蒸留法による菜種油のメチルエステルの生成の方法を開示している、Grossらによるドイツ特許第DE4301686C1号を参照することができる。
【0013】
孔径0.6、0.2、および0.1μmのセラミック膜を、水を必要としない方法を通じて、残留石鹸および遊離グリセロールを除去しようとして使用した、Wangらによる「Refining of biodiesel by ceramic membrane separation」と題された論文(Fuel Processing Technology、Article in Press、2008年12月20日)を参照することができる。
【0014】
水分、メタノールおよびグリセロールを除去するための1つの方法、ならびに樹脂上で、触媒の主としてナトリウム(Na+)を水素(H+)と交換する、触媒、塩、および石鹸のイオン交換のためのもう1つの方法という2つの方法において使用できる樹脂PD206[Purolite Application note/Purolite PD−206 Guide]について言及している、Puroliteのウエブサイト(http://www.desmoparts.com/filters/purolite/HBD−Purolite%20Regeneration.pdf)を参照することができる。バイオディーゼルからの水、メタノール、およびグリセロールを吸着した後、樹脂の体積は、樹脂の乾燥体積の2倍に増大することが報告されている。さらに、最初の再生においてビーズ破損に起因する推定10%の磨耗がある。ビーズ破損および官能基の損失は、PD206が再生できる回数を決定する限定要因であり、現在、2〜4回の再生後にPD206を取り替える必要がある。メチルエステル中の不純物の負荷が、最低限である場合に限って、樹脂の使用が実行可能であると言えば十分であろう。
【0015】
メチルエステルの精製および粗グリセロール層の使用が開示されている、Bamらによる米国特許第5,424,467号を参照することができる。グリセロール層の中のモノグリセリドおよびジグリセリド不純物を、追加量のメタノールとの反応により、所望のメチルエステルに変換することができることが、そこには述べられている。グリセロール層の中のメタノールは、蒸留によって回収される。本発明において開示されているトリグリセリド油とのさらなる反応の方法を通じてのメタノールの回収については、言及されていない。
【0016】
非常に少量の純グリセロール(メチルエステル100kgにつき約3kg)を使用して、粗メチルエステルを洗浄する効率的な方法が提供され、その方法は、メチルエステル中の残留不純物を、粗グリセロール層の中で濃縮しながら、最小限に抑える、Ghoshらによる特許出願(米国特許出願第11/00239号、PCT/IN04/00329)について、もう一度、参照する。その結果、メチルエステルからメタノールを回収する必要はないが、グリセロール層からのこのような回収は、蒸留によって行われる。メタノールの報告された回収率は、使用された過剰メタノールの約70〜80%である。グリセロール層からメタノールを回収するいかなるその他の可能な方法についても、言及されておらず、共生成物ストリームからポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を作ることについても、言及されていない。
【0017】
特許出願第WO/2006/084048号は、一般的には、バイオディーゼル燃料に関するものであり、より詳細には、伝統的なエステル交換法によって生成された廃グリセロールを、バイオディーゼル燃料の混和性で、可燃性の成分へ変換するための方法に関する。
【0018】
グリセロールに由来する様々な生成物、例えば、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、石鹸、薬、爆発物、洗剤、化粧品、ジヒドロキシアセトン(DHA)、アクロレイン、エピクロロヒドリン、合成ガス燃料、グリセロールカルボナート、不凍剤、ポリマーへの触媒変換等が、記載されている、M.Pagliaroらによる「From glycerol to value−added products」と題された論文(Angew.Chem.Int.Ed.(2007)、46号、4434〜4440頁)を参照することができる。しかし、バイオポリマー(PHA)の生成についての言及はない。
【0019】
バイオディーゼルプロセスの粗グリセロール副産物からメタノールを生成する方法を開示している、Goetschらによる米国特許第7,388,034号を参照することができる。
【0020】
「Biopolymers for Medical and Pharmaceutical Applications」、1&2巻、A.SteinbuechelおよびR.H.Marchessault、Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA(2005)、ならびに、その中のPHAの調製および特性に関する多数の先行技術を引用している参考文献を参照することができる。本発明に関するPHA生成のアプローチについては、言及されていない。
【0021】
シュードモナスプチダKT2442の組換え株の成長を、E2培地にグルコース(2%)、フルクトース(2%)、およびグリセロール(4%)のような様々な炭水化物を使用して研究し、同様のモノマー組成を有するPHAを生成した、「Pseudomonas putida KT2442 cultivated on glucose accumulates poly(3−hydroxyalkanoates) consisting of saturated and unsaturated monomers」と題されたG.N.M.Huijbertsらによる論文(Applied and Environmental Microbiology、1992年2月、58巻、2版、536〜544頁)を参照することができる。PHAの収率は、細胞乾燥重量について20.5%(w/w)であった。
【0022】
「Microbial production of poly(hydroxyalkanoate)s from waste edible oils」と題されたTaniguchiらによる論文(Green Chem.2003、5号、545〜548頁)を参照することができる。論文は、パーム、およびラードが使用された場合、細胞乾燥重量について最大のPHAの収率83%になった、2段階の発酵過程(培養物の成長のための1段階およびポリヒドロキシアルカノエートの生成のためのもう1段階)における、ラルストニアユートロファによって得られた結果を記載している。生成培地は、無機栄養素/微量栄養素も含んでいた、成長培地は、高価である普通ブイヨンを含んでいた。
【0023】
シュードモナスオレオボランスおよびシュードモナスコルガータを、2段階の発酵過程において、濃度1%〜5%で、グリセロールと、脂肪酸石鹸と、残留脂肪酸メチルエステルとを含む、大豆ベースのバイオディーゼル生成ストリームの共生成物ストリーム(CSBP)からのPHA生成のために使用した、「Bacterial poly(hydroxyalkanoate) polymer production from the biodiesel co−product stream.」と題されたR.D.Ashbyらによる研究論文(Journal of Polymers and the Environment、2004、12巻、105〜112頁)を参照することができる。アルカリ性共生成物ストリーム(pH13)は、基質として使用する前に1NのHClによってpH7に中和した。細菌は最初に、ペプトンを含むいくつかの高価な成分を含むルーリア−ベルターニ(LB)培地中で成長させ、その後で、中和した共生成物ストリームと追加の栄養素/微量栄養素とを含む生成培地中へ移した。ポリマー細胞の生産性は、シュードモナスコルガータについて細胞乾燥重量(CDW)の42%だけであったが、グリセロールについてのポリマー収率は、最適化された条件でさえも、<5%であった。このような条件は、高価な栄養素に富む特別な培地の使用を含む。
【0024】
これらの細菌によるポリヒドロキシブチレート(PHB)の生成を、カゼインペプトンまたはカザミノ酸と組み合わせたグリセロールを含む培地において行った、「The production of polyhydroxybutyrate by Methylobacterium rhodesianum and Ralstonia eutropha in media containing glycerol and casein hydrolysates」と題されたE.J.BormannおよびM.Roth.による研究論文(Biotechnology Letters、1999、21巻、1059〜1063頁)を参照することができる。グリセロールは、濃度2.5%、5%、および7.5%で使用した。ポリマーの収率は、グリセロールについて17%(w/w)であると報告されたが、細胞乾燥重量のパーセンテージとしてのポリマー含有量は、39±6%であった。
【0025】
ポリヒドロキシアルカノエートを、好浸透圧性生物によって、肉および骨粉で補充した、ホエー加水分解物(0.55%)およびグリセロール液体相(1.6%)から得た「Production of polyhydroxyalkanoates from agricultural waste and surplus materials」と題されたKoller M.らによる研究論文(Biomacromolecules、2005、6巻、561〜565頁)を参照することができる。グリセロールについてのPHAの収率は23%であり、ポリマーは、分子量253kDaならびに128℃および139℃での融解吸熱を有していた。
【0026】
バイオディーゼル製造過程の後に放出されるグリセロール含有廃棄物からの水素およびエタノールの生化学的な生成を記載している、Itoらによる論文(J.Bioscience & Bioengineering、2005、100号、260〜265頁)を参照することができる。生化学活性が、廃棄物中の高い塩含有量の存在に起因して、純グリセロールによるよりも、非常に低いことが報告されている。
【0027】
対費用効果の高い方法が、バイオディーゼル共生成物ストリームからのPHAの生成のために開示されてこなかったことは、先行技術から明白であり、高価な共栄養素および厄介な2段階プロセスの使用によってすら、細胞乾燥重量についてのPHAの収率は、一般的に<50%であると報告されている。先行技術は、グリセロール含有廃棄物を使用する試みが、塩の高レベルの存在のせいである、純グリセロールよりも、非常に低い生化学的生産性を引き起こしたことも、我々に教示する。本発明は、これらの基本的な制限の全てを克服し、ジャトロファの種子鞘全体から出発するメチルエステルプロセスのグリセロール共生成物ストリームからPHAを生成する、新規の、単純化された、対費用効果の高い方法を発展させることを探求する。(i)問題のある廃棄物、特に、グリセロール蒸留過程の油および底部残留物の機械的な排出の間に生成される油スラッジの最良の使用、(ii)粗グリセロール層からのメタノールの蒸留に対する代替策ならびに(iii)グリセロール洗浄されたメチルエステルの対費用効果の高い樹脂処理などの方法における、いくつかのその他の関連する改良点も、本発明の一部を形成する。
【0028】
発明の目的
本発明の主要な目的は、ジャトロファクルカスの種子全体からの脂肪酸メチルエステル(バイオディーゼル)の調製のための改良された、統合的な方法を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、最小のエネルギー入力および流出物放出ゼロでバイオディーゼルを生成することである。
【0030】
別の目的は、0.58モル当量の過剰のメタノールの90%およびエステル交換の過程において使用されるKOH触媒のほとんど全てが、先行技術において開示されているグリセロール洗浄の過程を通じて、グリセロール層に閉じ込められることを示すことである。
【0031】
別の目的は、カリウムおよびナトリウムイオンは、グリセロール洗浄の後にメチルエステル層中に微量しか存在しないから、イオン交換樹脂による処理を通じてこれらのカチオンの残留量を除去し、それによって規定された要求するレベルまでそれらの濃度を引き下げることが、実用的であり得ることを示すことである。
【0032】
別の目的は、メタノールの回収のためのメタノールの蒸留の必要性なしで実施することである。
【0033】
別の目的は、追加量のトリグリセリド油との連続反応を通じて、グリセロール層中のメタノールの70〜90%を取り除くことである。
【0034】
別の目的は、対費用効果の高い方法で、生分解性ポリヒドロキシアルカノエートポリマーの微生物合成のための成長および生成培地中で、炭素および栄養素の供給源として、メタノールを取り除いた後で、粗グリセロールを使用することである。
【0035】
別の目的は、成長培地中でアミノ酸およびその他の栄養素の供給源としてジャトロファの種子から油を排出した後で得られるケーキを使用し、それによってキングB培地およびゾーベル海洋性培地などの高価な培地なしで実施することである。
【0036】
別の目的は、油ケーキ中に存在することが示されているホルボールエステルおよびクルシンなどの有毒な不純物が、本発明の方法におけるPHA生成を妨害しないことを示すことである。
【0037】
別の目的は、標準PHAと同様の物理化学特性を有するPHAポリマーの効率的な生成を実証することである。
【0038】
別の目的は、アラビア海からの海洋性細菌分離物(ハロモナスヒドロテルマリス(Halomonas hydrothermalis)との配列類似性99.63%)が、その他のいかなる栄養素/微量栄養素も使用せず、散布、pH調整、温度調節等などのその他のいかなる介入もなく、アルカリ性粗グリセロール層および脱油ジャトロファケーキに由来する加水分解物を含む培地中へ、培養物を直接接種することによって、細胞乾燥重量についてPHAの収率75%になったことを示すことである。
【0039】
別の目的は、最も単純で最も安価な方法で、および可能な最短の時間で、このようなPHA生成を達成することである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のためのジャトロファクルカスの種子鞘全体からのメチルエステルおよび関連生成物の調製の概略図。
【図2】粗グリセロール層中のメタノールの評価のために使用された、グリセロール中のメタノール含有量の較正プロットを示す図(実施例5〜8、そのうち実施例8は、分析的方法論を記載している)。
【図3】メチルエステル中のメタノール含有量の較正プロットを示す図(実施例5〜8、そのうち実施例8は、分析的方法論を記載している)。
【図4】メチルエステル中の微量のナトリウムのための較正プロットを示す図(実施例7および10、後者は、分析的方法論を記載している)。
【図5】メチルエステル中の微量のカリウムのための較正プロットを示す図(実施例7および10、後者は、分析的方法論を記載している)。
【図6】実施例12.1の方法により生成されたPHAの示差走査熱量測定のプロファイルを示す図。
【図7】実施例13.3の方法により生成されたPHAの示差走査熱量測定のプロファイルを示す図。
【0041】
発明の概要
したがって、本発明は、遊離脂肪酸(FFA)1.06%を含むジャトロファの被包された種子からのジャトロファメチルエステル(JME)および副産物の調製のための統合的な方法を提供し、この方法は以下の工程を含む:
(i)殻取り機において被包されたジャトロファの種子から機械的に殻を取り、ジャトロファの殻およびジャトロファの種子を得る工程、
(ii)搾油機を使用して、工程(i)において得られたジャトロファの種子から、ジャトロファ油と、窒素4〜6%を有するジャトロファ油ケーキと、廃油スラッジとを排出する工程、
(iii)工程(ii)において得られたジャトロファ油を塩基によって中和する工程、
(iv)工程(iii)において得られた中和したジャトロファ油の一部を10〜20分間、攪拌しながら、アルコールおよび塩基でエステル交換して、粗グリセロール層GL1と粗ジャトロファメチルエステル(JME)を分離する工程、
(v)工程(iv)において得られた粗JMEを純グリセロール層によって3回洗浄して、メタノールとKOHとを含む3つの不純なグリセロール層、GL2、GL3、およびGL4を分離して、グリセロール洗浄JME−G3Wを得る工程、
(vi)工程(v)において得られたJME−G3Wを精製して、アルカリ金属不純物を除去する工程、
(vii)工程(iv)および(v)において得られたグリセロール層GL5(GL1+GL2+GL3)によって、工程(iii)において得られた残りの中和した油の部分を処理して、JMEとグリセロール層GL6とを得る工程、
(viii)工程(vii)において得られたJMEとグリセロール層GL6を分離する工程、
(ix)メタノールを取り除くため、中和した油の残りの部分によって、工程(viii)において得られたグリセロール層GL6を処理して、JMEとグリセロール層GL7とを得る工程、
(x)工程(ix)において得られたJMEとグリセロール層GL7を分離する工程、
(xi)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の生成のためまたは硫酸によるアルカリの中和のために、工程x)において得られたグリセロール層GL7を直接使用して、純グリセロールと底部残留物GL8とを得る工程、
(xii)工程(vi)において得られたJME−G3Wと工程(viii)および(x)において得られたJMEとを組み合わせて、組合せメチルエステルを得る工程、および
(xiii)工程(xii)において得られた組合たメチルエステルをKOHメタノール溶液でエステル交換して、総グリセロール0.088%および遊離グリセロール0.005%を有する純粋なジャトロファメチルエステル(バイオディーゼル)を生成する工程。
【0042】
本発明の1つの実施形態において、本発明は副産物の調製のための統合的な方法を提供し、前記方法は以下の工程を含む
a.工程(ii)において得られた廃油スラッジを添加して、ブリケット製造機において工程(i)において得られたジャトロファの殻をブリケット化して、副産物として密度1.05〜1.10g/cm3のジャトロファのブリケットを得る工程;
b.工程(ii)において得られた窒素4〜6%を有するジャトロファ油ケーキをH3PO4、H2SO4で加水分解して、副産物としてジャトロファ油ケーキ加水分解物(JOCH)を得る工程。
【0043】
本発明の別の実施形態において、本発明は、副産物ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の調製のための統合的な方法を提供し、前記方法は以下の工程を含む:
I.底部残留物GL8もしくはGL7、またはそれらの組合せ2〜10%(w/v)を含む成長兼生成培地中へ、土壌細菌MTCC5343または海洋性細菌MTCC5345、より好ましくは海洋性細菌MTCC5345種子の培養物1〜10%を接種し、25〜40℃の範囲の温度で、pH7.0〜8.0で、24〜96時間の期間インキュベートして、発酵させる工程;
II.発酵物の遠心分離によって細胞を採取して、ペレットを得る工程;
III.ペレットの遠心分離によって固形ポリマーを回収する工程;
IV.水およびメタノールによって固形ポリマーを洗浄して、PHAを得る工程;
V.クロロホルムにPHA0.5〜5%を溶解して、PHA膜を得る工程。
【0044】
本発明のさらに別の実施形態において、種子が被包されている場合、天日乾燥された種子鞘全体が特性を保持することを増強し、油は0.5〜2.0%の遊離脂肪酸含有量を有するだけであり、それによってメチルエステルの収率を増加させる。
【0045】
本発明のさらに別の実施形態において、殻取りを、(i)種子を損傷せずに、静止表面との摩擦によって開殻を破砕する回転ドラムからなる鞘破砕機と、(ii)種子を殻から分離し、殻と反対の方向へ動かすように種子を方向付ける、傾斜している振動ふるいと、(iii)殻の中の種子を失うことなく、別に収集される殻を吹き飛ばす送風機を使用することとを含む、特別に設計された殻取り機において行う。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態において、塩基は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムからなる群から選択され、より好ましくは水酸化カリウムである。
【0047】
本発明のさらに別の実施形態において、アルコールは、メタノールまたはエタノールからなる群から選択され、より好ましくはメタノールである。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態において、JME−G3W層を、マクロポーラスカチオン交換樹脂を使用することによって精製して、アルカリ金属不純物を除去する。
【0049】
本発明のさらに別の実施形態において、マクロポーラスカチオン交換樹脂は、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーと硫酸とを使用することによって調製される。
【0050】
本発明のさらに別の実施形態において、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーと硫酸とを使用することによって、マクロポーラスカチオン交換樹脂を調製する。
【0051】
本発明のさらに別の実施形態において、樹脂処理されたJME−G3W層は、最大[Na+]および[K+]不純物レベル15〜30ppmないし<0.5ppmと、メタノール不純物レベル0.4〜0.6%(w/w)と、水分レベル500〜1500ppmと、総グリセロール含有量0.2〜0.3%(w/w)と、低級遊離脂肪酸含有量0.15%〜0.25%(w/w)とを有する。
【0052】
本発明のさらに別の実施形態において、底部残留物は、主として固体およびさらに蒸留可能な溶媒/生成物の観点から価値のない自由液体からなる、成功したサイクルの後に残される残留物と定義される。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態において、ブリケット化を、(i)傾斜したスクリューフィーダーと、(ii)攪拌器および添加剤を供給する開口部の付いた混合デバイスと、(iii)ブリケットを成形するためのダイおよび圧縮のための高圧を生成する油圧装置からなる圧縮システムと、(iv)形成されたブリケットを冷却するためのブリケット運搬システムとを含む、ブリケット製造機において行った。
【0054】
本発明のさらに別の実施形態において、得られた殻は、バルク密度0.08g/cm3と発熱量3700kcal/kgとを有していた。
【0055】
本発明のさらに別の実施形態において、成長培地は、キングB培地、ゾーベル海洋性培地、ならびにGL7およびGL8による脱油ジャトロファ油ケーキ加水分解物(JOCH)からなる群から選択される。
【0056】
本発明のさらに別の実施形態において、細胞乾燥重量に対するPHAの収率は、69%〜77%の範囲内であった。
【0057】
本発明のさらに別の実施形態において、得られたPHAは、標準PHAのNMRプロファイルに一致し、DSCによる融点は、166.2℃であり、GPCデータは、Mw、Mn、およびMw/Mn(多分散度指数)値、それぞれ35990、24583、および1.46を示した。
【0058】
本発明のさらに別の実施形態において、上記工程は、多様なトリグリセリド油に等しく適用しうる。
【0059】
発明の詳細な説明
本発明の目的は、単純な単位操作を使用して、分散化された生成に最大の注意を払って、ジャトロファメチルエステルの生成の方法において全面的な改良をもたらすことである。伝統的に、農家は、乾燥された果実全体から殻を取るが、これは、殻の不使用をもたらし、したがって、種子だけで、果実の殻を取ることに伴う人件費に加えてコストの全てを背負わねばならないので、種子の価格はより高い。本発明の過程で、殻は、清潔に保つことに加えて、油種子の特徴を保存する保護の第2の層を提供するので、種子を被包されたままにすることも有利であることがわかった。過剰遊離脂肪酸は、メチルエステルの収率の低下をもたらし、中和により排除しなければならないから、これは、メチルエステルが塩基触媒作用を通じて得られる場合、特に重要である。したがって、種子が無傷で得られ、清潔に殻から分離され、このような種子をすぐ後で使い切る方法で、天日乾燥された鞘から機械的に殻を取ることができる機械を考案することは、不可避である。さらに、殻は、現在、単一点で収集されているから、バルク密度わずかに0.08g/cm3と発熱量3700kcal/kgとを有するこれらの殻を、運搬しやすいようにブリケット化することができ、農村の人々が薪またはより高価な代替物よりむしろ直接にそれらを使用できることを確実にする強い動機づけがある。空の殻を、高エネルギー密度を提供する頑強なブリケットにする、圧縮の所望のレベルを許容する適切な方法が考案されることを確実にする動機づけが再びある。これらの操作は両方とも、種子からの油の機械的な排出の間に生成される少量の廃油を有効に使用し、また、脱油ケーキのごく一部分を使用して、所望の規格のように密度1.05〜1.15g/cm3と発熱量約4000kcal/kgとを有するブリケットを生成する本発明において、成功裏に開示されている。
【0060】
最も優れた先行技術は、ジャトロファメチルエステルのエステル交換およびポストエステル交換の非常に効率的な方法を開示し、メタノールの使用も比較的低い(ほんの0.55〜0.75モル当量の過剰)が、それにもかかわらず、このメタノールは、できるだけ最大程度まで回収されることが重要である。先行技術において開示されている、メチルエステルを精製するためのグリセロール洗浄の過程は、メチルエステル中にほとんどメタノールを残さず、その代わり、メタノールは、グリセロール層中に90〜95%程度まで閉じ込められる。グリセロール洗浄後のメチルエステルも、本発明の過程におけるイオンクロマトグラフィー測定を通じて確認されたように極端に低いレベルの残留アルカリ触媒しか含まないので、メチルエステルの水洗浄がそもそも必要かどうかについての問題も生じる。その代わり、イオン交換樹脂の使用に基づく乾燥方法が開示されている。本方法を独創的にするものは、樹脂上の負荷が極端に低く、したがって、メチルエステルのかなりの量が、再生なしに、小さい床体積の樹脂によって処理されることができるという事実である。
【0061】
粗グリセロール層に関して、その最も効果的な使用において、可能な最高のレベル単純化が何であるかについての問題が生じる。本発明において開示されているように、グリセロール層中の過剰メタノールが、単純な手段によって除去できる場合、そのときは、残りの塊を、単純で対費用効果の高い方法で、直接、ポリヒドロキシアルカノエートの調製のために使用できる。冷却装置が提供されなければかなりの損失を伴う、グリセロール層からのメタノールの蒸留が、唯一の選択枝かどうかについての問題が、その後、我々の頭に浮かんだ。本発明において開示されているように、ジャトロファ油の新鮮なロット中へのメタノールの逆の取り込みは、メタノール80〜95%が、このようにして有利に使用できる限りにおいて、実行可能である。これは、グリセロール層も、部分的に活性なアルカリ触媒(KOH)を含み、したがって、いったん新鮮な油を加え、適切な攪拌を行うと、ある程度のメチルエステル形成を促進する全ての成分を有するためである。しかし、メタノールおよび触媒の量は、完全なメチルエステルを実現するには十分でなく、この工程に続いて、<0.15%(w/w)の総グリセロールによって、このような純粋なエステルが生成されることを可能する第2の操作を行う。正味の結果は、メタノールが枯渇したグリセロール層の実現、および、いかなる蒸留工程もなく、メチルエステルの質に関していかなる妥協もしない方法で、回収不可能な形態の過剰メタノールの全体的な必要量が、<0.15モル当量であるような第2の工程におけるメタノール使用の削減である。
【0062】
メタノールを除去すると、グリセロール層は、本発明の過程において分離される海洋性細菌の培養物による、ポリヒドロキシアルカノエートの効率的で対費用効果の高い生成のための栄養素の優秀な供給源であることが実証される。熱リン酸/硫酸による反応抽出を通じて得られたジャトロファ脱油ケーキから生成される加水分解物は、粗グリセロールに対する理想的な相補パートナーであることを示し、両者は協力して、いかなる意図的な温度調節もしないで、海洋性細菌の培養物によるPHA生成のために必要とされる栄養素を提供する。両者はともに、ある程度までお互いに(酸−塩基)中和することも助け、それによって中和のコストを押し下げる。通常の2段階の方法をまとめて単一工程にすること、炭素および窒素に加えて、加水分解物およびグリセロール層から、必須のリン酸緩衝液と必須元素とを引き出すことによって、全ての栄養素/微量栄養素が全くなしに実施することなどのいくつかの追加の発明がある。このようなプラントが農地の近くに建設される、分散化された操作において、採取可能なバイオマスの回収の後の上澄みは、土壌滴下施肥法のために農地に直接放出されることができるか、または葉面散布として使用することさえできる。
【0063】
グリセロール層の大部分は、このようにして使用することができるが、グリセロール層のわずかな部分は、重大な意味を持つグリセロール洗浄工程のために必須である純グリセロール(メチルエステル100kgにつきグリセロール2〜4kg)を回収するために必要とされる。グリセロール回収の後に残る底部残留物が、土壌細菌の培養物によるPHA生成のための等しく効果的な栄養素およびプロモーターであり、生成の効率が、純グリセロールよりもほぼ2倍高いことが、さらに実証される。したがって、問題のある廃棄物は、栄養素の理想的な供給源であることがわかり得る。この方法によって得られたPHAは、1.46という低い多分散度指数を有するが、標準PHAと同様のNMRパターンを示す。
【0064】
底部残留物も、残りの粗グリセロールと組み合わせて使用して、それによって2つの別々の操作の必要性を回避し、この組成物の中にMTCC5345を使用することができる。
【0065】
ともに行われるこれらの発明の全ては、共生成物ストリームの有利な使用によるジャトロファクルカスの天日乾燥された種子鞘全体からのメチルエステルの生成の改良された、統合的な方法をもたらす。本発明の統合的な模式図を、図1に示す。
【0066】
発明の特徴:
(i)種子鞘全体が、遊離脂肪酸含有量に関して、殻を取った種子より良好な油の質を維持するのに役立つことを証明すること。
【0067】
(ii)機械的な排出の過程の間に不可避的に生成され、処分の問題を引き起こす、スラッジの形態の少量の廃油を使用して、ブリケットの発熱量にも加えて、空の殻からより高密度で、より強いブリケットを生成すること。
【0068】
(iii)脱油ケーキの一部が、殻のみによって得られるよりも良好なブリケットを作るために使用できることをさらに認識すること。
【0069】
(iv)部分的に活性な触媒を含むグリセロール層およびエステル交換のための過剰メタノールを、2つの段階において精製されたジャトロファ油の追加量と反応させて、このメタノールの70〜90%を取り除くこと。次に、油/メチルエステル混合物を、未反応のおよび部分的に反応した油が完全にメチルエステルに変換するように、アルカリおよびメタノールとさらに反応させ、グリセロール層からメタノールを取り除いて、続いて完全な生成物へエステル交換をするこの循環を、連続して繰り返し、粗グリセロール層からのメタノール蒸留なしで実施すること。
【0070】
(v)グリセロール洗浄の過程が、メチルエステル層から、費やされた触媒のほとんど全てを除去することを確認し、その後で、大量のメチルエステルを、樹脂の最小床体積によって処理することができることを確実にしながら、グリセロール洗浄されたメチルエステル層をカチオン交換樹脂処理させて、水洗浄を必要としないでナトリウムおよびカリウムの不純物の所望のサブppmレベルを達成することが、魅力的な提案であり得ることを認識すること。
【0071】
(vi)メタノールが枯渇した粗グリセロール層を体積比1:3に分割し、先行技術において記載されているように、グリセロール洗浄のための次のバッチにおいて再利用できるように、後処理後のより少量の画分から蒸留されたグリセロールを回収すること。
【0072】
(vii)炭素供給源としての純グリセロールによるより有利な方法において、1の底部残留物からPHAを生成することを可能にする土壌からの細菌MTCC5343を分離し、それによって、問題のある廃棄物をPHA生成のため有用な原料に変換すること。
【0073】
(viii)海洋性細菌のスクリーニングの過程を通じて、細胞乾燥重量について収率75〜80%の収率を有するPHAの生成をもたらす発酵過程における唯一の栄養素として、ジャトロファ脱油ケーキの加水分解物とともに、直接、より大きな体積の粗グリセロール層を効率的に使用する強力な分離物(MTCC5345)を識別すること。さらに、PHA生成の従来の方法において、別々に行われる成長および生成の工程を、単一の操作に組み合わせ、それによって方法を単純化すること。その上さらに、1からの底部残留物をグリセロール層のより大きな画分に加え、得られた塊をMTCC5345によって発酵させること。また、28〜38℃にわたる温度の変動に対する、方法の許容範囲を実証した後で、温度調節の必要性なしに実施すること。
【0074】
(ix)発酵過程において使用される脱油ケーキの加水分解物を調製するとき、リン酸を使用し、その後で、得られた塩がPHA生成を邪魔する代わりに援助するように、アルカリ性グリセロール層それ自体、および必要であれば追加のKOH/Mg(OH)2によって、酸抽出物を中和することが有利であることを認識すること。
【0075】
以下の実施例は、例証として示しており、発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0076】
実施例1
3ヶ月の天日乾燥ジャトロファ種子鞘50kg入りの麻袋を切り開いたところ、ほとんどの鞘は無傷であったが、いくつかの鞘は壊れ、種子が出てきていることがわかった。無作為に収集したこのような種子50〜100gを、砕いて粉末にし、n−ヘキサンを使用するソックスレー抽出のために、25g取り出した。また、種子を、無作為に試料採取した無傷の鞘から除去し、同様に抽出した。被包した種子は、遊離脂肪酸(FFA)含有量1.06%を示したが、一方、露出した種子は、FFA含有量3.68%(w/w)を有するがことがわかった。別の袋を開いて、試料採取を上記のように行った。露出した種子および被包した種子は、それぞれFFA値2.46%と1.09%を示した、すなわち、2つの観察は同様であり、種子鞘全体のほうが油を良く保存することを示唆した。アルカリ触媒によるエステル交換の先行技術にあるように、FFAがより高いとメチルエステルの収率が減少するため、この実施例は、種子を被包した形態のままとし、メチルエステルの作製直前に種子の殻を取るほうが良いことを、我々に教示している。
【0077】
実施例2
上記の実施例1の種子鞘全体から、特別に設計された機械で機械的に殻を取った。毎時1トン(TPH鞘)の機械は、(a)種子を損傷せずに、静止表面との摩擦によって開殻を破砕する回転ドラムからなる鞘破砕機と、(b)種子を殻から分離し、殻と反対の方向へ動かすように種子を方向付ける、傾斜している振動ふるいと、(iii)殻の中の種子を失わずに、別に収集される殻を吹き飛ばす送風機とを含んでいる。殻は、特別に設計された機械でブリケット化したが、一方、油は、種子全体から機械的に排出した。ブリケットは、(a)傾斜したスクリューフィーダーと、(b)攪拌器および添加剤を供給する開口部の付いた混合デバイスと、(c)ブリケットを成形するためのダイおよび圧縮のための高圧を生成する油圧装置からなる圧縮システムと、(d)形成されたブリケットを冷却もするためのブリケット運搬システムとを含む、0.5TPHブリケット製造機で作った。ブリケットは壊れやすいが、殻の中への油の機械的な排出の過程において生成される廃油スラッジを加えると、ブリケットは、より頑強になり、密度1.07〜1.15g/cm3と、油のこのような添加なしに空の殻について記録された3700kcal/kgより高い発熱量とを有することがわかった。得られたブリケットは、直径6cmおよび長さ14cmの寸法を有した。
【0078】
実施例3
上記の実施例2と同様に排出されたジャトロファ油を、NaOH水溶液によって中和して、遊離脂肪酸(FFA)含有量を0.12%(w/w)まで低下させた。MeOH64.5g(1.58モル当量)およびKOH8.33gをともに採取し、丸底フラスコ中の中和したジャトロファ油370gに加え、含有物を、オーバーヘッド攪拌器によって室温で15分間、攪拌して、エステル交換をもたらした。重量63.87gの粗グリセロール層を分離して、次に、メチルエステル層を、純グリセロール5.53g、5.76g、および5.56gによって連続して3回洗浄し、これらの洗浄は、(不純物としてのメタノールおよびKOHとともに)グリセロール、それぞれ11.69g、7.10g、および6.29gを生成した。工程2において、粗グリセロールおよび最初の2つの洗浄物を組み合わせて、メタノール16.01gを含む組み合わされた層を、2時間、100〜300rpmの継続的な攪拌下(パドル型ピッチ翼攪拌器)で、中和したジャトロファ油300gと再び反応させた。2つの層を再び分離して、グリセロール層を、2時間、活発なオーバーヘッド攪拌下で、追加の中和した油70gによって、さらにもう一度処理した。費やしたグリセロール層は、メタノール3.15gを含んでおり、すなわち、この方法によりグリセロール層中のメタノールの80.3%を取り除くことができた。工程2において得られた粗メチルエステル層を、追加量のKOHメタノール溶液(MeOH63.6gおよびKOH8.2g)によって処理し、その後で、工程1のようにグリセロールによって洗浄し、続いて水洗浄した。総グリセロールおよび遊離グリセロールの値は、それぞれ0.10%(w/w)および0.01%(w/w)であったが、両方の工程からの組み合わされたメチルエステルの収量は、710g(採取したすべての中和した油に対して収率95.9%)であった。工程2において得たグリセロール層は、同様の方法で、中和した油によって処理して、メタノールを除去することができる。この実施例は、粗グリセロール層からメタノールを取り除く方法およびそれによってメタノールの蒸留なしで実施することを、我々に教示する。
【0079】
実施例4
実施例3の実験を、パイロットプラントにおいて千倍の規模に拡大した。中和した油740kgを採取した。油の半分を、図1の反応器IIにおいて15分間、室温での攪拌下で、KOHメタノール溶液[KOH(純度78.8%)8.33kg;メタノール64.5kg(1.58モル当量)]との反応により、単一の工程においてエステル交換した。グリセロール層(GL1)を分離し、これは79.55kgの重量であった。次に、メチルエステル層(粗JME)を、グリセロール各5.55kgによって、3回処理し、グリセロール層を、各回分離して、最終の分離を、超遠心分離機を使用して行った。分離したグリセロール洗浄層は、それぞれ、11.28kg(GL2)、8.06kg(GL3)、および6.11kg(GL4)の重量であった。この段階までのメタノール、KOHおよび全部のKのバランスを、下記の表1に示す。採取した過剰メタノールの89.3%が、最終的にグリセロール層(GL1〜GL4)中にあり、したがって、本発明の方法によって、蒸留に頼ることなく、グリセロール層からこの過剰メタノールを回収する良い機会があることが、データからわかる。その後で、グリセロール洗浄されたメチルエステル層の一部(JME−G3Wと表される)を、イオン交換樹脂によって処理して、下に記載のように残留アルカリを排除するが、残りの部分を、先行技術のように処理して、総グリセロール0.12%および遊離グリセロール0.01%を有する純粋なメチルエステルを得た。
【表1】

【0080】
上記のグリセロール層GL1、GL2、およびGL3を組み合わせ(GL5と表す)、総重量は、98.89kgであった。次に、これを実施例3の中和したジャトロファ油の追加の300kgとともに採取し、含有物を、図1の反応器Iにおいて、2時間、室温で激しく攪拌した。2つの層を分離し、粗メチルエステルを、さらなるエステル交換のために反応器IIへデカントした。反応器中のグリセロール層(GL6)を、実施例3から精製したジャトロファ油の残り70kgと、もう一度、反応させ、2つの層を分離し、メチルエステル層を、上からデカントし、粗メチルエステルの最初のロットをすでに含む反応器IIへ加えた。下記の表2からわかるように、得られたグリセロール層(GL7)の分析は、GL5中のメタノールの71.3%が、油の2つのロットによる処理によって、取り除かれたことを示した。その後で、粗メチルエステルの組み合せた層を、反応器IIにおいてKOHメタノール溶液[KOH(純度78.8%)8.33kg;メタノール64.5kg(1.58モル当量)]によって、もう一度、処理し、グリセロール洗浄し、続いて水洗浄して、総グリセロール0.088%および遊離グリセロール0.005%を有する純粋なメチルエステルを得た。洗浄物とともに粗グリセロールを、上記で行ったように、油によって、もう一度、処理して、メタノールを取り除くことができる。実施例は、粗グリセロールからメタノールを取り除く方法が、規模の拡大になじむことを、我々に教示する。さらに、表2のデータは、グリセロール層中のわずかなKOHも取り除かれることを、我々にさらに教示する。
【表2】

【0081】
上記の実施例において、GL5との反応後に得られた粗メチルエステルを、メタノール1.58モル当量によって、もう一度、処理したが、下記の実施例6において実証されるように、粗メチルエステル層によって取り除かれるメタノールを差し引いて、中和した油に対して全1.58モル比のメタノールを維持できることが、注目されるであろう。
【0082】
実施例5
JOCHを以下のように調製した:実施例3および4のように、種子全体から機械的に油を排出した後で得られた、窒素4〜6%を有するジャトロファ油ケーキ100gを、三角フラスコ中に採取し、8NのH3PO4と2NのH2SO4との混合物を含む酸性溶液350mLを加えた。フラスコ(キャップなし)を、5時間100℃で熱板上に保持した。その後で、それを室温まで冷却した。次に、懸濁液を、KOH148gを含む溶液330mLによって中和し(中和は、アルカリ性のGL7によって行なってもよい。)、その中に、固体のMg(OH)219.1gも加えた。これを行って、緩衝作用を有し、また加水分解物の栄養価に寄与する塩を得た。その後で、含有物を、ブフナー漏斗(ワットマン濾紙40番)上で真空濾過した。pHを5.5〜8.5の範囲に調整した。加水分解物中の炭素の含有量は、2.31%(w/v)であり、結合窒素含有量は、0.48%(w/v)であった。N4〜6%(w/w)を有するジャトロファ油ケーキを、H3PO4/H2SO4の熱酸性水溶液によって処理した。
【0083】
実施例6
GL4による油の第2のロットの後処理を除いて、実施例4の実験を繰り返し、およそ370kgに等しい組み合せた層を、前のようにKOH8.33kgと反応させたが、実施例4において使用した64.5kgの代わりに、メタノール50.57kgのみと反応させ、その結果、メタノールの総量、すなわち、GL4から取り除いたメタノール+加えたメタノールは、370kgの最初のロットのために使用したおよそ64.5kg(1.58モル当量)に等しい。第1の工程において、総グリセロール0.075%と遊離グリセロール0.01%とを有するメチルエステル344.8kgを得て、次の段階において、総グリセロール0.17%と遊離グリセロール0.02%とを有するメチルエステル339kgを得た。この実施例は、メタノール蒸留を回避することによる利益に加えて、メタノール使用の実際の削減を、我々に教示する。メタノールは、粗グリセロール層から、もう一度、回収され得るので、メタノールの正味の使用は、蒸留によるいかなる回収もしないで、メチルエステルについて1.22当量であり、結局、生成した精製メチルエステル100kgにつき回収不能のメタノール2.66kgとなる。
【0084】
実施例7
上記の実施例4からわかるように、メチルエステル層のグリセロール洗浄は、KOH触媒を非常に効率的に除去する。したがって、水洗浄を不要にしうるイオン交換法による微量の残留アルカリ金属不純物を除去することは、有利であろう。
【0085】
1.マクロポーラスカチオンイオン交換樹脂の調製:ポーラス構造を有するスチレン−ジビニルベンゼン(スチレン−DVB)コポリマーを、細孔形成剤としてセチルアルコールを使用する懸濁重合によって調製した。共重合プロセスを、可変メカニカル攪拌器、温度計、および還流冷却器を取り付けた1Lの三口丸底フラスコにおいて行った。開始剤(過酸化ベンゾイル;モノマー1重量%)とともに、スチレン66mlと、DVB18.5mlと、セチルアルコール(70g)とを含むモノマー相を、懸濁媒の水溶液を入れた反応器へ注ぎ入れた。合成において使用した懸濁剤は、水420ml中のヒドロキシエチルセルロース(0.6g)、リグノスルホン酸ナトリウム(0.6g)、および塩化カルシウム(5.3g)であった。重合を、3時間、80±5℃で行い、さらに3時間、90±5℃で行った。コポリマーを、ビーズの形態で得た。次に、これらビーズを分離し、洗浄し、乾燥し、溶媒抽出して、細孔形成剤を除去した。上記の合成コポリマービーズを、スルホン化して、コポリマーマトリックスに−SO3-+基を導入した。スルホン化に使用した硫酸に対するコポリマーの体積比は、1:7であった。反応を10時間、95±5℃で行った。p−ニトロフェノール吸着法による表面積は、104.3m2/gであることがわかった。動的条件下のカチオンイオン交換容量は、1.8〜2.1meq/mlであり、静的条件下で4.5〜5.0meq/gであった。
【0086】
2.粗ジャトロファメチルエステルの精製:マクロポーラス樹脂を、内径4.6cmおよび高さ110cmのガラスカラム中へ投入した。カラムは、底にグラスウール栓付きの止水栓および上部にB−24ジョイントを有していた。樹脂床の高さは、65cmであり、樹脂床体積は、1.08Lであった。樹脂床は、メタノールを通過させることによって、水分がないようにした。実施例3のグリセロール洗浄したメチルエステル層(JME−G3W)を、供給流量5床体積/時で樹脂床上を通過させた。流出画分を10Lずつ別々に収集して、得られた結果を、下記の表3に示す。[Na+]および[K+]のレベルは、メチルエステルのための標準規格を満たす、21.37mg/Lから0.42mg/Lまで減少したことがわかる。水分およびメタノールは両方とも、乾燥空気による散布により、排除することができる。樹脂を通過させた後より多量のMeOHを有するメチルエステルの最初の10Lを、エステル交換法において再循環させることができる。先行技術において報告されているその他の吸着剤を、別のカラムへ追加的に採取し、アルカリ金属イオンに加えて、その他の不純物を減少させることができる。
【表3】

【0087】
実施例8:実施例5〜7の実験のためのメチルエステルおよび粗グリセロール層中のメタノールの評価
標準物質を、それ自体以下のように調製した原液(10.0%w/w)の段階希釈を使用して調製した。KOH18gおよびMeOH50gを、共栓付きフラスコに加えた。KOHメタノール溶液13.76gを、グリセロールによって100gまで希釈した(A)。その後で、(A)の10gを、グリセロールによって100gまで希釈した(B)。次に、原液を水によって希釈して、標準溶液を得た。試料の調製のために、試料1.0gおよび0.13Nの氷酢酸1.0mLを共栓付きフラスコに採取し、再蒸留水によって100.0gまで希釈した。
【0088】
メタノール含有物のGC−MS分析を、ヘッドスペース分析器(AOC5000自動注入器)の付いた島津QP2010ガスクロマトグラフ質量分光計を使用して、実施した。HP PLOT U融解シリカキャピラリーカラム(ID0.53mm×長さ30m×膜厚20μm)を、(流量1mL/分で)キャリアガスとしてのヘリウムとともに使用した。カラム温度を、10分間、100℃に保持した(定温)。質量分光計を、電子イオン化エネルギー70eVで操作した。1mlの試料/標準物質を、機密性の密閉ガラスバイアル瓶に保持し、自動注入器に保持した。試料を650℃に加熱し、インキュベーター中で5分間、回転させた。ガス250μlを、150℃でスプリット−スプリットレス注入器に注入した。3つの標準物質について引いた較正プロットは、回帰係数(R2)が0.9998であった(図2)。同様の較正プロットを、メチルエステル中のMeOHに関して作った(図3)。
【0089】
実施例9:実施例5〜7の実験のための粗グリセロール層およびメチルエステル中の全Kならびにアルカリ度の評価
水溶性試料について、既知重量の試料を溶解して、水溶液の一定の体積を得た一方、不溶性試料について、既知重量の試料を、既知体積の蒸留水によって洗浄して、水中へ水酸化カリウム/塩を抽出した。次に、これらの試料を、正当な較正の後で、全Kについて炎光光度計によって分析した。アルカリ度を、酸塩基滴定をにより評価した(表3)。
【0090】
実施例10:実施例4〜7の実験のためのイオン交換クロマトグラフィーを使用する、ジャトロファメチルエステル中の微量のKおよびNaの評価
バイオディーゼル水洗浄物中のナトリウムおよびカリウムカチオンの濃度を、Ion Pac CS12(2mm)分析カラムおよび流量0.25mL/分で溶離剤として20mMメタンスルホン酸を使用して、電気電導度検出器によるイオン交換クロマトグラフィーによって測定した。NaClとKBrとの混合物を含む標準溶液(それぞれ0.1、0.2、0.5、および1.0ppm)を使用して、定量化を行った。相対標準偏差、相関係数、および勾配は、それぞれ、(ナトリウムについて1.0191、1.0000、および0.7313、ならびにカリウムについて0.6605、1.0000、および0.5341)であった。ナトリウムおよびカリウムについての較正プロット、ならびに試料のクロマトグラフィーを、図4および図5に示す。
【0091】
実施例11
実施例4の廃グリセロール層、GL7を、2つの部分に分割した。1つの部分を、硫酸によるアルカリの中和のために採取し、続いて、先行技術の方法のように、石鹸様の物質およびK2SO4の分離を行った。次に、精製したグリセロール層を、メチルエステル層の洗浄の目的のために必要とされるのと同量のグリセロールを回収するために、蒸留した。暗褐色を有する底部残留物(GL8と表される)を、下の実施例12に記載しているように、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の微生物生成のための栄養素供給源として使用した。GL7のより大きい画分を、下の実施例13に記載しているように、直接、PHAの調製のために使用した。H3PO4/H2SO4の熱酸性水溶液によって、N4〜6%(w/w)を有するジャトロファ油ケーキを処理し、その後で、粗グリセロール層、水酸化カリウム、および水酸化マグネシウムなどのアルカリ性材料によって適切にpHを調整することによって、ジャトロファ油ケーキ加水分解物(JOCH)を抽出して、緩衝作用を有し、加水分解物の栄養価にも寄与する塩を得た。グラム不定細菌、グラム陽性細菌(バシリウス属、アゾトバクター属)、およびグラム陰性細菌(シュードモナス属;ハロモナス属)を、土壌および海洋環境から分離し、PHA生成のためのスクリーニングを行った。
【0092】
実施例12
実施例12.1:
インドの土壌からの30の土壌細菌の分離物を、PHA生成のため研究室においてスクリーニングした。細菌MTCC5343は、最も効率的な1つであるとわかり、本発明において使用した。蒸留水1リットルに溶解した、ペプトン20gと、グリセロール15gと、リン酸水素二カリウム1.5gと、硫酸マグネシウム1.5gとを含む、キングB成長培地100mlを調製した。次に、培地を、20分間、121℃で、オートクレーブにかけた。種子培養物1mlを、上記の培地中に接種して、シェーカー中で35±2℃で48時間インキュベートした。次に、培養物を、遠心分離によって採取した。上記の実施例11のGL8 2%(w/v)と、(NH4)SO4 0.05gと、MgSO4.7H2O 0.04gと、Na2HPO4.12H2O 0.965gと、KH2PO4 0.265gとを含む、生成培地100mlを調製して、次に、蒸留水中に微量栄養素、FeSO4.7H2O(2.78g/l)と、MnCl2.4H2O(1.98g/l)と、CoSO4.7H2O(2.81g/l)と、CaCl2.2H2O(1.47g/l)と、CuCl2.2H2O(0.17g/l)と、ZnSO4.7H2O(0.29g/l)とを含む、微量栄養素原液0.1mLを培地へ加えた。次に、培地を、20分間、121℃で、オートクレーブした。次に、成長培地から得た採取した培養物を、生成培地に接種して、35±5℃で96時間、シェーカー(120rpm)上でインキュベートした。細胞を遠心分離によって採取し、得られたペレットを、オーブン乾燥して、細胞乾燥重量0.38gを得た。次に、ペレットを、15分間ヒポクロリット(塩素4〜6%)溶液によって処理し、細胞を温浸した。固形ポリマーを、遠心分離によって回収した。次に、固形ポリマーを水およびメタノールによって連続して洗浄し、付着している不純物を回収し、細胞乾燥重量71.05%に等しい、PHA0.27gを得た。
【0093】
これらの結果は、大豆ベースのバイオディーゼルプロセスの共生成物ストリームを使用する場合、PHA蓄積は、細胞乾燥重量の42%であることがわかった、先行技術におけるAshbyらの結果に匹敵するであろう。
【0094】
GL8 2%(w/w)の代わりに、生成培地中の純グリセロール2%(w/w)によって、上記の実験を繰り返した。下記の表4からわかるように、細胞乾燥重量についてのPHAの収率は、GL8による71.1%と比較して、純グリセロールによると、わずかに52.6%だった。PHA生成のための炭素使用効率は、グリセロールおよびGL8について、それぞれ11.45%および20.8%であった。
【表4】

【0095】
別の方法では処理することが難しい、実施例11の底部残留物は、おそらく不純物がPHA生成のためのプロモーターとして作用するので、純グリセロールによるものより効率的にPHAを生じる。GL7およびGL8の中の金属不純物の詳細を、下記の表5に示す。
【表5】

【0096】
GL8から得られたポリヒドロキシアルカノエートの特性分析:
GL8を使用して得られたPHAは、MwおよびMn値がそれぞれ35990および24583で、多分散度指数(Mw/Mn)1.4640を有することがわかった。プロトンおよび13C NMRは、(Sigmaからの)標準PHAと一致した。しかし、DSCによる融点は、標準PHAについて146.9℃(ブロード)の値と比較して、166.2℃(ナロー)であった(図6)(ポリマーの物理的性質に関する上記のデータの全ては、Solvay Specialties India Private Limitedの厚意による)。本発明のポリマーから作った膜を、負荷容量について測定した。負荷容量は、直径40.5mmおよび厚さ0.05mmの膜について7〜8psiであることがわかった。膜は、さらに、カプセル、小袋に変換することができ、ヒートシーリングになじむ。これらの膜を、湿った庭園土壌に埋めたとき、50日後に生分解の兆候を示した。より強靭な膜を、膜厚を増すか、または本発明のPHAをポリメタクリル酸メチルと混合することによって、作ることができる。
【0097】
実施例12.2
生成培地における以下の変化を除いて、実施例12.1の実験を、同一の方法で繰り返した:(i)GL8 2%を、GL7 2%で置き換え、培地のpHを、培養物の接種に先立って85%のH3PO4によって中和させ、(GL7の添加後の培地を散布して、GL7中の残留メタノールを排除し(別にことわらない限り、どこでGL7を使用しても、このような散布を採用したことに注目されたい)、(ii)実施例12.1の生成培地に加えたNa2HPO4.12H2OおよびKH2PO4を除いた。PHA含有量は、GL8についての71.1%と比較して、細胞乾燥重量の49.3%(w/w)であることがわかった。したがって、MTCC−5343培養物は、粗グリセロールの画分の組成物において変動がある場合、同じように反応しないであろう。
【0098】
実施例12.3
キングB培地は高額であり、さらに培地はペプトンとグリセロールとを含むので、キングB成長培地を、アミノ酸として窒素を与えるジャトロファ油ケーキ加水分解物(JOCH)10%(v/v)およびグリセロールを与えるGL7 2%(w/w)で置き換えたことを除いて、実施例12.1の実験を、同一の方法で繰り返した。しかし、上記の成長培地で成長した培養物を、実施例12.2の生成培地中に接種した場合、PHAの収率は、細胞乾燥重量の28.2%(w/w)までさらに減少したことがわかった。
【0099】
キングB培地を、バイオディーゼルプロセス自体の副産物に由来する、より対費用効果の高い培地で置き換えることが原理的にできるにしても、置換は、MTCC-5343の場合、細胞乾燥重量に対するPHAの収率に悪影響を及ぼす。
【0100】
実施例13
実施例13.1
ハロモナスヒドロテルマリスとの配列相同性が99.63%である、インド、グジャラートのベラーバル海岸、Aadri(緯度20°57.584’、経度70°16.759’)から分離した海洋性細菌(MTCC5345)を使用して、実施例12.2の実験を繰り返した。この細菌を、60の海洋性細菌からスクリーニングし、より多量のPHAを生じることがわかった。キングB成長培地を、pH7.6±0.2に維持した培地1リットルに、ペプトン5.0gと、酵母エキス1.0gと、クエン酸第二鉄0.1gと、塩化ナトリウム19.45gと、塩化マグネシウム8.8gと、硫酸ナトリウム3.24gと、塩化カルシウム1.8gと、塩化カリウム0.55gと、炭酸水素ナトリウム0.16gと、臭化カリウム0.08gと、塩化ストロンチウム34.0mgと、ホウ酸22.0mgと、ケイ酸ナトリウム4.0mgと、フッ化ナトリウム2.4mgと、硝酸アンモニウム1.6mgと、リン酸二ナトリウム8.0mgを含む、ゾーベル海洋性培地で置換した。海洋性細菌を、この培養液中で培養して、O.D.が1.7〜1.9である種子培養物を得た。遠心分離したバイオマスを、実施例12.2と同じ生成培地に接種した。細胞乾燥重量に対するPHAの収率は、71.2%(w/w)であった。
【0101】
PHA生成のためのGL7の使用は、土壌から分離したMTCC5343よりも、本発明の過程において分離した海洋性細菌MTCC5345で、より効果的であることがわかった。
【0102】
実施例13.2
ゾーベル海洋性成長培地を、JOCH 10%(v/v)およびGL7 2%(w/v)で置き換えたことを除いて、海洋性細菌(MTCC5345)による実施例13.1の実験を繰り返した。細胞乾燥重量についてのPHAの収率は、69.8%(w/w)、すなわち、上記の実施例13.1とほぼ同一であった。最終的にPHAにある、培地の炭素パーセントは、11.30%(w/w)であった。実験データの詳細を、下記の表6に示す。
【表6】

【0103】
実施例13.3
海洋性細菌(MTCC5345)による実施例13.2の実験を、以下の単純化によって繰り返した:(i)成長および生成の段階を組み合わせて単一の段階にした、(ii)GL7およびJOCHの他、いかなる他の栄養素/微量栄養素も与えなかった、(iii)pHを、GL7とJOCHとの間の内部中和により自己調整させた(7.7になった。)、このように、pHについて意図的な調整をしなかった、(iv)GL7中のメタノールの除去のために、散布を行わず、夜/早朝の28℃から昼間の37℃まで変化する周囲温度の条件下で、インキュベーションを行った。種子培養物1〜10%(v/v)を、工程(xiii)の粗グリセロール2〜10%(w/v)と実施例3で調製したジャトロファ油ケーキ加水分解物5〜20%(v/v)とを含む、成長兼生成培地100mLへ直接接種した。下記の表7からわかるように、PHA生成は、細胞乾燥重量について75.1%(w/w)であった。PHAの絶対重量は、実施例13.2におけるより89%高かったが、インキュベーションの96時間後、最終的にPHAにある、培地中の炭素のパーセンテージも18.8%で、より高かった。精製したPHAのDSC融点は、172℃であった(図7)。したがって、より高い対費用効果(ジャトロファメチルエステルプロセスのGL7およびJOCH共生成物ストリームによってのみ与えられる栄養素;エネルギーの節約)とともに手順の単純化(GL7の後処理の完全な回避;単一段階の発酵;時間の節約;周囲条件処理)が、同時にPHA生成の効率を高めながら、この実施例により実証されている。
【表7】

【0104】
実施例13.4
実施例13.3の実験を、シェーカー中に周囲条件下で放置した、5Lフラスコに採取した発酵培養液4Lによって行った。96時間後採取した湿潤バイオマスは39gの重さがあり、乾燥したバイオマスの収量は5.57gであり、PHAの収量は4.3g(細胞乾燥重量についてのPHA77%)であった。
【0105】
実施例13.5
GL7 2gを、GL7とGL8との9:1の混合物2gで置き換え、インキュベーション時間が1週間であったことを除いて、実施例13.3の実験を繰り返した。採取した乾燥バイオマスの収量は0.615gであったが、PHAの収量は0.425gであり、すなわち、PHAの収率は細胞乾燥重量に対して69%(w/w)および培地中の炭素含有量に対して30.2%であった。
【0106】
実施例13.6
実施例11〜13.5から得られたPHA試料のいくつかを、クロロホルムに溶解し、清潔な、乾燥した、ガラス皿上に投入することによって、膜を作製し、クロロホルムをゆっくり蒸発させた。クロロホルム(w/v)にPHA0.5%〜5%を溶解させることによって、PHA膜を調製した。膜を風乾した;完全な蒸発が膜の形成をもたらした。膜厚は、マイクロメータによって測定したときに0.016〜0.28mmであった。湿った庭園土壌中に埋めた膜は、50日後に生分解したことがわかった。
【0107】
発明の利点
1.効率的で対費用効果の高い方法での、高密度エネルギーブリケットおよびポリヒドロキシアルカノエート生分解性ポリマーの調製のための共ストリームの使用。
【0108】
2.メチルエステルを精製するためのグリセロール洗浄の過程は、メチルエステル中にほとんどメタノールを残さず、その代わり、メタノールは、グリセロール層中に90〜95%程度まで閉じ込められる。
【0109】
かなりの量のメチルエステルは、再生なしに、小さい床体積の樹脂によって処理することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離脂肪酸(FFA)1.06%を含むジャトロファの被包された種子からのジャトロファメチルエステル(JME)および副産物の調製のための統合的な方法であって、
(i)殻取り機において被包されたジャトロファの種子から機械的に殻を取り、ジャトロファの殻およびジャトロファの種子を得る工程、
(ii)搾油機を使用して、工程(i)において得られたジャトロファの種子から、ジャトロファ油と、窒素4〜6%を有するジャトロファ油ケーキと、廃油スラッジとを排出する工程、
(iii)工程(ii)において得られたジャトロファ油を塩基によって中和する工程、
(iv)工程(iii)において得られた中和したジャトロファ油の一部を10〜20分間、攪拌しながら、アルコールおよび塩基でエステル交換して、粗グリセロール層GL1と粗ジャトロファメチルエステル(JME)を分離する工程、
(v)工程(iv)において得られた粗JMEを純グリセロール層によって3回洗浄して、メタノールとKOHとを含む3つの不純なグリセロール層、GL2、GL3、およびGL4を分離して、グリセロール洗浄JME−G3Wを得る工程、
(vi)工程(v)において得られたJME−G3Wを精製して、アルカリ金属不純物を除去する工程、
(vii)工程(iv)および(v)において得られたグリセロール層GL5(GL1+GL2+GL3)によって、工程(iii)において得られた残りの中和した油の部分を処理して、JMEとグリセロール層GL6とを得る工程、
(viii)工程(vii)において得られたJMEとグリセロール層GL6を分離する工程、
(ix)メタノールを取り除くため、中和した油の残りの部分によって、工程(viii)において得られたグリセロール層GL6を処理して、JMEとグリセロール層GL7とを得る工程、
(x)工程(ix)において得られたJMEとグリセロール層GL7を分離する工程、
(xi)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の生成のためまたは硫酸によるアルカリの中和のために、工程x)において得られたグリセロール層GL7を直接使用して、純グリセロールと底部残留物GL8とを得る工程、
(xii)工程(vi)において得られたJME−G3Wと工程(viii)および(x)において得られたJMEとを組み合わせて、組合せメチルエステルを得る工程、および
(xiii)工程(xii)において得られた組合たメチルエステルをKOHメタノール溶液でエステル交換して、総グリセロール0.088%および遊離グリセロール0.005%を有する純粋なジャトロファメチルエステル(バイオディーゼル)を生成する工程
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の副産物の調製のための統合的な方法であって、
a)請求項1に記載の工程(ii)において得られた廃油スラッジを添加して、ブリケット製造機において請求項1に記載の工程(i)において得られたジャトロファの殻をブリケット化して、副産物として密度1.05〜1.10g/cm3のジャトロファのブリケットを得る工程;
b)請求項1に記載の工程(ii)において得られた窒素4〜6%を有するジャトロファ油ケーキをH3PO4、H2SO4で加水分解して、副産物としてジャトロファ油ケーキ加水分解物(JOCH)を得る工程
を含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の副産物ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の調製のための統合的な方法であって、
I.請求項1の工程(xi)において得られた底部残留物GL8もしくは請求項1の工程(x)において得られたGL7、またはそれらの組合せ2〜10%(w/v)を含む成長兼生成培地中へ、土壌細菌MTCC5343または海洋性細菌MTCC5345、より好ましくは海洋性細菌MTCC5345種子の培養物1〜10%を接種し、25〜40℃の範囲の温度で、pH7.0〜8.0で、24〜96時間の期間インキュベートして、発酵させる工程;
II.発酵物の遠心分離によって細胞を採取して、ペレットを得る工程;
III.ペレットの遠心分離によって固形ポリマーを回収する工程;
IV.水およびメタノールによって固形ポリマーを洗浄して、PHAを得る工程;
V.クロロホルムにPHA0.5〜5%を溶解して、PHA膜を得る工程
を含む方法。
【請求項4】
種子が被包されている場合、天日乾燥された種子鞘全体が特性を保持することを増強し、油は0.5〜2.0%の遊離脂肪酸含有量を有するだけであり、それによってメチルエステルの収率を増加させることを特徴とする、請求項1の工程(i)に記載の方法。
【請求項5】
殻取りを、(i)種子を損傷せずに、静止表面との摩擦によって開殻を破砕する回転ドラムからなる鞘破砕機と、(ii)種子を殻から分離し、殻と反対の方向へ動かすように種子を方向付ける、傾斜している振動ふるいと、(iii)殻の中の種子を失うことなく、別に収集される殻を吹き飛ばす送風機を使用することとを含む、特別に設計された殻取り機において行う、請求項1の工程(i)に記載の方法。
【請求項6】
使用される塩基は、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選択される、請求項1の工程(iv)に記載の方法。
【請求項7】
アルコールは、メタノールおよびエタノールからなる群から選択される、請求項1の工程(iv)に記載の方法。
【請求項8】
JME−G3W層を、マクロポーラスカチオン交換樹脂を使用することによって精製して、アルカリ金属不純物を除去する、請求項1の工程(vi)に記載の方法。
【請求項9】
スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーと硫酸とを使用することによって、マクロポーラスカチオン交換樹脂を調製する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
細孔形成剤としてセチルアルコールを使用するスチレンの懸濁重合によって、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを調製する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
樹脂処理されたJME−G3W層は、最大[Na+]および[K+]不純物レベル15〜30ppmないし<0.5ppmと、メタノール不純物レベル0.4〜0.6%(w/w)と、水分レベル500〜1500ppmと、総グリセロール含有量0.2〜0.3%(w/w)と、低級遊離脂肪酸含有量0.15%〜0.25%(w/w)とを有する、請求項1の工程(v)に記載の方法。
【請求項12】
底部残留物は、主として固体およびさらに蒸留可能な溶媒/生成物の観点から価値のない自由液体からなる、成功したサイクルの後に残される残留物と定義される、請求項1の工程(xi)に記載の方法。
【請求項13】
ブリケット化を、(i)傾斜したスクリューフィーダーと、(ii)攪拌器および添加剤を供給する開口部の付いた混合デバイスと、(iii)ブリケットを成形するためのダイおよび圧縮のための高圧を生成する油圧装置からなる圧縮システムと、(iv)形成されたブリケットを冷却するためのブリケット運搬システムとを含む、ブリケット製造機において行った、請求項2の工程(a)に記載の方法。
【請求項14】
得られた殻は、バルク密度0.08g/cm3と発熱量3700kcal/kgとを有していた、請求項1の工程(i)に記載の方法。
【請求項15】
成長培地は、キングB培地、ゾーベル海洋性培地、ならびにGL7およびGL8による脱油ジャトロファ油ケーキ加水分解物(JOCH)からなる群から選択される、請求項3の工程(I)に記載の方法。
【請求項16】
細胞乾燥重量に対するPHAの収率は、69%〜77%の範囲内であった、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
得られたPHAは、標準PHAのNMRプロファイルに一致し、DSCによる融点が、166.2℃であり、GPCデータが、Mw、Mn、およびMw/Mn(多分散度指数)値、それぞれ35990、24583、および1.46を示した、請求項3に記載の方法。
【請求項18】
上記工程は、多様なトリグリセリド油に等しく適用しうる、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2013−503960(P2013−503960A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528503(P2012−528503)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000192
【国際公開番号】WO2011/027353
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(596020691)カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (42)
【氏名又は名称原語表記】COUNCIL OF SCIENTIFIC & INDUSTRIAL RESEARCH
【Fターム(参考)】