説明

ジルコニアで靭性を向上させたアルミニウム組成物及びイオン光学系及び電子光学系における使用

本発明は、1つ又は複数の化合物をイオン化するための、複数の部品を含むイオナイザと、前記1つ又は複数の化合物のイオンを分離するための、複数の部品を含む質量分離器と、前記1つ又は複数の化合物を同定するための、複数の部品を含む検出器と、を含むイオン光学系を提供する。前記イオナイザ、前記質量分離器及び前記検出器のうちの少なくとも1つの前記複数の部品の1つは、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
出願人は、2006年2月7日に出願された継続中の米国特許出願と2005年2月8日に出願された仮特許出願番号60/650,881の優先権を主張する。
【0002】
この発明は、イオン光学系及び電子光学系に関する。より具体的には、この系は、ジルコニアで靭性を向上させたアルミナ(Zirconia Toughened Alumina:ZTA)組成物を含むイオン光学系及び電子光学系に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、質量分析(MS)システムなどのイオン光学系及び電子光学系に関する。質量分析システムは、例えば、対象試料の化学組成を解析するために使用される。一般に、このようなシステムは、対象試料中に存在する原子または分子をイオン化する。イオン化されると、そのイオンは、質量解析領域に移動され、質量対電荷比(m/z)に従って分離またはフィルタリングされ、質量スペクトルを生成する。次いで、質量分析システムの荷電粒子検出器は、それらの質量と速度分布を特定するためにそのイオンを解析する。これにより、試料の化学組成を特徴付けるのに有用な情報を決定することができる。
【0004】
質量分析システムなどのようなイオン及び電子光学系は、減圧環境を必要とし、従って完全に圧力を低下させるための真空システムを有する。試料をイオン化するために、質量分析システムは、電子イオナイザ(Electron Ionizer:EI)または化学イオナイザ(Chemical Ionizer:CI)などのイオン源も有する。質量分析システムの1つのタイプであるガスクロマトグラフ(GC)質量分析システムは、それらをイオン化する前に揮発性化合物及び不揮発性化合物を分離するためのガスクロマトグラフをさらに含む。
【0005】
一般に、このシステムは、質量分離器または質量解析器を有する。あるシステムでは、質量分離器は、光線内のイオンを偏向させる電磁石を有する。イオンの質量と電荷に依存して偏向の度合いが変化する。一般に、より大きい質量を有するイオンは、より少なく偏向する。したがって、試料内に存在するイオンの種類は、磁界を変化させることによって分離して観察される。
【0006】
ある他のシステムでは、質量分析器は、4つの平行なロッドからなる四極子マスフィルタを有する。例えば、他の2つのロッドが負電位を有しているとき、2つの対向するロッドは、印加された正電位を有してもよい。印加された電圧は、4つのロッドの間の中央の飛行経路に向かって移動して降りていくイオンの軌道に影響を与える。所定の電圧において、ある質量対電荷比のイオンのみが四極子フィルタを通過し、他の全てのイオンは、それらの元の経路から放り出される。従って、質量スペクトルは、電圧を変化させることによって生成してもよい。
【0007】
イオン及び電子光学系の様々な部品は、高温、高圧にさらされ、多くの化合物と接触する。伝統的に、セラミックスは、それらの望ましい化学的及び電気的特性のために様々な部品に対して使用されている。しかしながら、現在使用されているセラミックスは、構造上の必要な強度を提供しないこともあり、したがって、破壊損傷または破損する傾向にある。しばしば、近接する金属部品の熱膨張がセラミックスの破壊を引き起こす。これは、質量分析器のミスアラインメント、セラミックダスト汚染及び電気絶縁破壊を引き起こす。イオン及び電子光学系で使用される他の材料は、より高い強度性能を有するが、安定ではなく、高温において電気絶縁特性を失う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、イオン及び電子光学系で使用される組成物または材料を提供することである。
【0009】
また、その1つ又は複数の部品が、強度、化学的不活性及び絶縁性を提供する組成物または材料を含むイオン及び電子光学系を提供することである。
【0010】
また、イオン及び電子光学系の部品を絶縁する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これら及び他の目的は、1つ又は複数の化合物をイオン化するための、複数の部品を含むイオナイザと、前記1つ又は複数の化合物のイオンを分離するための、複数の部品を含む質量分離器と、前記1つ又は複数の化合物を同定するための、複数の部品を含む検出器と、を含むイオン光学系であって、前記イオナイザ、前記質量分離器及び前記検出器のうちの少なくとも1つの前記複数の部品の1つは、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含むイオン光学系によって達成される。ある実施形態では、この組成物は、少なくとも約5体積%の酸化ジルコニウムを含み、ある実施形態では、この組成物は、少なくとも約20体積%の酸化ジルコニウムを含み、ある実施形態では、この組成物は、少なくとも約50体積%の酸化ジルコニウムを含む。ある実施形態では、この組成物は、約50体積%の酸化ジルコニウムと約50体積%の酸化アルミニウムとを含む。好ましい実施形態では、この組成物は、約30体積%の酸化ジルコニウムと約70体積%の酸化アルミニウムとを含む。
【0012】
さらに、1つ又は複数の化合物をイオン化するための、複数の部品を含むイオナイザを提供する段階と、前記1つ又は複数の化合物のイオンを分離するための、複数の部品を含む質量分離器を提供する段階と、前記1つ又は複数の化合物を同定するための、複数の部品を含む検出器を提供する段階と、前記イオナイザ、前記質量分離器及び前記検出器のうちの少なくとも1つの前記複数の部品の少なくとも1つを絶縁するための、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含む少なくとも1つの絶縁体を提供する段階を含む、イオン光学系の1つ又は複数の部品を絶縁する方法が提供される。
【0013】
本発明による他の目的、特徴及び利点は、同一の部品には同一の参照符号が付されている添付の図面と共に読むことによって、示される特定の実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による例示的なイオン及び電子光学系を示す。この系は、多くのイオン及び/又は電子光学系または真空システムの1つ又は複数であってもよい。例えば、この系は、ガスクロマトグラフ質量分析システムであってもよい。図1に示される例示的なシステムは、試料(例えば、化合物)をイオン化する手段、つまりイオナイザ102を有する。このイオナイザ102は、電子イオナイザ(例えば、電子衝撃イオナイザ)及び/又は化学イオナイザなどの多くのイオナイザのうちの1つ又は複数であってもよい。ある実施形態では、イオナイザ102は、エレクトロンスプレーイオナイザ(Electronspray Ionizer:ESI)または大気圧化学イオナイザ(Atomospheric Pressure Chemical Ionizer:APCI)を含んでもよい。さらに、このシステムには、それらをイオン化する前に揮発性化合物及び不揮発性化合物を分離するためのガスクロマトグラフ及び/又は液体クロマトグラフが含まれてもよい。
【0015】
図1に示されるように、このシステムは、質量分離器110または質量解析器を含んでもよい。当業者に理解されるように、質量分離器110は、それらの質量対電荷比(m/z)に従ってイオンを分離またはフィルタリングするための多くのタイプの質量分離器または手段の1つでありえる。示された実施形態では、質量分離器110は、少なくとも4つの四極子(例えば、図2に示される四極子118)またはクワッドを有する四極子質量解析器または分離器である。質量分離器110またはその一部は、支持体112、114(例えば、クワッド支持体)などの1つ又は複数の支持体によって支持及び/又は位置合わせされてもよい。質量分離器110は、例えばプレフィルタ四極子117を有するプレフィルタ116をさらに有してもよい。プレフィルタ116は、質量分離器110の感度を改善するために作用し、イオン堆積物を有する四極子118の汚染を防止する。
【0016】
示された実施形態によるこのシステムは、検出器120(例えば、イオン検出器)をさらに含んでもよい。検出器120は、ファラデーカップ、電子増倍管または光電子増倍管検出器などの多くのタイプの検出器の1つ又は複数であってもよい。示された実施形態では、検出器120は、光電子増倍管検出器である。図2により詳細に示されるように、検出器120は、変換ダイノード122と蛍光体プレート124を有してもよい。一般に、質量分離器110から出現するイオンは、ダイノード122に突き当たり、蛍光体プレート124に向かって放出する電子をもたらす。蛍光体プレート124に突き当たる電子は、光子に変換される。次いで、この光子は、光電子増倍管126を介して増幅され(例えば、10の利得で)、評価される。当業者に理解されるように、検出器120は、化合物を同定し及び/又はその値を測定するために必要とされるさらなる部品を有してもよい。さらに、検出器120は、検出データをコンピュータ及び/又はユーザーのインターフェースに送るための通信リンクを有してもよい。
【0017】
図2に示されるように、イオナイザ102は、2つ又はそれ以上の部分を有してもよい。例えば、イオナイザ102は、内部イオン源104と外部イオン源106を有してもよい。図3は、内部イオン源104の分解図である。内部イオン源104は、高い温度性能、強度、破壊靭性、化学的不活性及び高温電気絶縁/分離を必要とする多くの部品及び/又は副部品を有してもよい。例えば、内部イオン源104は、電子トラップ310及び反射電極(リペラ)320を支持するハウジング302を有する。当業者が理解するように、電子トラップ310は、次いで内部イオン源104の外側の電子に向かう反射電極320と質量分離器110とに陰イオンと電子を引きつける。電子トラップ310と反射電極320は、いくつかのスペーサ(例えば、2mm、6mm、12mmのスペーサ)をさらに含んでもよい。例えば、内部イオン源104は、スペーサ312、314、316とスペーサ322、324、326を有してもよい。
【0018】
高温、不活性及び絶縁の要求に適合し、周知の質量分析システムの性能を超えるために、内部イオン源104の上記の部品のいくつかは、最適化された酸化ジルコニウム(ZrO)及び酸化アルミニウム(Al)またはジルコニアで靭性を向上させたアルミナ(ZTA)を有する。例えば、約5体積%から約60体積%の酸化ジルコニウムを含む組成物が使用されてもよい。例えば、ある実施形態では、この組成物は、少なくとも約5体積%の酸化ジルコニウムを含み、他の実施形態では、この組成物は、少なくとも約20体積%の酸化ジルコニウムを含み、さらに他の実施形態では、この組成物は、少なくとも約50体積%の酸化ジルコニウムを含む。ある実施形態では、この組成物は、約50体積%の酸化アルミニウムと約50体積%の酸化ジルコニウムとを含む。ある実施形態では、この組成物は、約70体積%の酸化アルミニウムと約30体積%の酸化ジルコニウムとを含む。ある実施形態では、この組成物は、少なくとも350℃までにおける電気絶縁特性を提供しながら、現在使用されているセラミックスに比べて増加した強度を提供することができる。
【0019】
当業者に理解されるように、スペーサは、電子トラップ310及び/又は反対電極320などの特定の部品を電気的に絶縁するために部分的に使用してもよい。そのようなものして、本発明によるスペーサ312から316及びスペーサ322から326の何れか1つ又は全ては、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含んでもよい。あるスペーサは、基本的に約70体積%の酸化アルミニウムと約30体積%の酸化ジルコニウムとからなる組成物を含んでもよい。さらに、さらなる電気絶縁性を必要とするが破壊靭性を必要としないあるスペーサは、基本的に約80体積%の酸化アルミニウムと約20体積%の酸化ジルコニウムとからなる組成物を含んでもよい。この特有の組成を有するスペーサは、350℃で1×1012オームより大きい抵抗を維持するかもしれない。
【0020】
示された実施形態による内部イオン源104が化学的なイオン化を単独で使用してもよく、また上述された電子イオン化と組み合わせて使用してもよいことは留意すべきことである。このような化学イオナイザ(不図示)は、電子トラップ310と反射電極320を有していなくてもよい。しかしながら、いくつかのZTAスペーサでは、その部品を電気的に絶縁するために同様に使用する。
【0021】
図4は、示された実施形態によるイオン光学系における1つの外部イオン源106を示す。当業者に理解されるように、この外部イオン源106は、1つのイオンブロック402、1つ又は複数のレンズ404、406、及び、1つ又は複数の接触端子408などの多くの部品を有してもよい。この外部源106は、この外部源の温度を試料内の分子が凝結することを防止するために十分な温度に上げるための1つ又は複数の加熱器(図5に示される)も含んでもよい。さらに、外部イオン源106には、外部イオン源106を支持及び/又は位置合わせするための幾つか(例えば、4つ又はそれ以上)の構造ロッド410が含まれてもよい。この外部イオン源106は、外部イオン源106の様々な部分または部品を絶縁及び/又は分離するためのいくつかのスペーサを有してもよい。
【0022】
外部イオン源106の何れか1つ又はいくつかの部品は、例えば、改善された構造的な強度及び電気絶縁性、高温性能、及び改善された化学的不活性を提供するために、上述のような酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を有してもよい。例えば、構造ロッド410は、例えば基本的に約70体積%の酸化アルミニウムと約30体積%の酸化ジルコニウムとからなる組成物を含んでもよい。したがって、示された実施形態によるロッド410は、外部イオン源106に対する化学的に不活性な支持体に高い電気絶縁特性を提供する。従って、この実施形態によるロッド410は、従来のシステムにおいて発生する可能性があるのに対し、破損または断続的な短絡をもたらす傾向がない。
【0023】
図4に示されるように、外部イオン源106は、スペーサ412から414などの多くのスペーサをさらに有する。それらのスペーサの何れか1つ又は幾つかは、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物から形成されてもよい。外部イオン源106内にこのような組成物を含むスペーサを使用することによって、優れた性能(例えば、電気絶縁性能)を提供し、熱膨張の状況でスペーサが破壊に抵抗することができるようにする。
【0024】
図5は、イオン光学系、特にイオナイザ102の一部の側面図を示す。質量分離器110の支持体112、114の一方が示される。当業者が理解するように、質量分離器110は、正確に位置合わせされて支持されなければならない精巧に機械加工された組立体である。支持体112、114は、要求される位置合わせを維持し、高温に耐え、いくつかの化合物と接触し、電気絶縁体として作用することが望まれる。したがって、示された実施形態では、支持体112、114は、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの上述の組成物を有する。例えば、四極子と接触する支持体112、114またはそれらの一部は、基本的に約70体積%の酸化アルミニウムと約30体積%の酸化ジルコニウムとからなってもよい。ある他の実施形態では、支持体112、114は、約50体積%の酸化アルミニウムと約50体積%の酸化ジルコニウムの組成物を有する。
【0025】
図5に示されるように、示された実施形態によるシステムは、四極子118及び/又はイオナイザ102を加熱するための様々な数の加熱器または加熱カートリッジ502、504を含んでいてもよい。通常、このシステムの他の部品用と同様に加熱カートリッジ用の配線は、配線可動性、絶縁性及び電気的絶縁性を提供するアイソレータ手段を必要とする。従って、示されたこの形態では、このシステムは、ビーズ510から516及びビーズ520から522などの1つ又は複数のビーズを有する。示されるように、複数のビーズは、このシステムの加熱リードまたは他の配線に連続して使用されてもよい。図6A及び6Bは、示されたこの実施形態による追加の例示のビーズ602から606を示す。このビーズは、破壊する傾向なしに絶縁/分離を提供するためにここに開示されるように酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含む。例えば、約5体積%のから約60体積%の酸化ジルコニウムを含む組成物が使用されてもよい。ある実施形態では、この組成物は、約80体積%の酸化アルミニウムと約20体積%の酸化ジルコニウムを含む。したがって、本技術によるビーズは、配線が、このシステムの電気的短絡または他の重大な誤動作を引き起こすかもしれないこのシステムの他の部品と接触することを防止することができる。
【0026】
本発明は、特定の部品配置や特徴などを参照して記述されているが、これらは、全ての可能な配置または特徴を排除するものではなく、実際に、多くの修正または変更が当業者に確かめられることができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるイオン光学系の側面図である。
【図2】図1によるイオン光学系のイオン光学部分の斜視図である。
【図3】図1によるイオン光学系の内部イオン源の分解図である。
【図4】図1によるイオン光学系の外部イオン源の分解図である。
【図5】図1によるイオン光学系の他の側面図である。
【図6A】図1及び図5によるイオン光学系の電気コネクタの断面図である。
【図6B】図1及び図5によるイオン光学系の電気ビーズの断面図である。
【符号の説明】
【0028】
102 イオナイザ
104 内部イオン源
106 外部イオン源
110 質量分離器
112、114 支持体
116 プレフィルタ
117 プレフィルタ四極子
118 四極子
120 検出器
122 変換ダイノード
124 蛍光体プレート
126 光電子増倍管
302 ハウジング
310 電子トラップ
312、314、316 スペーサ
320 反射電極
322、324、326 スペーサ
402 イオンブロック
404、406 レンズ
408 接触端子
410 構造ロッド
412 スペーサ
414 スペーサ
502、504 加熱器、加熱カートリッジ
510、512、514、516、520、522 ビーズ
602、604、606 ビーズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の化合物をイオン化するための、複数の部品を含むイオナイザと、
前記1つ又は複数の化合物のイオンを分離するための、複数の部品を含む質量分離器と、
前記1つ又は複数の化合物を同定するための、複数の部品を含む検出器と、
を含むイオン光学系であって、
前記イオナイザ、前記質量分離器及び前記検出器のうちの少なくとも1つの前記複数の部品の1つは、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含むイオン光学系。
【請求項2】
前記組成物は、少なくとも約5体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項1に記載のイオン光学系。
【請求項3】
前記組成物は、少なくとも約20体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項1に記載のイオン光学系。
【請求項4】
前記組成物は、少なくとも約50体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項1に記載のイオン光学系。
【請求項5】
前記組成物は、基本的に約30体積%の酸化ジルコニウムと約70体積%の酸化アルミニウムとからなる、請求項1に記載のイオン光学系。
【請求項6】
前記組成物は、基本的に約50体積%の酸化ジルコニウムと約50体積%の酸化アルミニウムとからなる、請求項1に記載のイオン光学系。
【請求項7】
前記少なくとも1つの部品は、1つ又は複数の他の部品を電気的に絶縁するためのスペーサである、請求項1に記載の光学系。
【請求項8】
前記少なくとも1つの部品は、前記イオナイザの構造ロッドである、請求項1に記載の光学系。
【請求項9】
前記少なくとも1つの部品は、前記質量分離器の1つ又は複数の四極子の支持体である、請求項1に記載の光学系。
【請求項10】
前記少なくとも1つの部品は、絶縁ビーズである、請求項1に記載の光学系。
【請求項11】
1つ又は複数の化合物をイオン化するための、少なくとも1つの構造ロッドと少なくとも1つのスペーサと少なくとも1つの絶縁ビーズとを含むイオナイザと、
前記1つ又は複数の化合物のイオンを分離するための、少なくとも4つの四極子と前記四極子を支持するための少なくとも1つの支持体とを含む質量分離器と、
前記1つ又は複数の化合物を同定するための検出器と、
を含むイオン光学系であって、
前記少なくとも1つの構造ロッド、少なくとも1つのスペーサ、少なくとも1つのビーズ及び少なくとも1つの支持体のうちの少なくとも1つは、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含むイオン光学系。
【請求項12】
前記組成物は、少なくとも約5体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項11記載のイオン光学系。
【請求項13】
前記組成物は、少なくとも約20体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項11に記載のイオン光学系。
【請求項14】
前記組成物は、少なくとも約50体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項11に記載のイオン光学系。
【請求項15】
前記組成物は、基本的に約30体積%の酸化ジルコニウムと約70体積%の酸化アルミニウムとからなる、請求項11に記載のイオン光学系。
【請求項16】
前記組成物は、基本的に約50体積%の酸化ジルコニウムと約50体積%の酸化アルミニウムとからなる、請求項11に記載のイオン光学系。
【請求項17】
1つ又は複数の化合物をイオン化するための、複数の部品を含むイオナイザを提供する段階と、
前記1つ又は複数の化合物のイオンを分離するための、複数の部品を含む質量分離器を提供する段階と、
前記1つ又は複数の化合物を同定するための、複数の部品を含む検出器を提供する段階と、
前記イオナイザ、前記質量分離器及び前記検出器のうちの少なくとも1つの前記複数の部品の1つを絶縁するための酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組成物を含む少なくとも1つの絶縁体を提供する段階と、
を含む、イオン光学系の1つ又は複数の部品を絶縁する方法。
【請求項18】
前記組成物は、少なくとも約20体積%の酸化ジルコニウムを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物は、基本的に約30体積%の酸化ジルコニウムと約70体積%の酸化アルミニウムとからなる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記絶縁体は、スペーサ、ビーズ及び支持体のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2008−530736(P2008−530736A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554331(P2007−554331)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/004316
【国際公開番号】WO2006/086400
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(505359506)パーキンエルマー・エルエーエス・インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】