説明

ジルコニウム化合物を含有する水性溶液を用いる水性媒体中の炭酸カルシウムを分散および/または粉砕および/または濃縮するための方法

【課題】炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法、更に、該炭酸カルシウム含有スラリーの乾燥から得られる乾燥炭酸カルシウム無機顔料、及び、製紙、プラスチック被覆におけるプラスチックまたは水性塗料組成物用などの充填材としての、該スラリーおよび該スラリー乾燥無機顔料の提供。
【解決手段】炭酸カルシウム含有スラリーは、1種以上のジルコニウム化合物、ならびに場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤を加えることにより調製される。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明の目的は、炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法を提供することであり、ここで前記炭酸カルシウム含有スラリーは、1種以上のジルコニウム化合物を、ならびに場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤を加えることにより調製される。
【0002】
1つの特定の実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
混合方法であることを特徴とする。
【0003】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、
粉砕方法であることを特徴とする。
【0004】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と、場合により共に分散させる、
分散方法であることを特徴とする。
【0005】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、
濃縮方法であることを特徴とする。
【0006】
もう1つの実施形態において、本方法は、
濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮(electro−concentration)法により得られたケーキなどの顔料ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキなどの顔料ケーキに添加し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で約20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
分散方法であることを特徴とする。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、今環境汚染物質であると思われている公知のリン酸塩系分散剤を使用せずに、安定な粘性の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液を製造する方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的はまた、ポリアクリラートもしくはマレアートおよび/またはその組み合わせなどの一般的なポリカルボキシレートの量を、これらが大気中の「全有機炭素」(TOC)および水中の「溶存有機炭素」(DOC)の増加の一因となる石油化学製品から誘導されるので、分散剤として使用する場合に減少させる、安定な粘性の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液を製造する方法を提供することである。1997年12月11日に採択された京都議定書は、温室効果ガスの排出の安定化および削減を通して環境の尊重を促すことにより気候変動を緩和し、および持続可能な開発を促進するものである。京都議定書では、現在工業および輸送源から主に産出される温室効果ガスの排出を制御および減少させることが圧倒的に重要であると認めている。京都議定書ではさらに、林業および農業における炭素蓄積(carbon reservoirs)のより優れた管理および二酸化炭素吸収量(carbon sinks)の促進により得られる対応する可能性を認めている。
【0009】
本発明の目的はまた、無機材料の乾燥重量で45%を超える、場合により無機材料の乾燥重量で65%を超える、および場合により無機材料の乾燥重量で78%を超える高い固形成分含有量を示し得る安定な粘性の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液を製造する方法を、または分散剤を使用しない、乾燥材料として低濃度(無機材料の乾燥重量で40%未満)での少なくとも1つの乾式および/または湿式粉砕段階後の機械的および/または熱的再濃縮段階、場合により次いでさらなる粉砕段階、から得られる炭酸カルシウム含有スラリーを、無機材料の乾燥重量で45%を超える、場合により無機材料の乾燥重量で65%を超える、および場合により無機材料の乾燥重量で78%を超える高い固形成分含有量に濃縮させることを可能にする、安定な粘性の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液を製造する方法を提供することである。
【0010】
本発明の目的はまた、このような安定な炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液を、場合により高い固形成分含有量形態において、製造する方法を提供することであり、このような水性懸濁液および/または分散系は、エンドユーザー用配合物において使用される場合、最終生成物の光学的性質を保持および/または向上させ、特に最終生成物の不透明度および/または散乱係数を保持および/または増加させる。
【0011】
このようにして得られる水性懸濁液および/または水性分散液も、本発明の目的である。
【0012】
本発明のもう1つの目的は、前記水性懸濁液および/または水性分散液の乾燥後に得られる乾燥炭酸カルシウム無機顔料である。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、製紙および/または紙用被覆および/またはプラスチック被覆におけるプラスチック用または水性塗料組成物などにおける充填材としての、前記水性懸濁液および/または水性分散液および/または乾燥炭酸カルシウム無機顔料の使用である。
【0014】
本発明の最後の目的は、このような水性分散液および/または水性懸濁液および/または乾燥炭酸カルシウム無機顔料を含む紙、プラスチックおよび塗料である。
【0015】
無機材料の水性懸濁液および/または水性分散液および/または乾燥炭酸カルシウム無機顔料は、現在種々の用途において使用され、特に無機粒子材料として炭酸カルシウムを含む場合、それらは特に顔料または充填材を含む組成物を製造するために使用され、それらはさらに製紙および/または紙用および/またはプラスチック被覆において、プラスチック用もしくは水性塗料組成物用などの充填材として使用され得る。
【0016】
このようなスラリーを、粘性の点で安定な形態において保持するために、およびスラリーの製造、輸送または保存中に凝集、凝結または沈殿などの望ましくない現象を回避するために、分散および/または粉砕助剤を用いる粒子材料の安定な水性懸濁液および/または水性分散液を得ることが必要であることは、当業者に公知である。このような分散および/または粉砕助剤の選択が、これらのスラリーに基づいて製造された最終生成物の特徴的性質のいくつかにその後影響を及ぼし得ることも公知である。例えば水性塗料、紙または紙用被覆配合物の場合、従来技術は、最終生成物の、不透明度、光沢または散乱係数などの光学的性質を向上させる分散剤に関する記述を含む。
【0017】
US5043017およびUS5156719では、カルシウムキレート化剤、共役塩基、ポリホスフェートなどおよび弱酸(該弱酸は、好ましくはリン酸である。)の使用により酸に対して安定化されている、微粉化した炭酸カルシウム、ならびにこのような炭酸カルシウムおよびこのような炭酸カルシウムを含む紙を製造するための方法を論じている。
【0018】
これらの解決手段は、現在、排水および処理水における潜在汚染物としてみなされている特定の化学物質、すなわちリン酸塩化合物を使用しないという点で、当業者の新たな要求を満たすものではない。実際、リン酸塩を含む化学製品が現在受けている制限の数は、増加している。2003年春には、欧州連合が環境汚染物質排出移動登録で議定書に調印した。2004年10月7日には、欧州委員会が将来の報告義務の規制のための提案を採用した:COM(2004)634。この提案の付属文書Iには審議中の産業設備および作業が記載されている:鉱物産業は25頁に記載される(坑内採鉱および関連作業、露天掘)。付属文書IIには審議中の90の製品が記載される:28頁にはリン全体が記載される。
【0019】
上記を考慮すると、リン酸塩の、およびとりわけリン酸の使用を開示している該解決手段を、当業者にとって適切で、有効で有用であるとみなすことはできない。
【0020】
長年、当分野で公知のように、無機材料の安定な懸濁液を得るためのもう1つの解決方法は、アクリルホモポリマーおよび/またはアクリルコポリマーを他の水溶性モノマーと共に使用することである。FR2603042、EP0100947、EP0127388、EP0129329、EP0542644は、この目的のために低分子量を示すポリマーの使用を開示している。これらの各種の分散剤は、長時間安定である微粉化した無機材料の水性懸濁液の製造を可能にするが、分散剤を使用せずにおよび乾燥材料について低濃度(乾燥重量で40%未満)での1つの乾式および/または湿式粉砕段階後の機械的および/または熱的再濃縮段階、場合により次いでさらなる粉砕段階、から得られる場合、それらの分散剤は、その後に特に炭酸カルシウムなどの無機材料を水中で懸濁または再分散させることを可能にしない。いずれかの分散および/または粉砕助剤を共に使用して水性懸濁液中で粉砕された、低固形分粉砕炭酸カルシウムを分散して高固形成分含有懸濁液を形成することは困難である。
【0021】
この問題に直面して当業者は、高分子量のアクリル酸のホモポリマーおよび/またはアクリル酸の水溶性コポリマー(0.08から0.80の範囲に及ぶ粘度指数に相当する)の選択を示すWO0148093号を理解している。他の解決方法が、特定の比率で、および特定の分子量において、アクリル酸およびマレイン酸の水溶性コポリマーを使用することを開示する、EP0850685において提案されている。
【0022】
しかしながら、上記ポリマーおよびコポリマーは、大気中のTOCおよび水中のDOCの望ましくない増加の原因となることが公知である石油化学製品から誘導され、本明細書において上述されたように、京都議定書に適合していない。
【0023】
さらに、これらの文書はいずれも、これらの発明に従って得られた無機材料の懸濁液を含む水性配合物の最終的な性質で使用される分散剤の影響を示しておらず、より詳細には、どちらもこのようなスラリーを用いて製造された塗料または紙または紙用被覆の光学的性質の可能な向上に対処しない。本発明は、当業者が、最終生成物の光学的性質を保持または向上させる点で、エンドユーザーの要求を満たすことを可能にする。
【0024】
さらに、本出願において指摘されるように、本発明による方法はさらに、ジルコニウム化合物と組み合わせて使用する場合、特定のブルックフィールド(登録商標)粘度に達するためのポリカルボキシレート分散剤の量を減少させることが可能になる。ポリアクリラート分散剤と組み合わせる場合、本発明によるジルコニウム化合物を使用することで、再分散された炭酸カルシウムスラリーの安定性および固形成分含有量の点から優れた結果が導かれ、それは驚くことにWO0148093およびEP0850685により得られたものと同等かまたはそれ以上に改良されており、ならびに上記特許により得られるスラリーに対して、DOCおよび分散剤の分解における化石CO(fossil CO)の排出の減少をもたらす。
【0025】
従って、解決されるべき技術的問題は、以下のように要約することができる:
当業者は、より制限的な規制のために、厳格にリン酸塩の使用を避けるべきであり、無機材料の水性懸濁液および/または水性分散液における特定の分散度に必要なポリカルボキシレートの量を減少させるべきである;さらに当業者は、無機材料を濃縮するための方法も開発するべきである;これらの規制に従って、当業者は、分散剤を使用せずにおよび乾燥材料について低濃度での少なくとも1つの乾式および/または湿式粉砕段階後の機械的および/または熱的再濃縮段階から得られる炭酸カルシウムを再分散する方法も開発するべきである;最後に、当業者は、エンドユーザーの要求を満たすべきであり、および最終生成物の、不透明度などの光学的性質のいくらかを保持または向上させるべきである。
【0026】
この技術的問題を考慮して、このような炭酸カルシウムの水性懸濁液の新規な製造方法が驚くべきことに見出された。
【0027】
この方法は、炭酸カルシウム含有スラリーが、1種以上のジルコニウム化合物、ならびに場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤を加えることにより調製される、前記炭酸カルシウム含有スラリーの製造から成る。
【0028】
1つの特定の実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
混合方法であることを特徴とする。
【0029】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と共に粉砕する、
粉砕方法であることを特徴とする。
【0030】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、
分散方法であることを特徴とする。
【0031】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、
濃縮方法であることを特徴とする。
【0032】
もう1つの実施形態において、本方法は、
濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキなどの顔料ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキなどの顔料ケーキと混合し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
分散方法であることを特徴とする。
【0033】
このようにして得られる水性懸濁液を、遠心分離機またはエバポレータの使用によるなどの当業者に公知の方法によりさらに濃縮(upconcentrate)することができること、および乾燥形態(粉末)またはスラリーの形態(水性懸濁液)における炭酸カルシウムのさらなる量を、この濃縮(upconcentration)段階中に導入することができることに留意されたい。
【0034】
得られた水性懸濁液は、一方においてはブルックフィールド(登録商標)粘度の基準において非常に安定である。他方、それらは、当業者が最終使用者に、ポンプで注入しやすくおよび流動しやすい無機材料の高濃縮懸濁液を提供することを可能にし、および/またはより低濃度の固体スラリーをより高濃度の固体形態(無機材料の乾燥重量で45%超過、場合により無機材料の乾燥重量にて65%、および場合により無機材料の乾燥重量にて78%超過を含む。)に濃縮することを可能にする。さらに、それらは、リン酸塩化合物を含む分散剤の使用を完全に避ける。それらはまた、それらが本発明において使用される場合、京都議定書に準拠していない(non−Kyoto compliant)ポリカルボキシレート分散および/または粉砕助剤の量の減少に寄与する。最後に、このような水性懸濁液を含む水性配合物ならびに特に紙および紙用被覆配合物は、光学的性質、特に不透明度および/または散乱係数に関して同等または向上がみられる。
【0035】
ジルコニウム化合物を含むこのような水性溶液は、”Zirconium compounds find new uses in surface coatings”(Modern paint and coatings,1988年2月,4482,pp36−39)に記載されているように、特に水性被覆配合物における架橋剤としてのそれらの使用に関しては、長年、当分野で公知であることは、留意すべきである。ジルコニウムのポリマー化学種が有機ポリマーの官能基と相互作用することができるという事実は、それらが耐熱性と耐スクラブ性(scrub resistance)の両方を向上させることができる場合、水性インクおよび被覆において非常に重要である。”Zirconium compounds in waterbased coatings”(Polymers paint colour Journal,1988年3月9日,178,4209,pp154−162)の論文に記載されるように、これは特にMagnesium Elektron社製のBacote(登録商標)20(AZC:炭酸ジルコニウムアンモニウム)およびZirgel(登録商標)K(KZC:炭酸ジルコニウムカリウム)の場合である。これらの化合物のいくつかは、これらのインクの流動学的、光学的および印刷特性に影響を及ぼすことができる、インクジェット被覆配合物において使用することができることも、よく明らかにされている。これらの結果は、”Influence of cationic additives on the rheological,optical,and printing properties of ink−jet coatings”(Polymers paint colour Journal,1988年3月9日,178,4209,pp154−162)で、ZAA(炭酸ジルコニウム)およびAZCに対して述べられている。しかしながら、全ての上記資料は、有機ポリマー(主に上記ジルコニウム化合物により強く架橋される結合剤)を含む水性配合物におけるジルコニウム化合物の使用に言及し、これは、炭酸カルシウムの水性懸濁液中で粉砕および/または分散助剤として使用する有機ポリマー、より詳細にはポリカルボキシレートの削減または排除に対応している本発明と全く異なる。
【0036】
最後に、リン酸塩化合物の使用を完全に回避し、無機材料の乾燥重量で45%を超える、場合により無機材料の乾燥重量で65%を超える、および場合により無機材料の乾燥重量で78%を超える高い固形成分含有量を有する安定なスラリーを提供し、最終生成物の光学的性質を保持および/または向上させ、ならびに炭酸カルシウム分散と同じ程度にTOC値を減少させるものである当業者の要求を扱っていないために、それらは厳密に本発明の応用分野の範囲内であるとみなすことはできないが、無機材料の水性懸濁液中のジルコニウム化合物の使用、有機ポリマーを使用しないこと、ならびに紙および紙用被覆などの最終製品の光学的性質の向上が記載されているので、以下の文書に言及する。
【0037】
US3597251には、酸化亜鉛または酸化ジルコニウムまたはこれらの混合物を炭酸カルシウムの水中での分散を改善するために使用することができ、これにより無機材料の乾燥重量で55%から80%まで範囲の固形成分含有量に導かれることが示されている。しかしながら、請求項1に示されているように、上記生成物の使用は、リン酸系分散剤との組み合わせに限定される。
【0038】
EP0206837は、顔料を含む基材の光学的性質を高めるためにジルコニウムイオン源の十分な量を用いる土顔料(clay pigment)の調製方法を開示する。AZCが、本発明に従って作られた紙の明度、不透明度および散乱係数を改良するための、最も有効なジルコニウムイオン源の1つとして記載されている。それにもかかわらず、挙げられた例を考慮すると、明らかに、高い固形成分含有量(無機材料の乾燥重量にて60%よりも高い。)のスラリーを得るために、従来のリン酸塩に基づく分散剤を使う必要があると思われる(実施例1,p12を参照されたい。);AZCの濃度が高いほど、光学的性質が良好で、無機粒子の分散性が低い(実施例2,p15を参照されたい。)。
【0039】
従って、当業者はこれらの資料から、ジルコニウム化合物は土などの無機物を分散するために使用され得、および高濃縮のスラリーを得ることができ、しかしながら、リン酸塩に基づく分散剤の使用を必要とするが、無機物の分散能(dispersability)は減少することを明らかに推定する。鉱業における汚染物質に関する新しい規制に直面して、これはまさに回避することが望まれるものである。
【0040】
かくして、当業者の多様な要求、すなわち、特に、リン酸塩含有分散剤の使用を回避することならびにポリカルボキシレートに基づく分散剤および粉砕助剤の量を最小限にすること、高い固形成分含有量(無機材料の乾燥重量で78%超過を含む。)を有する炭酸カルシウムの安定な懸濁液を得ること、および/または低濃度の炭酸カルシウムのスラリーを高固形分形態(無機材料の乾燥重量で50%を超える、好ましくは無機材料の乾燥重量で65%を超える、最も好ましくは無機材料の乾燥重量で75%を超える。)に濃縮すること、ならびに最終生成物の光学的性質(不透明度および/または散乱係数を増加させるためになど)を保持もしくは場合により向上させることを満たすために、このような炭酸カルシウム含有スラリーの新規の製造方法が驚いたことに見出された。
【0041】
本方法は、炭酸カルシウム含有スラリーが、1種以上のジルコニウム化合物を、ならびに場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤を加えることにより調製される、前記炭酸カルシウム含有スラリーの製造から成る。
【0042】
1つの特定の実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
混合方法であることを特徴とする。
【0043】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、
粉砕方法であることを特徴とする。
【0044】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、
分散方法であることを特徴とする。
【0045】
もう1つの実施形態において、本方法は、
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、
濃縮方法であることを特徴とする。
【0046】
もう1つの実施形態において、本方法は、
濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキなどの顔料ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキなどの顔料ケーキと混合し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
分散方法であることを特徴とする。
【0047】
好ましくは、本発明による方法は、ジルコニウム化合物が、AZCまたはKZC、またはこれらの混合物であることを特徴とする。
【0048】
ジルコニウム化合物が、乾燥重量で0.01%から10%までのジルコニウム化合物、より好ましくは乾燥重量で0.03%から5%までのジルコニウム化合物を含む、水性溶液および/または懸濁液の形態において提供されることも特徴とする。
【0049】
本発明により、市販のジルコニウム化合物を使用することができる。このような化合物の非制限的な例は、
− AZC型のMEL CHEMICALS(登録商標)社製、Bacote(登録商標)
− KZC型のMEL CHEMICALS(登録商標)社製、Zirmel(登録商標)
である。
【0050】
本発明による方法は、炭酸カルシウムを含む前記水性懸濁液および/または水性分散液が、分散剤を使用せずにおよび乾燥材料について低濃度(乾燥重量で40%未満)での少なくとも1つの乾式および/または湿式粉砕段階後の機械的および/または熱的再濃縮段階、場合により次いでさらなる粉砕段階、から得られることも特徴とする。
【0051】
本方法は、得られた炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液が、乾燥重量で45%を超える、好ましくは乾燥重量で65%を超える、および最も好ましくは乾燥重量で78%を超える炭酸カルシウムを含むことも特徴とする。
【0052】
本発明のもう1つの目的は、炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液が、本発明による方法により得られることを特徴とする。このような水性懸濁液および/または水性分散液は、1種以上のジルコニウム化合物、および場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤を含むことを特徴とする。
【0053】
より好ましくは、このような水性懸濁液および/または水性分散液は、ジルコニウム化合物がAZCまたはKZC、またはこれらの混合物であることを特徴とする。
【0054】
このような水性懸濁液および/または水性分散液が、分散剤を使用せずにおよび乾燥材料について低濃度(乾燥重量で40%未満)での少なくとも1つの乾式および/または湿式粉砕段階後の機械的および/または熱的再濃縮段階、場合により次いでさらなる粉砕段階、から得られ得ることも特徴とする。
【0055】
このような水性懸濁液および/または水性分散液が、乾燥重量で45%を超える、好ましくは乾燥重量で65%を超える、および最も好ましくは乾燥重量で78%を超える炭酸カルシウムを含むことができることも特徴とする。
【0056】
本発明のもう1つの目的は、本発明による炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または分散液を含むことを特徴とする、水性配合物にある。
【0057】
本発明の他の目的は、前記水性懸濁液および/または水性分散液の乾燥後に得られる乾燥炭酸カルシウム無機顔料である。
【0058】
本発明の他の目的は、製紙および/または紙用および/またはプラスチック被覆におけるプラスチック用もしくは水性塗料組成物用の充填材などとしての、前記水性懸濁液および/または水性分散液および/または乾燥炭酸カルシウム無機顔料の使用である。
【0059】
本発明の最後の目的は、このような水性分散液および/または水性懸濁液および/または乾燥炭酸カルシウム無機顔料を含む紙、プラスチックおよび塗料である。
【0060】
さらなる実施例は、当業者が本出願による本発明をよりよく理解するのに役立ち得るが、限定するものとしてみなすべきではない。
【0061】
(実施例)
留意事項:
以下の文章に記載される全ての「ブルックフィールド(登録商標)粘度」は、同じ名称で商品化された装置を用いて、100rpmで係数n°3を用いて測定されるブルックフィールド(登録商標)粘度を指す。
【実施例1】
【0062】
本実施例は、リン酸系分散剤を使用しない、炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法におけるジルコニウム化合物の使用を例示する。より明確には、これは、リン酸系分散剤を使用せずに水中で炭酸カルシウムを分散し、次いで濃縮(upconcentrating)することによる、炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法におけるジルコニウム化合物の使用を例示する。
【0063】
試験n°1.
本試験は、本発明を例示する。OMYA(登録商標)から商品名Millicarb(登録商標)OGで製造されている炭酸カルシウム粉末450gを、水249g中に懸濁した。懸濁液は64%の固形成分含有量(無機材料の乾燥重量において)および1730mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度を示した。MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を0.70%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量において)添加後、ブルックフィールド(登録商標)粘度が40mPa.sである、炭酸カルシウムの安定な懸濁液を得た。アクリル酸ポリマーもリン酸塩も使用せず、またはこの粘度低下に必要ではなかった。次いで得られた懸濁液にZirmel(登録商標)1000を0.39%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量において)さらに加えて、実験室用エバポレータで濃縮した。最終固形成分含有量は76.0%(無機材料の乾燥重量で)であり、スラリーは170mPa.sの安定なブルックフィールド(登録商標)粘度を示した。アクリル酸ポリマーもリン酸塩も使用せず、または特にこの低粘度で76%の固体濃度に到達することは必要ではなかった。
【0064】
上記の結果は、AZCの分散作用を明らかにする。
【実施例2】
【0065】
本実施例は、ポリアクリラート型分散剤と組み合わせたジルコニウム化合物の使用を例示する。前記ポリアクリラート型分散剤は、濾過ケーキを原料とする炭酸カルシウム含有スラリーまたは炭酸カルシウムの乾燥粉末の製造方法において、ジルコニウム化合物の添加より前または添加中に添加され、分散剤を補助するためのリン酸塩の使用を回避する。より明確には、これは、炭酸カルシウム濾過ケーキまたは乾燥粉末を分散する段階においておよびさらに濃縮する場合に、ポリアクリラート型分散剤と組み合わせたジルコニウム化合物の使用に関する。最後に、これは、本発明による方法の使用が、ブルックフィールド(登録商標)粘度という点では良好な安定性を有する炭酸カルシウム分散液を生成し、同じ固形成分含有量での必要なポリアクリラート分散剤の量を減少させることを明らかにする。実施例2およびさらなる実施例について、従来技術の代表的な2つの分散剤(ナトリウムポリアクリラートポリマーおよびナトリウムポリアクリラート/ナトリウムマレイネートコポリマー)の溶存有機炭素(DOC)を測定したところ、それぞれ乾燥材料に基づいた算出で14.6%および乾燥材料に基づいた算出で11.7%であった。これらの測定を、DR LANGE(登録商標)社からLCK386の名称で商品化された装置を用いて実施した。測定方法は、最初に全ての無機炭素を振盪機を用いて除去し、次に全ての有機炭素を酸化して二酸化炭素にする、2段階方法に基づく。二酸化炭素は膜を通過してインジケータキュベットに入り、ここで色の変化を引き起し、それを光度計で評価する。実施例2およびさらなる実施例については、有機炭素(DOC)を上述の純粋な分散剤の基準値に基づいて各試験について算出した。
【0066】
試験n°2.
本試験は、従来技術を例示する。固形成分含有量が無機材料の乾燥重量で65%であって、以下の粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された):
−中間直径が0.63μmであること、
−粒子の重量で92%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の重量で71%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の重量で11%が0.2μmより小さい平均直径を有すること、
を有する、炭酸カルシウム濾過ケーキ(ノルウェー産大理石)を、部分的に中和されたナトリウムポリアクリラート(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する)およびリン酸ナトリウムとの混合物であり、40%ナトリウムポリアクリラートおよび85%固体リン酸を各添加剤の活性乾燥重量に対して2:1の割合において混合することにより製造される、0.70%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量において)のナトリウムポリアクリラート/リン酸ナトリウムに基づく分散剤を用いて分散した。得られた懸濁液を次いで実験室用エバポレータにより濃縮した。炭酸塩スラリーの最終の固形成分含有量は無機材料の乾燥重量で72.5%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は125mPa.sであった。ナトリウムポリアクリラート含有量は、無機材料の乾燥重量ごとのポリマーの乾燥重量で表され、0.47%であった。DOC値は、0.10%であった。
【0067】
試験n°3.
本試験は、従来技術を例示する。試験n°2で使用されたものと同一であるが70%固形物である、炭酸カルシウム濾過ケーキを、活性含有量(active content)が無機材料の乾燥重量に基づいている、0.90%ナトリウムポリアクリラート(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する)を用いて分散した。得られた懸濁液の100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は1000mPa.sを超えた。DOC値は0.26%であった。
【0068】
試験n°4.
本試験は、従来技術を例示する。固形成分含有量が無機材料の乾燥重量で61%であって、以下の粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された):
−中間直径が0.71μmであること、
−粒子の重量で90%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の重量で64%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の重量で7%が0.2μmより小さい平均直径を有すること、
を有する、炭酸カルシウム濾過ケーキ(バーモント州産大理石)を、活性含有量が無機材料の乾燥重量に基づいた、0.70%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量において)のナトリウムポリアクリラート/ナトリウムマレイネートコポリマー(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有し、アクリル酸:マレイン酸のモル比は7:3である)を用いて分散させ、71.7%固形物まで濃縮した。得られた懸濁液の100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は、230mPa.sであった。追加の重量で0.2%の乾燥顔料を添加することで、得られた懸濁液をさらに73.1%固形物まで濃縮し、合計の添加を重量で0.9%の同一のナトリウムポリアクリラート/ナトリウムマレイネートコポリマーにした。得られた懸濁液の100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は260mPa.sであった。さらなる濃縮は、無機材料の乾燥重量で1%を超える同一の有機ポリマーを用いることなしには不可能であった。DOC値は、0.37%であった。
【0069】
試験n°5.
本試験は、従来技術を例示する。OMYA(登録商標)社から商品名Hydrocarb(登録商標)90−OGで製造されている炭酸カルシウム粉末1812gを、水499g中に懸濁した。懸濁液は、78.3%の固形成分含有量(無機材料の乾燥重量において)および605mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度を示した。
【0070】
試験n°6.
本試験は、本発明を例示する。試験n°2で使用された同一の炭酸カルシウム濾過ケーキを、以下の組み合わせを用いて分散させた。
−活性含有量が無機材料の乾燥重量に基づいた、0.26%のナトリウムポリアクリラート(試験3で使用されたように、GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する。)、
−無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量において0.258%のMEL CHEMICALS(登録商標)社から商品名Bacote(登録商標)20で製造されている炭酸ジルコニウムアンモニウム化合物。得られた懸濁液を次いで実験室用エバポレータにより濃縮した。炭酸塩スラリーの最終の固形成分含有量は、無機材料の乾燥重量で75.5%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は390mPa.sであった。このような高いスラリー固形成分含有量においてさえ、ナトリウムポリアクリラート含有量を試験3に比較してほぼ3分の1ほど減少させてわずか0.26%まで減少させることができた。DOC値は、0.075%であった。この値は、試験n°2、3および4で得られた値よりも低い:このように、本発明による方法により、当分野の技術者は同程度またはより高い固形成分含有量においてさえDOC値を著しく減少させることが可能になる。
【0071】
試験n°7.
本試験は、本発明を例示する。試験n°2において使用された同一の炭酸カルシウム濾過ケーキを、以下の組み合わせを用いて分散させた。
−活性含有量が無機材料の乾燥重量に基づいた、0.26%のナトリウムポリアクリラート(試験3で使用されたように、GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する)、
−無機材料の乾燥重量ごとのポリマーの乾燥重量において0.28%の、MEL CHEMICALS(登録商標)社から商品名Zirmel(登録商標)1000で製造されている炭酸ジルコニウムカリウム化合物。得られたスラリーを、次いで実験室用エバポレータにより濃縮した。最終の固形成分含有量は無機材料の乾燥重量で72.6%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は460mPa.sであった。DOC値は0.075%であった。この値は、試験n°2、3および4で得られた値よりも低い:このように、本発明による方法により、当業者は、試験6に比較して異なるジルコン化合物を使用しながらDOC値を著しく減少させることが可能になる。
【0072】
試験n°8.
本試験は、本発明を例示する。無機材料の乾燥重量で53%の固形成分含有量に調整した、試験n°2において使用された同一の炭酸カルシウム濾過ケーキを、以下の組み合わせを用いて分散させた。
−活性含有量が乾燥重量に基づいた、0.34%のナトリウムポリアクリラート(試験3で使用されたように、GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する。)、
−無機材料の乾燥重量ごとのポリマーの乾燥重量で0.52%のMEL CHEMICALS(登録商標)社から商品名Zirmel(登録商標)1000で製造されている炭酸ジルコニウムカリウム化合物。得られたスラリーを次いで実験室用エバポレータで濃縮した。
【0073】
最終の固形成分含有量は無機材料の乾燥重量で74.1%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は255mPa.sであった。
【0074】
上記結果は、ジルコニウム化合物をポリアクリラート分散剤と組み合わせて使用することにより本発明による炭酸カルシウムの分散が可能であり、従って、リン酸系分散剤の使用を避けることが可能であることを示す。さらに、これらは、従来技術に比べてより高い固形成分含有量を得ること、および得られた水性懸濁液がブルックフィールド(登録商標)粘度に関して安定であることを維持することが可能であることを示す。最後に、同様のブルックフィールド(登録商標)粘度およびより高い固形成分含有量について、上記結果は、本発明による方法が、必要なポリアクリラート分散剤の量を減少させることを示す。DOC値は0.075%であった。この値は、試験n°2、3および4で得られた値よりも低い。このように、本発明による方法により、当業者は、DOC値を著しく減少させることが可能になる。
【0075】
試験n°9.
本試験は、本発明を例示する。無機材料の乾燥重量で20%の固形成分含有量に調整した、試験n°2において使用された同一の炭酸カルシウム濾過ケーキを、以下の組み合わせを用いて分散させた。
−活性含有量が乾燥重量に基づいた、0.34%のナトリウムポリアクリラート(試験3で使用されたように、GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する)、
−無機材料の乾燥重量ごとのポリマーの乾燥重量において0.52%の、MEL CHEMICALS(登録商標)社から商品名Zirmel(登録商標)1000で製造されている炭酸ジルコニウムカリウム化合物。得られたスラリーを次いで実験室用エバポレータにより濃縮した。以下の固形成分含有量について、以下のブルックフィールド(登録商標)粘度を示す、安定な炭酸カルシウムの懸濁液が得られた。
−固形成分含有量69.6%(無機材料の乾燥重量)にて、395mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度が得られた、
−固形成分含有量71.7%(無機材料の乾燥重量)にて、480mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度が得られた、
−固形成分含有量75.1%(無機材料の乾燥重量)にて、800mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度が得られた。上記結果は、本発明のジルコニウム化合物を用いる方法により、低い固形成分含有量の炭酸カルシウム濾過ケーキを高い固形成分含有量形態まで濃縮できることを示す。さらに、本発明により得られた懸濁液が、ブルックフィールド(登録商標)粘度に関して安定した状態を維持する。DOC値は、0.11%であった。この値は、試験n°2、3および4で得られた値よりも低い。このように、本発明による方法により、当業者は、DOC値を著しく減少させることが可能になる。
【0076】
試験n°10.
本試験は、本発明を例示する。試験5の懸濁液1981gに、MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を0.084%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)添加した。得られた炭酸カルシウムの懸濁液は、78.3%(無機材料の乾燥重量)の固形成分含有量および255mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度を示した。3Dの懸濁液1636gに、MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を0.359%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)添加した。78.3%(無機材料の乾燥重量)の固形成分含有量および215mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度を有する炭酸カルシウムの非常に安定な懸濁液が得られた。
【0077】
上記結果は、AZCの分散作用を示す。
【実施例3】
【0078】
本実施例は、炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法における、ジルコニウム化合物の使用を例示する。より明確には、これは、炭酸カルシウムを粉砕する方法におけるジルコニウム化合物の使用に関する。最後に、これは、本発明による粉砕および分散助剤としてのジルコニウム化合物の使用が、ブルックフィールド(登録商標)粘度に関して良好な安定性を有する高固形分粉砕炭酸カルシウム懸濁液を生成することを明らかにする。
【0079】
試験n°11.
無機材料の乾燥重量で56%の炭酸カルシウム懸濁液を、MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を用いて水中で粉砕した。次いで粒子の粒度分布は、MICROMERITICS(登録商標)社から商品化されたSedigraph(登録商標)5100を用いて、使用したジルコニウム化合物の量の関数として測定された。
−0.38%(無機材料の乾燥重量)のZirmel(登録商標)1100を使用した場合、粒子の24%(無機材料の重量)が1μmより小さい平均直径を有した。
−0.69%(無機材料の乾燥重量)のZirmel(登録商標)1100を使用した場合、粒子の36%(無機材料の重量)が1μmより小さい平均直径を有した。
−1.28%(無機材料の乾燥重量)のZirmel(登録商標)1100を使用した場合、粒子の50%(無機材料の重量)が1μmより小さい平均直径を有した。
−3.80%(無機材料の乾燥重量)のZirmel(登録商標)1100を使用した場合、粒子の75%(無機材料の重量)が1μmより小さい平均直径を有した。
【0080】
上記の結果は、本発明による方法により当業者が、リン酸またはポリアクリラート化合物を使用せずに所望のレベルの粉末度まで水中で炭酸カルシウムを粉砕できることを明らかにする。
【実施例4】
【0081】
本実施例は、炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法における、分散剤を補助するためのリン酸塩の使用を避けながら、ポリアクリラート型分散剤と組み合わせたジルコニウム化合物の使用を例示する。より明確には、これは、炭酸カルシウムを分散および濃縮する方法において、ポリアクリラート型分散剤と組み合わせたジルコニウム化合物の使用に関する。最後に、これは本発明による方法の使用が、ブルックフィールド(登録商標)粘度という点では安定な炭酸カルシウム分散液を生成し、該粘度のために必要なポリアクリラート分散剤の量を減少させることを明らかにする。
【0082】
試験n°12.
本試験は、従来技術を例示する。以下の粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された)。
−中間直径が0.80μmであること、
−粒子の88重量%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の61重量%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の8重量%が0.2μmより小さい平均直径を有すること、を有する炭酸カルシウムのスラリー72.6%固形物1mを、部分的に中和されたナトリウムポリアクリラート(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する。)およびリン酸ナトリウムとの混合物であり、40%ナトリウムポリアクリラートおよび85%固体リン酸を各添加剤の活性乾燥重量に対して2:1の割合で混合することにより製造される、0.35%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のナトリウムポリアクリラート/リン酸ナトリウムに基づく分散剤を用いて、無機材料の乾燥重量で18.7%の固形成分含有量の炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造した。懸濁液を実験エバポレータによる熱的濃縮により製造した。炭酸塩スラリーの最終の固形成分含有量は、無機材料の乾燥重量で72.6%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は200mPa.sであった。DOC値は、0.062%であった。この試料中のリン酸三ナトリウム(NaPO)の含有量は、無機材料の乾燥重量に対して0.20%であった。
【0083】
試験n°13.
本試験は、従来技術を例示する。以下の粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された。):
−中間直径が0.61μmであること、
−粒子の94重量%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の73重量%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の14重量%が0.2μmより小さい平均直径を有すること、を有する炭酸カルシウムの高固形分スラリー1mを、部分的に中和されたナトリウムポリアクリラート(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する。)およびリン酸ナトリウムとの混合物であり、40%ナトリウムポリアクリラートおよび85%固体リン酸を各添加剤の活性乾燥重量に対して2:1の割合で混合することにより製造される、0.68%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のナトリウムポリアクリラート/リン酸ナトリウムに基づく分散剤を用いて、無機材料の乾燥重量で18.7%の固形成分含有量の炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造した。懸濁液を実験エバポレータにおいて熱的濃縮により製造した。炭酸塩スラリーの最終の固形成分含有量は無機材料の乾燥重量で72.3%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は248mPa.sであった。DOC値は0.125%であった。この試料中のリン酸三ナトリウム(NaPO)の含有量は、無機材料の乾燥重量に対して0.40%であった。
【0084】
試験n°14.
本試験は、本発明を例示する。以下の粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された):
−中間直径が0.86μmであること、
−粒子の89重量%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の59重量%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の6重量%が0.2μmより小さい平均直径を有すること、を有する炭酸カルシウムの高固形分スラリー1mを、0.22%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のナトリウムポリアクリラート(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する。)および0.23%のMEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を用いて、無機材料の乾燥重量で22.0%の固形成分含有量の炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造した。懸濁液を実験エバポレータにより熱的濃縮した。炭酸塩スラリーの最終の固形成分含有量は無機材料の乾燥重量で71.2%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は440mPa.sであった。DOC値は0.062%であった。本発明のこの実施例におけるリン酸レベルは、試験n°12に比較して完全に除去することができた。
【0085】
試験n°15.
本試験は、本発明を例示する。以下の主な粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された):
−中間直径が0.69μmであること、
−粒子の重量で94%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の重量で72%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の重量で7%が0.2μmより小さい平均直径を有すること、を有する炭酸カルシウムの高固形分スラリー1mを、0.28%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のナトリウムポリアクリラート(GPCによる測定で12’000ダルトンに等しい分子量Mwを有する。)および0.26%のMEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を用いて、無機材料の乾燥重量で17.8%の固形成分含有量の炭酸カルシウムの水性懸濁液から製造した。懸濁液を実験エバポレータにより熱的濃縮した。炭酸塩スラリーの最終の固形成分含有量は、無機材料の乾燥重量で71.2%であり、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は840mPa.sであった。
【0086】
追加のZirmel(登録商標)0.1%を添加した後、100rpmで測定したブルックフィールド(登録商標)粘度は420mPa.sであった。DOC値は0.081%であった。本発明のこの実施例におけるリン酸レベルは、試験n°13と比較して完全に除去された。
【0087】
試験n°12および13と比較すると、試験n°14および15は、本発明によるポリアクリラートと組み合わせたジルコニウム化合物の使用により、リン酸を使用せずにブルックフィールド(登録商標)粘度に関して安定な炭酸カルシウムの水性分散液が製造されることを示す。
【実施例5】
【0088】
本実施例は、ジルコニウム化合物を炭酸カルシウムの濾過ケーキに直接添加することによる、リン酸系分散剤を使用しない炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法におけるジルコニウム化合物の使用を例示する。この実施例において、本発明による方法は、乾燥形態における炭酸カルシウムを濃縮段階中に導入することも特徴とする。最後に、この実施例は、本発明による方法によって当業者が、高い固形成分含有量(無機材料の乾燥重量で70%より高い)およびブルックフィールド(登録商標)粘度に関する良好な安定性を得るために、水中に炭酸カルシウムを分散することができることも示す。
【0089】
試験n°16.
本試験は、本発明を例示する。以下の主な粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された。):
−粒子の98重量%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の77重量%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の13.7重量%が0.2μmより小さい平均直径を有することを有する、他の化学物質を含まない、65.5%(無機材料の乾燥重量)の固形成分含有量を有する炭酸カルシウム濾過ケーキ450gを、無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量で0.60%の、MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000を用いて分散し、練った。さらに、COATEX(登録商標)社から商品名Coatex(登録商標)GXNで製造されているポリアクリラートに基づく分散剤0.03%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)を攪拌しながら加えた。得られた懸濁液を次いで実験室用エバポレータで濃縮し、その後さらに、MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムアンモニウム化合物であるBacote(登録商標)20を0.10%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)添加した。最終の固形成分含有量は71.0%(無機材料の乾燥重量で)であり、スラリーは270mPa.sのブルックフィールド(登録商標)粘度を示し、安定であった。DOC値は0.009%であった。この値は従来技術を例示している試験n°13で得られたものよりもかなり低い。本発明による方法によって、当業者は、ポリカルボキシレートに基づく分散剤の量を著しく減少させ、その結果DOC値を減少させることができる。
【0090】
試験n°17.
本試験は、本発明を例示する。以下の主な粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された):
−粒子の98重量%が2μmより小さい平均直径を有し、
−粒子の77重量%が1μmより小さい平均直径を有し、
−粒子の13.7重量%が0.2μmより小さい平均直径を有し、他の化学物質を含まない、65.5%の固形成分含有量を有する炭酸カルシウム濾過ケーキ967gを、0.60%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のMEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムアンモニア化合物であるBacote20の添加により流動化し、練った。さらに、COATEX(登録商標)社から商品名Coatex(登録商標)GXNで製造されているポリアクリラートに基づく分散剤であるCoatex(登録商標)GXN0.03%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)を攪拌しながら加えた。懸濁液は65.0%(無機材料の乾燥重量)の固形成分含有量を示し、次いで噴霧乾燥された粉末形態の同一の炭酸カルシウムを添加することにより、固形成分含有量が71.2%に到達するまで濃縮した。0.60%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のBacote(登録商標)20および0.03%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量において)のCoatex(登録商標)GXNを添加した後、ブルックフィールド(登録商標)粘度が280mPa.sである、炭酸カルシウムの安定な懸濁液を得た。DOC値は、0.009%であった。この値は従来技術を例示している試験n°13で得られたものよりもかなり低い:本発明による方法により、当業者はポリカルボキシレートに基づく分散剤の量を著しく減少させ、その結果DOC値を減少させることができる。
【0091】
試験n°18.
本試験は、本発明を例示する。以下の主な粒度分布特性(Sedigraph(登録商標)5100により測定された):
−粒子の98重量%が2μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の77重量%が1μmより小さい平均直径を有すること、
−粒子の13.7重量%が0.2μmより小さい平均直径を有することを有し、他の化学物質を含まない、65.5%の固形成分含有量を有する炭酸カルシウム濾過ケーキ964gを、0.30%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)の、MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムアンモニア化合物であるBacote(登録商標)20および0.30%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のMEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物であるZirmel(登録商標)1000の添加により流動化し、練った。さらに、0.03%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のCoatex(登録商標)GXNを攪拌しながら加えた。懸濁液は65.5%(無機材料の乾燥重量)の固形成分含有量を示し、次いで噴霧乾燥された粉末形態における同一の炭酸カルシウムを添加することにより、および0.03%(無機材料の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)のCoatex(登録商標)GXNの存在下で、固形成分含有量が71.0%に到達するまで濃縮した。DOC値は0.009%であった。0.30%のBacote(登録商標)20、および0.3%のZirmel(登録商標)1000(MEL CHEMICALS(登録商標)社製の炭酸ジルコニウムカリウム化合物)、およびCoatex(登録商標)GXN0.03%(加えられた噴霧乾燥無機粉末の乾燥重量ごとの活性添加剤の乾燥重量)の混合物を添加し、水酸化カリウム水溶液によってpHを10に調節した後、ブルックフィールド(登録商標)粘度が173mPa.sである、炭酸カルシウムの安定な懸濁液を得た。DOC値は0.017%であった。これらのDOC値は従来技術を例示している試験n°13で得られたものよりもかなり低い:本発明による方法によって、当業者はポリカルボキシレートに基づく分散剤の量を著しく減少させ、その結果DOC値を減少させることができる。
【0092】
さらに、試験n°16から18は、本発明による方法によって、ジルコニウム化合物を炭酸カルシウムの濾過ケーキに直接添加し、次いで濃縮し、次いで乾燥形態における炭酸カルシウムを添加することによる、リン酸系分散剤を使用しない安定な炭酸カルシウム含有スラリーを製造することができることを明らかに示す。
【実施例6】
【0093】
本実施例は、さらに紙の被覆に用いられる被覆カラーの製造において、1種以上のジルコニウム化合物を含み、本発明による方法を用いて製造される炭酸カルシウム含有スラリーの使用を例示する。本実施例は、本発明による紙も例示し、これは本発明による1種以上のジルコニウム化合物を含む炭酸カルシウム含有スラリーの使用によりその光学的性質のいくつかが高められる。
【0094】
この実施例において、紙用被覆組成物は、従来技術を代表する種々の炭酸カルシウムスラリー、および本発明を代表するその他のものを用いて作られた。
【0095】
各被覆カラーの組成物は以下のものであった(乾燥製品の重量部として表す。)。
炭酸カルシウム含有スラリー(OMYA(登録商標)社製炭酸カルシウム):80
Hydragloss(登録商標)90(HUBER(登録商標)社からのクレー):20
Coatex(登録商標)GXN(COATEX(登録商標)社製分散剤):0.1
DOW(登録商標)Latex966(DOW(登録商標)CHEMICALS社製ラテックス接着剤):11
CMC Finnfix(登録商標)10(METSA SERLA(登録商標)社製カルボキシメチルセルロース):0.5
PVA Mowiol(登録商標)6−98(CLARIANT(登録商標)社製ポリビニルアルコール):0.4
Blancophor(登録商標)P(CIBA(登録商標)社製蛍光増白剤):0.6。
【0096】
木を含まない紙58g/mにコータースピード1’200m/minで両側シングルコーティング(doubled−sided single coatings)の後に、被覆カラーを比較した。塗布された被覆重量は、11.0および12.5g/mであった。
【0097】
紙を、11ニップのVoith(登録商標)Sulzer Supercalenderを用いて250および270kN/mの線荷重で80℃の温度でカレンダーをかけた。
【0098】
すべての場合において、不透明度をElephro(登録商標)3000を用いてDIN53146に準じて測定した。
【0099】
試験n°19.
本試験は、従来技術を例示し、および試験n°12で得られた炭酸カルシウム懸濁液を使用する。
【0100】
カレンダーを250kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は88.0%であった。
【0101】
カレンダーを270kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は87.8%であった。
【0102】
試験n°20.
本試験は、従来技術を例示し、および試験n°13で得られた炭酸カルシウム懸濁液を使用する。
【0103】
カレンダーを250kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は88.0%であった。
【0104】
カレンダーを270kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は87.6%であった。
【0105】
試験n°21.
本試験は、本発明を例示し、および試験n°14で得られた炭酸カルシウム懸濁液を使用する。
【0106】
カレンダーを250kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は88.2%であった。
【0107】
カレンダーを270kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は88.2%であった。
【0108】
上記結果は、本発明による水性分散液を含む紙が若干向上した不透明度の値を示すことを表す。
【0109】
試験n°22.
本試験は、本発明を例示し、および試験n°15で得られた炭酸カルシウム懸濁液を使用する。
【0110】
カレンダーを250kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は88.3%であった。
【0111】
カレンダーを270kN/mでかけて、83g/m2に規格化した後に測定した不透明度は87.8%であった。
【0112】
上記結果は、本発明による水性分散液を含む紙が若干向上した不透明度の値を示すことを表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法であり、前記炭酸カルシウム含有スラリーは、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に、1種以上のジルコニウム化合物を添加することにより調製されることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項2】
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に粉砕する、
粉砕方法であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、
分散方法であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
乾燥形態におけるおよび/または水性分散液のもしくは水性懸濁液のもしくは水性濾過ケーキの形態における、炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液および/または水性溶液に添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液のおよび/または水性溶液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、炭酸カルシウムの水性分散液または水性懸濁液または水性濾過ケーキに添加し、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に濃縮する、
濃縮方法であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキのうちから選択される顔料ケーキの形態における炭酸カルシウムを、1種以上のジルコニウム化合物を含む水性懸濁液および/または水性乳濁液に添加し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に分散させる、または
乾燥形態におけるおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液の形態における1種以上のジルコニウム化合物を、濾過ケーキおよび/または遠心分離ケーキおよび/または電気濃縮法により得られたケーキのうちから選択される顔料ケーキと混合し(前記ケーキは、好ましくは無機材料の乾燥重量で20%を超える含水率を有する。)、得られた組成物を、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤と場合により共に混合する、
分散方法であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ジルコニウム化合物が、炭酸ジルコニウムアンモニウムもしくは炭酸ジルコニウムカリウムまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ジルコニウム化合物が、乾燥重量で0.01%から10%までのジルコニウム化合物、より好ましくは乾燥重量で0.03%から5%までのジルコニウム化合物を含む、水性溶液のおよび/または水性懸濁液のおよび/または水性乳濁液の形態において提供されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
炭酸カルシウムを含む水性懸濁液および/または水性分散液が、分散剤を使用しない、乾燥材料として低濃度(乾燥重量で40%未満)での少なくとも1つの乾式および/または湿式粉砕段階の後に、機械的および/または熱的濃縮段階、場合により次いでさらなる粉砕段階、から得られることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の方法により得られることを特徴とする、炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液。
【請求項10】
乾燥重量で45%を超える炭酸カルシウム、好ましくは乾燥重量で65%を超える炭酸カルシウム、および最も好ましくは乾燥重量で78%を超える炭酸カルシウムを含むことを特徴とする、請求項9に記載の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液。
【請求項11】
1種以上のジルコニウム化合物、ならびに場合により、分散および/または粉砕助剤として作用する、リン酸塩を含まない1種以上のさらなる添加剤を含むことを特徴とする、請求項9または請求項10のいずれかに記載の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液。
【請求項12】
ジルコニウム化合物が、炭酸ジルコニウムアンモニウムもしくは炭酸ジルコニウムカリウムまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項9から11のいずれかに記載の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液。
【請求項13】
請求項9から12のいずれかに記載の炭酸カルシウムの水性懸濁液および/または水性分散液を乾燥させることを特徴とする、乾燥炭酸カルシウム無機顔料の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法により得られることを特徴とする、乾燥炭酸カルシウム無機顔料。
【請求項15】
製紙および/または紙用および/またはプラスチック被覆における、プラスチック用のもしくは水性塗料組成物用の充填材としての、請求項9から12のいずれかに記載の炭酸カルシウムの、および/または請求項14に記載の乾燥炭酸カルシウム無機顔料の水性懸濁液および/または水性分散液の使用。
【請求項16】
請求項9から12のいずれかに記載の炭酸カルシウムの水性分散液および/または水性懸濁液を含むおよび/または請求項14に記載の乾燥炭酸カルシウム無機顔料を含む、紙、プラスチックおよび塗料。

【公開番号】特開2013−56824(P2013−56824A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−228966(P2012−228966)
【出願日】平成24年10月16日(2012.10.16)
【分割の表示】特願2008−523475(P2008−523475)の分割
【原出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(505351050)オムヤ・デベロツプメント・アー・ゲー (22)
【Fターム(参考)】