ジョブ管理サーバーおよびジョブ管理サーバーの制御方法
【課題】簡易な方式でジョブの設定を変更可能なジョブ管理サーバーを提供する。
【解決手段】ジョブ管理サーバーは、ジョブデータを格納するための記憶手段と、外部からのジョブデータを受け付けるジョブデータ受付手段と、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するジョブデータ解析手段と、ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて記憶手段のジョブデータを編集するジョブ編集手段とを含む。ジョブ編集手段は、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納し、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する。
【解決手段】ジョブ管理サーバーは、ジョブデータを格納するための記憶手段と、外部からのジョブデータを受け付けるジョブデータ受付手段と、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するジョブデータ解析手段と、ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて記憶手段のジョブデータを編集するジョブ編集手段とを含む。ジョブ編集手段は、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納し、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピューター(パソコン)から出力されたジョブデータをスプールする機能を有するジョブ管理サーバーおよびジョブ管理サーバーの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、MFP(Multi Function Peripheral)などの複合型画像処理装置が広く普及している。このMFPは、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナー、FAX、またはドキュメントサーバーなどのBOX機能を集約した画像形成装置であり、複合機とも呼ばれる。
【0003】
そして、当該MFPを用いた印刷システムとして、例えば、MFPで実行されるジョブデータを一旦、外部の記憶装置に記憶させてMFP等の動作状況に応じて、MFPに出力する方式が提案されている。
【0004】
例えば、特開2004−276542号公報においては、印刷ジョブをスプールする機能を有するジョブスプール部と、WWWサーバー機能を有するWWWサーバー部とを設け、WWWブラウザーから各種設定を行うことが可能な画像形成装置が示されている。当該構成において、WWWブラウザーから設定要求が送信されたときに、設定要求をジョブ化する機能を有する設定ジョブ作成部と、ジョブ化した設定要求をジョブスプール部に追加する機能を有する制御部とをさらに含む構成が示されており、ウェブからジョブの設定を変更することが可能である。
【0005】
また、特開2007−179482号公報においては、印刷時にスプールファイルにジョブチケットを加えて保存する。そして、ユーザーから再印刷指示を受け付けると、保存しておいたスプールファイルからジョブチケットを読み込み、その読み込んだジョブチケットに基づいて印刷設定ダイアログを表示し、ユーザーからの印刷設定の変更を受け付ける。その後、ユーザーによって印刷ボタンが押下されると、変更された印刷設定により印刷が実行される。つまり、スプールファイルに保存されていたジョブチケットが利用されることによって過去の印刷時の印刷設定情報がユーザーに提示され、ユーザーはそれに基づいて印刷設定を変更して再印刷させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−276542号公報
【特許文献2】特開2007−179482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献においては、スプールされているジョブの設定を変更することは可能であるが、ユーザーが1つ1つ手動で変更する必要があり利便性に欠けるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式でジョブの設定を変更可能なジョブ管理サーバーおよびジョブ管理サーバーの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従うジョブ管理サーバーは、画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーであって、ジョブデータを格納するための記憶手段と、外部からのジョブデータを受け付けるジョブデータ受付手段と、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するジョブデータ解析手段と、ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて記憶手段のジョブデータを編集するジョブ編集手段とを含む。ジョブ編集手段は、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納し、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する。
【0010】
好ましくは、記憶手段には、複数のジョブデータが格納されており、ジョブ編集手段は、ジョブデータに含まれている識別情報に従って記憶手段に格納されている複数のジョブデータの中から特定のジョブデータを抽出する。
【0011】
好ましくは、ジョブ編集手段は、記憶手段に既に格納されているジョブデータの出力可否を決定するステータス情報を一括して変更する。
【0012】
好ましくは、ジョブ編集手段は、記憶手段に既に格納されているジョブデータの認証情報を一括して変更する。
【0013】
本発明のある局面に従うジョブ管理サーバーの制御方法は、画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーの制御方法であって、ジョブ管理サーバーは、ジョブデータを格納するための記憶手段を含み、外部からのジョブデータを受け付けるステップと、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するステップと、ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて記憶手段のジョブデータを編集するステップとを含む。ジョブデータを編集するステップは、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するステップと、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更するステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明に従うジョブ管理サーバーは、ジョブ編集手段において、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納し、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する。簡易な方式でジョブの設定を変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成システムを説明する概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFPの概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のハードウェア構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うMFP2Aにおけるタッチアンドプリント印刷を実行するフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のジョブデータのスプール処理について説明するフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷設定画面を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷詳細設定画面を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に従うジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6におけるジョブデータの出力を説明するフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態に従う別のジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムを説明する概略図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う画像形成システムは、画像形成装置としての機能を有するMFP2A〜2C、パソコン(PC)10、ジョブ管理サーバー6とを有しており、これらはネットワーク18を介して相互に通信可能に接続されている。
【0018】
ここで、一例として、パソコン10については、ユーザーAAが使用している場合が示されている。ユーザーAAは、認証用のカード12を保有しており、当該カード12を用いたタッチアンドプリント印刷を実行する。当該タッチアンドプリント印刷は、各MFP2A〜2Cで実行することが可能である。なお、後述するがカード12には、認証用のカード情報が格納されている。
【0019】
当該画像形成システムにおけるタッチアンドプリント印刷の概略について説明する。
ユーザーAAは、パソコン10から印刷処理を実行するジョブデータをジョブ管理サーバー6に出力する。ジョブ管理サーバー6は、パソコン10から出力されたジョブデータをスプールする。なお、当該パソコン10から出力されたジョブデータには、認証用のカード情報、印刷処理するための画像データ等が含まれている。
【0020】
ユーザーAAは、カード12を保持して、MFP2A〜2CのいずれかのMFPにおいてカード12を用いた認証処理を実行する。
【0021】
例えば、MFP2Aを用いる場合について説明する。当該MFP2Aは、カード12から取得したカード情報をジョブ管理サーバー6に送信する。ジョブ管理サーバー6は、当該カード情報を含むジョブデータを抽出して、当該MFP2Aに送信する。そして、MFP2Aは、受信したジョブデータに基づく印刷処理を実行する。
【0022】
当該タッチアンドプリント印刷により、ユーザーAAは、認証用のカードを用いていずれのMFPからも印刷処理を実行することが可能となるとともに、認証処理を実行することにより印刷が実行されるため、他人に印刷媒体を見られることを防止して印刷媒体のセキュリティも確保することが可能である。
【0023】
なお、本例においては、パソコン10が1台設けられている場合が示されているが、特に1台に限られず、複数のユーザーがそれぞれ用いるパソコンが複数台ネットワーク18に接続されている構成とすることも可能である。その場合、それぞれのユーザーのジョブデータがジョブ管理サーバー6にスプールされる。複数のユーザーからのジョブデータがジョブ管理サーバー6にスプールされる場合、それぞれのユーザーが所有するカードのカード情報を識別子として、各ユーザーのジョブデータを識別することが可能である。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に従うMFPの概略ブロック図である。
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従うMFP6は、CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)153、RAM(Random Access Memory)152、HDD(Hard Disk Drive)154、データ処理部155、操作パネル160、自動原稿搬送装置(ADF)164、スキャナー166、プリンター168、通信部170、カードリーダー158および内部バス156を含む。内部バス156は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0025】
CPU(Central Processing Unit)151は、ROM153、RAM152、HDD154等の記憶領域に格納されているプログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を実行する。また、当該記憶領域は、各種データの保存領域として用いられるとともに、プログラムを実行するための作業領域あるいはスキャナー166で画像処理により得られた画像データ等を保存するための領域として用いられる。
【0026】
通信部170は、ネットワーク18に接続され、ネットワーク上の他の機器との間でデータ通信を実行する。具体的には、例えば、ジョブ管理サーバー6から送信されたジョブデータを受信する。また、ジョブ管理サーバー6に対して後述するカード情報を送信する。
【0027】
ADF164は、載置台に載置された原稿を搬送してスキャナー166で読み取るための搬送装置である。
【0028】
スキャナー166は、原稿に光源で光を当ててその反射光を光電変換するためのCCD等の受光素子を備えており、CCD等の受光素子から原稿の画像データを取得する。
【0029】
データ処理部155は、スキャナー166で取得された画像データの画像編集処理等を実行する。
【0030】
プリンター168は、スキャナー166により読み取っていた画像データ、通信部170を介して取得したジョブデータに含まれる画像データの各種データを記録用紙等の記録媒体に印刷する。
【0031】
HDD154は、BOX機能としても用いられ、画像データ等を蓄積することが可能である。
【0032】
操作パネル160は、各種情報の表示を実行する表示画面161と、各種指示を入力するための入力手段162とを含む。例えば、入力手段としては、タッチパネル、コピー枚数、ユーザーのパスワード等を指定するためのテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー、コピー機能、FAX機能、スキャン機能、BOX機能等の機能を切り替えるためのキー等が挙げられる。
【0033】
カードリーダー158は、カードを検知して、当該カードに格納されているカード情報を取得する。
【0034】
なお、本例においては、一例として、プリンター168を用いたタッチアンドプリント印刷を実行する際には、カードを用いた認証処理が要求されるものとする。具体的には、プリント機能をユーザーが選択した際には、カードをカードリーダー158に載置することを促す認証画面が表示される。当該認証画面において、ユーザーは、予め登録したカードを図示しない載置領域に載置する。そして、カードリーダー158で載置領域に載置されたカードに格納されているカード情報が取得される。そして、MFPから当該取得されたカード情報がジョブ管理サーバー6に送信される。
【0035】
そして、ジョブ管理サーバー6において、MFPから受信したカード情報に基づいて、記憶部にスプールされているジョブデータが抽出され、MFPに送信される。MFPは、送信されたジョブデータに従い印刷処理を実行する。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のハードウェア構成を説明する図である。
【0037】
図3を参照して、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6は、CPU20と、RAM22と、ROM24と、HDD26と、通信部28と、内部バス30とを含む。内部バス30は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0038】
なお、ここでは、ジョブ管理サーバー6の構成について説明するが、基本的なハードウェアの構成はパソコン10と同様であり、例えば、キーボード等の入力部およびディスプレイ等の表示部をさらに設けた点が異なるためパソコン10のハードウェア構成については省略する。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6の機能ブロック図である。
図4を参照して、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6は、ジョブデータ受付部40と、ジョブデータ解析部42と、スプールデータ編集部44と、ジョブスプール部46と、カード情報受付部48と、ジョブデータ取得部50と、ジョブデータ送信制御部52とを含む。当該機能ブロックは、ROM24に格納されているソフトウェアプログラムに従ってCPU20が通信部28、HDD26と協働することにより実現される。
【0040】
ジョブデータ受付部40は、パソコン10から出力されたジョブデータを受け付ける。
ジョブデータ受付部40は、受け付けたジョブデータをジョブデータ解析部42に出力する。
【0041】
ジョブデータ解析部42は、ジョブデータに含まれているコマンド等を解析して、その解析結果とともにデータをスプールデータ編集部44に出力する。
【0042】
スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従いジョブスプール部46にジョブデータを格納するとともに、必要に応じてジョブスプール部46に格納されている既存のジョブデータを編集する。
【0043】
なお、後述するが、ジョブスプール部46に格納されるジョブデータには、ジョブ管理サーバー6からの出力可否を判断するためのステータスが割り当てられ、通常は、出力可を示すスタンバイが設定されるものとする。一方、出力不可の場合には、スキップが設定されるものとする。
【0044】
カード情報受付部48は、例えばMFP2Aから出力されたカード情報を受け付けて、ジョブデータ取得部50に出力する。
【0045】
ジョブデータ取得部50は、カード情報受付部48で受け付けたカード情報に従って、ジョブスプール部46に格納されている当該カード情報を含むジョブデータを抽出する。
【0046】
ジョブデータ取得部50は、抽出したジョブデータをジョブデータ送信制御部52に出力する。
【0047】
ジョブデータ送信制御部52は、抽出されたジョブデータをMFPに順番に出力する。
図5は、本発明の実施の形態に従うMFP2Aにおけるタッチアンドプリント印刷を実行するフロー図である。当該フローは、MFP2AのCPU151がROM153に格納されているソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。
【0048】
図5を参照して、まず、カードの検出が有ったかどうかを判断する(ステップS2)。具体的には、CPU151は、カードリーダー158を介して載置領域に載置されたカードを検出したかどうかを判断する。
【0049】
次に、カードの検出があったと判断した場合(ステップS2においてYES)には、次に、カード情報を取得する(ステップS4)。CPU151は、カードリーダー158を介してカードに格納されているカード情報を取得する。
【0050】
次に、カード情報をジョブ管理サーバー6に送信する(ステップS6)。CPU151は、通信部170を介してカード情報をジョブ管理サーバー6に送信する。
【0051】
そして、次に、ジョブ管理サーバー6からジョブデータを受信したかどうかを判断する(ステップS8)。CPU151は、通信部170を介してジョブ管理サーバー6から送信されたジョブデータを受信したかどうかを判断する。
【0052】
ジョブデータを受信した場合(ステップS8においてYES)には、ジョブを実行する(ステップS10)。CPU151は、受信したジョブデータに基づいてプリンター168により印刷処理を実行する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0053】
一方、ステップS8において、ジョブデータを受信しなかった場合(ステップS8においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
【0054】
当該処理によりタッチアンドプリント印刷を実行することが可能である。
図6は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のジョブデータのスプール処理について説明するフロー図である。
【0055】
当該フローは、ジョブ管理サーバー6のCPU20がROM24に格納されているソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。
【0056】
図6を参照して、ジョブデータの入力が有ったかどうかを判断する(ステップS12)。具体的には、ジョブデータ受付部40がパソコン10からジョブデータを受け付けたかどうかを判断する。
【0057】
次に、ジョブデータを解析する(ステップS14)。具体的には、ジョブデータ解析部42が受け付けたジョブデータに含まれているコマンド等を解析する。
【0058】
次に、既存ジョブ設定の変更情報が有るかどうかを判断する(ステップS16)。ジョブデータ解析部42は、コマンド等の解析結果に従い既存ジョブ設定の変更情報が有るかどうかを判断する。
【0059】
ステップS16において、既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断した場合(ステップS16においてYES)には、既存ジョブ設定を変更する(ステップS18)。スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断した場合には、ジョブスプール部46に格納されている既存のジョブデータの設定を変更する。
【0060】
そして、ジョブスプール部にジョブデータを格納する(ステップS20)。スプールデータ編集部44は、ジョブスプール部46にジョブデータを格納する。
【0061】
そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS16において、既存ジョブ設定の変更情報が無いと判断した場合(ステップS16においてNO)には、ステップS18をスキップしてジョブスプール部へジョブデータを格納する(ステップS20)具体的には、スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い既存ジョブ設定の変更情報がないと判断した場合には、既存のジョブデータの設定を変更することなくジョブスプール部46にジョブデータを格納する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0062】
次に、既存ジョブ設定の変更情報をジョブデータに設定する方式について説明する。
図7は、本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷設定画面を説明する図である。
【0063】
図7を参照して、ここでは、パソコン10のディスプレイに表示される印刷設定画面60が示されている。
【0064】
具体的には、当該印刷設定画面60において、印刷の実行を指示するジョブデータに関する各種の設定が可能である。例えば、印刷対象のページ、部数等の設定が可能である。
【0065】
本例においては、さらに、既存ジョブ設定の変更情報として特殊なコマンドを含めるための印刷詳細設定ボタン62が設けられている場合が示されている。
【0066】
図8は、本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷詳細設定画面を説明する図である。
【0067】
図8を参照して、ここでは、パソコン10のディスプレイに表示される印刷詳細設定画面70が示されている。
【0068】
具体的には、当該印刷詳細設定画面70において、「このジョブデータを最初に出力」と、「認証要のカード情報を変更」との項目が設けられており、それぞれに対応してチェックボックス72,74が設けられている。
【0069】
ここでは、一例として、チェックボックス72にチェックが付けられている場合が示されている。
【0070】
「認証用のカード情報を変更」の項目に対応して、入力領域欄76が設けられており、当該入力領域欄76には、変更する認証用のカード情報を入力することが可能である。
【0071】
そして、「OK」ボタン77と、「Cancel」ボタン78とが設けられており、当該「OK」ボタン77を入力することにより印刷詳細設定画面70で設定した内容が反映される。一方、「Cancel」ボタン78を入力することにより印刷詳細設定画面70で設定した内容が反映されずに、処理が終了する。
【0072】
すなわち、本例においては、一例としてパソコン10のディスプレイに表示される印刷詳細設定画面70において、「このジョブデータを最初に出力」と、「認証要のカード情報を変更」との項目に対応するチェックボックス72,74にチェックを付けることにより既存ジョブ設定の変更情報をジョブデータに含めることが可能となる。
【0073】
図9は、本発明の実施の形態に従うジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【0074】
図9を参照して、ジョブデータは、PJL(Printer Job Language)言語で記述される。
【0075】
ここでは、ジョブデータ200のデータ構造として、カード情報の設定項目202と、既存ジョブ設定の変更情報に関して、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドの設定項目204とが記述されている場合が示されている。
【0076】
具体的には、カード情報として「0123」のデータが設定されている場合が示されている。当該設定項目を解析することにより、カード情報を識別子として当該ジョブデータを抽出することが可能である。
【0077】
また、既存ジョブ設定の変更情報に関して、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンド「JCMDA」=「ON」として、当該コマンドが有効である場合が示されている。
【0078】
当該設定項目を解析することにより、既存ジョブ設定の変更情報の有無を判別することが可能である。
【0079】
図10は、本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する図である。
【0080】
図10を参照して、ここでは、ジョブデータKが入力され、当該ジョブデータには、既存ジョブ設定の変更情報に関して、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが含まれている場合について説明する。
【0081】
また、ここでは、一例として、ジョブスプール部46において、複数のプリントジョブデータが格納されている場合が示されている。
【0082】
一例として、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データが示されている。なお、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データは、同じカード情報「1234」を有しているものとする。また、ここで、当該「プリントジョブ1」、「プリントジョブ2」データにそれぞれ対応して出力可否の有無を判断するステータスが割り当てられており、ステータスがスタンバイである場合が示されている。
【0083】
次に、ジョブデータKが入力された場合について説明する。
ジョブデータ解析部42は、ジョブデータKに含まれているコマンド等を解析して、既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断する。また、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが有効であると判断する。
【0084】
スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い、ジョブスプール部46に格納されている既存の「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データのステータスをスキップに変更する。
【0085】
そして、ジョブデータKのステータスをスタンバイにして、ジョブスプール部46に格納する。
【0086】
図11は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6におけるジョブデータの出力を説明するフロー図である。当該フロー図は、ジョブ管理サーバー6のCPU20がROM24に格納されているソフトウェアプログラムを読み込むことにより実現される。
【0087】
図11を参照して、まず、カード情報を受信したかどうかを判断する(ステップS30)。具体的には、カード情報受付部48は、例えば、MFP2Aからカード情報(たとえば「1234」)を受信したかどうかを判断する。
【0088】
次に、ステップS30において、カード情報受付部48でカード情報を受信したと判断した場合(ステップS30においてYES)には、カード情報に基づいてジョブデータを抽出する(ステップS32)。具体的には、ジョブデータ取得部50は、ジョブスプール部46からカード情報(たとえば「1234」)に基づくジョブデータを抽出する。すなわち、カード情報が一致するジョブデータを抽出する。
【0089】
次に、ステータスがスタンバイのジョブデータを送信する(ステップS34)。
具体的には、ジョブデータ送信制御部52は、抽出したジョブデータについて、当該ジョブデータに対応付けられているステータスの状態を確認してスタンバイのジョブデータを例えば、MFP2Aにそれぞれ出力する。
【0090】
次に、ステータスがスキップのジョブデータが有るかどうかを判断する(ステップS36)。具体的には、ジョブデータ送信制御部52は、抽出したジョブデータについて、ステータスがスキップのジョブデータがあるかどうかを判断する。
【0091】
次に、ステータスがスキップのジョブデータが有ると判断した場合(ステップS36においてYES)には、ステータスをスタンバイに変更する(ステップS38)。具体的には、ジョブデータ送信制御部52は、スタンバイのジョブデータを送信した後、ステータスがスキップのジョブデータについてステータスをスタンバイに変更する。
【0092】
そして、ステップS34に戻る。
すなわち、ジョブデータ送信制御部52は、ステータスがスキップからスタンバイに変更されたジョブデータを例えば、MFP2Aにそれぞれ出力する。
【0093】
一方、ステータスがスキップのジョブデータが無いと判断した場合(ステップS36においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
【0094】
したがって、図10で説明したように、たとえば、プリントジョブKに関して、既存ジョブ設定の変更情報として、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが含まれている場合には、ステータスがスタンバイに設定されているプリントジョブKが最初にジョブデータとして出力される。
【0095】
そして、その後、ステータスがスキップに設定されているプリントジョブ1、プリントジョブ2のステータスがスタンバイに設定されて、それぞれジョブデータとして出力される。
【0096】
すなわち、既存ジョブ設定の変更情報として、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが含まれているプリントジョブKをジョブ管理サーバー6に出力することにより、既存のジョブ設定が一括して変更されて、ジョブデータを出力する順番を変更することが可能である。それゆえ、簡易な方式でジョブ設定を変更することが可能であり、ユーザーの利便性を高めることが可能である。
【0097】
なお、本例においては、スキップに設定されたジョブデータが後にスタンバイに設定されてジョブデータとして出力される場合について説明したが、スキップに設定された場合には、スタンバイに変更されないようにすることも可能である。
【0098】
次に、別の既存ジョブ設定の変更情報について説明する。
図12は、本発明の実施の形態に従う別のジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【0099】
図12を参照して、ジョブデータは、PJL(Printer Job Language)言語で記述される。
【0100】
ここでは、ジョブデータ200のデータ構造として、カード情報の設定項目202と、既存ジョブ設定の変更情報に関して、認証用のカード情報を変更するコマンドの設定項目206とが記述されている場合が示されている。
【0101】
具体的には、既存ジョブ設定の変更情報に関して、認証用のカード情報を変更するコマンド「JCMDB」が記述されており、変更するデータとして「4567」が記述されている場合が示されている。
【0102】
当該設定項目を解析することにより既存ジョブ設定の変更情報の有無を判別するとともに、その変更内容を判断することが可能である。
【0103】
図13は、本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する別の図である。
【0104】
図13を参照して、ここでは、ジョブデータKが入力され、当該ジョブデータには、既存ジョブ設定の変更情報に関して、認証用のカード情報を変更するコマンドが含まれている場合について説明する。
【0105】
また、ここでは、一例として、ジョブスプール部46において、複数のプリントジョブデータが格納されている場合が示されている。
【0106】
一例として、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データが示されている。なお、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データは、同じカード情報「0123」を有しているものとする。また、ここで、当該「プリントジョブ1」、「プリントジョブ2」データにそれぞれ対応付けられているカード情報が示されている。
【0107】
次に、ジョブデータKが入力された場合について説明する。
ジョブデータ解析部42は、ジョブデータKに含まれているコマンド等を解析して、既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断する。また、認証用のカード情報を変更するコマンドが有効であると判断する。具体的には、「4567」に認証用のカード情報を変更する場合として認識される。
【0108】
スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い、ジョブスプール部46に格納されている既存の「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データの認証用のカード情報(「0123」)を別のカード情報(「4567」)に変更する。
【0109】
そして、ジョブデータKをジョブスプール部46に格納する。
これにより、変更された新たな認証用のカード情報に従ってタッチアンドプリント印刷を実行することが可能である。
【0110】
それゆえ、たとえば、プリントジョブKに関して、既存ジョブ設定の変更情報として、認証用のカード情報を変更するコマンドが含まれている場合には、当該コマンドに従ってジョブスプール部46に格納されている対応するジョブデータの認証用のカード情報が一括して変更される。
【0111】
すなわち、簡易な方式でジョブ設定を変更することが可能であり、ユーザーの利便性を高めることが可能である。
【0112】
なお、本例においては、既存ジョブ設定の変更情報として、ジョブデータを出力する順番を変更する場合と、認証用のカード情報を変更する場合について説明したが、特にこれらに限られず、他のジョブ設定を一括して変更するようにすることも当然に可能である。例えば、モノクロ印刷をカラー印刷に一括して変更したり等、種々のジョブ設定を変更するようにしても良い。
【0113】
また、本例においては、タッチアンドプリント印刷として、カードを用いた認証を実行する場合について説明したが、特にこれに限られず、指紋認証を実行するようにしても良いし、あるいは、操作パネルに設けられた数字キーを用いてPINコードをユーザーが入力して認証を実行するようにしても良い。
【0114】
なお、本発明にかかる画像形成装置は、MFPに限られず、プリンター装置あるいはファクシミリ装置等であってもよい。
【0115】
なお、コンピュータを機能させて上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することも可能である。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。
【0116】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0117】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0118】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストール
されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
2A,2B,2C MFP、6 ジョブ管理サーバー、10 パソコン、40 ジョブデータ受付部、42 ジョブデータ解析部、44 スプールデータ編集部、46 ジョブスプール部、48 カード情報受付部、50 ジョブデータ取得部、52 ジョブデータ送信制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピューター(パソコン)から出力されたジョブデータをスプールする機能を有するジョブ管理サーバーおよびジョブ管理サーバーの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、MFP(Multi Function Peripheral)などの複合型画像処理装置が広く普及している。このMFPは、コピー、ネットワークプリンティング、スキャナー、FAX、またはドキュメントサーバーなどのBOX機能を集約した画像形成装置であり、複合機とも呼ばれる。
【0003】
そして、当該MFPを用いた印刷システムとして、例えば、MFPで実行されるジョブデータを一旦、外部の記憶装置に記憶させてMFP等の動作状況に応じて、MFPに出力する方式が提案されている。
【0004】
例えば、特開2004−276542号公報においては、印刷ジョブをスプールする機能を有するジョブスプール部と、WWWサーバー機能を有するWWWサーバー部とを設け、WWWブラウザーから各種設定を行うことが可能な画像形成装置が示されている。当該構成において、WWWブラウザーから設定要求が送信されたときに、設定要求をジョブ化する機能を有する設定ジョブ作成部と、ジョブ化した設定要求をジョブスプール部に追加する機能を有する制御部とをさらに含む構成が示されており、ウェブからジョブの設定を変更することが可能である。
【0005】
また、特開2007−179482号公報においては、印刷時にスプールファイルにジョブチケットを加えて保存する。そして、ユーザーから再印刷指示を受け付けると、保存しておいたスプールファイルからジョブチケットを読み込み、その読み込んだジョブチケットに基づいて印刷設定ダイアログを表示し、ユーザーからの印刷設定の変更を受け付ける。その後、ユーザーによって印刷ボタンが押下されると、変更された印刷設定により印刷が実行される。つまり、スプールファイルに保存されていたジョブチケットが利用されることによって過去の印刷時の印刷設定情報がユーザーに提示され、ユーザーはそれに基づいて印刷設定を変更して再印刷させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−276542号公報
【特許文献2】特開2007−179482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献においては、スプールされているジョブの設定を変更することは可能であるが、ユーザーが1つ1つ手動で変更する必要があり利便性に欠けるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式でジョブの設定を変更可能なジョブ管理サーバーおよびジョブ管理サーバーの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に従うジョブ管理サーバーは、画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーであって、ジョブデータを格納するための記憶手段と、外部からのジョブデータを受け付けるジョブデータ受付手段と、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するジョブデータ解析手段と、ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて記憶手段のジョブデータを編集するジョブ編集手段とを含む。ジョブ編集手段は、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納し、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する。
【0010】
好ましくは、記憶手段には、複数のジョブデータが格納されており、ジョブ編集手段は、ジョブデータに含まれている識別情報に従って記憶手段に格納されている複数のジョブデータの中から特定のジョブデータを抽出する。
【0011】
好ましくは、ジョブ編集手段は、記憶手段に既に格納されているジョブデータの出力可否を決定するステータス情報を一括して変更する。
【0012】
好ましくは、ジョブ編集手段は、記憶手段に既に格納されているジョブデータの認証情報を一括して変更する。
【0013】
本発明のある局面に従うジョブ管理サーバーの制御方法は、画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーの制御方法であって、ジョブ管理サーバーは、ジョブデータを格納するための記憶手段を含み、外部からのジョブデータを受け付けるステップと、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するステップと、ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて記憶手段のジョブデータを編集するステップとを含む。ジョブデータを編集するステップは、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するステップと、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更するステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明に従うジョブ管理サーバーは、ジョブ編集手段において、設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納し、設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを記憶手段に格納するとともに、記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する。簡易な方式でジョブの設定を変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成システムを説明する概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFPの概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のハードウェア構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うMFP2Aにおけるタッチアンドプリント印刷を実行するフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のジョブデータのスプール処理について説明するフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷設定画面を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷詳細設定画面を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に従うジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する図である。
【図11】本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6におけるジョブデータの出力を説明するフロー図である。
【図12】本発明の実施の形態に従う別のジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムを説明する概略図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う画像形成システムは、画像形成装置としての機能を有するMFP2A〜2C、パソコン(PC)10、ジョブ管理サーバー6とを有しており、これらはネットワーク18を介して相互に通信可能に接続されている。
【0018】
ここで、一例として、パソコン10については、ユーザーAAが使用している場合が示されている。ユーザーAAは、認証用のカード12を保有しており、当該カード12を用いたタッチアンドプリント印刷を実行する。当該タッチアンドプリント印刷は、各MFP2A〜2Cで実行することが可能である。なお、後述するがカード12には、認証用のカード情報が格納されている。
【0019】
当該画像形成システムにおけるタッチアンドプリント印刷の概略について説明する。
ユーザーAAは、パソコン10から印刷処理を実行するジョブデータをジョブ管理サーバー6に出力する。ジョブ管理サーバー6は、パソコン10から出力されたジョブデータをスプールする。なお、当該パソコン10から出力されたジョブデータには、認証用のカード情報、印刷処理するための画像データ等が含まれている。
【0020】
ユーザーAAは、カード12を保持して、MFP2A〜2CのいずれかのMFPにおいてカード12を用いた認証処理を実行する。
【0021】
例えば、MFP2Aを用いる場合について説明する。当該MFP2Aは、カード12から取得したカード情報をジョブ管理サーバー6に送信する。ジョブ管理サーバー6は、当該カード情報を含むジョブデータを抽出して、当該MFP2Aに送信する。そして、MFP2Aは、受信したジョブデータに基づく印刷処理を実行する。
【0022】
当該タッチアンドプリント印刷により、ユーザーAAは、認証用のカードを用いていずれのMFPからも印刷処理を実行することが可能となるとともに、認証処理を実行することにより印刷が実行されるため、他人に印刷媒体を見られることを防止して印刷媒体のセキュリティも確保することが可能である。
【0023】
なお、本例においては、パソコン10が1台設けられている場合が示されているが、特に1台に限られず、複数のユーザーがそれぞれ用いるパソコンが複数台ネットワーク18に接続されている構成とすることも可能である。その場合、それぞれのユーザーのジョブデータがジョブ管理サーバー6にスプールされる。複数のユーザーからのジョブデータがジョブ管理サーバー6にスプールされる場合、それぞれのユーザーが所有するカードのカード情報を識別子として、各ユーザーのジョブデータを識別することが可能である。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に従うMFPの概略ブロック図である。
図2を参照して、本発明の実施の形態1に従うMFP6は、CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)153、RAM(Random Access Memory)152、HDD(Hard Disk Drive)154、データ処理部155、操作パネル160、自動原稿搬送装置(ADF)164、スキャナー166、プリンター168、通信部170、カードリーダー158および内部バス156を含む。内部バス156は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0025】
CPU(Central Processing Unit)151は、ROM153、RAM152、HDD154等の記憶領域に格納されているプログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理等を実行する。また、当該記憶領域は、各種データの保存領域として用いられるとともに、プログラムを実行するための作業領域あるいはスキャナー166で画像処理により得られた画像データ等を保存するための領域として用いられる。
【0026】
通信部170は、ネットワーク18に接続され、ネットワーク上の他の機器との間でデータ通信を実行する。具体的には、例えば、ジョブ管理サーバー6から送信されたジョブデータを受信する。また、ジョブ管理サーバー6に対して後述するカード情報を送信する。
【0027】
ADF164は、載置台に載置された原稿を搬送してスキャナー166で読み取るための搬送装置である。
【0028】
スキャナー166は、原稿に光源で光を当ててその反射光を光電変換するためのCCD等の受光素子を備えており、CCD等の受光素子から原稿の画像データを取得する。
【0029】
データ処理部155は、スキャナー166で取得された画像データの画像編集処理等を実行する。
【0030】
プリンター168は、スキャナー166により読み取っていた画像データ、通信部170を介して取得したジョブデータに含まれる画像データの各種データを記録用紙等の記録媒体に印刷する。
【0031】
HDD154は、BOX機能としても用いられ、画像データ等を蓄積することが可能である。
【0032】
操作パネル160は、各種情報の表示を実行する表示画面161と、各種指示を入力するための入力手段162とを含む。例えば、入力手段としては、タッチパネル、コピー枚数、ユーザーのパスワード等を指定するためのテンキー、動作の開始を指示するスタートキー、動作の停止を指示するストップキー、各種設定条件を初期化するリセットキー、コピー機能、FAX機能、スキャン機能、BOX機能等の機能を切り替えるためのキー等が挙げられる。
【0033】
カードリーダー158は、カードを検知して、当該カードに格納されているカード情報を取得する。
【0034】
なお、本例においては、一例として、プリンター168を用いたタッチアンドプリント印刷を実行する際には、カードを用いた認証処理が要求されるものとする。具体的には、プリント機能をユーザーが選択した際には、カードをカードリーダー158に載置することを促す認証画面が表示される。当該認証画面において、ユーザーは、予め登録したカードを図示しない載置領域に載置する。そして、カードリーダー158で載置領域に載置されたカードに格納されているカード情報が取得される。そして、MFPから当該取得されたカード情報がジョブ管理サーバー6に送信される。
【0035】
そして、ジョブ管理サーバー6において、MFPから受信したカード情報に基づいて、記憶部にスプールされているジョブデータが抽出され、MFPに送信される。MFPは、送信されたジョブデータに従い印刷処理を実行する。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のハードウェア構成を説明する図である。
【0037】
図3を参照して、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6は、CPU20と、RAM22と、ROM24と、HDD26と、通信部28と、内部バス30とを含む。内部バス30は、各部を接続して、相互にデータの授受を実行することが可能である。
【0038】
なお、ここでは、ジョブ管理サーバー6の構成について説明するが、基本的なハードウェアの構成はパソコン10と同様であり、例えば、キーボード等の入力部およびディスプレイ等の表示部をさらに設けた点が異なるためパソコン10のハードウェア構成については省略する。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6の機能ブロック図である。
図4を参照して、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6は、ジョブデータ受付部40と、ジョブデータ解析部42と、スプールデータ編集部44と、ジョブスプール部46と、カード情報受付部48と、ジョブデータ取得部50と、ジョブデータ送信制御部52とを含む。当該機能ブロックは、ROM24に格納されているソフトウェアプログラムに従ってCPU20が通信部28、HDD26と協働することにより実現される。
【0040】
ジョブデータ受付部40は、パソコン10から出力されたジョブデータを受け付ける。
ジョブデータ受付部40は、受け付けたジョブデータをジョブデータ解析部42に出力する。
【0041】
ジョブデータ解析部42は、ジョブデータに含まれているコマンド等を解析して、その解析結果とともにデータをスプールデータ編集部44に出力する。
【0042】
スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従いジョブスプール部46にジョブデータを格納するとともに、必要に応じてジョブスプール部46に格納されている既存のジョブデータを編集する。
【0043】
なお、後述するが、ジョブスプール部46に格納されるジョブデータには、ジョブ管理サーバー6からの出力可否を判断するためのステータスが割り当てられ、通常は、出力可を示すスタンバイが設定されるものとする。一方、出力不可の場合には、スキップが設定されるものとする。
【0044】
カード情報受付部48は、例えばMFP2Aから出力されたカード情報を受け付けて、ジョブデータ取得部50に出力する。
【0045】
ジョブデータ取得部50は、カード情報受付部48で受け付けたカード情報に従って、ジョブスプール部46に格納されている当該カード情報を含むジョブデータを抽出する。
【0046】
ジョブデータ取得部50は、抽出したジョブデータをジョブデータ送信制御部52に出力する。
【0047】
ジョブデータ送信制御部52は、抽出されたジョブデータをMFPに順番に出力する。
図5は、本発明の実施の形態に従うMFP2Aにおけるタッチアンドプリント印刷を実行するフロー図である。当該フローは、MFP2AのCPU151がROM153に格納されているソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。
【0048】
図5を参照して、まず、カードの検出が有ったかどうかを判断する(ステップS2)。具体的には、CPU151は、カードリーダー158を介して載置領域に載置されたカードを検出したかどうかを判断する。
【0049】
次に、カードの検出があったと判断した場合(ステップS2においてYES)には、次に、カード情報を取得する(ステップS4)。CPU151は、カードリーダー158を介してカードに格納されているカード情報を取得する。
【0050】
次に、カード情報をジョブ管理サーバー6に送信する(ステップS6)。CPU151は、通信部170を介してカード情報をジョブ管理サーバー6に送信する。
【0051】
そして、次に、ジョブ管理サーバー6からジョブデータを受信したかどうかを判断する(ステップS8)。CPU151は、通信部170を介してジョブ管理サーバー6から送信されたジョブデータを受信したかどうかを判断する。
【0052】
ジョブデータを受信した場合(ステップS8においてYES)には、ジョブを実行する(ステップS10)。CPU151は、受信したジョブデータに基づいてプリンター168により印刷処理を実行する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0053】
一方、ステップS8において、ジョブデータを受信しなかった場合(ステップS8においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
【0054】
当該処理によりタッチアンドプリント印刷を実行することが可能である。
図6は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6のジョブデータのスプール処理について説明するフロー図である。
【0055】
当該フローは、ジョブ管理サーバー6のCPU20がROM24に格納されているソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。
【0056】
図6を参照して、ジョブデータの入力が有ったかどうかを判断する(ステップS12)。具体的には、ジョブデータ受付部40がパソコン10からジョブデータを受け付けたかどうかを判断する。
【0057】
次に、ジョブデータを解析する(ステップS14)。具体的には、ジョブデータ解析部42が受け付けたジョブデータに含まれているコマンド等を解析する。
【0058】
次に、既存ジョブ設定の変更情報が有るかどうかを判断する(ステップS16)。ジョブデータ解析部42は、コマンド等の解析結果に従い既存ジョブ設定の変更情報が有るかどうかを判断する。
【0059】
ステップS16において、既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断した場合(ステップS16においてYES)には、既存ジョブ設定を変更する(ステップS18)。スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断した場合には、ジョブスプール部46に格納されている既存のジョブデータの設定を変更する。
【0060】
そして、ジョブスプール部にジョブデータを格納する(ステップS20)。スプールデータ編集部44は、ジョブスプール部46にジョブデータを格納する。
【0061】
そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS16において、既存ジョブ設定の変更情報が無いと判断した場合(ステップS16においてNO)には、ステップS18をスキップしてジョブスプール部へジョブデータを格納する(ステップS20)具体的には、スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い既存ジョブ設定の変更情報がないと判断した場合には、既存のジョブデータの設定を変更することなくジョブスプール部46にジョブデータを格納する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0062】
次に、既存ジョブ設定の変更情報をジョブデータに設定する方式について説明する。
図7は、本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷設定画面を説明する図である。
【0063】
図7を参照して、ここでは、パソコン10のディスプレイに表示される印刷設定画面60が示されている。
【0064】
具体的には、当該印刷設定画面60において、印刷の実行を指示するジョブデータに関する各種の設定が可能である。例えば、印刷対象のページ、部数等の設定が可能である。
【0065】
本例においては、さらに、既存ジョブ設定の変更情報として特殊なコマンドを含めるための印刷詳細設定ボタン62が設けられている場合が示されている。
【0066】
図8は、本発明の実施の形態に従うパソコン10のディスプレイに表示された印刷詳細設定画面を説明する図である。
【0067】
図8を参照して、ここでは、パソコン10のディスプレイに表示される印刷詳細設定画面70が示されている。
【0068】
具体的には、当該印刷詳細設定画面70において、「このジョブデータを最初に出力」と、「認証要のカード情報を変更」との項目が設けられており、それぞれに対応してチェックボックス72,74が設けられている。
【0069】
ここでは、一例として、チェックボックス72にチェックが付けられている場合が示されている。
【0070】
「認証用のカード情報を変更」の項目に対応して、入力領域欄76が設けられており、当該入力領域欄76には、変更する認証用のカード情報を入力することが可能である。
【0071】
そして、「OK」ボタン77と、「Cancel」ボタン78とが設けられており、当該「OK」ボタン77を入力することにより印刷詳細設定画面70で設定した内容が反映される。一方、「Cancel」ボタン78を入力することにより印刷詳細設定画面70で設定した内容が反映されずに、処理が終了する。
【0072】
すなわち、本例においては、一例としてパソコン10のディスプレイに表示される印刷詳細設定画面70において、「このジョブデータを最初に出力」と、「認証要のカード情報を変更」との項目に対応するチェックボックス72,74にチェックを付けることにより既存ジョブ設定の変更情報をジョブデータに含めることが可能となる。
【0073】
図9は、本発明の実施の形態に従うジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【0074】
図9を参照して、ジョブデータは、PJL(Printer Job Language)言語で記述される。
【0075】
ここでは、ジョブデータ200のデータ構造として、カード情報の設定項目202と、既存ジョブ設定の変更情報に関して、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドの設定項目204とが記述されている場合が示されている。
【0076】
具体的には、カード情報として「0123」のデータが設定されている場合が示されている。当該設定項目を解析することにより、カード情報を識別子として当該ジョブデータを抽出することが可能である。
【0077】
また、既存ジョブ設定の変更情報に関して、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンド「JCMDA」=「ON」として、当該コマンドが有効である場合が示されている。
【0078】
当該設定項目を解析することにより、既存ジョブ設定の変更情報の有無を判別することが可能である。
【0079】
図10は、本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する図である。
【0080】
図10を参照して、ここでは、ジョブデータKが入力され、当該ジョブデータには、既存ジョブ設定の変更情報に関して、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが含まれている場合について説明する。
【0081】
また、ここでは、一例として、ジョブスプール部46において、複数のプリントジョブデータが格納されている場合が示されている。
【0082】
一例として、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データが示されている。なお、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データは、同じカード情報「1234」を有しているものとする。また、ここで、当該「プリントジョブ1」、「プリントジョブ2」データにそれぞれ対応して出力可否の有無を判断するステータスが割り当てられており、ステータスがスタンバイである場合が示されている。
【0083】
次に、ジョブデータKが入力された場合について説明する。
ジョブデータ解析部42は、ジョブデータKに含まれているコマンド等を解析して、既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断する。また、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが有効であると判断する。
【0084】
スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い、ジョブスプール部46に格納されている既存の「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データのステータスをスキップに変更する。
【0085】
そして、ジョブデータKのステータスをスタンバイにして、ジョブスプール部46に格納する。
【0086】
図11は、本発明の実施の形態に従うジョブ管理サーバー6におけるジョブデータの出力を説明するフロー図である。当該フロー図は、ジョブ管理サーバー6のCPU20がROM24に格納されているソフトウェアプログラムを読み込むことにより実現される。
【0087】
図11を参照して、まず、カード情報を受信したかどうかを判断する(ステップS30)。具体的には、カード情報受付部48は、例えば、MFP2Aからカード情報(たとえば「1234」)を受信したかどうかを判断する。
【0088】
次に、ステップS30において、カード情報受付部48でカード情報を受信したと判断した場合(ステップS30においてYES)には、カード情報に基づいてジョブデータを抽出する(ステップS32)。具体的には、ジョブデータ取得部50は、ジョブスプール部46からカード情報(たとえば「1234」)に基づくジョブデータを抽出する。すなわち、カード情報が一致するジョブデータを抽出する。
【0089】
次に、ステータスがスタンバイのジョブデータを送信する(ステップS34)。
具体的には、ジョブデータ送信制御部52は、抽出したジョブデータについて、当該ジョブデータに対応付けられているステータスの状態を確認してスタンバイのジョブデータを例えば、MFP2Aにそれぞれ出力する。
【0090】
次に、ステータスがスキップのジョブデータが有るかどうかを判断する(ステップS36)。具体的には、ジョブデータ送信制御部52は、抽出したジョブデータについて、ステータスがスキップのジョブデータがあるかどうかを判断する。
【0091】
次に、ステータスがスキップのジョブデータが有ると判断した場合(ステップS36においてYES)には、ステータスをスタンバイに変更する(ステップS38)。具体的には、ジョブデータ送信制御部52は、スタンバイのジョブデータを送信した後、ステータスがスキップのジョブデータについてステータスをスタンバイに変更する。
【0092】
そして、ステップS34に戻る。
すなわち、ジョブデータ送信制御部52は、ステータスがスキップからスタンバイに変更されたジョブデータを例えば、MFP2Aにそれぞれ出力する。
【0093】
一方、ステータスがスキップのジョブデータが無いと判断した場合(ステップS36においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
【0094】
したがって、図10で説明したように、たとえば、プリントジョブKに関して、既存ジョブ設定の変更情報として、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが含まれている場合には、ステータスがスタンバイに設定されているプリントジョブKが最初にジョブデータとして出力される。
【0095】
そして、その後、ステータスがスキップに設定されているプリントジョブ1、プリントジョブ2のステータスがスタンバイに設定されて、それぞれジョブデータとして出力される。
【0096】
すなわち、既存ジョブ設定の変更情報として、ジョブデータの順番を入れ替えるコマンドが含まれているプリントジョブKをジョブ管理サーバー6に出力することにより、既存のジョブ設定が一括して変更されて、ジョブデータを出力する順番を変更することが可能である。それゆえ、簡易な方式でジョブ設定を変更することが可能であり、ユーザーの利便性を高めることが可能である。
【0097】
なお、本例においては、スキップに設定されたジョブデータが後にスタンバイに設定されてジョブデータとして出力される場合について説明したが、スキップに設定された場合には、スタンバイに変更されないようにすることも可能である。
【0098】
次に、別の既存ジョブ設定の変更情報について説明する。
図12は、本発明の実施の形態に従う別のジョブデータのデータ構造の一部を説明する図である。
【0099】
図12を参照して、ジョブデータは、PJL(Printer Job Language)言語で記述される。
【0100】
ここでは、ジョブデータ200のデータ構造として、カード情報の設定項目202と、既存ジョブ設定の変更情報に関して、認証用のカード情報を変更するコマンドの設定項目206とが記述されている場合が示されている。
【0101】
具体的には、既存ジョブ設定の変更情報に関して、認証用のカード情報を変更するコマンド「JCMDB」が記述されており、変更するデータとして「4567」が記述されている場合が示されている。
【0102】
当該設定項目を解析することにより既存ジョブ設定の変更情報の有無を判別するとともに、その変更内容を判断することが可能である。
【0103】
図13は、本発明の実施の形態に従うジョブスプール部46に格納されたジョブデータの設定を変更する場合を説明する別の図である。
【0104】
図13を参照して、ここでは、ジョブデータKが入力され、当該ジョブデータには、既存ジョブ設定の変更情報に関して、認証用のカード情報を変更するコマンドが含まれている場合について説明する。
【0105】
また、ここでは、一例として、ジョブスプール部46において、複数のプリントジョブデータが格納されている場合が示されている。
【0106】
一例として、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データが示されている。なお、「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データは、同じカード情報「0123」を有しているものとする。また、ここで、当該「プリントジョブ1」、「プリントジョブ2」データにそれぞれ対応付けられているカード情報が示されている。
【0107】
次に、ジョブデータKが入力された場合について説明する。
ジョブデータ解析部42は、ジョブデータKに含まれているコマンド等を解析して、既存ジョブ設定の変更情報が有ると判断する。また、認証用のカード情報を変更するコマンドが有効であると判断する。具体的には、「4567」に認証用のカード情報を変更する場合として認識される。
【0108】
スプールデータ編集部44は、ジョブデータ解析部42の解析結果に従い、ジョブスプール部46に格納されている既存の「プリントジョブ1」データ、「プリントジョブ2」データの認証用のカード情報(「0123」)を別のカード情報(「4567」)に変更する。
【0109】
そして、ジョブデータKをジョブスプール部46に格納する。
これにより、変更された新たな認証用のカード情報に従ってタッチアンドプリント印刷を実行することが可能である。
【0110】
それゆえ、たとえば、プリントジョブKに関して、既存ジョブ設定の変更情報として、認証用のカード情報を変更するコマンドが含まれている場合には、当該コマンドに従ってジョブスプール部46に格納されている対応するジョブデータの認証用のカード情報が一括して変更される。
【0111】
すなわち、簡易な方式でジョブ設定を変更することが可能であり、ユーザーの利便性を高めることが可能である。
【0112】
なお、本例においては、既存ジョブ設定の変更情報として、ジョブデータを出力する順番を変更する場合と、認証用のカード情報を変更する場合について説明したが、特にこれらに限られず、他のジョブ設定を一括して変更するようにすることも当然に可能である。例えば、モノクロ印刷をカラー印刷に一括して変更したり等、種々のジョブ設定を変更するようにしても良い。
【0113】
また、本例においては、タッチアンドプリント印刷として、カードを用いた認証を実行する場合について説明したが、特にこれに限られず、指紋認証を実行するようにしても良いし、あるいは、操作パネルに設けられた数字キーを用いてPINコードをユーザーが入力して認証を実行するようにしても良い。
【0114】
なお、本発明にかかる画像形成装置は、MFPに限られず、プリンター装置あるいはファクシミリ装置等であってもよい。
【0115】
なお、コンピュータを機能させて上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することも可能である。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。
【0116】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0117】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0118】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストール
されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
2A,2B,2C MFP、6 ジョブ管理サーバー、10 パソコン、40 ジョブデータ受付部、42 ジョブデータ解析部、44 スプールデータ編集部、46 ジョブスプール部、48 カード情報受付部、50 ジョブデータ取得部、52 ジョブデータ送信制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーであって、
ジョブデータを格納するための記憶手段と、
外部からのジョブデータを受け付けるジョブデータ受付手段と、
前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するジョブデータ解析手段と、
前記ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて前記記憶手段のジョブデータを編集するジョブ編集手段とを備え、
前記ジョブ編集手段は、
前記設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納し、
前記設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納するとともに、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する、ジョブ管理サーバー。
【請求項2】
前記記憶手段には、複数のジョブデータが格納されており、
前記ジョブ編集手段は、前記ジョブデータに含まれている識別情報に従って前記記憶手段に格納されている前記複数のジョブデータの中から特定のジョブデータを抽出する、請求項1記載のジョブ管理サーバー。
【請求項3】
前記ジョブ編集手段は、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータの出力可否を決定するステータス情報を一括して変更する、請求項1または2記載のジョブ管理サーバー。
【請求項4】
前記ジョブ編集手段は、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータの認証情報を一括して変更する、請求項1または2記載のジョブ管理サーバー。
【請求項5】
画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーの制御方法であって、
前記ジョブ管理サーバーは、ジョブデータを格納するための記憶手段を含み、
外部からのジョブデータを受け付けるステップと、
前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するステップと、
前記ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて前記記憶手段のジョブデータを編集するステップとを備え、
前記ジョブデータを編集するステップは、
前記設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納するステップと、
前記設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納するとともに、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更するステップとを含む、ジョブ管理サーバーの制御方法。
【請求項1】
画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーであって、
ジョブデータを格納するための記憶手段と、
外部からのジョブデータを受け付けるジョブデータ受付手段と、
前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するジョブデータ解析手段と、
前記ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて前記記憶手段のジョブデータを編集するジョブ編集手段とを備え、
前記ジョブ編集手段は、
前記設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納し、
前記設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納するとともに、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更する、ジョブ管理サーバー。
【請求項2】
前記記憶手段には、複数のジョブデータが格納されており、
前記ジョブ編集手段は、前記ジョブデータに含まれている識別情報に従って前記記憶手段に格納されている前記複数のジョブデータの中から特定のジョブデータを抽出する、請求項1記載のジョブ管理サーバー。
【請求項3】
前記ジョブ編集手段は、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータの出力可否を決定するステータス情報を一括して変更する、請求項1または2記載のジョブ管理サーバー。
【請求項4】
前記ジョブ編集手段は、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータの認証情報を一括して変更する、請求項1または2記載のジョブ管理サーバー。
【請求項5】
画像形成装置に対してジョブの実行を指示するジョブデータをスプールするためのジョブ管理サーバーの制御方法であって、
前記ジョブ管理サーバーは、ジョブデータを格納するための記憶手段を含み、
外部からのジョブデータを受け付けるステップと、
前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータに設定変更のコマンドが含まれているか否かを解析するステップと、
前記ジョブデータ解析手段の解析結果に基づいて前記記憶手段のジョブデータを編集するステップとを備え、
前記ジョブデータを編集するステップは、
前記設定変更のコマンドが含まれていないと判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納するステップと、
前記設定変更のコマンドが含まれていると判断した場合には、前記ジョブデータ受付手段で受け付けたジョブデータを前記記憶手段に格納するとともに、前記記憶手段に既に格納されているジョブデータについての設定を一括して変更するステップとを含む、ジョブ管理サーバーの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−11938(P2013−11938A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142767(P2011−142767)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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