説明

ジャーナル傷計測診断装置及び方法

【課題】ジャーナル傷の発生による軸受損傷を未然に防止できるジャーナル傷計測診断装置を提供することである。
【解決手段】回転体のロータを支持する軸受部分のジャーナルに発生する摺動傷を傷検出器17を用いて計測するジャーナル傷計測器12と、ジャーナル傷計測器12の傷検出器17をジャーナル11のロータ軸方向に自動送りするための速度を制御する制御装置18と、ジャーナル傷計測器12の傷検出器17から伝送される傷の軸方向分布情報を記録しその情報からジャーナルの状態を診断する評価装置22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体のロータを支持する軸受部分のジャーナルの健全性を診断評価するジャーナル傷計測診断装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転体であるタービン、発電機、電動機などのロータを支持する軸受とジャーナルとの間は潤滑油による油膜形成によりロータ荷重が支持されているが、このジャーナルと軸受との間に潤滑油内夾雑物が侵入すると、ジャーナルの周方向に摺動痕が発生する。この摺動痕により発生した溝部では、軸受とジャーナルとの間の間隙が増加し油膜圧力が低下し、その部分で軸受が分割されたと同じ効果が生じる。すなわち、軸受有効幅の減少により軸受支持能力が低下する。この能力低下が軸受損傷や焼損を発生させる。
【0003】
そこで、従来においては、軸受損傷が発生した要因調査を行う。その要因調査にてジャーナル部の肌荒れや傷が確認された場合には、軸受損傷の対策としてジャーナル部摺動面の機械加工によるジャーナル傷除去が行われている。さらに、このジャーナル傷を計測する場合にはアラルダイト樹脂でジャーナル傷を型取りし、型取りされたサンプルの表面をコントレーサで傷を測定し、人間系にて深さと幅を評価している。したがって、測定から傷判定まで日数が掛かり、また、傷を判定するのに専門の技術が必要である。
【0004】
一方、ジャーナル軸受として、潤滑油にカーボン粒子や金属屑が混じっても、回転軸や軸受本体に傷がつかず、負荷能力の下がらないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−4044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のものであっても、経年変化等により軸受損傷が発生することがあり、従来の軸受損傷の要因調査は、軸受損傷が発生した後に対処するものであるので、軸受損傷発生により機器の停止を余儀なくされ、その復旧のための停止期間や修繕の作業が必要となる。
【0006】
この軸受損傷に関わる要因としては、ジャーナル傷発生による軸受支持能力の低下がある。ジャーナル傷の発生は潤滑油中の夾雑物によりもたらされるものであるが、この潤滑油中夾雑物を完全に除去し、潤滑油清浄度を保つことによりジャーナル傷の発生は回避可能であるが、保守点検の開放点検期間中もしくは潤滑油系統の点検や改造時に潤滑油に夾雑物が侵入する可能性を完全に拭い去ることはできない。また、潤滑油系統の澱み部分に滞留した異物が流出し、軸受内部に侵入する可能性も考えられる。したがって、経年的に夾雑物の軸受内部への侵入によりジャーナル部損傷は進行していく。
【0007】
本発明の目的は、ジャーナル傷の発生による軸受損傷を未然に防止できるジャーナル傷計測診断装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わるジャーナル傷計測診断装置は、回転体のロータを支持する軸受部分のジャーナルに発生する摺動傷を傷検出器を用いて計測するジャーナル傷計測器と、前記ジャーナル傷計測器の傷検出器を前記ジャーナルのロータ軸方向に自動送りするための速度を制御する制御装置と、前記ジャーナル傷計測器の傷検出器から伝送される傷の軸方向分布情報を記録しその情報からジャーナルの状態を診断する評価装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ジャーナル傷による軸受支持の機能低下状況の診断を行うので、ジャーナル傷の発生による軸受損傷を未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の実施の形態に係わるジャーナル傷計測診断装置の構成図である。ジャーナル11上の傷深さを検出するジャーナル傷計測器12は、ジャーナル11上に設置するための脚部13と、脚部13に搭載されたセンサ移動用テーブル14と、センサ移動用テーブル14に案内されて移動するセンサ移動用ステージ15と、センサ移動用ステージ15を駆動するモータ16と、センサ移動用ステージ15に把持された傷検出器17とから構成される。
【0011】
このセンサ移動用ステージ15は、センサ移動用テーブル14内のモータ16にて移動するようになっており、モータ16は制御装置18のテーブル移動開始指令発生手段19からの起動指令により駆動される。すなわち、テーブル移動開始指令発生手段19からセンサ位置制御ボックス20を介してモータ16に起動指令が出力される。このモータ16の駆動により、傷検出器17によりジャーナル11上にあるジャーナル周方向の摺動傷の深さが軸方向に計測される。また、センサ移動用テーブル14には、センサ位置を検出する図示省略のセンサ位置検出器が設けられており、このセンサ位置検出器により移動中のセンサ位置が検出される。
【0012】
傷検出器17からの信号は検出傷深さ変換器21を介して評価装置22を構成する軸受有効幅減少量算出手段24内の傷深さ検出処理手段23に伝送され、さらに、傷断面演算手段25に入力されるとともに記憶装置26に記憶される。また、そのときのセンサ位置は、センサ位置検出器からセンサ位置制御ボックス20を介して制御装置18のセンサ位置検出処理手段27に伝送され、評価装置22における軸受有効幅減少量算出手段24の無効軸受幅演算処理手段35に入力されるとともに記憶装置26に記憶される。これにより、評価装置22内では、ジャーナル軸方向のジャーナル傷深さ分布データが装置内に取り込まれることになる。
【0013】
制御装置18の設計データ入力処理手段28は、設計軸受幅L、軸受荷重W、ジャーナル径Dを入力し、設計軸受幅Lを傷断面積演算手段25に出力し、軸受荷重W及びジャーナル径Dを評価装置22における診断手段29の面圧演算処理手段30に出力する。
【0014】
評価装置22における軸受有効幅減少量算出手段24の傷断面積演算手段25では、傷深さと傷の幅から求まるジャーナル傷断面積を求め、無効軸受幅演算処理手段35では、その傷検出軸方向位置から設計軸受有効幅の減少分、すなわち無効軸受幅を算出し、実有効軸受幅演算処理手段31に出力する。実有効軸受幅演算処理手段31は、軸受有効幅減少量算出手段24の無効軸受幅演算処理手段35で算出された軸受有効幅減少量(無効軸受幅)に基づいて現状の実有効軸受幅を算出し面圧演算処理手段30に出力する。面圧演算処理手段30は、実有効軸受幅演算処理手段31で求めた実有効軸受幅と軸受荷重Wとジャーナル径Dとから軸受面圧を算出し判定手段32に出力する。判定手段32は面圧演算処理手段30で求めた軸受面圧と評価面圧制限値とによりジャーナルの健全性を判定し、その判定結果を記憶装置26に記憶する。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態に係わるジャーナル傷計測診断装置が適応される回転体としてのロータ33を一例としたモデル図である。回転体であるロータ33は軸受34にて支持されているが、この軸受にて支持されるロータ側の部分がジャーナル11である。ロータ33は軸受34とジャーナル11との間に供給される潤滑油により発生する潤滑油油膜圧力により支持されている。
【0016】
図3は、図2のジャーナル11部分(A部分)に傷が発生していない場合の油膜圧力分布図である。縦軸は油膜圧力p、横軸は軸受34の幅である。ジャーナル11に傷が発生していない場合には、軸受とジャーナルとの間に発生する油膜圧力分布は、図2に示すように滑らかであり、平均油膜圧力Pmは(1)式で示される。
【数1】

【0017】
図4は、図2のジャーナル11部分(A部分)に傷が発生している場合の油膜圧力分布図である。ジャーナル11にジャーナル傷が発生した場合には、ジャーナル傷により発生したジャーナル表面の溝から油が逃げることから、図4に示すように、傷の発生部位は図3に示す正常時の場合に比較して、油膜圧力pはpに示すように低下する。つまり、油膜圧力はp分だけ正常時油膜圧力に対して低下することになる。
【0018】
その低下量は(2)式で示される。
【数2】

【0019】
なお、軸受34に作用する荷重は変化しないことから、圧力低下分pだけ、その前後の油膜圧力は上昇することになる。したがって、ジャーナル11上にジャーナル傷が発生し、ジャーナル11の表面に溝が発生した状態となると、その部分で軸受34が分割されたと同様の効果が発生し軸受支持能力が低下する。この傷の支持能力への影響は、潤滑油の逃げ量が支配される傷の断面積と、その傷が発生した軸方向位置とによるものであると考えられる。すなわち、軸受幅Lの両端部分の油膜圧力は軸受中央部に比較して低いことから、傷が軸受中央部に発生した場合は、同様な傷が軸受端部で発生した場合に比較して影響度は大きい。したがって傷の支持能力への影響を評価する上での要素は、傷の断面積と傷の発生した位置とを考慮して影響度を評価する必要がある。
【0020】
ここで、軸受34の無効軸受幅Lは、(3)式に示すように、油膜圧力の低下pから求まるPとジャーナル健全時の油膜平均圧力Pmとで示される。
【数3】

【0021】
このPとPmとを正確に求めることは困難であることから、本発明の実施の形態では、以下に示す方法により、この無効軸受幅Lを算出することとする。図5は、ジャーナル傷計測器12のセンサ移動用テーブル14の設置状態を示した説明図である。図5に示すように、軸受幅Lの両外側に計測開始点L11と計測終了点L12を設定し、この区間を計測区間としてジャーナル傷を計測するものとする。
【0022】
図6は、傷検出器17から検出傷深さ変換器21を介して評価装置22に入力された軸方向ジャーナル傷深さ信号aの処理内容の説明図であり、図6(a)は軸方向ジャーナル傷深さ信号aの波形図、図6(b)は傷と認識した軸方向ジャーナル傷深さ信号の傷断面積演算の説明図である。
【0023】
図6(a)に示すように、計測開始後にジャーナル傷深さ信号aがジャーナル傷深さ閾値a0を越えると、傷断面演算手段25は、その部分を傷として認識し、その傷の断面積を求めるべくジャーナル傷深さ信号aとセンサ位置検出器にて検出される計測位置信号から傷断面積演算を行う。すなわち、ロータ傷深さが傷深さ閾値a0を超えた時点のジャーナル傷断面積積分開始点b1から傷断面積演算を開始し、傷深さが閾値以下に復帰するジャーナル傷断面積積分完了点b2で傷断面積演算を終了する。
【0024】
傷断面積演算は、図6(b)に示すように、計測開始からi番目に検出された傷の断面積A(i)は、ジャーナル深さDepthと、傷検出センサ位置信号から計測スキャンあたりの移動長さdlとに基づいて、(4)式により求められる。
【数4】

【0025】
この積分演算により求められた傷の断面積A(i)は、無効軸受幅演算処理手段35に入力され、この傷断面積A(i)と、軸受平均油膜厚さe0と、傷の発生位置が軸受幅中の端部か中央部かによる評価の重み付けを行う影響係数K(l)とから、(5)式により軸受無効幅LN(i)が演算処理される。
【数5】

【0026】
また、計測が継続され、再度、ジャーナル傷深さ信号aがジャーナル傷深さ閾値a0を超えると、同様に積分演算を開始し、i+1番目に検出された傷の断面積としての処理を行いA(i+1)及びLN(i+1)を算出する。この処理を繰り返し、計測終了点L12まで処理を継続する。
【0027】
図7は、本発明の実施の形態に係わるジャーナル傷計測診断装置の処理内容を示すフローチャートである。計測が開始されると(S1)、センサ移動用ステージ15に把持された傷検出器17が移動し(S2)、データサンプリング周期毎の検出センサ位置及び傷深さデータが保管される(S3)。その傷深さが傷深さ閾値を越えた時点でi番目の傷検出となり、傷深さ信号が閾値以内となるまでの間において傷深さ信号を積分し、i番目に検出された傷の断面積A(i)が演算される(S4)。
【0028】
次に、傷断面積A(i)に軸受平均油膜厚さe0と、傷の発生位置による評価の重み付け影響係数K(l)から軸受無効幅LN(i)を求める(S5)。この演算は、計測終了点L12まで処理が継続される(S6)。計測完了にて、計測された1番目から最後に検出された傷の断面積を積算する実有効軸受幅演算処理手段31により、現状のジャーナル傷の状態から評価される実有効軸受幅Lを算出する(S7)。この実有効軸受幅Lに軸受荷重Wとジャーナル径Dから現状のジャーナル傷を考慮した軸受部評価面圧MTを面圧演算処理手段30により算出する(S8)。
【0029】
ジャーナル傷の積算値が増加しジャーナル無効軸受幅が増加すると実有効軸受幅Lが減少する。これにより、この評価面圧MTは増加することになり、軸受面圧がジャーナル傷により増加する。判定処理手段32は、この算出された評価面圧MTと評価面圧制限値MTlimitとを比較し(S9)、評価面圧MTが評価面圧制限値MTlimitを超えている場合には、不合格となり状態判定は不合格と診断される(S10)。一方、評価面圧MTが評価面圧制限値MTlimitを超えていない場合には、合格となり状態判定は合格と診断される(S11)。そして、その判定結果とともに、傷の軸方向分布データ、各々の傷断面積A(i)、軸方向位置データ、評価面圧MTが出力される(S12)。
【0030】
図8は、図7で使用される評価面圧制限値MTlimitの求め方の説明図である。図8の白丸はこれまでジャーナル傷により軸受損傷が発生したジャーナルの評価面圧MTであり、図8の黒丸は軸受損傷が発生していない場合のジャーナル評価面圧MTとの分布図を示している。図8から軸受損傷の発生有無を分離する評価面圧制限値MTlimitが求められ、そのデータを診断評価にて使用する。
【0031】
本発明の実施の形態によれば、ジャーナルの傷の進行状態を把握しジャーナル部傷の状態から軸受損傷リスクを評価するので、ジャーナル傷による軸受支持機能の低下状況及び制限値までの裕度及び今後の運用における軸受損傷リスクの診断が実現できる。
【0032】
この診断結果により軸受損傷リスクが高いと診断された場合には、ジャーナルの傷を除去するための修理の必要性を判断することが可能となり、軸受損傷という事故を未然に防止できる。さらにジャーナルの傷計測診断を保守点検毎に継続的に実施することにより、ジャーナル補修が必要となる時期の見極めも可能となり将来的な補修計画も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係わるジャーナル傷計測診断装置の構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係わるジャーナル傷計測診断装置が適応される回転体としてのロータを一例としたモデル図。
【図3】図2のジャーナル11部分(A部分)に傷が発生していない場合の油膜圧力分布図。
【図4】図2のジャーナル11部分(A部分)に傷が発生している場合の油膜圧力分布図。
【図5】本発明の実施の形態におけるジャーナル傷計測器のセンサ移動用テーブルの設置状態を示した説明図。
【図6】本発明の実施の形態における傷検出器から検出傷深さ変換器を介して評価装置に入力された軸方向ジャーナル傷深さ信号の処理内容の説明図。
【図7】本発明の実施の形態に係わるジャーナル傷計測診断装置の処理内容を示すフローチャート。
【図8】図7で使用される評価面圧制限値MTlimitの求め方の説明図。
【符号の説明】
【0034】
11…ジャーナル、12…ジャーナル傷計測器、13…脚部、14…センサ移動用テーブル、15…センサ移動用ステージ、16…モータ、17…傷検出器、18…制御装置、19…テーブル移動開始指令発生手段、20…センサ位置制御ボックス、21…検出傷深さ変換器、22…評価装置、23…傷深さ検出処理手段、24…軸受有効幅減少量算出手段、25…傷断面演算手段、26…記憶装置、27…センサ位置検出処理手段、28…設計データ入力処理手段、29…診断手段、30…面圧演算処理手段、31…実有効軸受幅演算処理手段、32…判定手段、33…ロータ、34…軸受、35…無効軸受幅演算処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体のロータを支持する軸受部分のジャーナルに発生する摺動傷を傷検出器を用いて計測するジャーナル傷計測器と、前記ジャーナル傷計測器の傷検出器を前記ジャーナルのロータ軸方向に自動送りするための速度を制御する制御装置と、前記ジャーナル傷計測器の傷検出器から伝送される傷の軸方向分布情報を記録しその情報からジャーナルの状態を診断する評価装置とを備えたことを特徴とするジャーナル傷計測診断装置。
【請求項2】
前記評価装置は、前記ジャーナル傷計測器で計測されたジャーナル傷深さ及び傷の幅の軸方向分布に基づいてジャーナルの軸受有効幅減少量を算出するジャーナルの軸受有効幅減少量算出手段と、前記ジャーナルの軸受有効幅減少量算出手段で算出された軸受有効幅減少量に基づいて軸受面圧を算出しその軸受面圧上昇からジャーナルの健全性を診断する診断手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項3】
前記軸受有効幅減少算出手段は、ジャーナル傷深さが閾値を超えた部分の傷断面積の積算値を演算する傷断面積演算手段と、前記傷断面積演算手段で求めたジャーナル傷の断面積及び軸受とジャーナルとの間の潤滑油平均油膜厚さに基づいて軸受有効幅減少量を軸受無効幅として算出する無効軸受幅演算処理手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項4】
前記無効軸受幅演算処理手段は、ジャーナル傷発生の軸方向位置により軸受有効幅減少量に重み付けを行うことを特徴とする請求項3に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項5】
前記診断手段は、前記軸受有効幅減少量算出手段で算出された軸受有効幅減少量に基づいて現状の実有効軸受幅を算出する実有効軸受幅演算処理手段と、前記実有効軸受幅演算処理手段で求めた実有効軸受幅と軸受荷重とジャーナル径とから軸受面圧を算出する面圧演算処理手段と、前記面圧演算処理手段で求めた軸受面圧と評価面圧制限値とによりジャーナルの健全性を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項6】
前記診断手段は、評価面圧制限値として、傷が計測されたジャーナルで運転された軸受側での損傷の有無点検結果から統計的に求められた評価面圧制限値を用いることを特徴とする請求項5に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項7】
前記評価装置は、前記ジャーナル傷計測器の傷検出器から出力されるジャーナル傷深さの検出信号波形と前記傷検出器の移動速度とからジャーナル傷の深さとジャーナル傷の幅とを検出し、ロータの軸方向のジャーナル傷の分布を記録出力することを特徴とする請求項1に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項8】
前記傷断面積演算手段は、前記傷検出器からのジャーナル傷深さの検出信号が閾値を超えた時点から閾値以下に復帰するまで傷深さ変化を時間で積分処理して傷の断面積を検出し、各々の傷毎における断面積を積算して傷の全断面積を求めることを特徴とする請求項3に記載のジャーナル傷計測診断装置。
【請求項9】
回転体のロータを支持する軸受部分のジャーナルに対してロータ軸方向にジャーナル傷計測器の傷検出器を所定の速度で自動送りし、回転体のロータのジャーナルに発生する摺動傷を計測し、前記ジャーナル傷計測器の傷検出器から伝送される傷の軸方向分布情報を記録し、その情報からジャーナルの状態を診断することを特徴とするジャーナル傷計測診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−139264(P2008−139264A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328434(P2006−328434)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(395009938)東芝アイテック株式会社 (82)
【Fターム(参考)】