説明

ジョイントコネクタ

【課題】1段または上下複数段のキャビティを備えたワイヤハーネス端末のコネクタを少なくとも3方向から3次元的に嵌合接続することが可能なジョイントコネクタを提供する。
【解決手段】左右両側と上向きまたは下向きに突出する第1〜第3端子部を設けたジョイントバスバーをケーシング内に装着して、該ケーシングの左右両側と上下いずれか一側または両側にコネクタ接続部を設けており、前記ジョイントバスバーは、長方形状のバスバーを長さ方向で3分割し、両側部は左右逆方向に突出する前記第1端子部と第2端子部とすると共に中央部を跨ぐ連結部を該中央部の外側に設け、該中央部は前記第1端子部または第2端子部のいずれか一方の境界位置で切断すると共に他方との境界位置で上向きまたは下向きに突出する第3端子部としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジョイントコネクタに関し、詳しくは接続する複数のワイヤハーネス端末のコネクタをジョイントコネクタに三次元的に嵌合接続できるものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に配索する複数のワイヤハーネスの接続を行うジョイントコネクタは、例えば図6に示すように、接続する複数のワイヤハーネスW/H1、W/H2の端末のコネクタ110、111をそれぞれ嵌合接続するコネクタ接続部103、104をジョイントコネクタ100のケーシング101に設けると共に、ケーシング101内に装着したジョイントバスバー102の端子部102a、102bをコネクタ接続部103、104内に突出させ、コネクタ接続部103、104に嵌合したコネクタ110、111の端子部(図示せず)と電気接続させている。即ち、ジョイントコネクタ100内のジョイントバスバー102を介して複数のワイヤハーネスW/H1、W/H2を接続しており、ジョイントバスバー102の形状によりジョイントコネクタ100に嵌合するコネクタ110、111の端子間接続パターンが定められる。
【0003】
しかし、前記ジョイントバスバーの形状によって複雑な端子間接続パターンを実現することはジョイントバスバーの設計上難しく、特に、ワイヤハーネス端末のコネクタが図6のように上下複数段のキャビティ112を備えたコネクタ110、111である場合、従来のジョイントコネクタ100では、左右2方向からのワイヤハーネス接続にしか対応できない。即ち、ジョイントコネクタ100のケーシング101内に装着する上下複数段のジョイントバスバー102は端子部102a、102bを左右2方向に突出させることしかできないため、接続するワイヤハーネスW/H1、W/H2の端末のコネクタ110、111も、ケーシング101の左右両側に設けたコネクタ接続部103、104に左右2方向から二次元的に嵌合接続する構造をとらざるを得ない。よって、従来のジョイントコネクタでは、上下複数段のキャビティを有するコネクタを3方向から三次元的に嵌合接続することができず、車両の種々の回路仕様に十分対応できないという問題がある(特開2009−176688号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−176688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、1段または上下複数段のキャビティを備えたワイヤハーネス端末のコネクタを少なくとも3方向から3次元的に嵌合接続することが可能なジョイントコネクタを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記課題を解決するため、左右両側と上向きまたは下向きに突出する第1〜第3端子部を設けたジョイントバスバーをケーシング内に装着して、該ケーシングの左右両側と上下いずれか一側または両側にコネクタ接続部を設けており、
前記ジョイントバスバーは、長方形状のバスバーを長さ方向で3分割し、両側部は左右逆方向に突出する前記第1端子部と第2端子部とすると共に中央部を跨ぐ連結部を該中央部の外側に設け、該中央部は前記第1端子部または第2端子部のいずれか一方の境界位置で切断すると共に他方との境界位置で上向きまたは下向きに突出する第3端子部としていることを特徴とするジョイントコネクタを提供している。
【0007】
前記のように本発明では、ジョイントコネクタのケーシング内に装着するジョイントバスバーとして長方形状のバスバーを長さ方向で3分割し、両側部を左右逆方向に突出する第1端子部および第2端子部とする一方、中央部を前記第1端子部または第2端子部のいずれか一方との境界位置で切断すると共に他方との境界位置で上向きまたは下向きに折り曲げて、上向きまたは下向きに突出する第3端子部を形成している。また、前記中央部の外側には中央部を跨いで第1端子部と第2端子部とを連結する連結部を設けて第1端子部と第2端子部とを導通させる構成としている。
前記構成により、互いに導通する第1、第2、第3端子部を左右両側方向と上方向または下方向の3方向に突出させることができると共に、第3端子部の折り曲げ位置と、該第3端子部の切断位置である第1端子部あるいは第2端子部の内端面との間に、第3端子部と同寸法の矩形状の空隙部が形成されるため、前記ジョイントバスバーを上下複数段で設けた場合でも下側または上側のジョイントバスバーの第3端子部を上側または下側のジョイントバスバーの前記空隙部を通して上向きまたは下向きに突出させることができる。
【0008】
即ち、前記構成によれば、複数段の第1、第2端子部を左右両側に突出させるだけでなく、複数段の第3端子部を上向きまたは下向きに突出させることができるため、ワイヤハーネス端末のコネクタが上下複数段のキャビティを備えたコネクタであっても、左右両側方向および上方向または下方向の3方向からコネクタを3次元的にジョイントコネクタに嵌合接続することが可能となる。
また、上下に配置する前記ジョイントバスバーの第3端子部の突出方向を上下逆方向とすることで、上下複数段で設けたジョイントバスバーの第1〜第3端子部の突出方向を4方向とすることもできる。この場合には、ジョイントコネクタにワイヤハーネス端末のコネクタを4方向から嵌合接続することも可能となる。
【0009】
前記連結部はコ型で、その両側部が第1端子部と第2端子部の幅方向の外端面に連結すると共に中央連結部は前記中央部の幅方向の外端面と隙間をあけて位置させ、該中央連結部を上向きまたは下向きに折り曲げていることが好ましい。
【0010】
前記のように、連結部をコ型として中央連結部を前記中央部の幅方向の外端面と隙間をあけて位置させることにより、前記中央連結部のみを上方向または下方向に折り曲げて突出させることが可能となる。また、中央連結部を前記中央部の幅方向の外端面と隙間をあけて位置させることにより、上向きまたは下向きに折り曲げた下段または上段の中央連結部が上段または下段のジョイントバスバーに接触して導通するのを防ぐこともできる。
さらに、前記中央部からなる第3端子部は第1端子部または第2端子部と連続させているため、前記中央連結部と離間させていても第1、第2端子部との導通は確保できる。
【0011】
また、前記のように中央連結部を折り曲げておくことによって、ジョイントバスバーの前記矩形状の空隙部が隣接するジョイントバスバーの中央連結部で塞がれることがないため、同一段で並列に設けた前記ジョイントバスバーを上下複数段で設ける場合に、前記空隙部に下側または上側に配置したジョイントバスバーの第3端子部をスムーズに通すことができる。なお、ジョイントバスバーを上下複数段で設けない場合には前記中央連結部を折り曲げなくてもよい。
【0012】
複数本の前記ジョイントバスバーを並列に設けて1段のジョイントコネクタとし、または同一段で並列に設けたジョイントバスバーを上下複数段で設け、該上下複数段に設けた前記ジョイントバスバーは前記第3端子部を上下同一方向または上下逆方向に突出させている。
【0013】
特に、上下2段に設けたジョイントバスバーの第3端子部は上向きに突出させ、下段のジョイントバスバーの第3端子部は上段のジョイントバスバーの第3端子部の折り曲げにより生じた空隙部を通して上向きに突出させて、上下段の第3端子部を同一高さ位置に並列していることが好ましい。
【0014】
前記構成によれば、ジョイントコネクタのケーシングの左右両側のコネクタ接続部には上下2段の第1、第2端子部を突出させると共に、ケーシング上側のコネクタ接続部には上下2段の第3端子部を突出させることができる。したがって、ケーシングの左右両側に設けたコネクタ接続部には、例えばエンジンルームハーネス端末およびインパネハーネス端末の上下2段のキャビティを備えたコネクタを左右両側方向からそれぞれ嵌合できると共に、ケーシングの上側に設けたコネクタ接続部には、例えばフロアハーネス端末の上下2段のキャビティを備えたコネクタを上方向から嵌合させることができる。
【0015】
また、前記のようにジョイントバスバーを上下2段に設け、第3端子部を共に上向きに突出させるような場合、上下段のジョイントバスバーのベース板(中央部の切断、折り曲げや中央連結部の折り曲げを行う前の打ち抜き状態の導電性金属板)として同形、同寸法のベース板を用いることができる。この際、上下一方のジョイントバスバーのベース板は、他方のジョイントバスバーのベース板を180度回転させた位置関係で、切断、折り曲げ等の加工を行うことが好ましい。
また、下段のベース板における中央部の長さが上段のベース板における中央部の長さより大となるように、中央部と第1端子部との境界位置および中央部と第2端子部との境界位置を適宜設定することが好ましい。これにより、下段の第3端子部の長さを上段の第3端子部の長さより大として、上向きに突出する上下段の第3端子部を同一高さに並列させることができる。
さらに、前記連結部の中央連結部の折り曲げ方向は上向きでも下向きでもよいが、好ましくは上段のジョイントバスバーの中央連結部は下向きに折り曲げ、下段の中央連結部は上向きに折り曲げることにより上下段のジョイントバスバーをコンパクトに配置することができる。
【0016】
本発明のジョイントコネクタは、成形金型内に前記ジョイントバスバーを配置して樹脂モールド成形により一体的に形成することが好ましい。この際、ジョイントバスバーのうち、ケーシングのコネクタ接続部内に突出させる所要長さの第1、第2、第3端子部以外の部分は樹脂に埋設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
前記のように、本発明によれば、ジョイントコネクタのケーシング内に装着するジョイントバスバーは、互いに導通する第1、第2、第3端子部を左右両側方向と上方向または下方向の3方向に突出させることができると共に、第3端子部の折り曲げ位置と、該第3端子部(中央部)の切断位置である第1端子部あるいは第2端子部の内端面との間に矩形状の空隙部が形成されるため、前記ジョイントバスバーを上下複数段で設けた場合でも、下側または上側のジョイントバスバーの第3端子部を上側または下側のジョイントバスバーの前記空隙部を通して上向きまたは下向きに突出させることができる。
【0018】
よって、本発明によれば、複数段の第1、第2端子部を左右両側に突出させるだけでなく、複数段の第3端子部を上向きまたは下向きに突出させることができるため、ワイヤハーネス端末のコネクタが上下複数段のキャビティを備えたコネクタであっても、左右両側方向および上方向または下方向の3方向からコネクタを3次元的にジョイントコネクタに嵌合接続することが可能となる。また、上下に配置する前記ジョイントバスバーの第3端子部の突出方向を上下逆方向とすることで、上下複数段で設けたジョイントバスバーの第1〜第3端子部の突出方向を4方向とすることもでき、よって、ジョイントコネクタにワイヤハーネス端末のコネクタを4方向から嵌合接続することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態のジョイントコネクタを示し、(A)は斜視図、(B)はA−A線断面図である。
【図2】上段のジョイントバスバーの形成工程を示し、(A)はベース板の斜視図、(B)は上段のジョイントバスバーの最終形状を示す斜視図である。
【図3】下段のジョイントバスバーの形成工程を示し、(A)はベース板の斜視図、(B)は下段のジョイントバスバーの最終形状を示す斜視図である。
【図4】(A)は上段のジョイントバスバーの下側に下段のジョイントバスバーを配置する前の状態を示す斜視図であり、(B)は上下に配置した後の上下2段のジョイントバスバーを示す斜視図である。
【図5】上下2段のジョイントバスバーを並列させた状態を示す斜視図である。
【図6】従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は本発明の実施形態を示す。
本実施形態のジョイントコネクタ1は、図1に示すように、ケーシング2の左右両側に第1コネクタ接続部3、第2コネクタ接続部4を備えると共に、ケーシング2の上側に第3コネクタ接続部5を備えている。本発明のジョイントコネクタ1は、エンジンハーネスである第1ワイヤハーネス20の端末に接続した第1コネクタ30と、インパネハーネスである第2ワイヤハーネス21の端末に接続した第2コネクタ31と、フロアハーネスである第3ワイヤハーネス22の端末に接続した第3コネクタ32を、それぞれ第1コネクタ接続部3、第2コネクタ接続部4、第3コネクタ接続部5に嵌合接続し、ケーシング2内に装着した上下2段のジョイントバスバー6A、6Bを介して第1ワイヤハーネス20と第2ワイヤハーネス21と第3ワイヤハーネス22を接続している。なお、第1コネクタ30、第2コネクタ31、第3コネクタ32は、いずれも2段のキャビティ33を有する12極のコネクタとし、各キャビティ33の内部にはメス型の端子金具(図示せず)を収容している。
【0021】
ジョイントコネクタ1のケーシング2の内部に装着するジョイントバスバー6は、上段に配置するジョイントバスバー6Aと下段に配置するジョイントバスバー6Bとからなり、本実施形態では、図5に示すように、上段のジョイントバスバー6Aと下段のジョイントバスバー6Bをそれぞれ6本並列させている。
上段、下段のジョイントバスバー6A、6Bは、図2(B)、図3(B)や図4に示す形状を有し、共に、左右逆方向に突出する第1端子部8A、8Bおよび第2端子部9A、9Bを備えると共に、上向きに突出する第3端子部10A、10Bを備えている。
【0022】
上段、下段のジョイントバスバー6A、6Bは、導電性金属板を図2(A)、図3(A)に示す形状に打ち抜いたベース板7A、7Bから形成している。ベース板7A、7Bは同形、同寸法とし、上段のジョイントバスバー6A形成前のベース板7Aは、下段のジョイントバスバー6B形成前のベース板7Bを180度回転させたものに相当する。上段、下段のジョイントバスバー6A、6Bを形成するベース板7A、7Bは、長方形状部分を長さ方向に3分割して両側部と中央部とに区分し、両側部を左右逆方向に突出するダブ状の第1端子部8A、8Bおよび第2端子部9A、9Bとすると共に、中央部を上向きに突出するタブ状の第3端子部10A、10Bとしている。
【0023】
上段のジョイントバスバー6Aでは、前記中央部の外側に、該中央部を跨ぎ両側の第1端子部8Aと第2端子部9Aとを連結するようにコ型の連結部11Aを設けている。連結部11Aは両側部11A−1と中央連結部11A−2からなり、第1端子部8Aと第2端子部9Aの幅方向の外端面に両側部11A−1を連結し、前記中央部の幅方向の外端面と隙間をあけて中央連結部11A−2を設けている。
【0024】
同様に下段のジョイントバスバー6Bにおいても、前記中央部の外側に、該中央部を跨ぎ両側の第1端子部8Bと第2端子部9Bとを連結するようにコ型の連結部11Bを設けている。連結部11Bは両側部11B−1と中央連結部11B−2からなり、第1端子部8Bと第2端子部9Bの幅方向の外端面に両側部11B−1を連結し、前記中央部の幅方向の外端面と隙間をあけて中央連結部11B−2を設けている。
【0025】
上段のジョイントバスバー6Aは、図2(B)に示すように、ベース板7Aの中央部と第2端子部9Aとの境界位置12Aを切断位置として中央部を切断すると共に、中央部と第1端子部8Aとの境界位置13Aを折り曲げ位置として該中央部を折り曲げて、上向きに突出する第3端子部10Aを形成している。また、連結部11Aの中央連結部11A−2と両側部11A−1との境界位置14Aを折り曲げ位置として中央連結部11A−2を下向きに折り曲げている。
【0026】
また、下段のジョイントバスバー6Bは、図3(B)に示すように、ベース板7Bの中央部と第1端子部8Bとの境界位置12Bを切断位置として中央部を切断すると共に、中央部と第2端子部9Bとの境界位置13Bを折り曲げ位置として該中央部を折り曲げて、上向きに突出する第3端子部10Bを形成している。また、連結部11Bの中央連結部11B−2と両側部11B−1との境界位置14Bを折り曲げ位置として中央連結部11B−2を上向きに折り曲げている。
【0027】
図4に示すように、上段のジョイントバスバー6Aの下側に下段のジョイントバスバー6Bを配置し、上段のジョイントバスバー6Aの第3端子部10Aの折り曲げによって生じた矩形状の空隙部15Aに、下段のジョイントバスバー6Bの第3端子部10Bを通して上向きに突出させ、2段の第3端子部10A、10Bを同一高さに並列させている。
【0028】
本実施形態では、上段、下段のジョイントバスバー6A、6Bの形成工程において、下段のベース板7Bにおける中央部の長さが、上段のベース板7Aにおける中央部の長さより大となるように、中央部と第1端子部8A、8Bとの境界位置13A、12Bおよび中央部と第2端子部9A、9Bとの境界位置12A、13Bを図2(A)、図3(A)のように設定し、下段の第3端子部10Bの長さを上段の第3端子部10Aの長さより大として、上向きに突出する2段の第3端子部10A、10Bが同一高さに並列するようにしている。
【0029】
図1に示すジョイントコネクタ1は、図5のように並列した上下2段のジョイントバスバー6A、6Bを成形金型内に配置し、樹脂モールド成形によりケーシング2と一体的に形成している。この際、上段、下段のジョイントバスバー6A、6Bの所要長さの第1端子部8A、8Bをケーシング2の第1コネクタ接続部3内に、所要長さの第2端子部9A、9Bを第2コネクタ接続部4に、所要長さの第3端子部10A、10Bを第3コネクタ接続部5内にそれぞれ突出させ、連結部11A、11Bを含むその他の部分は樹脂に埋設している。
【0030】
前記のように、本実施形態では、上段のジョイントバスバー6Aでは、互いに導通する第1端子部8Aと第2端子部9Aと第3端子部10Aをそれぞれ左右両側方向と上方向の3方向に突出させると共に、下段のジョイントバスバー6Bにおいても、互いに導通する第1端子部8Bと第2端子部9Bと第3端子部10Bをそれぞれ左右両側方向と上方向の3方向に突出させる構造としている。また、上段のジョイントバスバー6Aの第3端子部10Aの折り曲げによって生じた空隙部15Aに下段のジョイントバスバー6Bの第3端子部10Bを通すことができるため、2段の第3端子部10A、10Bを上向きに突出させることが可能となる。よって、接続する第1、第2、第3ワイヤハーネス20、21、22の端末の第1、第2、第3コネクタ30、31、32が本実施形態のように上下2段のキャビティを有する多極コネクタであっても、左右両側方向および上方向の3方向から前記コネクタ30、31、32を3次元的にジョイントコネクタ1に嵌合接続することが可能となる。
【0031】
本実施形態では上下段に配置するジョイントバスバー6A、6Bの第3端子部10A、10Bの突出方向を上向きにしているが、ワイヤハーネスの配索構造によっては、上下段に配置するジョイントバスバーの第3端子部の突出方向を下向きにしてもよい。また、ジョイントバスバーを3段以上積層し、3段以上の第1、第2、第3端子部を3方向に突出させることも可能である。
さらに、上下段に配置するジョイントバスバーの第3端子部の突出方向を上下逆方向とすることで、上下段で設けたジョイントバスバーの第1〜第3端子部の突出方向を4方向とすることもできる。この場合には、ジョイントコネクタにワイヤハーネス端末のコネクタを4方向から嵌合接続することも可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1 ジョイントコネクタ
2 ケーシング
3 第1コネクタ接続部
4 第2コネクタ接続部
5 第3コネクタ接続部
6A、6B ジョイントバスバー
8A、8B 第1端子部
9A、9B 第2端子部
10A、10B 第3端子部
11A、11B 連結部
11A−1、11B−1 両側部
11A−2、11B−2 中央連結部
12A、12B 切断位置
13A、13B 折り曲げ位置
14A、14B 折り曲げ位置
15A 空隙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側と上向きまたは下向きに突出する第1〜第3端子部を設けたジョイントバスバーをケーシング内に装着して、該ケーシングの左右両側と上下いずれか一側または両側にコネクタ接続部を設けており、
前記ジョイントバスバーは、長方形状のバスバーを長さ方向で3分割し、両側部は左右逆方向に突出する前記第1端子部と第2端子部とすると共に中央部を跨ぐ連結部を該中央部の外側に設け、該中央部は前記第1端子部または第2端子部のいずれか一方の境界位置で切断すると共に他方との境界位置で上向きまたは下向きに突出する第3端子部としていることを特徴とするジョイントコネクタ。
【請求項2】
前記連結部はコ型で、その両側部が第1端子部と第2端子部の幅方向の外端面に連結すると共に中央連結部は前記中央部の幅方向の外端面と隙間をあけて位置させ、該中央連結部を上向きまたは下向きに折り曲げている請求項1に記載のジョイントコネクタ。
【請求項3】
複数本の前記ジョイントバスバーを並列に設けて1段のジョイントコネクタとし、または同一段で並列に設けたジョイントバスバーを上下複数段で設け、該上下複数段に設けた前記ジョイントバスバーは前記第3端子部を上下同一方向または上下逆方向に突出させている請求項1または請求項2に記載のジョイントコネクタ。
【請求項4】
上下2段に設けたジョイントバスバーの第3端子部は上向きに突出させ、下段のジョイントバスバーの第3端子部は上段のジョイントバスバーの第3端子部の折り曲げにより生じた空隙部を通して上向きに突出させて、上下段の第3端子部を同一高さ位置に並列している請求項3に記載のジョイントコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109969(P2013−109969A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254337(P2011−254337)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)