説明

スイッチオフバルブを備えたスプレーツール

本発明は、スプレーツール(20)に関し、特に、分配するための複数のスプレー部品(22)と、作動媒体を複数のスプレー部品(22)に供給する少なくとも1つの作動媒体供給ライン(36)とを有し、作動媒体を用いて型壁の少なくとも一部分をスプレーするための型スプレー装置の一部としてのスプレーツール(20)に関する。本発明によれば、スプレーノズル(62)が作動中に下方へ向くスプレー部品(22)の少なくともいくつかが、スプレーノズル(62)に隣接する別体のバルブユニット(42)を備え、バルブ部品(56)が、作動媒体の分配を防止するが、液圧及び/又は空気圧の作用を受けて作動媒体の分配を可能とする開位置に移動される閉位置に弾性的にプレストレスを与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーツールに関し、特に、作動媒体を分配するための複数のスプレー部品と、作動媒体を複数のスプレー部品に供給する少なくとも1つの作動媒体供給ラインとを有し、作動媒体を用いて型の型壁の少なくとも一部分をスプレーするための型スプレー装置の一部としてのスプレーツールに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなスプレーツールを使用する1つの可能な用途は、1つの作業サイクル後に次の作業サイクルのために、ドロップ鍛造装置の型半割体(mold halves)の型壁を準備するために使用されるもののような型スプレー装置としてである。そうするために、2つの型半割体の型壁は、作動媒体がスプレーされる。ここで、現在のドロップ鍛造装置に対して2つの問題、すなわち、第1の、鍛造成形部品ごとに約1から2秒だけである短いサイクルタイムと、第2の、ドロップ鍛造装置の型半割体間にスプレーツールを挿入するために利用可能である狭い設置空間との問題が生じる。
【0003】
前記の短いサイクルタイムを許容することを可能とするために、ドロップ鍛造装置の両方の型半割体は、同時に作動媒体がスプレーされなければならない。しかしながら、そうするために、スプレーツールが、反対方向に向いている2つの表面に対して複数のスプレー部品を備えている必要がある。この2倍になっていることは、個々のスプレー部品の寸法に、対応する影響を及ぼす。また、前記の短いサイクルタイムは、非常に多くの時間がかかるためにドロップ鍛造装置の2つの型半割体が互いから長い距離を移動することができないようにするので、これらの影響はさらに一層重大になる。ドロップ鍛造装置において作られる成形部品の大きさに応じて、約40mmから約80mmだけである設置空間が、スプレーツールの高さのために利用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内部の混合原理に従って作動されるスプレー部品を有するスプレーツールは従来技術において知られており、そこでは、混合室を有するスプレー部品の本体がスプレーツールの基礎部分にねじ込まれている。作動媒体は、通路システムを介して共用のスイッチオフバルブ(switch-off valve)から複数のスプレー部品に供給される。従って、ドロップ鍛造装置の型半割体をスプレーした後に、作動媒体の残留物が通路システムに残存することが避けられない。その後、スプレーツールが高速でドロップ鍛造装置の型半割体間の空間から引き抜かれる場合、作動媒体の一部が、慣性のため、噴霧化されることなく望ましくない方法でスプレー部品から漏れてドロップ鍛造装置の1つの型半割体の中に落ちることが起こり得る。非常に多くの作動媒体がこのようにしてドロップ鍛造装置に導入されるので、ドロップ鍛造装置に損害を与えるおそれがある。
【0005】
従って、本発明の目的は、作動中に作動媒体の望ましくない漏れが、完全に防止されないとしても、従来技術に比べて少なくとも低減される、最初に規定された形式のスプレーツールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、スプレーノズルが作動中に下方へ向くスプレー部品の少なくとも一部がスプレーノズルに隣接する別体のバルブユニットを備え、そのバルブ部品が、作動媒体の分配を停止するが、液圧及び/又は空気圧の作用を受けて作動媒体が分配されることを許容する開位置へ移動可能である、閉位置に弾性的にプレストレスを与えられる、最初に規定された形式のスプレーツールによって本発明に従って達成される。この方法を通じて、スプレーツールの移動における慣性の影響を受けてスプレーノズルを通過することができる作動媒体の量は、少なくとも著しく低減することができる。
【0007】
スプレーノズルに隣接して配置されたバルブユニットは、従来技術に比べて更なる構成要素があるので、更なる設置空間がまた、それらのために設けられなければならない。しかしながら、前記に説明した状況のため更なる設置空間を利用することができないので、この設置空間は他の所に確保しなければならない。これは、多くの方法によって実現することができ、本発明の更なる実施形態において個別に、あるいは互いに組み合わせて実行することができる。
【0008】
例えば、外部の混合原理に従う補助媒体、例えば空気の助けを借りて、又は補助媒体を使用することなく、作動媒体を噴霧化するためのスプレー部品を備えることが可能である。このようにして、内部の混合室のために必要とされる設置空間を省くことが可能である。
【0009】
付加的に又は代替的に、スプレーツールの本体のポットの形をした隙間に入れられ、スプレーツールのカバープレートによってそこに固定されるバルブユニットを備えることが可能である。これにより、バルブユニットをねじのない設計にすることができ、そのようにして、ねじのために必要とされる設置空間を取り除くことができる。
【0010】
本発明の更なる実施形態では、スプレーツールのカバープレートがまた、作動上の接続をするバルブユニットを有するスプレーノズル又はスプレーノズルの少なくとも一部を保持するために、バルブユニットのねじのない設計と無関係に使用され得る。別体の接続部品を、このようにして省くことができる。スプレーノズル又はスプレーノズルの少なくとも一部は、一実施形態の変形例によれば、カバープレートにねじ止めされ得る。この実施形態の変形例は、個々のバルブユニットにアクセスするためにカバープレート全体をスプレーツールから取り除くことが必要ではないという利点を有しており、従って、これは、スプレーツールのメンテナンスを容易にする。別の実施形態の変形例によれば、スプレーノズル又はスプレーノズルの少なくとも一部がまた、好ましくはカバープレートの内部から、カバープレート内の隙間の中へ緩く挿入され得る、あるいは、この隙間に摩擦によって、例えばそれに押し込まれて保持され得る。この別の実施形態の変形例は、スプレーノズル上のねじを排除するため、製造することをより簡単にするという利点を有している。
【0011】
バルブユニット自体はまた、簡単な設計で、特に軸方向に設置空間を軽減するような方法で設計することができる。例えば、バルブユニットが、入口端部において作動媒体供給ラインと接続可能であり、他方の端部からバルブ室の中へ開口するタッピング通路(tapping channel)がでる作動媒体入口通路を有することができ、そのようにして、このバルブ室の少なくとも1つの分配通路がまたバルブユニットの出口開口に導かれ、バルブ部品がバルブ室に入れられている。少なくとも1つの通路が開口する壁部分は、バルブ部品のためのバルブ封止面を形成する。
【0012】
バルブ部品の弾性のプレストレスを容易に与えること、すなわち、特に、例えばバネ又はそれと同様なものなどの更なる部品を設ける必要がなく、バルブ部品の弾性のプレストレスを容易に与えることを可能とするために、本発明の更なる実施形態では、バルブ部品がゴム材料から形成されることが提案される。ゴム材料の固有の弾性は、特に、バルブ封止面がバルブユニットの外側の周囲に形成され、リング状のバルブ部品によって囲まれるときに、明らかにされる。
【0013】
バルブ部品の断面が長方形であるように設計され、それによって好ましくは隣接する角部を接続する2つのラインのうちの少なくとも1つが凹形に設計される場合、凹形のラインの境界をなす角部が封止リップ(sealing lip)の役目を果たすので、バルブユニット上のバルブ部品の封止ガイドがこのようにして容易に確保することができる。このような部品は、例えば「クワッドリング(quad ring)」という用語によって知られている。しかしながら、本質的に、円形の断面を有する簡単なO−リングを使用することがまた考えられる。
【0014】
しかしながら、付加的に又は代替的に、作動媒体の望ましくない漏れはまた、作動媒体供給通路の及ぶ方向に見られるように、少なくとも1つの封止部品が、バルブ部品の両側に設けることにより妨げることが可能である。
【0015】
必要に応じて、バルブ部品の弾性のプレストレスの作用が、閉じる方向にバルブ部品に作用する、例えば圧縮空気などの制御媒体によって支えられることが可能である。
【0016】
スプレーツールの生産を簡単にするために、いわゆるサンドイッチ設計が、本質的に知られている方法で使用され得る。例えば、作動媒体供給ラインは、スプレーツールの本体に、この本体の表面に設けられる凹部として設計することができ、そのようにして、もう1つのプレートが作動媒体供給ラインを形成するために凹部を覆う。さらに、噴出空気供給ラインがまた、スプレーツールの本体に、この本体の1つの表面と反対側の表面に設けられる凹部として形成することが可能である。この凹部は、例えば、噴出空気供給ラインを形成するためにカバープレートによって覆うことが可能である。最後に、好ましく分割プレートによって互いに分離され、スプレー部品が本質的に反対方向に作動媒体を分配する2つの本体が備えられる場合に有利であることが分かった。
【0017】
さらに、スプレー部品は、必ずしも真っ直ぐな列に配置する必要はないが、代わりにまた、型半割体の形状に適合するように配置することが可能である。このようにして、成形装置、特にドロップ鍛造装置の型半割体の形状は、例えば、より効果的に冷却され潤滑油でコーティングされるなど、次の作業サイクルのためにより一層効果的に準備することが可能である。
【0018】
また、圧力比例バルブの使用を通じて、分配される作動媒体量の連続可変制御を確保することが可能であることを付け加えておく。
【0019】
外部の混合原理と内部の混合原理との相違を説明するために、独国特許出願公開第19511272A1号が参照され、これに関する開示は、ここで本特許出願の開示内容の一部とされる。
【0020】
本発明は、添付図面を参照しながら例示的実施形態に基づいて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のスプレーツールが使用される型スプレー装置を概略的に示す概略図である。
【図2】本発明のスプレーツールの詳細を示す拡大図である。
【図3】図2における矢印IIIの方向から見た、図2に示すスプレー部品のバルブユニットの上面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿ったバルブユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
概略的に示した概略図において、図1は、本発明のスプレーツール20が使用され得る熱間成形及び冷間成形用の装置の一例としてのドロップ鍛造装置10を示している。ドロップ鍛造装置10は、建物の床面Uに固定して取り付けられるロアプレスラム12と、ここでは示されていない装置を用いて前後に移動可能であるアッパプレスラム14とを有している。このようにして、2つのプレスラム12及び14の2つの型半割体12a及び14aは、1つの部品を成形するためのプレス空間を形成するように互いに近づけることができる、あるいはスプレーツール20を挿入するための十分な空間を形成するように互いに離れて移動することができる。後者の状態が、図1に示されている。 スプレーツール20を2つの型半割体12a及び14aの間に挿入することを可能とするために、スプレーツールは、図1において概略的な形でのみ示されるロボット16のアーム16aに取り付けられている。図1に示されるように、延びること、及び/又は、縮むことのみが可能であるロボットアーム16aを有するロボット16に代えて、現在の多軸ロボットがまた当然使用可能である。ロボット16とスプレーツール20とはともに型スプレー装置18を形成する。
【0023】
ここで重要なことは、熱間成形及び/又は冷間成形用の装置10の設計又はロボット16の設計ではなくスプレーツール20の設計であり、これらの部品はまた従来の設計からなるものであり得るので、この点について、ここではより詳細な説明が与えられていない。
【0024】
図1にまた示されるように、スプレーツール20は、スプレー部品22の2つの反対方向の列、すなわち、下の型半割体12aに割り当てられた列24と上の型半割体14aに割り当てられた列26とを有している。
【0025】
図2によれば、スプレーツール20は、サンドイッチ設計によって構成されている。スプレーツールは、スプレー部品22の下の列24に割り当てられた第1のメインプレート28と、スプレー部品22の上の列26に割り当てられた第2のメインプレート30と、2つのメインプレート28及び30を分離するための分割プレート32と、第1のメインプレート28に割り当てられたカバープレート34と、第2のメインプレート30に割り当てられたカバープレート(不図示)と、を有している。凹部(recess)28a及び30aが、2つのメインプレート28及び30に形成され、そしてそれが、分割プレート32によって覆われ、そのようにして作動媒体のための供給ライン36及び38を形成する。同様に、更なる凹部が、メインプレート28及び30の凹部28a及び30aから離れた側に形成されるが、図2では、凹部28bのみが示されている。この更なる凹部28bは、カバープレート34によって覆われ、そのようにして空気を噴出するための供給ライン40を形成し、それによってスプレー部品22により分配される作動媒体が噴霧化される。分割プレート32、2つのメインプレート28及び30、並びに2つのカバープレート34は、好適な固定手段によって、例えばねじボルト及びナットによって互いに対して保持される。
【0026】
2つのプレス半割体12及び14の間の空間の中へ、又は該空間から外へのスプレーツール20の急速な移動において、少なくともスプレー部品22の下の列24のために、作動媒体が慣性の影響を受けて供給ライン36及び下のスプレー部品22から漏れるおそれがある。これを防止するために、本発明によれば、別体のバルブユニット42が、各スプレー部品22に割り当てられる。バルブユニット42は、ポットの形をした(pot-shaped)凹部28cに入れられ、そのポットの底が、通路28dを介して作動媒体供給ライン36に接続されている。
【0027】
図3及び図4を参照して、バルブユニット42の設計がここでより詳細に説明される。バルブユニット42は、実質的にシリンダー対称(cylindrically symmetrical)であるように設計される基部本体44であって、タッピング通路46がその1つの端面44aから離れて導かれ、基部本体44の中へシリンダー軸Zに沿って実質的に延びる基部本体44を有している。正確なシリンダー対称から逸脱して、リング溝50の底を形成するリング面50aに開口する4つの半径方向の通路48は、タッピング通路46の内部の端部から離れて導かれる。シリンダー軸Zに関して斜めに内方へ延びる4つの更なる通路52は、通路48の開口部に対して約45度だけそれぞれオフセットした位置において、このリング溝50から導かれ、シリンダー軸Zを囲む分配凹部(dispensing recess)54に開口しており、それを通じて作動媒体はまた、バルブユニット42から出てくる。
【0028】
ゴム材料から作られて本質的に正方形又は長方形の断面を有するバルブリング56が、リング溝50内に配置される。バルブリング56の直径は、外力がない無負荷状態ではリング溝50の底50aと接触するものであり、必要に応じて予め決定されたプレストレスが付与される。半径方向において内側にあるバルブリング56の表面56aが凹形であるように設計されるという事実のため、バルブリング56の角部56bは、この場合わずかに圧縮され、そのため、それらは、特に効果的に封止リップとしての機能を果たすことができ、作動媒体の望ましくない漏れを防止することができる。タッピング通路46からくる作動媒体が、圧力を備えてバルブリング56の境界面56aと接触する場合に、この圧力が予め決定された値を超えるとバルブリング56を拡大する。この状態が図4に示されている。バルブリング56の変位に基づいて、作動媒体は、タッピング通路46から出発し、通路48、リング溝50及び更なる通路52を通じて分配凹部54に流れることができる。作動媒体の圧力が下がるとすぐに、バルブリング56は、固有の弾性のため再び収縮し、作動媒体が通路48から他の通路52の中へ漏れることを防止する。
【0029】
バルブリング56によって付与されるバルブ機能は、スプレーツール20の急速な移動に伴う慣性だけに起因して作動媒体がスプレー部品22から漏れることを確実に防止する。バルブリング56のゴム材料の固有の弾性がバルブ機能を付与するために不十分である場合、例えば圧縮空気又は好適なバネ部品によって、その外部からバルブリング56にさらにプレストレスを付与することを考えることが可能である。実際、この場合に、固有の弾性を完全に省くことさえ考えることが可能である。更なるプレストレスはまた、バルブユニット42を通じて作動媒体の流量を制御するために利用することができる。
【0030】
図4はまた、メインプレート28の容器である凹部28c内にバルブユニット42を封止する役割を果たす、従来のOリングとして設計された2つの封止部品58及び60を示している。
【0031】
図2に示される例示的実施形態では、分配ノズル62は、2つの部分で設計されている。特に、分配ノズルは、バルブユニット42の分配凹部54と係合して作動媒体を噴出する役目を果たすノズル口部64と、外部の混合原理に従って作動媒体を噴霧化するために使用される噴出空気を噴出する役目を果たす空気案内ノズル66と、を有している。空気案内ノズル66は、カバープレート34内の開口部34aを通過する。
【0032】
さらに、図2は、バルブユニット42と空気案内ノズル66のどちらもネジを用いて設計されていないことを示している。その代わりに、バルブユニット42は、メインプレート28の凹部28cの中へ挿入されるだけであり、空気案内ノズルが、内側の端面66aにおいてバルブユニット42の基部本体44の外側の端面44aに接触するという事実により、空気案内ノズル66によってそこに保持される。空気案内ノズル66は次に、開口部34aを囲むカバープレート34の内側の境界面の部分に接触するリングショルダー部66bを有している。しかしながら、本質的に、空気案内ノズルはまた、リングショルダー部66bを省いて、66cに示されるように開口部34aに空気案内ノズル66をねじ込むことを考えることができる。後者の場合、カバープレート34全体をスプレーツール20から取り除く必要なしに、バルブユニット42を取り換えることが可能である。
【0033】
分配ノズル62を1つの部品の設計として設計することがまた当然に考えることができる。さらに、分配ノズル62のスプレー角度は、その対応する設計を通じて選択することができる。しかしながら、それにも関わらず、同じバルブユニット42を常に使用することができる。
【0034】
凹部28a及び28bが、例えばフライス加工によってメインプレート28に作ることができることがまた付け加えられるべきである。しかしながら、付加的に又は代替的に、それらの成形中にすでにメインプレートにこれらの凹部を付与することがまた可能である。所望のコースを有する通路システムを形成するために、相互に接続されるのではなく、例えばフライス加工によって、個々の仕切りを取り除くことにより接続される複数の凹部が、成形するときに設けられてもよい。
【0035】
また、例えばグラフィイトと水の分散物が作動媒体として使用され得ることを指摘しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーツール(20)、特に、作動媒体を分配するための複数のスプレー部品(22)と、作動媒体を前記複数のスプレー部品(22)に運ぶ少なくとも1つの作動媒体供給ライン(36)と、を有し、作動媒体を用いて型(12、14)の型壁の少なくとも一部分をスプレーするための型スプレー装置(10)の一部としてのスプレーツール(20)であって、スプレーノズル(62)が作動中に下方へ向く前記スプレー部品(22)の少なくともいくつかが、前記スプレーノズル(62)に隣接する別体のバルブユニット(42)を備え、そのバルブ部品(56)が、作動媒体の分配を停止するが、液圧及び/又は空気圧の作用を受けて作動媒体の分配を可能とする開位置にもたらされ得る、閉位置に弾性的にプレストレスを与えられる、ことを特徴とするスプレーツール。
【請求項2】
前記スプレー部品(22)は、外部の混合原理に従って、例えば空気などの補助媒体を使用して作動媒体を噴霧化する、あるいは補助媒体を使用することなく作動媒体を噴霧化する、ことを特徴とする請求項1に記載のスプレーツール。
【請求項3】
前記バルブユニット(42)は、前記スプレーツール(20)の本体(28)のポットの形をした隙間(28c)内に入れられ、前記スプレーツール(20)のカバープレート(34)によってそこに固定されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプレーツール。
【請求項4】
前記スプレーノズル(62)又は前記スプレーノズル(62)の少なくとも一部(66)が、前記バルブユニット(42)に作動上の接続をして前記スプレーツール(20)のカバープレート(34)によって保持される、ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項5】
前記スプレーノズル(62)又は前記スプレーノズル(62)の少なくとも一部(66)が、前記カバープレート(34)にボルト止めされている、ことを特徴とする請求項4に記載のスプレーツール。
【請求項6】
前記スプレーノズル(62)又は前記スプレーノズル(62)の少なくとも一部(66)が、好ましくはカバープレート(34)の内部から、カバープレート(34)内の隙間(34a)の中へ緩く挿入される、あるいは、この隙間(34a)に、摩擦によって、例えばそれに押し込まれて保持される、ことを特徴とする請求項4に記載のスプレーツール。
【請求項7】
前記バルブユニット(42)が、1つの入口端部において作動媒体供給ラインと接続され得る作動媒体入口通路(46)を有し、少なくとも1つのタッピング通路(48)が、作動媒体入口通路(46)のもう1つの端部から導かれ、バルブ室(50)の中へ開口し、次に、少なくとも1つの分配通路(52)が、このバルブ室(50)からバルブユニット(46)の出口開口(54)へ導かれ、バルブ部品(56)が、前記バルブ室(50)に入れられる、ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項8】
前記バルブ部品(56)が、ゴム材料から作られる、ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項9】
前記バルブ部品(56)が、リング状に設計される、ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項10】
前記バルブ部品(56)の断面が、四辺形として設計され、好ましくは、隣接する角部(56b)を接続する2つのラインの少なくとも1つ(56a)が凹形に設計される、ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項11】
作動媒体入口通路(46)の及ぶ方向に見られるように、少なくとも1つの封止部品(58、60)が、前記バルブ部品(56)の両側に設けられている、ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項12】
前記バルブ部品(56)の弾性のプレストレスの作用が、閉じる方向に前記バルブ部品(56)に作用する制御媒体によって支えられている、ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項13】
前記作動媒体供給ライン(36、38)は、前記スプレーツール(20)の本体(28、30)に、この本体(28、30)の表面に設けられる凹部(28a、30a)として設計される、ことを特徴とする請求項1から請求項12の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項14】
噴出空気供給ライン(40)は、前記スプレーツール(20)の前記本体内の凹部として設計され、前記凹部が、この本体(28)の前記1つの表面と反対側の表面に設けられている、ことを特徴とする請求項1から請求項13の何れか1項に記載のスプレーツール。
【請求項15】
2つの本体(28、30)を有し、好ましくは仕切り(32)によって分離され、スプレー部品(22)が、本質的に反対方向に作動媒体を分配する、ことを特徴とする請求項1から請求項14の何れか1項に記載のスプレーツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−532250(P2010−532250A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513793(P2010−513793)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005499
【国際公開番号】WO2009/003718
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】