説明

ジ(ヘテロ)アリールシクロヘキサン誘導体、それらの製造、それらの使用及びそれらを含む薬剤組成物

本発明は、式I
【化1】


(式中、Ar1、Ar2、R1及びR2は特許請求の範囲において示された意味を有する)のジ(ヘテロ)アリールシクロヘキサン誘導体に関する。式Iの化合物は、心筋のATP感受性カリウムチャネルを阻害する価値ある薬学的活性化合物であり、例えば冠状動脈性心臓疾患、心不全又は心筋ミオパチーにおいて起こり得るような、心臓血管系の障害、例えば不整脈又は心臓収縮能の減少の処置に適している。特に、これらは突然心臓死の予防に適している。本発明はさらに、式Iの化合物の製造のための方法及び中間体、それらの使用、並びにそれらを含む医薬組成物に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、式I
【化1】

[式中、
Ar1及びAr2は、互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C2−C5)−アルケニル、(C3−C8)−シクロアルキル−Cv2v−、Ar3、(C1−C5)−アルキル−O−、HO−(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C3−C8)−シクロアルキル−S(O)f−、(C1−C5)−アルキル−S(O)k−及びR1112N−S(O)2−からなる組からの1、2、3又は4つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでAr1及びAr2中の全てのアルキル基、アルケニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
Ar3及びAr5は、互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、フェニル又は単環式ヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C1−C5)−アルキル−S(O)m−及びR1314N−S(O)2−からなる組からの1、2又は3つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでAr3及びAr5中の全てのアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
Ar4は、フェニル又はヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C2−C5)−アルケニル、(C3−C8)−シクロアルキル−Cw2w−、Ar5、(C1−C5)−アルキル−O−、HO−(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C1−C5)−アルキル−S(O)n−及びR1516N−S(O)2−からなる組からの1、2、3又は4つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでAr4中の全てのアルキル基、アルケニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
1は、R3−、R4−O−又はR56N−であり;
2は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、(C3−C8)−アルキニル、フェニル−(C2−C8)−アルケニル−、Ar4、R17−O−(C1−C8)−アルキル−、R1819N−(C1−C8)−アルキル−、Het−Cu2u−又は(C3−C8)−シクロアルキル−Cu2u−であり、ここでフェニル−(C2−C8)−アルケニル−中のフェニル基は、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C1−C5)−アルキル−O−及び(C1−C5)−アルキル−S(O)g−からなる組からの1、2又は3つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、そしてここでR2中の全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
3、R4、R5及びR6は、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、水素、(C1−C8)−アルキル又は(C3−C8)−シクロアルキル−Cp2p−であり、ここでR3、R4、R5及びR6中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19は、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、水素、(C1−C8)−アルキル又は(C3−C8)−シクロアルキル−Cq2q−であり、ここでR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18
及びR19中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
Hetは、窒素、酸素及び硫黄からなる組からの1又は2個の同一か又は異なる環ヘテロ原子を含む4員〜7員の単環式飽和環の残基であり、該Hetは環炭素原子を介して結合しており、そしてフェニル及び(C1−C5)−アルキルからなる組からの1、2、3又は4つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでHet中のフェニル基は、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C1−C5)−アルキル−O−及び(C1−C5)−アルキル−S(O)h−からなる組からの1、2又は3つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、そしてここでHet及びHet中の全てのアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄からなる組からの1、2又は3個の同一か又は異なる環ヘテロ原子を含む、5員若しくは6員の単環式芳香族環系又は8員、9員若しくは10員の二環式芳香族環系の残基であり;
f、g、h、k、m及びnは、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、0、1又は2であり;
p、q、v及びwは、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、0、1、2、3又は4であり;
uは、0、1、2、3、4、5又は6であり;
ここで全てのシクロアルキル基は、あらゆる他の置換基とは独立して、1つ又はそれ以上の同一か又は異なる(C1−C4)−アルキル置換基で場合により置換される]
の化合物又はその生理学的に許容しうる塩であって;
ただし、R1がヒドロキシでありかつ同時にR2が水素である場合に、Ar1及びAr2が両方非置換フェニルではあり得ない、化合物。
【請求項2】
Ar1はフェニル又はヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C2−C5)−アルケニル、(C3−C8)−シクロアルキル−Cv2v−、Ar3、(C1−C5)−アルキル−O−、HO−(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C3−C8)−シクロアルキル−S(O)f−、(C1−C5)−アルキル−S(O)k−及びR1112N−S(O)2−からなる組からの1、2、3又は4つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでAr1中の全てのアルキル基、アルケニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換される、その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項3】
Ar1は、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C2−C5)−アルケニル、(C3−C8)−シクロアルキル−Cv2v−、Ar3、(C1−C5)−アルキル−O−、HO−(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C3−C8)−シクロアルキル−S(O)f−、(C1−C5)−アルキル−S(O)k−及びR1112N−S(O)2−からなる組からの1、2、3又は4つの同一か又は異なる置換基により全て場合により置換される、フェニル又はピリジニルであり、ここでAr1中の全てのアルキル基、アルケニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換される、
その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1又は請求項2に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項4】
Ar2は、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C2−C5)−アルケニル、(C3−C8)−シクロアルキル−Cv2v−、Ar3、(C1−C5)−アルキル−O−、HO−(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C3−C8)−シクロアルキル−S(O)f−、(C1−C5)−アルキル−S(O)k−及びR1112N−S(O)2−からなる組からの1、2、3又は4個の同一か又は異なる置換基で全て
場合により置換される、フェニル又はヘテロアリールであり、ここでAr1中の全てのアルキル基、アルケニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換される、
その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項5】
2は、水素、(C1−C8)−アルキル、(C2−C8)−アルケニル、Ar4、R17−O−(C1−C8)−アルキル−、R1819N−(C1−C8)−アルキル−、Het−Cu2u−又は(C3−C8)−シクロアルキル−Cu2u−であり、ここでR2中の全てのアルキル基、アルケニル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換される、
その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項6】
2は、(C1−C8)−アルキル、Ar4、Het−Cu2u−又は(C3−C8)−シクロアルキル−Cu2u−であり、ここでR2中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換される、
その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項7】
1がR4−O−又はR56N−である、その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項8】
1がR4−O−であり、そしてR4が水素である、その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項9】
Ar1及びAr2は、互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、(C3−C6)−シクロアルキル−Cv2v−、Ar3、(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−、(C3−C6)−シクロアルキル−S(O)f−及び(C1−C5)−アルキル−S(O)k−からなる組からの1、2又は3つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでAr1及びAr2中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
Ar3及びAr5は、互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、フェニル又は単環式ヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、(C1−C5)−アルキル及び(C1−C5)−アルキル−O−からなる組からの1又は2つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでAr3及びAr5中の全てのアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
Ar4はフェニル又は単環式ヘテロアリールであり、これらは全て、ハロゲン、シアノ、(C1−C5)−アルキル、Ar5、(C1−C5)−アルキル−O−、HO−(C1−C5)−アルキル−O−、−O−(C1−C3)−アルキル−O−及び(C1−C5)−アルキル−S(O)n−からなる組からの1、2又は3つの同一か又は異なる置換で場合により置換され、ここでAr4中の全てのアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
1はR4−O−又はR56N−であり;
2は水素、(C1−C6)−アルキル、Ar4、R17−O−(C1−C6)−アルキル−、R1819N−(C1−C6)−アルキル−、Het−Cu2u−又は(C3−C7)−シクロアルキル−Cu2u−であり、ここでR2中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、
1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
4、R5及びR6は、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、水素、(C1−C5)−アルキル又は(C3−C7)−シクロアルキル−Cp2p−であり、ここでR4、R5及びR6中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
17、R18及びR19は、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、水素、(C1−C5)−アルキル又は(C3−C7)−シクロアルキル−Cq2q−であり、ここでR17、R18及びR19中の全てのアルキル基及びシクロアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
Hetは、窒素、酸素及び硫黄からなる組からの1個の環ヘテロ原子を含む、4員〜7員の単環式飽和環の残基であり、該Hetは環炭素原子を介して結合しており、そしてフェニル及び(C1−C5)−アルキルからなる組からの1、2又は3つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、ここでHet中のフェニル基は、ハロゲン、(C1−C5)−アルキル及び(C1−C5)−アルキル−O−からなる組からの1又は2つの同一か又は異なる置換基で場合により置換され、そしてここでHet及びHet中の全てのアルキル基は、1個又はそれ以上のフッ素置換基で場合により置換され;
ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄からなる組からの1、2又は3個の同一か又は異なる環ヘテロ原子を含む、5員若しくは6員の単環式芳香族環系又は9員若しくは10員の二環式芳香族環系であり;
f、k及びnは、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、0、1又は2であり;
p、q及びvは、全て互いに独立して、同一でも異なっていてもよく、0、1又は2であり;
uは0、1、2又は3であり;
ここで全てのシクロアルキル基は、互いに独立して、1つ又はそれ以上の同一か又は異なる(C1−C4)−アルキル置換基で場合により置換される;
その立体異性体形態のいずれか又は任意の比の立体異性体の混合物の形態にある、請求項1に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩であって;
ただし、R1がヒドロキシでありかつ同時にR2が水素である場合に、Ar1及びAr2が両方非置換フェニルではあり得ない、化合物、又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項10】
1がR4−O−でありR4が水素である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物(式Iaの化合物)、又はその生理学的に許容しうる塩を製造するための方法であって、式X(式Xの化合物中のAr1、Ar2及びR2は、請求項1〜9において定義されたとおりである)の化合物におけるニトリル基を加水分解することを含む、方法。
【化2】

【請求項11】
薬剤として使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。
【請求項12】
少なくとも1つの、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物又はその生理学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む、薬剤組成物。
【請求項13】
心臓血管系の障害、心疾患、不整脈、心室細動、突然心臓死、心臓収縮能の減少、心臓虚血、冠状動脈性心臓疾患、狭心症、心不全、心筋ミオパチー、心臓肥大若しくは心臓の迷走神経不全を処置する、又は心臓におけるATP感受性カリウムチャネルを阻害する、薬剤を製造するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物、又はその生理学的に許容しうる塩の使用。
【請求項14】
心臓血管系の障害、心疾患、不整脈、心室細動、突然心臓死、心臓収縮能の減少、心臓虚血、冠状動脈性心臓疾患、狭心症、心不全、心筋ミオパチー、心臓肥大若しくは心臓の迷走神経不全の処置における使用、又は心臓におけるATP感受性カリウムチャネルの阻害のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその生理学的に許容しうる塩。

【公表番号】特表2010−529052(P2010−529052A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510664(P2010−510664)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004112
【国際公開番号】WO2008/148468
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】